(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
隣接する第1太陽光パネルと第2太陽光パネルとの間に設けられて、前記第1太陽光パネルおよび前記第2太陽光パネルをともに架台に固定する太陽光パネルの取付金具において、
前記架台と対向する側から前記第1太陽光パネルと当接し該第1太陽光パネルを前記架台に押し付けて固定する第1押し付け部と、
前記架台と対向する側から前記第2太陽光パネルと当接し該第2太陽光パネルを前記架台に押し付けて固定する第2押し付け部と、
前記第1押し付け部および前記第2押し付け部を連結するとともに前記架台に固定される架台固定部と、
前記第2押し付け部と連続して設けられて前記第2太陽光パネルを前記第2押し付け部と前記架台との間にガイドするガイド部と、
前記第1押し付け部と連続して設けられて前記第1太陽光パネルの端面と当接して該端面を押さえる第1押さえ部と、
前記第2押し付け部と連続して設けられて前記第2太陽光パネルの端面と当接して該端面を押さえる第2押さえ部と、を備え、
該ガイド部は、前記第2押し付け部が前記第2太陽光パネルと当接する面と連続するガイド面を有し、
該ガイド面は、前記第2押し付け部側よりも前記第2押し付け部側と離間する側が前記架台との間隔が大きく、
前記第1押さえ部は、前記架台と離間し、前記第2押さえ部は、前記架台と当接していることを特徴とする太陽光パネルの取付金具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような太陽光パネルの架台への取付方法では、既に架台に固定された太陽光パネルと隣接する太陽光パネルを架台に固定する際に、既に架台に固定された太陽光パネルがあることにより、新たに架台に固定する太陽光パネルのうち、既に架台に固定された太陽光パネル側の端部に作業者が近づくことができない。このため、この端部を架台に固定する場合は、作業者が無理な姿勢で固定作業を行ったり、専用の治具を使用して固定作業を行ったりしなければならない。
また、太陽光パネルを1枚ずつ架台に固定する方法では、固定作業に時間がかかっている。
このため、太陽光パネルの架台への取り付けを容易に行うことができる太陽光パネルの取付金具、太陽光パネルの架台、および太陽光パネルの施工方法が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、太陽光パネルの架台への取り付けを容易に行うことができる太陽光パネルの取付金具、太陽光パネルの架台、および太陽光パネルの施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る太陽光パネルの取付金具は、隣接する第1太陽光パネルと第2太陽光パネルとの間に設けられて、前記第1太陽光パネルおよび前記第2太陽光パネルをともに架台に固定する太陽光パネルの取付金具において、前記架台と対向する側から前記第1太陽光パネルと当接し該第1太陽光パネルを前記架台に押し付けて固定する第1押し付け部と、前記架台と対向する側から前記第2太陽光パネルと当接し該第2太陽光パネルを前記架台に押し付けて固定する第2押し付け部と、前記第1押し付け部および前記第2押し付け部を連結するとともに前記架台に固定される架台固定部と、前記第2押し付け部と連続して設けられて前記第2太陽光パネルを前記第2押し付け部と前記架台との間にガイドするガイド部
と、前記第1押し付け部と連続して設けられて前記第1太陽光パネルの端面と当接して該端面を押さえる第1押さえ部と、前記第2押し付け部と連続して設けられて前記第2太陽光パネルの端面と当接して該端面を押さえる第2押さえ部と、を備え、該ガイド部は、前記第2押し付け部が前記第2太陽光パネルと当接する面と連続するガイド面を有し、該ガイド面は、前記第2押し付け部側よりも前記第2押し付け部側と離間する側が前記架台との間隔が大き
く、前記第1押さえ部は、前記架台と離間し、前記第2押さえ部は、前記架台と当接していることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る太陽光パネルの施工方法は、前記第1太陽光パネルを前記架台に設置し、前記第1押し付け部で前記第1太陽光パネルを前記架台に押し付けるようにして前記太陽光パネルの取付金具を前記架台に固定した後に、前記第2太陽光パネルをスライドさせ、該第2太陽光パネルの端部を前記ガイド部と前記架台との間を通過させて前記
第2押し付け部と前記架台との間に挿入し、前記第2太陽光パネルを前記第2押し付け部で前記架台に押し付けることを特徴とする。
【0008】
本発明では、第1太陽光パネルを第1押し付け部で架台に押し付けるようにして太陽光パネルの取付金具で架台に固定した後に、第2太陽光パネルをスライドさせて第2押し付け部と架台との間に挿入し、第2太陽光パネルを第2押し付け部で架台に押し付けることで、第2太陽光パネルを架台に固定することができる。そして、太陽光パネルの取付金具は、ガイド部を有することにより、スライドさせた第2太陽光パネルを第2押し付け部と架台との間にスムーズに挿入させることができる。
【0009】
このように、第2太陽光パネルを第2押し付け部と架台との間に挿入することで、第2太陽光パネルが架台に固定されるため、第2太陽光パネルの第1太陽光パネル側の端部をボルト・ナットなどの固定具で直接固定する必要がない。これにより、従来のように、第2太陽光パネルの第1太陽光パネル側の端部に作業者が近づくことができないことによって生じる、作業者が無理な姿勢で固定作業を行ったり、専用の治具を使用して固定作業を行ったりしなければならないという問題がないため、第2太陽光パネルの取り付けを容易に行うことができる。
また、従来のように太陽光パネルを1つずつ固定具で架台に固定する場合と比べて、太陽光パネルの架台への取り付けにかかる時間を短縮することができる。
また、本発明に係る太陽光パネルの取付金具では、前記第1太陽光パネルの端面と当接して該端面を押さえる第1押さえ部が、前記第1押し付け部と連続して設けられて、前記第2太陽光パネルの端面と当接して該端面を押さえる第2押さえ部が、前記第2押し付け部と連続して設けられていて、前記第1押さえ部は、前記架台と離間し、前記第2押さえ部は、前記架台と当接している。
このような構成とすることにより、第1押さえ部と第2押さえ部とが第1太陽光パネルおよび第2太陽光パネルの位置決め部材となり、第1太陽光パネルおよび第2太陽光パネルを正位置に容易に設置することができる。
また、第1太陽光パネルを太陽光パネルの取付金具で固定する際には、第1押さえ部が架台と離間していることにより、第1押さえ部を介して架台から反力が第1押し付け部に伝達することがないため、第1押し付け部で第1太陽光パネルを架台へ確実に押し付けて固定することができる。
【0011】
また、本発明に係る太陽光パネルの取付金具では、前記ガイド面は、前記第2押し付け部側から前記第2押し付け部と離間する側に向かって前記架台との間隔が漸次大きくなるテーパ面であることが好ましい。
このような構成とすることにより、第2太陽光パネルをガイド面に沿って移動させて、第2押し付け部と架台との間にスムーズに挿入することができる。
【0013】
また、本発明に係る太陽光パネルの架台では、上記の太陽光パネルの取付金具を用いて太陽光パネルが取り付けられる太陽光パネルの架台において、前記太陽光パネルを支持する垂木を備え、前記垂木は、前記太陽光パネルの取付金具を固定具で固定可能であるとともに、延在方向に延びて前記固定具がスライド可能な溝部が形成されていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、太陽光パネルの取付金具を固定具とともにスライドさせることによって、太陽光パネルの取付金具の位置を容易に調整することができる。
【0014】
また、本発明に係る太陽光パネルの架台では、前記垂木は、アルミニウムを材料として形成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、垂木に溝部を容易に形成することができる。
【0015】
また、本発明に係る太陽光パネルの架台は、前記垂木を支持する梁材と、該梁材を支持する支柱とを備え、前記梁材および前記支柱はスチールを材料として形成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、梁材および支柱の強度を確保することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1太陽光パネルを第1押し付け部で架台に押し付けるようにして太陽光パネルの取付金具で架台に固定した後に、第2太陽光パネルをスライドさせて第2押し付け部と架台との間に挿入し、第2太陽光パネルを第2押し付け部で架台に押し付けることで、第2太陽光パネルを架台に固定することができる。そして、太陽光パネルの取付金具は、ガイド部を有することにより、スライドさせた第2太陽光パネルを第2押し付け部と架台との間にスムーズに挿入させることができる。
【0017】
このように、第2太陽光パネルを第2押し付け部と架台との間に挿入することで、第2太陽光パネルが架台に固定されるため、第2太陽光パネルの第1太陽光パネル側の端部をボルト・ナットなどの固定具で直接固定する必要がない。これにより、従来のように、第2太陽光パネルの第1太陽光パネル側の端部に作業者が近づくことができないことによって生じる、作業者が無理な姿勢で固定作業を行ったり、専用の治具を使用して固定作業を行ったりしなければならないという問題がないため、第2太陽光パネルの取り付けを容易に行うことができる。
また、従来のように太陽光パネルを1つずつ固定具で架台に固定する場合と比べて、太陽光パネルの架台への取り付けにかかる時間を短縮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(太陽光パネルの取付金具および太陽光パネルの架台)
以下、本発明の実施形態による太陽光パネルの取付金具および太陽光パネルの架台について、
図1乃至
図6に基づいて説明する。
図1および
図2に示すように、本実施形態による太陽光パネル1,1…は、所定の厚さの平面視略長方形の板状に形成された公知のもので、架台2の上に複数配列されて、取付金具(太陽光パネルの取付金具)3,3…で架台(太陽光パネルの架台)2に固定されている。
【0020】
本実施形態では、架台2は、地盤Gに支持された基礎21(
図1参照)と、基礎21に立設する支柱22(
図1参照)と、支柱22の上部に固定された2本の梁材23,23と、梁材23,23にそれぞれ固定された8本の垂木24,24…と、を備えている。
2本の梁材23,23は、東西方向に延在し、南北方向に所定の間隔をあけるとともに南側の梁材23が北側の梁材23よりも低い位置に配されている。また、8本の垂木24,24…は、2本の梁材23,23に直交する方向に延在し、東西方向に所定の間隔をあけて2本の梁材23,23の上側にそれぞれ固定されている。そして、これらの垂木24,24…は、南側の端部が北側の端部よりも低い位置となるように傾斜している。
【0021】
基礎21は、コンクリートを材料として形成され、支柱22および梁材23は、スチールを材料として形成されている。
垂木24は、アルミニウムを材料として形成されていて、上面24a(
図1参照)に後述する取付金具3の固定具7がスライドする溝部(
図3参照)25が延在方向に沿って形成されている。
【0022】
本実施形態では、16枚の太陽光パネル1,1…が、架台2の上に梁材23の延在方向(以下、東西方向とする)に4列、垂木24の延在方向(以下、南北方向とする)に4段配列されている。東西方向および南北方向に隣り合う太陽光パネル1,1の間には、20mm程の隙間(目地)が設けられている。これらの太陽光パネル1,1…は、垂木24の傾斜に沿うように傾斜して配置されている。
そして、南北方向に隣り合う太陽光パネル1,1の間と、南北方向の両端部に配列された太陽光パネル1,1…の南北方向の端部(隣りに太陽光パネル1が配されない側の端部)に取付金具3,3…が設けられていて、これらの取付金具3,3…によって太陽光パネル1,1…が架台2の垂木24,24…に固定されるように構成されている。
【0023】
図3および
図4に示すように、取付金具3は、例えばアルミニウムなどを材料として形成されていて、南北方向に隣り合う2枚の太陽光パネル1,1のうち、南側に配される第1太陽光パネル1Aを係止する第1係止部4と、北側に配される第2太陽光パネル1Bを係止する第2係止部5と、第1係止部4および第2係止部5と連結されて垂木24(架台2)に固定される架台固定部6と、を備えている。
【0024】
第1係止部4は、第1太陽光パネル1Aの第2太陽光パネル1Bと対向する側(北側)の端面1a近傍の上面1bと当接して第1太陽光パネル1Aを垂木24へ押し付ける第1押し付け部41と、第1太陽光パネル1Aの北側の端面1aと当接してこの端面1aを押さえる第1押さえ部42と、を有している。
第2係止部5は、第2太陽光パネル1Bの第1太陽光パネル1Aと対向する側(南側)の端面1c近傍の上面1dと当接して第2太陽光パネル1Bを垂木24へ押し付ける第2押し付け部51と、第2太陽光パネル1Bの南側の端面1cと当接してこの端面1cを押さえる第2押さえ部52と、第2太陽光パネル1Bを垂木24に固定する際に第2太陽光パネル1Bを第2押し付け部51と垂木24(架台2)との間にガイドするガイド部53と、を備えている。
【0025】
第1押し付け部41、架台固定部6、第2押し付け部51、ガイド部53は、併せて平面視略長方形の板部31となるように一体に形成されている。この板部31は、取付金具3が第1太陽光パネル1Aおよび第2太陽光パネル1Bを垂木24に固定する際には、垂木24の上面24aと平行となる向きに配されるとともに、南側から北側に向かって第1押し付け部41、架台固定部6、第2押し付け部51、ガイド部53の順に配されるように構成されている。
【0026】
第1押し付け部41は、垂木24の上面24aと対向する下面41aが第1太陽光パネル1Aの北側の端面1a近傍の上面1bと当接するように構成されている。第1押し付け部41の下面41aには、第1太陽光パネル1Aを垂木24に押し付け可能な突条(凸部)41b,41b…(
図4(a)参照)が複数形成されている。突条41b,41b…は、東西方向に延びて、南北方向に配列されている。突条41bの延在方向に直交する断面形状は、略三角形状や、略四角形状、略半円状など任意に設定されてよい。
【0027】
第1押さえ部42は、板部31の東西方向の幅と略同じ幅に形成され、板部31の下面31aに略垂直に突設された板状の部材で構成されている。第1押さえ部42は、第1太陽光パネル1Aおよび第2太陽光パネル1Bを垂木24に固定する際には、その面が垂木24の延在方向を向き、下端部(先端部)42aが、垂木24の上面24aと離間するように構成されている。
【0028】
第2押し付け部51は、垂木24の上面24aと対向する下面51aが第2太陽光パネル1Bの南側の端面1c近傍の上面1dと当接するように構成されている。第2押し付け部51の下面51aには、第2太陽光パネル1Bを垂木24に押し付け可能な突条(凸部)51b,51b…(
図4(a)参照)が複数形成されている。突条51b,51b…は、東西方向に延びて、南北方向に配列されている。突条51bの延在方向に直交する断面形状は、略三角形状や、略四角形状、略半円状など任意に設定されてよい。また、複数の突条51b,51b…の断面が、鋸の歯のように連なっていてもよい。
【0029】
第2押さえ部52は、板部31の東西方向の幅と略同じ幅に形成され、板部31の下面31aに略垂直に突設された板状の部材で構成されている。第2押さえ部52は、第1太陽光パネル1Aおよび第2太陽光パネル1Bを垂木24に固定する際には、その面が垂木24の延在方向を向き、下端部(先端部)52aが、垂木24の上面24aと当接するように構成されている。
第1押さえ部42と第2押さえ部52とは、南北方向に所定の間隔をあけて平行に配置されている。そして、第1押さえ部42および第2押さえ部52の互いに対向する面の反対側の面が、第1太陽光パネル1Aの北側の端面1a、第2太陽光パネル1Bの南側の端面1cを当接して押さえる押さえ面42b,52bを構成している。
【0030】
ガイド部53は、下面53aが第2押し付け部51の下面51aと連続していて、このガイド部53の下面53aが、第2太陽光パネル1Bを第2押し付け部51と垂木24(架台2)との間にガイドするためのガイド面(以下ガイド面53aとする)を構成している。
ガイド面53aは、第2押し付け部51側(南側)から第2押し付け部51と離間する側(北側)に向かって垂木24の上面24aとの間隔が漸次大きくなるテーパ面に形成されている。
【0031】
架台固定部6には、取付金具3を垂木24に固定するための固定具7のボルト71が挿通可能なボルト孔61が形成されている。
図3に示すように、固定具7は、ボルト71と、ナット72と、座金73とを有し、ボルト71の頭部71aおよび座金73が垂木24の溝部25をスライド可能に構成されている。
ボルト71は、頭部71aが下側となり、このボルト71の頭部71aの上に座金73が配されている。
【0032】
そして、垂木24の溝部25には、ボルト71の頭部71aがスライドする部分と、座金73がスライドする部分とが形成されている。この溝部25の上端部25aは、座金73の外径よりも小さくボルト71のネジ部71bの外径よりやや大きい幅に開口されていて、溝部25に挿入されたボルト71の頭部71aおよび座金73が、溝部25の上方に移動できないように構成されている。
このため、溝部25にボルト71の頭部71aと座金73を挿入するには、垂木24の延在方向の端部24b(
図1参照)からボルト71の頭部71aおよび座金73を溝部25に挿入する。
なお、本実施形態では、垂木24の下面24cにも溝部25が形成されている。
【0033】
(太陽光パネルの施工方法)
続いて、太陽光パネルの施工方法について説明する。
まず、
図5(a)に示すように、太陽光パネル1,1…のうち一番南側に配列される1段目太陽光パネル11,11…を垂木24,24…の上部に配置し、これらの1段目太陽光パネル11,11…を取付金具3,3…で垂木24,24…に固定する。
本実施形態では、1枚の太陽光パネル1を、隣り合う2本の垂木24,24の上に設置し、この太陽光パネル1の南側の端部および北側の端部を、それぞれ垂木24,24に固定する。このため、1枚の太陽光パネル1につき、4か所を取付金具3で垂木24,24に固定する。
【0034】
まず、1段目太陽光パネル11の南側の端部を取付金具3で垂木24に固定する。
このとき、取付金具3を、
図3および
図4に示す向きとは逆の、第1係止部4が第2係止部5よりも北側となる向きにして、固定具7とともに1段目太陽光パネル11の南側に配置する。
そして、第1押し付け部41の下面41aと1段目太陽光パネル11の南側の端面1c近傍の上面1dとを当接させ、第1押さえ部42の押さえ面42bと1段目太陽光パネル11の南側の端面1cとを当接させる。また、第2押さえ部52の下端部52aを垂木24の上面24aと当接させる。
この状態で、ボルト71にナット72を締結し、第1押し付け部41で1段目太陽光パネル11を垂木24に押し付けて固定する。
このとき、第1押し付け部41の突条41b,41b…(
図4(a)参照)が1段目太陽光パネル11を垂木24に押し付けることになり、突条41bの先端部が弾性変形または塑性変形して1段目太陽光パネル11の上面と確実に当接する。
【0035】
続いて、1段目太陽光パネル11の北側の端部を取付金具3で固定する。
ここでは、1段目太陽光パネル11は、上述した第1太陽光パネル1Aに対応するため、1段目太陽光パネル11を第1太陽光パネル1Aとして説明する。
このとき、取付金具3を、
図3および
図4に示すように、第1係止部4が第2係止部5よりも南側となる向きにして、
図6(a)に示すように、固定具7とともに溝部25をスライドさせ、第1太陽光パネル1Aの北側に配置する。
そして、
図6(b)に示すように、第1押し付け部41の下面41aと第1太陽光パネル1Aの北側の端面1a近傍の上面1bとを当接させ、第1押さえ部42の押さえ面42bと第1太陽光パネル1Aの北側の端面1aとを当接させる。この状態で、ボルト71にナット72を締結し、第1押し付け部41で第1太陽光パネル1Aを垂木24に押し付けて固定する。
このとき、第1押し付け部41の突条41b,41b…が第1太陽光パネル1Aを垂木24に押し付けることになり、突条41bの先端部が弾性変形または塑性変形して第1太陽光パネル1Aの上面1bと確実に当接する
なお、取付金具3を垂木24に固定する作業者は、隣り合う垂木24の間に入ることができるため、第1太陽光パネル1Aの北側の端面1aに近づいて作業することができる。
【0036】
次に、
図5(b)に示すように、太陽光パネル1,1…のうち既に垂木24,24…に固定された1段目太陽光パネル11,11…の北側に隣接する2段目太陽光パネル12,12…を垂木24の上部に配置し、これらの2段目太陽光パネル12,12…を取付金具3,3…で垂木24,24…に固定する。
ここでは、既に垂木24に固定された1段目太陽光パネル11が上述した第1太陽光パネル1Aと対応し、これから固定される2段目太陽光パネル12が上述した第2太陽光パネル1Bと対応するため、1段目太陽光パネル11を第1太陽光パネル1Aとし、この2段目太陽光パネル12を第2太陽光パネル1Bとして、2段目太陽光パネル12,12の施工方法を説明する。
【0037】
まず、
図6(c)に示すように、第2太陽光パネル1Bを第1太陽光パネル1Aの北側から垂木24に沿ってスライドさせ、既に第1太陽光パネル1Aを垂木24に固定している取付金具3の第2押し付け部51と垂木24との間に、第2太陽光パネル1Bの南側の端面1c近傍の部分を挿入する。
このとき、第2太陽光パネル1Bの南側の端面1c近傍の部分を、ガイド部53と垂木24の上面24aとの間に挿入し、第2太陽光パネル1Bの南側の端面1c近傍の部分をガイド面53aに沿わせて第2押し付け部51と垂木24との間に挿入する。そして、第2太陽光パネル1Bの南側の端面1cと第2押さえ部52の押さえ面52bとを当接させる。
【0038】
また、第2太陽光パネル1Bの南側の端面1c近傍の上面1dと、第2押し付け部51の突条51b,51b…(
図4(a)参照)とが干渉し、突条51b,51b…を弾性変形または塑性変形させて潰すようにして第2太陽光パネル1Bが第2押し付け部51と垂木24との間に挿入する。これにより、第2太陽光パネル1Bが第2押し付け部51と確実に当接し、第2押し付け部51によって第2太陽光パネル1Bが垂木24に押し付けられることになる。
【0039】
続いて、第1太陽光パネル1Aの北側の端部を取付金具3で垂木24へ固定したときと同様に、第2太陽光パネル1Bの北側の端部を取付金具3で垂木24へ固定する。
【0040】
次に、
図5(c)に示すように、太陽光パネル1,1…のうち既に垂木24に固定された2段目太陽光パネル12,12の北側に隣接する3段目太陽光パネル13,13…を垂木24の上部に配置し、これらの2段目太陽光パネル12,12…を取付金具3,3…で垂木24,24…に固定する。この場合は、既に固定された2段目太陽光パネル12,12が第1太陽光パネル1Aと対応し、3段目太陽光パネル13,13が第2太陽光パネルと対応する。そして、上述した2段目太陽光パネル12,12の垂木24への固定と同様に、3段目太陽光パネル13,13を垂木24へ固定する。
【0041】
次に、3段目太陽光パネル13,13と同様にして、3段目太陽光パネル13,13の北側に隣接する4段目太陽光パネル14,14(
図2参照)を垂木24に固定する。
なお、4段目太陽光パネル14,14…の北側の端面1a近傍の上面1bには、第1押し付け部41の下面41aが当接し、端面1aに第1押さえ部42の押さえ面42bが当接するように取付金具3を設置する。
【0042】
次に、上述した太陽光パネルの取付金具および太陽光パネルの架台の作用・効果について図面を用いて説明する。
本実施形態による太陽光パネル1の取付金具3によれば、第1太陽光パネル1Aを第1押し付け部41で垂木24に押し付けるようにして取付金具3で垂木24に固定した後に、第2太陽光パネル1Bをスライドさせて第2押し付け部51と垂木24との間に挿入し、第2太陽光パネル1Bを第2押し付け部51で垂木24に押し付けることで、第2太陽光パネル1Bを垂木24に固定することができる。そして、取付金具3は、ガイド部53を有することにより、スライドさせた第2太陽光パネル1Bを第2押し付け部51と垂木24との間にスムーズに挿入することができる。
【0043】
このように、第2太陽光パネル1Bは、第2押し付け部51と垂木24との間に挿入することで垂木24に固定されるため、第2太陽光パネル1Bの第1太陽光パネル1A側(南側)の端部をボルト・ナットなどの固定具で直接固定する必要がない。これにより、従来のように、第2太陽光パネル1Bの南側の端部に作業者が近づくことができないことによって生じる、作業者が無理な姿勢で固定作業を行ったり、専用の治具を使用して固定作業を行ったりしなければならないという問題がないため、第2太陽光パネル1Bの取り付けを容易に行うことができる。
また、従来のように太陽光パネル1,1…を1つずつ固定具で垂木24に固定する場合と比べて、太陽光パネル1,1…の垂木24への取り付けにかかる時間を短縮することができる。
【0044】
また、第1押し付け部41の下面41aおよび第2押し付け部51の下面51aには、突条41b,51bが形成されていることがにより、第1太陽光パネル1Aおよび第2太陽光パネル1Bを垂木24に確実に固定することができる。
特に、突条41b,51bが第1太陽光パネル1Aおよび第2太陽光パネル1Bを押し付けることによって弾性変形したり塑性変形したりすると、突条41b,51bが第1太陽光パネル1Aおよび第2太陽光パネル1Bと確実に当接するため、第1太陽光パネル1Aおよび第2太陽光パネル1Bを垂木24により確実に固定することができる。
【0045】
また、ガイド面53aは、第2押し付け部51側から第2押し付け部51と離間する側に向かって垂木24との間隔が漸次大きくなるテーパ面であることにより、第2太陽光パネル1Bをガイド面53aに沿って移動させて第2押し付け部51と垂木24との間にスムーズに挿入することができる。
【0046】
また、第1押さえ部42と第2押さえ部52とが第1太陽光パネル1Aおよび第2太陽光パネル1Bの位置決め部材となり、第1太陽光パネル1Aおよび第2太陽光パネル1Bを正位置に容易に設置することができる。特に、第1押さえ部42の押さえ面42bと
第2押さえ部52の押さえ面52bとの間隔を調整することで、第1太陽光パネル1Aと第2太陽光パネル1Bとの間隔を調整することができる。
また、第1太陽光パネル1Aを取付金具3で固定する際には、第1押さえ部42が垂木24と離間していることにより、第1押さえ部42を介して垂木24から反力が第1押し付け部41に伝達することがないため、第1押し付け部41で第1太陽光パネル1Aを垂木24へ確実に押し付けて固定することができる。
【0047】
また、垂木24は、取付金具3を固定具7で固定可能であるとともに、延在方向に延びて固定具7がスライド可能な溝部25が形成されていることにより、取付金具3を固定具7とともにスライドさせることによって、取付金具3の位置を容易に調整することができる。
また、垂木24は、アルミニウムを材料として形成されていることにより、垂木24に溝部25を容易に形成することができる。
また、梁材23および支柱22は、スチールを材料として形成されていることにより、梁材23および支柱22の強度を確保することができる。
【0048】
以上、本発明による太陽光パネルの取付金具、太陽光パネルの架台、および太陽光パネルの施工方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、地盤Gに支持された架台2に太陽光パネル1,1…が固定されているが、建物の屋根などに支持された架台2に太陽光パネル1,1…が固定されていてもよく、架台2の構造や架台2を構成する部材(基礎21、支柱22、梁材23、垂木24など)の形態や数、また、架台2を構成する部材を形成する材料などは、適宜設定されてよい。また、太陽光パネル1,1…の配列や数、設置される向きや傾斜角度、隣り合う太陽光パネル1,1の隙間の寸法、太陽光パネル1を固定する取付金具3の取付位置や数などは、適宜設定されてよい。
【0049】
また、上記の実施形態では、取付金具3は、垂木24の溝部25をスライド可能に構成されているが、垂木24に溝部25に代わってボルト孔が形成されていて、このボルト孔に固定具7のボルト71を挿通させてナット72で締結し、取付金具3を垂木24に固定する構成としてもよい。
【0050】
また、上記の実施形態では、第1押し付け部41および第2押し付け部51の下面41a,51aには、突条41b,51bが形成されているが、突条41b,51bが形成されていなくてもよい。また、第1押し付け部41および第2押し付け部51のいずれかの下面に突条41b,51bが形成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、第1押し付け部41および第2押し付け部51の下面41a,51aに垂木24の延在方向に延びる突条41b,51bが形成されているが、突条41b,51b延在する方向は、任意に設定されてよく、突条41b,51bに代わって所定の方向に延在しない凸部が形成されていてもよい。
【0051】
また、上記の実施形態では、ガイド面53aはテーパ面に形成されているが、第2押し付け部51側よりも第2押し付け部51側と離間する側が架台2との間隔が大きければ、曲面や段差が連なった段差面などに形成されていてもよい。
また、第1押さえ部42および第2押さえ部52の形状は、任意に設定されてよい。