特許第6406539号(P6406539)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6406539
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】電子黒板
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20181004BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20181004BHJP
   B43L 1/04 20060101ALI20181004BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   H04N1/00 H
   H04N1/04 106A
   B43L1/04 F
   G06T1/00 450B
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-143365(P2014-143365)
(22)【出願日】2014年7月11日
(65)【公開番号】特開2016-19278(P2016-19278A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2017年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】梅田 彰
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−198793(JP,A)
【文献】 特開2008−299412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/04− 1/207
G06T 1/00
B43L 1/00− 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認性を有する情報とその情報に対応する複数色の光学式認識コードとが示された表面を有する表示板と、
前記表示板を、その表面を表に向けた状態で着脱自在に保持する保持板と、
前記保持板の表面に、読取部を向けた状態で前記保持板の表面に沿って移動することにより、前記保持板の表面の表示内容を読み取る読取手段と、
前記読取手段により得られた画像データに基づいて、前記表示板の複数色の光学式認識コードを読み取るとともに、前記表示板の位置を特定する制御部と、
前記制御部は、前記読取手段により決まる前記保持板の表面内における読取領域内に分割領域を決定し、その分割領域内における前記表示板の位置をその各々の光学式認識コードにより特定する制御を行うことを特徴とする電子黒板。
【請求項2】
前記光学式認識コードが、異なる色同士が隣接した状態で並んで配置された複数のセルを有することを特徴とする請求項1記載の電子黒板。
【請求項3】
前記分割領域のデータを、前記読取手段により得られた画像データに基づいて作成する
ことを特徴とする請求項記載の電子黒板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子黒板に関し、例えば、カラービット(登録商標)のような光学式認識コードを読み取ることが可能な電子黒板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラービットは、赤、青、緑の色を使ってデータを表したコードである。カラービットは、赤、青、緑の色の繋がりで表現されており、連続したセルの色の並びを自動認識することが可能になっている。カラービットにおいては、隣接する色の変化で、「1」、「0」のビットが表現されている。例えば、色が、赤青、青緑または緑赤の各々の順で変化しているところで「1」を表し、赤緑、緑青または青赤の各々の順で変化しているところで「0」を表している。
【0003】
カラービットの読み取りにおいては、カメラの画像が使用され、取得された画像が認識用ソフトウェアによりID(identification)コード等に変換される。カメラは、例えば、デジタルカメラ、ウェブカメラまたは携帯電話やパソコン用のカメラを使用することができる。また、画像は、例えば、静止画、動画またはリアルタイム映像のいずれの画像においても認識することができる。
【0004】
カラービットを用いた場合、画像内の複数のカラービットを一括して読み取る(解析する)ことができる。また、読めないコードは画像を確認することにより判断することができる。また、読み取ったカラービットから、各コードの位置や順番を判断することができる。さらに、画面を見ながら探したいコードを簡単に探し出すことができる。
【0005】
なお、画像の読取技術については、例えば、特許文献1に記載があり、ボート上の情報を自走しながら読み取る読取ユニットを備えた電子黒板について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−236420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、複数のカラービットを読み取る場合には、そのカラービットが貼り付けられた表示面の向かい側にカメラを設置しそのカメラで表示面を撮影しているので、カメラの設置スペースを確保しなければならない、という課題がある。また、カメラを固定設置した場合には、表示面形成用のボードを移動することができなくなる、という課題がある。
【0008】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、その目的は、設置位置を変更する場合も移動作業を容易にできるようにした電子黒板を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、カラービットのような光学式認識コードが示された複数の表示板が配置された表示面の表示内容を読み取る電子黒板を大型化させないことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の電子黒板は、視認性を有する情報とその情報に対応する複数色の光学式認識コードとが示された表面を有する表示板と、前記表示板を、その表面を表に向けた状態で着脱自在に保持する保持板と、前記保持板の表面に、読取部を向けた状態で前記保持板の表面に沿って移動することにより、前記保持板の表面の表示内容を読み取る読取手段と、前記読取手段により得られた画像データに基づいて、前記表示板の複数色の光学式認識コードを読み取るとともに、前記表示板の位置を特定する制御部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1記載の電子黒板において、前記光学式認識コードが、異なる色同士が隣接した状態で並んで配置された複数のセルを有することを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または2記載の電子黒板において、前記制御部は、前記読取手段により決まる前記保持板の表面内における読取領域内に分割領域を決定し、その分割領域内における前記表示板の位置をその各々の光学式認識コードにより特定する制御を行うことを特徴とする。
また、請求項4に記載の本発明は、請求項3記載の電子黒板において、前記分割領域のデータを、前記読取手段により得られた画像データに基づいて作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カラービットのような光学式認識コードが示された複数の表示板が配置された表示面の表示内容を読み取る電子黒板の設置位置を変更する場合も電子黒板の移動作業を容易にすることが可能になる。また、本発明によれば、電子黒板を大型化させないようにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係る電子黒板の斜視図である。
図2図1の電子黒板のボードの正面図である。
図3図1の電子黒板を構成するボードの表示例の拡大正面図である。
図4図3のボードに貼られた表示プレートの1つを拡大して示した拡大平面図である。
図5】(a)はカラービットの原理を説明するための色関係図、(b)はカラービット生成イメージの説明図である。
図6図1の電子黒板における制御部の要部の概略回路ブロック図である。
図7】電子黒板の変形例の概略回路ブロック図である。
図8図1の電子黒板とパーソナルコンピュータとを有する読取システムの構成例を示す斜視図である。
図9】配車地域のデータベースの一覧表の一部を例示する図である。
図10】パーソナルコンピュータのモニタに表示された配車地域の一覧表の一部を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態に係る電子黒板の斜視図、図2(a),(b)は図1の電子黒板のボードの正面図である。
【0014】
本実施の形態の電子黒板1は、その表示面内の表示内容を電子的な画像データに変換することが可能な装置であり、一対の脚部2,2と、これに支持された本体部3とを備えている。
【0015】
一対の脚部2,2は、例えば、縦枠体2aと、その縦枠体2aを支持する支持体2bとをそれぞれ備えている。縦枠体2aおよび支持体2bは、例えば、鋼材により形成されている。各支持体2b,2bにおいて長手方向の両端近傍の底部には、電子黒板1を容易に移動することが可能なようにキャスタ2c,2cが装着されている。
【0016】
本体部3は、ボード(保持板)4と、読取ユニット(読取手段)5と、印刷ユニット6と、操作パネル7とを備えている。ボード4は、文字、図形、絵または罫線等を有する表示内容を表示する表示面Sを形成する部材である。読取ユニット5は、ボード4の表示面Sの表示内容を読み取る装置である。印刷ユニット6は、読取ユニット5により読み取られた表示内容を印刷する小型プリンタである。操作パネル7は、ボード4の表示面Sの表示内容の読取動作や印刷動作を操作するための複数の操作キーを有するパネルである。
【0017】
ボード4は、その表面が白色塗料等によりコーティングされた金属薄板とその外周の枠体とを有しており、その平面形状は、例えば横方向に長い長方形状に形成されている。ボード4の表示面Sは、マーカペン等により表示内容を筆記したり消去したりすることが可能になっているとともに、用紙や後述の表示プレート等を磁石等の作用により貼り付けることが可能になっている。ボード4の表示面Sの読取領域RA(図2参照)は、読取ユニット5により表示内容を読み取ることが可能な領域である。なお、読取領域RAは、実際に目視確認することはできないが、説明のため模式的に示している。
【0018】
読取ユニット5は、ボード4の上下方向(短方向)の両端部間を橋渡すように延設されており、その平面形状は、例えば、上下方向に細長い帯状に形成されている。この読取ユニット5においてボード4の表示面Sに対向する面の読取部には、発光部および受光部(図示せず)が読取ユニット5の長手方向に沿って設置されている。発光部は、ボード4の表示面Sを照らす照明であり、例えば、蛍光灯やLED(Light Emitting Diode)により構成されている。一方、受光部は、発光部からボード4に光を放射したときにボード4から反射した光を受光する部分であり、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサにより構成されている。
【0019】
また、読取ユニット5は、例えば、ステッピングモータのようなモータ(図示せず)に機械的に接続されており、ボード4の左右横方向(長手方向)に移動可能な状態で設置されている。この読取ユニット5がボード4の長手方向の一端から他端に向かって移動する最中に、読取ユニット5の発光部からボード4の表示面Sに対して光を照射したときに反射した光の強度や色を読取ユニット5の受光部で受光することによって得られた各移動地点での画像データを合成することにより、ボード4の読取領域RAの表示内容全体の画像データが作成されるようになっている。
【0020】
読取ユニット5による読み取り動作は、社員がボード4上の後述の表示プレートの位置を変更(表示内容を更新)したら操作パネル7の操作キーを操作することで行う。ただし、読取ユニット5による読み取り動作は、操作パネル7の操作によるものに限定されるものではなく、例えば、所定時間毎に読取ユニット5による読み取り動作を自動的に実行するようにしても良いし、人が電子黒板1から離れると、それを電子黒板1に設けたセンサ等が検出し、読取ユニット5の読み取り動作を自動的に実行するようにしても良い。また、社員がボード4の後述の表示プレートの位置を変更(表示内容を更新)すると、読取ユニット5の読み取り動作を自動的に実行するようにしても良い。
【0021】
次に、図3図1の電子黒板を構成するボードの表示例の拡大正面図、図4図3のボードに貼られた表示プレートの1つを拡大して示した拡大平面図、図5(a)はカラービットの原理を説明するための色関係図、図5(b)はカラービット生成イメージの説明図である。なお、図3では図面を見易くするため読取ユニット5を省略している。
【0022】
図3に示すように、ボード4の表示面Sの読取領域RAには、例えば、社員の配車地域の一覧表が表示されている。このボード4の表示面Sには、枠状ラインLがマーカペン等により筆記されており、この枠状ラインLによって読取領域RAが、例えば、5つの領域RA1〜RA5に分割されている。
【0023】
読取領域RAの上部の領域RA1は、例えば、一覧表のタイトル領域とされている。この領域RA1には、タイトル表示用の表示プレート10aが貼り付けられている。この表示プレート10aの表面には、例えば、人により認識することが可能な「配車地域」と記されたタイトル情報(文字情報)と、その情報に対応するカラービットCBとが表示されている。
【0024】
この領域RA1の下方の領域RA2〜RA5は、枠状ラインLにより4等分されている。この領域RA2〜RA5は、例えば、配車地域を示す領域とされており、各領域RA2〜RA5には、例えば、地域を示す表示プレート10bと、その地域で活動する社員の名前を示す表示プレート10cとが貼り付けられている。
【0025】
このうち、地域を示す表示プレート10bの表面には、例えば、人により認識することが可能な「A駅」、「B駅」、「C駅」、「D駅」等と記された地域情報(文字情報)と、その情報に対応するカラービットCBとが表示されている。一方、社員の名前を示す表示プレート10cの表面には、例えば、人により認識することが可能な「佐藤」、「山田」、「鈴木」、「田中」等と記された社員名情報(文字情報)と、その情報に対応するカラービットCBとが表示されている。
【0026】
各表示プレート10a〜10cは、例えば、薄板状の樹脂、ゴム、紙または金属により形成されており、ボード4の表示面Sに磁力や貼付部材により着脱自在の状態で貼り付けられている。各表示プレート10a〜10cのカラービットCBは、赤、青、緑の色を使ってデータを表したコードであり、図4に例示するように、赤、青、緑に着色された複数のセルCCの集合体により形成されている。各カラービットCBには、異なる色のセルCCが互いに隣接した状態で連続して配置されている。
【0027】
カラービットCBは、赤、青、緑の色の繋がりで表現されており、連続したセルCCの色の並びにより自動認識される。このカラービットCBにおいては、図5(a)に示すように、隣接する色の変化で、「1」、「0」のビットが表現されている。例えば、色が、赤青、青緑または緑赤の各々の順で変化しているところで「1」を表し、赤緑、緑青または青赤の各々の順で変化しているところで「0」を表している。例えば、図5(b)のカラービットCBのセルCCの配列例では、「110110」の2進数に変換される。なお、図4および図5(b)の赤、青および緑は、それらの色に着色されていることを示している。
【0028】
このようなカラービットCBを用いた場合、読取ユニット5により読み取られた画像内の複数のカラービットCBの有無を判断(解析)することができる。また、読めないコードは画像を確認することにより判断することができる。また、読み取ったカラービットCBから、各コードの位置や順番を判断することができる。さらに、画面を見ながら探したいコードを簡単に探し出すことができる。
【0029】
次に、図6図1の電子黒板における制御部の要部の概略回路ブロック図、図7は電子黒板の変形例の概略回路ブロック図である。
【0030】
図6に示すように、制御部15は、CPU(Central Processing Unit)16と、ROM(Read Only Memory)17と、RAM(Random Access Memory)18と、読取ユニット制御回路部19と、ピクセル領域設定回路部20と、ピクセル解析回路部21と、カラービット解析回路部22と、メモリカードインタフェイス部23と、ホストインタフェイス部24とを有している。
【0031】
CPU16は、操作パネル7からの操作に従い、電子黒板1の読取ユニット5や印刷ユニット6の動作を制御する他、読取ユニット5により読み取られた画像の処理等、電子黒板1の全体の動作を制御する回路部である。ROM17は、CPU16の動作や処理に必要なプログラムやデータを記憶するメモリである。RAM18は、CPU16がプログラムを実行する際にワークエリアとして機能するメモリである。
【0032】
読取ユニット制御回路部19は、読取ユニット移動制御回路部19aと、画像処理回路部19bとを有している。読取ユニット移動制御回路部19aは、CPU16からの制御信号に基づいて、読取ユニット5の移動用のモータ(図示せず)を制御する回路部であり、画像処理回路部19bは、読取ユニット5により読み取られた画像に対して画像処理を施す回路部である。読取ユニット5により読み取られた画像は画像処理回路部19bを経て画像データとしてRAMに格納される。
【0033】
ピクセル領域設定回路部20は、読取ユニット5により読み取られ、画像処理回路部19bを経て作成された画像データに対して、ピクセル領域を設定する回路部である。すなわち、ピクセル領域設定回路部20においては、最初に表示が開始される画面左上を座標原点として、ピクセルによるマトリクス状の座標を設定する。ここでは、画面の水平方向をX座標、垂直方向をY座標とする。ピクセル領域設定回路部20で作成された画像データはRAM18に格納される。
【0034】
ピクセル解析回路部21は、ピクセル領域設定回路部20で作成された画像データの画像解析を行う回路部である。ここでは、上記枠状ラインLを抽出して枠状ラインLの位置座標を確定するとともに、この枠状ラインLにより読取領域RAを複数の領域RA1〜RA5に分割する。ここでは、予め読取領域RAの枠状ラインLにより全体の領域が確定しているので、領域を指定して領域RA1〜RA5に分割することができる。また、読取領域RA内における各表示プレート10a〜10cの位置座標を各表示プレート10a〜10cのカラービットCBの位置により確定する。これにより、分割された領域RA1〜RA5内における表示プレート10a〜10cの位置が把握される。すなわち、各領域RA1〜RA5に、どの表示プレート10a〜10cがあるかが分かる。ピクセル解析回路部21で作成された画像データはRAM18に格納される。
【0035】
カラービット解析回路部22は、読取ユニット5により読み取られ、ピクセル領域設定回路部20およびピクセル解析回路部21を経て得られた画像データから各表示プレート10a〜10cのカラービットCBのコードを解析する回路部である。これにより、各領域RA1〜RA5の各表示プレート10a〜10cのコードが分かる。すなわち、各領域RA2〜RA5において、どの社員が活動しているかが分かる。このカラービット解析回路部22により作成された各表示プレート10a〜10cのコードのデータはRAM18やメモリカードMCに格納される。
【0036】
メモリカードインタフェイス部23は、CPU16とメモリカードMCとを電気的に接続する回路部である。メモリカードMCには、例えば、読取ユニット5により読み取られた画像データやその画像データに対して上記した画像処理を施した画像データが記録される。ホストインタフェイス部24は、CPU16と外部のパーソナルコンピュータPC1とを電気的に接続する回路部である。
【0037】
ここでは、上記した制御部15(特に、ピクセル領域設定回路部20、ピクセル解析回路部21およびカラービット解析回路部22)を電子黒板1に設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、パーソナルコンピュータPCに、ピクセル領域設定回路部20、ピクセル解析回路部21およびカラービット解析回路部22を設けても良い。この場合、電子黒板1には、CPU16a、ROM17a、RAM18a、情報記憶部30、通信制御回路部31、判断回路部32およびホストインタフェイス部(ポート)24が設けられている。電子黒板1の読取ユニット5で読み取られた画像データは情報記憶部30に記憶される。画像データが情報記憶部30に記憶されたことを判断回路部32が判断すると、情報記憶部30の画像データは通信制御回路部31により呼び出されパーソナルコンピュータPCに転送される。そして、パーソナルコンピュータPCにおいて、電子黒板1で読み取られた画像データに対して画像処理(ピクセル領域(座標)の設定、読取領域RAの分割、各種画像の座標位置の確定等)やカラービットの解析が行われる。また、カラービット解析回路部22のみをパーソナルコンピュータPC1に設け、パーソナルコンピュータPC1において、各表示プレート10a〜10cの各カラービットCBの解析を行っても良い。
【0038】
また、上記の例においては、読取ユニット5により読み取った画像の中から枠状ラインLのデータを抽出した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、複数種類の枠状ラインLが記録されたデータベースを予めメモリカードMC内等に記録しておいて、その中からボード4の表示面S内の表示内容に合った枠状ラインを選択しても良い。また、電子黒板1の表示面Sの読取ユニット5により読み取られた画像データに対してパーソナルコンピュータPC1においてピクセル領域の設定や解析を行う場合には、枠状ラインLを入力手段により入力し、領域を設定するようにしても良い。
【0039】
次に、図8図1の電子黒板とパーソナルコンピュータとを有する読取システムの構成例を示す斜視図、図9は配車地域のデータベースの一覧表の一部を例示する図、図10はパーソナルコンピュータのモニタに表示された配車地域の一覧表の一部を例示する図である。
【0040】
図8に示すように、電子黒板1は、配線ELを通じてネットワークに接続され、ネットワークを経由して複数台のパーソナルコンピュータPC1,PC2,PC3と電気的に接続されている。ただし、電子黒板1とネットワーク(パーソナルコンピュータPC1,PC2,PC3)とを無線により電気的に接続しても良い。
【0041】
パーソナルコンピュータPC1の外部メモリには、図9に示すように、例えば、配車地域のデータベースが記録されている。この配車地域のデータベースには、例えば、各カラーコードに対応する配車担当者の名前、車番号およびその他の情報が記録されている。また、このデータベースには、図示はしないが、カラーコードに対応する地域名(駅名)等も記録されている。
【0042】
パーソナルコンピュータPC1において配車地域管理用のアプリケーションを開くと、電子黒板1から送信された画像データと、パーソナルコンピュータPC1の外部メモリに格納されたデータベースのデータとに基づいて、各表示プレート10a〜10cのカラービットCBと駅名や社員名との対応をとることで配車地域の一覧表が作成される。そして、作成された配車地域の一覧表は、図10に例示するように、パーソナルコンピュータPC1のモニタPM1に表示される。その結果、配車地域管理者等は、社員の活動地域を簡単かつ確実に把握することができる。なお、図10の配車地域の一覧表は、他のパーソナルコンピュータPC2,PC3のモニタPM2,PM3でも閲覧することが可能になっている。また、電子黒板1で読み取られた画像自体をパーソナルコンピュータPC1〜PC3の各モニタPM1〜PM3に表示することもできる。
【0043】
ここで、発明者が検討した画像読取技術においては、カラービットが表示された複数の表示プレートを含むボードの表示面を読み取る場合、そのボードの向かい側にカメラを設置し、そのカメラでボードの表示面を撮影したり、人がカメラでボードの表示面を撮影したりしているので、撮影地点からボードまでの領域を必要とし、全体的に大型化して場所をとる、という課題がある。 また、カメラを固定した場合には、ボードを他の場所に移動して使用することができなくなる、という課題もある。さらに、カメラが通行の邪魔になる上、人がボードの前を通る度に通行の邪魔にならないようにカメラを移動しなければならないので、その度にカメラの位置を設定し直さなければならず読み取り作業が煩雑になる、という課題もある。これに対して、本実施の形態においては、ボード4の表示面Sの表示内容を読取ユニット5により読み取ることができる。このため、電子黒板1の外部にカメラを設置するスペースを必要としないので、設置スペースを小型化することができる。そして、電子黒板1を小型化することができるので、狭い空間でも電子黒板1を設置することができる。また、事務所内、工場内または物流倉庫内等、必要な場所に電子黒板1を移動する場合もその移動を容易にすることができる。また、読取ユニット5の位置を設定し直す必要もないので、ボード4の表示面Sの読み取り作業が煩雑になることもない。
【0044】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0045】
例えば、前記実施の形態においては、社員の配車地域のスケジュール等のような人間の行動管理に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、物流管理、書類管理、入退管理または薬品管理等のような種々の管理あるいは状態検査に適用できる。また、視認性を有する情報としては、文字、記号や図形などである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上の説明では、本発明はカラービットのような光学式認識コードを読み取る電子黒板に適用して有効である。
【符号の説明】
【0047】
1 電子黒板
2 脚部
3 本体部
4 ボード
5 読取ユニット
6 印刷ユニット
7 操作パネル
10a〜10c 表示プレート
15 制御部
16,16a CPU
17,17a ROM
18,18a RAM
19 読取ユニット制御回路部
20 ピクセル領域設定回路部
21 ピクセル解析回路部
22 カラービット解析回路部
23 メモリカードインタフェイス部
24 ホストインタフェイス部
30 情報記憶部
31 通信制御回路部
32 判断回路部
S 表示面
RA 読取領域
RA1〜RA5 領域
L 枠状ライン
PC,PC1〜PC3 パーソナルコンピュータ
PM1〜PM3 モニタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10