特許第6406789号(P6406789)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6406789
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20181004BHJP
   H05K 7/06 20060101ALI20181004BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   H02G3/16
   H05K7/06 C
   B60R16/02 610A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-136427(P2015-136427)
(22)【出願日】2015年7月7日
(65)【公開番号】特開2017-22808(P2017-22808A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2017年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】堀内 俊亨
(72)【発明者】
【氏名】引馬 康博
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕也
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−70462(JP,A)
【文献】 特開2002−186150(JP,A)
【文献】 特開2002−84625(JP,A)
【文献】 特開平1−174211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
B60R 16/02
H05K 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種類の電気接続箱本体と、
該電気接続箱本体に択一的に選択されて組み付けられることにより互いに異なる回路を形成する複数種類のバスバー仕様とを含んでおり、
前記電気接続箱本体には、前記複数種類のバスバー仕様をそれぞれ収容可能な共通バスバー収容部が設けられている一方、
前記共通バスバー収容部に絶縁プレート収容部が設けられており、
前記共通バスバー収容部に収容された前記バスバー仕様が複数のバスバーから構成されている場合には、前記絶縁プレート収容部に絶縁プレートを収容配置することにより、隣接する前記バスバー間を絶縁隔離するようになっている
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記絶縁プレート収容部には、外部から視認可能な嵌合視認部が設けられている一方、前記絶縁部プレートには嵌合確認部が設けられており、前記絶縁プレートが前記絶縁プレート収容部に正規嵌合された際に、前記嵌合確認部が前記嵌合視認部に配置されるようになっている請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記絶縁プレートが平板状本体部と、前記絶縁プレートの前記絶縁プレート収容部への挿入方向に延出して前記平板状本体部の表面上に突出するロック突部を含んで構成されており、
前記ロック突部の前記挿入方向での基端部に前記絶縁プレート収容部に設けられた被ロック部が嵌合されて、前記絶縁プレートが前記絶縁プレート収容部に対してロック状態に保持される一方、
前記ロック突部の前記挿入方向での先端部に前記嵌合確認部が設けられており、前記ロック状態で前記嵌合確認部が前記嵌合視認部に配置されるようになっている請求項2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記絶縁プレートが前記電気接続箱本体とは異なる色で設けられている請求項2又は3に記載の電気接続箱。
【請求項5】
前記複数種類のバスバー仕様が、1種類の全体バスバーからなる第一仕様と、前記1種類の全体バスバーを切断分離することにより形成された複数のバスバーからなる第二仕様を含んで構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載の電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の種類等により回路が異なる複数種類の自動車用電気接続箱を効率よく製造することができる電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車の電気配線の効率化やメンテナンス性の向上を目的として電気接続箱が用いられている。このような電気接続箱では、例えば、特開2004−80841号公報(特許文献1)に記載されているように、電気接続箱本体にバスバーが組み付けられて電源回路が構成されている。
【0003】
ところで、このような電気接続箱においては、自動車に搭載された多数の電気負荷に電力を供給するため、車載発電機の発電電力により充電可能な鉛蓄電池を備えた電源装置が搭載されている。さらに近年では、自動車に搭載される電気負荷は年々増加する傾向にある。このような電気負荷の増加に対応して、従来の電源システムに、従来の鉛蓄電池等の第1のバッテリより高電圧で充放電可能なリチウムイオン電池等の第2のバッテリと、車載発電機で発電された電力を昇圧する昇圧手段とを加えて、昇圧手段が昇圧した電力により第2のバッテリを充電し、従来より高電圧の電力を負荷に供給可能となした電源装置が提案されている。例えば、特開2008−125159号公報(特許文献2)に記載のものがそれである。そして、このように、電源装置が、車両の種類等により、鉛蓄電池のみの場合と鉛蓄電池およびリチウムイオン電池等からなる場合があるときには、それぞれの場合に対応した電気接続箱本体とバスバーが準備されていた。
【0004】
しかしながら、このように電源装置の種類に応じて電気接続箱本体とバスバーの仕様を何れも変更する方式では、車両の種類毎に複数種類の電気接続箱本体と複数種類のバスバー仕様を構成するバスバーとをそれぞれ管理しなければならず、製品管理が煩雑となっていた。また、電気接続箱本体の成型用金型の変更が必要となるため、製造コストが嵩むという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−80841号公報
【特許文献2】特開2008−125159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、車両の種類等により回路が異なる場合でも、電気接続箱本体の種類を増やすことなく安価な製造や簡易な製品管理が可能である、新規な構造の電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様は、一種類の電気接続箱本体と、該電気接続箱本体に択一的に選択されて組み付けられることにより互いに異なる回路を形成する複数種類のバスバー仕様とを含んでおり、前記電気接続箱本体には、前記複数種類のバスバー仕様をそれぞれ収容可能な共通バスバー収容部が設けられている一方、前記共通バスバー収容部に絶縁プレート収容部が設けられており、前記共通バスバー収容部に収容された前記バスバー仕様が複数のバスバーから構成されている場合には、前記絶縁プレート収容部に絶縁プレートを収容配置することにより、隣接する前記バスバー間を絶縁隔離するようになっていることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、一種類の電気接続箱本体の共通バスバー収容部に、互いに異なる回路を形成する複数種類のバスバー仕様が収容可能とされている。これにより、従来の如き、複数種類のバスバー仕様毎に形状の異なる電気接続箱本体を設ける必要がなく、電気接続箱本体を共通化して製造コストの低減や製品管理の簡素化を図ることができる。
【0009】
しかも、選択されたバスバー仕様が、複数のバスバーから構成される場合には、絶縁プレート収容部に絶縁プレートを収容配置するだけで、隣接するバスバー間を絶縁離隔することができ、共通バスバー収容部を用いた場合に懸念される隣接バスバー間の絶縁性を安定して確保することができる。
【0010】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記絶縁プレート収容部には、外部から視認可能な嵌合視認部が設けられている一方、前記絶縁部プレートには嵌合確認部が設けられており、前記絶縁プレートが前記絶縁プレート収容部に正規嵌合された際に、前記嵌合確認部が前記嵌合視認部に配置されるようになっているものである。
【0011】
本態様によれば、共通バスバー収容部内に設けられた絶縁プレート収容部に絶縁プレートが正規に嵌合されているか否か、外部から視認可能となることから、絶縁プレートによる隣接バスバーの絶縁性を一層確実に担保することができる。
【0012】
本発明の第三の態様は、前記第二の態様に記載のものにおいて、前記絶縁プレートが平板状本体部と、前記絶縁プレートの前記絶縁プレート収容部への挿入方向に延出して前記平板状本体部の表面上に突出するロック突部を含んで構成されており、前記ロック突部の前記挿入方向での基端部に前記絶縁プレート収容部に設けられた被ロック部が嵌合されて、前記絶縁プレートが前記絶縁プレート収容部に対してロック状態に保持される一方、前記ロック突部の前記挿入方向での先端部に前記嵌合確認部が設けられており、前記ロック状態で前記嵌合確認部が前記嵌合視認部に配置されるようになっているものである。
【0013】
本態様によれば、絶縁プレートが平板状本体部を有していることから、平板状本体部の板厚方向両側に隣接バスバーが配置されるように絶縁プレートを収容することで、省スペースかつ確実な隣接バスバー間の絶縁構造を提供できる。さらに絶縁プレートが絶縁プレート収容部にロック状態で保持されることから、絶縁プレートの絶縁プレート収容部からの抜け落ちなどの問題を有利に防止できる。
【0014】
しかも、平板状本体部に突設されて絶縁プレートの絶縁プレート収容部への挿入方向に延びるロック突部を利用して、絶縁プレートの絶縁プレート収容部への確実かつ安定した嵌合と嵌合確認部の形成を両立して実現することができる。これにより、少ない部品点数で絶縁プレートの正規嵌合の確認と正規嵌合位置での保持をコンパクトかつ確実に実現できる。
【0015】
本発明の第四の態様は、前記第二または第三の態様に記載のものにおいて、前記絶縁プレートが前記電気接続箱本体とは異なる色で設けられているものである。
【0016】
本態様によれば、電気接続箱本体と絶縁プレートの色が異なることから、電気接続箱本体の嵌合視認部における絶縁プレートの嵌合確認部の配置状態を一層容易に確認することができ、絶縁プレートの非正規嵌合状態を有利に判別することが可能となる。
【0017】
本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に記載のものにおいて、前記複数種類のバスバー仕様が、1種類の全体バスバーからなる第一仕様と、前記1種類の全体バスバーを切断分離することにより形成された複数のバスバーからなる第二仕様を含んで構成されているものである。
【0018】
本態様によれば、複数種類のバスバー仕様が、1種類の全体バスバーからなる第一仕様と、1種類の全体バスバーを切断分離することにより形成された複数のバスバーから構成される第二仕様とを含んでいる。従って、第二仕様は第一仕様の全体バスバーを切断分離するだけで設けることができることから、複数の回路違いに対応可能な電気接続箱を、バスバーの金型をも共通化して製造することができ、さらなるコストの削減を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、一種類の電気接続箱本体の共通バスバー収容部に、互いに異なる回路を形成する複数種類のバスバー仕様が収容可能とされている。これにより、従来のように複数種類のバスバー仕様毎に形状の異なる電気接続箱本体を設ける必要がないことから、製造コストの低減や製品管理の簡素化を図ることができる。しかも、選択されたバスバー仕様が複数のバスバーから構成される場合には、絶縁プレート収容部に絶縁プレートを収容配置するだけで隣接するバスバー間を絶縁離隔できる。それゆえ、共通バスバー収容部を用いた場合に懸念される隣接バスバー間の絶縁性を安定して確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態としての1つの電気接続箱を示す分解斜視図。
図2】本発明の一実施形態としてのもう1つの電気接続箱を示す分解斜視図。
図3図1および図2に共通する電気接続箱本体の底面図。
図4図2に示す電気接続箱の底面図。
図5図2に示す電気接続箱の平面図。
図6図2に示す絶縁プレートの別の方向から見た斜視図。
図7図5におけるVII−VII断面の要部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
先ず、図1および図2に、本発明の一実施形態としての2つの電気接続箱10a,10bをそれぞれ示す。かかる2つの電気接続箱10a,10bは、同じ一種類の電気接続箱本体12を有する一方、電気接続箱本体12に択一的に選択されて組み付けられるバスバー仕様が異なっている。すなわち、一方の電気接続箱10aのバスバー仕様が、1種類の全体バスバー14からなる第一仕様16とされている一方、他方の電気接続箱10bのバスバー仕様が、1種類の全体バスバー14を切断分離することにより形成された2つのバスバー18a,18bからなる第二仕様20とされているのである。これにより、2つの電気接続箱10a,10bには、互いに異なる回路が構成されるようになっている。なお、以下の説明において、上方とは、図1中の上方、下方とは、図1中の下方を言うものとする。
【0023】
図1〜2に示されているように、電気接続箱本体12は、全体として長手矩形ブロック形状を呈しており、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)等の絶縁性の合成樹脂により射出成形等によって一体形成されている。電気接続箱本体12の上面22には、リレー装着部26やヒューズ装着部28などの多数の電気部品装着部が、上方に向かって開口形成されている。一方、電気接続箱本体12の下面24には、多数の端子収容部が下方に向かって開口形成されており、図示しない導通部材としての電線の端末に圧着された圧着端子や内部回路を構成する各種バスバー等が、かかる端子収容部に収容配置されている。なお、電気接続箱本体12の上面22および下面24は、図示しないアッパカバーとロアカバーが取り付けられることにより覆蓋されるようになっている。
【0024】
図3に示されているように、電気接続箱本体12の下面24には、電気接続箱本体12の長手方向(図3中、左右方向)に細溝状に延び出しかつ下面24に開口する略矩形断面形状の共通バスバー収容部30が設けられている。かかる共通バスバー収容部30は、一方の電気接続箱10aを構成する第一仕様16の1種類の全体バスバー14が収容可能となるように形成されている。それゆえ、他方の電気接続箱10bを構成する第二仕様20の2つのバスバー18a,18bについても、1種類の全体バスバー14を切断分離することにより形成されていることから、共通バスバー収容部30に勿論収容可能となっている。なお、理解を容易とするため、図3〜5においては、電気接続箱本体12を仮想線で記載している。
【0025】
ここで、各バスバー14、18a,18bは、図1〜2に示されているように、導電性金属板の打抜加工等で形成されたプレートであって、その先端部に音叉端子32やタブ端子34等を備えている。また、その基端部には外部に導出される電線の端末に接続される圧着部36や当止部38が設けられている一方、中間部分には係合孔40が板厚方向に貫設されている。そして、各バスバー14、18a,18bが共通バスバー収容部30に挿入された際には、係合孔40に後述する樹脂ランス66が係合すると共に当止部38が下面24に当接する(図7参照)ことにより、各バスバー14、18a,18bが共通バスバー収容部30内にロック状態で安定的に収容されると共に必要以上に押し込まれることが防止されている。かかる状態において、先端部の音叉端子32やタブ端子34がリレー装着部26やヒューズ装着部28内に配設されるようになっている(図5参照)。
【0026】
さらに、共通バスバー収容部30には、図3に示されているように、他方の電気接続箱10bを構成する絶縁プレート44が収容可能となるように形成された略鉤状断面形状の絶縁プレート収容部42が設けられている。かかる絶縁プレート44は、共通バスバー収容部30の長手方向の中間部分から長手方向に直交する両方向に延び出して構成されている。図4に示されているように、共通バスバー収容部30に2つのバスバー18a,18bが収容されている場合には、絶縁プレート収容部42が隣接する2つのバスバー18a,18b間に設けられていることから、絶縁プレート収容部42に絶縁プレート44を収容配置することにより、隣接する2つのバスバー18a,18b間を絶縁プレート44により絶縁隔離することができる。また、図5に示されているように、絶縁プレート収容部42には、電気接続箱本体12の上面22に開口して外部から視認可能とされる略矩形断面形状を有する嵌合視認部46が設けられている。
【0027】
絶縁プレート44は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)等の絶縁性の合成樹脂により射出成形等によって一体的に形成されている。また、絶縁プレート44は、図2および図6に示されているように、略矩形平板状の平板状本体部48と、絶縁プレート44の絶縁プレート収容部42への挿入方向(図2中、上方)に延出すると共に平板状本体部48の表面50上に突出する略矩形断面形状のロック突部52と、を含んで構成されている。より詳細には、平板状本体部48は、図2に示されているように、長手方向に延びる一方の側縁部が中間部分から先端部に至る全長に亘って略縦長矩形状に切り欠かれており、これによって一方の側縁部の基端側に長手方向に直交する方向に略矩形断面形状で突出する当止部54が形成されている。また、ロック突部52は、切り欠かれた部位の長手方向に延びる側縁部の全長に亘って延出すると共にさらに平板状本体部48の先端部を越えて上方に向かって突出して形成されている。そして、上方に向かって突設されたロック突部52の先端部によって嵌合確認部56が構成されている。なお、本実施形態では、絶縁プレート44が電気接続箱本体12とは異なる色で設けられている。絶縁プレート44を電気接続箱本体12と異なる色で形成する方法としては、合成樹脂材料に異なる色彩の顔料を添加したり、成形後に塗料を塗布する等の任意の方法が採用され得る。
【0028】
絶縁プレート44が絶縁プレート収容部42に正規嵌合された際には、図7に示されているように、ロック突部52の基端部58に絶縁プレート収容部42に設けられた被ロック部たる略三角断面形状の係合突起60が嵌合されて、絶縁プレート44が絶縁プレート収容部42に対してロック状態に保持されるようになっている。より詳細には、絶縁プレート44が絶縁プレート収容部42に挿入された際には、まず絶縁プレート44のロック突部52の先端部が絶縁プレート収容部42に設けられた係合突起60に当接する。さらに絶縁プレート44を絶縁プレート収容部42に向かって押し込むと、係合突起60が押しつぶされて絶縁プレート収容部42の開口が広がることから、絶縁プレート44の絶縁プレート収容部42に対するさらなる挿入が許容される。そして、絶縁プレート44のロック突部52の基端部58が絶縁プレート収容部42に設けられた係合突起60を越えると、係合突起60が弾性復帰する。これにより、ロック突部52の基端部58に係合突起60が嵌合されて、絶縁プレート44が絶縁プレート収容部42に対してロック状態に保持される。かかるロック状態において、図5および図7に示されているように、ロック突部52の先端部に設けられた嵌合確認部56が嵌合視認部46に配置されるようになっている。ここで、嵌合確認部56の先端面62と嵌合視認部46の先端面64が略面一とされている。また、図7には、共通バスバー収容部30に挿入されたバスバー18bが、係合孔40に樹脂ランス66が係合することにより、共通バスバー収容部30内にロック状態で安定的に収容される状態も示されている。
【0029】
このような構造とされた本実施形態の電気接続箱10(10a,10b)によれば、電気接続箱本体12の共通バスバー収容部30に対して、互いに異なる回路を形成する2種類のバスバー仕様16、20を構成するバスバー14、18a,18bが収容可能とされている。これにより、従来のようにバスバー仕様毎に形状の異なる電気接続箱本体を形成する必要がなくなることから、共通化された電気接続箱本体12を用いることにより、製造コストの低減や製品管理の簡素化を図ることができる。また、本実施形態においては、第二仕様20を構成する2つのバスバー18a,18bは、第一仕様16を構成する1種類の全体バスバー14を切断分離することにより形成されていることから、バスバーの金型も共通化して製造することが可能となり、さらなるコストの削減を図ることができる。
【0030】
しかも、選択されたバスバー仕様が2つのバスバー18a,18bから構成されるような場合であっても、絶縁プレート収容部42に絶縁プレート44を収容配置することにより、隣接する2つのバスバー18a,18b間を絶縁プレート44により絶縁隔離することができるようになっている。それゆえ、共通バスバー収容部30を用いた場合に懸念される隣接バスバー18a,18b間の絶縁性を安定して確保することができる。
【0031】
また、絶縁プレート収容部42に外部から視認可能な嵌合視認部46が設けられていることから、絶縁プレート44が絶縁プレート収容部42に正規嵌合されているか否かが外部から視認可能となる。それゆえ、絶縁プレート44による隣接するバスバー18a,18b間の絶縁性を一層確実に担保することができる。特に、本実施形態では、絶縁プレート44が電気接続箱本体12とは異なる色で設けられていることから、電気接続箱本体12の嵌合視認部46における絶縁プレート44の嵌合確認部56の配置状態を一層容易に確認することができ、絶縁プレート44が絶縁プレート収容部42に正規嵌合されているか否かを有利に判別することが可能となる。
【0032】
加えて、絶縁プレート44が平板状本体部48を有していることから、平板状本体部48の板厚方向両側に隣接するバスバー18a,18bが配置されるように絶縁プレート44を収容配置することにより、省スペースかつ確実に隣接するバスバー18a,18b間の絶縁を確保できる。また、絶縁プレート44が絶縁プレート収容部42内にロック状態で保持されていることから、絶縁プレート44が絶縁プレート収容部42から抜け落ちるなどの問題を有利に防止できる。
【0033】
しかも、絶縁プレート44のロック突部52により、絶縁プレート44の絶縁プレート収容部42に対する確実かつ安定した嵌合と嵌合確認部56の形成を両立して実現することができる。これにより、少ない部品点数で絶縁プレート44が絶縁プレート収容部42に正規嵌合されているか否かの確認と正規嵌合位置での保持をコンパクトかつ確実に実現することができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、本実施形態では、バスバー仕様16,20は2種類であったが、3種類以上あってもよい。また、第二仕様20のバスバー仕様は2つのバスバー18a,18bから構成されていたが、3つ以上のバスバーから構成されていてもよい。さらに、絶縁プレート44は必ずしも電気接続箱本体12と異なる色で設ける必要はなく、電気接続箱本体12と同じ色で設けた場合でも、嵌合視認部46における嵌合確認部56の目視確認により、正規嵌合状態を確実に判別することができる。
【符号の説明】
【0035】
10,10a,10b:電気接続箱、12:電気接続箱本体、14:1種類の全体バスバー、16:第一仕様(バスバー仕様)、18a,18b:バスバー、20:第二仕様(バスバー仕様)、30:共通バスバー収容部、42:絶縁プレート収容部、44:絶縁プレート、46:嵌合視認部、48:平板状本体部、50:表面、52:ロック突部、56:嵌合確認部、58:基端部、60:係合突起(被ロック部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7