(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記グリス収納部は、前記出力部材が突出位置にあるときに、前記出力部の前記ガイド部材から突出しない位置に設けられている、請求項2に記載の車両用アクチュエータ。
【背景技術】
【0002】
フューエルリッドロック装置は、車両の燃料供給用開口を開閉するフューエルリッドを施錠状態に保持するとともに、施錠状態と解錠状態の切り換えを行う。詳しくは、進退可能に配置したロック部材の出力部がフューエルリッドの係合孔に係合することで、フューエルリッドが施錠状態に保持される。また、ロック部材の出力部が係合孔から離脱することで、施錠状態から解錠状態に切り換えられる。
【0003】
ロック部材の出力部は、施錠状態では燃料供給用開口内に位置しているため、雨水や洗車水が付着する可能性がある。出力部に水滴が付着した状態でロック部材が施錠作動又は解錠作動されると、付着した水滴がフューエルリッドロック装置内に浸入する恐れがある。装置内に浸入した水滴が凍結すると、内部の部品が固着し、動作不良の原因となる可能性がある。
【0004】
特許文献1には、水密性を確保するようにしたフューエルリッド用アクチュエータが開示されている。このアクチュエータは、ロック部材と、ロック部材を進退可能に保持する円筒孔状の支持部と、ロック部材の外周に設けられたオーリング状のシール部材とを備える。シール部材は、支持部の内周面に摺接するように配設され、支持部とロック部材との間から水が浸入することを防止する。
【0005】
しかし、ロック部材の外周にシール部材を配置するだけでは、装置内に水滴が浸入することを完全に防ぐことができない。また、ロック部材と支持部との間に水滴が浸入し、その水滴が凍結した場合には、ロック部材が支持部内で固着し、動作不良の原因になる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、水滴が浸入することを確実に防止できる車両用アクチュエータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、開口部を有するケーシングと、前記ケーシングの前記開口部に配置された筒状のガイド部材と、前記ガイド部材に保持され、前記開口部及び前記ガイド部材から外方へ突出した突出位置と前記ケーシング内に向けて後退した後退位置との間で移動可能な出力部を有し、前記ケーシングの内部に少なくとも一部が収納された出力部材とを備え、前記出力部材の前記出力部
の外周又は前記ガイド部材
の内周には、グリスを収納
するグリス収納部
が設けられており、前記グリス収納部は、周方向に延びる半円形状の窪みからなる環状溝であり、前記出力部材の移動方向に間隔をあけて複数設けられている、車両用アクチュエータを提供する。ここで、出力部がケーシング内に向けて後退した後退位置とは、出力部の先端が開口部から突出した状態、及び出力部の先端が開口部内に引き込まれた状態の両方を含む。また、出力部の先端がガイド部材から突出した状態、及び出力部の先端がガイド部材内に引き込まれた状態の両方を含む。
【0009】
この車両用アクチュエータは、グリス収納部に収納されたグリスが出力部材の出力部とガイド部材との摺動部分に行き渡り、出力部とガイド部材との間の隙間にグリスが充填された状態になる。そのため、出力部とガイド部材との隙間から水滴が浸入することを防止できる。よって、水滴が凍結することによる動作不良を防止できる。また、熱等によりグリスの粘性が低下しても、出力部又はガイド部材に設けたグリス収納部によってグリスの流出を防止できるため、長期にわたって防水効果を発揮することができる。
【0010】
また、周方向に延びる半円形状の窪みからなるグリス収納部が、出力部材の移動方向に沿って複数設けることで、出力部材の出力部とガイド部材との間の隙間のほぼ全域にグリスが行き渡り易くなるため、隙間への水滴の浸入をより防止することができる。
【0011】
前記グリス収納部は、前記出力部材の前記出力部に設けられている。このようにすれば、ガイド部材及び出力部材の構成を簡素化できるため、製造コストを低減できる。
【0012】
前記グリス収納部は、前記出力部材が突出位置にあるときに、前記出力部の前記ガイド部材から突出しない位置に設けられている。ここで、車両用アクチュエータの出力部材は、車両の通常使用時の殆どの時間、リッドをロックする突出位置にあり、出力部材が後退位置に位置するのは給油時などのごく限られた時間である。そのため、後退位置にある出力部材とガイド部材との間に浸入した水滴が凍結する可能性は低く、後退位置において動作不良が発生する可能性は低い。これを考慮して、グリス収納部を、出力部材が突出位置にあるときに、出力部材のガイド部材から突出しない位置に設けることにより、リッドのロック中に負荷が加わる可能性があるガイド部材から突出する部分の強度を維持しつつ、水滴の凍結による動作不良も防止することができる。
【0013】
前記出力部材は、前記出力部の後側に連続し前記出力部より径が大きい圧接部を有し、前記ガイド部材は、前記出力部を保持する第1筒状部と、前記第1筒状部より径が大きく前記第1筒状部と段部を介して連続して前記圧接部を保持する第2筒状部とを有する。このようにすれば、グリスは、出力部材が後退するときに、第1筒状部の内周面に沿って移動するが、段部によってそのガイドが解除されると、出力部側に付着するか、段部の縁に付着して段部に留まる。そして、出力部側に付着したグリス、及び段部に溜まったグリスは、出力部材の突出方向の移動によって再び第1筒状部内に挿入されるため、グリスの流出を防止でき、長期にわたって防水効果を発揮することができる。
【0014】
前記出力部材の前記グリス収納部より後方の外周に、リング状のシール部材を設けることが好ましい。詳しくは、シール部材は、出力部材の圧接部の外周に設けられている。このようにすれば、グリスとシール部材とで2重の防水効果を発揮できる。また、シール部材によってグリスが出力部材の後端側に流出することを防止できるため、長期にわたって防水効果を維持できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の車両用アクチュエータは、グリス収納部に収納されたグリスが出力部材の出力部とガイド部材との間の隙間に充填された状態になるため、出力部とガイド部材との隙間から水滴が浸入することを防止できる。よって、水滴が凍結することによる動作不良を防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】
図1から
図6は、本発明の実施形態に係るフューエルリッドロック装置(車両用アクチュエータ)10を示す。フューエルリッドロック装置10は車両に搭載され、例えば燃料供給用開口を開閉するフューエルリッド(図示せず)の施錠状態と解錠状態の切り換えを行う。フューエルリッドロック装置10は、ケーシング11の内部に、フューエルリッドを施錠状態に保持するロック部材(出力部材)27を備える。本発明は、ロック部材27に付着した水滴がケーシング11の内部に浸入することを防止する。
(全体構成)
【0019】
図1及び
図2に示すように、フューエルリッドロック装置10は樹脂製のケーシング11を備える。ケーシング11は、概ね2分割構造であり、ロアケース12とアッパーケース15とを備える。
図3に示すように、ケーシング11内には、モータ20、ウォームギア23、ギア部材25、及びロック部材27が収容されている。
【0020】
ロック部材27は、フューエルリッドに離脱可能に係合する出力部27aを備える。ロック部材27は、ケーシング11を貫通するように配置され、往復直動可能にケーシング11に保持されている(
図3の矢印A1,A2)。モータ20の回転出力(
図3の矢印B1,B2参照)は、ウォームギア23とギア部材25を介してロック部材27に伝達される(
図3の矢印C1,C2参照)。そのため、ロック部材27は、モータ20の正転方向又は逆転方向の回転に応じて、矢印A1,A2のうちのいずれかの方向に直線的に移動する。
【0021】
図1及び
図2に示すように、ロアケース12の外周部には係合爪12aが設けられ、アッパーケース15の外周部には係合フック15aが設けられている。ロアケース12の上端開口にアッパーケース15を配置し、係合爪12aに係合フック15aを係合することで、アッパーケース15がロアケース12に対して固定されている。また、
図1に加えて
図3を参照すると、ロアケース12にはネジ孔部12bが設けられ、アッパーケース15の貫通孔(図示せず)にネジを通してネジ止めすることで、アッパーケース15がロアケース12に対して固定されている。
【0022】
図3に示すように、モータ20は、
図3において左下隅に位置するロアケース12のモータ収容部12cに配置されている。モータ20の出力シャフト21は、
図3においてモータ収容部12cの右側に隣接して形成された第1ギア収容部12d内に配置されている。モータ20は、ロアケース12にインサート成形したターミナル13に接続されている。ターミナル13の先端は、
図3においてモータ収容部12cの右下側に隣接して形成されたコネクタ部12eに配置されている。コネクタ部12eに相手方のコネクタ(図示せず)が嵌合されることで、モータ20が電気的に接続されている。
【0023】
ウォームギア23は、モータ20の出力シャフト21に固定状態で装着され、ロアケース12の第1ギア収容部12dに収容されている。
【0024】
ギア部材25は、
図3においてモータ収容部12cの概ね右上の領域に形成された第2ギア収容部12fに配置されている。第2ギア収容部12fには、ギア部材25を回動可能に配置する支持部12gが設けられている。ギア部材25は、支持部12gを中心とする基準円を有する斜歯歯車部(第1ギア部)25aを備える。斜歯歯車部25aはウォームギア23と噛合されている。斜歯歯車部25aは、ギア部材25の全周に設けられているのではなく、支持部12gを中心とする部分円弧状に設けられている。また、ギア部材25は、支持部12gに対して斜歯歯車部25aとは反対側に位置するように平歯車部(第2ギア部)25bが設けられている。平歯車部25bは、斜歯歯車部25aと同様に、支持部12gを中心とする基準円を有し、支持部12gを中心とする部分円弧状に設けられている。
【0025】
ロック部材27は、全体として細長いロッド状であり、
図3において第2ギア収容部12fの上側の領域に形成されたロック部材収容部12hに配置されている。ロック部材27の最も前端側(
図3において左側端)には、断面円形のロッド状で先端が半球状の出力部27aが設けられている。出力部27aは、ケーシング11から外方へ突出した突出位置と、ケーシング11内に向けて後退した後退位置との間を移動される。
【0026】
出力部27aの移動は、電動による第1駆動機構と、手動による第2駆動機構による。第1駆動機構は、前述したモータ20、ウォームギア23、及びギア部材25を備える。第2駆動機構は、ロック部材27の最も後端側(
図3において右側端)に設けられ、作業者が指で操作する手動操作部27bを備える。手動操作部27bは、常にケーシング11の外部に位置し、車室(例えばトランクルーム)に配置されている。いずれかの駆動機構によってロック部材27が進出方向A1に移動されると、出力部27aが突出位置に変位する。いずれかの駆動機構によってロック部材27が後退方向A2に移動されると、出力部27aが後退位置に変位する。
【0027】
ロック部材27には、手動操作部27bから出力部27aに向けて順に、貫通部27c、中間部27d、及び圧接部27gが設けられている。貫通部27cは、ロアケース12の貫通孔12iを貫通されることで、手動操作部27bをケーシング11の外部に配置する。中間部27dには、ギア部材25の平歯車部25bと噛合されるラックギア(入力ギア)27eが設けられている。このラックギア27eが形成された部分を含むロック部材27の大部分が、ケーシング11内に収容されている。中間部27dには、ロアケース12及びアッパーケース15に形成したガイドリブ(図示せず)に嵌合する直線状のガイド溝27fが設けられている。
【0028】
圧接部27gは、
図3においてロック部材収容部12hの左側に形成された挿通部12j内に配置されている。挿通部12jの内周部には、出力部27a及び圧接部27gを移動可能に保持するために、金属製で両端を開口したガイド部材30が固定されている。そして、ガイド部材30とロック部材27との間には、出力部27aに付着した水滴がケーシング11内に浸入することを防止するシール構造が設けられている。
(シール構造の詳細)
【0029】
図2及び
図4Aに示すように、ケーシング11の挿通部12jは概ね円筒状であり、出力部27aを含む圧接部27gがガイド部材30を介して移動可能に配置されている。挿通部12jの外端には、出力部27aを外方へ突出させる開口部12kが形成されている。開口部12kの周囲である挿通部12jの外側端面には、ケーシング11と車体側との間の緩衝のためにパッド14(例えばゴムスポンジ製)が装着されている。即ち、ロック部材27の出力部27a側が貫通する部分のケーシング11は、実質的に2分割構造ではなく、ロアケース12の一部である挿通部12jによって構成されている。
【0030】
図4Aに示すように、ガイド部材30は、挿通部12jの開口部12k内に配置されるフランジ状部30aを備える。ガイド部材30は、フランジ状部30aから左側の第1筒状部30bが開口部12kから外方へ突出し、フランジ状部30aから右側の第2筒状部30eがロアケース12にインサート成形によって埋め込まれている。
【0031】
図5A,Bに示すように、第1筒状部30bは、ロック部材27の出力部27aを移動可能に保持する。第1筒状部30bは外形が非円形状であり、その外周部に、ガイド部材30を図示しない燃料供給用開口内のインナーパネルに固定するためのネジ溝30cを備える。フューエルリッドロック装置10は、ガイド部材30の第1筒状部30bが燃料供給用開口内のインナーパネルに形成された取付孔に車内側から車外側に向けて貫通して配置され、取付孔を貫通した第1筒状部30bの先端部に図示しないナットをねじ込み、インナーパネルをガイド部材30のフランジ状部30aとナットとの間に挟み込むことで、インナーパネルの取付孔周辺に固定される。この取付状態では、ガイド部材30の第1筒状部30bは、インナーパネルの取付孔から燃料供給用開口内に突出して、その先端がフューエルリッドの係合孔に対応する位置に配置される。
図4A及び
図5Cに示すように、第1筒状部30bは、出力部27aを第2筒状部30e側から前端側へ貫通する第1ガイド貫通孔30dを備える。
【0032】
図4A及び
図5Cに示すように、第2筒状部30eは、ロック部材27の圧接部27gを移動可能に保持する。第2筒状部30eは、圧接部27gが配置される第2ガイド貫通孔30fを備える。第2ガイド貫通孔30fは、第1ガイド貫通孔30dと連続している。これにより、第1及び第2ガイド貫通孔30d,30f介して、ケーシング11の内部(ロック部材収容部12h)とケーシング11の外部とが連通している。第2ガイド貫通孔30fの内径は、第1ガイド貫通孔30dの内径より大きい。第1及び第2ガイド貫通孔30d,30fの境界部分であるフランジ状部30a内には、第1ガイド貫通孔30d側から第2ガイド貫通孔30f側へ向けて直径を徐々に大きくしたテーパ状の段部30gが形成されている。
【0033】
図4A及び
図6に示すように、ロック部材27の出力部27aは、ガイド部材の第1筒状部30b内に配置され、
図4Aに示す突出位置と
図4Bに示す後退位置との間を移動可能である。
図4Aに示すように、突出位置では、出力部27aの前端側がケーシング11の開口部12k及びガイド部材30の第1筒状部30bから外方へ突出する。これにより、出力部27aがフューエルリッドの係合孔に係合し、フューエルリッドは施錠状態で保持される。
図4Bに示すように、後退位置では、出力部27aがケーシング11内に向けて後退し(引き込まれ)、出力部27aの先端が第1筒状部30b内に格納される。これにより、係合孔から出力部27aが離脱し、フューエルリッドは施錠状態から解錠状態に切り換えられる。但し、後退位置の出力部27aは、ケーシング11の開口部12kから外方へ突出している。
【0034】
出力部27aの外周部と第1ガイド貫通孔30dを画定する第1筒状部30bの内壁とは、出力部27aを移動可能に保持するための設定されたクリアランス(隙間)をあけて位置する。出力部27aの摺動部分である微細な隙間にグリスを行き渡らせるために、出力部27aの外周にはグリス収納部27hが形成されている。グリス収納部27hは、周方向に延びる半円形状の窪みからなる環状溝であり、半固体状の潤滑剤であるグリスが収納(充填)される。グリス収納部27hは、出力部27aの移動方向である出力部27aの軸線に沿って複数設けられている。
図4Aに示すように、ロック部材27が突出位置にあるときには、グリス収納部27hは、第1筒状部30b内に位置し、ガイド部材30から外方へ突出しない位置に設けられている。
図4Bに示すように、ロック部材27が後退位置にあるときには、グリス収納部27hは、第2筒状部30e内に位置する。
【0035】
図4A及び
図6に示すように、圧接部27gは、出力部27aの後側に同一軸線上に位置するように連続している。圧接部27gは出力部27aより外径が大きく、第2ガイド貫通孔30fを画定する第2筒状部30eの内壁とは、圧接部27gを移動可能に保持するために設定されたクリアランスをあけて位置する。圧接部27gには環状溝が形成され、この環状溝に概ね環状でリップを有するリング状のシール部材28が装着されている。シール部材28は例えばゴムのような弾性材料からなる。
図4Aに示すように、ロック部材27が突出位置にあるときには、圧接部27gは、第2筒状部30eの段部30g側に位置する。
図4Bに示すように、ロック部材27が後退位置にあるときには、圧接部27gは、第2筒状部30e内の後端に位置する。圧接部27gの後側端には、中間部27dとつなぐロッド部27iが設けられている。ロッド部27iは、+字状の断面形状を有する。ロッド部27iの4箇所の端部をつなぐ仮想円の直径は、圧接部27gの外径より小さい。
【0036】
本実施形態に係るフューエルリッドロック装置10の動作を説明する。
【0037】
図3を参照すると、ターミナル13を介した給電によりモータ20が作動すると、出力シャフト21と一緒にウォームギア23が回転する(矢印B1,B2参照)。ウォームギア23の回転は、ウォームギア23とギア部材25の斜歯歯車部25aとの噛合によってギア部材25に伝達され、ギア部材25の支持部12g回りの回転に変換される(矢印C1,C2参照)。ギア部材25の支持部12g回りの回転は、ギア部材25の平歯車部25bとロック部材27のラックギア27eとの噛合によりロック部材27に伝達され、ロック部材27の直線移動に変換される(矢印A1,A2参照)。
【0038】
また、電源喪失やモータ20の駆動回路の故障等の際には、ロック部材27の手動操作部27bを操作し、ロック部材27の出力部27aを
図4Aに示す突出位置から
図4Bに示す後退位置に直線移動させることで、フューエルリッドを解錠できる。
【0039】
モータ20又は手動操作部27bによるロック部材27の進退により、出力部27aと第1筒状部30bの内壁との間には、グリス収納部27hに収納されたグリスが行き渡る。そして、出力部27aと第1筒状部30bの隙間にはグリスが充填された状態になる。また、グリス収納部27hは出力部27aの移動方向に沿って複数設けられているため、出力部27aと第1筒状部30bとの間の隙間のほぼ全域にグリスが行き渡る。そのため、出力部27aのガイド部材30から突出した部位に水滴が付着しても、出力部27aと第1筒状部30bとの隙間から水滴が浸入することを防止できる。よって、水滴が凍結することによるロック部材27の動作不良を防止できる。
【0040】
詳しくは、グリスは、ロック部材27が後退するときには、第1筒状部30bの内周面に沿って移動するが、段部30gによってガイドが解除されると、出力部27a側に付着するか、段部30gの縁に付着して段部30gに留まる。出力部27a側に付着したグリス、及び段部30gに溜まったグリスは、ロック部材27の突出方向の移動によって再び第1筒状部30b内に挿入される。そのため、出力部27aと第1筒状部30bとの間の隙間のほぼ全域にグリスを行き渡らせることができるうえ、グリスの流出を防止できる。また、熱等によりグリスの粘性が低下しても、出力部27aに設けたグリス収納部27hによってグリスの流出を防止できる。よって、長期にわたって防水効果を発揮することができる。
【0041】
また、本実施形態では、出力部27aの後方の圧接部27gの外周にシール部材28を配置しているため、グリスとシール部材28とで2重の防水効果を発揮できる。また、シール部材28によってグリスがロック部材27の後端側に流出することを防止できる。よって、この点からも長期にわたって防水効果を維持できる。
【0042】
また、本実施形態では、グリス収納部27hを出力部27aに設けているため、ガイド部材30及びロック部材27の構成を簡素化できるので、製造コストを低減できる。しかも、グリス収納部27hはロック部材27が突出位置にあるときに、ガイド部材30から突出しない位置に設けられているため、フューエルリッドのロック中に負荷が加わる可能性がある部分の強度を維持しつつ、水滴の凍結による動作不良も防止することができる。詳しくは、ロック部材27は、車両の通常使用時の殆どの時間、フューエルリッドをロックする突出位置にあり、ロック部材27が後退位置に変位するのは給油時などのごく限られた時間である。そのため、後退位置にあるロック部材27とガイド部材30との間に浸入した水滴が凍結する可能性は低く、後退位置で動作不良が発生する可能性は低い。これを考慮して、グリス収納部27hをロック部材27のガイド部材30から突出しない位置に設けることにより、出力部27aの強度を維持しつつ、動作不良を防止できる。
【0043】
なお、本発明は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0044】
例えば、グリス収納部27hは、ロック部材27の出力部27aに設けたが、ガイド部材30の第1筒状部30bの内面側に設けてもよい。また、グリス収納部27hを、出力部27aが突出位置にあるときにガイド部材30から突出しない位置に設けたが、突出する位置に設けてもよい。また、グリス収納部27hを、出力部27aの移動方向に複数設けたが、1個または軸方向に長い1個だけ設けてもよい。また、グリス収納部27hを、ロック部材27が突出位置にあるときに、出力部27aと第1筒状部30bとの間のほぼ全域に渡って複数設けたが、出力部27aと第1筒状部30bとの間の進退方向の一部範囲にのみ設けてもよい。その場合、グリス収納部27hを、出力部27aと第1筒状部30bとの間の前側(開口側)に設けることがより効果的である。
【0045】
また、ロック部材27の出力部27aは、後退位置で、ガイド部材30内に格納されるようにしたが、フューエルリッドの係合孔に対する係合が解除された状態であれば、ガイド部材30から突出した状態であってもよい。また、ガイド部材30の第1筒状部30bは、ケーシング11の開口部12kから突出する構成としたが、突出しない(埋没した)構成としてもよい。この場合でも、ロック部材27の出力部27aは、後退位置で、開口部12k内に格納されるようにしてもよいし、フューエルリッドの係合孔に対する係合が解除された状態であれば、開口部12kから突出した状態であってもよい。
【0046】
フューエルリッドロック装置を例に本発明を説明したが、本発明はフューエルリッドロック装置以外の車両用アクチュエータにも適用できる。