【発明が解決しようとする課題】
【0014】
図5は、従来のWebサーバ200とクライアント側端末202との関係を説明する概略図である。
【0015】
図5に示したように、Webサーバ200とクライアント側端末202とは、Webサーバ200のWebアプリケーション204で作成されたHTMLデータを、例えば、ネットワーク、インターネットなどの通信手段206を介して、クライアント側端末202に備えられたブラウザ208で表示するなどにより使用している。
【0016】
この場合、Webサーバ200上で動作するアプリケーション(Webアプリ)204を、クライアント側端末202のブラウザ208を介して操作する場合、Webサーバ200のWebアプリケーション204側が、クライアント側端末202のブラウザ208を介して、クライアント側端末202のハードウェアやOS(オペレーティングシステム)210を直接操作することは、セキュリティの問題から許可されていない。
【0017】
例えば、Webサーバ200のWebアプリケーション204上で警報表示を行っても、クライアント側端末202がスリープ状態にある場合には、クライアント側端末202では、画面が表示されず、操作者が警報に気づかない可能性がある。
【0018】
特許文献1の空調制御監視装置では、ネットワークを介して接続され、WEBブラウザを備えたクライアント端末に対して、空気調和機の運転状態情報を提供する空調制御監視装置が開示されている。
【0019】
しかしながら、特許文献1の空調制御監視装置においても、Webサーバ側である空調制御監視装置が、クライアント端末のハードウェアやOS(オペレーティングシステム)を直接操作することは、セキュリティの問題から許可されていない。
【0020】
従って、特許文献1の空調制御監視装置においては、空調制御監視装置上で警報表示を行っても、クライアントがスリープ状態にある場合には、クライアント側端末では、画面が表示されず、操作者が警報に気づかない可能性がある。
【0021】
特許文献2の遠隔監視システムにおいては、Webサーバ側であるローカル機器コントローラが、Webブラウザ搭載型端末から周期的に繰り返される配信要求毎に、前回の配信要求時の現状態カウンタと、状態変化カウンタのカウント値と、今回の配信要求時のカウント値とを用いて、Webブラウザ搭載型端末において、警報鳴動するか必要ないかを決定するように構成されている。
【0022】
しかしながら、この特許文献2の遠隔監視システムにおいても、特許文献1と同様に、Webサーバ側であるローカル機器コントローラが、Webブラウザ搭載型端末のハードウェアやOS(オペレーティングシステム)を直接操作することは、セキュリティの問題から許可されていない。
【0023】
従って、特許文献2の遠隔監視システムにおいても、ローカル機器コントローラ上で警報表示を行っても、Webブラウザ搭載型端末がスリープ状態にある場合には、クライアント側端末では、画面が表示されず、操作者が警報に気づかない可能性がある。
【0024】
さらに、特許文献3の通信制御方法では、送信先端末局がスリープモードにあると確認された場合には、制御局が、送信先端末局にスリープ解除要求を行うように構成されている。
【0025】
しかしながら、特許文献3の通信制御方法は、いわゆる携帯電話などの通信機器における通信制御方法に関するものである。
すなわち、特許文献3では、請求項において、無線通信ネットワークが前提と記載されており、しかも、発明の属する技術分野の欄において、制御局がポーリング方式により端末局の非同期パケット送信の制御を行う通信ネットワークにおける通信制御方法に関すると記載されている。
換言すれば、特許文献3の通信制御方法は、通信プロトコルの下位レイヤ(OSI基本参照モデルのレイヤ2またはレイヤ3)に関するものである。
従って、特許文献3の通信制御方法は、上位の通信プロトコル(OSI基本参照モデルのレイヤ7)を使用してWebサーバとクライアント側端末間の通信を行う監視装置に関するものでないことは明らかである。
【0026】
本発明は、このような現状に鑑み、Webアプリ側がクライアント側端末のブラウザを介して、クライアントのハードウェアやOS(オペレーティングシステム)を直接操作することなく、クライアントのハードウェアやOSを操作することができ、セキュリティの問題も発生せず、監視すべき被監視装置の状態を、Webサーバを介して、集中監視することができ、操作者が警報に気づかないといった問題もない集中監視システム、そのための集中監視装置、ならびに、端末監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の集中監視システムは、
監視すべき被監視装置の状態を、Webサーバを介して、集中監視するための集中監視システムであって、
前記被監視装置と通信手段を介して接続されたWebサーバを備えた集中監視装置と、
前記集中監視装置のWebサーバと通信手段を介して接続された端末監視装置とを備え、
前記Webサーバが、
前記Webサーバ上で作動し、被監視装置からの被監視装置の動作情報データを受信するとともに、受信した動作情報データに基づいて、被監視装置の動作状態を制御するWebアプリケーションと、
前記Webサーバ上で作動し、前記Webアプリケーションが、受信した動作情報データに異常が発生したと判断した場合に、前記端末監視装置に対して、異常発生通知を行う異常発生通知プログラムとを備え、
前記端末監視装置が、端末監視装置上で端末監視装置のブラウザとは別個に作動する端末監視プログラムを備えており、
前記Webサーバ側が、Webアプリケーションとは別個の前記異常発生通知プログラムを備え、
前記端末監視プログラムが、前記異常発生通知プログラムから異常発生通知を受信した際に、前記Webサーバの異常発生通知プログラムからの異常発生通知に応じて、端末監視装置
のオペレーティングシステムに対して所定の動作を行うよう指示するように構成したことを特徴とする。
【0028】
また、本発明の集中監視装置は、
監視すべき被監視装置の状態を、Webサーバを介して、集中監視するための集中監視システムに用いられる集中監視装置であって、
前記被監視装置と通信手段を介して接続されたWebサーバを備え、
前記Webサーバが、
前記Webサーバ上で作動し、被監視装置からの被監視装置の動作情報データを受信するとともに、受信した動作情報データに基づいて、被監視装置の動作状態を制御するWebアプリケーションと、
前記Webサーバ上で作動し、前記Webアプリケーションが、受信した動作情報データに異常が発生したと判断した場合に、前記Webサーバと通信手段を介して接続された端末監視装置に対して、異常発生通知を行う異常発生通知プログラムとを備え、
前記Webサーバ側が、Webアプリケーションとは別個の前記異常発生通知プログラムを備えることを特徴とする。
【0029】
前記端末監視装置が、端末監視装置上で端末監視装置のブラウザとは別個に作動する端末監視プログラムを備えており、
前記端末監視プログラムが、前記異常発生通知プログラムから異常発生通知を受信した際に、前記Webサーバの異常発生通知プログラムからの異常発生通知に応じて、端末監視装置
のオペレーティングシステムに対して所定の動作を行うよう指示するように構成した端末監視プログラムであって、
前記集中監視装置の異常発生通知プログラムが、前記端末監視プログラムに対して、異常発生通知を行うように構成したことを特徴とする。
【0030】
また、本発明の端末監視装置は、
監視すべき被監視装置の状態を、Webサーバを介して、集中監視するための集中監視システムに用いられる端末監視装置であって、
前記被監視装置と通信手段を介して接続された集中監視装置のWebサーバと通信手段を介して接続された端末監視装置であり、
前記Webサーバが、
前記Webサーバ上で作動し、被監視装置からの被監視装置の動作情報データを受信するとともに、受信した動作情報データに基づいて、被監視装置の動作状態を制御するWebアプリケーションと、
前記Webサーバ上で作動し、前記Webアプリケーションが、受信した動作情報データに異常が発生したと判断した場合に、前記端末監視装置に対して、異常発生通知を行う異常発生通知プログラムとを備え、
前記端末監視装置が、端末監視装置上で端末監視装置のブラウザとは別個に作動する端末監視プログラムを備えており、
前記Webサーバ側が、Webアプリケーションとは別個の前記異常発生通知プログラムを備え、
前記端末監視プログラムが、前記異常発生通知プログラムから異常発生通知を受信した際に、前記Webサーバの異常発生通知プログラムからの異常発生通知に応じて、端末監視装置
のオペレーティングシステムに対して所定の動作を行うよう指示するように構成したことを特徴とする。
【0031】
このように構成することによって、Webサーバが、Webサーバ上で作動し、WebサーバのWebアプリケーションが、受信した動作情報データに異常が発生したと判断した場合に、端末監視装置に対して、異常発生通知を行う異常発生通知プログラムを備えている。
【0032】
そして、端末監視装置が、端末監視装置上で端末監視装置のブラウザとは別個に作動する端末監視プログラムを備えており、端末監視プログラムが、Webサーバの異常発生通知プログラムから異常発生通知を受信した際に、Webサーバの異常発生通知プログラムからの異常発生通知に応じて、端末監視装置に対して所定の動作を行うよう指示するように構成されている。
【0033】
従って、Webサーバ側では、Webアプリケーションとは別個の異常発生通知プログラムを備えており、クライアント側である端末監視装置に、Webアプリケーションを操作するブラウザとは別に、バックグラウンドで動作する常駐プログラムである端末監視プログラムを備えていることになる。
【0034】
これにより、WebサーバのWebアプリケーションが、受信した動作情報データに異常が発生したと判断した場合に、クライアント側である端末監視装置の端末監視プログラムは、ブラウザではないため、セキュリティの問題も発生することなく、クライアント側である端末監視装置に対して直接制御が可能である。
【0035】
これにより、Webサーバの異常発生通知プログラムからの異常発生通知に応じて、端末監視装置に対して、例えば、端末監視装置のオペレーティングシステムのスリープ状態の解除、アラームなど警報音の鳴動、警告画面の表示を行うよう指示することができ、操作者が警報に気づかないといった問題も発生しない。
【0036】
また、本発明によれば、WebサーバにWebアプリケーションを備えているので、Webサーバとクライアント側である端末監視装置との間で、オペレーティングシステムやハードウェア構成が異なる環境からでも同一アプリケーションが利用可能であるとともに、クライアント側である端末監視装置のオペレーティングシステムやハードウェアに対する直接操作が可能である。
【0037】
さらに、本発明によれば、Webサーバ側には、Webアプリケーションとは別個の異常発生通知プログラムを備えるとともに、クライアント側である端末監視装置には、ブラウザではない端末監視プログラムを備えているので、ハードウェアやオペレーティングシステムに依存する部分と、その他の部分を分離できるため、複数種類のクライアント環境に対応する際にも、環境別に用意しなければならない部分を省略でき、開発コストを低減することができる。
【0038】
また、本発明では、前記端末監視プログラムが、所定の間隔で異常発生通知プログラムに対して、異常発生通知があるか否かを問い合わせて、異常発生通知プログラムに対して異常発生通知要求を行うポーリングを実施するように構成され、
前記端末監視プログラムが、前記ポーリングの結果、前記異常発生通知プログラムから異常発生通知を受信した際に、前記Webサーバの異常発生通知プログラムからの異常発生通知に応じて、端末監視装置に対して所定の動作を行うよう指示するように構成したことを特徴とする。
【0039】
このように構成することによって、Webサーバ側のWebアプリケーションは、クライアント側である端末監視装置に対して、例えば、端末監視装置のオペレーティングシステムのスリープ状態の解除などの直接操作が必要な場合、その要求をWebサーバ側の異常発生通知プログラムに通知する。
【0040】
一方、クライアント側である端末監視装置の端末監視プログラムは、Webサーバ側の異常発生通知プログラムに対して、定期的に異常発生通知要求を行うポーリングを実施する。
【0041】
そして、ポーリングの結果、Webサーバ側のWebアプリケーションからの要求が異常発生通知プログラムに届いていた場合、すなわち、端末監視装置の端末監視プログラムが、異常発生通知プログラムから異常発生通知を受信した際に、Webサーバの異常発生通知プログラムからの異常発生通知に応じて、例えば、端末監視装置のオペレーティングシステムのスリープ状態の解除、アラームなど警報音の鳴動、警告画面の表示を行うよう指示することができ、操作者が警報に気づかないといった問題も発生しない。
【0042】
また、本発明は、前記被監視装置が、空気調和機であることを特徴とする。
【0043】
このように、本発明は、例えば、エアコン、冷凍庫、冷蔵庫、園芸用のビニールハウス、ショーケースなどの空気調和機に好適に適用することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、Webサーバが、Webサーバ上で作動し、WebサーバのWebアプリケーションが、受信した動作情報データに異常が発生したと判断した場合に、端末監視装置に対して、異常発生通知を行う異常発生通知プログラムを備えている。
【0045】
そして、端末監視装置が、端末監視装置上で端末監視装置のブラウザとは別個に作動する端末監視プログラムを備えており、端末監視プログラムが、Webサーバの異常発生通知プログラムから異常発生通知を受信した際に、Webサーバの異常発生通知プログラムからの異常発生通知に応じて、端末監視装置に対して所定の動作を行うよう指示するように構成されている。
【0046】
従って、Webサーバ側では、Webアプリケーションとは別個の異常発生通知プログラムを備えており、クライアント側である端末監視装置に、Webアプリケーションを操作するブラウザとは別に、バックグラウンドで動作する常駐プログラムである端末監視プログラムを備えていることになる。
【0047】
これにより、WebサーバのWebアプリケーションが、受信した動作情報データに異常が発生したと判断した場合に、クライアント側である端末監視装置の端末監視プログラムは、ブラウザではないため、セキュリティの問題も発生することなく、クライアント側である端末監視装置に対して直接制御が可能である。
【0048】
加えて、Webサーバの異常発生通知プログラムからの異常発生通知に応じて、端末監視装置に対して、例えば、端末監視装置のオペレーティングシステムのスリープ状態の解除、アラームなど警報音の鳴動、警告画面の表示を行うよう指示することができ、操作者が警報に気づかないといった問題も発生しない。
【0049】
また、本発明によれば、WebサーバにWebアプリケーションを備えているので、Webサーバとクライアント側である端末監視装置との間で、オペレーティングシステムやハードウェア構成が異なる環境からでも同一アプリケーションが利用可能であるとともに、クライアント側である端末監視装置のオペレーティングシステムやハードウェアに対する直接操作が可能である。
【0050】
さらに、本発明によれば、Webサーバ側には、Webアプリケーションとは別個の異常発生通知プログラムを備えるとともに、クライアント側である端末監視装置には、ブラウザではない端末監視プログラムを備えているので、ハードウェアやオペレーティングシステムに依存する部分と、その他の部分を分離できるため、複数種類のクライアント環境に対応する際にも、環境別に用意しなければならない部分を省略でき、開発コストを低減することができる。