(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内部流路は、第1内部流路と、該第1内部流路の下流側で且つ該第1内部流路の内部に形成され、前記複数のヒータ及び前記熱伝達手段が配置される第2内部流路とを有し、
前記第1内部流路を流れる空気が、前記第2内部流路から放出される熱を回収するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の浴室乾燥機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の温風送風装置のように、吹出口が扁平形状を呈している場合、吹き出す空気を高温にすることが困難であったり、吹き出す空気に温度ムラが生じたりするという課題があった。以下、この課題について詳述する。
【0007】
まず、このように空気を吹き出す装置では、ヒータを吹出口から大きく離れた位置に配置すると、ヒータから吹出口に至る流路長が長くなるため、空気が当該流路を流れる間に流路壁面などによって熱を奪われる。したがって、ヒータにより加熱して空気を昇温させたにもかかわらず、吹出口に至る頃には温度が低下してしまうおそれがある。
【0008】
このように、吹出口から吹き出す空気の温度が低下する不都合を回避するため、ヒータは吹出口の近傍に配置されることが一般的である。これにより、空気はヒータにより加熱された直後に、高温のまま浴室内に吹き出される。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1の温風送風装置のように、吹出口が扁平形状を呈している場合、吹出口の長手方向の全域にわたる大型のヒータを用意することは、製造コストの面などから難しい。このため、吹出口の長手方向に沿って、複数のヒータを互いに間隔を空けて並べる方法が考えられるが、このような構成を採用した場合、隣り合うヒータ間を通過する空気の加熱が不十分となる。このため、扁平形状の吹出口から吹き出された空気は、吹出口の長手方向に温度ムラが生じるというおそれがあった。
【0010】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、温度ムラの少ない空気を浴室内に吹き出し、浴室内を乾燥させることが可能な浴室乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る浴室乾燥機は、浴室内を乾燥させる浴室乾燥機であって、前記浴室内の空気を吸い込む吸込部と、前記吸込部から吸い込まれた空気を流す内部流路と、前記内部流路を流れた空気を前記浴室内に吹き出す吹出部と、前記吹出部近傍の前記内部流路に設けられ、発熱して空気を昇温させる複数のヒータと、を備え、前記複数のヒータは、前記吹出部の長手方向に沿って互いに間隔を空けて並べられ、隣り合う前記ヒータ間の流路であるヒータ間流路に配置され、前記複数のヒータの少なくとも1つに接続されるとともに、前記ヒータが発する熱を、前記ヒータ間流路を通過する空気に伝達する熱伝達手段を備えていることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る浴室乾燥機によれば、ヒータが発する熱が、熱伝達手段によってヒータ間流路を通過する空気に伝達され、当該空気が昇温するため、吹出口の長手方向における空気の温度ムラを抑制することが可能となる。
【0013】
また本発明に係る浴室乾燥機では、前記熱伝達手段は、前記ヒータ間流路に突出する突出部を有していることも好ましい。
【0014】
この好ましい態様では、熱伝達手段が突出部を有することで、ヒータ間流路を通過する空気との接触面積を大きくし、空気に確実に熱を伝達して昇温させることができる。
【0015】
また本発明に係る浴室乾燥機では、前記内部流路は、空気の前記熱伝達手段への指向性を高めるガイド手段を有していることも好ましい。
【0016】
この好ましい態様では、内部流路を流れる空気をガイド手段によって熱伝達手段に指向させ、熱伝達手段において積極的に受熱させることで、空気を確実に昇温させることができる。
【0017】
また本発明に係る浴室乾燥機では、前記内部流路は、前記複数のヒータが並ぶ方向の一端側から他端側に向けて空気を流すことで前記吹出部に空気を供給するように構成され、前記一端側に配置される前記ヒータの発熱量は、前記他端側に配置される前記ヒータの発熱量よりも小さいことも好ましい。
【0018】
ヒータが並ぶ方向の他端側(下流側)の空気ほど、一端側(上流側)からそこに至るまでに多くのヒータの近傍を通過して加熱されるため、一端側と他端側との間で空気に温度ムラが生じやすくなる。そこで、この好ましい態様では、一端側に配置されるヒータの発熱量を、他端側に配置されたヒータの発熱量よりも小さくすることで、その温度ムラを小さくすることが可能となる。
【0019】
また本発明に係る浴室乾燥機では、前記内部流路は、第1内部流路と、該第1内部流路の下流側で且つ該第1内部流路の内部に形成され、前記複数のヒータ及び前記熱伝達手段が配置される第2内部流路とを有し、前記第1内部流路を流れる空気が、前記第2内部流路から放出される熱を回収するように構成されていることも好ましい。
【0020】
この好ましい態様では、第2内部流路に配置された複数のヒータが発した熱が第1内部流路を流れる空気によって回収される。これにより、ヒータ及び熱伝達手段に供給する空気の温度が高まるため、複数のヒータの発熱量を小さくすることが可能となり、当該空気の温度とヒータの温度の差が小さくなりやすく、温風の温度ムラをさらに抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、温度ムラの少ない空気を浴室内に吹き出し、浴室内を乾燥させることが可能な浴室乾燥機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0024】
まず、
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る浴室乾燥機の概略を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る浴室乾燥機を搭載した浴室乾燥機付きユニットバス1を表す斜視模式図である。
【0025】
図1に表すように、浴室乾燥機付きユニットバス1は、ユニットバス2と、浴室乾燥機3と、を有している。
【0026】
ユニットバス2は、正面パネル21と、背面パネル22と、左側面パネル23と、右側面パネル24と、床パネル25と、天井パネル26と、を有している。ユニットバス2の内部には、これら6枚のパネルによって囲まれる略直方体形状の浴室空間20が形成されている。
【0027】
以下、背面パネル22から正面パネル21にわたる方向を「奥行方向」という。また、左側面パネル23から右側面パネル24にわたる方向を「左右方向」という。さらに、床パネル25から天井パネル26にわたる方向を「上下方向」という。
【0028】
浴室空間20には、浴槽2Bが設けられている。浴槽2Bは、左右方向がその長手方向となるように設けられ、背面パネル22寄りの位置に配置されている。床パネル25の上面のうち、浴槽2Bよりも正面パネル21側の部分は、入浴者が洗身や洗髪を行う場所となる洗い場2Wとされており、浴槽2Bと洗い場2Wとは奥行方向に並んでいる。浴槽2Bと洗い場2Wが並べられることにより、浴室空間20の下部には段差が生じることとなり、洗い場2Wの端部と、浴槽2Bの端部とを繋ぐように、エプロン2Eが立設されている。
【0029】
浴室乾燥機3は、吸気装置31と、連通管33と、送気装置34と、を有しており、浴室空間20の天井パネル26に設けられている。吸気装置31は、その下方に開設された吸込口32から浴室空間20内の空気を吸い込み、その内部に取り込む装置である。送気装置34は、吸気装置31と左右方向に間隔を空けて配置されており、内部に取り込んだ空気を加熱し、その下方に開設された吹出口35から浴室空間20に吹き出す装置である。連通管33は、吸気装置31及び送気装置34の内部に連通しており、吸気装置31の内部に取り込まれた空気を、送気装置34の内部に流す管状部材である。尚、
図1では、吸気装置31及び送気装置34の内部構成の図示を省略している。
【0030】
浴室乾燥機3が運転することにより、浴室空間20の空気は、吸気装置31によって吸い込まれ、その後、送気装置34によって浴室空間20に吹き出して戻される。すなわち、浴室乾燥機3を介して浴室空間20の空気が循環することとなる。循環しながら送気装置34によって繰り返し加熱されることで、浴室空間20の空気が昇温していく。
【0031】
吸気装置31の吸込口32及び送気装置34の吹出口35は、いずれも、その奥行方向寸法が、左右方向寸法よりも極端に大きい扁平形状のスリットとなっている。このため、吸込口32と吹出口35は、それぞれ空気の吸い込みと吹き出しを行うことにより、浴室空間20に幅広のカーテン状の気流を形成する。
【0032】
次に、
図2を参照して、送気装置34の構成について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る浴室乾燥機の送気装置を表す斜視模式図である。
【0033】
図2に表すように、送気装置34は、ケーシング36と、温風供給ユニット40と、を有している。
【0034】
ケーシング36は、送気装置34の筐体となる金属製箱体であり、その外形は奥行方向を長手方向とする略直方体形状を呈している。ケーシング36の吸気装置31側の側面には、ケーシング36の内部に連通する連通口37が開設されており、連通管33の端部がこの連通口37に接続されている。
【0035】
温風供給ユニット40は、空気を加熱して浴室空間20に吹き出すためのユニットであり、ケーシング36の内部に配置されている。温風供給ユニット40は、ファン41と、パイプ43と、を有している。また、パイプ43の内部には、3つのヒータ44a、44b、44cと、伝熱部材50と、が配置されている。
【0036】
ファン41は、電力の供給を受けて運転する電動送風機であり、ここでは遠心型ファンを採用している。ファン41は、電力の供給を受けるとモータ(図示せず)が回転駆動し、その出力軸に固定されたシロッコファン(図示せず)が、上下方向に延びる軸を中心として回転する。これにより、上方に向けて開口する吸引口41aから空気が吸引され、奥行方向で背面パネル22側に向けて吹き出される。
【0037】
パイプ43は、ファン41と奥行方向に隣り合うように配置された金属製の管状部材である。パイプ43は、ファン41とは反対側の端部43bが閉塞されている一方で、ファン41側の端部43aが開放されている。これにより、ファン41が吹き出した空気は、端部43aからパイプ43の内部に流入する。
【0038】
ケーシング36の内部は、パイプ43が配置されることにより、パイプ43の外部の第1内部流路401と、第1内部流路401の下流側の流路であってパイプ43の内部の第2内部流路402とに区画される。すなわち、連通口37からケーシング36の内部に取り込まれ、第1内部流路を奥行方向で正面パネル21側に向かって流れた空気は、ファン41によって吹き出され、折り返すようにして第2内部流路を奥行方向で背面パネル22側に向かって流れることになる。
【0039】
ヒータ44a、44b、44cは、いずれも、第2内部流路402の吹出口35の近傍に配置され、電力の供給を受けて発熱する。また、ヒータ44a、44b、44cは、吹出口35の長手方向(奥行方向)に沿って、互いに間隔を空けて並べられている。
【0040】
伝熱部材50は、高い熱伝導性を有する金属材料で形成されており、ヒータ44a、44b、44cと当接して固定されている。伝熱部材50は、吹出口35の近傍に配置されており、隣り合うヒータ44a、44b間の流路であるヒータ間流路451と、隣り合うヒータ44b、44c間の流路であるヒータ間流路452とを跨ぐように配置されている。
【0041】
次に、
図3及び
図4を参照して、吹出口35の近傍の構成と空気の流れについて説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る浴室乾燥機の吹出口近傍を表す斜視断面図である。
図4は、本発明の第1実施形態に係る浴室乾燥機の吹出口近傍を表す平面視模式図である。
【0042】
伝熱部材50は、ヒータ間流路451とヒータ間流路452とに跨るように、吹出口35の長手方向に沿って延びる板状の基部51を有する。また、伝熱部材50は、ヒータ間流路451とヒータ間流路452において、基部51から左右方向に突出して吹出口35の短手方向に跨る複数の突出部52が形成されている。これにより、
図4に表すように、伝熱部材50は、その大半が吹出口35と平面視で重合するように配置されている。
【0043】
パイプ43(
図2参照)内に流入した空気は、吹出口35を上方から下方に通過し、浴室空間20に吹き出す。この際、ヒータ44a、44b、44cの近傍を通過する空気は、発熱して高温となっているヒータ44a、44b、44cからの熱伝達によって加熱され、高温となる。このため、空気はヒータ44a、44b、44cにより加熱された直後に、高温のまま浴室空間20に吹き出す。
【0044】
ここで、伝熱部材50は、ヒータ44a、44b、44cが固定されている部位において、ヒータ44a、44b、44cが発する熱を受け、高温となっている。また、伝熱部材50のうち、ヒータ間流路451及びヒータ間流路452を跨ぐ部位も、ヒータ44a、44b、44c側からの伝熱部材50内部の熱伝導によって加熱され、高温となっている。このため、ヒータ間流路451及びヒータ間流路452を通過する空気は、伝熱部材50の表面を通過することで、伝熱部材50からの熱伝達によって加熱されて高温となり、浴室空間20に吹き出す。これにより、吹出口35の長手方向における空気の温度ムラを抑制することが可能となる。
【0045】
また、伝熱部材50は、ヒータ間流路451とヒータ間流路452において複数の突出部52が形成されているため、ヒータ間流路451、452を通過する空気との接触面積を大きくし、空気に確実に熱を伝達して昇温させることができる。
【0046】
また、ケーシング36の内部の流路を、第1内部流路401と、第1内部流路401の下流側で且つ第1内部流路401の内部に形成され、ヒータ44a、44b、44cが配置される第2内部流路402とで構成したことで、ヒータ44a、44b、44cが発した熱が第2内部流路402の外部に放出されても、その熱は第1内部流路401を流れる空気によって回収される。これにより、ヒータ44a、44b、44c及び伝熱部材50に供給される空気の温度が高まるため、ヒータ44a、44b、44cの発熱量を小さくすることが可能となり、吹出口35の長手方向における空気の温度ムラをさらに抑制することが可能となる。
【0047】
続いて、
図5及び
図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る浴室乾燥機の概略を説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る浴室乾燥機の吹出口近傍を表す斜視断面図である。
図6は、本発明の第2実施形態に係る浴室乾燥機の吹出口近傍を表す平面視模式図である。第2実施形態に係る浴室乾燥機は、伝熱部材60の構成が第1実施形態に係る浴室乾燥機の伝熱部材50と異なるものであり、その他の同一の構成については適宜説明を省略する。
【0048】
第2実施形態に係る浴室乾燥機の伝熱部材60は、吹出口35の近傍に設けられており、ヒータ44a、44b間の流路であるヒータ間流路451と、ヒータ44b、44c間の流路であるヒータ間流路452とを跨ぐように配置されている。
【0049】
伝熱部材60は、ヒータ44a、44b、44cに当接して固定される板状の基部61を有する。また、伝熱部材60は、ヒータ間流路451とヒータ間流路452において屈曲するとともに、左右方向に突出して吹出口35を短手方向に跨ぐ複数の突出部621が形成されている。これにより、
図6に表すように、伝熱部材50は、その大半が吹出口35と平面視で重合するように配置されている。
【0050】
伝熱部材60は、ヒータ44a、44b、44cが固定されている部位において、ヒータ44a、44b、44cが発する熱を受け、高温となっている。また、伝熱部材60のうち、ヒータ間流路451及びヒータ間流路452を跨ぐ部位も、ヒータ44a、44b、44c側からの伝熱部材60内部の熱伝導によって加熱され、高温となっている。このため、ヒータ間流路451及びヒータ間流路452を通過する空気は、伝熱部材60の表面を通過することで、伝熱部材60からの熱伝達によって加熱されて高温となり、浴室空間20に吹き出す。これにより、吹出口35の長手方向における空気の温度ムラを抑制することが可能となる。
【0051】
また、伝熱部材60は、ヒータ間流路451とヒータ間流路452において、屈曲且つ突出する複数の突出部62が形成されているため、ヒータ間流路451、452を通過する空気との接触面積を大きくし、空気に確実に熱を伝達して昇温させることができる。
【0052】
続いて、
図7及び
図8を参照して、本発明の第3実施形態に係る浴室乾燥機の概略を説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る浴室乾燥機の吹出口近傍を表す斜視断面図である。
図8は、本発明の第3実施形態に係る浴室乾燥機の吹出口近傍を表す平面視模式図である。第3実施形態に係る浴室乾燥機は、伝熱部材70の構成が第1実施形態に係る浴室乾燥機の伝熱部材50と異なるものであり、その他の同一の構成については適宜説明を省略する。
【0053】
第3実施形態に係る浴室乾燥機の伝熱部材70は、吹出口35の近傍に設けられており、本体71と、フィン72と、を有している。
【0054】
本体71は、上下方向に開口する金属製の枠体であり、その下方の開口が吹出口35と連通するように、吹出口35の上方に配置されている。ヒータ44a、44b、44cは、この本体71の側面に当接して固定されているとともに、奥行方向に互いに離間して配置されている。
【0055】
フィン72は、金属製の薄板を加工することで形成された部材であり、本体71の枠の内壁に当接して固定されている。
図8に表すように、フィン72は、左右方向に往復しながら奥行方向に延びる蛇腹状に折曲加工されており、奥行方向においてフィン72の配置が粗な区間721と、密な区間722とが交互に形成されるよう、部位によってピッチが異なるものとされている。詳細には、フィン72は、ヒータ間流路451、452に対応する部位に、密な区間722が配置されるように折り曲げられている。
【0056】
以上のように構成された伝熱部材70では、パイプ43(
図2参照)内に流入した空気は、本体71の枠内及び吹出口35を上方から下方に順に通過し、浴室空間20に吹き出す。伝熱部材70の本体71は、発熱するヒータ44a、44b、44cが発する熱によって加熱されて高温となっているため、本体71の枠内を通過する空気は、この本体71からの熱伝達により加熱される。
【0057】
ここで、伝熱部材70のフィン72も、本体71からの熱伝導によって加熱され、高温となっている。このため、本体71の枠内を通過する空気は、そこに配置されたフィン72の表面を通過することで、フィン72からの熱伝達によって加熱されて高温となる。フィン72は、密な区間722が配置されているヒータ間流路451、452において、空気との接触面積が特に大きくなっている。このため、ヒータ間流路451、452を通過する空気が優先的に加熱されて高温となり、吹出口35の長手方向における空気の温度ムラを抑制することが可能となる。
【0058】
続いて、
図9を参照して、本発明の第4実施形態に係る浴室乾燥機の概略を説明する。
図9は、本発明の第4実施形態に係る浴室乾燥機の送気装置を表す平面視模式図である。第4実施形態に係る浴室乾燥機は、ヒータの構成が第1実施形態に係る浴室乾燥機のヒータ44a、44b、44cと異なるものであり、その他の同一の構成については適宜説明を省略する。
【0059】
図2を参照して説明したように、本発明の第1実施形態に係る浴室乾燥機3では、ファン41が吹き出した空気は、パイプ43の開放された端部43aから流入し、パイプ43の内部の第2内部流路402を奥行方向に向けて流れる。第2内部流路402には、ヒータ44a、44b、44cが端部43aから吹出口35の長手方向(奥行方向)に沿って、互いに間隔を空けて並べられている。このため、端部43aから第2内部流路402に流入した空気は、吹出口35のうち端部43b側(奥側)の部位から吹き出される空気ほど、多数のヒータが発する熱により加熱されて高温となる傾向があり、吹出口35の長手方向における空気の温度ムラの原因となる。
【0060】
そこで、本発明の第4実施形態に係る浴室乾燥機では、パイプ43の端部43a側と、端部43b側とで、第2内部流路402に配置するヒータの発熱量に差異を設けることで、この温度ムラ解消を図っている。すなわち、端部43a側から端部43b側にかけて配置されるヒータ44d、44e、44fのうち、端部43b側に配置されるヒータ44fは1つのヒータブロックから構成されるのに対し、端部43b側に配置されるヒータ44dは、3つのヒータブロックから構成されものとしている。そして、両者の間に配置されるヒータ44eは、2つのヒータブロックから構成されるものとしている。このように、構造上空気が比較的高温となりやすい端部43b側ほど、配置されるヒータの発熱量を小さくすることにより、吹出口35の長手方向における空気の温度ムラを抑制することが可能となる。
【0061】
ヒータの発熱量に差異を設ける方法としては、構成するヒータブロックの数に差異を設ける方法のみならず、ヒータ性能に差異を設ける方法や、各ヒータに供給する電力に差異を設ける方法など、種々の方法を採用し得る。
【0062】
続いて、
図10を参照して、本発明の第5実施形態に係る浴室乾燥機の概略を説明する。
図10は、本発明の第5実施形態に係る浴室乾燥機の送気装置を表す側面視模式図である。詳細には、
図10は、送気装置34を左右方向において左側面パネル23側から見た図である。
【0063】
図10に表す本発明の第5実施形態に係る浴室乾燥機においては、パイプ43の内側面の上部から、下方のヒータ44a、44b、44c及び伝熱部材50に向けて傾斜して突出するガイド壁46が設けられている。ファン41により吹き出され、パイプ43内部の第2内部流路402に流入した空気は、ガイド壁46によってヒータ44a、44b、44c及び伝熱部材50への指向性が高められる。したがって、空気を伝熱部材50において積極的に受熱させることで、空気を確実に昇温させることができる。
【0064】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。