(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
本実施形態に係る撮像装置の構成について説明する。本実施形態に係る撮像装置は、撮影者自身の顔の画像を取得し、この画像に基づいて、撮影者の肌の状態が良好であるか否かを判定する機能を有する。
図1は、本実施形態に係る撮像装置1の構成の概略を示すブロック図である。撮像装置1は、
図1に示すように、撮像部2と、フォーカス変更部3と、記録部5と、操作部7と、姿勢検出部8と、制御部10と、表示部22とを有する。表示部22は、タッチパネル4と、表示パネル6とを有する。
【0013】
撮像部2は、レンズ2aと撮像素子2bと絞り2cとを有する。レンズ2aは、1つ又は複数のレンズであり、被写体から発せられた光束に基づいて撮像素子2bの受光面に光学像を結像させる。撮像素子2bは、受光面上に結像した前記光学像に基づく画像信号(画像データ)を生成する。絞り2cは、光束の量を調整する。
【0014】
フォーカス変更部3は、フォーカス位置を変更するために、レンズ2aの位置を制御部10から入力された信号に基づいて変化させる。フォーカス変更部3は、例えば、レンズ2aの位置を検出するエンコーダと、レンズ2aを移動させる駆動部とを有する。
【0015】
記録部5は、画像データを記録する。また、記録部5は、画像データベース(DB)5aを有する。画像DB5aは、対象物画像と比較する検査のための基準となる画像を記録したものである。また、検査時に対象物画像と比較できるようなデータは、画像に限らない。このデータは、画像そのものでもよく、その特徴を示した特徴量でもよく、単純化された画像パターンや色やコントラストなどの数値でも良い。必ずしも、画像は、位置や拡大率を重ねて一致させることは困難であるし、露出レベルや光源やホワイトバランスによっても比較結果が変わるものである。そのため、検査のための基準となる画像は、この画像自体を拡大させたり又は縮小させたり、この画像の位置をずらしたりして、対象物画像との一致度を確認するのに適当なものであったり、露出レベルやホワイトバランスを変えることが可能になっていたりしても良い。具体的には、画像DB5aは、ひとつの判定を行うのに比較するために条件を変えた複数画像を持っていてもよいし、色ごとに分解したデータを持っているようにしても良い。さらに、対象物の部位ごとに、画像の評価基準が変わる可能性もあるので、画像DB5aは、対象物の部位ごとに画像を分類して記録していることが好ましい。この部位は、画像判定によって分類できる部位であることを想定している。本実施形態では、画像DB5aは、肌画像サンプルデータを含む。この肌画像サンプルデータは、各顔パーツの種々の肌状態を表す画像のデータである。ここで顔パーツには、例えば、人の額、瞼、目尻、鼻、鼻翼、頬等が含まれる。また、肌状態には、例えば、赤ちゃん並みの肌状態、又は荒れている肌状態等が含まれる。顔の肌を判定する場合以外にも、手のひらの荒れなどを判定する用途も想定でき、この場合は、指やその付け根などをパーツ判定できるようにするなど応用が可能である。もちろん、肌状態でなくとも、傷や発疹なども判定可能にしても良い。
【0016】
操作部7は、例えば、押圧を検出する釦、十字キー、又は、回転角を検出するダイヤル等の構成を含み、ユーザによる操作を検出して信号を出力する。これら釦等によって、後述する、レリーズスイッチ(SW)23、前面スイッチ(SW)26等が構成される。
【0017】
表示部22は、表示パネル6と、タッチパネル4とを有する。表示パネル6は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。表示パネル6は、制御部10より入力された画像信号に基づく画像を表示する。表示パネル6上にはタッチパネル4が設けられている。このタッチパネル4は、タッチ位置に基づく信号を出力する。
【0018】
姿勢検出部8は、例えば、撮像装置1の上下左右の向き、すなわち、撮像素子2bの上下左右の向きを検出する加速度センサを有する。また、後述するように、表示部22は、カメラ本体に対して変位する。姿勢検出部8は、カメラ本体に対する表示部22の回転角を検出するエンコーダを有する。撮像素子2bの上下左右の向きとカメラ本体に対する表示部22の回転角とを合わせて撮像装置1の姿勢と称することにする。
【0019】
制御部10は、Central Processing Unit(CPU)、又はApplication Specific Integrated Circuit(ASIC)等を含み、各種演算を行う。制御部10は、顔判定部10aと、フォーカス制御部10bと、パターン判定部10cと、記録制御部10dと、操作判定部10eと、表示制御部10fと、表示方向判定部10gとを有する。
【0020】
顔判定部10aは、画像に含まれる目、口等顔の特徴を検出する。顔判定部10aは、検出結果に基づいて、画像に含まれる顔を抽出する。また、顔判定部10aは、目、口等の特徴と抽出された顔とに基づいて、顔に含まれる顔パーツを抽出する。
【0021】
フォーカス制御部10bは、レンズ2aのフォーカス位置を設定し、フォーカス変更部3にフォーカス位置に係る信号を入力する。
【0022】
パターン判定部10cは、顔パーツごとに、画像データから抽出された画像と、対応する顔パーツの肌画像サンプルデータに係る画像とを比較し、これら画像が有する特徴、例えば、色又はコントラスト等の特徴の一致の程度を判定する。
【0023】
記録制御部10dは、画像DB5aへの画像データの読み出し及び書き込みを含む、記録部5への画像データの読み出し及び書き込みの制御を行う。
【0024】
操作判定部10eは、操作部7及びタッチパネル4から入力された信号を判定する。判定された信号に基づいて、絞り2cに光量を調整させたり、撮像部2に撮影を行わせたりするなど、撮像装置1の各部の動作が制御される。
【0025】
表示方向判定部10gは、姿勢検出部8により検出された撮像装置1の姿勢に基づいて、表示パネル6に表示させる画像の向き、例えば、表示の上下方向、及び鏡面表示の可否を判定する。
【0026】
表示制御部10fは、画像データに基づく画像、例えば、撮影画像、アイコン、又は後述する顔ガイド枠等の画像の表示を、表示方向判定部10gの判定に基づく向きに表示パネル6に行わせる等制御する。
【0027】
撮像装置1の外観について説明する。
図2は、撮像装置1の外観を示す図である。
図2(A)は、撮像装置1の第1の状態の外観を示す図である。
図2(B)は、撮像装置1の第2の状態の外観を示す図である。
図2(A)に示すように、撮像装置1は、カメラ本体21と、表示部22と、ヒンジ25とを有する。
【0028】
カメラ本体21には、撮像部2、フォーカス変更部3、記録部5及び制御部10等、撮像装置1の主な要素が設けられている。一方、表示部22には、前述のとおり表示パネル6及びタッチパネル4が設けられている。ヒンジ25は、カメラ本体21の上面21cと表示部22の上面22cとに、表示部22がカメラ本体21に対して回動自在となるように取り付けられている。なお、ヒンジ25には、上述の姿勢検出部8のエンコーダが設けられることで、カメラ本体21に対する表示部22の回転角が検出される。
【0029】
カメラ本体21において、撮像部2によって撮像する方向、すなわちレンズ2aが向く方向を前方と称し、反対方向を後方と称することにする。また、カメラ本体21のヒンジ25が取り付けられている方向を上方と称し、反対方向を下方と称することにする。また、カメラ本体21の上面21cを上方に向けて後方から前方を見たときに、右方及び左方を定義することにする。
【0030】
第1の状態においては、表示部22は、カメラ本体21の後方に配置され、表示パネル6の表示面が後方を向く。これに対して、第2の状態においては、表示部22は、カメラ本体21の上方に配置され、表示パネル6の表示面は前方を向き、
図2(B)に示すように上下は反転されてカメラ本体21が天井側に位置するように用いられる。
【0031】
本実施形態では、第1の状態においてレリーズ操作に用いられるレリーズSW23は、カメラ本体21の上面21cの右側に設けられている。このため、第1の状態においては、ユーザが撮像部2を被写体の方向に向けて撮像装置1を構えることで、表示部22でスルー画を確認しながら、右手人差し指でレリーズSW23を操作することができる。
【0032】
第2の状態では、レリーズSW23がカメラ本体21と表示部22との間に位置することになり、ユーザはレリーズSW23を操作することができない。そこで、第2の状態では、カメラ本体21の前方の面である前面21aに設けられた前面SW26が、レリーズ操作に用いられる。なお、第1の状態においては、前面SW26は、撮像装置1のパラメータを設定するために用いられる。設定されるパラメータは、例えば、シャッタースピード、絞り値等といった光学的なパラメータである。なお、このパラメータは、コントラスト又は色の補正といった画像処理のパラメータであっても良い。
【0033】
図2(B)に示すように、第2の状態において、表示パネル6には、パラメータ設定を行うためのアイコン6aと、肌チェックモードを選択するためのアイコン6bとが表示される。
【0034】
図3は、撮像装置1の第1の状態から第2の状態への遷移の様子の一例を示す。
図3(A)は、第1の状態の撮像装置1を示す。
図3(D)は、第2の状態の撮像装置1を示す。
図3(B)及び(C)は、第1の状態から第2の状態への遷移中の撮像装置1の状態を示す。
図3(A)に示す第1の状態で撮像装置1を使用していた撮像装置1を第2の状態に移行させるとき、ユーザは、カメラ本体21を保持し、
図3(B)に示すように表示部22を上方に向けて持ち上げ、
図3(C)に示すように表示部22の表示面がカメラ本体21のレンズ2aの方向に向くようにする。その後、ユーザは、撮像装置1の上下を反転させて、第2の状態にする。
【0035】
図4は、第2の状態の撮像装置1を用いた撮影の状況の一例を示す。
図4に示すように、ユーザAは、第2の状態の撮像装置1を、レンズ2aが自身の方向を向くように把持する。このとき、スルー画が表示される表示パネル6の表示面は、ユーザAの方向を向く。その結果、ユーザAは、表示パネル6に表示されるユーザA自身の顔の大きさ又は位置等を確認しながら撮影を行うことができる。また、ユーザAは、レンズ2aと同じ面に配置された前面SW26によってレリーズ操作を行うことで、片手による操作で自身を撮影することができる。
【0036】
図5は、第1の状態及び第2の状態における撮像装置1の表示の一例を示す。
図5(A)は、第1の状態における表示状態を示し、
図5(B)は、第2の状態における表示状態を示す。
図5(A)に示す第1の状態では、カメラ本体21の前方に位置する被写体Bがレンズ2aを用いて撮影され、カメラ本体21の後方に後方を向いて配置された表示パネル6にスルー画や撮影画像が表示される。第1の状態におけるこのような表示の状態を、第1の表示状態と称する。
【0037】
一方、
図5(B)に示す第2の状態では、カメラ本体21の前方に位置するユーザAがレンズ2aにより撮影され、カメラ本体21の上方に前方を向いて配置された表示パネル6にスルー画や撮影画像が表示される。第2の状態では、第1の状態と比較して、撮像素子2bに対する表示パネル6の向きが反転している。そこで、第2の状態では、表示パネル6に表示される画像は、第1の状態において表示パネル6に表示される画像に対して上下が反対となるように回転されたものとなっている。さらに、鏡に写る自分を見るかのようにユーザAが表示パネル6に表示されるスルー画を見られるように、表示パネル6に表示される画像は左右反転された画像としてもよい。このような左右反転された画像表示を鏡面表示と呼ぶことにする。このような表示の状態を第2の表示状態と称する。
【0038】
本実施形態に係る撮像装置1の動作について説明する。
図6は、本実施形態に係る撮像装置1の動作を示すフローチャートである。この撮像装置1は、例えば電源がONになったとき等に動作を開始する。
【0039】
ステップS101において、制御部10は、撮影モードが選択されているか否かを判定する。ステップS101において、撮影モードが選択されていると判定されたとき、処理がステップS102に進む。
【0040】
ステップS101において、撮影モードが選択されていなかったと判定されたとき、処理がステップS117に進む。制御部10は、ステップS117において、その他のモード処理を行う。その他のモード処理では、例えば、画像を再生する再生モード等に係る処理が行われる。ここでは、その他のモード処理に関する説明を省略する。その他のモード処理が行われた後、処理がステップS101に戻る。
【0041】
ステップS102において、制御部10は、撮像素子2bにスルー画の取得を開始させる。その後、処理がステップS103に進む。
【0042】
ステップS103において、制御部10は、撮像装置1の状態が第2の状態であるか否かを判定する。すなわち、この処理では、姿勢検出部8の出力に基づいて、撮像素子2bの姿勢が上下方向に反転し、かつ、表示部22がカメラ本体21に対して展開しているか否かの判定がなされる。撮像装置1が第2の状態ではないと判定されたとき、すなわち、撮像素子2bの姿勢が上下方向に反転していない、又は、表示部22がカメラ本体21に対して展開していないと判定されたとき、処理がステップS104に進む。
【0043】
ステップS104において、制御部10は、撮像素子2bにより取得されたスルー画を表示パネル6に表示させる。このとき、スルー画は、第1の表示状態で表示される。
【0044】
ステップS105において、制御部10は、アイコンを表示パネル6に通常のレイアウトで表示する。通常のレイアウトでは、例えば、撮影モード等現在のモードの表示又は各種機能の通知のアイコン等がスルー画の表示方向と同じ向きに表示される。
【0045】
ステップS106において、制御部10は、前面SW26へのユーザによる操作を検出したか否かを判定する。ステップS106において、前面SW26がユーザによる操作を検出しなかったと判定されたとき、処理がステップS108に進む。ステップS106において、前面SW26がユーザによる操作を検出したと判定されたとき、処理がステップS107に進む。
【0046】
ステップS107において、制御部10は、前面SW26のユーザによる操作に従ってパラメータを変更する。その後、処理がステップS108に進む。
【0047】
ステップS108において、制御部10は、レリーズSW23が操作されたか否かを判定する。ステップS108において、レリーズSW23が操作されなかったと判定されたとき、処理がステップS101に戻る。ステップS108において、レリーズSW23が操作されたと判定されたとき、処理がステップS109に進む。
【0048】
ステップS109において、制御部10は、撮影動作を行い、画像データを撮像素子2bに取得させる。取得された画像には、一般的な画像処理が施され、処理後の画像は記録部5に記録される。その後、処理がステップS101に戻る。
【0049】
ステップS103において、撮像装置1の状態が第2の状態であると判定されたとき、すなわち、表示部22がカメラ本体21に対して展開し、かつ、撮像素子2bの姿勢が上下方向に反転していると判定されたとき、処理がステップS110に進む。
【0050】
ステップS110において、制御部10は、取得したスルー画を第2の表示状態で表示パネル6に表示させる。
【0051】
ステップS111において、制御部10は、アイコンを表示パネル6に反転させたレイアウトで表示する。反転させたレイアウトでは、例えば、各種機能の通知のアイコンと共に、パラメータ設定のアイコン6aと、肌チェックモードのアイコン6bとが、スルー画の向きと同じ向きに表示されている。
【0052】
ステップS112において、制御部10は、表示パネル6に表示されている肌チェックモードのアイコン6bがタッチされたか否か、すなわち、肌チェックモードが選択されたか否かを判定する。表示パネル6に表示されている肌チェックモードのアイコン6bがタッチされなかったと判定されたとき、処理がステップS113に進む。
【0053】
ステップS113において、制御部10は、自分撮影モードの設定を行う。自分撮影モードの設定は、第2の表示状態において、ユーザがユーザ自身を撮影する際に用いられる設定である。この設定は、例えば、パラメータ設定がアイコン6aの操作に基づいて行わ、レリーズ操作が前面SW26を用いて行われる設定である。
【0054】
ステップS114において、制御部10は、前面SW26への押圧を検出したか否か、すなわち、レリーズ操作を検出したか否かを判定する。前面SW26への押圧が検出されなかったと判定されたとき、処理がステップS101に戻る。前面SW26への押圧が検出されたと判定されたとき、処理がステップS115に進む。
【0055】
ステップS115において、制御部10は、撮像部2に撮影動作を行い、画像データを撮像素子2bに取得させる。取得された画像には、一般的な画像処理が施され、処理後の画像は記録部5に記録される。その後、処理がステップS101に戻る。
【0056】
ステップS112において、肌チェックモードのアイコン6bがタッチされたと判定されたとき、処理がステップS116に進む。
【0057】
ステップS116において、制御部10は、肌チェックモード処理を行う。その後、処理がステップS101に戻る。
【0058】
本実施形態に係る肌チェックモード処理について説明する。
図7は、本実施形態に係る肌チェックモード処理の動作を示すフローチャートである。ステップS201において、制御部10は、肌チェックモード処理に係る表示を行う。
図8は、肌チェックモード処理における表示の一例を示す図である。制御部10は、
図8に示すように、表示パネル6に表示されたスルー画上に顔ガイド枠6cを表示させる。この顔ガイド枠6cは、表示エリア、すなわち撮像エリアの大部分を示すように十分に大きく設けられる。ユーザは、顔ガイド枠6cに被写体である自身の顔を合わせるように撮影領域を調整する。このように、顔ガイド枠6cは、顔ガイド枠6cと顔とが重なるようにユーザに撮影させることを補助する。撮像エリアの大部分を使って顔を撮影することで、詳細な肌状態の判定を実行することができる。
【0059】
また、ステップS201において、制御部10は、
図8に示すように、肌画像サンプル6eと、戻るアイコン6dとを表示パネル6に表示させる。肌画像サンプル6eは、画像DB5aに記録されている肌画像サンプルデータに基づく画像である。本実施形態では、肌画像サンプル6eは、赤ちゃん並みの肌状態を表す。戻るアイコン6dは、肌チェックモード処理を終了させて処理をカメラ制御に戻させる指示を入力するためのアイコンである。
【0060】
ステップS202において、制御部10は、スルー画から顔の特徴、例えば、目又は口等の特徴に基づいて顔を検出する。
【0061】
ステップS203において、制御部10は、顔ガイド枠6cの大きさに合った顔が検出されたか否かを判定する。顔ガイド枠6cの大きさに合った顔が検出されたと判定されたとき、処理がステップS205に進む。顔ガイド枠6cの大きさに合った顔が検出されなかったと判定されたとき、処理がステップS204に進む。
【0062】
ステップS204において、制御部10は、戻るアイコン6dがタッチされたか否かを判定する。戻るアイコン6dがタッチされなかったと判定されたとき、処理がステップS201に戻る。戻るアイコン6dがタッチされたと判定されたとき、肌チェックモード処理が終了する。
【0063】
ステップS205において、制御部10は、顔パーツを検出する。ここで、検出の対象となる顔パーツは、例えば、額、瞼、目尻、鼻、鼻翼、頬等である。検出された顔パーツは、
図8に破線で示す、額パーツ6ca、右瞼パーツ6cba、左瞼パーツ6cbb、右目尻パーツ6cca、左目尻パーツ6ccb、鼻パーツ6cd、右鼻翼パーツ6cea、左鼻翼パーツ6ceb、右頬パーツ6cfa、及び、左頬パーツ6cfbのように、表示パネル6に表示される。本実施形態では、上記すべての顔パーツが顔から検出されたものとする。顔パーツが表示されることで、ユーザは、分析対象となった顔パーツを把握することができる。
【0064】
ステップS206乃至ステップS211において、検出された各顔パーツについて、フォーカス位置を変更させながら撮影を行い、得られた画像に基づいて肌状態の判定を行う。フォーカス位置の設定について説明する。
図9は、被写体である顔を横から見た図とレンズ2aの位置とを模式的に示す図であり、顔パーツの奥行について説明するための図である。顔パーツは、鼻の奥行に対する額の奥行のように、それぞれ奥行が異なる。レンズ2aのフォーカス位置がある顔パーツに合っているとき、他の顔パーツにフォーカス位置が合わないことがある。撮像装置1は、すべての顔パーツにフォーカス位置を合わせるために、顔パーツの撮影ごとにフォーカス位置を変更させる。すなわち、撮像装置1は、例えば、まず、鼻パーツ6cdに合焦するようにレンズ2aを設定して撮影を行い、次に、額パーツ6ca、右鼻翼パーツ6cea、左鼻翼パーツ6cebに合焦するようにレンズ2aを設定して撮影を行い、続いて、右瞼パーツ6cba、左瞼パーツ6cbbに合焦するようにレンズ2aを設定して撮影を行い、最後に、右目尻パーツ6cca、左目尻パーツ6ccb、右頬パーツ6cfa及び左頬パーツ6cfbに合焦するようにレンズ2aを設定して撮影を行う。
【0065】
ステップS206において、制御部10は、顔判定部10aにより検出された顔パーツのうち、撮影及び肌状態の判定が未だ行われていない顔パーツのうちの何れかにフォーカスが合うようにフォーカス位置の設定を更新する。
【0066】
ステップS207において、制御部10は、フォーカス位置の設定に応じて、フォーカス変更部3にフォーカス位置を変更させる。
【0067】
ステップS208において、制御部10は、撮影動作を行い、画像データを撮像素子2bに取得させる。この撮影動作で得られた画像データは、ある顔パーツにフォーカスが合っている画像のデータである。
【0068】
ステップS209において、制御部10は、撮像素子2bにより取得された画像データから、フォーカス位置の設定に対応する顔パーツの部分を抽出する。すなわち、得られた画像のうちフォーカスが合っている顔パーツについて、当該画像から顔パーツの部分の画像を抽出する。
【0069】
ステップS210において、制御部10は、抽出された画像に基づいて、当該顔パーツの肌状態を判定する。すなわち、この処理では、抽出された顔パーツの画像と、サンプルデータの肌画像とが比較され、肌状態が判定される。ここで、比較に用いられる肌画像サンプルデータは、表示パネル6に肌画像サンプル6eとして表示された赤ちゃん並みの肌状態を表すものである。この判定は、抽出された顔パーツの特徴、例えば、色又はコントラスト等と、肌画像サンプルデータの特徴とを比較して、これら特徴の一致の程度に応じて行われる。
【0070】
ステップS211において、制御部10は、顔判定部10aにより検出された全ての顔パーツについて肌状態の判定が終了しているか否かを判定する。ステップS211において、全ての顔パーツについて肌状態の判定が終了していると判定されたとき、処理がステップS212に進む。
【0071】
ステップS211において、全ての顔パーツの顔パーツ判定が終了していないと判定されたとき、処理がステップS206に戻る。すなわち、肌チェックモード処理において、顔判定部10aにより検出された全ての顔パーツに対して顔パーツ判定が行われるように、ステップS206及びステップS211の処理が繰り返される。
【0072】
ステップS212において、制御部10は、すべての顔パーツの顔パーツ判定の結果を表示パネル6に表示する。
【0073】
判定結果の表示の一例について説明する。
図10は、顔パーツの肌状態の判定結果の表示の一例を示す。本実施形態では、肌状態の判定において、「赤ちゃん並み」の画像サンプルデータとの一致の程度が高いと判定された顔パーツに対して、特徴的な表示がなされる。例えば、
図10に示す右頬パーツ6cfaは、塗り潰され、かつ、「ここは赤ちゃん並み」というテキスト表示6fが付加されている。一方、塗り潰されていない顔パーツは、赤ちゃん並みの画像サンプルとの色又はコントラスト等の一致の程度が高くなかったと判定された顔パーツである。なお、「赤ちゃん並み」であった顔パーツに、例えば、「良好」という表示を重ねて表示しても良い。
【0074】
ステップS213において、制御部10は、肌チェックモード処理の終了に対応する操作が行われたか否かを判定する。すなわち、この処理では、戻るアイコン6dがタッチされたか、又は、撮影されている顔Aaが変化したか否かが判定される。顔Aaの変化には、例えば、顔判定部10aにより、顔ガイド枠6cの大きさに合った顔が検出されなくなる変化を含む。
【0075】
ステップS213において、肌チェックモード処理の終了に対応する操作が行われなかったと判定されたとき、処理がステップS212に戻る。
【0076】
ステップS213において、肌チェックモード処理の終了に対応する操作が行われたと判定されたとき、処理がステップS214に進む。ステップS214において、制御部10は、顔ガイド枠6c及び、顔パーツ判定の結果の表示をクリアする。その後、肌チェックモード処理が終了する。
【0077】
以上、本実施形態に係る撮像装置1は、顔パーツごとにフォーカス位置を合わせて撮影することで、奥行が異なる顔パーツの肌状態を分析するための複数の画像を順次に取得することができる。ユーザは、得られた複数の画像に基づいて行われる肌状態の判定結果を容易に取得することができる。
【0078】
また、本実施形態では、被写体の顔パーツを狙ってフォーカス位置を変化させながら撮影を行ったが、焦点距離を近方から遠方まで変化させながら順次に撮影を複数回行っても、複数の分析用の画像を取得することができる。各々の顔パーツの奥行を算出してそこにフォーカス位置を合わせる動作が省略されれば、カメラ制御に係る処理が軽減される。
【0079】
また、分析対象は、顔Aaの肌状態に限らない。奥行を有する対象物について撮像を行い、得られた画像に基づいて分析を行うときに、本実施形態に係る技術を用いることで分析用の画像が容易に取得され得る。このように、本実施形態の撮像装置1は、顔の肌状態を分析するに限らず、他の用途にも適用され得る。つまり、この撮像装置1は、カメラを含む撮像装置以外に観察装置、検査装置に適応が可能で、スマートフォンなどのアプリにも応用可能である。つまり、この撮像装置1では、観察対象物の奥行き方向のピント位置変化や、対象物の部位ごとの特徴判定というポイントが重要である。したがって、画像検出部と画像検出で分類された画像の部位検出部と、各部位ごとに最適ピント制御を行うピント制御部と、分類された画像部位ごとに得られたピント良好画像ごとに、判定可能な判定用画像のデータベースがあれば、本発明のカバー範囲となる。なお、画像比較は、単純に重ね合わせるのみならず、そこで一致度の正確性を向上させるために、露出やホワイトバランスや位置などを調整できるようにする。また、比較結果は、必ずしも、絶対値でなくともよく、相対的な数値でも良い。
【0080】
また、レンズ2aにズームレンズを設ければ、本実施形態で取得された分析用の画像データと較べてさらにミクロな領域を分析するための画像データを取得することができる。
【0081】
また、レンズ2aに多眼レンズを設けて、画角が異なる分析用の画像データを取得しても良い。
【0082】
[第2実施形態]
本実施形態では、顔を検出するための画面と、この顔の分析結果を表示するための画面とが表示パネル6の別の領域に表示される。なお、本実施形態に係る構成及び動作の説明において、第1実施形態の構成と同一となる部分については、その説明を省略する。
【0083】
本実施形態に係る撮像装置1の動作について説明する。
図11は、本実施形態に係る肌チェックモード処理の動作を示すフローチャートである。ステップS301において、制御部10は、本実施形態の肌チェックモード処理に係る表示を行う。
図12は、本実施形態に係る表示の一例を示す。
図12に示すように、制御部10は、表示パネル6に、スルー画画面6gと、肌状態の判定画面6hとを表示させる。判定画面6hには、例えばスルー画の顔画像が表示され、その顔画像上に判定結果が重畳表示される。判定画面6hに表示される顔画像は、スルー画でなく、何れかの時点で撮影された静止画でもよい。また、ステップS301において、制御部10は、表示パネル6に戻るアイコン6dを表示させる。また、制御部10は、スルー画画面6gに顔ガイド枠6cを表示させる。
【0084】
ステップS302において、制御部10は、顔の特徴、例えば、目又は口等の特徴に基づいてスルー画から顔を検出する。
【0085】
ステップS303において、制御部10は、顔ガイド枠6cの大きさに合った顔が検出されたか否かを判定する。顔ガイド枠6cの大きさに合った顔が検出されたと判定されたとき、処理がステップS305に進む。顔ガイド枠6cの大きさに合った顔が検出されなかったと判定されたとき、処理がステップS304に進む。
【0086】
ステップS304において、制御部10は、戻るアイコン6dがタッチされたか否かを判定する。戻るアイコン6dがタッチされなかったと判定されたとき、処理がステップS301に戻る。戻るアイコン6dがタッチされたと判定されたとき、肌チェックモード処理が終了する。
【0087】
ステップS305において、制御部10の顔判定部10aは、顔パーツを検出する。ステップS306において、制御部10は、顔判定部10aにより検出された顔パーツのうち、顔パーツ判定が未だ行われていない1つの顔パーツにフォーカスが合うようにフォーカス位置の設定を更新する。ステップS307において、制御部10は、フォーカス位置の設定に応じて、フォーカス変更部3にフォーカス位置を変更させる。
【0088】
ステップS308において、制御部10は、撮影動作を行い、画像データを撮像素子2bに取得させる。この撮影によりある顔パーツにフォーカスが合っている画像データが取得される。ステップS309において、制御部10は、撮像素子2bにより取得された画像データから、フォーカス位置の設定に対応する顔パーツの部分を抽出する。ステップS310において、制御部10は、顔パーツ判定を行う。
【0089】
ステップS311において、パターン判定部10cにより抽出された顔パーツの画像を記録部5に記録する。抽出され記録されたこの顔パーツの画像のデータを肌拡大画像データと称する。
【0090】
ステップS312において、制御部10は、
図12に示すように、肌拡大画像データに基づく肌拡大画像6iを表示パネル6に表示させる。なお、肌拡大画像6iと、肌画像サンプルとは並べて表示されても良い。
【0091】
ステップS313において、制御部10は、肌状態の判定が終了した顔パーツについて判定の結果を判定画面6hに表示させる。顔パーツ判定の結果を合成した表示の一例について
図12を参照して説明する。本実施形態では、肌状態が「赤ちゃん並み」と判定された顔パーツについて、判定画面6h上の当該顔パーツが塗りつぶされる。
図12は、左瞼パーツ6cbb、左目尻パーツ6ccb、左頬パーツ6cfb、左鼻翼パーツ6ceb、鼻パーツ6cd、右鼻翼パーツ6cea及び右頬パーツ6cfaが「赤ちゃん並み」の肌状態と判定されて塗り潰されている状態を表している。
【0092】
ステップS314において、制御部10は、検出された全ての顔パーツについて肌状態の判定が終了しているか否かを判定する。全ての顔パーツについて肌状態の判定が終了していないと判定されたとき、処理がステップS306に戻る。すなわち、顔パーツに関する肌状態の判定が、ステップS306乃至ステップS313において、次々と行われ、判定画面6h上に表示される判定結果は次々と増えていく。ステップS314において、全ての顔パーツについて肌状態の判定が終了していると判定されたとき、処理がステップS315に進む。
【0093】
ステップS315において、制御部10は、肌チェックモード処理の終了に対応する操作が検出されるまで待機する。すなわち、戻るアイコン6dへのタッチ、又は、顔Aaの変化が検出されるまで待機する。その後、処理がステップS316に進む。
【0094】
ステップS316において、顔パーツ判定結果の表示の終了に対応する操作が行われたと判定されたとき、制御部10は、顔ガイド枠6c及び、顔パーツ判定の結果の表示をクリアする。その後、肌チェックモード処理が終了する。
【0095】
以上、本実施形態では、顔を検出するためのスルー画画面6gと、この顔の分析結果を表示するための判定画面6hとが別の領域に表示される。ユーザは、顔パーツ判定の結果を視認しながら各操作を行うことができる。また、ユーザは、顔パーツが段々に塗り潰されていく過程を見ながら、「赤ちゃん並み」の顔パーツを把握することができる。
【0096】
[第3実施形態]
本実施形態では、表示パネル6に表示された顔ガイド枠6cの位置及び大きさを変更可能である。なお、本実施形態に係る構成及び動作の説明において、第1実施形態の構成及び動作と同一となる部分については、その説明を省略する。
【0097】
本実施形態に係る撮像装置1の動作について説明する。
図13は、本実施形態に係る肌チェックモード処理の動作を示すフローチャートである。
【0098】
ステップS401において、制御部10は、表示パネル6に表示されたスルー画上に顔ガイド枠6cを表示させる。
【0099】
ステップS402において、制御部10は、顔ガイド枠6cの位置を移動するための操作が行われたか否かを判定する。ステップS402において、顔パーツの大きさを変更させる操作が行われなかったと判定されたとき、処理がステップS404に進む。
【0100】
顔パーツの大きさを変更させる操作が行われたと判定されたとき、制御部10は、ステップS403において、この変更に基づいて、顔ガイド枠6cの位置及び大きさを変更する。その後、処理がステップS404に進む。
【0101】
顔ガイド枠6cの変更について説明する。
図14は、顔ガイド枠6cの移動操作の一例を示す図である。本実施形態に係る撮像装置1は、タッチパネル4におけるユーザの手Abによるタッチ操作又はスライド操作を検出すると、タッチ操作又はスライド操作に応じて、顔ガイド枠6cの位置を移動させる。
【0102】
また、本実施形態では、顔パーツを検出すべき検出エリアの位置をユーザが指定することができる。
図15は、顔パーツの検出エリアの位置及び大きさの変更操作の一例を示す図である。撮像装置1は、例えば、タッチパネル4におけるユーザによるスライド操作等によって、顔ガイド枠6c内において顔パーツを検出すべきエリアの位置を変更したり、このエリアの大きさを拡大又は縮小させることができる。
【0103】
顔ガイド枠6c及び顔パーツの位置又は大きさの変更は、十字キー、スライドバー、又は釦等の操作によって行われるように構成されても良い。
【0104】
ステップS404において、制御部10は、スルー画から顔を検出する。ステップS405において、制御部10は、顔ガイド枠6cの大きさに合った顔が検出されたか否かを判定する。ステップS405において、顔ガイド枠6cの大きさに合った顔が検出されなかったと判定されたとき、処理がステップS406に進む。制御部10は、ステップS406において、戻るアイコン6dがタッチされたか否かを判定する。ステップS406において、戻るアイコン6dがタッチされなかったと判定されたとき、処理がステップS401に戻る。ステップS406において、戻るアイコン6dがタッチされたと判定されたとき、肌チェックモード処理が終了する。一方、ステップS405において、顔ガイド枠6cの大きさに合った顔が検出されたと判定されたとき、処理がステップS407に進む。ステップS407において、制御部10の顔判定部10aは、顔パーツを検出する。
【0105】
ステップS408において、制御部10は、顔判定部10aにより検出された顔パーツのうち1つの顔パーツにフォーカスが合うようにフォーカス位置の設定を更新する。その後、ステップS409において、制御部10は、フォーカス位置の設定に応じて、フォーカス変更部3にフォーカス位置を変更させる。
【0106】
ステップS410において、制御部10は、撮像部2に撮影を実行させる。ステップS411において、制御部10は、取得された画像データから、フォーカス位置の設定に対応する顔パーツの部分を抽出する。ステップS412において、制御部10は、抽出された顔パーツについて、肌状態の判定を行う。
【0107】
ステップS413において、制御部10は、検出された全ての顔パーツの肌状態の判定が終了しているか否かを判定する。ステップS413において、全ての顔パーツの顔パーツ判定が終了していないと判定されたとき、処理がステップS408に戻る。その後、顔パーツ判定が終了していない顔パーツに対して、ステップS408乃至ステップS413に係る処理を繰り返す。一方、ステップS413において、全ての顔パーツの顔パーツ判定が終了していると判定されたとき、処理がステップS414に進む。
【0108】
ステップS414において、制御部10は、顔画像と、全ての顔パーツの顔パーツ判定の結果とを表示パネル6に表示する。ステップS415において、制御部10は、戻るアイコン6dがタッチされたか、又は、顔Aaが変化したか否かを判定する。ステップS415において、戻るアイコン6dがタッチされなかったと判定されたとき、及び、顔Aaが変化しなかったと判定されたとき、処理がステップS414に戻る。一方、ステップS415において、戻るアイコン6dがタッチされたとき、又は、顔Aaが変化したと判定されたとき、処理がステップS416に進む。
【0109】
ステップS416において、制御部10は、顔ガイド枠6c及び、顔パーツ判定の結果の表示をクリアする。ステップS416の後、本実施形態に係る肌チェックモード処理が終了する。
【0110】
以上、本実施形態に係る撮像装置1では、タッチパネル4を操作して、表示パネル6に表示された顔ガイド枠6cの位置及び大きさを変更させることを特徴とする。この操作により、ユーザは、顔ガイド枠6cと、ユーザの顔Aaの位置とを合わせ易くなり、撮像装置1に顔パーツを検出させ易くなる。また、本実施形態では、顔パーツが検出されるべき領域がユーザによって指定され得る。その結果、顔パーツの検出が正確に行われ得る。
【0111】
なお、上述した実施形態における撮像装置1による各処理は、何れも実行させることができるプログラムとして記憶しても良い。このプログラムは、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶装置の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行することができる。