【実施例1】
【0015】
図1は、(a)が本発明の実施例1に係る照明ユニット係止構造1の照明ユニット20を板状部材10に取り付ける前の板状部材10と照明ユニット20とを示した斜視図であり、(b)が照明ユニット20を板状部材10に取付完了した状態を説明するための図であり、板状部材10の小径部13を断面で示した図である。
図2は、
図1(b)に示した照明ユニット係止構造1の係止突起52aと小径部13との係止部分周辺を拡大した図である。
図3は、照明ユニット20の側面図である。
図4は、(a)が第二カバー32を外した状態の照明ユニット20を取付面側から視た図であり、(b)が(a)に示した照明ユニット20の側面図である。
図5は、第一カバー50の斜視図である。
本発明の実施例1に係る照明ユニット係止構造1は、自動車の車内に照明ユニット20を設置するため、照明ユニット20をブラケット等の板状部材10に取り付けることによって、照明ユニット20を車内の所定箇所に係止するものである。
【0016】
まず、板状部材10について説明する。
板状部材10は、大径部12および小径部13を有して形成した取付孔11を有する。取付孔11は、孔径を大きくするように、取付孔11の中心Cに対称に対向して配置するように形成した2箇所の大径部12と、大径部12に比して孔径を小さくするように、取付孔11の中心Cに対称に対向して配置するように形成した2箇所の小径部13と、を有する。
すなわち、取付孔11は、孔内周に沿って大径部12と小径部13とが交互に形成されている。このため、取付孔11は、小径部13が大径部12に対して取付孔11の中心Cに向けて迫り出すように形成され、この小径部13が照明ユニット20の後述する係止突起52aと係止するようになっている。
【0017】
次に、照明ユニット20について説明する。
照明ユニット20は、ハウジング30の内部に光源100、および、光源100に電気的に接続して照明ユニッ20の外部から電力を供給する部分となる電線W等の電気接続部40を収容している。
【0018】
ハウジング30は、光源100および電気接続部40を保持収容する収容本体部31と、収容本体部31の開口31aを塞ぐように収容本体部31に取り付ける第一カバー50と、第一カバー50とともに収容本体部31の開口31aを塞ぐように収容本体部31に取り付ける第二カバー32と、を有する。
【0019】
収容本体部31は、合成樹脂等の絶縁材からなり、かつ、一部の面が開口した略箱型形状をなし、開口31aから光源100および電線W等の電気接続部40を収容するようになっている。
この収容本体部31は、光源100を収容する部分となる第一収容部31bと、
図4に示すように、光源100に接続する電気接続部40としての電線Wをハウジング30の外部に引き出すようにガイドする第二収容部31cと、を有する。
【0020】
第一カバー50は、光源100から出射した光を外部に誘導する後述する筒状突設部51の筒孔を残して第一収容部31bの開口を塞ぐものである。
この第一カバー50は、筒状突設部51と、取付ガイドリブ52と、弾性突出部53と、位置決め壁部54と、を有する。
【0021】
筒状突設部51は、板状部材10への取付側の面となる取付面50aから円筒状に突設し、収容本体部31内の光源100から出射した光を車内に出射するように誘導する部分である。この筒状突設部51は、外径寸法を取付孔11の小径部13部分での孔径に比して僅かに小さくなるように調整している。
【0022】
取付ガイドリブ52は、筒状突設部51の突出方向に向けて取付面50aから離間した位置で筒状突設部51の外周に沿って部分的に径外方向に突設し、周方向の端部に取付面50a側に突出した係止突起52aを有する。
この取付ガイドリブ52は、周方向の寸法および配置を大径部12に対応するように筒状突設部51の外周面51aに沿って2箇所に設けている。
また、取付ガイドリブ52は、大径部12に対応して筒状突設部51の軸を中心とした外径寸法を取付孔11の大径部12部分での孔径に比して僅かに小さくなるように調整している。
また、取付ガイドリブ52は、周方向の長さを大径部12の周方向の長さより僅かに小さくなるように調整している。
【0023】
係止突起52aは、照明ユニット20を板状部材10へ取り付けるために照明ユニット20を取付孔11の中心Cを回転軸として回転することよって、小径部13の周方向の一端部から小径部13にのりあげ、小径部13の周方向の他端側で小径部13に係止する。
【0024】
弾性突出部53は、取付ガイドリブ52と取付面50aとの間で取付面50aから筒状突設部51の突出方向に突出した部分である。
この実施例1では、弾性突出部53は、係止突起52aから位置決め壁部54までの筒状突設部51の周方向で係止突起52aおよび位置決め壁部54のそれぞれから離間した位置に設けている。
【0025】
位置決め壁部54は、照明ユニット20の取付孔11の中心Cを回転軸とする回転で小径部13が突き当たることによって、照明ユニット20の回転による取付完了位置を定める壁である。
この位置決め壁部54は、取付ガイドリブ52の係止突起52aを設けた端部とは逆側の端部に、取付ガイドリブ52と取付面50aとの間で筒状突設部51の外周面51aから径外方向に突設した壁である。
【0026】
第二カバー32は、第二収容部31cの開口を塞ぐものである。この第二カバー32を第二収容部31cから取り外すことによって、電気接続部40の第二収容部31cへの組み付け作業、および、メンテナンス作業を実施し易いようになっている。
【0027】
このような照明ユニット係止構造1は、
図2に示すように、小径部13が取付ガイドリブ52と弾性突出部53との間で弾性突出部53によって取付ガイドリブ52側に押圧されるので、小径部13と係止突起52aとの係代Lをできるだけ大きくするようになっている。
【0028】
次に、
図6を用いて照明ユニット20を板状部材10に取り付ける手順について説明する。
図6は、照明ユニットを板状部材に取り付ける手順を示した図である。
まず、作業者は、取付ガイドリブ52と大径部12とを向かい合わせながら筒状突設部51を取付孔11に挿通する(
図6(a)参照)。これにより、取付ガイドリブ52が板状部材10の取付孔11への挿入側の面から逆側の面に抜け出す。この状態では、小径部13が筒状突設部51の突出方向で取付ガイドリブ52と取付面50aとの間に位置する。このため、照明ユニット20を取付孔の中心を回転軸として回転すると小径部が取付ガイドリブと取付面との間に入り込むことができる状態になっている。
【0029】
その後、作業者は、照明ユニットを取付孔11の中心Cを回転軸として回転する(
図6(b)参照)。これにより、係止突起52aが小径部13にのり上げた状態で照明ユニット20が回転開始する。ここで、小径部13の一端が位置決め壁部54に突き当たるまでの照明ユニット20の回転の途中で、係止突起52aがのり上げた面とは逆側の小径部13の面が弾性突出部53にのり上げる。
【0030】
その後、作業者は、小径部13の一端が位置決め壁部54に突き当てられるまで照明ユニット20を回転し、照明ユニット20の板状部材10への取り付け作業が完了する(
図6(c)参照)。このように小径部13の一端が位置決め壁部54に突き当たるまで照明ユニット20を回転すると、係止突起52aが小径部13をのり越えて小径部13に係止する。
また、小径部13は、取付ガイドリブ52と弾性突出部53との間で弾性突出部53によって取付ガイドリブ52側に押圧された状態となる。
【0031】
本発明の実施例1に係る照明ユニット係止構造1は、小径部13が取付ガイドリブ52と弾性突出部53との間で弾性突出部53によって取付ガイドリブ52側に押圧された状態で小径部13の端部13aが係止突起52aと係止し、弾性突出部53が照明ユニット20の取付孔11への挿入方向におけるガタツキを防止しつつ、小径部13の端部13aと係止突起52aとの係代を増加する方向に小径部13を押圧しているので、照明ユニット20の取り付け先となる板状部材10に対する照明ユニット20のガタツキを防止しつつ保持力の低下を防止することができる。
【実施例2】
【0032】
次に、
図7および
図8を用いて本発明の実施例2に係る照明ユニット係止構造2ついて説明する。
図7は、(a)が本発明の実施例2に係る照明ユニット係止構造2の照明ユニット60を板状部材10に取り付ける前の板状部材10と照明ユニット60とを示した斜視図であり、(b)が照明ユニット60を板状部材10に取付完了した状態を説明するための図であり、板状部材10の小径部13を断面で示した図である。
図8は、
図7(b)に示した照明ユニット係止構造2の係止突起52aと小径部13との係止部分周辺を拡大した図である。
本発明の実施例2に係る照明ユニット係止構造2は、弾性突出部53が位置決め壁部54の近傍から位置決め壁部54に向けて照明ユニット60の回転方向に沿って厚みを増加するように傾斜した傾斜面61aを有する点で、実施例1の照明ユニット係止構造1と異なる。
なお、その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同一構成部分には同一符号を付している。
【0033】
実施例2の照明ユニット係止構造2は、
図8に示すように、弾性突出部61が小径部13を取付ガイドリブ52側に押圧することによって、照明ユニット0の取付孔11への挿入方向におけるガタツキを防止しつつ保持力の低下を防止している。
また、弾性突出部61の傾斜面61aが、弾性突出部61による摩擦抵抗を少なく抑えつつ小径部13を位置決め機能をなす位置決め壁部54まで誘導するようになっている。
【0034】
本発明の実施例2に係る照明ユニット係止構造2は、実施例1の照明ユニット係止構造1と同様に、弾性突出部61が照明ユニット60の取付孔11への挿入方向におけるガタツキを防止しつつ、小径部13の端部13aと係止突起52aとの係代を増加する方向に小径部13を押圧しているので、照明ユニット60の取り付け先となる板状部材10に対する照明ユニット60のガタツキを防止しつつ保持力の低下を防止することができ、しかも、照明ユニット60を板状部材10に容易に位置決めして取り付けることができる。
【実施例3】
【0035】
次に、
図9−
図11を用いて本発明の実施例3に係る照明ユニット係止構造3ついて説明する。
図9は、(a)が本発明の実施例3に係る照明ユニット係止構造3の照明ユニット70を板状部材10に取り付ける前の板状部材10と照明ユニット70とを示した斜視図であり、(b)が照明ユニット70を板状部材10に取付完了した状態を説明するための図であり、板状部材10の小径部13を断面で示した図である。
図10は、(a)が第二カバー32を外した状態の照明ユニット70を取付面50a側から視た図であり、(b)が(a)に示した照明ユニット70の側面図である。
図11は、(a)が
図10(a)のA−A線断面図であり、(b)が(a)の弾性突出部71周辺を拡大した図であり、(a)、(b)ともに小径部13を仮想線図で示した図である。
本発明の実施例3に係る照明ユニット係止構造3は、弾性突出部71を筒状突設部51の中心に対称となる位置に対で設け、かつ、弾性突出部71が筒状突設部51の外周面51aに沿って頂点から取付面50aに向けて外周面51aから径外方向に向けた厚みを増すように傾斜した傾斜面71aを有する点で、実施例1の照明ユニット係止構造と異なる。
なお、その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同一構成部分には同一符号を付している。
【0036】
この実施例3の照明ユニット係止構造3は、
図11に示すように、一対の弾性突出部71の各弾性突出部71が小径部13を取付ガイドリブ52側に押圧することによって、照明ユニット70の取付孔11への挿入方向におけるガタツキを防止しつつ保持力の低下を防止している。
【0037】
また、一対の弾性突出部71の傾斜面71aが照明ユニット70を取付孔11の中心Cに対して筒状突設部51の中心位置を合わせるようにガイドするようになっている。すなわち、一対の弾性突出部71が照明ユニット70を取付孔11に対してセンタリングする機能をなしている。
【0038】
なお、本実施例3に係る照明ユニット係止構造3は、弾性突出部71を一対設けるものを例示したが、一対に限らず、筒状突設部51の中心に対称となる位置に複数対設けるようにしても構わない。
【0039】
本発明の実施例3に係る照明ユニット係止構造3は、実施例1の照明ユニット係止構造1と同様に、弾性突出部71が照明ユニット70の取付孔11への挿入方向におけるガタツキを防止しつつ、小径部13の端部13aと係止突起52aとの係代を増加する方向に小径部13を押圧しているので、照明ユニット70の取り付け先となる板状部材10に対する照明ユニット70のガタツキを防止しつつ保持力の低下を防止することができ、しかも、照明ユニット70を板状部材10に容易に位置決めして取り付けることができる。
【0040】
本発明の実施例1、2、3に係る照明ユニット係止構造1、2、3は、ハウジング30が、収容本体部31と、第一カバー50と、第二カバー32と、を有するものを例示したが、これに限らず、ハウジング30が筒状突設部51と、取付ガイドリブ52と、弾性突出部53、61、71と、を有していればよい。
【0041】
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。