特許第6406883号(P6406883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6406883
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】真空熱処理システム
(51)【国際特許分類】
   C21D 1/773 20060101AFI20181004BHJP
   C23C 8/20 20060101ALI20181004BHJP
   C21D 1/06 20060101ALI20181004BHJP
   C21D 1/18 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   C21D1/773 D
   C23C8/20
   C21D1/773 J
   C21D1/06 A
   C21D1/18 T
   C21D1/18 P
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-117660(P2014-117660)
(22)【出願日】2014年6月6日
(65)【公開番号】特開2015-229795(P2015-229795A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2017年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390008431
【氏名又は名称】高砂工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115646
【弁理士】
【氏名又は名称】東口 倫昭
(74)【代理人】
【識別番号】100115657
【弁理士】
【氏名又は名称】進藤 素子
(72)【発明者】
【氏名】岩田 均
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 竹志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一好
【審査官】 鈴木 葉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−053431(JP,A)
【文献】 特開平11−236623(JP,A)
【文献】 特開昭50−051916(JP,A)
【文献】 特開昭55−104433(JP,A)
【文献】 特開2007−051332(JP,A)
【文献】 特開2010−121790(JP,A)
【文献】 特開平11−310865(JP,A)
【文献】 特開2009−185349(JP,A)
【文献】 特開昭60−169514(JP,A)
【文献】 特開2011−208838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21D 1/02− 1/84
C23C 8/00−12/02
F27D 7/00−15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを予熱する予熱部と、
予熱後の該ワークを、大気圧よりも低い圧力下で、加熱する加熱部と、
加熱後の該ワークを冷却する冷却部と、
を備え、
該加熱部は、該ワークを収容する加熱室と、該加熱室にガスを流入させる流入口と、該加熱室から該ガスを流出させる流出口と、を有すると共に、該ワークを加熱し、該ワークに浸炭処理を施し、該ワークに浸炭した炭素を該ワークの表面から内部に拡散させ、該ガスにより該ワークを冷却し、
該冷却部は、焼入れ用のオイルに該ワークを浸漬して該ワークを冷却することにより、該ワークに焼入れ処理を施し、
該予熱部は、該冷却部において第一の該ワークを該オイルに浸漬する際に該ワークから該オイルに移動する熱、該加熱部において第一の該ワークを冷却する際に該ワークから該ガスに移動する熱を利用して、該加熱部に搬入される前の第二の該ワークを予熱する真空熱処理システム。
【請求項2】
前記焼入れ処理後の前記ワークに焼戻し処理を施す焼戻し部を備え、
該焼戻し部は、前記冷却部において該ワークから前記オイルに移動する熱、および前記加熱部において該ワークから前記ガスに移動する熱のうち、少なくとも一方を利用して、該ワークに該焼戻し処理を施す請求項1に記載の真空熱処理システム。
【請求項3】
前記加熱部は、前記冷却部から独立して減圧可能である請求項1または請求項2に記載の真空熱処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば真空浸炭炉など、大気圧よりも低い圧力下でワークに熱処理を施す真空熱処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、浸炭焼入れ処理は、浸炭工程と焼入れ工程とを有している。浸炭工程においては、内部に対して表面付近の方が炭素濃度が高くなるように、ワークに浸炭処理が施される。焼入れ工程においては、浸炭処理が施されたワークに、焼入れ処理が施される。ここで、焼入れ工程におけるワークの硬化の程度は、炭素濃度に依存している。このため、浸炭焼入れ処理を施すと、表面付近が硬く内部が軟らかいワークを作製することができる。浸炭焼入れ処理は、耐摩耗性と靭性との両立が要求される機械部品(例えば歯車など)に対して、有効である。
【0003】
浸炭工程には、真空浸炭炉が用いられる。浸炭工程において、まず、ワークは、真空浸炭炉の加熱室で加熱される。次に、一定温度のまま、ワークに浸炭処理が施される。続いて、一定温度のまま、ワークは所定時間保持される。この際、ワークに浸炭した炭素は、ワークの表面から内部に拡散する。最後に、ワークは自然放冷される。これら一連の過程は、真空下で実行される。
【0004】
ここで、加熱室におけるワークの加熱、冷却は、加熱室の温度を基準に行っている。例えば、ワーク加熱時には、加熱室の温度が所定温度に到達するまで、加熱を行っている。また、ワーク放冷時には、加熱室の温度が所定温度に到達するまで、放冷を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−90437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、浸炭処理の回数が増えるに連れて、真空浸炭炉の加熱室には、徐々に煤が堆積していく。このため、ワーク加熱時には、堆積した煤の分も含めて、加熱室の温度を所定温度まで上げる必要がある。また、ワーク放冷時には、堆積した煤の分まで、加熱室の温度を所定温度まで下げる必要がある。このため、浸炭処理のサイクルタイム、延いては浸炭焼入れ処理全体のサイクルタイムが長期化してしまう。そこで、本発明は、加熱部における処理時間が長期化しにくい真空熱処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、本発明の真空熱処理システムは、ワークを予熱する予熱部と、予熱後の該ワークを、大気圧よりも低い圧力下で、加熱する加熱部と、加熱後の該ワークを冷却する冷却部と、を備え、該予熱部は、該冷却部において第一の該ワークを冷却する際に発生する熱を利用して、該加熱部に搬入される前の第二の該ワークを予熱することを特徴とする。
【0008】
本発明の真空熱処理システムは、予熱部を備えている。このため、加熱部搬入前のワークを、予熱することができる。したがって、加熱部における処理時間が長期化しにくい。
【0009】
また、予熱部の熱源の少なくとも一部は、冷却部において冷却されるワークである。すなわち、冷却部においてワークを冷却すると、その分冷媒が加熱される。加熱された冷媒を利用して、予熱部は、ワークを加熱している。本発明の真空熱処理システムによると、第一のワーク(冷却部の高温のワーク)の熱を利用して、第二のワーク(予熱部の低温のワーク)を、加熱することができる。このため、ワーク(第一のワーク)に蓄積された熱エネルギを再利用することができる。したがって、省エネルギ性に優れている。また、冷却部において加熱された冷媒を、ワーク(第二のワーク)加熱により冷却することができる。したがって、加熱された冷媒を、強制的に冷却する必要がない。
【0010】
(1−1)上記(1)の構成において、前記予熱部、前記加熱部、前記冷却部は、各々、1個ずつ前記ワークを処理可能であり、第一の該ワークは、N(Nは自然数)個目の該ワークであり、第二の該ワークは、N+1個目の該ワークである構成とする方がよい。
【0011】
本構成によると、複数のワークに対して、順次、熱処理を施す場合、処理の順番が連続する二つのワーク(N番目のワークとN+1番目のワーク)間において、熱エネルギの受け渡しを行うことができる。
【0012】
(2)上記(1)の構成において、前記加熱部は、前記ワークを加熱し、該ワークに浸炭処理を施し、該ワークに浸炭した炭素を該ワークの表面から内部に拡散させ、前記冷却部は、該ワークを冷却することにより、該ワークに焼入れ処理を施す構成とする方がよい。
【0013】
本構成によると、本発明の真空熱処理システムを、浸炭焼入れ処理に用いることができる。このため、第一のワーク(焼入れ工程の高温のワーク)の熱を利用して、第二のワーク(加熱工程前の低温のワーク)を、加熱することができる。
【0014】
(3)上記(2)の構成において、前記冷却部は、焼入れ用のオイルに前記ワークを浸漬することにより、該ワークを冷却し、前記予熱部は、該冷却部において第一の該ワークを該オイルに浸漬する際に該ワークから該オイルに移動する熱を利用して、前記加熱部に搬入される前の第二の該ワークを予熱する構成とする方がよい。
【0015】
焼入れ工程において、高温のワークは、焼入れ用の低温のオイルに浸漬される。この際、第一のワークからオイルに熱が移動する。本構成によると、当該熱を利用して、第二のワークを予熱している。すなわち、オイルを熱媒体として、第一のワークから第二のワークに、熱エネルギを移動させることができる。
【0016】
(4)上記(3)の構成において、前記加熱部は、前記ワークを収容する加熱室と、該加熱室にガスを流入させる流入口と、該加熱室から該ガスを流出させる流出口と、を有すると共に、該ワークに浸炭した炭素を該ワークの表面から内部に拡散させた後、該ガスにより該ワークを冷却する構成とする方がよい。
【0017】
前述したように、従来、浸炭焼入れ処理の浸炭工程において、炭素拡散後のワークは、自然放冷されていた。しかしながら、浸炭工程は、真空下で実行される。すなわち、ワークが配置される加熱室は、真空状態である。このため、加熱室は、断熱性が高い。したがって、ワークの温度が下がりにくい。よって、従来は、加熱部における処理時間が長期化しやすかった。
【0018】
これに対して、本構成によると、炭素拡散後のワークは、加熱室に導入されるガスにより、強制的に冷却される。このため、ワークの温度が下がりやすい。したがって、加熱部における処理時間が長期化しにくい。なお、本構成は、上記(1)から(3)の構成に対して、独立して実施することも可能である。
【0019】
(5)上記(4)の構成において、前記予熱部は、前記加熱部において第一の前記ワークを冷却する際に該ワークから前記ガスに移動する熱を利用して、前記加熱部に搬入される前の第二の該ワークを予熱する構成とする方がよい。
【0020】
本構成によると、予熱部は、(a)冷却部においてワークをオイルに浸漬する際にワークからオイルに移動する熱(以下、適宜、「オイル蓄熱」と称す)、(b)加熱部においてワークを冷却する際に当該ワークからガスに移動する熱(以下、適宜、「ガス蓄熱」と称す)、の双方を利用して、加熱部搬入前のワークを、予熱することができる。このため、加熱部における処理時間が長期化しにくい。また、加熱部において加熱されたガスを、強制的に冷却する必要がない。
【0021】
(6)上記(5)の構成において、前記焼入れ処理後の前記ワークに焼戻し処理を施す焼戻し部を備え、該焼戻し部は、前記冷却部において該ワークから前記オイルに移動する熱、および前記加熱部において該ワークから前記ガスに移動する熱のうち、少なくとも一方を利用して、該ワークに該焼戻し処理を施す構成とする方がよい。
【0022】
本構成によると、焼戻し部は、オイル蓄熱およびガス蓄熱のうち少なくとも一方を利用して、ワークに焼戻し処理を施すことができる。このため、ワークに蓄積された熱エネルギを再利用することができる。したがって、省エネルギ性に優れている。
【0023】
(7)本発明の真空熱処理システムが実行する浸炭焼入れ方法は、ワークを加熱する加熱工程と、加熱した該ワークに浸炭処理を施す浸炭工程と、該ワークに浸炭した炭素を該ワークの表面から内部に拡散させる拡散工程と、該炭素が拡散した該ワークを冷却する冷却工程と、該ワークを冷却することにより、該ワークに焼入れ処理を施す焼入れ工程と、を有するサイクルを繰り返すことにより、複数のワークに、順次、該浸炭処理、該焼入れ処理を施す浸炭焼入れ方法であって、N(Nは自然数)回目の前記サイクルの前記焼入れ工程において、前記ワークから発生する熱を利用して、N+1回目の該サイクルの前記加熱工程前の該ワークを予熱する予熱工程を有することを特徴とする。
【0024】
この浸炭焼入れ方法が繰り返すサイクルは、予熱工程と、加熱工程と、浸炭工程と、拡散工程と、冷却工程と、焼入れ工程と、を有している。当該サイクルを1回実行すると、1個のワークに、浸炭処理、焼入れ処理を施すことができる。このため、当該サイクルを繰り返すことにより、複数のワークに対して、順次、浸炭処理、焼入れ処理を施すことができる。この浸炭焼入れ方法によると、予熱工程において、加熱工程前のワークを予熱することができる。したがって、加熱工程における処理時間が長期化しにくい。
【0025】
また、予熱工程の熱源の少なくとも一部は、焼入れ工程において冷却されるワークである。すなわち、焼入れ工程においてワークを冷却すると、その分冷媒が加熱される。加熱された冷媒を利用して、予熱工程において、ワークを加熱している。この浸炭焼入れ方法によると、N回目のサイクルの焼入れ工程における高温のワークの熱を利用して、N+1回目のサイクルの予熱工程において、低温のワークを加熱することができる。このため、ワークに蓄積された熱エネルギを再利用することができる。したがって、省エネルギ性に優れている。また、焼入れ工程において加熱された冷媒を、ワーク加熱により冷却することができる。したがって、加熱された冷媒を、強制的に冷却する必要がない。また、処理の順番が連続する二つのワーク(N回目のサイクルのワークとN+1回目のサイクルのワーク)間において、熱エネルギの受け渡しを行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、加熱部における処理時間が長期化しにくい真空熱処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態の真空熱処理システムの上側から見た断面図である。
図2】オイル用熱交換器の上下方向断面図である。
図3】ガス用熱交換器の上下方向断面図である。
図4】(a)は、本実施形態の浸炭焼入れ方法の工程表である。(b)は、従来の浸炭焼入れ方法の工程表である。
図5】その他の実施形態(その1)の真空熱処理システムの上面図である。
図6】その他の実施形態(その2)の真空熱処理システムの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の真空熱処理システムの実施の形態について説明する。
【0029】
<真空熱処理システムの構成>
まず、本実施形態の真空熱処理システムの構成について説明する。図1に、本実施形態の真空熱処理システムの上側から見た断面図を示す。図1に示すように、本実施形態の真空熱処理システム1は、予熱部2と、真空浸炭炉9と、2本のオイル配管70と、2本のガス配管71と、複数のバルブV1〜V9と、を備えている。
【0030】
[真空浸炭炉9]
真空浸炭炉9は、ハウジング90と、隔壁91と、第一ドア92と、第二ドア93と、減圧ポンプ95と、加熱部3と、冷却部4と、を備えている。ハウジング90は、鋼製であって箱状を呈している。隔壁91は、ハウジング90の内部空間を、左右2室に仕切っている。第一ドア92は、ハウジング90の左壁の開口に配置されている。第二ドア93は、隔壁91の開口に配置されている。減圧ポンプ95は、後述する加熱室31、冷却室41を減圧可能である。
【0031】
加熱部3は、ハウジング90の内部空間のうち、隔壁91の右側の空間に配置されている。加熱部3は、ハウジング30と、加熱室31と、流入口32と、流出口33と、複数のヒータ35と、第三ドア36と、を備えている。ハウジング30は、パンチングメタル製であって箱状を呈している。ハウジング30の内面には、セラミックファイバー製の断熱材が配置されている。加熱室31は、断熱材の内側に配置されている。
【0032】
加熱室31には、バルブV6を介して、窒素ガスを供給可能である。また、加熱室31には、バルブV9を介して、浸炭ガスを供給可能である。なお、浸炭ガスは、アセチレンガスである。また、加熱室31には、温度検出用の熱電対(図略)が配置されている。
【0033】
複数のヒータ35は、電熱式であって、加熱室31に配置されている。第三ドア36は、ハウジング30の左壁の開口に配置されている。流入口32、流出口33は、各々、加熱室31の側壁に開設されている。後述するように、ワーク冷却用のガスGは、流入口32を介して加熱室31に流入する。また、ガスGは、流出口33を介して加熱室31から流出する。なお、ガスGは、窒素ガスである。
【0034】
冷却部4は、冷却室41と、流入口42と、流出口43と、搬送フォーク44と、エレベータ45と、を備えている。冷却室41は、ハウジング90の内部空間のうち、隔壁91の左側の空間に配置されている。冷却室41には、バルブV5を介して、窒素ガスを供給可能である。搬送フォーク44、エレベータ45は、冷却室41の上部に配置されている。一方、冷却室41の下部には、ワークW1焼入れ用のオイルOが貯留されている。
【0035】
エレベータ45は、シリンダ(図略)により、上下方向に移動可能である。搬送フォーク44は、エレベータ45に配置されている。搬送フォーク44は、左右方向に伸縮可能である。このため、搬送フォーク44は、後述するバスケットBを、左右方向に搬送可能である。すなわち、搬送フォーク44は、バスケットBを、左側の冷却室41と右側の加熱室31との間で、往復動させることができる。エレベータ45は、搬送フォーク44ごと、バスケットBを、上下方向に搬送可能である。すなわち、エレベータ45は、オイルOに対して、バスケットBを、浸漬し、引き上げることができる。
【0036】
流入口42、流出口43は、各々、冷却室41の側壁に開設されている。後述するように、オイルOは、流入口42を介して冷却室41に流入する。また、オイルOは、流出口43を介して冷却室41から流出する。
【0037】
[予熱部2]
予熱部2は、真空浸炭炉9の前側に配置されている。予熱部2は、ハウジング20と、予熱室21と、拡散ファン22と、オイル用熱交換器23と、ガス用熱交換器24と、第四ドア25と、を備えている。ハウジング20は、鋼製であって箱状を呈している。ハウジング20の内面には、セラミックファイバー製の断熱材が配置されている。第四ドア25は、ハウジング20の左壁の開口に配置されている。予熱室21は、断熱材の内側に配置されている。拡散ファン22は、予熱室21の天井に配置されている。予熱室21の圧力は、大気圧である。予熱室21には、空気Aが充満している。
【0038】
オイル用熱交換器23は、予熱室21に収容されている。オイル用熱交換器23は、流入口230と流出口231とを備えている。図2に、オイル用熱交換器の上下方向断面図を示す。図2に示すように、オイル用熱交換器23は、複数のチューブ232を備えている。複数のチューブ232は、各々、上下方向に延在している。複数のチューブ232は、各々、流入口230と流出口231との間に介装されている。
【0039】
オイル用熱交換器23においては、流入口230から流出口231に向かって、複数のチューブ232内を、オイルOが流動する。流動する際、チューブ232の管壁を介して、オイルOと空気Aとの間で熱交換が行われる。すなわち、空気Aが加熱される。
【0040】
ガス用熱交換器24は、予熱室21に収容されている。ガス用熱交換器24は、流入口240と流出口241とを備えている。図3に、ガス用熱交換器の上下方向断面図を示す。図3に示すように、ガス用熱交換器24は、複数のエロフィンチューブ242を備えている。複数のエロフィンチューブ242は、各々、上下方向に延在している。複数のエロフィンチューブ242は、各々、流入口240と流出口241との間に介装されている。
【0041】
ガス用熱交換器24においては、流入口240から流出口241に向かって、複数のエロフィンチューブ242内を、ガスGが流動する。流動する際、エロフィンチューブ242の管壁やフィンを介して、ガスGと空気Aとの間で熱交換が行われる。すなわち、空気Aが加熱される。
【0042】
[2本のオイル配管70、2本のガス配管71]
図1に示すように、2本のオイル配管70は、冷却室41とオイル用熱交換器23とを、オイル蓄熱(冷却部4において第一のワークW1をオイルOに浸漬する際にワークW1からオイルOに移動する熱)の熱媒体であるオイルOが循環可能に、連結している。2本のオイル配管70のうち、一方のオイル配管70は、冷却部4の流出口43と、オイル用熱交換器23の流入口230と、を連結している。当該オイル配管70を介して、冷却室41からオイル用熱交換器23に、熱交換前の高温のオイルOが移動する。2本のオイル配管70のうち、他方のオイル配管70は、冷却部4の流入口42と、オイル用熱交換器23の流出口231と、を連結している。当該オイル配管70を介して、オイル用熱交換器23から冷却室41に、熱交換後の低温のオイルOが移動する。
【0043】
2本のガス配管71は、加熱室31とガス用熱交換器24とを、ガス蓄熱(加熱部3において第一のワークW1を冷却する際にワークW1からガスGに移動する熱)の熱媒体であるガスGが循環可能に、連結している。2本のガス配管71のうち、一方のガス配管71は、加熱部3の流出口33と、ガス用熱交換器24の流入口240と、を連結している。当該ガス配管71には、送風機710が配置されている。当該ガス配管71を介して、加熱室31からガス用熱交換器24に、熱交換前の高温のガスGが移動する。2本のガス配管71のうち、もう1本のガス配管71は、加熱部3の流入口32と、ガス用熱交換器24の流出口241と、を連結している。当該ガス配管71を介して、ガス用熱交換器24から加熱室31に、熱交換後の低温のガスGが移動する。
【0044】
<浸炭焼入れ方法>
次に、本実施形態の真空熱処理システムを用いて行われる浸炭焼入れ方法について説明する。図4(a)に、本実施形態の浸炭焼入れ方法の工程表を示す。図4(b)に、従来の浸炭焼入れ方法の工程表を示す。
【0045】
図4(a)に示すように、本実施形態の浸炭焼入れ方法は、複数のサイクルCを繰り返し実行することにより、複数のワークに対して、順次、浸炭処理、焼入れ処理を施している。
【0046】
初回のサイクルC(1個目のワークに対応)は、加熱工程P1と、浸炭工程P2と、拡散工程P3と、冷却工程P4と、焼入れ工程P5と、を有している。2回目移行のサイクルC(2個目以降のワークに対応)は、予熱工程P0と、加熱工程P1と、浸炭工程P2と、拡散工程P3と、冷却工程P4と、焼入れ工程P5と、を有している。
【0047】
[初回のサイクルCの加熱工程P1]
本工程においては、まず、図1に示すバルブV5を開けて、冷却室41に窒素ガスを供給する。すなわち、冷却室41の圧力を、大気圧未満から大気圧に復圧させる。次に、バスケットBを、第一ドア92に正対する位置まで、移動させる。なお、バスケットBには、1個目のワークW1が配置されている。続いて、第一ドア92を開ける。それから、冷却室41の搬送フォーク44に、バスケットBを載せる。
【0048】
続いて、第一ドア92を閉める。それから、バルブV7を開けて、減圧ポンプ95により、冷却室41を減圧する。なお、この際、バルブV8は閉まっている。冷却室41の圧力が加熱室31の圧力に到達したら、バルブV7を閉めて、第二ドア93、第三ドア36を開ける。そして、搬送フォーク44により、バスケットBを、加熱室31に搬入する。その後、第二ドア93、第三ドア36を閉める。
【0049】
それから、バルブV8を開けて、減圧ポンプ95により、加熱室31を、真空状態(例えば、10kPa以下)になるまで、減圧する。また、減圧と並行して、複数のヒータ35により、加熱室31を、950℃〜1050℃程度まで加熱する。なお、加熱室31の温度は、熱電対により検出される。
【0050】
[初回のサイクルCの浸炭工程P2、拡散工程P3]
浸炭工程P2においては、バルブV9を開けて、75分程度、加熱室31に浸炭ガスを供給する。所定の時間が経過したら、バルブV9を閉めて、浸炭ガスの供給を停止する。拡散工程P3においては、加熱室31を、75分間程度、950℃〜1050℃程度の温度に保持する。この際、ワークW1の表面から内部に、炭素が拡散する。
【0051】
[初回のサイクルCの冷却工程P4、2回目のサイクルCの予熱工程P0]
冷却工程P4においては、まず、もう一つのバスケットBを、第四ドア25に正対する位置まで、移動させる。なお、バスケットBには、2個目のワークW2が配置されている。続いて、第四ドア25を開ける。それから、予熱室21に、バスケットBを搬入する。続いて、第四ドア25を閉める。なお、ここまでの作業は、上記加熱工程P1、浸炭工程P2、拡散工程P3のいずれかと、同時並行的に行ってもよい。
【0052】
次に、バルブV6を開けて加熱室31に所定量だけ窒素ガス、つまりガスGを供給し、バルブV6を閉じる。続いて、バルブV3、V4を開けて、2本のガス配管71を介して、加熱室31とガス用熱交換器24との間で、ガスGを循環させる。
【0053】
加熱室31においては、低温のガスGと、高温の1個目のワークW1と、の間で熱交換が行われる。すなわち、ワークW1からガスGに熱が移動することにより、ワークW1が冷却され、ガスGが加熱される。加熱されたガスG、つまりガス蓄熱を保有したガスGは、ガス配管71を介して、図3に示すガス用熱交換器24に流れ込む。ガス用熱交換器24においては、高温のガスGと、低温の空気Aと、の間で熱交換が行われる。すなわち、ガスGから空気Aに熱が移動することにより、ガスGが冷却され、空気Aが加熱される。
【0054】
また、予熱室21においては、加熱され高温になった空気Aと、低温の2個目のワークW2と、の間で熱交換が行われる。すなわち、空気AからワークW2に熱が移動することにより、空気Aが冷却され、ワークW2が加熱される。
【0055】
冷却されたガスG、つまりガス蓄熱を空気Aに渡したガスGは、ガス配管71を介して、図1に示す加熱室31に流れ込む。加熱室31においては、再び、低温のガスGと、高温の1個目のワークW1と、の間で熱交換が行われる。加熱室31の温度が850℃程度まで下がったら、バルブV3、V4を閉じて、ガスGの循環を停止する。すなわち、初回のサイクルCの冷却工程P4を終了する。
【0056】
このように、初回のサイクルCの冷却工程P4と、2回目のサイクルCの予熱工程P0の前半と、は並行して行われる(図4参照)。ガスGは、熱媒体として、加熱室31と、ガス用熱交換器24と、の間を循環する。当該循環により、加熱室31において1個目のワークW1が冷却される一方、予熱室21において2個目のワークW2が予熱される。
【0057】
[初回のサイクルCの焼入れ工程P5、2回目のサイクルCの予熱工程P0]
焼入れ工程P5においては、図1に示すバルブV5を開けて、冷却室41に窒素ガスを供給する。そして、冷却室41の圧力を、焼入れ時の圧力値に設定する。また、バルブV6を開けて、加熱室31に窒素ガスを供給する。そして、加熱室31の圧力を、冷却室41の圧力と、等圧にする。続いて、第二ドア93、第三ドア36を開ける。そして、1個目のワークW1が搭載されたバスケットBを、冷却室41に搬入する。続いて、第二ドア93、第三ドア36を閉める。
【0058】
次に、バルブV1、V2を開けて、2本のオイル配管70を介して、冷却室41とオイル用熱交換器23との間で、オイルOを循環させる。続いて、エレベータ45を、バスケットBごと下降させる。すなわち、ワークW1を、オイルOに浸漬する。
【0059】
冷却室41においては、低温のオイルOと、高温の1個目のワークW1と、の間で熱交換が行われる。すなわち、ワークW1からオイルOに熱が移動することにより、ワークW1が冷却され、オイルOが加熱される。加熱されたオイルO、つまりオイル蓄熱を保有したオイルOは、オイル配管70を介して、図2に示すオイル用熱交換器23に流れ込む。オイル用熱交換器23においては、高温のオイルOと、低温の空気Aと、の間で熱交換が行われる。すなわち、オイルOから空気Aに熱が移動することにより、オイルOが冷却され、空気Aが加熱される。
【0060】
また、予熱室21においては、加熱され高温になった空気Aと、低温の2個目のワークW2と、の間で熱交換が行われる。すなわち、空気AからワークW2に熱が移動することにより、空気Aが冷却され、ワークW2が加熱される。
【0061】
冷却されたオイルO、つまりオイル蓄熱を空気Aに渡したオイルOは、オイル配管70を介して、図1に示す冷却室41に流れ込む。冷却室41においては、再び、低温のオイルOと、高温の1個目のワークW1と、の間で熱交換が行われる。冷却室41のオイルO貯留部分の温度が80℃程度まで下がったら、バルブV1、V2を閉じて、オイルOの循環を停止する。
【0062】
その後、エレベータ45を、バスケットBごと上昇させる。すなわち、ワークW1を、オイルOから引き上げる。続いて、冷却室41を大気圧に復圧し、第一ドア92を開ける。そして、冷却室41からバスケットBを取り出す。このようにして、初回のサイクルCの焼入れ工程P5を終了する。並びに、2回目のサイクルCの予熱工程P0を終了する。
【0063】
このように、初回のサイクルCの焼入れ工程P5と、2回目のサイクルCの予熱工程P0の後半と、は並行して行われる。オイルOは、熱媒体として、冷却室41と、オイル用熱交換器23と、の間を循環する。当該循環により、冷却室41において1個目のワークW1が冷却される一方、予熱室21において2個目のワークW2が予熱される。
【0064】
この後、予熱された2個目のワークW2に対して、加熱工程P1と、浸炭工程P2と、拡散工程P3と、冷却工程P4と、焼入れ工程P5と、が実行される。また、2個目のワークW2に対する冷却工程P4、焼入れ工程P5と並行して、3個目のワークに対して、予熱工程P0が実行される。このように、N(Nは自然数)回目のサイクルCの冷却工程P4および焼入れ工程P5と、N+1回目のサイクルCの予熱工程P0と、は同時並行的に実行される。
【0065】
<作用効果>
次に、本実施形態の真空熱処理システムの作用効果について説明する。本実施形態の真空熱処理システム1は、予熱部2を備えている。このため、加熱部3搬入前のワークW2を、予熱することができる。したがって、図4(b)(従来)の加熱工程P1の処理時間と、図4(a)(本実施形態)の加熱工程P1の処理時間と、を比較すると判るように、加熱工程P1の処理時間を短縮することができる。また、加熱室31における煤の堆積が経時的に進行する場合であっても、加熱工程P1における処理時間が長期化しにくい。
【0066】
また、N(Nは自然数)回目のサイクルCの冷却工程P4および焼入れ工程P5と、N+1回目のサイクルCの予熱工程P0と、は時間的に重複して実行される。このため、図4(a)、図4(b)に示すように、本実施形態の真空熱処理システム1を用いて行われる浸炭焼入れ方法によると、予熱工程P0の分だけ工程数が増えるにもかかわらず、複数のワークW1、W2の生産時間を短縮することができる。
【0067】
また、予熱部2の熱源の一部は、冷却部4(焼入れ工程P5)において冷却されるワークW1である。すなわち、冷却部4においてワークW1を冷却すると、その分冷媒(オイルO)が加熱される。加熱された冷媒を利用して、予熱部2は、ワークW2を加熱している。本実施形態の真空熱処理システム1によると、第一のワークW1(冷却部4の高温のワークW1)の熱を利用して、第二のワークW2(予熱部2の低温のワークW2)を、加熱することができる。このため、ワークW1に蓄積された熱エネルギを再利用することができる。したがって、省エネルギ性に優れている。また、冷却部4において加熱された冷媒を、ワークW2加熱により冷却することができる。したがって、加熱された冷媒を、強制的に冷却する必要がない。
【0068】
また、本実施形態の真空熱処理システム1によると、予熱部2、加熱部3、冷却部4は、各々、1個ずつワークW1、W2を処理可能である。このため、複数のワークW1、W2に対して、順次、熱処理を施す場合、処理の順番が連続する二つのワーク(N番目のワークW1とN+1番目のワークW2)間において、熱エネルギの受け渡しを行うことができる。詳しくは、焼入れ工程P5の高温のワークW1の熱を利用して、加熱工程P1前の低温のワークW2を、加熱することができる。また、オイルOを熱媒体として、高温のワークW1から低温のワークW2に、熱エネルギを移動させることができる。
【0069】
また、本実施形態の真空熱処理システム1によると、冷却工程P4において、ガスGによりワークW1を強制的に冷却している。このため、図4(b)(従来)の冷却工程P4の処理時間と、図4(a)(本実施形態)の冷却工程P4の処理時間と、を比較すると判るように、ワークW1を真空下で自然放冷する場合と比較して、冷却工程P4の処理時間を短縮することができる。また、加熱室31における煤の堆積が経時的に進行する場合であっても、冷却工程P4における処理時間が長期化しにくい。
【0070】
また、予熱部2の熱源の一部は、加熱部3(冷却工程P4)において冷却されるワークW1である。すなわち、加熱部3においてワークW1を冷却すると、その分冷媒(ガスG)が加熱される。加熱された冷媒を利用して、予熱部2は、ワークW2を加熱している。本実施形態の真空熱処理システム1によると、第一のワークW1(加熱部3の高温のワークW1)の熱を利用して、第二のワークW2(予熱部2の低温のワークW2)を、加熱することができる。このため、ワークW1に蓄積された熱エネルギを再利用することができる。したがって、省エネルギ性に優れている。また、加熱部3において加熱された冷媒を、ワークW2加熱により冷却することができる。したがって、加熱された冷媒を、強制的に冷却する必要がない。
【0071】
<その他>
以上、本発明の真空熱処理システムの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0072】
図5に、その他の実施形態(その1)の真空熱処理システムの上面図を示す。図6に、その他の実施形態(その2)の真空熱処理システムの上面図を示す。なお、これらの図において、図1と対応する部位については、同じ符号で示す。また、窒素ガス用の配管、浸炭ガス用の配管は省略する。
【0073】
図5に示すように、加熱部3の右側に予熱部2を配置してもよい。すなわち、予熱部2(図4(a)の予熱工程P0を行うエリア)、加熱部3(図4(a)の加熱工程P1、浸炭工程P2、拡散工程P3、冷却工程P4を行うエリア)、冷却部4(図4(a)の焼入れ工程P5を行うエリア)を、工程順に連結して配置してもよい。こうすると、予熱部2から加熱部3にワークを搬送する際の、ワークの温度低下を抑制することができる。
【0074】
図6に示すように、真空熱処理システム1に、焼戻し部6を追加配置してもよい。焼戻し部6においては、焼入れ後のワークに焼戻し処理が施される。予熱部2と同様に、焼戻し部6に、オイル用熱交換器23と、ガス用熱交換器24と、を配置してもよい。また、加熱部3とガス用熱交換器24とを、2本のガス配管71で連結してもよい。並びに、冷却部4とオイル用熱交換器23とを、2本のオイル配管70で連結してもよい。こうすると、加熱部3および冷却部4のワークの熱を利用して、予熱部2のワークのみならず、焼戻し部6のワークを、加熱することができる。なお、焼戻し部6には、ワークの加熱を助勢するために、ヒータを配置してもよい。
【0075】
また、真空熱処理システム1の各構成部材の配置は特に限定しない。例えば、真空浸炭炉9と予熱部2とが左右方向に並んでいてもよい。また、真空浸炭炉9の加熱部3と冷却部4とが前後に並んでいてもよい。また、加熱部3と冷却部4とが、互いに独立して配置されていてもよい。
【0076】
また、熱媒体であるガスG、オイルOの種類は特に限定しない。また、予熱室21に充填されるガスの種類は、空気Aに限定しない。また、浸炭ガスの種類は特に限定しない。例えば、アセチレンガス、プロパンガスなどであってもよい。すなわち、炭化水素ガスであればよい。
【符号の説明】
【0077】
1:真空熱処理システム。
2:予熱部、20:ハウジング、21:予熱室、22:拡散ファン、23:オイル用熱交換器、230:流入口、231:流出口、232:チューブ、24:ガス用熱交換器、240:流入口、241:流出口、242:エロフィンチューブ、25:第四ドア。
3:加熱部、30:ハウジング、31:加熱室、32:流入口、33:流出口、35:ヒータ、36:第三ドア。
4:冷却部、41:冷却室、42:流入口、43:流出口、44:搬送フォーク、45:エレベータ。
6:焼戻し部。
70:オイル配管、71:ガス配管、710:送風機。
9:真空浸炭炉、90:ハウジング、91:隔壁、92:第一ドア、93:第二ドア、95:減圧ポンプ。
A:空気、B:バスケット、C:サイクル、G:ガス、O:オイル、P0:予熱工程、P1:加熱工程、P2:浸炭工程、P3:拡散工程、P4:冷却工程、P5:焼入れ工程、V1〜V9:バルブ、W1:ワーク、W2:ワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6