(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のように、コンベアユニットにおける駆動ローラと駆動モータとの間において動力伝達ベルトが用いられる場合には、組付け対象としての装置本体に対してコンベアユニットを着脱する度に動力伝達ベルトの取付け、取り外しを行わなければならず、このことは、作業性の点から好ましいものとはいえない。
【0006】
これに対しては、対応策として、コンベアユニットにおける駆動ローラと駆動モータの出力軸とにギアをそれぞれ設け、その駆動ローラにおけるギアと駆動モータにおけるギアとを噛合させることにより、駆動モータの動力を駆動ローラに伝達することが考えられる。これによれば、駆動モータから駆動ローラに動力を伝達するに際して、動力伝達ベルトを用いる必要がなくなり、組付け対象としての装置本体に対するコンベアユニットの着脱作業において、動力伝達ベルトの取付け、取り外し作業をなくすことができる。
【0007】
しかし、この場合には、駆動ローラ及び駆動モータの各ギアが、時間の経過に伴い摩耗することになり、各ギアが使用限度まで摩耗した場合には、その各ギアを新たなギアに交換しなければならない。このため、駆動ローラにおけるギアと駆動モータにおけるギアとを噛合させることにより駆動モータの動力を駆動ローラに伝達する場合には、ギア交換作業という新たな作業が発生するばかりか、駆動ローラ、駆動モータに対するギアの取付け、取外しが容易でないこともあって、ギアの交換作業は煩雑なものとならざるを得ない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、新たな問題が生じることを極力抑制しつつ、組付け対象に対するコンベアユニットの着脱作業に基づく作業負担を極力軽減する搬送構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
駆動ローラと従動ローラとの間に被搬送物を搬送するための搬送ベルトが巻回されているコンベアユニットと、前記コンベアユニットの駆動ローラに駆動力を付与する駆動モータと、が備えられている搬送構造において、
前記コンベアユニットの駆動ローラ及び前記駆動モータの出力軸にギアがそれぞれ設けられ、
前記駆動ローラにおけるギアと前記駆動モータにおけるギアとが中間ギアを介して噛合され、
前記中間ギアが、前記駆動ローラ及び前記駆動モータの各ギアに比して軟質材をもって形成されている構成とされている。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2以下の記載のとおりとなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、コンベアユニットの駆動ローラ及び駆動モータにギアがそれぞれ設けられ、駆動ローラにおけるギアと駆動モータにおけるギアとが中間ギアを介して噛合されていることから、駆動モータから駆動ローラに動力を伝達するに際して、動力伝達ベルトを用いる必要がなくなり、組付け対象に対するコンベアユニットの着脱作業において、ベルトの取付け、取り外し作業をなくすことができる。
【0011】
また、中間ギアが、駆動ローラ及び駆動モータの各ギアに比して軟質材をもって形成されていることから、駆動ローラ及び駆動モータの各ギアが摩耗せず、中間ギアが摩耗することになり、中間ギアの交換が必要になるものの、駆動ローラ及び駆動モータに取付けられた両方のギアを交換する必要がなくなる。他方、中間ギアについては、駆動ローラ及び駆動モータの各ギアとは異なり、支持軸をもって該中間ギアの周辺部材に簡単に支持することができ、中間ギアを新たなものに交換しなければならないとしても、その中間ギアの交換作業を容易に行うことができる。
【0012】
したがって、新たな問題が生じることを極力抑制しつつ、組付け対象に対するコンベアユニットの着脱作業に基づく作業負担を極力軽減することができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、駆動モータ及び中間ギアが、コンベアユニットを組付けるべき組付け対象に取付けられ、駆動モータにおけるギア、中間ギア、駆動ローラにおけるギアが、下側から上側に向けて順次、配置されていることから、コンベアユニットを、その駆動ローラにおけるギアが中間ギアに噛合するように降ろすだけで、動力伝達経路を形成できることになり、組付け対象に対するコンベアユニットの組付け性を向上させることができる。また、組付け対象に対するコンベアユニットの脱着に関しては、脱着すべきコンベアユニットにおける駆動ローラのギアと中間ギアとが上下関係をもって噛合すると共に、その脱着すべきコンベアユニットの上方に自由空間(作業空間)が確保されていることから、コンベアユニットを上方に引き上げることにより、組付け対象からコンベアユニットを脱着することができ、コンベアユニットの脱着作業性についても向上させることができる。
【0014】
さらに、中間ギアの交換作業に関しては、コンベアユニットを組付け対象から脱着すれば、中間ギアの上方に自由空間(作業空間)を確保できることになり、その自由空間の下で中間ギアの交換作業を行うことができる。このため、中間ギアの交換作業性についても向上させることができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、少なくとも、駆動ローラにおけるギアと中間ギアとの間にカバー部材が設けられ、カバー部材には、駆動ローラにおけるギアと中間ギアとの噛合部分領域において、該噛合部分を通り抜けさせるための開口が形成されていることから、上方から降りてくるゴミが中間ギアに付着することを極力防ぐことができると共に、コンベアユニットを組付け対象から脱着するだけで、カバー部材の開口を通じて中間ギアの摩耗状態を確認することができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、コンベアユニットを組付けるべき組付け対象に、駆動モータを取付けるための基板が、駆動ローラの下方において取付けられ、基板に、前記駆動モータの上方側において支持孔が形成され、支持孔に支持軸が、その一端部をもって着脱可能に嵌合され、支持軸に、該支持軸の一端部よりも他端側において中間ギアが相対回転可能に支持されていることから、コンベアユニットの脱着後、支持軸を基板の支持孔から引き抜くだけで中間ギアを取外すことができ、また、支持軸の一端部を中間ギアに嵌合した状態で基板の支持孔に嵌合するだけで中間ギアを組付けることができる。このため、コンベアユニットにおける駆動ローラ及び駆動モータにおける各ギアに対する交換作業に比べて、中間ギアの交換作業を極めて容易に行うことができる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、カバー部材が、中間ギアの側面外方側をも覆う状態で前記基板に着脱可能に取付けられ、カバー部材の内面に支持軸の他端面が当接されていることから、カバー部材を利用して支持軸が支持孔から抜け方向に移動することを規制して、支持軸を適正位置で保持できる。このため、その支持軸の下で中間ギアを的確に作動(相対回転)させることができる。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、被搬送物を搬送しながらその被搬送物の重量を計量検査する重量検査装置に用いられることから、重量検査装置において用いられる搬送構造として、着脱作業性等の観点から最適なものを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0021】
図1〜
図4において、符号1は実施形態に係る搬送構造が用いられた重量検査装置を示す。この重量検査装置1は、フレームユニット2、該フレームユニット2に搭載される計量コンベアユニット3及び導入コンベアユニット4を備えている。
【0022】
前記フレームユニット2は、
図1、
図2、
図4に示すように、一対の脚体5A,5Bと、その一対の脚体5A,5Bを連結する一対の連結フレーム6A,6Bと、を備えている。
【0023】
一対の各脚体5A(5B)は、一対の脚部7a,7bと、連結部8と、により構成されている。一対の脚部7a,7bは、上下方向に起立した状態を維持しつつ、離間された状態で配置されており、連結部8は、その各脚部7a(7b)の上端部を連結している。各脚体5A(5B)の連結部8には、一対の取付け板9a,9a(9b,9b)が、一定間隔をあけて取付けられており、その両取付け板9a,9a(9b,9b)の板面は、連結部8の伸び方向(
図2中、左右方向)において対向されている。このような一対の各脚体5A(5B)は、互いの一対の脚部7a,7b及び連結部8を対向させつつ、所定距離だけ離間された状態で配置されている。
【0024】
前記一対の連結フレーム6A,6Bは、
図1、
図2、
図4に示すように、各脚体5A(5B)における連結部8間を跨るように配置されている。各連結フレーム6A(6B)は、端面が楕円形状とされてその形状を維持しつつ真っ直ぐに延びる形状とされており、その端面の長軸方向は上下方向に向けられている。この各連結フレーム6A(6B)の延び方向両端部は、一対の各脚体5A(5B)における各取付け板9a,9a(9b,9b)の内側板面に各脚体5A(5B)の連結部8よりも若干、上方に離間した状態でそれぞれ取付けられており、一対の連結フレーム6A,6Bは、各脚体5A(5B)の連結部8の伸び方向に間隔をあけつつ平行な状態をもって、一対の脚体5A,5Bに各取付け板9a(9b)を介して連結されている。
【0025】
これにより、フレームユニット2は、4つの脚部7a,7b(7a,7b)を有すると共に、一定高さの下で間隔をあけつつ平行な状態をもって伸びる一対の連結フレーム6A,6Bを有する架台を構成している。
【0026】
前記計量コンベアユニット3は、
図2に示すように、支持ケース10と、計量ユニット11と、コンベアユニットとしての計量コンベア12と、を備えている。
【0027】
前記支持ケース10は、
図1〜
図4に示すように、底壁部13と、一対の側壁部14a,14bと、一対の上壁部15a,15bとにより構成されている。
【0028】
前記底壁部13は、一定幅を維持しつつ前記脚体の連結部8の伸び方向(
図2、
図3中、左右方向)に延びており、その底壁部13の板面は上下方向に向けられている。本実施形態においては、この底壁部13の幅方向両側に、下方に折曲された折り曲げ部13aが設けられており、底壁部13は、その軽量化を図りつつその曲げ剛性が高められている。
【0029】
前記一対の側壁部14a,14bは、底壁部13の伸び方向(
図2、
図3中、左右方向)両端部においてその底壁部13からそれぞれ上方に起立されており、一対の側壁部14a,14bの両板面は互いに対向されている。これにより、この一対の側壁部14a,14bは、底壁部13と協働して、上方に開口する収納凹所を形成している。
【0030】
前記一対の各上壁部15a,15bは、各側壁部14a(14b)の上端から底壁部13の伸び方向(
図2中、左右方向)外方に向けて張り出すように設けられている。この各上壁部15a(15b)は、連結フレーム6A(6B)の伸び方向(
図1中、左右方向)において、一定幅を保ちつつ各側壁部14a(14b)を超えて延びていると共に、張り出しが進むにつれて下方に傾斜されている。
【0031】
本実施形態においては、前記各上壁部15a,15bの下方に、支持板部16A,16Bがそれぞれ設けられている。各支持板部16A(16B)は、各側壁部14a(14b)のうちの連結フレーム6A(6B)の伸び方向両側端から外側に折曲されるようにして(張り出すようにして)2つ設けられており、その各2つの支持板部16A,16A(16B,16B)は、その両板面が連結フレーム6A(6B)の伸び方向において対向されて配置されていると共に、その各2つの支持板部16A,16A(16B,16B)の上端面が各上壁部15a(15b)の内面に一体化されている。
【0032】
上記各上壁部15a,15b下方における各支持板部16A,16Bは、
図2に示すように、その上部16Aa,16Ba同士の間隔(
図2中、左右方向の長さ)が一対の連結フレーム6A,6B間を超える長さとされ、その下部16Ab,16Bb同士の間隔は、一対の連結フレーム6A,6B間よりも狭くなっている。この各支持板部16A(16B)の上部16Aa(16Ba)の下面(肉厚面)には、円弧状の受け面17と、その受け面17に連続して下方に垂下するガイド面18と、がそれぞれ形成されており、このような円弧状の各受け面17は、前記一対の各連結フレーム6A(6B)における円弧状の各上部に受け止められ、その円弧状の各受け面17に連続する各ガイド面18は、一対の各連結フレーム6A(6B)の内面に当接している(
図3も参照)。これにより、支持ケース10は、一対の連結フレーム6A,6Bにスライド可能に支持されていると共に、一対の連結フレーム6A,6Bの並設方向に移動することが規制されている。
【0033】
また、前記各上壁部15a(15b)下方における各支持板部16A,16A(16B,16B)の下部16Ab,16Ab(16Bb,16Bb)には、一対の各連結フレーム6A(6B)よりも下方側において、係止部19がそれぞれ設けられている。係止部19は、各支持板部16A(16B)における下部16Ab(16Bb)をそれよりも上側部分に比して多少、外部に張り出した上で、その部分に上方に開口する係止溝20を形成することにより構成されており、各上壁部15a(15b)の下方において、支持板部16A,16A(16B,16B)の係止部19(係止溝20)に跨るようにして固定板21がそれぞれ取付けられている。各固定板21は、一方の板部21aとそれに対して直角に折曲される他方の板部21bとにより構成されており、一方の板部21aが係止溝20に嵌入されている状態においては、他方の板部21bは、その板面を上下方向に向けつつ連結フレームの下方領域にまで拡張されることになっている。この各固定板21の他方の板部21bには、連結フレーム6A(6B)の下方領域において、複数のねじ具22がそれぞれ設けられている。各ねじ具22は、固定板21の他方の板部21bに先端を上方に向けた状態で螺合されており、その螺合関係を利用することにより、各ねじ具22の先端は、各連結フレーム6A(6B)の下部を押し付けている。このため、これに伴い、固定板21、支持板部16A(16B)が下降されることになり、支持板部16A(16B)の受け面17と各ねじ具22の先端とは各連結フレーム6A(6B)を挟持することになっている(一対の連結フレーム6A,6Bに対する支持ケース10の固定)。
【0034】
前記計量ユニット11は、
図2に示すように、前記支持ケース10の収納凹所内に配置されている。計量ユニット11は、ロードセル等の計量具(図示略)と、その計量具を収納する収納ケース24と、その収納ケース24の上部に設けられる取付け具25と、を備えている。ロードセル及び収納ケース24は、支持ケース10の底壁部13に固定されており、取付け具25は、計量コンベア12を取付けるものとして、収納ケース24の上部に固定されている。取付け具25は、脚体5A(5B)における連結部8の伸び方向両側において、一対の取付け板部25a、25bが起立するように備えられており、その一対の取付け板部25a、25bは、連結フレーム6A(6B)の伸び方向に伸びている。このうち一方の取付け板部25aについては、計量コンベアの搬送終端方向において、他方の取付け板部25bよりも長く延ばされて、延長部分30が形成されており、その延長部分30は、計量コンベア12の搬送方向終端の下方域にまで至っている(
図5、
図7、
図8参照)。
【0035】
前記一方の取付け板部25aの延長部分30には、
図5、
図7、
図8に示すように、本実施形態に係る搬送構造の一部が組み付けられている。具体的に説明すれば、延長部分30には、基板としてのモータベース31が取付けられている。このモータベース31は、取付け板部31aと、その取付け板部31aにおける一方の面の周縁部のうち、上側部分を除く部分から起立されて該取付け板部31aと協働して凹所31dを形成する周壁部31bと、その凹所31d内において周壁部31bに沿った状態で取付け板部31aに設けられる複数のボス部31c、31eと、を有しており、ボス部31cに対して一方の取付け板部25aの延長部分30を合わせた状態でねじ具をねじ込むことにより一方の取付け板部25aの延長部分30にモータベース31が取付けられている。このモータベース31における取付け板部31aの他方の面には、
図7に示すように、駆動モータ32が取付けられている。この駆動モータ32の出力軸32aは、取付け板部31aを貫通して凹所31d内に進入されており、その出力軸32aには金属製のモータギア33が取付けられている。尚、符号47は、駆動モータ32を覆うカバーケースである。
【0036】
前記モータベース31の凹所31d内には、
図7、
図8に示すように、前記モータギア33の上方域において中間ギア34が配設されている。この中間ギア34は、その側面を取付け板部31aに向けつつ、その取付け板部31aと前記取付け板25aの延長部分30との間の空間に位置されており、取付け板部31aと取付け板25aの延長部分30には、中間ギア34の径方向中央部が臨む領域において支持孔35,36がそれぞれ形成されている。この両支持孔35,36には、支持孔36側から支持孔35に向けて嵌合した支持軸37が支持されており、その支持軸37の外周面には中間ギア34が回転可能に支持されている。この中間ギア34には、金属よりも相対的に軟質な樹脂製のもの(例えばポリアミドやポリアセタール等)が用いられており、その樹脂製中間ギア34が 金属製モータギア33に噛合されている。なお、中間ギア34の材質は、モータギア33よりも軟質であればよく、金属であってもよい。たとえばモータギア 33をステンレス製とした場合、中間ギア34を真鍮としてもよい。この中間ギア34は、その上部が凹所の上部開口(取付け板部31aと延長部30との間の 上部開口)から外部に突出されている。
【0037】
前記モータベース31には、
図4〜
図8に示すように、カバー部材38が取付けられている。このカバー部材38は、前記モータベース31における周壁部31bに対応する形状とされた主蓋部38aと、その主蓋部38aの上部において折曲された状態で設けられる上蓋部38bと、を有しており、主蓋部38aを取付け板部31a上のボス部31eにねじ具を用いて取付けることにより、主蓋部38aは、上方部分を除き、周壁部31b内の凹所31dを覆うことになる。このとき、その主蓋部38a内面に支持軸37の基端面が当接されることになっており、この当接関係により、支持軸37が支持孔35,36から抜けることが規制されている。
【0038】
前記上蓋部38bは、その内面が前記中間ギア34に対応して円弧状に形成されており、上蓋部38bは、主蓋部38aが複数のボス部31eに取付けられている状態において、前記凹所31dの上部開口から上方に突出する中間ギア34の上部に沿いつつその上部を覆うことになっている。この上蓋部38bには、一部が切り欠かれて開口39が形成されている(
図7、
図8参照)。この開口39は、上蓋部38bに延長部30の先端側において形成されており、その開口39を介して中間ギア34が外部に臨むことになっている。尚、本実施形態においては、この上蓋部38bは、作業性を考慮して、主蓋部38aに対して折曲可能とされ、取付け時において、所定の姿勢に保持すべく、モータベース31の周壁部31bに保持できることになっている。
【0039】
前記計量コンベア(コンベアユニット)12も、本実施形態に係る搬送構造の一部を構成している。この計量コンベア12は、
図1、
図2、
図4〜
図8に示すように、基本的に、間隔をあけて伸びる長尺な一対の側板26と、その一対の側板26に、その伸び方向両端部において回転可能に支持される駆動ローラ27a及び従動ローラ27bと、その両ローラ27a、27bに巻回される搬送ベルト28とにより構成されている。
【0040】
より具体的に説明すれば、一対の各側板26は、横方向に互いに対向する主板部26aと、その各主板部26aの上端部から互いに向けて折曲される折曲部26bと、を有しており、折曲部26bは、側板26の伸び方向において、主板部26aよりも多少、内方側に引っ込んだ状態に形成されている(
図5参照)。
【0041】
この一対の側板26(主板部26a)には、
図7に示すように、その伸び方向一方側端部において支持軸40が跨るようにして取付けられている。この支持軸40の一方側端部外周面には軸受け41を介して金属製のプーリーギア42が支持されており、そのプーリーギア42は、ギア部42aとそのギア部42aよりも縮径されて支持軸40の伸び方向内方に伸びる円筒状の接続部(ボス部)42bと、を備えている。その円筒状の接続部42bの外周面には円筒状の駆動プーリー43の内周面が相対回転不能に嵌合されており、その駆動プーリー43の外周面には円筒状の駆動ローラ27aの一方側内周面が相対回転不能に嵌合されている。これに対して、支持軸40の他方側端部外周面には、軸受け(軸受け41に相当するもの:図示略)を介して駆動プーリー(駆動プーリー43に相当するもの:図示略)が直接、支持され、その駆動プーリーの外周面には駆動ローラ27aの他端側内周面が相対回転不能に嵌合されている。これにより、駆動ローラ27aは、支持軸40に対して相対回転すると共に、その支持軸40の一端側外周面にはプーリーギア42のギア部42aが露出することになっている。
【0042】
一方、一対の側板26(主板部26a)のうち、その伸び方向他方側端部には、前述の支持軸40における他方側端部外周面の支持構造と同様の支持構造をもって、従動ローラ27bが回転可能に支持されている。このため、従動ローラ27bについての支持構造については、その説明を省略する。
【0043】
また、計量コンベア12においては、一対の各側板26の伸び方向両端部において、
図5〜
図8に示すように、カバー部材44がそれぞれ取付けられている。カバー部材44は、保持溝45を有しており(
図8参照)、その保持溝45に側板26の折曲板部26bを嵌合することによりカバー部材44は側板26の伸び方向両端部においてそれぞれ保持されることになっている。このカバー部材44のうち、プーリーギア42が存在する個所に配置されるものは、プーリーギアカバーとして、プーリーギア42のギア部42aの外周面及び外側側面を覆う一方で、その内側下部に開口46が形成されており、その開口46を介してプーリーギア42のギア部42aが外部に露出されることになっている。
【0044】
尚、前記駆動ローラと27aと従動ローラ27bとには、上述のように、前記搬送ベルト28が適切な緊張状態をもって巻回されているが、搬送ベルト28が経時変化に伴って伸びたりした場合には、既知の如く、駆動ローラと27aと従動ローラ27bとの間の間隔が調整されることになっている。
【0045】
このような計量コンベア12は、その各側板26(主板部26a)が前記取付け具25の各取付け板25a,25bに複数の留め具(代表符号として49を用いる)を用いて着脱可能に取付けられている。このとき、駆動ローラ27aに取付けられたプーリーギア42のギア部42aが、カバー部材38、44の開口39、46を通り抜けて中間ギア34に噛合することになっており、駆動モータ32の動力は、中間ギア34、プーリーギア42を介して駆動ローラ27aに伝達されることになっている。したがって、計量コンベアユニット3においては、駆動モータ32の動力により搬送ベルト28が駆動され、搬送ベルト28は被搬送物Wを搬送することになる。
【0046】
またこのとき、計量コンベア12、計量ユニット11及び支持ケース10が、計量コンベアユニット3として一体化した状態で関連付けられることになり、計量コンベア12に被搬送物Wが搬送された場合には、計量変化を捉えてその被搬送物Wの重量が計量でき、その計量結果は、図示を略す表示装置により表示されることになる。
【0047】
前記導入コンベアユニット4は、
図1、
図4に示すように、基本的に、前記計量コンベアユニット3と同じ構成とされている。ただ、導入コンベアユニット4は、被搬送物Wを計量コンベアユニット3における計量コンベア12に導くだけの役割を有し、被搬送物Wを計量する必要性がないことから、部品の共通化が図られる一方で、計量ユニット11(収納ケース24)において、計量具等が除かれたものとなっている。このため、導入コンベアユニット4については、計量コンベアユニット3と同一構成要素については、同じ符号に「´」を付してその説明を省略する。
【0048】
このような導入コンベアユニット4も、計量コンベアユニット3同様、連結フレーム6A(6B)に着脱可能に固定されている。導入コンベアユニット4は、その導入コンベア12´の搬送終端を計量コンベア12の開始端に近接させつつ、その導入コンベア12´の搬送ベルト28´の高さを計量コンベア12の搬送ベルト28の高さと同じにした状態で配置されている。
【0049】
したがって、このような重量検査装置1においては、計量コンベア12の駆動ローラ27aにプーリーギア42が取付けられると共に、モータベース31(計量ユニット11における取付け具25の延長部分30に固定)の駆動モータ32にモータギア33がそれぞれ取付けられ、駆動ローラ27aにおけるプーリーギア42と駆動モータ32におけるモータギア33とが中間ギア34を介して噛合されていることから、駆動モータ32から駆動ローラ27aに動力を伝達するに際して、動力伝達ベルトを用いる必要がなくなり、計量ユニット11(取付け具25)に対するコンベアユニットの着脱作業において、ベルトの取付け、取り外し作業をなくすことができる。
【0050】
また、中間ギア34が、駆動ローラ27a及び駆動モータの各ギアに比して軟質材をもって形成されていることから、駆動ローラ27a及び駆動モータの各ギア42,33が摩耗せず、中間ギア34が摩耗することになり、中間ギア34の交換が必要になるものの、駆動ローラ27a及び駆動モータ32に取付けられた両方のギア42,33を交換する必要がなくなる。他方、中間ギア34については、駆動ローラ27a及び駆動モータ32の各ギア42,33とは異なり、支持軸37をもってモータベース31(支持孔35)、延長部分30(支持孔36)に簡単に支持することができ、中間ギア34を新たなものに交換しなければならないとしても、その中間ギア34の交換作業を容易に行うことができる。
【0051】
さらに、駆動モータ32及び中間ギア34が、モータベース31(計量ユニット11側)に取付けられ、駆動モータ32におけるモータギア33、中間ギア34、駆動ローラ27aにおけるプーリーギア42が、下側から上側に向けて順次、配置されていることから、計量コンベア12を、その駆動ローラ27aにおけるプーリーギア42が中間ギア34に噛合するように降ろし、その計量コンベア12における両側板26を計量ユニット11における取付け板部25a、25bに留め具49を用いて取付けることにより、動力伝達経路を形成できることになり、計量ユニット11に対する計量コンベア12の組付け性を向上させることができる。また、計量ユニット11に対する計量コンベア12の脱着に関しては、計量コンベア12における駆動ローラ27aのプーリーギア42と中間ギア34とが上下関係をもって噛合すると共に、その計量コンベア12の上方に自由空間(作業空間)が確保されていることから、留め具49を外し、計量コンベア12を上方に引き上げることにより、計量ユニット11から計量コンベア12を脱着することができ、計量コンベア12の脱着作業性についても向上させることができる。
【0052】
さらにまた、中間ギア34の交換作業に関しては、計量コンベア12を計量ユニット11から脱着すれば、中間ギア34の上方に自由空間(作業空間)を確保できることになり、その自由空間の下で中間ギア34の交換作業を行うことができる。このため、中間ギア34の交換作業性についても向上させることができる。
【0053】
加えて、駆動ローラ27aにおけるプーリーギア42と中間ギア34との間にカバー部材38の上蓋部38bが設けられ、カバー部材38には、駆動ローラ27aにおけるプーリーギア42と中間ギア34との噛合部分領域において、該噛合部分を通り抜けさせるための開口39が形成されていることから、上方から降りてくるゴミが中間ギア34に付着することを極力防ぐことができると共に、計量コンベア12を計量ユニット11から脱着するだけで、カバー部材38の開口39を通じて中間ギア34の摩耗状態を確認することができる。
【0054】
しかもこの場合、カバー部材38(主蓋部38a)が、中間ギア34の側面外方側をも覆う状態でモータベース31に着脱可能に取付けられ、その主蓋部38aの内面に支持軸37の基端面(他端面)が当接されており、主蓋部38aにより支持軸37が支持孔35,36から抜け方向に移動することが規制されている。このため、支持軸37を適正位置で保持できることになり、その支持軸37の下で中間ギア34を的確に作動(相対回転)させることができる。
【0055】
加えてまた、モータベース31に支持孔35が形成されていると共に、取付け板部25aの延長部分30に支持孔36が形成されて、その両支持孔35,36に、中間ギア34を支持する支持軸37を外側から嵌合することにより支持されていることから、計量コンベア12の脱着後、支持軸37をモータベース31の支持孔35、36から引き抜くだけで中間ギア34を取外すことができる。その一方、モータベース31の支持孔35、取付け板部25aにおける延長部分30の支持孔36に対して支持軸37を外側から挿入して、支持孔35,36により支持軸37を支持できることから、その支持軸37を用いることにより中間ギア34を簡単に組付けることができる。このため、計量コンベア12における駆動ローラ27a及び駆動モータ32における各ギア42,33に対する交換作業に比べて、中間ギア34の交換作業を極めて容易に行うことができる。
【0056】
以上、実施形態について説明したが本発明にあっては、本発明に係る搬送構造を、重量検査装置に適用する場合に限らず、搬送中の被搬送物から金属等の異物を検出する異物検出装置、搬送中の被搬送物の検査結果に基づいて選別する選別装置等に適用してもよい。