特許第6406671号(P6406671)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6406671
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】コンテンツキャッシュ方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20181004BHJP
   G06F 12/00 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   G06F13/00 540B
   G06F12/00 545Z
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-36760(P2015-36760)
(22)【出願日】2015年2月26日
(65)【公開番号】特開2016-157401(P2016-157401A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2017年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】荻野 長生
(72)【発明者】
【氏名】阿野 茂浩
【審査官】 木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−063032(JP,A)
【文献】 特表2016−506113(JP,A)
【文献】 特開2014−089692(JP,A)
【文献】 特表2015−501487(JP,A)
【文献】 Qinghua Wu,CordingCache:Multipath-aware CCN Cache with Network Coding,ICN'13 Proceedings of the 3rd ACM SIGCOMM workshop on information-centric networking,米国,ACM,2013年 8月12日,Pages 41-42
【文献】 植田 一暁,コンテンツセントリックネットワークにおける経路情報集約手法の提案,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.112 No.208,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2012年 9月13日,第112巻,第41頁-第46頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06F 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上でコンテンツをキャッシュするコンテンツキャッシュ装置において、
ダウンロードした新規コンテンツとキャッシュ済みの少なくとも一つのコンテンツとの関連性を判断する手段と、
新規コンテンツと関連性のある少なくとも一つのキャッシュ済みコンテンツとをネットワーク符号化して符号化コンテンツを生成する手段と、
前記符号化コンテンツを前記キャッシュ済みコンテンツに代えてキャッシュする手段とを具備し
各コンテンツには、階層型ネーミングに基づくコンテンツ識別子が設定され、
前記関連性を判断する手段は、コンテンツ識別子の類似度に基づいてコンテンツ同士の関連性を判断することを特徴とするコンテンツキャッシュ装置。
【請求項2】
ネットワーク上でコンテンツをキャッシュするコンテンツキャッシュ装置において、
ダウンロードした新規コンテンツとキャッシュ済みの少なくとも一つのコンテンツとの関連性を判断する手段と、
新規コンテンツと関連性のある少なくとも一つのキャッシュ済みコンテンツとをネットワーク符号化して符号化コンテンツを生成する手段と、
前記符号化コンテンツを前記キャッシュ済みコンテンツに代えてキャッシュする手段と、
前記キャッシュ済みコンテンツをネットワーク上へ広報する手段とを具備し、
前記広報する手段は、符号化コンテンツに関して、共にネットワーク符号化されている一群のコンテンツを関連付けて広報することを特徴とするコンテンツキャッシュ装置。
【請求項3】
各コンテンツには、階層型ネーミングに基づくコンテンツ識別子が設定され、
前記関連性を判断する手段は、コンテンツ識別子の類似度に基づいてコンテンツ同士の関連性を判断することを特徴とする請求項に記載のコンテンツキャッシュ装置。
【請求項4】
ネットワーク符号化されたコンテンツのいずれかに対する要求に対して当該符号化コンテンツを応答する手段を具備したことを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツキャッシュ装置。
【請求項5】
キャッシュ済みコンテンツをネットワーク上へ広報する手段をさらに具備したことを特徴とする請求項に記載のコンテンツキャッシュ装置。
【請求項6】
前記広報する手段は、符号化コンテンツに関して、共にネットワーク符号化されている一群のコンテンツを関連付けて広報することを特徴とする請求項に記載のコンテンツキャッシュ装置。
【請求項7】
ネットワーク上でコンテンツをキャッシュするコンテンツキャッシュ方法において、
ダウンロードした新規コンテンツとキャッシュ済みの少なくとも一つのコンテンツとの関連性を判断する手順と、
新規コンテンツと関連性のある少なくとも一つのキャッシュ済みコンテンツとをネットワーク符号化して符号化コンテンツを生成する手順と、
前記符号化コンテンツを前記キャッシュ済みコンテンツに代えてキャッシュする手順とを含み、
各コンテンツには、階層型ネーミングに基づくコンテンツ識別子が設定され、
前記関連性を判断する手順では、コンテンツ識別子の類似度に基づいてコンテンツ同士の関連性を判断することを特徴とするコンテンツキャッシュ方法。
【請求項8】
ネットワーク上でコンテンツをキャッシュするコンテンツキャッシュ方法において、
ダウンロードした新規コンテンツとキャッシュ済みの少なくとも一つのコンテンツとの関連性を判断する手順と、
新規コンテンツと関連性のある少なくとも一つのキャッシュ済みコンテンツとをネットワーク符号化して符号化コンテンツを生成する手順と、
前記符号化コンテンツを前記キャッシュ済みコンテンツに代えてキャッシュする手順と、
前記キャッシュ済みコンテンツをネットワーク上へ広報する手順とを含み、
前記広報する手順では、符号化コンテンツに関して、共にネットワーク符号化されている一群のコンテンツを関連付けて広報することを特徴とするコンテンツキャッシュ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上でコンテンツをキャッシュする方法および装置に係り、特に、ノード装置間でのコンテンツのダウンロードを効率化できるコンテンツキャッシュ方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IPアドレスを識別子とするサーバ・クライアントモデルのネットワークにおける問題点を解決する手法の一つとして、ネットワーク上にコンテンツをキャッシュし、ユーザがネットワークからコンテンツをダウンロードすることを可能にするコンテンツ指向ネットワークの研究が進められている。
【0003】
非特許文献1には、階層型ネーミングに基づくコンテンツ識別子を用いてコンテンツ要求メッセージやダウンロードコンテンツのルーチングを行うコンテンツ指向ネットワークが示されている。また、各ノード装置がコンテンツキャッシュを持ち、コンテンツ要求メッセージは、所望のコンテンツを保有している最寄りのコンテンツキャッシュにルーチングされるコンテンツ指向ネットワークも示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】G. Xylomennos, et al., "A Survey of Information-Centric Networking Research," IEEE Communication Surveys and Tutorials, vol. 16, no. 2, pp. 1024-1049, 2014.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図4は、従来のコンテンツキャッシュ方法を説明するためのネットワーク構成を示した図であり、ノード装置N1,N3,N4間の接続およびノード装置N2,N3,N5間の接続はいずれも1ホップであり、ノード装置N1,N4とノード装置N2,N5との間の接続は、ノード装置N3を中継する2ホップである。
【0006】
同図(a)は、初期のキャッシュ状態を示した図であり、ノード装置N1にはコンテンツAがキャッシュされ、ノード装置N2にはコンテンツBがキャッシュされている。
【0007】
ここで、コンテンツ要求メッセージの最大許容ホップ数が1ホップに制限されている場合、ノード装置N3,N4,N5がいずれもコンテンツA,Bのダウンロードを要求すると、ノード装置N4はコンテンツAのみをノード装置N1からダウンロードできる。ノード装置N5は、コンテンツBのみをノード装置N2からダウンロードできる。
【0008】
ノード装置N3は、コンテンツA,Bのいずれをも、ノード装置N1,N2からそれぞれダウンロードできる。しかしながら、ノード装置N3のキャッシュ容量がコンテンツ1個分であるとコンテンツA,Bを同時にはキャッシュできない。したがって、コンテンツのダウンロード順序がA,Bの順であれば、同図(b)に示したように、ノード装置N3にはコンテンツBしか残らない。その結果、同図(c)に示したように、ノード装置N4はコンテンツBをダウンロードできるようになるものの、ノード装置N5はコンテンツAをダウンロードできない。
【0009】
このように、従来のコンテンツキャッシュ方法では、ノード装置のキャッシュ容量が小さいと、その周辺ノード装置がダウンロードできるコンテンツが制限されるので、所望のコンテンツをダウンロードできない。
【0010】
本発明の目的は、上記の技術課題を解決し、ネットワーク上のノード装置が少ないキャッシュ容量で多種のコンテンツをキャッシュでき、周辺のノード装置は所望のコンテンツを十分な確率でダウンロードできるコンテンツキャッシュ方法および装置を提要することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、ネットワーク上でコンテンツをキャッシュするコンテンツキャッシュ装置において、以下の構成を具備した点に特徴がある。
【0012】
(1) ダウンロードした新規コンテンツとキャッシュ済みの少なくとも一つのコンテンツとの関連性を判断する手段と、新規コンテンツと関連性のある少なくとも一つのキャッシュ済みコンテンツとをネットワーク符号化して符号化コンテンツを生成する手段と、符号化コンテンツをキャッシュ済みコンテンツに代えてキャッシュする手段とを具備した。
【0013】
(2) 各コンテンツには、階層型ネーミングに基づくコンテンツ識別子が設定され、関連性を判断する手段は、コンテンツ識別子の類似度に基づいてコンテンツ同士の関連性を判断するようにした。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
(1) ネットワーク上のノード装置が相互に類似又は関連するコンテンツ同士をネットワーク符号化してキャッシュするので、キャッシュ容量の少ないノード装置でも、関連して同時期にダウンロード要求される可能性の高い複数のコンテンツをまとめてキャッシュできる。
【0015】
(2) 相互に類似又は関連するコンテンツ同士がネットワーク符号化されるので、そのうちのいずれか一つのコンテンツを所望するユーザは残りのコンテンツを既に所持しているか、あるいは他のノード装置から容易にダウンロードできる環境、状況にある可能性が高い。したがって、ダウンロードされるコンテンツがネットワーク符号化されていても、これを容易に復号化することが可能であり、符号化されていないコンテンツをダウンロードする場合と同様に所望のコンテンツを取得できる。
【0016】
(3) 各コンテンツに階層型ネーミングに基づく識別子が設定されるので、識別子の一致長に基づいて、各コンテンツの類似性又は関連性を簡単かつ正確に判断できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツキャッシュ装置1の主要部の構成を示したブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係るコンテンツキャッシュ装置の動作を示したフローチャートである。
図3】本発明を適用したコンテンツのダウンロード方法およびキャッシュ方法を模式的に表現した図である。
図4】従来技術によるコンテンツのダウンロード方法およびキャッシュ方法を模式的に表現した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツキャッシュ装置1の主要部の構成を示した図であり、ネットワークのノード装置を構成するコンピュータやサーバに、後述する各機能を実現するアプリケーション(プログラム)を実装することで構成できる。あるいは、アプリケーションの一部がハードウェア化またはROM化された専用機や単能機として構成しても良い。
【0019】
コンテンツ取得部101は、ネットワーク経由で他のノード装置、コンテンツサーバ又はユーザ端末(以下、ノード装置Nで総称する)からコンテンツをダウンロードする。関連性判断部102は、ダウンロードした新規コンテンツに類似又は関連するコンテンツがキャッシュメモリ100にキャッシュ済みであるか否かを判別する。
【0020】
本実施形態では、全てのコンテンツに階層型ネーミングに基づくコンテンツ識別子が用いられており、コンテンツ識別子の一致長が所定の基準値よりも長いコンテンツ同士が類似又は関連するコンテンツと判断される。
【0021】
キャッシュ制御部103はネットワーク符号化部104を含み、新規コンテンツに類似又は関連するコンテンツがキャッシュメモリ100にキャッシュされていると、これらをまとめてネットワーク符号化し、符号化コンテンツを前記キャッシュされているコンテンツに代えてキャッシュメモリ100にキャッシュさせる。すなわち、ネットワーク符号化されたキャッシュ済みのコンテンツを全て削除し、その代わりに前記符号化コンテンツをキャッシュさせる。
【0022】
コンテンツ要求受付部105は、ネットワーク経由で他のノード装置Nからコンテンツ要求を受け付ける。コンテンツ選択部106は、コンテンツ要求に対して応答するコンテンツをキャッシュメモリ100から選択する。本実施形態では、要求されたコンテンツが他のコンテンツと共にネットワーク符号化されることなく単独でキャッシュされていれば、当該単独コンテンツを優先的に選択する。これに対して、要求されたコンテンツが他のコンテンツと共にネットワーク符号化されていれば、当該符号化コンテンツを選択する。
【0023】
コンテンツ配信部107は、前記選択された単独コンテンツまたは符号化コンテンツを前記コンテンツの要求元へ配信する。キャッシュ情報広報部108は、キャッシュメモリ100がキャッシュしているコンテンツの情報をネットワーク上へ広報する。その際、ネットワーク符号化されている一群のコンテンツについては、これら一群のコンテンツを関連付けて広報する。
【0024】
図2は、コンテンツキャッシュ装置1の動作を示したフローチャートであり、ステップS1において、新規コンテンツが前記コンテンツ取得部101によりダウンロードされると、ステップS2では、新規コンテンツに類似するキャッシュ済みコンテンツが、前記関連性判断部102によりキャッシュメモリ100上で探索される。
【0025】
本実施形態では、新規コンテンツの識別子とキャッシュ済みコンテンツの識別子とが前記関連性判断部102により比較され、コンテンツ識別子の一致長が所定の閾値を超える全てのキャッシュ済みコンテンツが探索される。
【0026】
ステップS3において、新規コンテンツに類似するコンテンツがキャッシュメモリ100にキャッシュ済みであると判断されるとステップS4へ進み、その中からコンテンツ識別子の一致長が最大のキャッシュ済みコンテンツが選択される。
【0027】
ステップS5では、前記選択されたキャッシュ済みコンテンツおよび新規コンテンツが、前記ネットワーク符号化部104によりネットワーク符号化されて符号化コンテンツが生成される。ステップS6では、前記符号化コンテンツが前記選択されたキャッシュ済みコンテンツと置換される。すなわち、キャッシュ済みコンテンツに代えて符号化コンテンツがキャッシュメモリ100にキャッシュされる。
【0028】
一方、ステップS8において、ネットワーク経由のコンテンツ要求が前記コンテンツ要求受付部105により受け付けられると、ステップS9では、要求されたコンテンツがキャッシュメモリ100にキャッシュ済みであるか否かが判断される。キャッシュ済みでなければ当該処理を終了し、キャッシュ済みであればステップS10へ進む。
【0029】
ステップS10では、前記要求されたコンテンツが、前記コンテンツ選択部106によりキャッシュメモリ100から選択され、コンテンツ配信部107により要求元へ配信される。
【0030】
図3は、本発明を適用したコンテンツのダウンロード方法およびキャッシュ方法を模式的に表現した図であり、ノード装置N1,N3,N4間の接続およびノード装置N2,N3,N5間の接続はいずれも1ホップであり、ノード装置N1,N4とノード装置N2,N5との間の接続は2ホップである。
【0031】
コンテンツ要求メッセージの最大許容ホップ数は1ホップに制限されており、本発明の一実施形態に係るノード装置N3(コンテンツキャッシュ装置1)のキャッシュ容量はコンテンツ1個分である。したがって、各ノード装置Nが複数種のコンテンツを同時にキャッシュするためには、これらのコンテンツをネットワーク符号化する必要がある。
【0032】
同図(a)は、初期のキャッシュ状態を示した図であり、ノード装置N1にはコンテンツAが保持され、ノード装置N2にはコンテンツBが保持されている。コンテンツA,Bの内容は類似又は関連し、両者のコンテンツ識別子の一致長は十分に長いものとする。
【0033】
ここで、ノード装置N3,N4,N5がいずれもコンテンツA,Bのダウンロードを要求すると、ノード装置N4はコンテンツAのみをノード装置N1からダウンロードできる。ノード装置N5は、コンテンツBのみをノード装置N2からダウンロードできる。ノード装置N3は、コンテンツA,Bの両方をノード装置N1,N2からそれぞれダウンロードできる。しかしながら、ノード装置N3のキャッシュ容量はコンテンツ1個分なのでコンテンツA,Bを同時にはキャッシュできない。
【0034】
したがって、コンテンツのダウンロード順序がA,Bの順であれば、ノード装置N3ではコンテンツAのダウンロード後にコンテンツBをダウンロードする際、前記関連性判断部102により、コンテンツBに類似又は関連するコンテンツがキャッシュ済みであるか否かが判定される。
【0035】
ここでは、コンテンツAがコンテンツBに類似していると判断されるので、コンテンツA,Bがネットワーク符号化部104によりネットワーク符号化され、同図(b)に示したように、前記コンテンツAに代えて符号化コンテンツ[A+B]がキャッシュされる。
【0036】
ノード装置N3が、コンテンツA,Bの符号化コンテンツ[A+B]をキャッシュした旨をキャッシュ情報広報部108からネットワーク上へ広報すると、ノード装置N4はノード装置N3へコンテンツBを要求する。
【0037】
ノード装置N3は、当該コンテンツ要求に対して符号化コンテンツ[A+B]を応答するので、ノード装置N4は、既に所持しているコンテンツAを用いて当該符号化コンテンツ(A+B)を復号化することでコンテンツBを取得できる。
【0038】
同様に、ノード装置N5がノード装置N3へコンテンツAを要求すると、ノード装置N3は、当該コンテンツ要求に対して符号化コンテンツ[A+B]を応答する。ノード装置N5は、既に所持しているコンテンツBを用いて当該符号化コンテンツ(A+B)を復号化することでコンテンツAを取得できる。
【0039】
本実施形態によれば、ネットワーク上のノード装置Nが相互に類似又は関連するコンテンツ同士をネットワーク符号化してキャッシュするので、キャッシュ容量の少ないノード装置でも、関連して同時期にダウンロード要求される可能性の高い複数のコンテンツをまとめてキャッシュできる。
【0040】
しかも、符号化コンテンツを復号化するためにはその一部のコンテンツを所持していなければならないところ、本実施形態では、相互に類似又は関連するコンテンツ同士がネットワーク符号化されるので、そのうちのいずれか一つのコンテンツを所望するユーザは残り全てのコンテンツを既に所持しているか、あるいは他のノード装置から容易にダウンロードできる環境、状況にある可能性が高い。
【0041】
したがって、ダウンロードされるコンテンツがネットワーク符号化されていても、これを容易に復号化することが可能であり、符号化されていないコンテンツをダウンロードした場合と同様に所望のコンテンツを取得できるようになる。
【0042】
さらに、本実施形態によれば、関連するコンテンツ同士はキャッシュ容量不足でも破棄されず、符号化コンテンツとしてキャッシュされ続けるので、ノード装置が所望のコンテンツを検索により発見できるヒット率を高めることができる。
【0043】
さらに、本実施形態によれば、各コンテンツに階層型ネーミングに基づく識別子が設定されるので、識別子の一致長に基づいて、各コンテンツの類似性又は関連性を簡単かつ正確に判断できるようになる。
【符号の説明】
【0044】
100…キャッシュメモリ,101…コンテンツ取得部,102…関連性判断部,103…キャッシュ制御部,104…ネットワーク符号化部,105…コンテンツ要求受付部,106…コンテンツ選択部,107…コンテンツ配信部,108…キャッシュ情報広報部
図1
図2
図3
図4