(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
黄色蛍光を出力する第1の光源と、青色光を出力する第2の光源と、前記青色光と前記黄色蛍光とが合成された合成光の青色成分の光量と、前記青色成分とは異なる前記黄色蛍光に含まれる第1色成分の光量とを検出する光センサーと、を備えた照明装置の光源調整方法であって、
前記第1の光源をオン、前記第2の光源をオフにした第1の状態で、前記第1色成分の光量である第1の光量と前記青色成分の光量である第2の光量をそれぞれ取得し、
前記第1の光源をオフ、前記第2の光源をオンにした第2の状態で、前記青色成分の光量である第3の光量を取得し、
前記第1から第3の光量に基づいて、前記合成光の前記第1色成分と前記青色成分との光量の比率が所定の比率になるように、前記第1及び第2の光源の輝度を調整する、光源調整方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である照明装置を備えたプロジェクタの構成を示すブロック図である。
図1を参照すると、プロジェクタは、照明装置15、色分離合成光学系13及び投射光学系14を有する。
色分離合成光学系13は、色分離部、第1乃至第3の表示素子、及び色合成部を有する。色分離部は、照明装置15の出力光である白色光を赤色光、緑色光及び青色光に分離するものであって、複数のダイクロイックミラー、レンズ群、ミラーより構成されている。
第1乃至第3の表示素子として、例えば液晶表示素子やデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)などの表示パネルを用いることができる。第1の表示素子は、赤色光を変調して赤色画像を形成する。第2の表示素子は、緑色光を変調して緑色画像を形成する。第3の表示素子は、青色光を変調して青色画像を形成する。
【0014】
色合成部は、第1乃至第3の表示素子により形成された赤色画像光、緑色画像光及び青色画像光を合成するものである。色合成部として、例えば、クロスダイクロイックプリズムを用いることができる。色合成部で合成した画像光は投射光学系14に入射する。投射光学系14は、第1乃至第3の表示素子が形成した赤色画像、緑色画像及び青色画像を不図示のスクリーン上に拡大投射する。
照明装置15は、制御部1、光源駆動部2、3、記憶部4、操作部5、光源6、7、蛍光体ホイール8、ダイクロイックミラー9、10、反射ミラー11及び光センサー12を有する。
光源6は、励起光源であって、複数の青色レーザー素子6aを有する。青色レーザー素子6aから出力された青色光(青色励起光)は、不図示のコリメートレンズを通過することで平行光束に変換された後、ダイクロイックミラー9に入射する。なお、
図1に示した例では、9個の青色レーザー素子6aが示されているが、青色レーザー素子6aの数は9個に限定されない。青色レーザー素子6aの数は、適宜に変更可能である。
【0015】
光源7は、複数の青色レーザー素子7aを有する。青色レーザー素子7aから出力された青色光(照明光)は、不図示のコリメートレンズを通過することで平行光束に変換された後、ダイクロイックミラー10に入射する。なお、
図1に示した例では、4個の青色レーザー素子7aが示されているが、青色レーザー素子7aの数は4個に限定されない。青色レーザー素子7aの数は、適宜に変更可能である。
ダイクロイックミラー9は、光源6からの青色光を蛍光体ホイール8に向けて反射するように設けられている。光源6からの青色光のダイクロイックミラー9への入射角は略45°である。ここで、入射角は、入射光線と入射点に立てた法線とのなす角度である。以降の説明において、入射角の定義は同じである。
ダイクロイックミラー9は、可視光のうち、青色波長域の光を反射し、それ以外の波長域の光を透過する分光反射特性を有する。ダイクロイックミラー9の分光反射特性のカットオフ波長を示す曲線は急峻ではないため、カットオフ波長近傍の波長域では、青色光の一部(数%)がダイクロイックミラー9を透過する。すなわち、青色波長域のうちの緑色に近い側の波長域の光の一部(数%)がダイクロイックミラー9を透過する。なお、青色レーザー素子6aの発振波長はダイクロイックミラー9のカットオフ波長より十分に短いため、青色レーザー素子6aからの青色光のほとんどは、ダイクロイックミラー9によって反射される。
【0016】
蛍光体ホイール8は、
図2に示すように、ホイール部8aと、ホイール部8a上に円周方向に沿って設けられた蛍光体領域8bとを有する。蛍光体領域8bは、励起光を受けて黄色蛍光を発光する蛍光体を含む。ダイクロイックミラー9によって反射された青色光(励起光)は、不図示のレンズ群を介して蛍光体領域8bに入射する。モーターがホイール部8aを所定の速度で回転させ、その状態で、ダイクロイックミラー9からの青色光を蛍光体領域8bに照射する。蛍光体領域8bの青色光を受けた蛍光体が黄色蛍光を放出する。
蛍光体部8から放出された黄色蛍光は、不図示のレンズ群を介してダイクロイックミラー9に入射する。この黄色蛍光の発光スペクトルは幅広であり、緑色成分及び赤色成分の他に、青色成分も含む。この青色成分の波長は、ダイクロイックミラー9のカットオフ波長に近いため、黄色蛍光に含まれている青色成分の数%がダイクロイックミラー9を透過する。なお、黄色蛍光に含まれている緑色成分及び赤色成分の波長は、ダイクロイックミラー9のカットオフ波長よりも十分に長いので、そのほとんどがダイクロイックミラー9を透過する。ダイクロイックミラー9を透過した黄色蛍光は、ダイクロイックミラー10の一方の面に入射する。
【0017】
ダイクロイックミラー10は、ダイクロイックミラー9を透過した黄色蛍光の光束と光源7からの青色光の光束とが互いに交差する位置に、黄色蛍光が一方の面に入射し、青色光が他方の面に入射するように設けられている。黄色蛍光のダイクロイックミラー10への入射角は略45°であり、ダイクロイックミラー10は、黄色蛍光を反射ミラー11に向けて反射するように設けられている。
ダイクロイックミラー10は、可視光のうち、青色波長域の光を透過し、青色波長域以外の波長域の光を反射する分光反射特性を有する。ダイクロイックミラー10の分光反射特性のカットオフ波長を示す曲線は急峻ではないため、カットオフ波長近傍の波長域では、青色光の一部(数%)がダイクロイックミラー10で反射される。すなわち、青色波長域のうちの緑色に近い側の波長域の光の一部(数%)がダイクロイックミラー10により反射される。なお、青色レーザー素子7aの発振波長はダイクロイックミラー10のカットオフ波長よりも十分に短いため、青色レーザー素子7aからの青色光のほとんどは、ダイクロイックミラー10を透過する。
ダイクロイックミラー10で反射された黄色蛍光とダイクロイックミラー10を透過した青色光は略同一の光路で反射ミラー11に入射する。すなわち、黄色蛍光及び青色光を含む白色光が、ダイクロイックミラー10から反射ミラー11に入射する。換言すると、ダイクロイックミラー10を用いて黄色蛍光と青色光とは合成され、合成された合成光が反射ミラー11に入射する。ダイクロイックミラー10は、色合成素子の一例である。なお、ダイクロイックミラー10は、可視光のうち、青色波長域の光を反射し、青色波長域以外の波長域の光を透過する分光反射特性を有してもよい。この場合、ダイクロイックミラー10を透過した黄色蛍光とダイクロイックミラー10で反射された青色光は略同一の光路で反射ミラー11に入射してもよい。
【0018】
反射ミラー11は、ダイクロイックミラー10からの黄色蛍光及び青色光を色分離合成光学系13に向かって反射するように設けられている。ダイクロイックミラー10から反射ミラー11に入射した光の一部(数%)は、反射ミラー11を透過する。すなわち、反射ミラー11は、ダイクロイックミラー10から入射した光束を、第1の光束(反射光)と第2の光束(透過光)に分割する。反射ミラー11は、光分割素子の一例である。
光センサー12は、反射ミラー11の裏面側に設けられている。光センサー12は、緑色フィルターを備えた第1の受光面と、青色フィルターを備えた第2の受光面を有し、これら第1及び第2の受光面は、反射ミラー11からの第2の光束を受光する。緑色フィルターは、可視光のうちの緑色波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を吸収する。青色フィルターは、可視光のうちの青色波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を吸収する。第1及び第2の受光面の面積は互いに同じである。光センサー12は、第1の受光面に入射した光(緑色成分)の光量と第2の受光面に入射した光(青色成分)の光量をそれぞれ示す信号を出力する。光センサー12の出力信号は、制御部1に供給される。
なお、光センサー12は、反射ミラー11が分割した第2の光束を受光するように構成されているが、これに限定されない。光センサー12は、ダイクロイックミラー10を用いて合成された、黄色蛍光及び青色光を含む合成光の一部または全部を受光するように構成されてもよい。
【0019】
光源駆動部2は、制御部1からの制御信号S1に従って光源6の各青色レーザー素子6aを駆動する。光源駆動部3は、制御部1からの制御信号S2に従って光源7の各青色レーザー素子7aを駆動する。
記憶部4は、半導体メモリやハードディスクドライブ(HDD)などの記憶装置であって、プロジェクタを動作させるのに必要なプログラムやデータを保持する。ここで、データは、光源の輝度調整に必要な光源輝度調整用データを含む。
操作部5は、電源ボタンや複数の操作キーを含む。電源ボタンは、プロジェクタの電源を投入するためのボタンである。使用者が操作キーを用いた入力操作を行うと、操作部5は、その入力内容を示す操作信号を制御部に出力する。
制御部1は、記憶部4に保持されたプログラムに従って動作するCPU(Central Processing Unit)よりなり、操作部5からの操作信号に従って、プロジェクタ全体の動作を制御する。例えば、制御部1は、蛍光体ホイール8の回転動作や色分離合成光学系13の各表示素子の画像形成動作を制御する。また、制御部1は、電源投入時又は所定の入力操作に応じて、光源輝度調整処理を実行する。
なお、
図1において、便宜上、光源6、7から出力された青色光の光束及び蛍光体ホイール8から放出された黄色蛍光の光束をそれぞれ破線で示しているが、実際は、所定の径を有する光束である。青色光の光束の中心光線と黄色蛍光の光束の中心光線は一致する。
【0020】
次に、本実施形態の照明装置1の動作について説明する。光源輝度調整処理が特徴であり、その他の動作及び処理は既存の照明装置と同じであるので、ここでは、光源輝度調整処理について説明する。
図3に、光源輝度調整処理の一手順を示す。以下、
図1〜
図3を参照して、光源輝度調整処理を説明する。
光源輝度調整を行う旨の操作信号(または電源投入)に応じて、制御部1は、光源6をオン、光源7をオフにする(ステップS11)。光源6がオン、光源7がオフの状態が第1の状態である。この第1の状態では、蛍光体ホイール8からの黄色蛍光のみが第2の光束として光センサー12に入射する。
【0021】
次に、制御部1は、光センサー12の出力信号に基づいて、第2の光束の緑色成分の光量Gと青色成分の光量B1のそれぞれの測定値を取得する(ステップS12)。ここで、光量Gは、黄色蛍光の緑色成分の光量に対応し、光量B1は黄色蛍光の青色成分の光量に対応する。
次に、制御部1は、光源6をオフ、光源7をオンにする(ステップS13)。光源6がオフ、光源7がオンの状態が第2の状態である。この第2の状態では、光源7からの青色光のみが第2の光束として光センサー12に入射する。
次に、制御部1は、光センサー12の出力信号に基づき、第2の光束の青色成分の光量B2の測定値を取得する(ステップS14)。ここで、光量B2は、光源7からの青色光の光量に対応する。
次に、制御部1は、緑色光量Gの測定値、青色光量B1の測定値、青色光量B2の測定値、及び予め与えられている緑色光と青色光の光量の比率(所定の比率)に基づいて、光源6、7の輝度を制御する。具体的には、制御部1は、比率[G:(B1+B2)]が所定の比率になるように、光源6、7の輝度を制御する。
なお、青色レーザー素子単体が発光しなくなる現象が光源7に集中して、光源7の光量が想定外の値まで下がってしまった場合は、光源7の光量を増大させる処理を行うことが望ましい。
図3に示した輝度調整処理において、ステップS15の処理の前に、緑色光量Gの測定値が閾値以下であるか否かの判定を行ってもよい。この場合、緑色光量Gの測定値が閾値以下である場合は、制御部1は、光源7の輝度を所定量だけ増大させた後に、ステップS11からの処理を実行する。閾値は、例えば、初期値の60%又は50%である。
【0022】
以下に、輝度調整例を記載する。
(輝度調整例1)
光源6、7はそれぞれ、駆動電流を段階的に調整可能であり、そのステップ数は128である。すなわち、設定されるステップの値は、設定される駆動電流の値に対応する。工場出荷時の調整において、緑色の光量を最大とし、それに合わせて、青色の光量を設定する。ここでは、光源6は128/128ステップに設定され、光源7は100/128ステップに設定されており、光センサー12にて検出された緑色光量G及び青色光量Bはそれぞれ、100W(ワット)、50W(ワット)である。なお、光源7は、ステップ数の最大値である128よりも小さい値で設定できるように、例えば青色レーザー素子7aの数などに基づいて、光源7の出力が設定されることが望ましい。緑色光量Gは、黄色蛍光に含まれている緑色成分に相当する光量である。青色光量Bは、黄色蛍光に含まれている青色成分に相当する光量B1(青色クロストーク)と光源7からの青色光に相当する光量B2とを含む。光量B1は10Wであり、光量B2は40Wである。緑色光量Gと青色光量Bの比率は2:1であり、この比率における照明装置15から出力される照明光の色温度は6500K(ケルビン)である。これらの条件(G=100W、B=50W、B1=10W、B2=40W、比率[G:B=2:1]、比率[G:B1=1:0.1]、光源6のステップ値=128、光源7のステップ値=100)が光源輝度調整用データの初期値として記憶部4に保持される。
【0023】
蛍光体ホイール8の経時変化のために黄色蛍光の光量が10%だけ低下したと仮定する。制御部1は、
図3に示した手順に従って、経年変化後の緑色光量G、青色光量B1、B2をそれぞれ取得する。緑色光量Gは90W、青色光量B1は9W、青色光量B2は40Wである。緑色光量Gは100Wから90Wに減少し、青色光量B1は10Wから9Wに減少している。青色光量B2は40Wのままであり、光源7の青色光の光量は変化していない。
緑色光量Gが90Wであるので、制御部1は、比率[G:B=2:1]に基づき、青色光量Bの目標値を45Wに設定する。青色光量B1は9Wであるから、制御部1は、青色光量B2の目標値を36(=45−9)Wに設定する。そして、制御部1は、青色光量B2の目標値「36」に基づいて、光源7の調整値を計算する。光源7の調整値は、目標値「36」を青色光量B2の測定値「40」で割った値(0.9000=36/40)である。制御部1は、光源7の光量が0.9000倍になるように光源7の輝度を調整する。
【0024】
(比較例:青色クロストークである青色光量B1を考慮しない場合)
この比較例では、青色光量B=青色光量B2と見做し、青色光量B1=0と見做す。
蛍光体ホイール8の経時変化によって黄色蛍光の光量が10%だけ低下した場合、経年変化後の緑色光量G、青色光量Bはそれぞれ90W、49Wである。比率[G:B=2:1]から、青色光量B(=B2)の目標値は45Wであり、光源7の調整値は0.9184(=45/49)である。光源7の光量が0.9184倍になるように光源7の輝度調整が行われる。この場合、色バランスを正確に補正できない。
【0025】
(輝度調整例2)
初期値は上記の輝度調整例1と同じである。光源7の経時変化又は環境温度の変化によって青色光量Bが20%だけ低下(劣化)したと仮定する。
制御部1は、
図3に示した手順に従って、劣化後の緑色光量G、青色光量B1、B2をそれぞれ取得する。緑色光量Gは100W、青色光量B1は10W、青色光量B2は30Wである。青色光量B2は40Wから30Wに減少している。緑色光量Gは100Wのままであり、青色光量B1も10Wのままである。
緑色光量Gが100Wであるので、制御部1は、比率[G:B=2:1]に基づき、青色光量Bの目標値を50Wに設定する。青色光量B1は10Wであるから、制御部1は、青色光量B2の目標値を40(=50−10)Wに設定する。そして、制御部1は、青色光量B2の目標値「40」に基づいて、光源7の調整値を計算する。光源7の調整値は、目標値「40」を青色光量B2の測定値「30」で割った値(1.3333=40/30)である。制御部1は、光源7の光量が1.3333倍になるように光源7の輝度を調整する。
【0026】
(輝度調整例3)
初期値は上記の輝度調整例1と同じである。ここでは、光源7の経時変化又は環境温度の変化によって青色光量Bが50Wから40Wに低下(劣化)した場合で、ステップ値を最大値である128に設定しても、光源7の光量を1.3333倍にできない場合について説明する。
光源7の光量を1.3333倍にする輝度調整において、制御部1は、光センサー12の出力信号に基づいて、ステップ値を128に設定した光源7の青色光量が40Wに達したか否かを判定する。光源7の青色光量が40Wに達しない場合は、制御部1は、目標値の再設定を行う。
【0027】
目標値の再設定において、制御部1は、緑色光量G、青色光量B、B1、B2の目標値を設定する。具体的には、制御部1は、緑色光量Gの目標値を100Wより低い80Wに設定し、比率[G:B=2:1]に基づき、青色光量Bの目標値を40Wに設定する。さらに、制御部1は、比率[G:B1=1:0.1]に基づき、青色光量B1の目標値を8.00Wに設定する。青色光量B1の目標値が8.00Wであるから、制御部1は、青色光量B2の目標値を32.0(=40−8)Wに設定する。そして、制御部1は、緑色光量Gの目標値「80」に基づいて光源6の調整値を計算するとともに、青色光量B2の目標値「32.0」に基づいて光源7の調整値を計算する。
【0028】
調整値の計算において、制御部1は、緑色光量Gの目標値「80」を緑色光量Gの測定値「100」で割った値(0.8000=80/100)を光源6の調整値とする。また、制御部1は、青色光量B2の目標値「32」を青色光量B2の測定値「30」で割った値(1.0667=32/30)を光源7の調整値とする。そして、制御部1は、光源6の光量が0.8000倍になるように光源6の輝度を調整し、かつ、光源7の光量が1.0667倍になるように光源7の輝度を調整する。
以上説明した本実施形態の照明装置15によれば、蛍光体ホイール8からの黄色蛍光に含まれている青色成分の光(青色クロストーク)を考慮した輝度調整を行うので、色バランスを正確に調整することができ、調整時間も短縮することができる。比較例1では、青色クロストークを考慮していないため、微調整に時間を要する。
【0029】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態である照明装置を備えた複数のプロジェクタを有する表示システムの構成を示す模式図である。
図4を参照すると、表示システムは、4台のプロジェクタ100〜103を有する。プロジェクタ100、101は、通信ケーブル104を介して互いに通信可能である。プロジェクタ101、102は、通信ケーブル105を介して互いに通信可能である。プロジェクタ102、103は、通信ケーブル106を介して互いに通信可能である。プロジェクタ100〜103の間の通信に、有線・無線LAN、RS232C、DDC/CI(Display Data Channel Command Interface)などを適用してもよい。プロジェクタ100〜103のそれぞれは、相互通信に必要なアドレス情報を予め保持している。すなわち、プロジェクタ100〜103のそれぞれは、相互通信することが可能である。
【0030】
プロジェクタ100は左上の画面200を投射し、プロジェクタ101は右上の画面201を投射し、プロジェクタ102は左下の画面202を投射し、プロジェクタ103は右下の画面203を投射する。画面200〜203は、マルチ画面を構成する。
使用者は、プロジェクタ100〜103それぞれの操作部を用いて、メインプロジェクタ及びサブプロジェクタの設定を行うことが可能である。ここでは、プロジェクタ100はメインプロジェクタである旨の設定がなされており、プロジェクタ101〜103はそれぞれサブプロジェクタである旨の設定がなされている。メインプロジェクタであるプロジェクタ100が、自身が備える光源の輝度調整を行うとともに、サブプロジェクタであるプロジェクタ101〜103の光源の輝度調整動作を制御して、画面200〜203のマルチ画面全体の輝度を調整する。
【0031】
図5に、プロジェクタ100の構成を示す。
図5に示すプロジェクタ100は、
図1に示した構成に通信部16を加えたものであり、通信部16以外の構成は、
図1に示した構成と同じである。通信部16は、外部のプロジェクタと通信を行うためのものであって、ここでは、通信ケーブル104を介してプロジェクタ101に接続されている。
プロジェクタ101〜103も、プロジェクタ100と基本的に同じ構成である。以下の説明では、便宜上、プロジェクタ100の各部を示す符号の末尾に「−0」を付し、プロジェクタ101の各部を示す符号の末尾に「−1」を付し、プロジェクタ102の各部を示す符号の末尾に「−2」を付し、プロジェクタ103の各部を示す符号の末尾に「−3」を付す。例えば、プロジェクタ100〜103の制御部の符号はそれぞれ「1−0」、「1−1」、「1−2」、「1−3」である。
【0032】
マルチ画面輝度調整において、プロジェクタ100では、制御部1−0が、通信部16−0を介してプロジェクタ101〜103のそれぞれに緑色光量Gの測定値の送信要求を送付する。プロジェクタ101では、制御部1−1が送信要求に応じて光センサー12−1で測定した緑色光量Gの測定値にプロジェクタ101の識別情報を付与した緑色光量情報G−1を、通信部16−1を介して送信要求元であるプロジェクタ100に送信する。同様に、プロジェクタ102では、制御部1−2が緑色光量情報G−2をプロジェクタ100に送信し、プロジェクタ103では、制御部1−3が緑色光量情報G−3をプロジェクタ100に送信する。
プロジェクタ100では、制御部1−0が、光センサー12−0で測定した緑色光量Gの測定値と、プロジェクタ101〜103から受信した緑色光量情報G−1〜G−3にそれぞれ含まれている緑色光量Gの測定値との4つ測定値を比較する。そして、制御部1−0は、それら4つの測定値のうちの最も低い値を基準緑色光量G’として記憶部4−0に保持するとともに、通信部16−0を介してプロジェクタ101〜103のそれぞれに基準緑色光量G’を含む輝度調整指示信号を送信する。
【0033】
輝度調整指示信号の送信後、プロジェクタ100では、制御部1−0が、緑色光量Gの目標値を基準緑色光量G’の値に設定し、初期値として記憶部4−0に保持されている比率[G:B]及び比率[G:B1]に基づき、青色光量B、B1、B2の目標値を設定する。これら目標値の設定動作は、第1の実施形態の輝度調整例3で説明した目標値の再設定の動作と同じである。制御部1−0は、緑色光量Gの目標値及び測定値に基づいて光源6−0の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源6−0の輝度を調整する。さらに、制御部1−0は、青色光量B2の目標値及び測定値に基づいて光源7−0の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源7−0の輝度を調整する。これらの輝度調整動作も、第1の実施形態の輝度調整例3で説明した目標値の再設定の動作と同じである。
プロジェクタ101では、制御部1−1が、輝度調整指示信号に従い、緑色光量Gの目標値を基準緑色光量G’の値に設定し、初期値として記憶部4−1に保持されている比率[G:B]及び比率[G:B1]に基づき、青色光量B、B1、B2の目標値を設定する。制御部1−1は、緑色光量Gの目標値及び測定値に基づいて光源6−1の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源6−1の輝度を調整する。さらに、制御部1−1は、青色光量B2の目標値及び測定値に基づいて光源7−1の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源7−1の輝度を調整する。
【0034】
プロジェクタ102では、制御部1−2が、輝度調整指示信号に従い、緑色光量Gの目標値を基準緑色光量G’の値に設定し、初期値として記憶部4−2に保持されている比率[G:B]及び比率[G:B1]に基づき、青色光量B、B1、B2の目標値を設定する。制御部1−2は、緑色光量Gの目標値及び測定値に基づいて光源6−2の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源6−2の輝度を調整する。さらに、制御部1−2は、青色光量B2の目標値及び測定値に基づいて光源7−2の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源7−2の輝度を調整する。
プロジェクタ103では、制御部1−3が、輝度調整指示信号に従い、緑色光量Gの目標値を基準緑色光量G’の値に設定し、初期値として記憶部4−3に保持されている比率[G:B]及び比率[G:B1]に基づき、青色光量B、B1、B2の目標値を設定する。制御部1−3は、緑色光量Gの目標値及び測定値に基づいて光源6−3の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源6−3の輝度を調整する。さらに、制御部1−3は、青色光量B2の目標値及び測定値に基づいて光源7−3の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源7−3の輝度を調整する。
上記のように、プロジェクタ100〜103が最小緑色光量である基準緑色光量G’に基づいて光源の輝度を調整することで、画面200〜203それぞれの輝度を同じにすることができ、マルチ画面全体の色バランスを正確に調整することができる。
【0035】
図6に、メインプロジェクタであるプロジェクタ100のマルチ画面輝度調整処理の一手順を示す。
図6を参照すると、制御部1−0が、光センサー12−0を用いて緑色光量G、青色光量B1、B2をそれぞれ取得する(ステップS20)。緑色光量G、青色光量B1、B2の取得動作は、第1の実施形態で説明したとおりである。
次に、制御部1−0が、プロジェクタ101〜103から緑色光量情報G−1〜G−3を取得する(ステップS21)。
次に、制御部1−0が、ステップS20で取得した緑色光量Gの測定値と、ステップ21で取得した緑色光量情報G−1〜G−3にそれぞれ含まれている緑色光量Gの測定値との4つ測定値を比較する。そして、制御部1−0が、それら4つの測定値のうちの最も低い値を最低緑色光量として決定する(ステップS22)。
【0036】
次に、制御部1−0が、最低緑色光量と記憶部4−0に保持した緑色光量Gの初期値を比較し、最低緑色光量が緑色光量Gの初期値の60%以下であるか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23の判定結果が「No」である場合は、制御部1−0が、最低緑色光量を基準緑色光量G’とし、基準緑色光量G’を含む輝度調整指示信号をプロジェクタ101〜103のそれぞれに送信する(ステップS24)。
輝度調整指示信号の送信後、制御部1−0が、基準緑色光量G’の値に基づいて光源6−0、7−0の輝度を調整する(ステップS25)。この輝度調整では、制御部1−0は、緑色光量Gの目標値を基準緑色光量G’の値に設定し、記憶部4−0に保持されている比率[G:B]及び比率[G:B1]に基づき、青色光量B、B1、B2の目標値を設定する。制御部1−0は、緑色光量Gの目標値及び測定値に基づいて光源6−0の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源6−0の輝度を調整する。さらに、制御部1−0は、青色光量B2の目標値及び測定値に基づいて光源7−0の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源7−0の輝度を調整する。これらの調整動作は、第1の実施形態で説明したとおりである。
【0037】
ステップS23の判定結果が「Yes」である場合は、制御部1−0が、最低緑色光量が緑色光量Gの初期値の50%以下であるか否かを判定する(ステップS26)。
ステップS26の判定結果が「No」である場合は、制御部1−0が、基準緑色光量G’に基づく輝度調整を中止し、個別に光源の輝度調整を行う旨の個別輝度調整指示信号をプロジェクタ101〜103のそれぞれに送信する(ステップS27)。個別輝度調整とは、プロジェクタ100〜103それぞれで、比率G:(B1+B2)が所定の比率になるように光源の輝度を調整することを意味する。制御部1−0は、ステップ20で取得した緑色光量Gの測定値、青色光量B1、B2の測定値に基づき、比率G:(B1+B2)が所定の比率になるように光源6−0、7−0の輝度を調整する(ステップS28)。この調整動作は、第1の実施形態で説明したとおりである。
ステップS26の判定結果が「Yes」である場合は、制御部1−0は、輝度調整は行わずに、マルチ画面輝度調整処理を終了する。
【0038】
図7に、サブプロジェクタのマルチ画面輝度調整処理の一手順を示す。サブプロジェクタであるプロジェクタ101〜103はいずれも、
図7に示すマルチ画面輝度調整処理を実行するが、ここでは、便宜上、プロジェクタ101の動作を説明する。
制御部1−1が、光センサー12−1を用いて緑色光量G、青色光量B1、B2をそれぞれ取得する(ステップS30)。緑色光量G、青色光量B1、B2の取得動作は、第1の実施形態で説明したとおりである。
【0039】
次に、制御部1−1が、プロジェクタ100からの送信要求に応じて、緑色光量Gの測定値とプロジェクタ101の識別情報を含む緑色光量情報G−1をプロジェクタ100に送信する(ステップS31)。
緑色光量情報G−1の送信後、制御部1−1は、プロジェクタ100から輝度調整指示信号を受信したか否かを判定する(ステップS32)。
ステップS32の判定結果が「Yes」である場合、制御部1−1は、基準緑色光量G’の値に基づいて光源6−1、7−1の輝度を調整する(ステップS33)。この輝度調整では、制御部1−1は、緑色光量Gの目標値を基準緑色光量G’の値に設定し、記憶部4−1に保持されている比率[G:B]及び比率[G:B1]に基づき、青色光量B、B1、B2の目標値を設定する。制御部1−1は、緑色光量Gの目標値及び測定値に基づいて光源6−1の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源6−1の輝度を調整する。さらに、制御部1−1は、青色光量B2の目標値及び測定値に基づいて光源7−1の調整値を計算し、該調整値に基づいて光源7−1の輝度を調整する。これらの調整動作は、第1の実施形態で説明したとおりである。
【0040】
ステップS32の判定結果が「No」である場合、制御部1−1は、プロジェクタ100から個別輝度調整指示信号を受信したか否かを判定する(ステップS34)。
ステップS34の判定結果が「Yes」である場合、制御部1−1は、ステップ30で取得した緑色光量Gの測定値、青色光量B1、B2の測定値に基づき、比率G:(B1+B2)が所定の比率になるように光源の輝度を調整する(ステップS35)。この調整動作は、第1の実施形態で説明したとおりである。
ステップS34の判定結果が「No」である場合は、制御部1−1は、輝度調整は行わずに、エラー処理を行う(S36)。エラー処理では、例えば、制御部1−1は、マルチ画面輝度調整処理を実行できない旨を示すメッセージを含む画像を画面201に表示させるための処理を行う。
【0041】
なお、
図7では、ステップ32及びステップS34は、別々の判定ステップとして示しているが、緑色光量情報G−1の送信後、一定時間内に、輝度調整指示信号又は個別輝度調整指示信号を受信したか否かを判定することを示す。
また、ステップS35の処理の前に、緑色光量Gの測定値が閾値以下であるか否かの判定を行ってもよい。この場合、緑色光量Gの測定値が閾値以下であれば、制御部1−1は、輝度調整は行わずに、マルチ画面輝度調整処理を終了する。緑色光量Gの測定値が閾値より大きければ、制御部1−1は、ステップS35の処理を実行する。閾値は、例えば、初期値の60%又は50%である。この処理は、
図6のステップS28の処理にも適用することができる。
【0042】
上述した表示システムによれば、緑色光量Gが一番低いプロジェクタの輝度(最低緑色光量)を基準にして各プロジェクタの輝度(緑色光量)を調整するので、マルチ画面を構成する各画面間の輝度差を低減することができ、かつ、マルチ画面全体の色バランスの補正を正確に行うことができる。
また、最低緑色光量が第1の閾値(例えば60%)以下で、第2の閾値(例えば50%)より大きい場合は、プロジェクタ100〜103は最低緑色光量に基づく輝度調整は行わず、個別に輝度調整を行う。これにより、マルチ画面全体の輝度低下を抑制し、プロジェクタ100〜103それぞれの色バランスを正確に補正することができる。
最低緑色光量が第2の閾値(例えば50%)以下になった場合にマルチ画面輝度調整処理を終了することで、マルチ画面全体の輝度がさらに低下することを抑制し、かつ、メンテナンスや寿命が近い事を使用者に知らせることができる。
【0043】
以上説明した照明装置、プロジェクタ及び表示システムは、本発明の一例であり、その構成や動作は適宜に変更することができる。
例えば、第2の実施形態において、プロジェクタ100〜103はマルチモード設定機能を備えていてもよい。マルチモード設定機能とは、制御部1が、緑色光量G、青色光量B、B1、B2のそれぞれの測定値を初期値として記憶部4に保存した後に、マルチモード設定のための所定の入力操作を受け付けると、緑色光量Gを初期値の80%の値に制限する機能である。緑色光量Gの測定値が初期値の80%を下回った場合は、光源6の輝度を増大させる。光源6のステップ値が最大値である128に達した場合で、緑色光量Gの測定値が初期値の80%を下回った場合に、最低緑色光量に基づく輝度調整処理を実行する。このマルチモード設定機能によれば、光源6を最大光量の80%の光量で動作させるため、投射画面の輝度は低下するが、長時間に渡って一定の輝度(80%)を維持することができる。通常、レーザー素子の輝度が80%の輝度まで低下するには、大凡10000時間かかる。よって、10000時間程度の期間、画面を80%の輝度で維持することができる。
【0044】
また、各実施形態において、光センサー12は、Bフィルターを備え、Gフィルターに代えて、RフィルターまたはYフィルターなどを備えていてもよい。制御部1は、緑色成分のかわりに、光センサー12が検出した赤色成分または黄色成分と、青色成分との比率が所定の比率になるように輝度調整を行ってもよい。すなわち、黄色蛍光に含まれる所定の波長の成分と青色成分との比率が所定の比率になるように輝度調整を行ってもよい。
また、各実施形態において、光量は、W(ワット)、すなわち電力を用いたが、W(ワット)に代えてlumen(ルーメン)、すなわち明るさを用いてもよい。光量は、波長に応じてW(ワット)とlumen(ルーメン)とを対応させることができる。すなわち、光センサーが検出する単位に応じて設定することができる。
また、光源の点灯を開始する指示を検出して光源を点灯したとき、光源の点灯を終了する指示を検出したとき、調整処理を示す指示を検出したとき、などに、輝度調整が実行される。
【0045】
また、本発明は、以下の付記1〜21のような形態をとり得るが、これら形態に限定されない。
[付記1]
黄色蛍光を出力する第1の光源と、
青色光を出力する第2の光源と、
前記青色光と前記黄色蛍光とが合成された合成光の青色成分の光量と、前記青色成分とは異なる前記黄色蛍光に含まれる第1色成分の光量とを検出する光センサーと、
前記第1及び第2の光源の輝度を調整する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記第1の光源をオン、前記第2の光源をオフにした第1の状態で、前記第1色成分の光量である第1の光量と前記青色成分の光量である第2の光量をそれぞれ取得し、前記第1の光源をオフ、前記第2の光源をオンにした第2の状態で、前記青色成分の光量である第3の光量を取得し、前記第1から第3の光量に基づいて、前記合成光の前記第1色成分と前記青色成分との光量の比率が所定の比率になるように、前記第1及び第2の光源の輝度を調整する、照明装置。
[付記2]
付記1に記載の照明装置において、
前記第1の光源より出力された黄色蛍光の光量が低下した場合に、前記制御部は、前記第1及び第2の光量と前記所定の比率とに基づいて、前記第3の光量の目標値を計算し、該目標値を前記第3の光量で割った値に基づいて、前記第2の光源の輝度を低下させる、照明装置。
[付記3]
付記1または2に記載の照明装置において、
前記第2の光源より出力された青色光の光量が低下した場合に、前記制御部は、前記第1及び第2の光量と前記所定の比率とに基づいて、前記第3の光量の目標値を計算し、該目標値を前記第3の光量で割った値に基づいて、前記第2の光源の輝度を増大させる、照明装置。
[付記4]
付記3に記載の照明装置において、
前記第3の光量の目標値が前記第2の光源の最大光量を超える場合に、前記制御部は、前記第1の光量の目標値を前記第1の光量より低い値に設定し、該第1の光量の目標値と前記第1及び第2の光量の比率とに基づいて、前記第2の光量の目標値を計算し、該第1及び第2の光量それぞれの目標値と前記所定の比率とに基づいて、前記第3の光量の目標値を計算し、前記第1の光量の目標値を前記第1の光量で割った値に基づいて、前記第1の光源の輝度を低下させ、前記第3の光量の目標値を前記第3の光量で割った値に基づいて、前記第2の光源の輝度を調整する、照明装置。
[付記5]
付記1から4のいずれか1つに記載の照明装置において、
前記第1の光源は、
励起光を出力する第1の青色レーザー素子と、
前記励起光により励起され、黄色の蛍光を放出する蛍光体を含む蛍光体部と、を有し、
前記第2の光源は、青色光を出力する第2の青色レーザー素子を有し、
前記制御部は、前記第1及び第2の青色レーザー素子の輝度を調整する、照明装置。
[付記6]
付記1から5のいずれか1つに記載の照明装置において、
前記第1色成分は、緑色成分、赤色成分または黄色成分である、照明装置。
[付記7]
付記1から6のいずれか1つに記載の照明装置において、
前記黄色蛍光の光束と前記青色光の光束とが互いに交差する位置に、前記黄色蛍光が第1の面に入射し、前記青色光が前記第1の面とは反対側の第2の面に入射するように設けられ、可視光のうち、青色波長域の光を反射し、かつ、青色波長域以外の波長域の光を透過する、又は、青色波長域の光を透過し、かつ、青色波長域以外の波長域の光を反射するように構成され、前記合成光を生成する色合成素子と、
前記合成光を第1及び第2の光束に分割する光分割素子と、をさらに有し、
前記光センサーは、前記第2の光束を検出し、該第2の光束の前記第1色成分の光量と前記青色成分の光量をそれぞれ示す信号を出力する、照明装置。
[付記8]
黄色蛍光を出力する第1の光源と、
青色光を出力する第2の光源と、
前記青色光と前記黄色蛍光とが合成された合成光の青色成分の光量と、前記青色成分とは異なる前記黄色蛍光に含まれる第1色成分の光量とを検出する光センサーと、
前記合成光を映像信号に基づいて変調して画像を形成する表示素子と、
前記表示素子で形成された画像を投射する投射光学系と、
前記第1及び第2の光源の輝度を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記第1の光源をオン、前記第2の光源をオフにした第1の状態で、前記第1色成分の光量である第1の光量と前記青色成分の光量である第2の光量をそれぞれ取得し、前記第1の光源をオフ、前記第2の光源をオンにした第2の状態で、前記青色成分の光量である第3の光量を取得し、前記第1から第3の光量に基づいて、前記合成光の前記第1色成分と前記青色成分との光量の比率が所定の比率になるように、前記第1及び第2の光源の輝度を調整する、プロジェクタ。
[付記9]
付記8に記載のプロジェクタにおいて、
前記第1の光源より出力された黄色蛍光の光量が低下した場合に、前記制御部は、前記第1及び第2の光量と前記所定の比率とに基づいて、前記第3の光量の目標値を計算し、該目標値を前記第3の光量で割った値に基づいて、前記第2の光源の輝度を低下させる、プロジェクタ。
[付記10]
付記8または9に記載のプロジェクタにおいて、
前記第2の光源より出力された青色光の光量が低下した場合に、前記制御部は、前記第1及び第2の光量と前記所定の比率とに基づいて、前記第3の光量の目標値を計算し、該目標値を前記第3の光量で割った値に基づいて、前記第2の光源の輝度を増大させる、プロジェクタ。
[付記11]
付記10に記載のプロジェクタにおいて、
前記第3の光量の目標値が前記第2の光源の最大光量を超える場合に、前記制御部は、前記第1の光量の目標値を前記第1の光量より低い値に設定し、該第1の光量の目標値と前記第1及び第2の光量の比率とに基づいて、前記第2の光量の目標値を計算し、該第1及び第2の光量それぞれの目標値と前記所定の比率とに基づいて、前記第3の光量の目標値を計算し、前記第1の光量の目標値を前記第1の光量で割った値に基づいて、前記第1の光源の輝度を低下させ、前記第3の光量の目標値を前記第3の光量で割った値に基づいて、前記第2の光源の輝度を調整する、プロジェクタ。
[付記12]
付記1から4のいずれか1つに記載の照明装置において、
前記第1の光源は、
励起光を出力する第1の青色レーザー素子と、
前記励起光により励起され、黄色の蛍光を放出する蛍光体を含む蛍光体部と、を有し、
前記第2の光源は、青色光を出力する第2の青色レーザー素子を有し、
前記制御部は、前記第1及び第2の青色レーザー素子の輝度を調整する、照明装置。
[付記13]
付記8から12のいずれか1つに記載のプロジェクタにおいて、
前記第1色成分は、緑色成分、赤色成分または黄色成分である、プロジェクタ。
[付記14]
付記8から13のいずれか1つに記載のプロジェクタにおいて、
前記黄色蛍光の光束と前記青色光の光束とが互いに交差する位置に、前記黄色蛍光が第1の面に入射し、前記青色光が前記第1の面とは反対側の第2の面に入射するように設けられ、可視光のうち、青色波長域の光を反射し、かつ、青色波長域以外の波長域の光を透過する、又は、青色波長域の光を透過し、かつ、青色波長域以外の波長域の光を反射するように構成され、前記合成光を生成する色合成素子と、
前記合成光を第1及び第2の光束に分割する光分割素子と、をさらに有し、
前記光センサーは、前記第2の光束を検出し、該第2の光束の前記第1色成分の光量と前記青色成分の光量をそれぞれ示す信号を出力する、プロジェクタ。
[付記15]
互いに通信可能に接続された複数のプロジェクタを有する表示システムであって、
前記複数のプロジェクはそれぞれ、
黄色蛍光を出力する第1の光源と、
青色光を出力する第2の光源と、
前記青色光と前記黄色蛍光とが合成された合成光の青色成分の光量と、前記青色成分とは異なる前記黄色蛍光に含まれる第1色成分の光量とを検出する光センサーと、
前記合成光を映像信号に基づいて変調して画像を形成する表示素子と、
前記表示素子で形成された画像を投射する投射光学系と、
前記第1及び第2の光源の輝度を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記第1の光源をオン、前記第2の光源をオフにした第1の状態で、前記第1色成分の光量である第1の光量と前記青色成分の光量である第2の光量をそれぞれ取得し、前記第1の光源をオフ、前記第2の光源をオンにした第2の状態で、前記青色成分の光量である第3の光量を取得し、前記第1から第3の光量に基づいて、前記合成光の前記第1色成分と前記青色成分との光量の比率が所定の比率になるように、前記第1及び第2の光源の輝度を調整し、
前記複数のプロジェクの1つがメインプロジェクであり、その他がサブプロジェクタであり、
前記メインプロジェクタの前記制御部は、自プロジェクタの前記第1の光量と前記サブプロジェクタの前記第1の光量とのうちの最も小さな測定値を基準にして、自プロジェクタ及び前記サブプロジェクタそれぞれにおける前記第1及び第2の光源の輝度調整を制御する、表示システム。
[付記16]
黄色蛍光を出力する第1の光源と、青色光を出力する第2の光源と、前記青色光と前記黄色蛍光とが合成された合成光の青色成分の光量と、前記青色成分とは異なる前記黄色蛍光に含まれる第1色成分の光量とを検出する光センサーと、を備えた照明装置の光源調整方法であって、
前記第1の光源をオン、前記第2の光源をオフにした第1の状態で、前記第1色成分の光量である第1の光量と前記青色成分の光量である第2の光量をそれぞれ取得し、
前記第1の光源をオフ、前記第2の光源をオンにした第2の状態で、前記青色成分の光量である第3の光量を取得し、
前記第1から第3の光量に基づいて、前記合成光の前記第1色成分と前記青色成分との光量の比率が所定の比率になるように、前記第1及び第2の光源の輝度を調整する、光源調整方法。
[付記17]
付記16に記載の光源調整方法において、
前記第1の光源より出力された黄色蛍光の光量が低下した場合に、前記制御部は、前記第1及び第2の光量と前記所定の比率とに基づいて、前記第3の光量の目標値を計算し、該目標値を前記第3の光量で割った値に基づいて、前記第2の光源の輝度を低下させる、光源調整方法。
[付記18]
付記16または17に記載の光源調整方法において、
前記第2の光源より出力された青色光の光量が低下した場合に、前記制御部は、前記第1及び第2の光量と前記所定の比率とに基づいて、前記第3の光量の目標値を計算し、該目標値を前記第3の光量で割った値に基づいて、前記第2の光源の輝度を増大させる、光源調整方法。
[付記19]
付記18に記載の光源調整方法において、
前記第3の光量の目標値が前記第2の光源の最大光量を超える場合に、前記制御部は、前記第1の光量の目標値を前記第1の光量より低い値に設定し、該第1の光量の目標値と前記第1及び第2の光量の比率とに基づいて、前記第2の光量の目標値を計算し、該第1及び第2の光量それぞれの目標値と前記所定の比率とに基づいて、前記第3の光量の目標値を計算し、前記第1の光量の目標値を前記第1の光量で割った値に基づいて、前記第1の光源の輝度を低下させ、前記第3の光量の目標値を前記第3の光量で割った値に基づいて、前記第2の光源の輝度を調整する、光源調整方法。
[付記20]
付記16から19のいずれか1つに記載の光源調整方法において、
前記第1の光源は、励起光を出力する第1の青色レーザー素子と、前記励起光により励起され、黄色の蛍光を放出する蛍光体を含む蛍光体部と、を有し、前記第2の光源は、青色光を出力する第2の青色レーザー素子を有し、
前記第1及び第2の光源の輝度調整が、前記第1及び第2の青色レーザー素子の輝度を調整することである、光源調整方法。
[付記21]
付記16から20のいずれか1つに記載の光源調整方法において、
前記第1色成分は、緑色成分、赤色成分または黄色成分である、光源調整方法。