特許第6406618号(P6406618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6406618-反応性樹脂組成物とその用途 図000008
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6406618
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】反応性樹脂組成物とその用途
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/004 20060101AFI20181004BHJP
   H05K 1/09 20060101ALI20181004BHJP
   H01B 1/22 20060101ALI20181004BHJP
   H01B 1/00 20060101ALI20181004BHJP
   H01B 5/14 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   G03F7/004 501
   H05K1/09 A
   H01B1/22 A
   H01B1/00 A
   H01B5/14 B
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-61817(P2015-61817)
(22)【出願日】2015年3月25日
(65)【公開番号】特開2016-180908(P2016-180908A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2017年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108993
【氏名又は名称】株式会社大阪ソーダ
(72)【発明者】
【氏名】馬越 英明
(72)【発明者】
【氏名】橋立 優
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 成人
(72)【発明者】
【氏名】三並 淳一郎
【審査官】 塚田 剛士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−246159(JP,A)
【文献】 特開2002−214783(JP,A)
【文献】 特表2005−506569(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/118875(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/146107(WO,A1)
【文献】 特開2014−126609(JP,A)
【文献】 特開2009−076233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/004 − 7/18
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する微粒子(A)と感光性樹脂組成物(B)と、下記式(1)で示されるカルボン酸系化合物(C)(ポリカルボン酸を除く)を含有する反応性樹脂組成物であって、反応性樹脂組成物中におけるカルボン酸系化合物(C)(ポリカルボン酸を除く)の含有量が、反応性樹脂組成物に対して、0.001〜9重量%であることを特徴とする酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、または銀ナノワイヤーで被覆されたフィルム基材用反応性樹脂組成物
【化1】
(式中Rは、ヒドロキシ基を有する炭素数1〜8の有機基を示す)
【請求項2】
前記導電性を有する微粒子(A)が50%平均粒径0.1μm以上10μm以下である請求項1に記載の反応性樹脂組成物。
【請求項3】
前記感光性樹脂組成物(B)が、バインダーポリマー(b−1)、重合性化合物(b−2)、および開始剤(b−3)を含有するものである請求項1または2に記載の反応性樹脂組成物。
【請求項4】
導電性を有する微粒子(A)が、銀又はその合金である請求項1〜3のいずれかに記載の反応性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の反応性樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とする回路パターン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性樹脂組成物に関するものである。更には、当該反応性樹脂組成物を用いて形成された回路パターン(タッチパネル用基板、表示装置用基板、情報処理端末装置用基板等)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、回路材料やディスプレイにおいて小型化や高密度化、高精細化、高信頼性の要求が高まっており、それに伴ってパターン加工技術も技術向上が望まれている。特に電気配線回路パターンの微細化は、小型化や高密度化には不可欠な要求として各種の方法が提案されている。
【0003】
電気配線回路パターンを基材に形成する方法として、印刷法やレーザー加工法、フォトリソグラフィー法が広く知られている。
【0004】
印刷法で高精細な回路パターンを直接形成するためには、印刷の際に回路パターンへのにじみを抑えるため導電ペーストの粘度、およびチクソ比を高くすることが必要である。しかしながら、導電ペーストの粘度やチクソ比を高くすると、例えばスクリーン印刷法では、版が目詰まりを起こし生産性が低下するといった問題が起こるため、高精細化は困難である。さらに、一般に量産製造可能な回路パターンのライン&スペース(以下L/S)は50μm/50μmが限界とされている。
【0005】
レーザー加工法は回路パターンのスペース部分をレーザーエッチングする手法であり、印刷法よりも高精細な回路パターンを得ることができる。しかし、高精細が進むほどスペース間に生じるエッチング残渣が取り切れずに、レーザー加工のタクトタイム上昇や回路パターンの導電性不良の懸念が高まる等の問題を抱えている。
【0006】
フォトリソグラフィー法は、最も高精細な回路パターンを形成する手法として知られている。本手法は導電ペーストを基材に印刷塗布後、プレ乾燥、露光、現像、アフター乾燥を経るもので、簡便に高精細な回路パターンを大量生産することができる。導電ペーストは、導電性を有する微粒子を含有する反応性樹脂組成物であり、この反応性樹脂組成物の特性が各種性能を左右するため、開発が盛んに行われている。
【0007】
特許文献1には、ジカルボン酸又はその酸無水物と酸価が40〜200mgKOH/gの範囲内であるアクリレート化合物等を含有する感光性導電性ペーストが記載されており、実施例において、L/S=20μm/20μmの高精細パターンと高導電性、ITO密着性を両立する方法が記載されている。しかしながら、記載の方法では、100℃5分のプレ乾燥と140℃30分のアフター乾燥が必要となるため、プラスチック基材への熱衝撃が大きく、基材の材質によっては、生産時に回路パターンがクラックを発生させる恐れがある。また、ジカルボン酸は、固体であるため作業性の点で、大量生産には難がある点や、溶媒への溶解性や他の成分との相溶性の観点から、組成物に用いることのできる成分が限定されてしまう点、さらには、酸性度が高いことから組成物自体の酸性度も上がってしまい、現像工程に用いる現像液のライフサイクルが低下し、生産性が低下するといった欠点を有する。そのため、より作業性や汎用性の広い樹脂組成物の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5403187号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、反応性樹脂組成物に関するものである。更には、当該反応性樹脂組成物を用いて形成された回路パターン(タッチパネル用基板、表示装置用基板、情報処理端末装置用基板等)に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、導電性を有する微粒子(A)と感光性樹脂組成物(B)と、下記式(1)で表されるカルボン酸系化合物(C)を含有する反応性樹脂組成物であって、反応性樹脂組成物中におけるカルボン酸系化合物(C)の含有量が、反応性樹脂組成物に対して、0.001〜9重量%であることを特徴とする反応性樹脂組成物が、生産性の低下を伴うことなく、高い耐熱性を有しないPETフィルム等のフィルム基材に対して、高い導電性を有し、ITO膜等の有機膜への密着性、および解像度に優れる高精細な回路パターンが得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、これらの知見に基づき完成されたものであり、以下に反応性樹脂組成物、およびそれを用いて形成された回路パターンを提供する。
【0011】
項1.導電性を有する微粒子(A)と感光性樹脂組成物(B)と、下記式(1)で示されるカルボン酸系化合物(C)を含有する反応性樹脂組成物であって、反応性樹脂組成物中におけるカルボン酸化合物(C)の含有量が、反応性樹脂組成物に対して、0.001〜9重量%であることを特徴とする反応性樹脂組成物。
【化1】
(式中Rは、カルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基を有する有機基を示す)
項2.前記式中のRがヒドロキシ基を有する有機基である項1に記載の反応性樹脂組成物。
項3.前記導電性を有する微粒子(A)が50%平均粒径0.1μm以上10μm以下である項1または2に記載の反応性樹脂組成物。
項4.前記感光性樹脂組成物(B)が、バインダーポリマー(b−1)、重合性化合物(b−2)、および開始剤(b−3)を含有するものである項1〜3のいずれかに記載の反応性樹脂組成物。
項5.導電性を有する微粒子(A)が、銀又はその合金である項1〜4のいずれかに記載の反応性樹脂組成物。
項6.項1〜5のいずれかに記載の反応性樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とする回路パターン。
項7.項6に記載された回路パターンがポリエチレンテレフタレートに酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、または銀ナノワイヤーが被覆されてなる透明基材上に形成されてなることを特徴とする回路基板。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フィルム基材に高精細な回路パターンを形成する材料として、反応性樹脂組成物中に式(1)で表されるカルボン酸系化合物を添加することにより、高い現像性を維持しながら、製造時の現像液のライフサイクルを長寿命化させることができる。さらに、反応性樹脂組成物中にカルボン酸系化合物を添加することで、硬化性に優れ、精巧な細線を形成することができ、導電性および密着性に優れる反応性樹脂組成物が得られる。さらに、本発明の反応性樹脂組成物を用いることにより、高精細な電気配線回路パターンを製造することができ、高精細な電気配線回路基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は導電性評価用の回路パターンを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の反応性樹脂組成物について詳細に説明する。
【0015】
反応性樹脂組成物
本発明で用いる反応性樹脂組成物は、導電性を有する微粒子と感光性樹脂組成物と、下記式(1)で表されるカルボン酸系化合物を含有する組成物である。
具体的には、導電性を有する微粒子(A)と感光性樹脂組成物(B)と、下記式(1)で表されるカルボン酸系化合物(C)を含有する反応性樹脂組成物であって、反応性樹脂組成物中におけるカルボン酸系化合物(C)の含有量が、反応性樹脂組成物に対して、0.001〜9重量%であることを特徴とする反応性樹脂組成物である。
【化2】
(式中Rは、カルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基を有する有機基を示す)
【0016】
本発明の反応性樹脂組成物中における式(1)で表されるカルボン酸系化合物(C)の含有量は、反応性樹脂組成物に対して0.001〜9重量%の範囲であれば、本発明の効果を十分に得られる。
【0017】
本発明の反応性樹脂組成物は、フィルム基材上に均一に塗布し、マスクパターンを密着させ、活性エネルギー線を照射し、反応性樹脂組成物を硬化させる。さらに、現像液を用いて未露光部分を除去することで、電気配線回路パターンが得られる。上記電気配線回路パターンは、例えば、フレキシブル回路基板、タッチパネル用基板、表示装置用基板等に用いることができる。
【0018】
導電性を有する微粒子(A)
本発明に用いる導電性を有する微粒子(A)は、導電性を有する金属微粒子(A)は、50%平均粒径が0.1μm以上10μm以下の金属粉末であれば、特に制限なく用いることができる。例えば、金、銀、銅、白金族金属等の貴金属、若しくはニッケル、アルミニウム等の導電性の高い単体の金属粉末、又はこれらの合金や積層めっきした粉末等を例示することができる。また、単体の金属粉末、又はこれらの合金の金属粉末を2種以上組み合わせて用いることも可能である。中でも、導電性の点で、金、銀又は銅、若しくはその合金の金属粉末が好ましく、銀又はその合金の金属粉末がより好ましい。
【0019】
導電性を有する金属微粒子(A)の形状としては、目的とする導電性が得られるものであれば特に限定されないが、例えば、球状、フレーク状、不規則状等を例示することができ、解像度の点で球状が好ましい。また、金属粉末の50%平均粒径は0.1μm以上10μm以下の範囲であることが好ましく、0.2μm以上5μm以下の範囲であることがより好ましい。上記範囲内であれば凝集の程度は問わない。上記範囲の50%平均粒経の金属粉末を用いると、本発明の効果を充分に得ることができる。本発明における導電性を有する金属微粒子(A)の50%平均粒径は、粒度分布測定装置により測定した粒子値をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径(メジアン径)のことをいう。
【0020】
本発明に用いる導電性を有する金属微粒子(A)は、市販されているものを用いてもよく、気相法や液相化学還元法によって製造したものを用いることも可能である。導電性を有する金属微粒子(A)の具体的な製造方法として、特公昭63−31522号公報に記載されている噴霧熱分解法、特開2002−20809号公報に記載されている製造方法、および特開2004−99992号公報に記載されている製造方法等を例示することができる。
【0021】
本発明の反応性樹脂組成物中の導電性を有する金属微粒子(A)の含有量の下限は、反応性樹脂組成物に対して、62重量%以上であることが好ましく、64重量%以上がより好ましく、66重量%以上がさらに好ましく、68重量%以上が特に好ましい。上記範囲であれば、回路パターンの導電性を確保できる。
【0022】
導電性を有する金属微粒子(A)の含有量の上限は、反応性樹脂組成物に対して、86重量%以下であることが好ましく、84重量%以下がより好ましく、82重量%以下がさらに好ましく、80重量%以下が特に好ましい。上記範囲であれば、反応性樹脂組成物中の樹脂量の低下により感度が低下して回路パターン形成の歩留が著しく低下したり、フィルム基材との密着性が低下したり、解像度が低下する等の問題が生じない。
【0023】
導電性を有する金属微粒子(A)の含有量として、反応性樹脂組成物に対して62〜86重量%、62〜84重量%、62〜82重量%、62〜80重量%、64〜86重量%、64〜84重量%、64〜82重量%、64〜80重量%、66〜86重量%、66〜84重量%、66〜82重量%、66〜80重量%、68〜86重量%、68〜84重量%、68〜82重量%、68〜80重量%等の範囲が挙げられる。
【0024】
感光性樹脂組成物(B)
本発明の反応性樹脂組成物を構成する感光性樹脂組成物(B)は、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム基材との密着性が得られるものであれば、特に制限なく用いることができる。
本発明における感光性樹脂組成物(B)とは、光照射によって、架橋反応、重合反応、分解反応により、耐食性画像を形成するものをいう。さらには、感光性樹脂組成物(B)には、光によって硬化して硬化物が得られるものも含まれる。
【0025】
本発明に用いる感光性樹脂組成物(B)は、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線を照射することにより、重合性、架橋性、分解性、硬化性のいずれかの性質を示すものであれば、特に制限無く使用することができる。
【0026】
感光性樹脂組成物(B)としては、活性エネルギー線を吸収した化合物(例えば、後述するバインダーポリマー(b−1)、又は重合性化合物(b−2))が単体で反応を起こして重合、架橋、硬化等するものであることが好ましい。また、活性エネルギー線を吸収した化合物自身は重合、架橋、硬化等しないが、感光性樹脂組成物(B)中に含まれるその他の化合物(例えば、後述する開始剤(b−3))が、活性エネルギー線を吸収した化合物と作用して重合、架橋、硬化等するものであることが好ましい。また、その際に関与する化合物の種類は2種類以上であっても良い。例えば、重合性化合物(b−2)と開始剤(b−3)を含むような組成物を例示することができる。
感光性樹脂組成物(B)は、好ましくは、バインダーポリマー(b−1)、重合性化合物(b−2)、および開始剤(b−3)を含有するものであればよい。また、反応性樹脂組成物への感光性樹脂組成物の配合時におけるハンドリングしやすさの点で、有機溶剤で希釈されたものを用いることも可能である。この場合のおける有機溶剤は、バインダーポリマーと相溶し、常温で揮発しないものであればよく、後述する有機溶剤を用いることが好ましい。なお、有機溶媒で感光性樹脂組成物を希釈した際の固形分濃度は10〜60%の範囲であればよい。
【0027】
また、本発明の反応性樹脂組成物において、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム基材との高い密着性および導電性を得るために、反応性樹脂組成物中における感光性樹脂組成物(B)の含有量は、導電性を有する微粒子(A)100重量部に対して、10重量部以上が好ましく、15重量部以上がより好ましい。また、60重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましい。
【0028】
反応性樹脂組成物中の感光性樹脂組成物(B)の含有量としては、導電性を有する微粒子(A)100重量部に対して、10〜60重量部、10〜50重量部、15〜60重量部、15〜50重量部の範囲を例示することができる。なお、反応性樹脂組成物中の感光性樹脂組成物(B)の含有量が少なすぎるとフィルム基材との充分な密着性および高精細な解像性が得られず、感光性樹脂組成物(B)の含有量が多すぎると充分な導電性が得られない。
【0029】
バインダーポリマー(b−1)
バインダーポリマー(b−1)としては、感光性樹脂組成物(B)の他の成分と混合しても分離、沈降、析出等を起こさないものであれば、特に制限なく用いることができ、フィルム基材との密着性を維持できるものを好適に用いることができる。具体的には、(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリスチレン、酢酸ビニルポリマー、ポリアミド、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースジアセテート、ポリクロロエチレン、ニトロセルロース、およびテトロン等の構造を有するポリマー等を例示することができる。中でも、(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、セルロースジアセテート、ポリスチレンおよびこれらの共重合体が好ましく、(メタ)アクリレート樹脂、ポリスチレンおよびこれらの共重合体がより好ましい。なお、バインダーポリマー(b−1)は、上述したもの2種以上組み合わせてもちいてもよく、また、作業性の点で適当量の有機溶剤で希釈されたものを用いてもよい。
【0030】
また、感光性樹脂組成物(B)を用いたフォトリソグラフィー法の現像液として、通常、金属アルカリ水溶液、および有機アルカリ水溶液等のアルカリ性の溶液が用いられる。そのため、活性エネルギー線による硬化後の現像処理における解像度に優れるバインダーポリマー(b−1)として、アルカリ可溶性樹脂、例えば、分子中にカルボキシル基、又はスルホン基等を有するアルカリ可溶性のバインダーポリマーを用いることが好ましい。アルカリ可溶性のバインダーポリマーとしては、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を重合した単重合体、若しくは共重合体、又は1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、それと共重合可能なエチレン性不飽和単量体とを重合した共重合体等を例示することができる。
【0031】
1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸、ケイ皮酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、およびマレイン酸等を例示することができ、中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。バインダーポリマー(b−1)としては、これらの単量体の1種、又は2種以上を重合した重合体を用いることができる。
【0032】
1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル系不飽和単量体、エチレングリコールエステル系(メタ)アクリレート、プロピレングリコール系(メタ)アクリレート、ブチレングリコール系モノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド系不飽和単量体、N−置換マレイミド等を例示することができる。
【0033】
1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を例示することができる。また、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリル等も挙げられる。
【0034】
また、バインダーポリマー(b−1)としては、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の1種又は2種以上と、それと共重合できるエチレン性不飽和単量体の1種又は2種以上とを組み合わせて、共重合させることで得られる共重合体を用いることができる。
共重合体を得る際の反応条件や各単量体成分の組成比は、目的とするバインダーポリマー(b−1)の物性(重量平均分子量、ガラス転移温度等)に合わせて、適宜選択すればよい。
【0035】
また、バインダーポリマー(b−1)として、活性エネルギー線照射による光二量化反応等により、架橋するポリマーを使用することも可能である。このようなポリマーとして、例えば、桂皮酸骨格、マレイミド骨格、スチレン骨格、アントラセン骨格、又はピラジン骨格等を有するポリマー等を例示することができ、具体的には、ポリ桂皮酸ビニル、マレイミド骨格を有するポリマーであるアロニックスUVT-302(東亜合成)等を例示できる。
【0036】
感光性樹脂組成物(B)に使用するバインダーポリマー(b−1)は、現像性、および形成される回路パターンとフィルムとの密着性等の性能のバランスを良くするために、重量平均分子量が2,000〜500,000の範囲のものが好ましく、特に4,000〜100,000の範囲のものが好ましい。重量平均分子量が小さすぎると、感光性樹脂組成物としての光架橋密度が大きくなりすぎ回路パターンの割れや欠けを引き起こす。重量平均分子量が大きすぎると、ポリマー同士の絡み合いが大きくなり導電ペーストとしての粘度が上昇、結果、印刷時にスクリーン版へのペースト目詰まりを誘発する等の問題が生じる。
また、感光性樹脂組成物(B)におけるバインダーポリマー(b−1)の使用量は、感光性樹脂組成物(B)に対して、例えば、10〜70重量%の範囲であることが好ましく、20〜65重量%であることがより好ましい。バインダーポリマー(b−1)が10重量%より少なすぎると、感光性樹脂組成物中の重合性化合物の比率が上昇し、硬化被膜の架橋密度が大きくなりすぎ、回路パターンの割れや欠けの原因となる。バインダーポリマー(b−1)が70重量%より多すぎると現像時にバインダーポリマーが回路パターンから剥離しにくくなり、現像時間の遅延や解像性を悪化させる。
なお、バインダーポリマー(b−1)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の値である。例えば、機種:ショウデックス(昭和電工(株)製)、カラム:KF−805L、KF−803L、およびKF−802(昭和電工(株)製)にて、溶離液としてTHF等を用いて、標準試料としてポリスチレンを用いて行ったものである。なお、バインダーポリマー(b−1)の重量平均分子量の測定条件は、ポリマーの物性に応じて適宜選択すればよい。
【0037】
重合性化合物(b−2)
重合性化合物(b−2)としては、ラジカル重合性化合物を例示することができ、中でも反応性が高く、感光性樹脂組成物の光に対する感度を高くすることができる点で、多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。具体的には、(エチレン基の数が2〜14の)ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレングリコール付加物トリアクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、(プロピレン基の数が2〜14の)ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート等を例示することができ、中でも、(エチレン基の数が2〜14の)ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレングリコール付加物トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。また、重合性化合物(c−2)は、上述したものを単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0038】
また、感光性樹脂組成物(B)における重合性化合物(b−2)の使用量は、感光性樹脂組成物(B)に含まれるバインダーポリマー(b−1)100重量部に対して、30〜75重量部の範囲であればよく、35〜70重量部の範囲が好ましい。重合性化合物(b−2)の添加量が少なすぎると、感光性樹脂組成物中のバインダーポリマーの比率が上昇し、硬化被膜の架橋密度が小さくなり十分な密着性が得られない。また、重合性化合物(b−2)の添加量が多すぎると硬化被膜の架橋密度が大きくなり、回路パターンの割れや欠けの原因となる。
【0039】
感光性樹脂組成物(B)におけるバインダーポリマー(b−1)と重合性化合物(b−2)の平均(メタ)アクリル当量は、感光性樹脂組成物の収縮挙動を制御するうえで重要である。感光性樹脂組成物の平均(メタ)アクリル当量は、バインダーポリマー(b−1)または重合性化合物(b−2)の各アクリル当量の重量比の和より求めることができ、500〜8,000の範囲であればよく、1,000〜5,000の範囲であることが好ましい。感光性樹脂組成(B)中の平均(メタ)アクリル当量が小さすぎる((メタ)アクリル基が比較的多い)ときは、硬化被膜の収縮が大きくなりフィルム基材との密着性が得られない。また、感光性樹脂組成物(B)中の平均(メタ)アクリル当量が多すぎる((メタ)アクリル基が比較的少ない)ときは、十分な光架橋が得られないため、フィルム基材との密着性が得られない。
【0040】
開始剤(b−3)
開始剤(b−3)は、活性エネルギー線の波長に吸収帯を有し、重合反応、架橋反応、硬化反応等を生成させるものであれば特に制限なく用いることができる。一般に、反応に用いられる活性エネルギー線としては、コストの面から紫外線が好適に用いられる。そのため、開始剤(b−3)としては、種類が豊富であり、単量体との反応性に優れる光ラジカル重合開始剤が好ましい。
【0041】
開始剤(b−3)の具体例としては、ベンゾイン、アセトフェノン、2−メチルアントラキノン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、2,4−ジイソプロピルキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等を例示することができる。中でも光に対する感度が良い点で、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)が好ましく、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)がより好ましい。
【0042】
感光性樹脂組成物(B)における開始剤(b−3)の使用量は感光性樹脂組成物(B)に含まれるバインダーポリマー(b−1)100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲であればよく、1〜8重量部の範囲がより好ましい。
【0043】
カルボン酸系化合物(C)
本発明の反応性樹脂組成物を構成するカルボン酸系化合物(C)は、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム基材との密着性が得られるものであれば、特に制限なく用いることができる。また、本発明では、反応性樹脂組成物にカルボン系化合物酸(C)を添加するのみでなく、導電性を有する微粒子(A)を予めカルボン酸系化合物(C)を所定量で処理したものを反応性樹脂組成物に用いることも可能である。
【0044】
本発明で用いるカルボン酸系化合物(C)としては、下記式(1)で表されるものを用いることができる。
【化3】
(式中Rは、カルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基を有する有機基を示す)
式(1)中のRとしては、炭素数1〜15の(特には炭素数1〜8が好ましい)のカルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基を有する有機基等が挙げられ、中でも、ヒドロキシ基を有する有機基が好ましい。
【0045】
式中のRが、カルボニル基を有する有機基である場合は、ケトピニン酸、2-ケトペンタン酸、3-メチル-2-オキソペンタン酸、4-メチル-2-オキソペンタン酸、3-オキソシクロペンタンカルボン酸、4-オキソヘプタン二酸モノエチル、4-オキソ-4-フェニル酪酸等が挙げられる。
【0046】
式中のRが、ヒドロキシ基を有する有機基である場合は、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸 2-ヒドロキシ酪酸、3-ヒドロキシ酪酸、γ-ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸 キナ酸、シキミ酸、サリチル酸、クレオソート酸(ホモサリチル酸、ヒドロキシ(メチル)安息香酸)、バニリン酸、シリング酸、ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸、没食子酸、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、ケイヒ酸、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸等が挙げられる。
中でも、解像性と導電性の点で、用いるカルボン酸系化合物の炭素数は少ない方が好ましく(例えば、炭素数1〜15、特に炭素数1〜8)、グリコール酸、乳酸等の低級カルボン酸系化合物が好ましい。
【0047】
式中のRが、アミノ基を有する有機基である場合は、グリシン、アラニン、メチルアラニン、クレアニン、アルギニン、セリン、オキサミン酸等が挙げられる。
【0048】
反応性樹脂組成物中におけるカルボン酸系化合物(C)の含有量は、反応性樹脂組成物に対して、0.001重量%以上であればよく、0.005重量%以上が好ましく、0.01重量%以上がより好ましい。また、反応性樹脂組成物中におけるカルボン酸系化合物(C)の含有量は、反応性樹脂組成物に対して、9重量%以下であればよく、5重量%以下が好ましく、3.5重量%以下がより好ましい。
【0049】
反応性樹脂組成物中におけるヒドロキシ酸系化合物(C)の含有量は、例えば、0.001〜9重量%、0.001〜5重量%、0.001〜3.5重量%、0.005〜9重量%、0.005〜5重量%、0.005〜3.5重量%、0.01〜9重量%、0.01〜5重量%、0.01〜3.5重量%等の範囲が挙げられる。
カルボン酸系化合物(C)の含有量が少なすぎると、回路パターンの解像性および導電性が悪化し、カルボン酸系化合物(C)の含有量が多すぎても細線パターンの解像性および導電性の悪化を招く。
【0050】
その他の添加剤
本発明の反応性樹脂組成物には、上述した成分以外に必要に応じて、添加剤として、本発明の効果に影響を与えない範囲で、有機溶剤(D)、レベリング剤、増粘剤、沈殿防止剤、密着性向上のためのカップリング剤、および消泡剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0051】
本発明の反応性樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶媒(D)を含んでいてもよい。有機溶媒(D)としては、感光性樹脂組成物(B)中のバインダーポリマー(b−1)、重合性化合物(b−2)、光重合開始剤(b−3)を溶解させることができ、常温で気化しない液媒体であれば、特に制限なく使用することができる。なお、反応性樹脂組成物中の各成分は、溶媒に完全に溶解している必要はなく、本発明の反応性樹脂組成物を全体として、均一に分散した状態を維持できるものであれば、上記全成分を溶解させる能力は必ずしも必要ではない。反応性樹脂組成物(B)における溶媒の使用量は、導電性を有する微粒子を含有した反応性樹脂組成物の粘度が1〜100Pa・sの範囲になるように適宜調製すればよく、10〜50Pa・sの範囲であることが好ましい。
【0052】
本発明に用いる有機溶媒として、例えば、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−ブチルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級あるいは多価のアルコール類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、N−メチルピロリドン、およびジアルキルグリコールエーテル類等を例示することができる。なお、これらはそれぞれを単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0053】
レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル系共重合物、メタクリル系共重合物、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、アクリル酸、アクリル酸アルキル共重合物、ポリオキシアルキレンモノアルキル又はアルケニルエーテルのグラフト化共重合物、レシチン等を例示することができる。
【0054】
レベリング剤の添加量は、反応性樹脂組成物の全量に対して、0.1重量%以上が好ましい。この範囲であれば、レベリング剤の効果が充分に得られる。また、レベリング剤の添加量は、反応性樹脂組成物に対して、3重量%以下が好ましい。この範囲であれば、フィルム基材との密着性低下、印刷性の悪化等が起こらない。また、これ以上増やしても、レベリング剤の効果はそれ以上高くならない。
【0055】
増粘剤としては、高粘度化が必要な場合には、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等各種ポリマー、カルボキシメチルセルロース等の多糖類、パルミチン酸デキストリン等の糖脂肪酸エステル、オクチル酸亜鉛等の金属石鹸、スメクタイト等の膨潤性粘土鉱物、スパイクラベンダーオイル、石油を蒸留した鉱物性のペトロール等を用いることができる。
【0056】
増粘剤の添加量は、反応性樹脂組成物の全量に対して、0.1重量%以上が好ましい。この範囲であれば、増粘剤の効果が充分に得られる。また、増粘剤の添加量は、反応性樹脂組成物の全量に対して、3重量%以下が好ましい。この範囲であれば、印刷性の悪化等が起こらない。
【0057】
沈殿防止剤としては、例えば、長鎖ポリアマイド系、長鎖ポリアマイドのリン酸塩、ポリアマイド系、不飽和ポリカルボン酸、三級アミノ基含有ポリマー等の市販のものを使用できる。
【0058】
沈殿防止剤の添加量は、反応性樹脂組成物の全量に対して、0.1重量%以上が好ましい。この範囲であれば、沈殿防止剤の効果が充分に得られる。また、沈殿防止剤の添加量は、反応性樹脂組成物の全量に対して、3重量%以下が好ましい。この範囲であれば、過剰な増粘効果による印刷性の悪化等が起こらない。また、これ以上増やしても、沈殿防止剤の効果はそれ以上高くならない。
【0059】
密着性向上のためのカップリング剤としては、反応性官能基を有するアルコキシシラン化合物が好ましく、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するアルコキシシラン化合物、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、および3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を含有するアルコキシシラン化合物、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するアルコキシシラン化合物、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランおよび3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、およびN−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノ基を有するアルコキシシラン化合物、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基を有するアルコキシシラン化合物、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロプロピル基を有するアルコキシシラン化合物、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランおよび3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するアルコキシシラン化合物、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド基を有するアルコキシシラン化合物、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するアルコキシシラン化合物、イミダゾールシラン等のイミダゾール基を有するアルコキシシラン化合物等を例示することができる。
【0060】
カップリング剤の添加量は、反応性樹脂組成物の全量に対して、0.1重量%以上が好ましい。この範囲であれば、カップリング剤の効果が充分に得られる。また、カップリング剤の添加量は、反応性樹脂組成物の全量に対して、3重量%以下が好ましい。この範囲であれば、解像性低下が起こらない。また、これ以上増やしても、カップリング剤の効果はそれ以上高くならない。
【0061】
消泡剤としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン溶液、シリコーンを含まない特殊破泡剤、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、アルキルビニルエーテル、アクリル系共重合物、破泡性ポリマー、ポリシロキサン、破泡性ポリシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、パラフィン系ミネラルオイル等を例示することができる。
【0062】
消泡剤の添加量は、反応性樹脂組成物の全量に対して、0.1重量%以上が好ましい。この範囲であれば、消泡剤の効果が充分に得られる。また、消泡剤の添加量は、反応性樹脂組成物の全量に対して、3重量%以下が好ましい。この範囲であれば、フィルム基材との密着性低下、組成物の分散性の悪化等が起こらない。また、これ以上増やしても、消泡剤の効果はそれ以上高くならない。
【0063】
反応性樹脂組成物の製造方法
本発明の反応性樹脂組成物は、導電性を有する微粒子(A)、感光性樹脂組成物(B)、カルボン酸系化合物(C)と必要に応じて添加されるその他の成分とを混合又は混錬することにより製造することができる。
これらの成分の混合又は混練方法は、各成分が反応性樹脂組成物中で均一に分散ないしは混合できる方法で行えばよく、特に限定されない。このような方法として、例えば、メカニカルスターラー、マグネティックスターラー、超音波分散機、遊星ミル、ボールミル、プラネタリミキサー又は三本ロール等を用いる方法を例示することができる。取扱いが容易である点で、遊星ミルを用いる方法が好ましく、均一に分散できる点では三本ロールを用いる方法が好ましく、2つ以上の方法を組み合わせてもよい。
【0064】
回路パターンおよび回路パターンの製造方法
本発明の回路パターンは、本発明の反応性樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とする。
フィルム基材上に回路パターンを形成するに当たっては、本発明の反応性樹脂組成物を、フィルム基材上に、スクリーン印刷等の印刷法を用いて回路パターンを形成させ、その後活性エネルギー線を照射して感光性樹脂組成物(B)を反応させて回路パターンを得ることができる。また、スクリーン印刷等の印刷法により反応性樹脂組成物を塗布し、PET等で形成されたフィルムマスクパターンもしくは、ガラスマスクパターンを介して、活性エネルギー線を照射し、反応性樹脂組成物を硬化等させるフォトリソグラフィーの技術を用い、その後現像液を用いて未露光部分を除去し、溶媒を乾燥によって除去することで、回路パターンを得ることができる。
【0065】
回路形成に用いるフィルム基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を例示することができる。また、上述したフィルム基材表面を酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、または銀ナノワイヤーが被覆されたものを用いることも可能である。中でも、高導電性、高密着性、高精細な回路パターンを形成できる点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)およびそれらのフィルム基材表面をITO、ZnO、銀ナノワイヤー被覆したフィルム等が好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)およびそれらのフィルム基材表面をITO、ZnO、銀ナノワイヤー被覆したフィルムがより好ましい。
【0066】
本発明の回路パターンを製造する方法としては、上記説明した本発明の反応性樹脂組成物を調製する工程(調製工程)と、フィルム基材上に反応性樹脂組成物を塗布する工程(塗布工程)と、形成すべき回路パターンに対応するフィルムやネガマスクを介して、反応性樹脂組成物の塗膜に対して活性エネルギー線を照射し、塗膜を硬化等させる工程(露光工程)、上記フィルム上の未露光部分を現像液によって溶解、除去、乾燥する工程(現像工程)を含む方法を例示することができる。
【0067】
塗布工程においては、上記調製工程で調製した本発明の反応性樹脂組成物を、スクリーン印刷法、バーコーター、又はブレードコーター等の塗布方法で、フィルム基材上に塗布し乾燥させる。塗布工程における乾燥温度は60〜120℃とすることが好ましく、乾燥時間は5〜60分とすることが好ましい。また、フィルム基材上の塗膜の厚みは特に制限されないが、1μmを超えて、30μm未満であることが好ましく、3μmを超えて、10μm未満であることがより好ましい。
【0068】
露光工程においては、形成すべき回路パターンに対応するフィルムやネガマスクを介して、フィルム基材上に塗布した塗膜に対して活性エネルギー線を照射し照射部を重合、架橋、硬化等させる。照射される活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、およびX線等を例示することができ、中でも紫外線が好ましい。光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、およびブラックライト等を用いることができる。また、露光方式としては、マスクとの密着露光、プロキシミティ露光、および投影露光等を例示することができる。
【0069】
現像工程においては、現像液を用いて、硬化されていない未露光部分を溶解、除去することで、目的とする回路パターンを得ることができる。
現像液としては、本発明の反応性樹脂組成物の未露光部分を、可溶化させることができるものであれば、特に制限なく用いることができる。用いる現像液は、水性、油性いずれでもよく、液のpHは問わない。例えば、感光性樹脂組成物(B)中に酸性基を持つ化合物が存在する場合、水酸化ナトリウム、および炭酸ナトリウム等の金属アルカリ水溶液の他、モノエタノールアミン、およびジエタノールアミン等の有機アルカリ水溶液等を用いることができる。また、「現像」の本来の目的が、反応性樹脂組成物の未露光部分を取り除くことであることから、ここで言う可溶化とは反応性樹脂組成物を全て溶解させることまでは意味せず、未露光部分を取り除くことができる程度に反応性樹脂組成物を構成する少なくとも1成分を可溶化できればよい。
【0070】
現像工程での現像方式としては、フォトリソグラフィーに通常用いられる現像方式であれば、特に制限無く用いることができる。具体的には、硬化した塗膜が形成されフィルム基材を現像液に浸すディップ方式、このフィルム基材全面に現像液を噴霧するスプレー方式、容器内に現像液とこのフィルム基材を入れて処理するバレル方式等を例示することができる。現像方式は、使用する反応性樹脂組成物の性質に応じて適宜決定すればよい。また、回路パターンを形成する対象となる、フィルム基材の形状等により現像方式は異なるが、フィルム基材上の不要な塗膜(未露光部分)を除去する場合、スプレー方式により塗膜付着面を均一な圧力で洗い流す方法が、解像度を向上できる点で好ましい。
【0071】
不要な現像液の除去のため水洗や酸中和を行った後、回路パターンを乾燥する。乾燥温度は40〜100℃とすることが好ましく、乾燥時間は5〜30分間とすることが好ましい。また、回路パターンとフィルム基材との密着力をさらに高めるために、必要に応じて、現像工程のあとにさらに、アフターベークを行ってもよい。この際の温度は100〜150℃とすることが好ましく、時間は5〜100分とすることが好ましい。
【0072】
上記工程を経ることで、本発明の反応性樹脂組成物を用いて、フィルム基材上に回路パターンを形成することができる。
【0073】
本発明の回路基板は、本発明の回路パターンがフィルム基材上に形成されてなることを特徴とする。
本発明の回路パターンが、上記説明した本発明の回路パターンの製造方法により、フィルム基材上に形成されて本発明の回路基板が製造される。本発明の回路基板は、タッチパネル用基板、表示装置用基板、情報処理端末装置用基板等の電気配線回路基板として使用することができる。
【実施例】
【0074】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0075】
(1)反応性樹脂組成物の材料
後述の実施例および比較例で用いた材料を以下に説明する。
【0076】
導電性を有する金属微粒子(A)
導電性を有する金属微粒子;銀微粒子(球状、50%平均粒径1.1μm)
上記導電性を有する金属微粒子(A)の平均粒径は粒度分布測定装置(HORIBA LA−950V2)により測定した値である。
【0077】
感光性樹脂組成物(B)
感光性樹脂組成物(B)は、下記に示すバインダーポリマー(b−1)100gと重合性化合物(b−2)53gと開始剤(b−3)5gとを混合し、平均(メタ)アクリル当量が3,000となるよう調製した。
【0078】
(バインダーポリマー:b−1)
バインダーポリマー:感光性アクリルポリマー共重合体(重量平均分子量20,000、アクリル当量6,500、互応化学工業社製)と非感光性アクリルポリマー共重合体、(重量平均分子量80,000、互応化学工業社製)を、重量比7:3で混合したものを固形分濃度35%となるようジプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈してバインダーポリマーとして用いた。
【0079】
(重合性化合物:b−2)
重合性化合物:ライトアクリレートPE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学株式会社製)
【0080】
(開始剤:b−3)
光重合開始剤:Irgacure OXE02(エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)BASF社製)
【0081】
カルボン酸(C)
カルボン酸(C1):グリコール酸(和光純薬工業株式会社製)
カルボン酸(C2):アジピン酸(和光純薬工業株式会社製)

【0082】
有機溶媒(D)
有機溶媒(D):ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)
【0083】
実施例および比較例に用いた反応性樹脂組成物の成分の組成を表1に示す。
表内組成の数値単位は重量%、粘度の単位はPa・sである。
【0084】
(2)電気配線回路パターンの形成
(i)反応性樹脂組成物の調製工程
表1に示す組成に従い、反応性樹脂組成物の重量合計が100gとなるように各成分をそれぞれ秤量し、これをまず遊星ミル(クラボウ製マゼルスターKK250S)を用いて合計10分間混練した。この際、1分おきに混練を停止し、手で導電性を有する金属微粒子と感光性樹脂組成物をなじませる作業をした。また、反応性樹脂組成物が36℃以上の熱を持ち過ぎないようにした。続いて、三本ロールを用いて混練し、ペースト状の反応性樹脂組成物を作製した。なお、調製した反応性樹脂組成物の粘度はE型粘度計BROOKFIELD RV DV2Tを用いてコーン角3°、半径12mm、温度25℃の条件下で回転数1rpmでの粘度を読み取ることにより測定した。
【0085】
(ii)塗布工程および露光工程
厚さ100μmの光学用途向けPETフィルム(東レ製ルミラーU34シリーズ)を基板とし、この処理面側の表面に上記の反応性樹脂組成物をスクリーン印刷法により均一に塗布し、70℃で10分間の乾燥を行い、塗布膜厚5μmの塗膜を得た。続いて、ライン/スペースを20μm/20μmの細線パターンの描かれたフォトマスクを塗膜に密着させ、メタルハライドランプを用いて紫外線300mJ/cmを照射し、反応性樹脂組成物を硬化させた。
図1は導電性評価用の回路パターンを模式的に示す図である。
【0086】
(iii)現像工程とその評価
次いで、0.2%炭酸ナトリウム水溶液を現像液に用いて、30秒程度で未露光部分を除去し、水洗により不要な現像液を除去した。この後、温風乾燥器にて140℃で30分間乾燥して水分を除去し、回路パターンを得た。得られた各回路パターンについては比抵抗、現像による解像度、基板との密着性の評価を下記に記載の評価方法で測定した。
【0087】
(3)評価方法
(比抵抗の測定)
比抵抗の測定は、ライン/スペース20μm/20μm、厚み5μm、長さ10mmの回路パターンにテスター(Kaise KU−2608)を当て抵抗値を測定し算出した。評価結果を表2に示す。
【0088】
(解像度の評価)
解像度の評価は、現像処理後の回路パターンを落射照明型の光学顕微鏡を用いて倍率450倍にて観察し、スペース部分の樹脂組成物残渣の有無、およびライン部分の断線の有無で評価した。樹脂組成物残渣、およびライン部分の断線が確認されなかったものを○、確認されたものを×と示した。評価結果を表2に示す。
【0089】
(密着性の評価)
基板との密着性の評価は、JIS H8504テープ試験方法に準じて引きはがし試験を実施した。回路パターンの剥離の有無について確認した。塗膜が剥離しなかったものを○、剥離したものは×と示した。評価結果を表2に示す。
【0090】
【0091】
表2に示すように、カルボン酸系化合物を添加した実施例1〜3については、比抵抗、解像性、密着性ともに良好な結果を得られた。
比較例1は、カルボン酸系化合物(C)としてグリコール酸を添加したものであるが、添加量(10重量%)が多すぎたため、反応性樹脂組成物の酸性度が高くなり現像阻害物質となり、導電性および解像性が悪化した。
比較例2はカルボン酸系化合物(C)としてアジピン酸(ジカルボン酸)を添加したものであるが、アジピン酸は反応性樹脂組成物中の感光性樹脂組成物成分との相溶が悪く、十分な密着性が得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、各種電気配線回路基板の製造分野において、有効に利用することができる。
図1