特許第6406516号(P6406516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6406516
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-24996(P2015-24996)
(22)【出願日】2015年2月12日
(65)【公開番号】特開2016-149234(P2016-149234A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2017年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】中島 啓道
(72)【発明者】
【氏名】大武 寛和
(72)【発明者】
【氏名】北村 紀之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雄治
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 朋和
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−026024(JP,A)
【文献】 特開2014−075516(JP,A)
【文献】 特開2014−075274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1直流電力を第2直流電力に変換する第1電力変換装置及び第2電力変換装置を有する電源ユニットと、
複数の発光素子が電気的に接続された複数の光源回路を有し、前記複数の光源回路のそれぞれが前記第1電力変換装置に接続された第1光源モジュールと、
複数の発光素子が電気的に接続された複数の光源回路を有し、前記複数の光源回路のそれぞれが前記第2電力変換装置に接続された第2光源モジュールと、
複数の発光素子が電気的に接続された複数の光源回路を有し、前記複数の光源回路の少なくとも1つが前記第1電力変換装置に接続され、前記複数の光源回路の少なくとも1つが前記第2電力変換装置に接続された第3光源モジュールと、
を有する光源ユニットと、
を備え
前記第1光源モジュール、前記第2光源モジュールおよび前記第3光源モジュールのうち、点灯にともなう温度の上昇が最も大きい位置に配置された一の光源モジュールの前記複数の光源回路のそれぞれの順方向電圧は、他の光源モジュールの前記複数の光源回路のそれぞれの順方向電圧よりも高い照明装置。
【請求項2】
第1直流電力を第2直流電力に変換する第1電力変換装置及び第2電力変換装置を有する電源ユニットと、
複数の発光素子が電気的に接続された複数の光源回路を有し、前記複数の光源回路のそれぞれが前記第1電力変換装置に接続された第1光源モジュールと、
複数の発光素子が電気的に接続された複数の光源回路を有し、前記複数の光源回路のそれぞれが前記第2電力変換装置に接続された第2光源モジュールと、
複数の発光素子が電気的に接続された複数の光源回路を有し、前記複数の光源回路の少なくとも1つが前記第1電力変換装置に接続され、前記複数の光源回路の少なくとも1つが前記第2電力変換装置に接続された第3光源モジュールと、
を有する光源ユニットと、
を備え
前記第1光源モジュール、前記第2光源モジュールおよび前記第3光源モジュールのうち、光出力が最も大きい位置に配置された一の光源モジュールの前記複数の光源回路のそれぞれの順方向電圧は、他の光源モジュールの前記複数の光源回路のそれぞれの順方向電圧よりも低い照明装置。
【請求項3】
前記電源ユニットは、1つのAC/DC変換部を有し、
前記AC/DC変換部は、交流電源と電気的に接続され、前記交流電源から供給された交流電力を前記第1直流電力に変換し、前記第1直流電力を前記第1電力変換装置及び前記第2電力変換装置に供給する請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1光源モジュールと前記第2光源モジュールと前記第3光源モジュールとのそれぞれは、前記複数の光源回路毎に設けられた複数の入力端子を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の光源モジュールと複数の電力変換装置とを備えた照明装置がある。光源モジュールは、基板と、基板上に高密度に実装された複数の発光素子と、を有する。こうした光源モジュールは、例えば、COB(Chip On Board)と呼ばれる。電力変換装置は、供給された電力を光源モジュールに対応した電力に変換し、変換後の電力を光源モジュールに供給する。このような照明装置は、例えば、比較的高い出力を要求される投光器などに用いられる。
【0003】
1つの電力変換装置の出力電力は、必ずしも1つの光源モジュールの消費電力の整数倍であるとは限らない。例えば、電力変換装置の出力電力が100Wで、光源モジュールの消費電力が60Wである場合、1つの電力変換装置で2つの光源モジュールを駆動することができない。従って、60Wの3つの光源モジュールを出力電力が100Wの電力変換装置で駆動する場合には、電力変換装置の数も3つ必要となる。一方、3つの光源モジュールの合計の消費電力は、180Wであり、出力電力が100Wの電力変換装置が2つでも供給可能な電力である。このように、出力電力が100Wの電力変換装置が2つでも供給可能な電力を3つの電力変換装置で投入することになるため、非効率であるとともに、照明装置の部品点数が、増加してしまう。
【0004】
仕様の異なる照明装置(製品)を既存の光源モジュール及び電力変換装置の組み合わせで製造する場合がある。このため、組み合わせによっては、上記のように、電力変換装置の出力が、光源モジュールの消費電力の整数倍とならない場合もある。光源モジュールの消費電力の整数倍となるように、製品毎に電力変換装置を設計することも考えられる。しかしながら、この場合には、照明装置の製造コストの増加を招いてしまう虞がある。また、出力の大きな1つの電力変換装置から複数の光源モジュールに電力を供給することも考えられる。しかしながら、この場合には、例えば、各発光素子の順方向電圧の低い光源モジュールに電流が集中し、各光源モジュールの明るさにバラツキが生じてしまうことが懸念される。
【0005】
このため、複数の光源モジュールと複数の電力変換装置とを備えた照明装置では、1つの電力変換装置の出力電力が、1つの光源モジュールの消費電力の整数倍ではない場合でも、部品点数の増加を抑制できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−235692号公報
【特許文献2】特開2014−86159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
部品点数の増加を抑制できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によれば、電源ユニットと、光源ユニットと、を備えた照明装置が提供される。前記電源ユニットは、第1直流電力を第2直流電力に変換する第1電力変換装置及び第2電力変換装置を有する。前記光源ユニットは、第1光源モジュールと、第2光源モジュールと、第3光源モジュールと、を有する。前記第1光源モジュールは、複数の発光素子が電気的に接続された複数の光源回路を有し、前記複数の光源回路のそれぞれが前記第1電力変換装置に接続される。前記第2光源モジュールは、複数の発光素子が電気的に接続された複数の光源回路を有し、前記複数の光源回路のそれぞれが前記第2電力変換装置に接続される。前記第3光源モジュールは、複数の発光素子が電気的に接続された複数の光源回路を有し、前記複数の光源回路の少なくとも1つが前記第1電力変換装置に接続され、前記複数の光源回路の少なくとも1つが前記第2電力変換装置に接続される。前記第1光源モジュール、前記第2光源モジュールおよび前記第3光源モジュールのうち、点灯にともなう温度の上昇が最も大きい位置に配置された一の光源モジュールの前記複数の光源回路のそれぞれの順方向電圧は、他の光源モジュールの前記複数の光源回路のそれぞれの順方向電圧よりも高い。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態では、第3光源モジュールの複数の光源回路の少なくとも1つを第1電力変換装置に接続し、第3光源モジュールの複数の光源回路の少なくとも1つを第2電力変換装置に接続する。これにより、2つの電力変換装置で3つの光源モジュールを駆動することができる。従って、1つの電力変換装置の出力電力が、1つの光源モジュールの消費電力の整数倍ではない場合でも、部品点数の増加を抑制することができる。電力変換装置の数を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る照明装置を表す斜視図である。
図2】実施形態に係る照明装置を表す分解斜視図である。
図3】実施形態に係る光源モジュールを表す平面図である。
図4】実施形態に係る電源ユニットを模式的に表すブロック図である。
図5】実施形態に係る電源ユニットの変形例を模式的に表すブロック図である。
図6】実施形態に係る電源ユニットの変形例を模式的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
[実施形態の構成]
図1は、実施形態に係る照明装置を表す斜視図である。
図2は、実施形態に係る照明装置を表す分解斜視図である。
図1及び図2に表したように、照明装置10は、光源ユニット12と、電源ユニット14と、光制御ユニット16と、支持体18と、台座20と、を備える。照明装置10は、看板や建造物の演出照明などに用いられる、いわゆる投光器である。
【0013】
光源ユニット12は、ベース22と、複数の光源モジュール24と、を有する。ベース22は、各光源モジュール24を支持する。ベース22は、支持面22aを有する板状である。各光源モジュール24は、支持面22aの上に並べて設けられる。各光源モジュール24において、隣接する2つの光源モジュール24の距離d1は、例えば、1cm以上30cm以下である。この例において、光源ユニット12は、第1光源モジュール24a〜第7光源モジュール24gの7つの光源モジュール24を有する。各光源モジュール24の数は、7つに限ることなく、任意の数でよい。
【0014】
各光源モジュール24は、電力の供給に応じて、支持面22aの向く方向に光を照射する。以下では、支持面22aの向く方向を「前方向」とし、支持面22aの向く方向と反対側の方向を「後方向」とする。各光源モジュール24は、前方向に向けて光を照射する。
【0015】
ベース22の支持面22aと反対側の面には、複数の放熱フィン26が設けられている。各放熱フィン26は、後方向に向けて延びる。各放熱フィン26は、ベース22の後側の面の表面積を増加させることにより、各光源モジュール24から放出される熱の放熱効率を向上させる。
【0016】
電源ユニット14は、台座20に取り付けられている。電源ユニット14は、電源ケーブル30を介して交流電源2(図4参照)と電気的に接続されるとともに、給電ケーブル32を介して各光源モジュール24と電気的に接続される。電源ユニット14は、交流電源2から供給される交流電力を、各光源モジュール24に対応した直流電力に変換する。電源ユニット14は、変換後の直流電力を各光源モジュール24に供給する。これにより、電源ユニット14からの電力供給に応じて、各光源モジュール24から光が照射される。
【0017】
光制御ユニット16は、複数の反射体34と、ケース36と、透光カバー38と、を有する。複数の反射体34は、各光源モジュール24に応じて設けられる。各反射体34の数は、各光源モジュール24の数と同じである。各反射体34は、各光源モジュール24の光軸上に設けられる。各反射体34は、後端側から前端側に向かって広がる筒状である。各反射体34は、例えば、各光源モジュール24から照射される光の配光を制御する。
【0018】
ケース36は、各反射体34を支持する。ケース36は、例えば、各反射体34を囲む筒状である。透光カバー38は、光透過性を有する。透光カバー38は、ケース36の前端を塞ぐ。
【0019】
支持体18は、光源ユニット12と光制御ユニット16とを支持する。支持体18は、例えば、支持面22aの外縁形状に応じた筒状である。光源ユニット12は、支持体18の後端に取り付けられる。光制御ユニット16は、支持体18の前端に取り付けられる。これにより、光源ユニット12と光制御ユニット16とが支持体18に支持され、各反射体34が各光源モジュール24の光軸上に配置される。
【0020】
台座20は、一対のアーム40を有する。台座20は、各アーム40で支持体18を挟むことにより、回転軸40aを軸に支持体18を回転可能に支持する。これにより、照明装置10では、支持面22aの方向を変化させることができる。すなわち、光の照射方向を変化させることができる。
【0021】
図3は、実施形態に係る光源モジュールを表す平面図である。
図3に表したように、光源モジュール24は、基板60と、複数の光源回路62と、複数の入力端子64と、枠部66と、波長変換層68と、を有する。基板60は、例えば、平板状である。基板60は、実装面60aを有する。基板60には、例えば、絶縁性と高い熱伝導性とを有する材料が用いられる。基板60には、例えば、セラミクスが用いられる。
【0022】
複数の光源回路62は、電気的に接続された複数の発光素子70を有する。各発光素子70は、例えば、発光ダイオード(Light-emitting diode:LED)である。各発光素子70は、例えば、LEDのベアチップである。各発光素子70は、基板60の実装面60aの上に並べて設けられる。基板60の実装面60aには、図示を省略した配線パターンが設けられている。各発光素子70は、実装面60a上の配線パターンによって、互いに電気的に接続される。光源モジュール24は、いわゆるCOB(Chip On Board)型のLEDモジュールである。
【0023】
各発光素子70において、隣接する2つの発光素子70の距離d2は、例えば、0.1mm以上10mm以下である。各発光素子70の距離d2は、例えば、各光源モジュール24の距離d1の0.1倍以下である。
【0024】
1つの光源回路62に含まれる各発光素子70は、例えば、直列に接続される。光源回路62は、例えば、複数の発光素子70を直列に接続した直列回路である。各発光素子70の接続は、例えば、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続でもよい。
【0025】
この例では、第1光源回路62a〜第4光源回路62dの4つの光源回路62が設けられている。光源回路62の数は、4つに限ることなく、任意の数でよい。各光源回路62に含まれる複数の発光素子70の数は、同じである。これにより、例えば、電流が、順方向電圧の低い光源回路62(発光素子70の直列接続数の少ない光源回路62)に集中してしまうことを抑制することができる。但し、各発光素子70の数は、各光源回路62のそれぞれで厳密に同じである必要はなく、異なっていてもよい。
【0026】
各入力端子64は、光源回路62毎に設けられる。入力端子64は、1つの光源回路62に対して2つ設けられる。従って、この例では、4つの光源回路62に対応する第1入力端子64a〜第8入力端子64hの8つの入力端子64が設けられる。
【0027】
第1入力端子64a及び第2入力端子64bは、第1光源回路62aと電気的に接続される。第1入力端子64aは、第1光源回路62aの各発光素子70の一端に接続される。例えば、直列に接続された各発光素子70の最も端のアノードに接続される。第2入力端子64bは、第1光源回路62aの各発光素子70の他端に接続される。例えば、直列に接続された各発光素子70の最も端のカソードに接続される。
【0028】
同様に、第3入力端子64c及び第4入力端子64dは、第2光源回路62bと電気的に接続される。第5入力端子64e及び第6入力端子64fは、第3光源回路62cと電気的に接続される。第7入力端子64g及び第8入力端子64hは、第4光源回路62dと電気的に接続される。
【0029】
このように、各入力端子64は、各光源回路62と電気的に接続される。また、各入力端子64は、電源ユニット14との電気的な接続に用いられる。各入力端子64は、いわゆるコネクタである。各光源モジュール24の各発光素子70は、各入力端子64を介して電源ユニット14と電気的に接続される。これにより、電源ユニット14からの電力供給に応じて各光源モジュール24の各発光素子70から光が照射される。
【0030】
枠部66は、基板60の実装面60aの上に設けられる。枠部66は、実装面60aの上において各発光素子70を囲む。枠部66の実装面60aからの高さは、各発光素子70の実装面60aからの高さよりも高い。枠部66は、例えば、各発光素子70から照射される光に対して光反射性を有する。枠部66には、例えば、金属や金属酸化物などの光反射性の粒子を分散させた光透過性の樹脂材料などが用いられる。
【0031】
波長変換層68は、枠部66内に充填され、各発光素子70のそれぞれを覆う。波長変換層68は、例えば、各発光素子70から放出される第1光(発光光)の少なくとも一部を吸収し、第1光のピーク波長とは異なるピーク波長の第2光を放出する。すなわち、波長変換層68は、各発光素子70から放出された光のピーク波長を変換する。波長変換層68は、例えば、第1光のピーク波長とは異なる複数のピーク波長の光を放出してもよい。波長変換層68には、例えば、蛍光体などの波長変換粒子を分散させた光透過性の樹脂材料が用いられる。波長変換層68は、例えば、放出する光のピーク波長が異なる複数の変換層の積層体としてもよい。
【0032】
各発光素子70の発光光は、例えば、青色光であり、波長変換層68から放出される光は、例えば、黄色光である。波長変換層68から放出される光と、発光光と、の合成光は、例えば、実質的に白色光である。第1光、第2光及び合成光の色は、上記に限ることなく、任意の色でよい。
【0033】
図4は、実施形態に係る電源ユニットを模式的に表すブロック図である。
図4に表したように、電源ユニット14は、複数の電源回路80を有する。各電源回路80は、光源ユニット12の複数の光源モジュール24に対応して設けられる。この例では、第1電源回路80a〜第5電源回路80eの5つの電源回路80が設けられている。電源回路80の数は、5つに限ることなく、各光源モジュール24の数に応じた任意の数でよい。
【0034】
各電源回路80は、交流電源2と電気的に接続される。各電源回路80は、例えば、それぞれ異なる系統の交流電源2に接続される。各電源回路80は、1つの交流電源2に接続してもよい。交流電源2は、例えば、商用電源である。交流電源2の交流電力の電圧は、例えば、100V(実効値)である。
【0035】
また、電源ユニット14は、複数の配線基板81と、複数の筺体82と、外部筺体88と、を有する。各電源回路80は、各配線基板81に設けられる。電源ユニット14は、複数の配線基板81から複数の系統の電力を供給する。各筺体82は、各配線基板81を収容する。各筺体82は、各電源回路80及び各配線基板81を覆う。外部筺体88は、各筺体82のそれぞれを収容する。なお、外部筺体88は、省略してもよい。換言すれば、電源ユニット14は、複数の配線基板81と、各配線基板81に設けられた複数の電源回路80と、各電源回路80及び各配線基板81を覆う複数の筺体82と、を有する複数の電源装置で構成してもよい。
【0036】
各電源回路80は、AC/DC変換部83と、電力変換装置84と、を有する。AC/DC変換部83は、整流回路85と、昇圧回路86と、を有する。整流回路85は、交流電源2と電気的に接続される。整流回路85は、交流電源2から供給された交流電力を整流し、交流電力を整流電力(例えば脈流電力)に変換する。整流回路85には、例えば、ダイオードブリッジ回路が用いられる。整流回路85は、例えば、交流電力を全波整流する。整流回路85は、交流電力を半波整流してもよい。また、整流回路85は、例えば、平滑コンデンサを有し、整流電力を直流電力に変換する。
【0037】
昇圧回路86は、整流回路85と電気的に接続されている。昇圧回路86は、整流回路85から供給された直流電力の電圧を昇圧する。昇圧回路86には、例えば、昇圧チョッパ回路が用いられる。このように、AC/DC変換部83は、交流電源2の交流電力を第1直流電力に変換する。昇圧回路86は、必要に応じて設けられ、省略可能である。例えば、整流回路85の出力を第1直流電力としてもよい。
【0038】
電力変換装置84は、AC/DC変換部83と電気的に接続されている。電力変換装置84は、AC/DC変換部83から供給された第1直流電力を、各光源モジュール24に対応した第2直流電力に変換する。AC/DC変換部83及び電力変換装置84は、例えば、交流電源2の100Vの交流電力を200Vの直流電力に変換する。電力変換装置84の定格出力電力は、1つの光源モジュール24の定格消費電力よりも大きい。また、電力変換装置84の定格出力電力は、1つの光源モジュール24の定格消費電力の整数倍ではない。電力変換装置84は、いわゆるDC/DCコンバータである。このように、この例において、電源ユニット14は、各電源回路80に設けられた第1電力変換装置84a〜第5電力変換装置84eの5つの電力変換装置84を有する。
【0039】
第1光源モジュール24aの各光源回路62のそれぞれは、第1電力変換装置84aに接続されている。第2光源モジュール24bの各光源回路62のそれぞれは、第2電力変換装置84bに接続されている。第3光源モジュール24cの第1光源回路62a及び第2光源回路62bは、第1電力変換装置84aに接続されている。一方、第3光源モジュール24cの第3光源回路62c及び第4光源回路62dは、第2電力変換装置84bに接続されている。このように、第3光源モジュール24cにおいては、各光源回路62の少なくとも1つが第1電力変換装置84aに接続され、各光源回路62の別の少なくとも1つが第2電力変換装置84bに接続される。
【0040】
第4光源モジュール24dの各光源回路62のそれぞれは、第3電力変換装置84cに接続されている。第5光源モジュール24eの各光源回路62のそれぞれは、第4電力変換装置84dに接続されている。第6光源モジュール24fの第1光源回路62a及び第2光源回路62bは、第3電力変換装置84cに接続されている。第6光源モジュール24fの第3光源回路62c及び第4光源回路62dは、第4電力変換装置84dに接続されている。第7光源モジュール24gの各光源回路62のそれぞれは、第5電力変換装置84eに接続されている。
【0041】
このように、照明装置10では、7つの光源モジュール24に対して、5つの電力変換装置84から電力を供給する。照明装置10において、光源モジュール24の数と電力変換装置84の数との比率は、整数比ではない。
【0042】
[実施形態の作用]
次に、実施形態に係る照明装置10の作用について説明する。
照明装置10を点灯させる場合には、例えば、電源ケーブル30及び図示を省略したスイッチなどを介して電源ユニット14を交流電源2に接続する。
【0043】
電源ユニット14を交流電源2に接続すると、交流電源2の交流電力が各電源回路80に供給される。各電源回路80に供給された交流電力は、AC/DC変換部83の整流回路85及び昇圧回路86により、第1直流電力に変換される。AC/DC変換部83は、変換した第1直流電力を電力変換装置84に供給する。電力変換装置84は、AC/DC変換部83から供給された第1直流電力を第2直流電力に変換し、第2直流電力を出力する。
【0044】
これにより、各電力変換装置84から各光源モジュール24に第2直流電力が供給され、各光源モジュール24の各発光素子70から光が照射される。すなわち、照明装置10が点灯する。
【0045】
[実施形態の効果]
このように、本実施形態に係る照明装置10では、第3光源モジュール24cの複数の光源回路62の少なくとも1つを第1電力変換装置84aに接続し、第3光源モジュール24cの複数の光源回路62の別の少なくとも1つを第2電力変換装置84bに接続する。これにより、照明装置10では、2つの電力変換装置84a、84bで3つの光源モジュール24a〜24cを駆動することができる。従って、1つの電力変換装置84の出力電力が、1つの光源モジュール24の消費電力と異なり、かつ、1つの電力変換装置84の出力電力が、1つの光源モジュール24の消費電力の整数倍ではない場合でも、照明装置10の部品点数の増加を抑制することができる。電力変換装置84の数を抑えることができる。
【0046】
また、照明装置10では、例えば、既存の光源モジュール24と既存の電力変換装置84との選択の自由度を高めることができる。例えば、光源モジュール24の消費電力の整数倍となるように、製品毎に電力変換装置84を設計する場合に比べて、照明装置の製造コストを抑えることができる。また、出力の大きな1つの電力変換装置84から複数の光源モジュール24に電力を供給する場合に比べて、各発光素子70の順方向電圧のバラツキにともなう電流集中を抑制することができる。例えば、各光源モジュール24の明るさのバラツキを抑制できる。
【0047】
照明装置10では、各光源モジュール24が、複数の光源回路62毎に設けられた複数の入力端子64を有している。これにより、各光源回路62と各電力変換装置84との接続を容易にすることができる。
【0048】
照明装置10において、複数の光源モジュール24のうち、点灯にともなう温度の上昇が最も大きいと予測される位置に配置された1つの光源モジュール24の各光源回路62のそれぞれの順方向電圧は、他の光源モジュール24の各光源回路62のそれぞれの順方向電圧よりも高くする。
【0049】
各発光素子70の順方向電圧は、温度の上昇にともなって低くなる。従って、点灯時の温度上昇の激しい位置を放熱設計によって予測し、その位置の光源モジュール24の順方向電圧を高くしておく。これにより、例えば、点灯状態において各光源モジュール24の順方向電圧を均一化させることができる。例えば、順方向電圧のバラツキに起因する電流集中を抑制することができる。
【0050】
熱は、上方に拡散する。このため、例えば、最も上方に位置する光源モジュール24の各光源回路62の順方向電圧を高くする。この例では、例えば、第1光源モジュール24aの順方向電圧を、第2光源モジュール24bの順方向電圧及び第3光源モジュール24cの順方向電圧よりも高くする(図2参照)。これにより、第1光源モジュール24aへの電流集中を抑制することができる。
【0051】
例えば、2つの電力変換装置84から電力が供給される第3光源モジュール24cは、第1光源モジュール24aとの温度差及び第2光源モジュール24bとの温度差の小さい位置に配置する。例えば、図2に表したように、第3光源モジュール24cは、鉛直方向において、第1光源モジュール24aと第2光源モジュール24bとの間に配置する。これにより、例えば、第1光源モジュール24aと第3光源モジュール24cとの温度の高い方、及び、第2光源モジュール24bと第3光源モジュール24cとの温度の高い方に電流が集中してしまうことを抑制することができる。第1光源モジュール24a、第2光源モジュール24bおよび第3光源モジュール24cは、例えば、実質的に同じ高さに配置してもよい。換言すれば、第1光源モジュール24a、第2光源モジュール24bおよび第3光源モジュール24cは、横方向に並べて配置してもよい。
【0052】
照明装置10において、複数の光源モジュール24のうち、光出力の要求値が最も高い位置に配置された1つの光源モジュール24の各光源回路62のそれぞれの順方向電圧は、他の光源モジュール24の各光源回路62のそれぞれの順方向電圧よりも低くする。
【0053】
これにより、順方向電圧を低く設定した1つの光源モジュール24に電流を集中させ、その光源モジュール24の光出力を高くすることができる。例えば、支持面22aの中央付近に配置される光源モジュール24の光出力は、支持面22aの外縁付近に配置される光源モジュール24の光出力よりも高く設定される。従って、この例では、例えば、第3光源モジュール24cの順方向電圧を他の光源モジュール24の順方向電圧よりも低くする。これにより、第3光源モジュール24cの光出力を高くすることができる。
【0054】
[変形例1]
図5は、実施形態に係る電源ユニットの変形例を模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、電源ユニット114は、1つの配線基板81及び1つの筺体82を有する。電源ユニット114では、各電源回路80が、共通の配線基板81に設けられる。電源ユニット114は、1つの配線基板81から複数の系統の電力を供給する。筺体81は、各電源回路80及び配線基板81を覆う。このように、複数の電源回路80は、1つの配線基板81上に設けてもよい。
【0055】
[変形例2]
図6は、実施形態に係る電源ユニットの変形例を模式的に表すブロック図である。
図6に表したように、電源ユニット214では、1つの電源回路80に複数の電力変換装置84が設けられ、各電力変換装置84が1つのAC/DC変換部83と電気的に接続されている。電源ユニット214では、1つのAC/DC変換部83が、各電力変換装置84のそれぞれに第1直流電力を供給する。
【0056】
このように、2系統以上の出力を持つ電源回路80において、AC/DC変換部83までを共通化させてもよい。これにより、各電力変換装置84のグランドを共通化することができる。各電力変換装置84から出力される第2直流電力のグランドレベルを共通化することができる。
【0057】
例えば、電源ユニット14、114のように、複数のAC/DC変換部83のそれぞれから複数の電力変換装置84のそれぞれに第1直流電力を供給する場合、各第2直流電力のグランドレベルは、必ずしも共通にはならない。この場合、第3光源モジュール24cにおいて第1電力変換装置84aに接続された光源回路62と第2電力変換装置84bに接続された光源回路62とがショートした時に、電源ユニットが予期せぬ動作状態に陥ってしまうことが懸念される。グランドレベルが共通でない場合、各出力のショートに対する対策が講じ難い。
【0058】
これに対して、電源ユニット214では、各出力のグランドレベルを共通化できる。これにより、各出力のショートに対し、対策を立てやすくすることができる。これにより、例えば、電源ユニット214の動作の安定性を高めることができる。
【0059】
以上、具体例を参照しつつ実施形態について説明したが、それらに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0060】
上記各実施形態では、第3光源モジュール24cに対し、2つの電力変換装置84から電力を供給している。これに限ることなく、3つ以上の電力変換装置84から光源モジュール24に電力を供給してもよい。例えば、電力変換装置84の数を3つ、光源モジュール24の数を4つとし、1つの光源モジュール24において3つの電力変換装置84から電力を供給してもよい。
【0061】
上記各実施形態では、第1電力変換装置84aに対し、第1光源モジュール24a及び第3光源モジュール24cの2つの光源モジュール24を接続している。これに限ることなく、1つの電力変換装置84に接続する光源モジュール24の数は、3つ以上でもよい。
【0062】
発光素子70は、LEDに限らず、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)やOLED(Organic light-emitting diode)などでもよい。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態および実施例を説明したが、これらの実施形態または実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態または実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態または実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
2…交流電源、 10…照明装置、 12…光源ユニット、 14、114、214…電源ユニット、 16…光制御ユニット、 18…支持体、 20…台座、 22…ベース、 24…光源モジュール、 26…放熱フィン、 30…電源ケーブル、 32…給電ケーブル、 34…反射体、 36…ケース、 38…透光カバー、 40…アーム、 60…基板、 62…光源回路、 64…入力端子、 66…枠部、 68…波長変換層、 70…発光素子、 80…電源回路、 81…配線基板、 82…筺体、 83…AC/DC変換部、 84…電力変換装置、 85…整流回路、 86…昇圧回路、 88…外部筺体
図1
図2
図3
図4
図5
図6