特許第6406904号(P6406904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6406904ガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6406904
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】ガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造
(51)【国際特許分類】
   F02M 55/02 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
   F02M55/02 310C
   F02M55/02 330Z
   F02M55/02 360A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-145609(P2014-145609)
(22)【出願日】2014年7月16日
(65)【公開番号】特開2016-20679(P2016-20679A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2017年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000120249
【氏名又は名称】臼井国際産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123869
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀司
【審査官】 木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−199269(JP,A)
【文献】 特開2012−136961(JP,A)
【文献】 特開2007−056819(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0023831(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 55/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管体からなるレール本体の一端又は両端をエンドキャップにて閉塞する構造の燃料レールにおいて、前記レール本体の管端部外周に、短尺の筒体からなりかつ外周面に雄ネジが加工されたカラーがろう付けにて接合され、前記レール本体の管端開口部との対向面に、当該管端開口端面に当接するシール用突出部を有する袋ナット形エンドキャップが前記カラーと螺合して締結されるとともに、前記袋ナット形エンドキャップの締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部がレール本体の開口端部に圧接してシールされる構成となしたことを特徴とするガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造。
【請求項2】
前記レール本体と袋ナット形エンドキャップのシール方式として、前記袋ナット形エンドキャップの前記シール用突出部の断面形状を台形状となしてレール本体の管端開口部の内面側端縁と当接する部分をテーパ面となし、該シール用突出部のテーパ面をレール本体の内面側端縁に圧接させてシールする方式を採用することを特徴とする請求項1に記載のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造。
【請求項3】
前記レール本体と袋ナット形エンドキャップのシール方式として、レール本体の管端開口部の内面を外方へ拡径するテーパ面となし、該テーパ面に前記袋ナット形エンドキャップのシール用突出部の先端縁を圧接させてシールする方式を採用することを特徴とする請求項1に記載のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造。
【請求項4】
前記レール本体と袋ナット形エンドキャップのシール方式として、レール本体の管端開口端面に環状突起を形成し、該環状突起を前記袋ナット形エンドキャップのシール用突出部の先端面に圧接させてシールする方式を採用することを特徴とする請求項1に記載のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造。
【請求項5】
前記レール本体と袋ナット形エンドキャップのシール方式として、袋ナット形エンドキャップのシール用突出部に環状突起を形成し、該環状突起をレール本体の管端開口端面に圧接させてシールする方式を採用することを特徴とする請求項1に記載のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造。
【請求項6】
管体からなるレール本体の一端又は両端をエンドキャップにて閉塞する構造の燃料レールにおいて、前記レール本体の管端部外周に、短尺の筒体からなりかつ外端側内周面に雌ネジが加工されたカラーがろう付けにて接合され、前記レール本体の管端開口部との対向面に、当該管端開口端部に当接するシール用突出部を有するボルト形エンドキャップが前記カラーと螺合して締結されるとともに、前記ボルト形エンドキャップの締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部がレール本体の開口端部に圧接してシールされる構成となしたことを特徴とするガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造。
【請求項7】
前記レール本体とボルト形エンドキャップのシール方式として、レール本体の管端開口部の内面を外方へ拡径するテーパ面となし、該テーパ面に前記ボルト形エンドキャップのシール用突出部の先端部を圧接させてシールする方式を採用することを特徴とする請求項6に記載のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子燃料噴射式自動車エンジン等の燃料加圧ポンプから送給された高圧燃料をエンジンのシリンダー内に直接噴射する燃料インジェクター(噴射ノズル)を介して供給するための燃料レール(デリバリーパイプ)の端末シール構造に係り、より詳しくはレールからインジェクターへ直接燃料を供給するタイプにおける噴射圧20〜70MPa程度のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のガソリン直噴エンジン用燃料レールとしては、例えば、主管と、複数の分岐管とを備えた燃料レールにおいて、主管の外壁に各分岐管を受け入れるための貫通孔が形成され、各貫通孔は主管の外側および内側に向ってそれぞれ突出する環状壁を有しており、各分岐管は前記環状壁に固定された構造となしたもの、分岐枝管を蓄圧容器である胴体部に直接又は分岐継手金具(ニップル)を介して接続した構成となしたもの、パイプ等の管体からなるレール本体にインジェクター接続用ソケットが直に取付けられた構造の燃料レール等がある。さらに、パイプ等の管体からなるレール本体にインジェクター接続用ソケットが直に取付けられた構造の燃料レールとしては、例えば、高圧燃料ポンプからの加圧された燃料が供給されるパイプ等の管体からなるレール本体にインジェクターホルダー及び固定用ブラケットが直に取付けられた構造の燃料レール(特許文献1参照)や、高圧燃料ポンプからの加圧された燃料が供給される円筒状の本体パイプと、この本体パイプに連結されコントロールユニットにより開閉制御される燃料噴射弁が連結される複数のソケットと、前記本体パイプをエンジンに取付けるために同本体パイプに一体的に固着された複数の取付け用ステイよりなる直噴エンジン用高圧燃料デリバリパイプ(特許文献2参照)等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−7651号公報
【特許文献2】特開2011−144768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した従来のガソリン直噴エンジン用燃料レールは、以下に記載する問題を有している。
即ち、上記従来の各種のガソリン直噴エンジン用燃料レールにおいて、パイプ等の管体からなるレール本体は一端又は両端が閉じられた構造となっており、その端末レール構造は、例えば図6図7に拡大して示すように、円筒状の本体パイプ111の開口端部にエンドキャップ112A、112Bをそれぞれろう付けにて接合する構造のものが一般的である。一方、最近は、ガソリン直噴システムにおける高圧化により、本体パイプ111の両端部を閉塞するエンドキャップ112A、112B部の強度が問題となっている。即ち、図6図7に示す本体パイプ111にエンドキャップ112A、112Bをそれぞれろう付けにて接合して構成される端末シール構造の場合は、レール本体である本体パイプ111内に内圧が付加された場合に、本体パイプ111が半径方向に変形する(管体外側に膨らむ)際に発生する力をそれぞれろう付け部113A、113Bで受ける構造となっているため、このろう付け部113A、113Bが強度的に最も弱い部位となってしまうことから、ガソリン直噴システムにおける高圧化に対応することが困難となるという問題がある。更に、ろう付け部113A、113Bが直接燃料(圧力媒体)に接することから、当該ろう付け部に形状の不均一部分が存在した場合には、応力集中による当該ろう付け部の破損の要因となり易いこと、又、本体パイプ111にねじ加工を施して本体パイプ111とエンドキャップ112A、112Bを直接締結しようとする場合、本体パイプ111を厚肉化する必要があること等の問題がある。
【0005】
本発明は、前記した従来の燃料レールの有する問題に鑑みてなされたものであり、特にパイプ等の管体からなるレール本体の一端又は両端をエンドキャップにて閉塞する構造の燃料レールにおいて、レール本体の厚肉化をはかることなく、構造簡易にしてエンドキャップ部の高圧化対応が可能なガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造は、レール本体に内圧が付加された場合に当該レール本体の半径方向に発生する力をろう付け部で受けない構造とするとともに、ろう付け部が燃料(圧力媒体)に接しない構造とするもので、その要旨は、管体からなるレール本体の一端又は両端をエンドキャップにて閉塞する構造の燃料レールにおいて、前記レール本体の管端部外周に、短尺の筒体からなりかつ外周面に雄ネジが加工されたカラーがろう付けにて接合され、前記レール本体の管端開口部との対向面に、当該管端開口端面に当接するシール用突出部を有する袋ナット形エンドキャップが前記カラーと螺合して締結されるとともに、前記袋ナット形エンドキャップの締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部がレール本体の開口端部に圧接してシールされる構成となしたことを特徴とするものである。
又、本発明は、前記レール本体と袋ナット形エンドキャップのシール方式として、前記袋ナット形エンドキャップの前記シール用突出部の断面形状を台形状となしてレール本体の管端開口部の内面側端縁と当接する部分をテーパ面となし、該シール用突出部のテーパ面をレール本体の内面側端縁に圧接させてシールする方式を採用することを好ましい態様とするものである。
更に、本発明は、前記レール本体と袋ナット形エンドキャップの他のシール方式として、レール本体の管端開口部の内面を外方へ拡径するテーパ面となし、該テーパ面に前記袋ナット形エンドキャップのシール用突出部の先端縁を圧接させてシールする方式を採用することを好ましい態様とするものである。
又、前記レール本体と袋ナット形エンドキャップの別のシール方式として、レール本体の管端開口端面に環状突起を形成し、該環状突起を前記袋ナット形エンドキャップのシール用突出部の先端面に圧接させてシールする方式、あるいは前記環状突起を袋ナット形エンドキャップのシール用突出部に形成し、該環状突起をレール本体の管端開口端面に圧接させてシールする方式を採用することを好ましい態様とするものである。
【0007】
本発明は又、管体からなるレール本体の一端又は両端をエンドキャップにて閉塞する構造の燃料レールにおいて、前記レール本体の管端部外周に、短尺の筒体からなりかつ外端側内周面に雌ネジが加工されたカラーがろう付けにて接合され、前記レール本体の管端開口部との対向面に、当該管端開口端部に当接するシール用突出部を有するボルト形エンドキャップが前記カラーと螺合して締結されるとともに、前記ボルト形エンドキャップの締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部がレール本体の開口端部に圧接してシールされる構成となしたことを特徴とするものである。
このガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造における前記レール本体とボルト形エンドキャップのシール方式としては、レール本体の管端開口部の内面を外方へ拡径するテーパ面となし、該テーパ面に前記ボルト形エンドキャップのシール用突出部の先端部を圧接させてシールする方式を採用することを好ましい態様とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造は、レール本体の管端部外周にろう付けにて接合されたカラーと、該カラーと螺合して締結される袋ナット形エンドキャップとから構成され、前記袋ナット形エンドキャップの締め付けにより発生する軸力により、袋ナット形エンドキャップがレール本体の管端開口端部に圧接してシールされる構造となして、レール本体に内圧が付加された場合に、当該レール本体が半径方向に変形する(管体外側に膨らむ)際に発生する力をろう付け部で受けない構造となっていることにより、ろう付け部は内圧付加時のレール本体の変形に対して圧縮応力となるため、疲労破壊に対して有利となり、システムの高圧化に十分に対応可能となること、又、ろう付け部が燃料(圧力媒体)に接しない構造となっていることにより、ろう付け部に形状の不均一部分が存在しても応力集中による破損の要因となることはなく、レール本体端部のシールの安定性、信頼性が確保されること、更に、レール本体肉厚を必要最小限に抑えることができるので厚肉化する必要がないこと、又、レール本体に他の部品(インジェクター用ソケット、ブラケット等)をろう付けする際、炉内でレール本体内の雰囲気ガスの置換がスムーズに進むため、良好なろう付けができる、等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造の第1実施例を示す断面図である。
図2】同じく第2実施例を示す断面図である。
図3】同じく第3実施例を示す断面図である。
図4】同じく第4実施例を示す断面図である。
図5】同じく第5実施例を示す断面図である。
図6】従来のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造の一例を示す断面図である。
図7】同じく従来のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における本管レールは、ガソリン直噴エンジン用燃料レール本体であって、一端もしくは管壁面に燃料導入管(図示せず)が接続され、この燃料導入管は配管(図示せず)を介して燃料タンク(図示せず)に連結されており、この燃料タンクの燃料が配管及び燃料ポンプを介して燃料導入管に移送され、燃料導入管から本管レールへと流動し、インジェクター(図示せず)からシリンダー(図示せず)内に噴射される。この本管レール1は、周壁部に前記インジェクターを接続可能とするソケット(図示せず)等が複数設けられている。例えば4気筒エンジンの場合には4個のソケットが、直列6気筒エンジンの場合には6個のソケットが、それぞれ所望の間隔で設けられている。
【0011】
図1において、1はレール本体、2はカラー、3は袋ナット形エンドキャップである。即ち、図1に示す第1実施例のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造は、内部を流通路1−1となした円筒状の内周壁面1−1aを有するレール本体1の管端部外周に、短尺の筒体からなりかつ外周面に雄ネジ2−1が加工されたカラー2がろう付けにて接合されている。2−2はそのろう付け部である。袋ナット形エンドキャップ3は、前記レール本体1の管端開口部との対向面に、当該管端開口端面に当接するシール用突出部3−1を有しており、前記カラー2と螺合して締結されるとともに、前記袋ナット形エンドキャップ3の締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部3−1がレール本体の開口端部に圧接してシールされる構成となしたもので、そのシール方式として、前記袋ナット形エンドキャップ3の前記シール用突出部3−1の断面形状を台形状となしてレール本体1の管端開口部の内面側端縁1−1bと当接する部分をテーパ面3−1aとなし、該シール用突出部3−1のテーパ面3−1aをレール本体1の内面側端縁1−1bに圧接させてシールする方式を採用したものである。
【0012】
上記図1に示すガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造において、カラー2と螺合して締結されている袋ナット形エンドキャップ3を締め付けると、該袋ナット形エンドキャップ3の締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部3−1のテーパ面3−1aがレール本体1の管端開口部の内面側端縁1−1aに圧接することによりレール本体1の開口端部がシールされる。従って、このガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造の場合、ろう付け部2−2は、レール本体1の流通路1−1に内圧が付加された場合に発生する当該レール本体1の半径方向の変形(管体外側への膨らみ)に対して圧縮応力が作用することになるため、当該ろう付け部2−2は耐疲労破壊特性に優れ、レール本体1の流通路1−1に付加される内圧の高圧化に対応可能となる。又、ろう付け部2−2は、レール本体1内の燃料(圧力媒体)に接しない構造となっているので、仮に当該ろう付け部に形状の不均一部分が存在しても応力集中による破損の要因となることが皆無となるのみならず、袋ナット形エンドキャップ3の締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部3−1のテーパ面3−1aをレール本体1の管端開口部の内面側端縁1−1bに圧接させてシールする方式であるから、レール本体1端部のシールの安定性、信頼性も確保される。更に、この端末シール構造は、カラー2に袋ナット形エンドキャップ3を螺合する方式であり、レール本体1に直接袋ナット形エンドキャップ3を螺合する方式ではないためレール本体1を厚肉化する必要もない。
【0013】
図2に示す第2実施例のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造は、シール方式として、レール本体の管端開口部の内面を外方へ拡径するテーパ面となし、該テーパ面に袋ナット形エンドキャップのシール用突出部の先端縁を圧接させてシールする方式を採用したものである。即ち、図2に示すように、内部を流通路1−1となした円筒状の内周壁面1−1aを有するレール本体1の管端開口部の内面に外方へ拡径するテーパ面1−2が形成され、当該テーパ面1−2を有するレール本体1の管端部外周に、前記と同様に短尺の筒体からなりかつ外周面に雄ネジ2−1が加工されたカラー2がろう付け部2−2を介して接合されている。本実施例における袋ナット形エンドキャップ13は、レール本体1の管端開口部に形成したテーパ面1−2との対向面に、先端縁13−1aを有する断面矩形のシール用突出部13−1が形成されている。
【0014】
上記図2に示すガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造において、カラー2と螺合して締結されている袋ナット形エンドキャップ13を締め付けると、該袋ナット形エンドキャップ13の締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部13−1の先端縁13−1aがレール本体1のテーパ面1−2に圧接することによりレール本体1の開口端部がシールされる。従って、このガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造の場合も、前記図1に示すガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造と同様に、ろう付け部2−2は、耐疲労破壊特性に優れ、レール本体1の流通路1−1に付加される内圧の高圧化に対応可能となる。又、ろう付け部2−2は、レール本体1内の燃料(圧力媒体)に接しない構造となっているので、応力集中による破損の要因となることが皆無となるのみならず、袋ナット形エンドキャップ13の締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部13−1の先端縁13−1aをレール本体1のテーパ面1−2に圧接させてシールする方式であるから、本実施例においてもレール本体1端部のシールの安定性、信頼性も確保される。更に、この端末シール構造も、カラー2に袋ナット形エンドキャップ13を螺合する方式であるため、レール本体1を厚肉化する必要もない。
【0015】
図3に示す第3実施例のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造は、シール方式として、レール本体の管端開口端面に環状突起を形成し、該環状突起を袋ナット形エンドキャップのシール用突出部の先端面に圧接させてシールする方式を採用したものである。即ち、図3に示すように、内部を流通路1−1となした円筒状の内周壁面1−1aを有するレール本体1の管端開口部の端面に環状突起1−3を形成され、当該環状突起1−3を有するレール本体1の管端部外周に、前記と同様に短尺の筒体からなりかつ外周面に雄ネジ2−1が加工されたカラー2がろう付け部2−2を介して接合されている。本実施例における袋ナット形エンドキャップ23の断面構造は、前記図2に示すエンドキャップ13と略同様であり、レール本体1の管端開口部に形成した環状突起1−3との対向面に、断面矩形のシール用突出部23−1が形成されている。
【0016】
上記図3に示すガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造において、カラー2と螺合して締結されている袋ナット形エンドキャップ23を締め付けると、該袋ナット形エンドキャップ23の締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部23−1に、レール本体1の環状突起1−3が圧接することによりレール本体1の開口端部がシールされる。従って、このガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造の場合も、前記図1図2に示すガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造と同様に、ろう付け部2−2は、耐疲労破壊特性に優れ、レール本体1の流通路1−1に付加される内圧の高圧化に対応可能となる。又、ろう付け部2−2は、レール本体1内の燃料(圧力媒体)に接しない構造となっているので、応力集中による破損の要因となることが皆無となるのみならず、袋ナット形エンドキャップ23の締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部23−1にレール本体1の環状突起1−3を圧接させてシールする方式であるから、本実施例においてもレール本体1端部のシールの安定性、信頼性も確保される。更に、この端末シール構造も、カラー2に袋ナット形エンドキャップ23を螺合する方式であるため、レール本体1を厚肉化する必要もない。
【0017】
図4に示す第4実施例のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造は、シール方式として、袋ナット形エンドキャップ側のシール用突出部に環状突起を形成し、該環状突起をレール本体の管端開口端面に圧接させてシールする方式を採用したものである。即ち、図4に示すように、内部を流通路1−1となした円筒状の内周壁面1−1aを有するレール本体1の管端部外周に、前記と同様に短尺の筒体からなりかつ外周面に雄ネジ2−1が加工されたカラー2がろう付け部2−2を介して接合されている。本実施例における袋ナット形エンドキャップ33の断面構造は、前記図2図3に示すエンドキャップ13、23と略同様であり、レール本体1の管端開口端面との対向面に環状突起33−1aが形成された断面矩形のシール用突出部33−1が形成されている。
【0018】
上記図4に示すガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造において、カラー2と螺合して締結されている袋ナット形エンドキャップ33を締め付けると、該袋ナット形エンドキャップ33の締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部33−1に形成した環状突起33−1aがレール本体1の管端開口端面に圧接することによりレール本体1の開口端部がシールされる。従って、このガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造の場合も、前記図1図3に示すガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造と同様に、ろう付け部2−2は、耐疲労破壊特性に優れ、レール本体1の流通路1−1に付加される内圧の高圧化に対応可能となる。又、ろう付け部2−2は、レール本体1内の燃料(圧力媒体)に接しない構造となっているので、応力集中による破損の要因となることが皆無となるのみならず、袋ナット形エンドキャップ33の締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部33−1に形成した環状突起33−1aをレール本体1の管端開口端面に圧接させてシールする方式であるから、本実施例においてもレール本体1端部のシールの安定性、信頼性も確保される。更に、この端末シール構造も、カラー2に袋ナット形エンドキャップ33を螺合する方式であるため、レール本体1を厚肉化する必要もない。
【0019】
又、図5に示す第5実施例のガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造は、前記図1図4に示す袋ナット形エンドキャップによるネジ締付け方式に替えて、ボルト形エンドキャップ43によるネジ締付け方式を採用したものである。即ち、この端末シール構造は、レール本体1の管端開口部の内面に形成した外方へ拡径するテーパ面1−2に、ボルト形エンドキャップ43の先端部に形成したシール用突出部の43−2の外周面(シート面)を圧接させてシールする方式を採用したもので、その構成は、レール本体1の管端部外周に、短尺の筒体からなりかつ外端側内周面に雌ネジ22−1が加工されたカラー22がろう付けにて接合され、このカラー22にボルト形エンドキャップ43が螺合して締結されるとともに、前記ボルト形エンドキャップ43の締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部43−2の外周面(シート面)が前記レール本体1の管端開口部のテーパ面1−2に圧接してシールされる構成となしたものである。22−2はカラー22のろう付け部、43−1は雄ネジである。
【0020】
上記のように、図5に示すガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造の場合も、前記図1図4に示すガソリン直噴エンジン用燃料レールの端末シール構造と同様に、ろう付け部22−2は、耐疲労破壊特性に優れ、レール本体1の流通路1−1に付加される内圧の高圧化に対応可能となる。又、ろう付け部22−2は、レール本体1内の燃料(圧力媒体)に接しない構造となっているので、応力集中による破損の要因となることが皆無となるのみならず、ボルト形エンドキャップ43の締め付けにより発生する軸力により当該エンドキャップのシール用突出部43−2の外周面(シート面)43−2aをレール本体1の管端開口部のテーパ面1−2に圧接させてシールする方式であるから、本実施例においてもレール本体1端部のシールの安定性、信頼性も確保される。更に、この端末シール構造も、カラー22にボルト形エンドキャップ43を螺合する方式であるため、レール本体1を厚肉化する必要もない。
【符号の説明】
【0021】
1 レール本体
1−1 流通路
1−1a 内周壁面
1−1b 内面側端縁
1−2 テーパ面
1−3、33−1a 環状突起
2、22 カラー
2−1 雄ネジ
2−2、22−2 ろう付け部
3、13、23、33 袋ナット形エンドキャップ
3−1、13−1、23−1、33−1、43−2 シール用突出部
3−1a テーパ面
13−1a 先端縁
22−1 雌ネジ
43 ボルト形エンドキャップ
43−1 雄ネジ
43−2a 外周面(シート面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7