(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記把持部において、少なくとも、前記縁辺の前記一部分を含み且つ前記縁辺の前記一部分に沿った領域では、前記第1フィルム部と前記第2フィルム部とが相互に非接着となっている請求項1に記載の包装袋。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0012】
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る包装袋100の平面図である。
図2(a)および(b)は第1の実施形態に係る包装袋100の取手部30の斜視図である。
図2(a)および(b)は、互いに異なる方向から取手部30を見た状態をそれぞれ示している。
図3は第1の実施形態に係る包装商品200の平面図である。
図4は第1の実施形態に係る包装商品200の製造工程を示す図であり、このうち(a)は斜視図、(b)、(c)および(d)は平面図である。なお、各図において、フィルム材20がシールされている部分(シール部)を分かりやすくするため、シール部にはハッチングを付している。
【0013】
本実施形態に係る包装袋100は、ピロータイプと呼ばれる形態のものである。ピロータイプの包装袋100は、自立性を有していないため、包装商品200は、陳列時や保管時に寝かせて配置されるか、箱等によって立てて配置される。
【0014】
包装袋100は、軟包装材料としてのフィルム材を含んで構成された軟包装容器である。すなわち、包装袋100は、1枚又は複数枚のフィルム材を含んで構成された袋体10を有する。1枚又は複数枚のフィルム材の各々は、合成樹脂等の材料により構成され、連続的なシート状に形成されている。本実施形態の場合、袋体10は、1枚のフィルム材20により構成されている(
図4参照)。
【0015】
包装袋100は、袋体10のみにより構成されていても良いし、袋体10以外の部材を袋体10に取り付けることにより構成されていても良い。
袋体10以外の部材としては、例えば、内容物を注出する注出口を有する筒状部材などが挙げられる。この筒状部材は、例えば、スクリューキャップを装着可能なように雄ねじ形状に形成される。
また、袋体10以外の部材としては、他に、袋体10において開封されることにより注出口となる部分の近傍に内包された筒状部材が挙げられる。この筒状部材は、内容物を注出口から注出する際の流路となる注出流路を構成する。
ただし、本実施形態では、包装袋100が袋体10のみにより構成されているものとして、以下、説明を続ける。
【0016】
本実施形態に係る包装袋100(袋体10)は、内容物150(
図3)を収容するものであり、フィルム材20を含んで構成されている。
フィルム材20は、第1フィルム部21と、第2フィルム部22と、折り返し部23と、を有する(それぞれ
図4(a)参照)。すなわち、第1フィルム部21、第2フィルム部22および折り返し部23の各々は、連続的なシート状のフィルム材20の一部分ずつからなる。
第1フィルム部21および第2フィルム部22は、当該フィルム材20が折り返されることによって互いに表裏の位置関係とされている。すなわち第1フィルム部21の背面側に第2フィルム部22が配置され、第2フィルム部22の背面側に第1フィルム部21が配置されている。
折り返し部23は、第1フィルム部21と第2フィルム部22とを相互に繋いでいるとともに、包装袋100の縁辺の一部分を構成している部分である。
【0017】
ここで、包装袋100(袋体10)の形状は、特に限定されないが、例えば、
図1に示すように、矩形状にすることができる。
この場合、包装袋100の縁辺は、それぞれ直線状に延在する4つの部分、すなわち第1縁辺部11、第2縁辺部12、第3縁辺部13および第4縁辺部14を有する。このうち、第3縁辺部13は、折り返し部23により構成されている。第1縁辺部11と第3縁辺部13とは互いに平行に延在し、第2縁辺部12と第4縁辺部14とは互いに平行に延在している。第2縁辺部12および第4縁辺部14は、第1縁辺部11および第3縁辺部13に対して直交している。
【0018】
包装袋100は、使用者に把持される把持部50と、把持部50を把持する手の指(図示略)が差し込まれる開口部40と、を有する取手部30を備えている。
把持部50は、包装袋100における開口部40と包装袋100の縁辺の一部分(例えば、第3縁辺部13の一部分である縁辺51)との間の部分により構成されている。
なお、縁辺51は、把持部50の縁辺でもある。すなわち、把持部50は、当該把持部50を基準として開口部40側とは反対側に縁辺51を有している。
上記のように、第3縁辺部13は折り返し部23により構成されている。このため、第3縁辺部13の一部分である縁辺51も折り返し部23により構成されている。つまり、把持部50における開口部40側とは反対側の縁辺51は、折り返し部23により構成されている。
【0019】
開口部40に手指を差し込んだ状態で、把持部50を把持したとき、縁辺51が手の平に当たるが、本実施形態では、縁辺51はフィルム材20を裁断することにより構成された切断端ではなく、折り返し部23により構成されている。このため、縁辺51の手触りがソフトである。
【0020】
また、把持部50において、少なくとも、縁辺51(包装袋100の縁辺の上記一部分)を含み且つ縁辺51に沿った領域では、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互に非接着となっている。すなわち、当該領域では、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが互いにシールされてはいない。このため、把持部50において、少なくとも、把持部50を把持したときに手の平に当たる部分(縁辺51を含む部分)の剛性を抑制できるため、縁辺51が手の平に食い込むことをより確実に抑制することができる。
また、把持部50を構成する第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙が袋体10の外部の空間と連通していて当該間隙に空気等が流入可能となっている場合は、折り返し部23の弾性により把持部50が膨らんだり、或いは、把持部50を把持したときに縁辺51が手の平に押されることによって把持部50が膨らんだりするようにできる。つまり、縁辺51が半筒形状のような曲面状となるように変形できるため、縁辺51が手の平に食い込むことをより確実に抑制することができる。ここで、半筒形状とは、円筒を軸方向に2分割した形状を意味する。
【0021】
取手部30は、把持部50から開口部40へ延出している折り返し片60を有する。折り返し片60は、把持部50側に折り返し可能となっている(
図2(a)、(b)参照)。すなわち、折り返し片60における縁辺51側(把持部50側)とは反対側の縁辺61が、縁辺51に近づくように、折り返し片60を折り返すことができるようになっている。このように折り返し片60を折り返す際、例えば、折り返し片60と把持部50との境界線55又はその近傍の部分が折り返し線となる。
【0022】
袋体10には、当該袋体10の表裏を貫通するスリット41が形成されている。このスリット41は、例えば、開口部40と把持部50との境界線55の一端55aを始端とし、境界線55の他端55bを終端とし、且つ、スリット41においてその始端と終端とを繋ぐ部分は、境界線55を基準として把持部50側とは反対側に位置している。そして、折り返し片60は、袋体10においてスリット41に囲まれた部位により構成されている。
折り返し片60の平面形状は特に限定されない。
図1の例では、折り返し片60は平面視矩形状に形成されており、スリット41はコ字状に形成されている。
なお、開口部40は、折り返し片60と、袋体10における折り返し片60の周囲の部分と、の間に形成されている。すなわち、袋体10においてスリット41により互いに隔てられた部分どうしの間隙が開口部40を構成する。
なお、折り返し片60が、袋体10における折り返し片60の周囲の部分と同一平面上に位置する状態では、開口部40は実質的に閉じた状態となる。使用者が開口部40に手指を差し入れようとして折り返し片60を押し動かすことにより、開口部40が開くようになっている。
【0023】
このように、取手部30は、単に袋体10の一部分を打ち抜いて形成された開口を有するものではなく、開口部40内に延出する折り返し片60が残留するようにスリット41を形成することにより構成されている。
このため、折り返し片60を把持部50側に折り返し、把持部50とともに折り返し片60を把持することによって、取手部30を持つことができる。
したがって、把持部50を把持したときに、折り返し片60と把持部50との境界線55およびその近傍の部分が手指に当たるようにできるため、手指に当たる部分の手触りをソフトにすることができる。よって、開口部40の縁部が手指に食い込むことを抑制することができる。
【0024】
また、例えば、第1フィルム部21および第2フィルム部22において、境界線55上に位置する部分どうしは、互いにシールされていない。すなわち、境界線55において、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互に非接着となっている。これにより、包装袋100(袋体10)を境界線55において折り曲げて折り返し片60を把持部50側に折り返す際に、包装袋100(袋体10)が境界線55において突っ張ったりごわついたりすることを抑制できる。よって、包装袋100(袋体10)を境界線55においてスムーズに折り曲げることができる。
【0025】
更に、例えば、折り返し片60は、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互に非接着となっている領域を有している。すなわち、第1フィルム部21および第2フィルム部22において、折り返し片60を構成する部分の一部分どうしは、互いにシールされていない。これにより、折り返し片60がごわついてしまうことを抑制でき、折り返し片60の手触りをソフトにすることができる。
【0026】
把持部50の平面形状は特に限定されないが、例えば、第3縁辺部13の延在方向に長尺な矩形状とすることができる。また、折り返し片60の平面形状は特に限定されないが、例えば、第3縁辺部13の延在方向に長尺な矩形状とすることができる。また、折り返し片60を把持部50側に折り返したときの開口部40の平面形状は特に限定されないが、例えば、第3縁辺部13の延在方向に長尺な矩形状とすることができる。折り返し片60および開口部40は、第3縁辺部13と後述のシール部83との間において、第3縁辺部13に沿って配置することができる。開口部40は、例えば第1指を除く4本の指をまとめて差し込むことが可能な寸法であることが好ましい。
【0027】
包装袋100(袋体10)は、例えば矩形状の1枚のフィルム材20を2つ折りすることにより第1フィルム部21、第2フィルム部22および折り返し部23を形成し、第1フィルム部21と第2フィルム部22とを互いに重ね合わせた状態でこれらを部分的に互いにシール(熱接着等)することにより構成されている。
ここで、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互にシールされた部分をシール部と称することとする。本実施形態の場合、包装袋100の状態におけるシール部には、例えば、シール部81、シール部82およびシール部83が含まれる。シール部81は、第1縁辺部11の両端間に亘って形成されている。シール部82は、第2縁辺部12の両端間に亘って形成されている。シール部83は、第1縁辺部11と第3縁辺部13との間において、第1縁辺部11および第3縁辺部13に対して平行に、第2縁辺部12から第4縁辺部14に亘って形成されている。
【0028】
包装袋100(袋体10)において、シール部81、シール部83およびシール部82により囲まれた部分は、内容物を収容する収容部15を構成している。すなわち、収容部15は、第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙のうち、シール部81、シール部83およびシール部82により囲まれた領域からなる。
【0029】
包装袋100の状態では、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが第4縁辺部14において相互にシールされていないため、収容部15は、第4縁辺部14において開口する開口部15aを有する。収容部15への内容物の充填は、開口部15aを通して行うことができるようになっている。
【0030】
包装袋100(袋体10)には、更に、開封案内線70が形成されている。開封案内線70に沿って包装袋100を破断(すなわち包装袋100を開封)することにより、内容物を包装袋100から外部に注出するための注出口(図示略)を形成できるようになっている。
開封案内線70は、包装袋100の一隅部において、収容部15の一部分をまたぐように形成されている。具体的には、例えば、収容部15の隅部において、第1縁辺部11から第4縁辺部14に亘って開封案内線70が形成されている。
【0031】
開封案内線70において、シール部の非形成領域に位置する部分は、例えば、第1フィルム部21および第2フィルム部22の各々の外表面に形成されたハーフカット溝とすることができる。ハーフカット溝とは、第1フィルム部21および第2フィルム部22の各々について、その表裏を貫通しない深さに形成された溝である。
また、開封案内線70において、シール部(例えばシール部81)の形成領域に位置する部分は、例えば、ミシン目又はハーフカット溝などとすることができる。
なお、第1フィルム部21のハーフカット溝と、第2フィルム部22のハーフカット溝とは、平面視において互いに重なる位置、又は平面視において互いに近接した位置に配置されていることが好ましく、このようにすることによって、第1フィルム部21と第2フィルム部22とを同等の位置において一括して破断することができる。開封案内線70においてハーフカット溝からなる部分は、包装袋100の表裏(第1フィルム部21および第2フィルム部22の各々の外表面)に形成された一列ずつのハーフカット溝により構成されていても良いし、互いに並走する複数列のハーフカット溝が包装袋100の表裏にそれぞれ形成されていても良い。
【0032】
なお、例えば、シール部81の外縁において、開封案内線70の一端と対応する部分には、開封の際の破断の起点を容易に形成するための切欠形状部75が形成されている。切欠形状部75の形状は、V字形又はU字形などとすることができる。
【0033】
包装袋100(袋体10)において、シール部83を基準として収容部15側とは反対側の部分(以下、この部分を非収容部16と称する)に、上記の取手部30が形成されている。
換言すれば、包装袋100は、収容部15から内容物を注出するための注出部(例えば、破断することにより注出口を形成するための開封案内線70)を有し、把持部50は、収容部15を間に挟んで注出部(開封案内線70)とは反対側に配置されている。
これにより、把持部50を把持し、且つ、把持部50とは反対側の注出部側が下がるように包装袋100を傾ける自然な動作により、注出部から内容物をスムーズに注出することができる。このため、把持部50を必要以上に強い力で把持する必要が無い。その結果、縁辺51の手触りをソフトにすることができる。
【0034】
ここで、非収容部16に形成された開口部40の内縁のうち、縁辺61と対向する部位を縁辺16aと称する。
境界線55から縁辺16aまでの距離(以下、開口部40の幅Wと称する)は、開口部40に手を挿入して把持部50を把持した際に手が縁辺16aに接触しない程度の十分な大きさに設定されていることが好ましい。
ただし、包装袋100の寸法の都合上、幅Wを十分に大きくできない場合は、縁辺16aを波線状などの手触りがソフトな形状に形成することが好ましい。
【0035】
ここで、フィルム材20の材料及び層構造の例を説明する。
フィルム材20は、例えば、複数の層構造を有するラミネートフィルムとすることができる。
より具体的には、例えば、フィルム材20は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる外層と、ナイロン(Ny)からなる中間層と、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)からなる内層と、の3層構造をなしている。
或いは、フィルム材20は、二軸延伸ナイロン(ONy)からなる外層と、アルミニウムが蒸着されたPETシートからなる中間層と、直鎖状低密度ポリエチレンからなる内層と、の3層構造をなしていても良い。
これらの例では、外層は包装袋100(袋体10)の外表面を構成する層であり、内層は包装袋100(袋体10)を 構成する層であり、中間層は外層と内層との間に介在する層である。外層と中間層とは接着剤により相互に貼り合わされている。同様に、中間層と内層とは接着剤により相互に貼り合わされている。
ただし、ここで説明したフィルム材20の材料および層構造は、単なる例示であり、フィルム材20は、その他の材料により構成されていたり、その他の層構造をなしていたりしても良い。
【0036】
次に、
図3を参照して、包装商品200について説明する。
【0037】
本実施形態に係る包装商品200は、本実施形態に係る包装袋100と、包装袋100に封入された内容物150と、を備える。
すなわち、包装商品200となった状態の包装袋100には、第4縁辺部14の両端間に亘ってシール部84が形成されていることにより、内容物150が収容部15に封入されている。
【0038】
次に、
図4(a)および(b)を参照して、包装袋100を製造する方法の一例を説明する。
【0039】
先ず、
図4(a)に示すように、矩形状のフィルム材20を2つ折りすることにより、それぞれフィルム材20の一部分ずつからなり互いに表裏の位置関係にある第1フィルム部21および第2フィルム部22と、折り返し部23と、を形成する。
【0040】
次に、第1フィルム部21と第2フィルム部22とを熱接着(ヒートシール)して貼り合わせることにより、第1縁辺部11に沿ったシール部81と、第2縁辺部12に沿ったシール部82と、第2縁辺部12から第4縁辺部14に亘るシール部83と、を形成する。
こうして、収容部15と非収容部16とを有するとともに、収容部15の一端に開口部15aを有する袋体10が形成される。
更に、袋体10の非収容部16にスリット41を形成することにより、開口部40、折り返し片60および把持部50を形成する。
更に、袋体10に開封案内線70と、切欠形状部75と、を形成する。
なお、切欠形状部75の形成と、スリット41の形成とは、一括して行っても良い。また、開封案内線70の一部分がミシン目からなる場合、このミシン目も、切欠形状部75およびスリット41と一括して形成しても良い。
なお、開封案内線70において、ハーフカット溝からなる部分は、例えば、レーザー加工又はトムソン刃加工などにより形成することができる。
【0041】
こうして、包装袋100が得られる(
図4(b))。
【0042】
次に、
図4(c)および(d)を参照して、包装袋100を用いて包装商品200を製造する方法の一例を説明する。
【0043】
先ず、
図4(c)に示すように、開口部15aを介して、収容部15内に内容物150を充填する。
【0044】
ここで、内容物150の種類は、特に限定されない。内容物150としては、例えば、洗剤、シャンプー、リンス、ボディーソープ、食品などが挙げられる。
また、内容物150の形態は、液体(ペースト状のものを含む)であっても良いし、固体(例えば、粒状のもの(顆粒状のものを含む)、或いは粉状のものなど)であっても良い。
【0045】
内容物150が液状の場合には、例えば30℃における粘度が1mPa・s〜5万mPa・s(B型粘度計で測定)の内容物150が包装袋100内に収容される。
【0046】
次に、
図4(d)に示すように、第1フィルム部21と第2フィルム部22とを第4縁辺部14に沿って熱接着することによって、シール部84を形成する。これにより、収容部15に内容物150が密封状態で封入される。
【0047】
こうして、包装商品200が得られる。
つまり、包装袋100の収容部15に対し、第4縁辺部14において開口する開口部15aを介して内容物150を充填した後で、第4縁辺部14をシールして封緘することにより、包装商品200が得られる。
【0048】
このような包装商品200から内容物150を注出するには、開封案内線70に沿って袋体10を破断することにより袋体10に注出口を形成した後、注出口から内容物150を注出する。このとき、開口部40に手指を差し込むとともに、手で把持部50を把持することにより、包装商品200をしっかりと持つことができるので、包装袋100が大容量のものであっても(包装商品200が大重量のものであっても)、容易に内容物150の注出を行うことができる。
【0049】
ここで、把持部50における開口部40側とは反対側の縁辺51は、折り返し部23により構成されているので、縁辺51の手触りがソフトであり、縁辺51が手の平に食い込むことを抑制できる。
【0050】
なお、包装商品200から内容物150を注出する際には、通常、第4縁辺部14側が上、第2縁辺部12側が下となるようにして、包装商品200を持つ。このため、包装商品200は、当該包装商品200の上縁(包装商品200から内容物150を注出する際に上縁となる第4縁辺部14)にシール部84を有しているものである、と言える。
【0051】
なお、包装商品200の持ち運びその他の取り扱いの際にも、開口部40に手指を差し込むとともに手で把持部50を把持して包装商品200を持つことができる。その際にも、縁辺51の手触りがソフトであり、縁辺51が手の平に食い込むことを抑制できる。
【0052】
以上のような第1の実施形態によれば、包装袋100は、使用者に把持される把持部50と、把持部50を把持する手の指が差し込まれる開口部40と、を有する取手部30を備え、把持部50は、包装袋100における開口部40と当該包装袋100の縁辺の一部分(例えば、第3縁辺部13の一部分である縁辺51)との間の部分により構成されており、縁辺の一部分(縁辺51)は折り返し部23により構成されている。よって、取手部30の縁辺51(把持部50の縁辺51)の手触りをソフトにすることができる。
【0053】
近年、包装袋の大容量化および包装商品の大重量化が進んでいるため、包装袋100を構成するフィルム材が厚肉化することや、フィルム材が金属層を含む丈夫なものとなったりすることが想定される。
このような事情に対し、本実施形態によれば、把持部50を把持したときに、折り返し部23からなる縁辺51が手の平に当たるようにできるため、フィルム材20の厚肉化などによりフィルム材20の剛性が大きくなった場合でも、取手部30の手触りの悪化を抑制することができる。
【0054】
また、把持部50において、少なくとも、包装袋100の縁辺の上記一部分(縁辺51)を含み且つ包装袋100の縁辺の上記一部分(縁辺51)に沿った領域では、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互に非接着となっているので、把持部50において、少なくとも、把持部50を把持したときに手の平に当たる部分(縁辺51を含む部分)の剛性を抑制できる。よって、縁辺51が手の平に食い込むことをより確実に抑制できる。また、把持部50を構成する第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙に空気等が流入可能な形態の場合は、折り返し部23の弾性により把持部50が膨らんだり、或いは、把持部50を把持したときに縁辺51が手の平に押されることによって把持部50が膨らんだりするようにできる。よって、縁辺51が半筒形状のような曲面状となるように変形できるため、縁辺51が手の平に食い込むことをより確実に抑制することができる。
【0055】
また、取手部30は、把持部50から開口部40へ延出している折り返し片60を有し、折り返し片60は、把持部50側に折り返し可能となっている。
よって、折り返し片60を把持部50側に折り返すことにより、把持部50とともに折り返し片60を把持して、取手部30を持つことができる。
このため、把持部50を把持したときに指に当たる部分の手触りもソフトにすることができ、開口部40の縁部が指に食い込むことを抑制することができる。
【0056】
また、折り返し片60と把持部50との境界線55において、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互に非接着となっている。よって、包装袋100(袋体10)を境界線55に沿って折り曲げて折り返し片60を把持部50側に折り返す際に、包装袋100(袋体10)が境界線55において突っ張ったりごわついたりすることを抑制できるので、包装袋100(袋体10)を境界線55においてスムーズに折り曲げることができる。
【0057】
また、折り返し片60は、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互に非接着となっている領域を有している。よって、折り返し片60がごわついてしまうことを抑制でき、折り返し片60の手触りをソフトにすることができる。
【0058】
なお、本実施形態に係る包装袋100の容量(収容部15に収容可能な内容物の量)は、2リットル以上10リットル以下の範囲が好ましく、2リットル以上6リットル以下がより好ましく、4リットル以上5リットル以下が更に好ましい。包装袋100の容量が係る範囲であると、本実施形態の上記効果を得やすくなる。
【0059】
〔第2の実施形態〕
図5(a)は第2の実施形態に係る包装袋100の取手部30の平面図である。
図5(a)において、フィルム材20がシールされている部分(シール部)を分かりやすくするため、シール部にはハッチングを付している。
【0060】
本実施形態に係る包装袋100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る包装袋100と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装袋100と同様に構成されている。
【0061】
また、本実施形態に係る包装商品(図示略)は、上記の第1の実施形態に係る包装袋100の代わりに本実施形態に係る包装袋100を有する点で、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と同様に構成されている。
【0062】
本実施形態の場合、把持部50において、第1フィルム部21と第2フィルム部22(
図4(a)参照)との間隙に独立室91が形成されている。独立室91には、空気又は水などの流体(図示略)が充填されている。独立室91は、該独立室91の周囲において第1フィルム部21と第2フィルム部22とを相互にシールすることによって形成されたシール部(以下、独立室形成用シール部86)に囲まれている。
【0063】
独立室91は、第3縁辺部13に沿って延在しているとともに、縁辺51を含んでいる。独立室91に流体が充填されていることにより、独立室91は包装袋100の厚み方向に膨らんでおり、例えば、常態において縁辺51が半筒形状の曲面状となっている。このため、縁辺51の手触りがよりソフトになっている。また、把持部50は、厚みのある独立室91を有するため、把持部50をより安定的に把持することができるため、包装商品200が大重量のものであっても、包装商品200を安定的に保持することができる。
【0064】
独立室91の平面形状は特に限定されないが、例えば、第3縁辺部13の延在方向に長尺な矩形状とすることができる。
この場合、独立室形成用シール部86は、例えば、境界線55に沿って直線状に延在するように把持部50に形成された第1部分86aと、第3縁辺部13に対して直交しているとともに第3縁辺部13から第1部分86aの一端に亘って延在する第2部分86bと、第3縁辺部13に対して直交しているとともに第3縁辺部13から第1部分86aの他端に亘って延在する第3部分86cと、を有する。
【0065】
なお、独立室91に流体を充填する処理は、独立室形成用シール部86の形成後に行っても良いし、独立室91に流体を充填する処理と独立室形成用シール部86の形成とを並行して行っても良い。
【0066】
以上のような第2の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
【0067】
すなわち、本実施形態の場合、把持部50において、第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙に独立室91が形成され、独立室91には流体が充填され、独立室91は、該独立室91の周囲において第1フィルム部21と第2フィルム部22とを相互にシールすることによって形成された独立室形成用シール部86に囲まれている。よって、縁辺51の手触りをよりソフトにすることができるとともに、把持部50をより安定的に把持することができる。
【0068】
なお、上記の第2の実施形態では、非収容部16における独立室91および独立室形成用シール部86以外の部分は、第1フィルム部21と第2フィルム部22とがシールされていない非シール部となっている例を示した。ただし、上記の第2の実施形態では、非収容部16における独立室91以外の部分の全体を、第1フィルム部21と第2フィルム部22とがシールされたシール部(このシール部は独立室形成用シール部86を含む)としても良い。
【0069】
〔第3の実施形態〕
図5(b)は第3の実施形態に係る包装袋100の取手部30の平面図である。
図5(b)において、フィルム材20がシールされている部分(シール部)を分かりやすくするため、シール部にはハッチングを付している。
【0070】
本実施形態に係る包装袋100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る包装袋100と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装袋100と同様に構成されている。
【0071】
また、本実施形態に係る包装商品(図示略)は、上記の第1の実施形態に係る包装袋100の代わりに本実施形態に係る包装袋100を有する点で、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と同様に構成されている。
【0072】
本実施形態の場合、折り返し片60において、第1フィルム部21と第2フィルム部22(
図4(a)参照)との間隙に独立室92が形成されている。独立室92には、空気又は水などの流体(図示略)が充填されている。独立室92は、該独立室92の周囲において第1フィルム部21と第2フィルム部22とを相互にシールすることによって形成されたシール部(以下、独立室形成用シール部87)に囲まれている。
【0073】
独立室92に流体が充填されていることにより、独立室92は包装袋100の厚み方向に膨らんでいる。このため、折り返し片60の手触りがよりソフトになっている。また、折り返し片60は、厚みのある独立室92を有するため、折り返し片60をより安定的に把持することができるため、包装商品200が大重量のものであっても、包装商品200を安定的に保持することができる。
【0074】
独立室92の平面形状は特に限定されないが、例えば、境界線55の延在方向に長尺な矩形状とすることができる。独立室形成用シール部87は、例えば、折り返し片60の周縁部に沿って環状(例えば矩形枠状)に形成されている。
【0075】
なお、独立室92に流体を充填する処理は、独立室形成用シール部87の形成後に行っても良いし、独立室92に流体を充填する処理と独立室形成用シール部87の形成とを並行して行っても良い。
【0076】
以上のような第3の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
【0077】
すなわち、本実施形態の場合、折り返し片60において、第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙に独立室92が形成され、独立室92には流体が充填され、独立室92は、該独立室92の周囲において第1フィルム部21と第2フィルム部22とを相互にシールすることによって形成された独立室形成用シール部87に囲まれている。よって、折り返し片60の手触りをよりソフトにすることができるとともに、折り返し片60を含む取手部30をより安定的に保持することができる。
【0078】
なお、上記の第3の実施形態では、非収容部16における独立室92および独立室形成用シール部87以外の部分は、第1フィルム部21と第2フィルム部22とがシールされていない非シール部となっている例を示した。ただし、上記の第3の実施形態では、非収容部16における独立室92以外の部分の全体を、第1フィルム部21と第2フィルム部22とがシールされたシール部(このシール部は独立室形成用シール部87を含む)としても良い。
【0079】
〔第4の実施形態〕
図5(c)は第4の実施形態に係る包装袋100の取手部30の平面図である。
図5(c)において、フィルム材20がシールされている部分(シール部)を分かりやすくするため、シール部にはハッチングを付している。
【0080】
本実施形態に係る包装袋100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る包装袋100と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装袋100と同様に構成されている。
【0081】
また、本実施形態に係る包装商品(図示略)は、上記の第1の実施形態に係る包装袋100の代わりに本実施形態に係る包装袋100を有する点で、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と同様に構成されている。
【0082】
本実施形態の場合、把持部50から折り返し片60に亘って連続的に存在する独立室93が、第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙に形成されている。独立室93には、空気又は水などの流体(図示略)が充填されている。独立室93は、該独立室93の周囲において第1フィルム部21と第2フィルム部22とを相互にシールすることによって形成されたシール部(以下、独立室形成用シール部88)に囲まれている。
【0083】
独立室93は、縁辺51を含んでいるとともに、縁辺51に沿って(つまり第3縁辺部13に沿って)延在している。独立室93に流体が充填されていることにより、独立室93は包装袋100の厚み方向に膨らんでおり、例えば、常態において縁辺51が半筒形状の曲面状となっている。このため、縁辺51の手触りがよりソフトになっている。また、把持部50から折り返し片60に亘って、厚みのある独立室93が形成されているため、把持部50および折り返し片60をより安定的に把持することができるため、包装商品200が大重量のものであっても、包装商品200を安定的に保持することができる。
【0084】
独立室93の平面形状は特に限定されないが、例えば、第3縁辺部13の延在方向に長尺な矩形状とすることができる。
この場合、独立室形成用シール部88は、例えば、折り返し片60における縁辺51側とは反対側の縁辺61に沿って直線状に延在するように形成された第1部分88aと、縁辺51に対して直交しているとともに縁辺51から第1部分88aの一端に亘って延在する第2部分88bと、縁辺51に対して直交しているとともに縁辺51から第1部分88aの他端に亘って延在する第3部分88cと、を有する。
【0085】
なお、独立室93に流体を充填する処理は、独立室形成用シール部88の形成後に行っても良いし、独立室93に流体を充填する処理と独立室形成用シール部88の形成とを並行して行っても良い。
【0086】
以上のような第4の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
【0087】
すなわち、本実施形態の場合、包装袋100は、把持部50から開口部40へ延出している折り返し片60を有し、折り返し片60は、把持部50側に折り返し可能である。そして、把持部50において、少なくとも包装袋100の縁辺の上記一部分(縁辺51)を含み且つ包装袋100の縁辺の上記一部分(縁辺51)に沿った領域では、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互に非接着となっているとともに、折り返し片60は、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互に非接着となっている領域を有している。
そして、把持部50から折り返し片60に亘って連続的に存在する独立室93が、第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙に形成され、独立室93には流体が充填され、独立室93は、該独立室93の周囲において第1フィルム部21と第2フィルム部22とを相互にシールすることによって形成された独立室形成用シール部88に囲まれている。
よって、縁辺51の手触りをよりソフトにすることができるとともに、把持部50および折り返し片60をより安定的に把持することができる。
【0088】
なお、上記の第4の実施形態では、非収容部16における独立室93および独立室形成用シール部88以外の部分は、第1フィルム部21と第2フィルム部22とがシールされていない非シール部となっている例を示した。ただし、上記の第4の実施形態では、非収容部16における独立室93以外の部分の全体を、第1フィルム部21と第2フィルム部22とがシールされたシール部(このシール部は独立室形成用シール部88を含む)としても良い。
【0089】
〔第5の実施形態〕
図5(d)は第5実施形態に係る包装袋100の取手部30の平面図である。
図5(d)において、フィルム材20がシールされている部分(シール部)を分かりやすくするため、シール部にはハッチングを付している。
【0090】
本実施形態に係る包装袋100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る包装袋100と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装袋100と同様に構成されている。
【0091】
また、本実施形態に係る包装商品(図示略)は、上記の第1の実施形態に係る包装袋100の代わりに本実施形態に係る包装袋100を有する点で、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と同様に構成されている。
【0092】
本実施形態の場合、把持部50において、第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙に独立室(第1独立室)91が形成されている。独立室91には、空気又は水などの流体(図示略)が充填されている。独立室91は、該独立室91の周囲において第1フィルム部21と第2フィルム部22とを相互にシールすることによって形成された第1シール部(後述)に囲まれている。
更に、本実施形態の場合、折り返し片60において、第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙に独立室(第2独立室)92が形成されている。独立室92には、空気又は水などの流体(図示略)が充填されている。独立室92は、該独立室92の周囲において第1フィルム部21と第2フィルム部22とを相互にシールすることによって形成された第2シール部(後述)に囲まれている。
【0093】
独立室91は、第3縁辺部13に沿って延在しているとともに、縁辺51を含んでいる。独立室91に流体が充填されていることにより、独立室91は包装袋100の厚み方向に膨らんでおり、例えば、常態において縁辺51が半筒形状の曲面状となっている。このため、縁辺51の手触りがよりソフトになっている。
また、独立室92に流体が充填されていることにより、独立室92は包装袋100の厚み方向に膨らんでいる。このため、折り返し片60の手触りがよりソフトになっている。
また、把持部50および折り返し片60は、それぞれ厚みのある独立室91、92を有するため、把持部50および折り返し片60をより安定的に把持することができるため、包装商品200が大重量のものであっても、包装商品200を安定的に保持することができる。
【0094】
独立室91および独立室92の平面形状は特に限定されないが、例えば、それぞれ第3縁辺部13の延在方向に長尺な矩形状とすることができる。
ここで、独立室91を形成する第1シール部と、独立室92を形成する第2シール部とは、互いに離間して形成されていても良いが、
図5(d)の例では、第1シール部と第2シール部とが互いに繋がって形成されている。
すなわち、袋体10に独立室形成用シール部89を形成することにより、独立室91および独立室92が形成されている。
独立室形成用シール部89は、例えば、第1部分89a、第2部分89b、第3部分89cおよび第4部分89dを有する。第1部分89aは、折り返し片60における縁辺51側とは反対側の縁辺61に沿って直線状に延在するように形成されている。第2部分89bは、縁辺51に対して直交しているとともに縁辺51から第1部分89aの一端に亘って延在している。第3部分89cは、縁辺51に対して直交しているとともに縁辺51から第1部分89aの他端に亘って延在している。第4部分89dは、境界線55に沿って形成され、第2部分89bから第3部分89cに亘って延在している。
独立室91は、第4部分89dと、第2部分89bの一部分と、第3部分89cの一部分と、に囲まれた領域により構成されている。つまり、独立室91を形成する第1シール部は、第4部分89dと、第2部分89bの一部分と、第3部分89cの一部分と、により構成されている。
独立室92は、第1部分89aと、第2部分89bの残りの部分と、第3部分89cの残りの部分と、第4部分89dと、により囲まれた領域により構成されている。つまり、 独立室92を形成する第2シール部は、第1部分89aと、第2部分89bの残りの部分と、第3部分89cの残りの部分と、第4部分89dと、により構成されている。
このように、第4部分89dは、第1シール部と第2シール部とに共用となっているとともに、独立室92と独立室91とを相互に仕切る仕切りとして機能している。
【0095】
なお、独立室91および独立室92に流体を充填する処理は、独立室形成用シール部89の形成後に行っても良いし、独立室91および独立室92に流体を充填する処理と独立室形成用シール部89の形成とを並行して行っても良い。
【0096】
以上のような第5の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
【0097】
すなわち、本実施形態の場合、包装袋100は、把持部50から開口部40へ延出している折り返し片60を有し、折り返し片60は、把持部50側に折り返し可能である。把持部50において、少なくとも包装袋100の縁辺の上記一部分(縁辺51)を含み且つ包装袋100の縁辺の上記一部分(縁辺51)に沿った領域では、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互に非接着となっているとともに、折り返し片60は、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互に非接着となっている領域を有している。
把持部50において、第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙に独立室91が形成され、折り返し片60において、第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙に独立室92が形成されている。
そして、独立室91と独立室92との各々に流体が充填されている。
独立室91は、該独立室91の周囲において第1フィルム部21と第2フィルム部22とを相互にシールすることによって形成された第1シール部に囲まれている。
また、独立室92は、該独立室92の周囲において第1フィルム部21と第2フィルム部22とを相互にシールすることによって形成された第2シール部に囲まれている。
よって、縁辺51の手触りをよりソフトにすることができるとともに、把持部50および折り返し片60をより安定的に把持することができる。
また、把持部50と折り返し片60にそれぞれ独立室91、92が形成されているので、独立室91と独立室92との境界部に沿って容易に折り返し片60を把持部50側に折り返すこともできる。具体的には、例えば、独立室形成用シール部89の第4部分89dに沿って容易に折り返し片60を把持部50側に折り返すことができる。
【0098】
なお、上記の第5の実施形態では、非収容部16における独立室91、独立室92および独立室形成用シール部89以外の部分は、第1フィルム部21と第2フィルム部22とがシールされていない非シール部となっている例を示した。ただし、上記の第5の実施形態では、非収容部16における独立室91および独立室92以外の部分の全体を、第1フィルム部21と第2フィルム部22とがシールされたシール部(このシール部は独立室形成用シール部89を含む)としても良い。
【0099】
〔第6の実施形態〕
図6(a)は第6の実施形態に係る包装袋100の取手部30の平面図である。
図6(a)において、フィルム材20がシールされている部分(シール部)を分かりやすくするため、シール部にはハッチングを付している。
【0100】
本実施形態に係る包装袋100は、以下に説明する点で、上記の第1乃至第5の実施形態に係る包装袋100と相違し、その他の点では、上記の第1乃至第5の実施形態に係る包装袋100と同様に構成されている。
【0101】
また、本実施形態に係る包装商品(図示略)は、上記の第1の実施形態に係る包装袋100の代わりに本実施形態に係る包装袋100を有する点で、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と同様に構成されている。
【0102】
本実施形態の場合、把持部50の縁辺51から境界線55までの距離(以下、把持部50の幅W1と称する)よりも、境界線55から折り返し片60の縁辺61までの距離(以下、折り返し片60の幅W2と称する)の方が小さい。このため、折り返し片60を把持部50側に折り返したときに、縁辺61が縁辺51に達しないようになっている。これにより、縁辺61が手の平に当たることによる手触りの悪化を抑制することができる。
【0103】
より具体的には、上記の第1の実施形態と比べて幅W2が短くなるように、折り返し片60における縁辺51側とは反対側の端部が切断除去されている。このため、折り返し片60が非収容部16における折り返し片60の周囲の部分と同一平面上に配置された状態において、縁辺61が開口部40の内縁から離間している。
【0104】
以上のような第6の実施形態によれば、上記の第1乃至第5の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
【0105】
すなわち、本実施形態の場合、把持部50の幅W1よりも、折り返し片60の幅W2の方が小さいので、折り返し片60を把持部50側に折り返したときに、縁辺61が手の平に当たらないようにすることができる。よって、折り返し片60と把持部50とをまとめて把持する際における包装袋100の手触りをより確実にソフトにすることができる。
【0106】
〔第7の実施形態〕
図6(b)は第7の実施形態に係る包装袋100の取手部30の平面図である。
図6(b)において、フィルム材20がシールされている部分(シール部)を分かりやすくするため、シール部にはハッチングを付している。
【0107】
本実施形態に係る包装袋100は、以下に説明する点で、上記の第1乃至第6の実施形態に係る包装袋100と相違し、その他の点では、上記の第1乃至第6の実施形態に係る包装袋100と同様に構成されている。
【0108】
また、本実施形態に係る包装商品(図示略)は、上記の第1の実施形態に係る包装袋100の代わりに本実施形態に係る包装袋100を有する点で、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と同様に構成されている。
【0109】
本実施形態の場合、折り返し片60は、折り返し片60と把持部50との境界線55に対して交差する切断線63により切断されて、複数の部分に分割されている。切断線63は、包装袋100(袋体10)を表裏に貫通しており、縁辺61から境界線55に向けて延びている。より具体的には、例えば、複数の切断線63が互いに並列に(例えば互いに平行に)形成され、各切断線63は、境界線55に達している。なお、切断線63は、境界線55に達していなくても良い。また、切断線63は、例えば、境界線55に対して直交しており、折り返し片60の複数の部分はそれぞれ短冊状に形成されている。
【0110】
以上のような第7の実施形態によれば、上記の第1乃至第6の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
【0111】
すなわち、本実施形態の場合、折り返し片60は、境界線55に対して交差する切断線63により切断されて、複数の部分に分割されているので、折り返し片60の手触りをよりソフトにすることができる。
【0112】
〔第8の実施形態〕
図6(c)は第8の実施形態に係る包装袋100の取手部30の平面図である。
図6(c)において、フィルム材20がシールされている部分(シール部)を分かりやすくするため、シール部にはハッチングを付している。
【0113】
本実施形態に係る包装袋100は、以下に説明する点で、上記の第1乃至第7の実施形態に係る包装袋100と相違し、その他の点では、上記の第1乃至第7の実施形態に係る包装袋100と同様に構成されている。
【0114】
また、本実施形態に係る包装商品(図示略)は、上記の第1の実施形態に係る包装袋100の代わりに本実施形態に係る包装袋100を有する点で、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と同様に構成されている。
【0115】
本実施形態の場合、折り返し片60の縁辺61は、波線状に形成されている。なお、本実施形態においても、第6の実施形態のように、幅W1よりも幅W2を小さくすることが好ましい。
【0116】
以上のような第8の実施形態によれば、上記の第1乃至第7の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
【0117】
すなわち、本実施形態の場合、折り返し片60の縁辺61は、波線状に形成されているので、縁辺61の手触りをよりソフトにすることができる。
【0118】
〔第9の実施形態〕
図6(d)は第9の実施形態に係る包装袋100の取手部30の平面図である。
図6(d)において、フィルム材20がシールされている部分(シール部)を分かりやすくするため、シール部にはハッチングを付している。
【0119】
本実施形態に係る包装袋100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る包装袋100と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装袋100と同様に構成されている。
【0120】
また、本実施形態に係る包装商品(図示略)は、上記の第1の実施形態に係る包装袋100の代わりに本実施形態に係る包装袋100を有する点で、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る包装商品200と同様に構成されている。
【0121】
本実施形態の場合、非収容部16の全体がシール部となっている。このような第9の実施形態によっても、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0122】
〔第10の実施形態〕
図7は第10の実施形態に係る包装袋100の正面図である。
図8は第10の実施形態に係る包装商品200の正面図である。
図9は第10の実施形態に係る包装商品200の製造工程を示す図であり、このうち(a)は分解斜視図、(b)、(c)および(d)は正面図である。なお、各図において、フィルム材20、120がシールされている部分(シール部)を分かりやすくするため、シール部にはハッチングを付している。
【0123】
本実施形態に係る包装袋100は、以下に説明する点で、上記の第1乃至9の実施形態に係る包装袋100と相違し、その他の点では、上記の第1乃至9の実施形態に係る包装袋100と同様に構成されている。
【0124】
本実施形態に係る包装袋100は、スタンディングパウチと呼ばれる形態のものである。包装袋100の袋体10は、下端部にガセット(マチ)を有しており、自立することが可能である。よって、本実施形態に係る包装商品200は、陳列時や保管時に自立させることができる。また、この包装袋100の袋体10は、下端部にガセット(マチ)を有していることで、収容部15内により多くの内容物150を充填することができる。
【0125】
本実施形態の場合、
図7に示すように、包装袋100は、自立させた状態で一方の側端部となる位置に取手部30を有する。
本実施形態の場合も、袋体10は、1枚又は複数枚のフィルム材を含んで構成されている。袋体10は、例えば、2枚のフィルム材20、120により構成することができる(
図9(a))。
【0126】
図9(a)に示すように、フィルム材20は、上記の第1の実施形態と同様に、第1フィルム部21、第2フィルム部22および折り返し部23を有するように折り曲げられている。また、フィルム材120は、袋体10の下端のガセットを形成するためのものである。フィルム材120は、矩形状に形成され、その中央の折り曲げ線123に沿って2つ折りされることにより、第1フィルム部121および第2フィルム部122を有している。
袋体10の下端部においては、第1フィルム部21と第1フィルム部121とが、シール部82(
図7)、シール部181(
図7)およびシール部182(
図7)において相互にシールされているとともに、第2フィルム部22と第2フィルム部122とが、シール部82(
図7)、シール部181(
図7)およびシール部182(
図7)において相互にシールされている。なお、シール部181、182は、収容部15の下部における両側の角部に位置し、例えば、正面視において三角形状に形成されている。
また、袋体10の一方の側端部のシール部81においては、その下端部を除き、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互にシールされている。シール部81の下端部では、第1フィルム部21と第1フィルム部121とが相互にシールされているとともに、第2フィルム部22と第2フィルム部122とが相互にシールされている。
また、シール部83においては、その下端部を除き、第1フィルム部21と第2フィルム部22とが相互にシールされている。シール部83の下端部では、第1フィルム部21と第1フィルム部121とが相互にシールされているとともに、第2フィルム部22と第2フィルム部122とが相互にシールされている。
【0127】
ここで、フィルム材120の材料及び層構造の例を説明する。
フィルム材120は、例えば、二軸延伸ナイロンからなる外層と、直鎖状低密度ポリエチレンからなる内層と、の2層構造をなしている。この場合、外層は包装袋100(袋体10の外表面を構成する層であり、内層は包装袋100(袋体10の内表面を構成する層であり、外層と内層とは接着剤により相互に貼り合わされている。
或いは、フィルム材120は、二軸延伸ナイロンからなる外層と、Al泊であるか又はアルミニウムが蒸着されたPETシートである中間層と、直鎖状低密度ポリエチレンからなる内層と、の3層構造をなしていても良い。この場合、外層は包装袋100(袋体10の外表面を構成する層であり、内層は包装袋100(袋体10の内表面を構成する層であり、中間層は外層と内層との間に介在する層である。外層と中間層とは接着剤により相互に貼り合わされている。同様に、中間層と内層とは接着剤により相互に貼り合わされている。
ただし、ここで説明したフィルム材120の材料および層構造は、単なる例示であり、フィルム材120は、その他の材料により構成されていたり、その他の層構造をなしていたりしても良い。
なお、フィルム材20については、上記の第1の実施形態と同様の材料及び層構造とすることができる。
【0128】
次に、包装袋100を製造する方法の一例を説明する。
【0129】
先ず、
図9(a)に示すように、矩形状のフィルム材20を2つ折りすることにより、第1フィルム部21、第2フィルム部22および折り返し部23を形成する。また、矩形状のフィルム材120をその中央の折り曲げ線123に沿って2つ折りし、第1フィルム部121および第2フィルム部122を形成する。
【0130】
そして、第1フィルム部21および第2フィルム部22において袋体10の下端部を構成する部分の間にフィルム材120を配置する。
【0131】
次に、シール部81〜83およびシール部181、182を形成することにより、袋体10を形成する。
こうして、収容部15と非収容部16とを有するとともに、収容部15の一端に開口部15aを有し、且つ、下端部にはガセットを有する袋体10が形成される。
更に、袋体10の非収容部16にスリット41を形成することにより、開口部40、折り返し片60および把持部50を形成する。
更に、袋体10に開封案内線70と、切欠形状部75と、を形成する。
【0132】
こうして、包装袋100が得られる(
図9(b))。
【0133】
次に、包装袋100を用いて包装商品200を製造するには、先ず、
図9(c)に示すように、開口部15aを介して、収容部15内に内容物150を充填する。次に、
図9(d)に示すように、第1フィルム部21と第2フィルム部22とを第4縁辺部14に沿って熱接着することによって、シール部84を形成する。これにより、収容部15に内容物150が密封状態で封入される。
こうして、包装商品200が得られる。
なお、本実施形態の場合、包装商品200は、上縁(包装袋100を自立させたときに上縁となる第4縁辺部14)にシール部84を有しているものである、と言える。
【0134】
このような第10の実施形態によっても、上記の第1乃至9の実施形態と同様の効果が得られる。
【0135】
なお、図示は省略するが、第10の実施形態において、包装袋100は、自立させた状態で上端部となる位置に取手部30を有していても良い。
【0136】
〔第11の実施形態〕
図10は第11の実施形態に係る包装袋100の斜視図である。
図11は第11の実施形態に係る包装商品200の斜視図である。
図12は第11の実施形態に係る包装商品200の製造工程を示す図であり、このうち(a)は分解斜視図、(b)は正面図、(c)および(d)は斜視図である。なお、
図12(b)において、フィルム材20、130、140がシールされている部分(シール部)を分かりやすくするため、シール部にはハッチングを付している。
【0137】
図10に示すように、本実施形態に係る包装袋100の袋体10は、底部及び両側部にそれぞれガセット(マチ)を有している。すなわち、袋体10は、ガセット袋である。そして、包装袋100は自立することが可能である。袋体10は、例えば、3枚のフィルム材(フィルム材20、フィルム材130およびフィルム材140(
図12(a))により構成されている。
【0138】
袋体10の収容部15は、直方体形状の胴体部15bと、胴体部15bの上に連接されている切妻屋根形の天井部15cと、を有する。
天井部15cには、樹脂成形品などからなる注出部材170が設けられている。この注出部材170は、筒状の本体部171と、図示しない固定部とを有している。本体部171は、第1フィルム部21に形成された貫通穴(図示略)に挿通されることによって、該第1フィルム部21の表裏を貫通している。固定部は、この貫通穴の周囲において、第1フィルム部21の内面に固定されている。本体部171は、収容部15の内側の領域と外側の領域とを相互に連通させており、本体部171の先端の開口部は、内容物を注出する注出口172を構成している。
本体部171は雄ねじ形状に形成されており、該本体部171に対してスクリューキャップ180(
図11)を装着することによって、注出口172を閉塞(再封)できるようになっている。
【0139】
袋体10の非収容部16は、天井部15cの上端部、すなわち棟の部分に沿って延在し、且つ、棟の部分から上方に向けて起立している。非収容部16の形状は特に限定されないが、
図10の例では、水平方向に長尺な矩形状となっている。
【0140】
本実施形態の場合も、非収容部16には、取手部30が形成されている。本実施形態の場合も、取手部30の構成は、上記の第1乃至9の実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態の場合も、取手部30は、開口部40、把持部50および折り返し片60を有している。開口部40および折り返し片60の形状は特に限定されないが、
図10の例では、水平方向に長尺な矩形状となっている。
本実施形態の場合、折り返し部23は、非収容部16における上側の縁辺を構成しており、折り返し部23の一部分により、把持部50の縁辺51が構成されている。
【0141】
このように、本実施形態に係る包装袋100は、底部にガセットを有しているとともに、把持部50と、収容部15から内容物を注出するための注出部(例えば、注出口172を有する注出部材170)と、をそれぞれ上部に有している。
そして、注出部と把持部50とが水平方向において互いにオフセットして配置されている。
これにより、把持部50を把持し、且つ、把持部50を把持する方の手とは反対側の手により底部を持ち上げて、注出部側が下がるように包装袋100を傾ける自然な動作により、注出部から内容物をスムーズに注出することができる。このため、把持部50を必要以上に強い力で把持する必要が無い。その結果、縁辺51の手触りをソフトにすることができる。
ここで、包装袋100の上部とは、例えば、収容部15の高さ寸法をHとしたときに、収容部15の下端からH/2の位置よりも上方を意味する。或いは、包装袋100の上部は、収容部15の下端から2H/3の位置よりも上方の位置であっても良い。なお、把持部50を注出部より更に上方に設けると、前述のように注出部側が下がるように包装袋100を傾ける自然な動作により、注出部から内容物をスムーズに注出することができるので、好ましい。
また、把持部50に対する注出部(注出部材170)のオフセットの方向は、水平方向であれば、どの方向であっても良い。例えば
図10では、把持部50に対する注出部のオフセットの方向は、包装袋100の奥行方向における手前側となっている。
【0142】
図11に示すように、包装商品200は、収容部15に内容物150を充填し、注出部材170の本体部171にスクリューキャップ180を装着することにより構成されている。
注出部材170の本体部171からスクリューキャップ180を取り外すことにより、収容部15内の内容物150を本体部171を通して外部に注出できるようになっている。
【0143】
次に、包装袋100を製造する方法の一例を説明する。
【0144】
先ず、
図12(a)に示すように、矩形状のフィルム材20を2つ折りすることにより、第1フィルム部21、第2フィルム部22および折り返し部23を形成する。
また、矩形状のフィルム材130をその中央の折り曲げ線133に沿って2つ折りし、第1フィルム部131および第2フィルム部132を形成する。
また、フィルム材130と同様の矩形状のフィルム材140をその中央の折り曲げ線143に沿って2つ折りし、第1フィルム部141および第2フィルム部142を形成する。
【0145】
次に、収容部15となる部分の周縁に沿ってフィルム材20、130、140を一括して相互にシールすることにより、袋体10を形成する(
図12(b))。すなわち、シール部191〜198を形成する。
シール部191は、第1フィルム部21および第2フィルム部22における折り返し部23とは反対側の縁辺に沿って延在する。シール部194は、収容部15と非収容部16との境界に沿って、シール部191と平行に延在する。シール部193は、シール部191の一端からシール部194の一端に亘って延在する。シール部194は、シール部191の他端からシール部194の他端に亘って延在する。シール部195〜198は、シール部191〜194により囲まれた領域の4隅にそれぞれ位置する。
こうして、収容部15と非収容部16とを有する袋体10が形成される。
【0146】
更に、袋体10の非収容部16にスリット41を形成することにより、開口部40、折り返し片60および把持部50を形成する。
【0147】
なお、注出部材170は、例えば、第1フィルム部21において、天井部15cとなる部分に取り付けられる。第1フィルム部21への注出部材170の取り付けは、フィルム材20、130、140をシールする前の何れかの段階に行う。
【0148】
こうして、包装袋100が得られる(
図12(b))。
【0149】
図9(c)に示すように、包装袋100は、底部および両側部にガセットが形成されるように形を整えることにより、自立することが可能となるとともに、その収容部15に内容物を充填可能な状態となる。
【0150】
その後、注出部材170の本体部171を通して収容部15内に内容物150を充填し、本体部171にスクリューキャップ180を装着することにより、収容部15に内容物150が密封状態で封入される。
【0151】
こうして、包装商品200が得られる。
【0152】
このような第11の実施形態によっても、上記の第1乃至第9の実施形態と同様の効果が得られる。
【0153】
なお、上記の各形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0154】
また、上記においては、袋体10を構成するフィルム材20の第1フィルム部21と第2フィルム部22との間隙に独立室(独立室91、92、93)を形成する例を説明した。ただし、袋体10とは別体に形成されて内部に独立室を有する部材(図示略)を、袋体10に貼り付けることによって、包装袋100に独立室を設けても良い。この部材は、例えば、把持部50に設けたり、折り返し片60に設けたり、把持部50から折り返し片60に亘って設けたり、把持部50と折り返し片60とにそれぞれ設けたりすることができる。このように独立室を有する別部材を袋体10に設けた場合も、把持部50や折り返し片60を保持しやすくなる。
【0155】
また、上記においては、ピロータイプの包装袋100が開封案内線70を有する例を説明したが、
図13に示す変形例1に係る包装商品200の包装袋100のように、ピロータイプの包装袋100が、注出部材170と、注出部材170に装着されるスクリューキャップ180と、を備えていても良い。注出部材170は、筒状の本体部171と、袋体10に固定された固定部173と、を備えており、例えば、第1縁辺部11と第4縁辺部14との交差部に設けられている。本体部171に対してスクリューキャップ180を装着することによって、注出口172を閉塞(再封)することができる。
同様に、上記においては、スタンディングパウチタイプの包装袋100が開封案内線70を有する例を説明したが、
図14に示す変形例2に係る包装商品200の包装袋100のように、スタンディングパウチタイプの包装袋100が、注出部材170と、注出部材170に装着されるスクリューキャップ180と、を備えていても良い。この場合も、本体部171に対してスクリューキャップ180を装着することによって、注出口172を閉塞(再封)することができる。