特許第6406779号(P6406779)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6406779
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
   A61B17/80
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-529302(P2017-529302)
(86)(22)【出願日】2015年10月28日
(65)【公表番号】特表2017-536194(P2017-536194A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(86)【国際出願番号】KR2015011459
(87)【国際公開番号】WO2016089012
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2017年6月1日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0172255
(32)【優先日】2014年12月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516299235
【氏名又は名称】ベク ヘソン
【氏名又は名称原語表記】PAIK,Hae Sun
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ベク ヘソン
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−189174(JP,A)
【文献】 特表2007−500069(JP,A)
【文献】 特表2007−505682(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0173458(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0030276(US,A1)
【文献】 特表2003−509107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/80
A61B 17/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖性遠位大腿骨骨切り術によって切開された大腿骨に設置される遠位大腿骨骨切り術用の固定器具であって、
前記大腿骨に密着し、複数の結合孔及び長孔が形成される胴体部、
前記胴体部の一端と連結され、複数の行をなし各行に複数の結合孔が形成されるヘッド部、
前記結合孔に挿入されるネジ、及び
前記長孔に結合位置を調節して挿入される摺動ネジを含み、
前記ヘッド部は前記胴体部の下面を基準に上方向に一定の傾斜角を有するように形成され、前記ヘッド部の一側面は前記胴体部の下面を基準に20〜22度の傾斜角を有し、他側面は24〜26度の傾斜角を有し、
前記ヘッド部の上部面において第1行に形成される前記結合孔の中心部を連結する線は前記胴体部の下面を基準とする基準線を基準に3〜5度の傾斜を有し、前記ヘッド部の下部面において第1行に形成される前記結合孔の中心部を連結する線は前記胴体部の下面を基準とする基準線を基準に5〜7度の傾斜を有することを特徴とする閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具。
【請求項2】
前記ヘッド部は、
前記胴体部を基準に左側または右側にねじれて前記胴体部と結合することを特徴とする、請求項1に記載の閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具。
【請求項3】
前記ヘッド部と前記胴体部は湾曲するように形成されて前記大腿骨に密着することを特徴とする、請求項2に記載の閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具。
【請求項4】
前記ヘッド部に結合される前記ネジは特定点に向かうように結合することを特徴とする、請求項2に記載の閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具。
【請求項5】
前記ヘッド部の下部面において第2行に形成される前記結合孔の中心部を連結する線は前記胴体部の下面を基準とする基準線を基準に1.5〜2.5度の傾斜を有することを特徴とする、請求項に記載の閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具。
【請求項6】
前記胴体部の一側面はヘッド部の側面を基準に一定の傾斜を有するように形成されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具。
【請求項7】
前記胴体部は7〜9度の角度を有することを特徴とする、請求項に記載の閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具。
【請求項8】
前記複数の行は各々2個の結合孔が形成され、
前記結合孔の第1列に挿入されるネジは前記胴体部の下面に垂直する基準線を基準に13〜15度の傾斜角を有し、
第2列に挿入される前記ネジは前記胴体部の下面に垂直する基準線を基準に17〜19度の傾斜角を有するように形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具。
【請求項9】
前記ヘッド部または前記胴体部にはガイドピンが固定されるための少なくとも一つのガイドホールが形成されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠位大腿骨骨切り術用の固定器具に関する。より詳しくは、本発明は、遠位部大腿の閉鎖性骨切り術の後にプレートを固定して堅固な固定力を確保する遠位大腿骨骨切り術用の固定器具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、退行性関節炎においては、膝が外側に曲がるX脚に変形がなされ、その他にも先天的なものや生活習慣による後天的な要因、または既にあった骨折あるいは虚血壊死等の他の疾患により膝関節の整列が非正常的に変形される場合がある。
【0003】
この場合、手術的な方法のうちの一つとして膝関節骨切り術があり、これは下肢の非正常的な軸を正すことによって膝関節に与えられる荷重をより健康な関節面に移して応力の分布と関節整列を改善して痛みを改善する治療方法である。
【0004】
膝関節骨切り術は人工膝関節置換術とは異なって自身の関節を保存できる方法であって、人工関節手術の時期を遅らせることができ、関節運動範囲が手術前とほぼ類似するように維持できるという長所がある。
【0005】
膝関節骨切り術の一実施形態である遠位大腿部骨切り術の施行時、一定量の骨を切った後に必要な角度だけ骨を無くし、骨を接合した後、プレートとネジを用いて切開された骨を固定する。
しかし、このような従来のプレートにおいては、韓国人の体形に合わず、骨切り術部位の角度が合わないため、手術後に合併症が発生するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10−0916334号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、プレートのヘッド部を回転させて堅固な結合力を有することができる遠位大腿骨骨切り術用の固定器具を提供する。
また、ヘッド部に角度を形成してネジが骨を離脱しないようにする遠位大腿骨骨切り術用の固定器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい一実施形態である閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具は、閉鎖性遠位大腿骨骨切り術によって切開された大腿骨に設置される遠位大腿骨骨切り術用の固定器具であって、前記大腿骨に密着し、複数の結合孔及び長孔が形成される胴体部、前記胴体部の一端と連結され、複数の結合孔が形成されるヘッド部、前記結合孔に挿入されるネジ、及び前記長孔に結合位置を調節して挿入される摺動ネジを含み、前記ヘッド部は前記ヘッド部の下面を基準に上方向に一定の傾斜角を有するように形成されることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記ヘッド部は、前記胴体部を基準に左側または右側にねじれて前記胴体部と結合することを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記ヘッド部には複数の行をなす結合孔が形成され、各行には複数の結合孔が形成されることを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記ヘッド部と前記胴体部は湾曲するように形成されて前記大腿骨に密着することを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記ヘッド部に結合される前記ネジは特定点に向かうように結合することを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記ヘッド部の上部面において第1行に形成される前記結合孔の中心部を連結する線は基準線を基準に3〜5度の傾斜を有することを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記ヘッド部の下部面において第1行に形成される前記結合孔の中心部を連結する線は基準線を基準に5〜7度の傾斜を有することを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記ヘッド部の下部面において第2行に形成される前記結合孔の中心部を連結する線は基準線を基準に1.5〜2.5度の傾斜を有することを特徴とする。
【0016】
好ましくは、前記ヘッド部の一側面は前記胴体部を基準に20〜22度の傾斜角を有し、他側面は24〜26度の傾斜角を有することを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記胴体部の一側面はヘッド部の側面を基準に一定の傾斜を有するように形成されることを特徴とする。
【0018】
好ましくは、前記胴体部は7〜9度の角度を有することを特徴とする。
【0019】
好ましくは、前記複数の行は各々2個の結合孔が形成され、前記結合孔の第1列に挿入されるネジは基準線を基準に13〜15度の傾斜角を有し、第2列に挿入される前記ネジは基準線を基準に17〜19度の傾斜角を有するように形成されることを特徴とする。
【0020】
好ましくは、前記ヘッド部または前記胴体部にはガイドピンが固定されるための少なくとも一つのガイドホールが形成されることを特徴とする。
【0021】
好ましくは、前記複数の行は各々2個の結合孔が形成され、前記結合孔の第2行に挿入されるネジは垂直線を基準に16〜18度の傾斜を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一実施形態による遠位大腿骨骨切り術用の固定器具によれば、ヘッド部を回転させてプレートと骨を堅固に結合できるという効果がある。
【0023】
また、ヘッド部に角度を形成してネジが骨から離脱しないため、手術後の合併症の発生を減少できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の好ましい一実施形態による遠位大腿骨骨切り術用の固定器具が大腿骨に結合した状態を示す図である。
図2】本発明の構成要素であるプレートの形状を示す図である。
図3図2のプレートにおいて胴体部とヘッド部が結合する結合角を示す図である。
図4】本発明の好ましい一実施形態による遠位大腿骨骨切り術用の固定器具の結合状態を示す図である。
図5】本発明の好ましい一実施形態によるヘッド部に結合したネジに形成される結合角を示す図である。
図6】本発明の好ましい一実施形態によるヘッド部の一側の傾斜を示す図である。
図7】本発明の好ましい一実施形態によるヘッド部の他側の傾斜を示す図である。
図8】本発明の好ましい一実施形態によるヘッド部の下面の傾斜を示す図である。
図9】本発明の好ましい一実施形態によるヘッド部の上面の傾斜を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照し、本発明の実施形態による遠位大腿骨骨切り術用の固定器具を詳細に説明する。先ず、各図面の構成要素に参照符号を付する際、同一の構成要素に対しては他の図面上に表示される時にも可能な限り同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、以下では本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明の技術的思想はこれに限定または制限されず、当業者によって変形されて多様に実施できることは勿論である。
【0026】
図1は、本発明の好ましい一実施形態による遠位大腿骨骨切り術用の固定器具が大腿骨に結合した状態を示す図である。
【0027】
図1を参照すれば、大腿骨2を切開する遠位大腿骨切開術の施術により切断された切断面3を基準に上部大腿骨2aと下部大腿骨2bに区分される。
【0028】
本発明の好ましい一実施形態による閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具1は、前記大腿骨2に密着し、複数の結合孔14及び長孔16が形成される胴体部10、前記胴体部10の一端と連結され、複数の結合孔34が形成されるヘッド部30、前記結合孔14、34に挿入されるネジ12、32、及び前記長孔16に挿入される摺動ネジ54を含むことができる。
【0029】
プレート100は胴体部10とヘッド部30とを含み、大腿骨2に固定させるためのネジ12、32が挿入される複数の結合孔14、34が形成されることができる。
【0030】
胴体部10は細長型に形成され、複数の結合孔14が胴体部10の長さ方向に形成されることができる。胴体部10に形成される結合孔14は一定間隔を有するように形成されて支持力を均一に分布させることができる。胴体部10に形成される結合孔14を貫通するネジ12、32は上部大腿骨2aと直角の方向に結合することができる。胴体部10に結合するネジ12、32の長さは上部大腿骨2aの直径に応じて様々な変形実施が可能である。
【0031】
胴体部10に形成される長孔16には摺動ネジ54が結合することができる。遠位大腿骨骨切り術の施術時、必要なだけの骨を切断し、切断面3を連結して下肢の非正常的な軸を正すようになる。この時、切断面3は一定の位置に形成されなくてもよい。長孔16には摺動ネジ54が結合し、摺動ネジ54は切断面3の位置に応じて移動して大腿骨2と結合することができる。摺動ネジ54は切断面3を貫通しないように上部大腿骨2aに挿入されることができる。
【0032】
図2は本発明の構成要素であるプレートの形状を示す図であり、図3は本発明の構成要素である胴体部の角度を示す図である。
【0033】
図2及び図3を参照すれば、本発明の好ましい実施形態による閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具1のプレート100は手術部位に応じて左側用と右側用に区分され、左側用と右側用は対称構造を有する。
【0034】
胴体部10は上部大腿骨2aと結合し、細長型の形状を有することができる。一実施形態として、胴体部10は上部大腿骨2aから切断面3に行くほど幅が広くなるように形成されることができる。これは、胴体部10が切断面3と結合時に荷重を安定的に支持するためである。
【0035】
胴体部10に形成される結合孔14、34は胴体部10の長さ方向に複数で備えられることができる。胴体部10に形成される結合孔14、34は一定間隔に形成され、ネジ12、32が挿入されて手術部位を安定的に支持することができる。
【0036】
胴体部10の一端、すなわち、ヘッド部30と結合する側には長孔16が形成されることができる。長孔16は胴体部10の長さ方向に形成され、摺動ネジ54結合時に摺動ネジ54の位置調節をすることができる。長孔16は結合位置を調節して人体工学的に設計されたプレート100が大腿骨2に密着できるようにし、プレート100が荷重を安定的に支持できるようにする。
【0037】
ヘッド部30は胴体部10の一端と連結され、複数の結合孔34が形成されることができる。ヘッド部30は胴体部10の幅より広く形成され、下部大腿骨2bと結合することができる。
【0038】
ヘッド部30に形成される結合孔34は複数の行及び複数の列をなすように形成されることができ、各々の結合孔34にはネジ32が挿入されて下部大腿骨2bとプレート100を固定させる。
【0039】
一実施形態として、ヘッド部30に形成される結合孔34は複数の行を形成し、各行には複数の結合孔34が形成されることができる。好ましくは、ヘッド部30に形成される結合孔34は2行2列に形成されることができる。このような結合孔34の配列はヘッド部30の形状に応じて様々な変形実施が可能である。
【0040】
胴体部10とヘッド部30は必要に応じて区分したが、一体に形成されてもよい。胴体部10とヘッド部30の厚さは4〜6mmの厚さに形成され、好ましくは、5mmの厚さに形成されることができる。胴体部10とヘッド部30の厚さは手術を受ける人の年齢及び骨厚さに応じて様々な変形実施が可能である。
【0041】
胴体部10の側面はヘッド部30の側面を基準に一定角度が形成されることができる。一実施形態として、胴体部10の側面がヘッド部30の側面を基準に形成する角度は7〜9度の角度を有するように形成されることができる。胴体部10がヘッド部30を基準に一定角度を有するということはプレート100が大腿骨2に密着して結合するようにするためである。胴体部10が形成する角度は一実施形態に過ぎず、様々な変形実施が可能である。
【0042】
プレート100にはガイドピン(図示せず)が固定されるための少なくとも一つのガイドホール40が形成されることができる。ネジ12、32を挿入する前に、ガイドピン(図示せず)を設けてプレート100を臨時に固定することができる。
【0043】
これは、プレート100に形成される結合孔14、34にネジ12、32を挿入する時、プレート100が流動するのを防止するためである。プレート100が設けられた後にはガイドピン(図示せず)が除去される。
【0044】
一実施形態として、ガイドホール40はヘッド部30を固定するためにヘッド部30側に少なくとも一つが形成され、胴体部10の揺れを防止するために胴体部10側にも少なくとも一つが形成されることができる。
【0045】
図4は本発明の好ましい一実施形態による閉鎖性遠位大腿骨骨切り術用の固定器具の結合状態を示す図であり、図5は本発明の好ましい一実施形態によるヘッド部に結合したネジに形成される結合角を示す図である。
【0046】
図4及び図5を参照すれば、ヘッド部30は胴体部10を基準に一定の傾斜を有するように形成されることができる。この時、ヘッド部30に結合するネジ32は垂直線を基準に一定の傾斜角を有することができる。ネジ32の傾斜角はヘッド部30の傾斜によって自然に発生しうるし、結合孔34の角度に応じて変形されることができる。
【0047】
一実施形態として、結合孔34は2行2列に形成され、第2行の結合孔34に結合するネジ32は垂直線を基準に16〜18度の傾斜角を有するように形成されることができる。
【0048】
また、第1列及び第2列の結合孔34と結合するネジ32は特定点に向かうように結合することができる。これは、ヘッド部30が下部大腿骨2bと結合時にネジ32が下部大腿骨2bを貫通するのを防止して、下部大腿骨2bとの結合を安定的に維持するためである。
【0049】
一実施形態として、ヘッド部30に挿入されるネジ32は下部大腿骨2bと結合時に基準線を基準に一定角度を形成することができる。プレート100を側面に立てた場合、ヘッド部30の第1列に結合するネジ32は水平線を基準に13〜15度の傾斜角を有し、第2列に結合するネジ32は水平線を基準に17〜19度の傾斜角を有することができる。
ヘッド部30に結合されるネジ32の結合角は下部大腿骨2bの厚さに応じて様々な変形実施が可能である。
【0050】
図6は本発明の好ましい一実施形態によるヘッド部の一側の傾斜を示す図であり、図7は本発明の好ましい一実施形態によるヘッド部の他側の傾斜を示す図である。
【0051】
図6及び図7を参照すれば、本発明の好ましい一実施形態によるヘッド部30は胴体部10を基準に左側または右側にねじれるように形成されることができる。これは、大腿骨2の骨格構造に合わせて下部大腿骨2bにヘッド部30が密着するようにするためである。ヘッド部30が胴体部10を基準にツイストされることにより、ヘッド部30の一側面と他側面がなす角度は異なりうる。
【0052】
一実施形態として、ヘッド部30の一側面は胴体部10を基準に20〜22度の傾斜角を有するように形成され、他側面は24〜26度の傾斜角を有するように形成されることができる。ヘッド部30の傾斜角は下部大腿骨2bの形状に応じて様々な変形実施が可能である。
【0053】
図8は本発明の好ましい一実施形態によるヘッド部の下面の傾斜を示す図であり、図9は本発明の好ましい一実施形態によるヘッド部の上面の傾斜を示す図である。
【0054】
図8及び図9を参照すれば、プレート100は大腿骨2の外周面と密着するために一定曲率を有するように湾曲して形成されることができる。プレート100の曲率は制限がなく、様々な変形実施が可能である。
【0055】
プレート100のヘッド部30は胴体部10を基準に上方に傾斜を有するように形成され、前記で言及したように胴体部10を基準に左側または右側にねじれるように形成されることができる。
【0056】
ヘッド部30の上部面において第1行に形成される結合孔34の中心部を連結する線は基準線、すなわち、水平線を基準に3〜5度の傾斜角を有するように形成されることができる。
【0057】
また、ヘッド部30の下部面において第1行に形成される結合孔34の中心部を連結する線は水平線を基準に5〜7度の傾斜角を有するように形成され、第2行に形成される結合孔34の中心部を連結する線は水平線を基準に1.5〜2.5の傾斜角を有するように形成されることができる。
【0058】
このように、ヘッド部30に形成される結合孔34部位の傾斜角が異なるということは大腿骨2の形状が一定した曲率を有していないためであり、このような結合孔34が形成されるヘッド部30は大腿骨2に密着して結合することができる。
このように、本発明の一実施形態による遠位大腿骨骨切り術用の固定器具によれば、ヘッド部を回転させてプレートと骨を堅固に結合できるという効果がある。
また、ヘッド部に角度を形成してネジが骨から離脱しないため、手術後の合併症の発生を減少できるという効果がある。
【0059】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な修正、変更及び置換が可能である。よって、本発明に開示された実施形態及び添付された図面は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態及び添付された図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は下記の請求範囲によって解釈しなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれると解釈しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9