(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電力状態制御手段は、前記繰り返し間隔通りの前記特定の処理の実行のタイミングが前記一時的な復帰中に到来した場合に、前記一時的な復帰の開始から終了までの間隔を前記繰り返し間隔から引いた時間を、前記時間間隔として決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の発明の発明者は、省電力状態における今回の一時的な復帰の終了から次回の一時的な復帰の開始までの時間間隔を、省電力状態における今回の一時的な復帰の時間の長さ以外の要因で決定することによって、電力の消費量を低減させることを研究した。すなわち、本発明は、電力の消費量を低減させることができる電子機器および電力制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子機器は、受信データに応じた処理を実行可能な第1の処理装置と、前記第1の処理装置が対応していない前記受信データに応じた処理を実行可能な第2の処理装置とを備える電子機器であって、前記電子機器の電力状態を制御する電力状態制御手段を備え、前記電力状態には、前記第2の処理装置によって前記受信データに応じた処理を実行可能な通常状態と、前記第2の処理装置への電力の供給を少なくとも一時的に停止させて前記第1の処理装置によって前記受信データに応じた処理を実行可能な省電力状態とが含まれ、前記電力状態制御手段は、前記省電力状態において前記第2の処理装置への電力の供給の一時的な復帰が断続的に繰り返される場合に、今回の前記一時的な復帰中に特定の設定を確認し、確認した前記特定の設定に基づいて、今回の前記一時的な復帰の終了から次回の前記一時的な復帰の開始までの時間間隔を決定することを特徴とする。
【0006】
この構成により、本発明の電子機器は、省電力状態における今回の一時的な復帰中に確認した特定の設定に基づいて、省電力状態における今回の一時的な復帰の終了から次回の一時的な復帰の開始までの時間間隔を決定するので、今回の一時的な復帰中に確認した特定の設定が次回の一時的な復帰を早期に実行する必要がない設定である場合に、今回の一時的な復帰の終了から次回の一時的な復帰の開始までの時間間隔を長くすることができる。したがって、本発明の電子機器は、第2の処理装置への電力の供給を停止させる時間を長くすることができるので、電力の消費量を低減させることができる。
【0007】
本発明の電子機器は、前記第2の処理装置による特定の処理を時間に応じて断続的に繰り返すタイマー処理手段を備え、前記タイマー処理手段は、前記一時的な復帰中に前記特定の処理を前記第2の処理装置に実行させ、前記特定の設定は、前記特定の処理の繰り返し間隔の設定であり、前記電力状態制御手段は、前記時間間隔を前記繰り返し間隔以下に決定しても良い。
【0008】
この構成により、本発明の電子機器は、省電力状態における一時的な復帰を特定の処理の繰り返し間隔以下の時間間隔で繰り返すので、省電力状態における一時的な復帰を特定の処理の繰り返し間隔より長い時間間隔で繰り返す場合と比較して、時間に応じて断続的に繰り返す特定の処理を省電力状態において一時的な復帰中に適切に実行することができる。
【0009】
本発明の電子機器において、前記電力状態制御手段は、前記時間間隔を前記一時的な復帰の開始から終了までの間隔以上に決定しても良い。
【0010】
この構成により、本発明の電子機器は、省電力状態における一時的な復帰の時間の合計時間が、省電力状態における一時的な復帰の時間以外の時間の合計時間以下になるので、省電力状態における電力の消費量の低減の効果が省電力状態において一時的な復帰を行わない場合と比較して半分未満に低下することを防止することができる。
【0011】
本発明の電子機器において、前記電力状態制御手段は、前記繰り返し間隔通りの前記特定の処理の実行のタイミングが前記一時的な復帰中に到来した場合に、前記一時的な復帰の開始から終了までの間隔を前記繰り返し間隔から引いた時間を、前記時間間隔として決定しても良い。
【0012】
この構成により、本発明の電子機器は、繰り返し間隔通りの特定の処理の実行のタイミングが一時的な復帰中に一度到来すると、次回以降の特定の処理の実行のタイミングも一時的な復帰中に到来するので、繰り返し間隔通りに特定の処理を実行することができる。
【0013】
本発明の電力制御プログラムは、受信データに応じた処理を実行可能な第1の処理装置と、前記第1の処理装置が対応していない前記受信データに応じた処理を実行可能な第2の処理装置とを備える電子機器によって実行され、前記電子機器の電力状態を制御する電力状態制御手段として前記電子機器を機能させ、前記電力状態には、前記第2の処理装置によって前記受信データに応じた処理を実行可能な通常状態と、前記第2の処理装置への電力の供給を少なくとも一時的に停止させて前記第1の処理装置によって前記受信データに応じた処理を実行可能な省電力状態とが含まれ、前記電力状態制御手段は、前記省電力状態において前記第2の処理装置への電力の供給の一時的な復帰が断続的に繰り返される場合に、今回の前記一時的な復帰中に特定の設定を確認し、確認した前記特定の設定に基づいて、今回の前記一時的な復帰の終了から次回の前記一時的な復帰の開始までの時間間隔を決定することを特徴とする。
【0014】
この構成により、本発明の電力制御プログラムを実行する電子機器は、省電力状態における今回の一時的な復帰中に確認した特定の設定に基づいて、省電力状態における今回の一時的な復帰の終了から次回の一時的な復帰の開始までの時間間隔を決定するので、今回の一時的な復帰中に確認した特定の設定が次回の一時的な復帰を早期に実行する必要がない設定である場合に、今回の一時的な復帰の終了から次回の一時的な復帰の開始までの時間間隔を長くすることができる。したがって、本発明の電力制御プログラムを実行する電子機器は、第2の処理装置への電力の供給を停止させる時間を長くすることができるので、電力の消費量を低減させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子機器および電力制御プログラムは、電力の消費量を低減させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
まず、本実施の形態に係る電子機器としてのMFP(Multifunction Peripheral)の構成について説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態に係るMFP10のブロック図である。
【0020】
図1に示すように、MFP10は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部11と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部12と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー13と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター14と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部15と、LAN(Local Area Network)などのネットワーク経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるPHY16と、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部17と、MFP10がサポートする全てのプロトコルの受信データに応じた処理を実行可能なデバイスであるメインコントローラー(MAIN Controller)18と、MFP10がサポートする全てのプロトコルのうち一部のプロトコルのみの受信データに応じた処理を実行可能なデバイスであるサブコントローラー(SUB Controller)19と、ネットワークパケットの送受信をメインコントローラー18およびサブコントローラー19の何れかに切り換えるデバイスであるスイッチャ―(Switcher)20とを備えている。
【0021】
記憶部17は、MFP10の電力を制御するための電力制御プログラム17aを記憶している。電力制御プログラム17aは、MFP10の製造段階でMFP10にインストールされていても良いし、SDカード、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部記憶媒体からMFP10に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からMFP10に追加でインストールされても良い。
【0022】
記憶部17は、PHY16による受信データ17bを複数記憶することが可能である。
【0023】
記憶部17は、後述のタイマー処理の時間間隔を示すタイマー処理間隔17cをタイマー処理の種類毎に記憶することが可能である。
【0024】
記憶部17は、後述の一時復帰の時間間隔を示す一時復帰間隔17dを記憶することが可能である。
【0025】
メインコントローラー18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、メインコントローラー18自身のCPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。メインコントローラー18のCPUは、記憶部17またはメインコントローラー18のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0026】
同様に、サブコントローラー19は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、サブコントローラー19自身のCPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。サブコントローラー19のCPUは、サブコントローラー19のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0027】
メインコントローラー18は、サブコントローラー19が対応していないプロトコルの受信データに応じた処理を実行可能である。例えば、メインコントローラー18は、LPR(Line PRinter daemon protocol)やRawプロトコルなどの印刷用のプロトコルの受信データに応じてプリンター14による印刷処理を実行可能である。しかしながら、サブコントローラー19は、印刷用のプロトコルの受信データに応じてプリンター14による印刷処理を実行不可能である。すなわち、メインコントローラー18、サブコントローラー19は、それぞれ、本発明の第2の処理装置、第1の処理装置を構成している。
【0028】
また、メインコントローラー18は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)クライアントとしてのMFP10のIP(Internet Protocol)アドレスのリース期間の更新を、リース期間の終了時期が到達する前にDHCPサーバーに要求可能である。一方、サブコントローラー19は、MFP10のIPアドレスのリース期間の更新を、性能上、実行不可能である。
【0029】
また、メインコントローラー18は、プリンター14におけるトナーの残量や印刷カウンターの値などのMFP10における各種の状態を通知するための電子メールとしてのレポートメールを、1分毎など、タイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔毎に送信可能である。一方、サブコントローラー19は、レポートメールの送信を、性能上、実行不可能である。
【0030】
なお、サブコントローラー19は、ARP(Address Resolution Protocol)など、ネットワーク内で高頻度に送受信されるプロトコルの受信データに応じた処理を実行可能である。
【0031】
サブコントローラー19は、上述したように、メインコントローラー18と比較して実行可能な処理の種類が少ない。したがって、サブコントローラー19は、メインコントローラー18と比較して性能が低くても良い。例えば、サブコントローラー19のCPUは、メインコントローラー18のCPUと比較して処理能力が低くても良い。また、サブコントローラー19のRAMは、メインコントローラー18のRAMと比較して記憶容量が少なくても良い。メインコントローラー18の性能と比較してサブコントローラー19の性能が低い場合、サブコントローラー19によって消費される電力は、メインコントローラー18によって消費される電力と比較して少ない。
【0032】
メインコントローラー18は、操作部11、表示部12、スキャナー13、プリンター14、ファックス通信部15、記憶部17、サブコントローラー19およびスイッチャ―20に接続されている。また、メインコントローラー18は、スイッチャ―20を介してPHY16にも接続されている。
【0033】
サブコントローラー19は、操作部11、ファックス通信部15、記憶部17、メインコントローラー18およびスイッチャ―20に接続されている。また、サブコントローラー19は、スイッチャ―20を介してPHY16にも接続されている。
【0034】
メインコントローラー18は、記憶部17に記憶されている電力制御プログラム17aを実行することによって、MFP10の電力状態を制御する電力状態制御手段18a、および、メインコントローラー18自身による特定の処理(以下「タイマー処理」と言う。)を時間に応じて断続的に繰り返すタイマー処理手段18bとして機能する。
【0035】
ここで、タイマー処理には、上述したMFP10のIPアドレスのリース期間の更新や、上述したレポートメールの送信が含まれている。なお、タイマー処理の繰り返しの時間間隔、すなわち、タイマー処理間隔17cは、MFP10の管理者によって設定されることが可能である。
【0036】
図2は、通常状態でのMFP10のブロック図である。
【0037】
図2において、電力の供給が停止されているデバイスは、白黒反転させて描いている。すなわち、
図2において、サブコントローラー19は、電力の供給が停止されている。
【0038】
通常状態において、スイッチャ―20は、ネットワークパケットの送受信をメインコントローラー18およびサブコントローラー19のうちメインコントローラー18に切り換えている。したがって、通常状態においては、PHY16による受信データに応じた処理は、メインコントローラー18によって実行される。
【0039】
上述したようにサブコントローラー19によって消費される電力がメインコントローラー18によって消費される電力と比較して少ない場合、サブコントローラー19に電力が供給されていたとしても、サブコントローラー19によって消費される電力が僅かであることが考えられる。したがって、通常状態において、サブコントローラー19に電力が供給されていても良い。なお、PHY16による受信データに応じた処理のうち、サブコントローラー19によって実行可能な処理について通常状態においてもメインコントローラー18ではなくサブコントローラー19が実行する構成である場合には、通常状態において、サブコントローラー19に電力が供給されている必要がある。また、メインコントローラー18がPHY16による受信データをサブコントローラー19を介して受け取る構成である場合にも、通常状態において、サブコントローラー19に電力が供給されている必要がある。
【0040】
図3は、省電力状態でのMFP10のブロック図である。
【0041】
図3において、電力の供給が停止されているデバイスは、白黒反転させて描いている。すなわち、
図3において、メインコントローラー18は、電力の供給が停止されている。なお、省電力状態においては、メインコントローラー18の他に、例えばプリンター14など、メインコントローラー18に接続されている各種のデバイスの少なくとも1つへの電力の供給が停止されていても良い。
【0042】
省電力状態において、スイッチャ―20は、ネットワークパケットの送受信をメインコントローラー18およびサブコントローラー19のうちサブコントローラー19に切り換えている。したがって、省電力状態においては、PHY16による受信データに応じた処理は、サブコントローラー19によって実行される。
【0043】
図4は、MFP10の消費電力の時間変化の一例を示す図である。
【0044】
図4において、W1は、MFP10の電力状態が通常状態である場合の消費電力である。W2は、MFP10の電力状態が省電力状態である場合の消費電力である。
【0045】
図4に示すように、電力状態制御手段18aは、MFP10の電力状態を、通常状態から、消費電力が通常状態と比較して小さい省電力状態に切り換え可能である。例えば、電力状態制御手段18aは、通常状態において、操作部11のうち省電力状態への移行のためのボタン(以下「Sleepボタン」と言う。)以外の部分を介した操作や、印刷データなど、PHY16を介した特定の受信データが特定の時間以上無かった場合に、MFP10の電力状態を省電力状態に切り換え可能である。また、電力状態制御手段18aは、通常状態において、Sleepボタンを介した操作が有った場合に、MFP10の電力状態を省電力状態に切り換え可能である。
【0046】
なお、MFP10は、省電力状態であっても、サブコントローラー19によってネットワークの基本的な応答を行うことができるので、ネットワークの接続性を保証することができる。
【0047】
サブコントローラー19は、MFP10の電力状態を、省電力状態から、消費電力が省電力状態と比較して大きい通常状態に切り換え可能である。例えば、サブコントローラー19は、省電力状態において、操作部11を介した操作が有った場合に、MFP10の電力状態を通常状態に切り換え可能である。また、サブコントローラー19は、省電力状態において、印刷データなど、PHY16を介した特定の受信データが有った場合に、MFP10の電力状態を通常状態に切り換え可能である。サブコントローラー19は、メインコントローラー18によって処理されるべき特定の受信データを省電力状態においてPHY16を介して受信した場合、受信データを記憶部17に受信データ17bとして記憶させることによって、復帰後のメインコントローラー18に受信データ17bを記憶部17を介して受け渡すことが可能である。
【0048】
MFP10は、電力状態が省電力状態である場合に、受信データがサブコントローラー19によって処理できないデータであるとき、電力状態を省電力状態から通常状態に切り換えることによってメインコントローラー18を復帰させて、復帰後のメインコントローラー18によって応答を行うので、ネットワークの接続性を維持することができる。
【0049】
なお、省電力状態での消費電力は、主に
図4に示すようにW2である。しかしながら、実際には、省電力状態においてメインコントローラー18への電力の供給の一時的な復帰(以下「一時復帰」と言う。)が断続的に繰り返されるので、常にW2ではない。
【0050】
図5は、省電力状態におけるMFP10の消費電力の時間変化の一例を示す図である。
【0051】
図5において、W3は、一時復帰の状態での消費電力である。W3は、
図4におけるW1以下である。通常状態と、一時復帰の状態とで、MFP10における各種デバイスへの電力の供給状態が同一である場合、W3は、W1と等しい。一方、通常状態で電力が供給される例えばプリンター14などのデバイスへの電力の供給が一時復帰の状態で停止されている場合、W3は、W1と比較して小さい。
【0052】
図5に示すように、サブコントローラー19は、省電力状態において一時復帰を断続的に繰り返す。ここで、一時復帰の開始から終了までの時間間隔t1は、一時復帰の終了から次回の一時復帰の開始までの時間間隔t2と比較して、通常、極めて短い。例えば、時間間隔t1は、100〜200m秒程度であるが、時間間隔t2は、3〜30秒程度であることが多い。
【0053】
次に、MFP10の動作について説明する。
【0054】
図6は、一時復帰中におけるタイマー処理手段18bの動作のフローチャートである。
【0055】
図6に示すように、タイマー処理手段18bは、一時復帰によってメインコントローラー18のCPUによる時計を図示していないリアルタイムクロックによって補正する(S51)。
【0056】
次いで、タイマー処理手段18bは、前回のタイマー処理の実行からタイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔が経過しているか否かを、メインコントローラー18のCPUによる時計に基づいて判断する(S52)。
【0057】
タイマー処理手段18bは、経過しているとS52において判断すると、タイマー処理を実行して(S53)、
図6に示す動作を終了する。一方、タイマー処理手段18bは、経過していないとS52において判断すると、タイマー処理を実行せずに、
図6に示す動作を終了する。
【0058】
なお、タイマー処理手段18bは、タイマー処理の種類毎に、S52およびS53の処理を繰り返す
【0059】
例えば、タイマー処理手段18bは、MFP10のIPアドレスのリース期間の半分が経過したなど、タイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔で、MFP10のIPアドレスのリース期間の更新をDHCPサーバーに要求する。
【0060】
また、タイマー処理手段18bは、1分毎など、タイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔で、レポートメールを送信する。
【0061】
図7は、一時復帰中における電力状態制御手段18aの動作のフローチャートである。
【0062】
図7に示すように、電力状態制御手段18aは、タイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔を確認する(S61)。
【0063】
次いで、電力状態制御手段18aは、S61において確認した時間間隔以下の時間間隔を一時復帰間隔17dとして設定して(S62)、
図7に示す動作を終了する。
【0064】
ここで、一時復帰間隔17dは、タイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔が1分である場合、1分以下の時間間隔に設定される。また、一時復帰間隔17dは、タイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔が30分である場合、30分以下の時間間隔に設定される。
【0065】
ただし、一時復帰間隔17dが一時復帰の開始から終了までの時間間隔t1未満になると、省電力状態における一時復帰の時間の合計時間が、省電力状態における一時復帰の時間以外の時間の合計時間より長くなるので、省電力状態において一時復帰を行わない場合と比較して、省電力状態における電力の消費量の低減の効果が半分未満に低下する。したがって、一時復帰間隔17dは、一時復帰の開始から終了までの時間間隔t1以上に設定されることが好ましい。MFP10は、一時復帰間隔17dが時間間隔t1以上に設定されると、省電力状態における一時復帰の時間の合計時間が、省電力状態における一時復帰の時間以外の時間の合計時間以下になるので、省電力状態における電力の消費量の低減の効果が省電力状態において一時復帰を行わない場合と比較して半分未満に低下することを防止することができる。
【0066】
一時復帰間隔17dは、複数のタイマー処理間隔17cによって異なる時間間隔が示されている場合には、複数のタイマー処理間隔17cのそれぞれによって示されている時間間隔のうち、最も短い時間間隔以下の時間間隔に設定される。
【0067】
なお、消費電力の低減の観点からは、消費電力W2の状態が長い方が良いので、一時復帰間隔17dは、長い方が良い。例えば、一時復帰間隔17dは、タイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔と等しい時間間隔であっても良い。
【0068】
電力状態制御手段18aは、タイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔通りのタイマー処理の実行のタイミングが一時復帰中に到来した場合に、一時復帰の開始から終了までの時間間隔t1を、タイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔から引いた時間を、一時復帰間隔17dとして決定する。この構成により、MFP10は、タイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔通りのタイマー処理の実行のタイミングが一時復帰中に一度到来すると、次回以降のタイマー処理の実行のタイミングも一時復帰中に到来するので、タイマー処理間隔17cによって示されている時間間隔通りにタイマー処理を実行することができる。
【0069】
サブコントローラー19は、
図7に示す動作の後、今回の一時復帰の終了から次回の一時復帰の開始までの時間間隔t2を、一時復帰間隔17dによって示されている時間間隔にする。
【0070】
以上に説明したように、MFP10は、省電力状態における今回の一時復帰中に確認した(S61)特定の設定、すなわち、タイマー処理間隔17cに基づいて、省電力状態における今回の一時復帰の終了から次回の一時復帰の開始までの時間間隔t2を決定する(S62)ので、今回の一時復帰中に確認した特定の設定が次回の一時復帰を早期に実行する必要がない設定である場合に、今回の一時復帰の終了から次回の一時復帰の開始までの時間間隔t2を長くすることができる。したがって、MFP10は、メインコントローラー18への電力の供給を停止させる時間を長くすることができるので、電力の消費量を低減させることができる。
【0071】
MFP10は、省電力状態における一時復帰を特定の処理、すなわち、タイマー処理の繰り返し間隔、すなわち、タイマー処理間隔17c以下の時間間隔で繰り返すので、省電力状態における一時復帰をタイマー処理のタイマー処理間隔17cより長い時間間隔で繰り返す場合と比較して、時間に応じて断続的に繰り返すタイマー処理を省電力状態において一時復帰中に適切に実行することができる。
【0072】
なお、MFP10は、本実施の形態において特定の設定がタイマー処理間隔17cであるが、タイマー処理間隔17c以外の設定が特定の設定として採用されても良い。
【0073】
MFP10は、電力制御プログラム17aおよびタイマー処理間隔17cがメインコントローラー18およびサブコントローラー19のうちメインコントローラー18のみによって使用されるので、電力制御プログラム17aおよびタイマー処理間隔17cを、メインコントローラー18の内蔵の不揮発性の記憶デバイスなど、メインコントローラー18専用の記憶デバイスに記憶しても良い。そして、メインコントローラー18専用の記憶デバイスへの電力の供給は、メインコントローラー18への電力の供給と同一の処理が実行される。
【0074】
本発明の電子機器は、本実施の形態においてMFPであるが、コピー専用機、プリンター専用機、FAX専用機、スキャナー専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良いし、PC(Personal Computer)など、画像形成装置以外の電子機器であっても良い。