【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本出願の主題の第1の態様によれば、インサートベース表面に隣接するインサートダブテール形滑り防止構造を備えた切削インサートが提供される。
【0007】
本出願の主題のさらなる態様によれば、インサート周囲表面によって接続された反対側にあるインサート上表面およびベース表面と、インサートベース表面に隣接し第1、第2および第3インサート当接表面を含むインサートダブテール形滑り防止構造とを含む切削インサートであって;第1インサート当接表面がインサートベース表面と外側および鋭角の第1ダブテール角度を形成する第1ダブテール部分を含み;第2インサート当接表面がインサートベース表面と外側および鋭角の第2ダブテール角度を形成する第2ダブテール部分を含み;第3インサート当接表面がインサートベース表面と外側および鋭角の第3ダブテール角度を形成する第3ダブテール部分を含み;インサートベース表面に対して垂直な見た目において第1ダブテール部分が第2ダブテール部分と平行でなく;切削インサートが中実構造を有する、切削インサートが提供される。
【0008】
本出願の全ての滑り防止構造(インサートまたは工具)が、いわゆる「ダブテール形」滑り防止構造であり、すなわち関連するベース表面と鋭角のダブテール角度を形成する非平行ダブテール部分を含むことが注記される。簡潔にするため、用語「滑り防止構造」はこれ以降、先行語「ダブテール」なしで現れる場合があるが、同じ意味を有すると解釈すべきである。同様に簡潔さのために、用語「滑り防止構造」はこれ以降、文脈が明白にインサートまたは工具の滑り防止構造に言及する場合、「インサート」または「工具」という先行語なしに記載される場合がある。
【0009】
ベース表面に対して垂直な見た目は、断面図であり得、および代替的に、インサートベース表面に対して垂直に延在しかつインサートベース表面の中心を通過するインサート中心軸に沿った見た目であり得ることが同じく注記される。
【0010】
本出願の主題のなおもさらなる態様によれば、インサート周囲表面によって接続された反対側にあるインサート上表面およびベース表面と、インサートベース表面から延在し、インサートベース表面によって取り囲まれ、およびインサート周囲表面から離間された突出部と、突出部に形成されたダブテール形滑り防止構造とを含む切削インサートであって、ダブテール形滑り防止構造が、それぞれがそれぞれインサートベース表面と外側および鋭角のダブテール角度を形成する第1、第2および第3ダブテール部分をそれぞれ含む第1、第2および第3インサート当接表面を含み;少なくとも第1および第2ダブテール部分がインサートベース表面に対して垂直な見た目において互いに非平行である、切削インサートが提供される。
【0011】
本出願の主題の別の態様によれば、インサート周囲表面によって接続された反対側にあるインサート上表面およびベース表面と、インサートベース表面に隣接し、少なくとも3つのインサート当接表面を含むインサートダブテール形滑り防止構造とを含む切削インサートであって;第1インサート当接表面がインサートベース表面と外側および鋭角の第1ダブテール角度を形成する第1インサートダブテール部分を含み;第2インサート当接表面がインサートベース表面と外側および鋭角の第2ダブテール角度を形成する第2インサートダブテール部分を含み;第3インサート当接表面がインサートベース表面と外側および鋭角の第3ダブテール角度を形成する第3インサートダブテール部分を含み;インサートベース表面に対して垂直な見た目において、第3インサート当接表面が第1および第2インサート当接表面が集束する位置と反対の方向を向く、切削インサートが提供される。
【0012】
本出願の主題の別の態様によれば、工具ベース表面に隣接する工具ダブテール形滑り防止構造を備えた工具が提供される。
【0013】
本出願の主題のさらに別の態様によれば、工具ベース表面に対して垂直な見た目において、工具周囲領域に近づくにつれて集束する互いに集束する第1および第2工具当接表面を備えた工具が提供される。
【0014】
本出願の主題のさらなる態様によれば、前後方向を定める回転軸を有する工具であって;工具切削端部と;工具切削端部から後方に延在する工具周囲表面と;工具切削端部に隣接するインサート着座領域と;インサート着座領域の両側に配置された工具内側および周囲領域と;を含み、工具周囲領域が工具切削端部および/または工具周囲表面に沿って延在し;インサート着座領域が工具ベース表面と、工具ベース表面から工具の中へ窪められ少なくとも部分的に工具ベース表面によって取り囲まれた着座凹部と、第1および第2工具当接表面とを含み;第1工具当接表面が、工具ベース表面と内側および鋭角の第1工具ダブテール角度を形成する第1工具ダブテール部分を含み;第2工具当接表面が、工具ベース表面と内側および鋭角の第2工具ダブテール角度を形成する第2工具ダブテール部分を含み;工具ベース表面に対して垂直な見た目において、第1工具ダブテール部分が第2工具ダブテール部分と非平行であり;工具がさらに、第1端部で着座凹部に開口しそこから工具の中へ延在するクランプ孔である、工具が提供される。
【0015】
本出願の主題の別の態様によれば、工具周囲表面に開口するねじ孔と、ねじ孔と交差し工具周囲領域の方に向けられるクランプ孔とを含む工具が提供される。
【0016】
本出願の主題のさらなる態様によれば、工具切削端部と;工具切削端部から後方に延在する工具周囲表面と;工具切削端部に隣接するインサート着座領域と;インサート着座領域の両側に配置された工具内側および周囲領域であって、工具周囲領域が工具切削端部および/または工具周囲表面に沿って延在する工具内側および周囲領域と;第1端部で工具周囲表面に開口し工具内側領域の中に延在するねじ孔と;第1端部でインサート着座領域に開口し第2端部でねじ孔に開口し、かつその中心を通って工具周囲領域の方に延在するクランプ孔軸を有するクランプ孔と;を含む工具であって、インサート着座領域が工具ベース表面と、工具ベース表面に対して垂直な見た目において工具周囲領域に近づくにつれて互いに集束する第1および第2工具当接表面とを含む、工具が提供される。
【0017】
本出願の主題のさらに別の態様によれば、上記の態様のいずれかに従う工具であってクランプと、クランプを移動するように構成されたねじとをさらに含む工具が提供される。
【0018】
本出願の主題のさらなる態様によれば、工具、ねじおよびクランプを含む工具が提供され、工具は、第1端部で工具周囲表面に開口し工具の中に延在するねじ孔と、第1端部でインサート着座領域に開口し第2端部でねじ孔に開口するクランプ孔とを含み;ねじがねじ孔に配置され;クランプがクランプ孔に配置され;ねじがアクチュエータ部分と、拡張部分と、拡張部分より薄くアクチュエータ部分と拡張部分との間に配置された中心部分とを含み;ねじのアクチュエータ部分は工具周囲表面に対し拡張部分よりも近く;クランプは拡張部分と当接し;工具はねじが工具から外方方向に移動されるとき拡張部分との当接によりインサート着座領域の方にクランプを移動するように構成される。
【0019】
以下でさらに詳述されるように、切削インサートのダブテール形滑り防止構造は、対応する工具ダブテール形滑り防止構造表面を有する工具とともに使用するように構成された表面を有することができる。
【0020】
本出願の主題の別の態様によれば、上記の態様のいずれか1つに従う工具と、上記の態様のいずれか1つに従う切削インサートとを含む工具アセンブリが提供される。
【0021】
より具体的には、工具アセンブリは、上記の態様のいずれか1つに従う切削インサートと;上記の態様のいずれか1つに従う工具と;クランプ孔の中に配置されたクランプとを含むことができ、切削インサートは、第1工具当接表面と当接する第1インサート当接表面;第2工具当接表面と当接する第2インサート当接表面;第3インサート当接表面と当接するクランプ;および工具ベース表面と当接するインサートベース表面;のみによって、工具のインサート着座領域に取り付けられる。
【0022】
本出願の主題のさらに別の態様によれば、切削インサートを工具にクランプする方法が提供され、切削インサートおよび工具はそれぞれ上記の態様の1つに従う構成を有する。
【0023】
以下の利点の1つまたは複数は、インサートベース表面に隣接して形成されたインサートダブテール形滑り防止構造によって達成可能であり;
・インサート側表面はクランプ機能と無関係であることができる。換言すると、インサート側表面は、工具の全ての表面から離間されるように構成(サイズ決めおよび/または方向付け)することができる。さらに換言すると、インサート側表面は、工具との接触なしに構成可能である。結果として、(単一サイズのダブテール形滑り防止構造に対応する)工具タブテール形滑り防止構造を備えた単一の工具を、異なる形状および/またはサイズの切削インサートを保持するように構成することができる(すなわちインサートの側表面は異なるサイズおよび/または形状を有することができる)。対照的に、米国特許第4,335,983号に開示される工具は、特定の周囲形状のインサートを使用するように、より制約されている(切削インサートのダブテール側表面22、23、さらには後方側表面25と接触するように構成された工具の表面は、切削インサートと所定の位置で接触するように構成されているため)。
・切削インサートのインサート上表面は、クランプ機能と無関係であることができる(例えば、インサート上表面は、突出するねじヘッド部分も、ねじ孔に隣接する外方に突出する部分も、クランプジョーを受け入れるように設計された構造部分もなくすことができる。結果として、切屑は、インサート上表面に沿って自由に流れることを許容されることができ、または、有利な方法でその流れを制御するように設計されることができる。
・切削インサートは中実の構造を有することができる(すなわちダブテール部分は、切削インサートの取り付けられる工具に対する上方への移動を制限するように構成され;従って、切削インサートを工具に保持するために必要とされる下向きの力を提供するためのねじを受け入れるための相対的に大型のねじ孔も複数の小型のねじ孔も必要ないため)。結果として、切削インサートは、高速機械加工用の知られているインサートよりも相対的により一層小さく(結果としてより軽く)することができ、これは高速で回転されるとき切削インサートの重量に関連付けられる大きな力により非常に有意であり得る。
・3つ以上のダブテール部分は、切削インサートが3回以上割り出し可能であることを許容し得る。
・インサートベース表面に隣接する(およびインサートベース表面自体によって構成されない)ダブテール部分は、クランプ機能(すなわちインサートベース表面に対して垂直な方向における)および横方向の滑り防止機能の両方を提供することができる。
【0024】
同様に、上記の特徴のいずれかによって切削インサートを保持するように構成された工具および/または工具アセンブリは、1つまたは複数の同様の利点を達成することができる:
・工具ポケット側表面はクランプ機能と無関係であることができる。換言すると、工具ポケット側表面は、それによって保持される切削インサートの全ての表面から離間されるように構成(サイズ決めおよび/または方向付け)することができる。さらに換言すると、工具ポケット側表面は、切削インサートとの接触なしに構成可能である。
・工具はもっぱら工具ベース表面と着座凹部に配置された表面とを介して切削インサートと接触するように構成可能である。工具の残りの部分はクランプ機能を有する追加の構造と無関係であることができる(例えば、工具は、切削インサートにクランプ力を直接適用するように構成されたねじも、切削インサートにクランプ力を直接適用するように構成されたクランプジョーもなくすことができる)。
・工具ベース表面より上の高さの工具内側領域は、クランプ機能と無関係であることができる(すなわちクランプ構成が工具周囲表面に開口するねじ孔を介してアクセスされるとき)結果として、切屑はインサート上表面および隣接する工具内側領域に沿って自由に流れることを許容されることができる。
・工具は遠心力を用いてインサートをさらにクランプするように構成可能である(すなわち回転の間、およびクランプ構成が工具周囲表面に開口するねじ孔を介してアクセスされる場合、およびねじがねじを工具から引き抜くときインサートをクランプするように設計される場合)。
・工具は、切削方向にクランプ力を提供することによって、切削インサートをクランプする特別な安定性を提供することができる。
・工具は切削インサートおよび/またはクランプの上方への変位を防止することができる(クランプの一部が工具によって上から少なくとも部分的に覆われている場合(換言するとクランプは部分的に工具の内側にある)。
・工具ベース表面に隣接する(および工具ベース表面自体によって構成されない)ダブテール部分は、クランプ機能(すなわち工具ベース表面に対して垂直な方向における)および横方向の滑り防止機能の両方を提供することができる。
【0025】
ダブテール部分を備えた構造の製作は(ねじ孔およびねじの相対的に単純/安価な構成と比べて)いくらか複雑であるが、上記の利点の少なくとも1つ、またはそれらの組合せが、そのような欠点を埋め合わせることができると考えられる。
【0026】
中実の構成を有する切削インサートに関連する上記の利点に関して、そのような利点は切削インサートの相対的に小さな通し穴とある程度共存できることが注記される。詳述すると、中実の構成を有しかつ通し穴が一切ない切削インサートは、理論上、通し穴が形成された切削インサートよりも構造的に強い。たとえ本出願のダブテール滑り防止構造が、標準的な通し穴/ねじクランプ構造と対照的に、ダブテール部分を介して切削インサートに下向きのクランプ力を提供するとしても、切削インサートは中実の構成を依然として有することができ、例えばその構造を過度に弱めることのないコーティングのための小さな通し穴を設けることができることは理解されよう。従って中実の構成を有しかつ通し穴のない切削インサートはその構造強度に関して有利である一方で、相対的に小さな通し穴を有する中実インサートは、例えばコーティングのために、依然として有利であることができることは理解されよう。不必要に切削インサートを脆弱化することを回避するために、そのような通し穴はできるだけ小さくするべきである。従って、本明細書および請求項のために、「中実の構成」を有すると定義される切削インサートは、3mm未満の直径を有する通し穴(または等しい量を有する非円形の穴)をなお含むことができる。換言すると、中実の構成を有する切削インサートは、3mm以上の直径を有する通し穴(または等しい量を有する非円形の穴)がない。好ましくは、そのような通し穴は、2mm以下、または最も好ましくは1mm以下でさえ(または等しい量を有する非円形の穴で)あるべきである。切削インサートの最も構造的に強い実施形態は「通し穴がない」とさらに定義することができ、「通し穴がない」とは切削インサートにいかなる直径の通し穴もないことを意味することは理解されよう。ほとんどの切削インサートが(特にフライス加工用途において)ワークピースに対する数千回または数百万回ですらある衝撃に耐えるために必要な下向きのクランプ力を提供するために通し穴を含むという事実にもかかわらず、上記の利点の少なくとも1つ、またはそれらの組合せが、そのような欠点を埋め合わせることができると考えられる。
【0027】
高速機械加工に関連する上記の利点に関して、高速工具は、摩擦ロックが回転の間遠心力に耐えるために不十分である作業用に構成される工具として定義されることができることが注記される。さらなる詳細はISO15641の中に見出すことができる。そのような工具は、軟質金属、特にアルミニウムなどの材料を機械加工するのに特に有利であり得る。
【0028】
工具ベース表面に沿った切削インサートの滑りに関連する上記の利点に関して、そのような滑りは回転および/または並行運動を含み得ることが注記される。好ましくは防止される滑りは視認できる滑りである、すなわち、クランプが切削インサートを適切に位置付けることを許容し得る、視認できる相対移動を許容する工具および/または切削インサートの十分な構造的公差が存在し得る。しかしながら、滑りは、拡大なしに視認できず、切削作業中に発生し得るような、視認できない滑りである場合もある、すなわち極めて小さい場合もある。
【0029】
本出願のダブテール形滑り防止構造は、ベース表面に対する垂直なクランプ機能だけでなく横方向の滑り防止機能も提供するように構成され、そのような滑りはとりわけ、切削インサートの少なくとも1つの切れ刃にかかる切削力によって発生し、滑り防止構造は、切削インサートの切れ刃の形状に関連する形状的特徴を備えて有利に構成されることができる。そのような形状的特徴のいくつかの非限定的な例は、ダブテール部分の長さ、向きまたは位置、あるいは例えば切れ刃の切れ刃部分の数に関連するダブテール部分の数、の内の1つまたは複数であることができる。以下の有利な力の分散への言及は、高速機械加工作業に特に関連があることは理解されよう。
【0030】
対称的に配置されたダブテール部分を備えた切削インサートは非対称的な切削力に曝されるとき不利と考えられ得る一方で、上記の利点の少なくとも1つ、またはそれらの組合せが、そのような不利を埋め合わせることができると考えられる。
【0031】
上の記載は要約であること、および上記の態様はいずれも、以下に記載されるいかなる特徴もさらに含んでもよいことは理解されよう。詳細には、以下の特徴は、単独でまたは組み合わせて、上記の態様のいずれにも適用可能であり得る:
i.切削インサートはインサート周囲表面によって接続された反対側にあるインサート上表面およびベース表面を含み得る。
ii.切れ刃はインサート上表面およびインサート周囲表面の交差部分に沿って形成され得る。切れ刃はインサート上表面およびインサート周囲表面の交差部分全体に沿って延在し得る。
iii.切れ刃は、インサートベース表面に対して垂直な見た目において、直線部分を接続するコーナ刃部分を含み得る。より正確には、コーナ刃部分から延在する第1および第2切れ刃部分できるはインサートベース表面に対して垂直な見た目において直線であり得る。
iv.切削インサートは片面切削インサートであり得る。例えば、切削インサートはインサート上表面およびインサート周囲表面の交差部分に沿ってのみ切れ刃を含み得る。
v.切れ刃はコーナ刃部分の異なる側から延在する第1および第2切れ刃部分を含み得る。第1切れ刃部分は第2切れ刃部分より長くすることができる。第1切れ刃部分は、インサートベース表面に対して垂直な見た目において、第1インサートダブテール部分と30°以下の角度を形成し得る。第1切れ刃部分および第1ダブテール部分が平行な構成に近づくにつれて、より優れた力の分散が切削インサートによって提供され得ることが分かった。従って、第1切れ刃部分および第1インサートダブテール部分は15°以下の角度を形成すると好ましい。
vi.切れ刃は1つまたは複数の主切れ刃部分を含み得る。主切れ刃部分はインサートベース表面に対して垂直な見た目においてインサートの最も長い直線状切れ刃である(等しい長さの複数の主切れ刃部分が存在し得る)。
vii.切削インサートは等しい数の直線状インサートダブテール部分(すなわち用語「直線状」はコーナダブテール部分を排除する)と、主切れ刃部分とを含み得る。
viii.切削インサートは、隣接する直線状インサートダブテール部分と平行な少なくとも1つの主切れ刃部分を含み得る。全ての主切れ刃部分は隣接する直線状インサートダブテール部分と平行であり得る。
ix.インサートベース表面に対して垂直な見た目において、切削インサートは、インサートベース表面に対して垂直に延在しかつその中心を通過するインサート中心軸の周りで、主切れ刃部分の数で割った360°に等しい回転対称を有し得る(例えば以下に示される例では切削インサートはインサート中心軸の周りで120°の回転対称を有する)。切削インサートは、主切れ刃部分の数で割った360°に等しい角度だけの回転対称を有し得る。
x.切削インサートは割出し可能であり得る。各割出し位置は同じダブテール部分を使用し得る。切削インサートは、割出し位置の数と異なる切れ刃部分の数を有し得る。例えば、3つの割出し位置で構成された三角形の切削インサートは、6つの切れ刃部分を有し得る(例えば第1副切れ刃部分は第1副切れ刃部分より長い第1主切れ刃部分と共通の第1コーナ刃部分を共有し、第2副切れ刃部分は第2副切れ刃部分より長い第2主切れ刃部分と共通の第2コーナ刃部分を共有し、第3副切れ刃部分は第3副切れ刃部分より長い第3主切れ刃部分と共通の第3コーナ刃を共有する)。そのような例では、切削インサートは、第1の位置で第1副および主切れ刃部分を使用して、第2の位置で第2副および主切れ刃部分を使用して、第3の位置で第3副および主切れ刃部分を使用して、機械加工するように構成され得る。対称的な滑り防止構造は切削インサートを3回以上割り出し可能であるように構成するのに有利であり得る。
xi.切れ刃は1つまたは複数の螺旋状部分を含み得る。好ましくは切れ刃の主および副切れ刃部分は、全て螺旋状に成形される。これは、例えばアルミニウムの高速機械加工に有利であり得る。
xii.切削インサートは、インサート上表面に対して垂直な見た目において、三角形の形状を有し得る。
xiii.インサート上表面はすくい表面として構成され得る。
xiv.インサート周囲表面は逃げ表面として構成され得る。
xv.切削インサートおよび/または工具のベース表面は平坦であり得る。
xvi.工具滑り防止構造は第1および第2工具当接表面を含み得る。工具滑り防止構造はちょうど2つの当接表面、すなわち第1および第2工具当接表面を含み得る。工具滑り防止構造はアクチュエータ表面を含み得る。工具滑り防止構造はちょうど1つのアクチュエータ表面を含み得る。
xvii.インサート滑り防止構造はちょうど3つの当接表面を含み得る。
xviii.工具および/または切削インサートの第1および第2当接表面は、それぞれのベース表面に対して垂直な見た目において、互いに非平行であり得る。第1および第2当接表面は部分的にまたは好ましくはその全長に沿って互いに集束し得る。アクチュエータ表面の面からより遠くに配置された第1および第2当接表面の地点の別の対よりもアクチュエータ表面の面に対してより近い第1および第2当接表面の地点の各対は、より遠くの地点の対よりも大きな程度の所定の距離を有し得る。第1および第2当接表面の最も近い地点の対は、アクチュエータ表面の面と平行な各共通の当接表面の面内に横たわり得、所定の距離離される。所定の距離の少なくとも1つは、アクチュエータ表面の面からより遠くに離間された地点の対に関連付けられる別の所定の距離よりも大きな程度を有する。工具またはインサートベース表面の垂直な見た目において、第1および第2当接表面は、互いに180°未満のインサートまたは工具当接角度で延在し得る。第1および第2当接表面は、互いに鋭角のインサートまたは工具当接角度で延在し得る。より好ましくは20°〜90°の間のインサートまたは工具当接角度である。さらにより好ましくは50°〜70°の範囲である。
xix.切削インサートまたは工具の滑り防止構造はそのベース表面に隣接し得る。インサート当接表面はインサート上表面から離れる方向にインサートベース表面から延在し得る。
xx.切削インサートの当接表面は、インサートベース表面と外側および鋭角のダブテール角度を形成するインサートダブテール部分を含み得る。
xxi.切削インサートの当接表面、好ましくは各当接表面は、そのインサートダブテール部分をインサートベース表面に接続する凹状接続部分を含み得る。各凹状接続部分は少なくとも0.05mmの半径R
Cを有し得る。そのような半径は高速切削作業中、構造強度を提供するのに有益であり得る。インサートダブテール部分および凹状接続部分は一緒に、インサートベース表面から延在する突出部に突出部当接凹部を形成し得る。一般的に言えば、ダブテール部分は特定の力の適用に耐えるように構成されるので、それにもかかわらず共通平面上にある非連続ダブテール部分でさえ、本明細書および請求項のために、単一ダブテール部分とみなすべきであることは理解されよう。
xxii.第1および第2当接表面のダブテール部分は上方−内方方向に延在し得る。インサートダブテール角度はベース表面と50°〜80°の間の外角を形成し得る。70°〜80°のインサートダブテール角度が有利な力の分散を提供し得ることが分かった。
xxiii.インサートベース表面に対して垂直な見た目において、切削インサートのダブテール部分、または全てのダブテール部分は、切削インサートから外方に面し得る。詳述すると、ダブテール部分は、インサートベース表面からより離れるダブテール部分上の地点が、インサートベース表面に対して垂直な見た目において周囲ベース縁部の隣接部分の方に徐々に向かう状態で傾斜され得る。対照的に、工具ベース表面に対して垂直な断面図において、第1および第2工具当接表面のそれぞれは内方に面し得る。同様に工具アクチュエータ表面は内方に面し得る。
xxiv.周囲ベース縁部はインサートベース表面とインサート周囲表面の交差部分に沿って延在し得る。
xxv.最大ベース幅は、周囲ベース縁部に対する切削インサートのインサートダブテール部分のいずれか(すなわちすべて)の最も離れた隣接地点の間で測定可能であり得る。
xxvi.最小ベース幅は、切削インサートのインサートダブテール部分のいずれか(すなわちすべて)および周囲ベース縁部の隣接部分の最も近い隣接地点の間で測定可能であり得る。最小ベース幅は最大ベース幅の少なくとも50%の大きさを有し得る。
xxvii.インサートベース表面に対して垂直な見た目において、第1ベース幅は、第1ダブテール部分と、周囲ベース縁部の隣接部分との間で測定可能であり得る。ダブテール部分および隣接周囲ベース縁部が平行でない場合、第1ベース幅はその最も近い地点の間にあると考えられる。第1ベース幅は最大ベース幅の60%〜90%の大きさを有し得る。好ましくは、第1ベース幅は最大ベース幅の70%〜80%の大きさを有し得る。
xxviii.インサートベース表面に対して垂直な見た目において、ダブテール内接円が、滑り防止構造のインサートダブテール部分に内接され得、ダブテール半径R1を有し得る。
xxix.インサートベース表面に対して垂直な見た目において、縁部内接円が切削インサートの周囲ベース縁部に内接され得、縁部半径R2を有し得る。
xxx.ダブテール半径R1は縁部半径R2の40%〜70%の間の大きさを有し得る。好ましくはダブテール半径R1は縁部半径R2の45%〜65%の間、最も好ましくは50%〜60%の間の大きさを有する。
xxxi.第1および/または第2インサートダブテール部分は、長尺状であり得る。加えて、切削インサートの第3インサートダブテール部分、または全てのインサートダブテール部分は、長尺状であり得る。好ましくはその伸びはインサートベース表面と平行な方向に存在し得る。換言すると、ダブテール部分の第1の寸法は、インサートベース面に対して垂直な方向で測定可能であり得、相対的により大きな寸法(すなわちダブテールの伸びに沿った)は、インサートベース表面と平行な方向で測定可能であり得る。
xxxii.第1および第2インサートダブテール部分はインサートベース表面に対して垂直な見た目において等しい長さを有し得る。加えて、切削インサートの第3インサートダブテール部分、または全てのインサートダブテール部分は、第1および第2インサートダブテール部分と同じ長さを有し得る。
xxxiii.インサート当接表面のそれぞれ、およびインサートダブテール角度のそれぞれは、同一であり得る。
xxxiv.インサートベース表面に対して垂直な見た目において、第1インサートダブテール部分は直線状であり、直線状主切れ刃部分に隣接し得る。第1インサートダブテール部分は、主切れ刃部分の第1切れ刃長さL2の63%〜83%、好ましくは第1切れ刃長さの75%〜83%の大きさを有する第1インサートダブテール長さL1を有し得る。
xxxv.インサートベース表面に対して垂直な見た目において、切削インサートの全てのインサートダブテール部分は直線状であり得、インサートダブテールコーナによって接続され得る。直線状インサートダブテール部分およびインサートダブテールコーナは、連続した形状を形成し得る。連続した形状は三角形であり得る。
xxxvi.インサートダブテールコーナは、インサートベース表面と外側および鋭角のコーナインサートダブテール角度を形成し得る。
xxxvii.強度を考慮すると、インサートベース表面に対して垂直な見た目において、インサートベース表面は、滑り防止構造を完全に取り囲むことが好ましい。換言すると、インサートベース表面は、インサート周囲表面全体に沿って延在し得る(すなわちインサート周囲表面全体に隣接し得る)。第1、第2および第3インサート当接表面は、インサート周囲表面とインサートベース表面の交差部分から離間され得る。
xxxviii.インサートダブテール面P
IDはインサートベース表面に対して垂直であり得、第1および第2ダブテール部分の中心の間に延在し得る。第1および第2ダブテール部分はインサートダブテール面P
IDの周りで対称であり得る。切削インサートの全てのダブテール部分は、インサートダブテール面P
IDの周りで対称であり得る。
xxxix.インサート当接表面、またはその少なくとも一部は、インサートアクチュエータ表面を構成(すなわちインサートアクチュエータ表面として機能)し得る。インサートダブテール部分、またはその少なくとも一部は、インサートアクチュエータ表面を構成し得る。
xl.切削インサートのインサート当接表面は、クランプされた位置にあるとき、少なくとも3つの当接表面の内のちょうど2つが工具当接表面とかみ合い、少なくとも3つの当接表面のもう1つがクランプのアクチュエータ表面とかみ合う。
xli.工具アクチュエータ表面およびインサートアクチュエータ表面は共に平坦であり得る。
xlii.インサートベース表面に対して垂直な見た目において、第3インサート当接表面は、第1および第2インサート当接表面が集束する場所と反対の方向に面し得る。
xliii.切削インサートはインサートベース表面に対して垂直に延在するインサートアクチュエータ表面を欠くことができる。切削インサートは1つまたは複数のインサートダブテール部分を間に置くインサートアクチュエータ表面を欠くことができる。
xliv.切削インサートは、インサートベース表面から突出する1つまたは複数の突出部を含み得、およびインサート滑り防止構造に属する当接表面のいくつかまたは好ましくは全ては、1つまたは複数の突出部に形成され得る。好ましくは切削インサートは、1つの突出部を含み得る。1つの突出部は、滑り防止構造を含む複数の突出部よりも構造的により強くなり得ることは理解されよう。
xlv.インサートベース表面に対して垂直な見た目において、滑り防止構造または滑り防止構造を含む突出部は、対称的な形状を有し得る(すなわち三角形、円形、正方形、六角形等)。
xlvi.切削インサートは、2〜6グラムの重量を有し得る。ダブテール部分を設けることによって、切削インサートのサイズおよびその結果として重量は、(理論上、例えば相対的に大きな通し穴がない切削インサートのより強い構造により)低減され得る。これは大きな力を伴う高速作業で有利であり得る。それにもかかわらず機械加工作業を成功裏に実行するために要求される特定の最少量の材料の必要性があることは理解されよう。従って、切削インサートの好ましいサイズは2.5〜4.5グラムの間の重量を有し得、最も好ましい設計重量は3.2〜4.2グラムの間である。
xlvii.切削インサートはインサートベース表面に対して垂直に、かつインサートベース表面と、それから最も遠位のインサート上表面の最上地点との間で測定される切削部分高さを含み得る。
xlviii.切削インサートの重心はインサートベース表面から切削部分高さの12%〜30%の間に位置付けられ得る。相対的に低い重心は、特に高速作業の間、切削インサートを安定化する一助となり得ることは理解されよう。重心は、本出願の切削インサートに関して、インサートベース表面から切削部分高さの21%〜29%の間に好ましくは位置付けられ得る。
xlix.滑り防止構造高さは、切削部分高さと平行におよびインサートベース表面から、インサート上表面から離れる方向に、切削インサートの最も遠位の最下地点まで測定され得る。切削部分高さは滑り防止構造高さの大きさを上回る大きさを有し得る。
l.ダブテール高さは、インサートベース表面に対して垂直に、かつインサートベース表面から切削インサートのダブテール部分の最も遠位地点まで測定可能である。ダブテール高さは切削部分高さの70%未満の大きさを有し得る。さらにより好ましくは、ダブテール高さは、切削部分高さの50%未満の大きさを有するべきである。しかしながらダブテール高さの大きさは切削部分高さの30%を上回ることが好ましい。
li.切削インサートは中実の構成を有し得る。切削インサートは通し穴を欠くことができる。
lii.工具は前後方向を定める中心軸を有し得る。中心軸は回転軸であり得る。
liii.工具は切削端部を含み得る。
liv.工具は工具周囲表面を含み得る。工具周囲表面は円周方向に延在し得る。工具周囲表面は工具切削端部から後方に延在し得る。
lv.工具周囲領域は切削端部および/または工具周囲表面に沿って延在し得る。
lvi.工具は、第1端部で工具周囲表面に開口し工具内側領域の中に延在するねじ孔を含み得る。
lvii.工具はクランプを含み得る。
lviii.工具にクランプ孔が形成され得る。クランプ孔は第1端部でインサート着座領域に開口し得る。クランプ孔は第2端部でねじ孔に開口し得る。より正確には、クランプ孔の第1端部は着座凹部に開口し得る。クランプ孔は工具内側領域に形成され得る。クランプ孔軸がクランプ孔の中心を通り工具周囲領域の方へ延在し得る。クランプ孔軸は第1および第2工具当接表面が集束する場所まで延在し得る。
lix.工具はインサート着座領域を含み得る。インサート着座領域は工具切削端部に隣接し得る。インサート着座領域は工具ベース表面を含み得る。インサート着座領域は着座凹部を含み得る。インサート着座領域は第1および第2工具当接表面を含み得る。より正確には、第1および第2工具当接表面は着座凹部に配置され得る。
lx.第1および第2工具当接表面は、工具ベース表面に対して垂直な見た目において、工具周囲領域に近づくにつれて互いに集束し得る。
lxi.工具当接表面は、工具ベース表面と内側および鋭角の工具ダブテール角度を形成する工具ダブテール部分を含み得る。
lxii.工具ベース表面に対して垂直な見た目において、第1工具ダブテール部分は第2工具ダブテール部分と非平行であり得る。
lxiii.工具ベース表面に対して垂直な見た目において、第1および第2工具当接表面および工具アクチュエータ表面は三角形の構成であり得る。
lxiv.工具はインサート着座領域の両側に配置された工具内側および周囲領域を含み得る。
lxv.工具は切削方向を有し得る。切削方向は工具内側領域から工具周囲領域の方へ延在する方向として定義され得る。
lxvi.着座凹部は工具ベース表面から工具の中へ窪められ、少なくとも部分的に工具ベース表面によって取り囲まれ得る。
lxvii.工具に、第1端部で着座凹部に開口しそこから工具の内側へ延在するクランプ孔が形成され得る。
lxviii.工具はクランプを含み得る。
lxix.クランプは工具内側領域に配置され得る。クランプは工具アクチュエータ表面で形成され得る。クランプは工具アクチュエータ表面を介して切削方向におよび/または第1および第2工具当接表面が集束する場所に力を適用するように構成され得る。工具アクチュエータ表面の付勢は、工具ベース表面を横切る面の中でクランプを移動することを含み得る。より正確には、クランプは上方−外方方向に移動され得る(外方は工具切削端部および/または工具周囲表面の方である)。
lxx.工具アセンブリは、インサートベース表面が工具ベース表面と接触し、および工具のクランプが工具アクチュエータ表面をインサート第3当接表面に付勢するように構成され得る。そのような付勢は結果として第1および第2インサート当接表面を第1および第2工具当接表面に対して付勢し得、またはより正確には、第1および第2インサートダブテール部分を第1および第2工具ダブテール部分に対して付勢し得る。この構成は工具ベース表面に沿った切削インサートの滑りを防止するように、およびまた、インサートベース表面上のクランプ力を工具ベース表面に対して適用するように構成され得る。
lxxi.工具は唯一の工具アクチュエータ表面を含み得る。
lxxii.クランプはピン状であり得る。より正確には、クランプはクランプシャンク部分およびクランプヘッド部分を有し得る。
lxxiii.クランプヘッド部分はクランプシャンク部分の長手クランプ軸に対して垂直な方向においてクランプシャンク部分より幅広であり得る。
lxxiv.工具アクチュエータ表面は、クランプシャンク部分に対し遠位であるクランプヘッド部分の端部に形成され得る。工具アクチュエータ表面は、互いに内側の鋭角のクランプ角度を形成する第1および第2クランプ逃げ表面の間に配置され得る。工具アクチュエータ表面は、クランプ軸に対して非平行でありかつ非垂直であり得る。工具アクチュエータ表面は、ピンが工具に取り付けられるとき、工具ベース表面が面する方向から離れる方向に面し得る。より正確には、工具アクチュエータ表面は、工具ベース表面に対して傾斜され得、および部分的に下方に面し得る。
lxxv.インサート下方方向D
IDはインサートベース表面が面する方向と反対の方向として定義され得る。工具下方方向D
TDは工具ベース表面が面する方向と反対の方向として定義され得る。切削インサートが工具に対しクランプされるとき、インサート下方方向D
IDは工具下方方向D
TDと同じであり得る。
lxxvi.クランプシャンク部分は円筒状であり得る。クランプシャンク部分の端部は凹部を含み得る。凹部は凹状に成形された凹部であり得る。凹部は、クランプシャンク部分の端面図において、非対称に形成され得る。
lxxvii.第1および第2工具当接表面および工具アクチュエータ表面は、インサート着座領域内に凹設され得る。より正確には、第1および第2工具当接表面は、着座領域の着座凹部の中に形成され得る。第1および第2工具当接表面は工具周囲表面および/または工具切削端部に近接し得る。好ましくは、第1および第2工具当接表面は、工具周囲表面および工具切削端部の交差部分に近接し得る。
lxxviii.工具は、切削インサートを工具に直接クランプするように構成されたねじ締結構造を欠くことができる。同様に工具アセンブリは切削インサートと接触するねじを欠くことができる。
lxxix.工具はねじ孔に配置されたねじと、クランプ孔に配置されたクランプとを含み得る。
lxxx.ねじは第1ねじ端部、第2ねじ端部およびそれらの間に延在する中心部分を含み得る。
lxxxi.第1ねじ端部は工具受入構造を形成され得る。工具受入構造はねじ凹部に配置され得る。
lxxxii.ねじ第2端部(「拡張部分」)は中心部分に隣接しかつ中心部分より大きくすることができる。
lxxxiii.中心部分は円筒状であり得る。
lxxxiv.工具はねじが工具から外方方向に移動されるときクランプがねじの拡張部分によって切削インサートの方へ移動されるように位置付けられ得るように構成され得る。
lxxxv.工具アクチュエータ表面ならびに第1および第2工具当接表面は、1つの連続した形状の複数の部分であり得る。例えば、工具アクチュエータ表面がクランプ位置にされるとき、その形状は三角形であり得る。
lxxxvi.工具ベース表面はクランプによって完成される部分を除き連続的に延在し得る。工具ベース表面はクランプによって完成される部分を除き着座凹部の境界全体に沿って延在し得る。工具は第1当接表面および第2当接表面を含む1つの連続した壁を含み得る。
lxxxvii.第1工具当接表面の第1工具ベース幅は、工具ベース表面と平行におよび第1工具当接表面の延伸方向に対して垂直に測定可能な最大幅である。第2工具当接表面の第2工具ベース幅は、工具ベース表面と平行におよび第2工具当接表面の延伸方向に対して垂直に測定可能な最大幅である。とりわけ、第1工具当接表面は工具切削端部よりも工具周囲表面により近い工具当接表面であり得、第2工具当接表面は工具周囲表面よりも工具切削端部により近い工具当接表面であり得る。第1工具ベース幅は第2工具ベース幅を上回る大きさを有し得る。これは機械加工作業の間、特に工具の回転の間の力の分散の観点で有益であり得る。
lxxxviii.工具滑り防止構造およびインサート滑り防止構造は、工具ベース表面と平行な面の、および工具ベース表面に対して垂直な方向の切削インサートの移動を防止するように構成され得る。換言すると、滑り防止構造のダブテール部分は、インサートベース表面を工具ベース表面に対して付勢するように構成された付勢構造を構成し得る。
lxxxix.付勢構造は工具ベース表面に沿った切削インサートの滑りを許容するように構成され得る。許容される滑りは視認可能な滑りであり得る。より正確には、工具ベース表面は、切削インサートが着座され、切削方向におよびその反対方向に移動されることを許容するように十分にサイズ決めされ得る。工具への切削インサートのクランプは、工具ベース表面に沿った、切削インサートのインサートベース表面の滑り移動を含み得る。
xc.工具アセンブリは、その切削インサートの周囲と接触するその工具の接触表面が工具アクチュエータ表面ならびに第1および第2工具当接表面だけであるように構成され得る。
xci.工具アセンブリは、クランプ位置で、切削インサートおよび工具の接触表面が工具アクチュエータ表面、工具およびインサート当接表面ならびに工具およびインサートベース表面だけであるように構成され得る。換言すると、切削インサートおよび/または工具は、それらがちょうど4つの表面で互いに接触するように構成される。
xcii.第1および第2工具当接表面は工具と一体的に形成され得る。
xciii.第1および第2インサート当接表面は切削インサートと一体的に形成され得る。
xciv.方法は、インサートベース表面が工具ベース表面と接触する位置で切削インサートを工具に取り付けるステップと、クランプの工具アクチュエータ表面を第3インサート当接表面に対して付勢し、それにより非平行な第1および第2インサート当接表面をそれぞれ非平行な第1および第2工具当接表面に押し付けるステップとを含み得る。
xcv.方法は:工具ベース表面を含むインサート着座領域;インサート着座領域の両側に配置された工具内側および周囲領域;および工具滑り防止構造であって;工具ベース表面に隣接して形成され、互いにおよび工具ベース表面と非平行である第1および第2工具当接表面を含む工具滑り防止構造を含む工具と、工具内側領域に配置され、工具ベース表面に対して垂直に向けられた工具アクチュエータ表面を含むクランプとを含み得;切削インサートが、インサート周囲表面によって接続された反対側にあるインサート上表面およびベース表面と、切れ刃と、インサートベース表面に隣接して形成されたインサート滑り防止構造とを含み;インサート滑り防止構造が、互いにおよびインサートベース表面に対して非平行でありそれぞれダブテール部分を含む第1、第2および第3インサート当接表面を含み;方法は:インサートベース表面が工具ベース表面と接触する位置で切削インサートを工具に取り付けるステップと;クランプの工具アクチュエータ表面を第3インサート当接表面に対して付勢し、それにより第1および第2インサート当接表面のダブテール部分をそれぞれ第1および第2工具当接表面のダブテール部分に付勢し、工具ベース表面に沿った切削インサートの滑りを防止し、およびそれらの間にクランプ力を提供するようにするステップとを含む。
【0032】
図面の簡単な説明
本出願の主題をより深く理解するため、および本出願を実際にどのように実行できるかを示すため、ここで添付図面を参照する。