(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6406997
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】顔面付着異物除去装置
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20181004BHJP
A61H 33/00 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
F24F7/06 C
A61H33/00 T
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-245593(P2014-245593)
(22)【出願日】2014年12月4日
(65)【公開番号】特開2016-109337(P2016-109337A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年11月13日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)展示日 平成26年6月10日〜平成26年6月13日 (2)展示会名、開催場所 2014国際食品工業展 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3−10−1) (3)公開者 三共空調株式会社 (4)展示内容 三共空調株式会社は、2014国際食品工業展に於いて、湊川陽介が発明した「顔面付着異物除去装置」を公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】391061794
【氏名又は名称】三共空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】湊川 陽介
【審査官】
▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−672(JP,A)
【文献】
特開2010−51528(JP,A)
【文献】
特開2000−166821(JP,A)
【文献】
特開2002−85292(JP,A)
【文献】
特開2004−150709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
A61H 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔面収容凹所を有しているとともに顔面収容凹所の所要箇所に開口した吹出し口および吸込み口を有しているケーシングと、吹出し口から顔面に向かってエアを吹き付ける送風手段と、吸込み口を通じて顔面付着異物をエアと共に吸引する吸引手段とを備えていることを特徴とする、顔面付着異物除去装置。
【請求項2】
ケーシングが、取付角度および取付高さのうち少なくともいずれか一方を変更しうるように、取付ベースに可動状に取り付けられていることを特徴とする、請求項1記載の顔面付着異物除去装置。
【請求項3】
ケーシングを取付ベースに可動状に取り付ける手段が、一端が取付ベースにヒンジ結合され他端がケーシングにヒンジ結合された起伏自在な揺動アームよりなり、揺動アームを任意の揺動位置で停止させられるように、揺動アームと取付ベースとの間にスプリングステーが渡されていることを特徴とする、請求項2記載の顔面付着異物除去装置。
【請求項4】
取付ベースが、キャスターを有するボックスよりなり、吸引手段が、ボックス内に収容された吸引装置本体と、一端が吸引装置本体に接続され他端が吸込み口に連通するようにケーシングに接続された吸引管とを有する吸引装置よりなり、送風手段が、吹出し口に連通するようにケーシングに内蔵または接続された少なくとも1つの送風機よりなることを特徴とする、請求項2または3記載の顔面付着異物除去装置。
【請求項5】
顔面収容凹所が、ケーシングの前面に開口した略U形の水平断面を有するものであり、吹出し口が顔面収容凹所の左右各側面に複数個ずつ開口させられ、吸込み口が顔面収容凹所の底面に開口させられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の顔面付着異物除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クリーンルームの出入口等において、作業者の顔面に付着している抜けた睫毛・眉毛(抜けかけている睫毛・眉毛を含む。以下同じ。)や塵埃等の異物を除去するための装置に関する。
なお、この発明を特定するに当たり、「顔面」には、顔面そのものの他、顔面に装着したゴーグル・マスク等の装着具の表面が含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
例えばクリーンルームや食品工場といった清浄度が要求される空間においては、これらの空間に塵埃等の異物が持ち込まれるのを回避するため、これらの空間の出入口の手前にエアシャワー装置を設置し、作業者に付着した塵埃等を除去することが一般に行われている。
しかしながら、エアシャワー装置のみでは、作業者の衣服のシワや織目に付着している異物まで完全に除去するのは困難であった。
【0003】
そこで、本出願人は、作業者の衣服に付着した塵埃等の異物をより確実に除去することが可能な衣服用塵埃除去装置を先に提案した(下記の特許文献1参照)。
この装置は、内部に集塵室を有するケーシングと、ケーシング内に配されて集塵室内の空気を集塵室外に排出する送風機と、基端が集塵室内に密に挿入され先端がケーシングから突出させられた可撓性を有する吸引管と、吸引管の基端に着脱自在に取り付けられた集塵袋と、吸引管の先端に設けられたブラシとを備えたものである。
上記装置によれば、クリーンルーム等に入室する作業者が、吸引管先端のブラシを衣服に沿わせて移動させることにより、衣服に付いた塵埃を効果的に除去することができる。
【0004】
ところで、作業者によってクリーンルームに持ち込まれる異物には、衣服に付いた塵埃の他にもあった。すなわち、作業者の顔面には、抜けた睫毛や眉毛が付着していたり、塵埃が付着していたりすることがある。
しかしながら、エアシャワー装置や、上記の衣服用塵埃除去装置によっては、作業者の顔面に付着している抜けた睫毛・眉毛や塵埃等の異物を確実に除去することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3086668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、クリーンルーム等に入室する作業者の顔面に付着している抜けた睫毛・眉毛や塵埃等の異物を確実に除去することができる顔面付着異物除去装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による顔面付着異物除去装置は、顔面収容凹所を有しているとともに顔面収容凹所の所要箇所に開口した吹出し口および吸込み口を有しているケーシングと、吹出し口から顔面に向かってエアを吹き付ける送風手段と、吸込み口を通じて顔面付着異物をエアと共に吸引する吸引手段とを備えているものである(請求項1)。
【0008】
この発明の顔面付着異物除去装置にあっては、作業者がその顔面をケーシングの顔面収容凹所に収まるようにし、この状態で送風手段により吹出し口から顔面に向かってエアが吹き付けられることにより、顔面に付着している抜けた睫毛・眉毛や塵埃等の異物が吹き飛ばされる。顔面から取り除かれた異物は、吸引手段により吸引口を通じてエアと共に吸引される。
従って、この発明の顔面付着異物除去装置によれば、クリーンルーム等に入室する作業者の顔面に付着している抜けた睫毛・眉毛や塵埃等の異物を確実に除去することができ、クリーンルーム等の清浄度を更に高めることができる。
【0009】
この発明による顔面付着異物除去装置の好適な態様として、ケーシングが、取付角度および取付高さのうち少なくともいずれか一方を変更しうるように、取付ベースに可動状に取り付けられている場合がある(請求項2)。
【0010】
上記態様によれば、作業者の身長等に応じて、ケーシングの角度および/または高さを適宜調整することができるので、作業者が楽な姿勢で自身の顔面をケーシングの顔面収容凹所に収容して付着異物の除去を行うことが可能となる。
【0011】
この発明による上記態様の顔面付着異物除去装置において、ケーシングを取付ベースに可動状に取り付ける手段が、一端が取付ベースにヒンジ結合され他端がケーシングにヒンジ結合された起伏自在な揺動アームよりなり、揺動アームを任意の揺動位置で停止させられるように、揺動アームと取付ベースとの間にスプリングステーが渡されている場合がある(請求項3)。
【0012】
上記の場合、比較的構造が簡単な揺動アームによって、ケーシングの取付角度および取付高さの変更が可能となるので、コストをかけずにケーシングの角度および/または高さを変更調整することができる。しかも、上記の場合、スプリングステーの機能により、揺動アームを任意の揺動位置で停止させられるので、作業者がケーシングの高さを保持するためにケーシングを支えておく必要がなく、顔面付着異物の除去を容易に行うことができる。
なお、この場合、作業者がケーシングを手で持ってその角度調整を行うが、ケーシングを持ち易くするように、例えばケーシングの左右両側にハンドルを設けておくのが好ましい。
【0013】
また、この発明による上記態様の顔面付着異物除去装置において、取付ベースが、キャスターを有するボックスよりなり、吸引手段が、ボックス内に収容された吸引装置本体と、一端が吸引装置本体に接続され他端が吸込み口に連通するようにケーシングに接続された吸引管とを有する吸引装置よりなり、送風手段が、吹出し口に連通するようにケーシングに内蔵または接続された少なくとも1つの送風機よりなる場合がある(請求項4)。
【0014】
上記の場合、装置を必要に応じて容易に移動させることができ、使い勝手がよい。また、上記の場合、送風機が吸引装置と切り離されているため、作業者の顔面に吹き付けられるのがフレッシュなエアとなり、作業者に不快感を与えるおそれがない。
【0015】
この発明による顔面付着異物除去装置において、顔面収容凹所が、ケーシングの前面に開口した略U形の水平断面を有するものであり、吹出し口が顔面収容凹所の左右各側面に複数個ずつ開口させられ、吸込み口が顔面収容凹所の底面に開口させられている場合がある(請求項5)。
【0016】
上記の場合、左右側方から顔面にエアが吹き付けられるので、エアの吹き付けに対する抵抗感が軽減され、また、顔面に付着した異物の吹き飛ばしおよび吸引を効率よく行うことができる。さらに、上記の場合、ケーシングの構成をコンパクトにすることができるので、例えば前述のようにケーシングの取付角度を変更可能とする場合には、変更に必要な操作を楽に行うことができ、コストも抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】この発明の実施形態に係る顔面付着異物除去装置の正面図である。
【
図3】顔面付着異物除去装置の一部を切り欠いて示す右側面図である。
【
図4】ケーシングを上方に持ち上げて角度を傾けた状態の顔面付着異物除去装置を示す斜視図である。
【
図5】使用状態を示す顔面付着異物除去装置の右側面図である。
【
図6】
図5のVI
−VI線に沿う顔面付着異物除去装置の部分省略矢視図である。
【
図7】使用状態を示す顔面付着異物除去装置の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の一実施形態を、
図1ないし
図7を参照して説明する。
なお、以下の説明において、
図3,5,7の各左を「前」、同右を「後」といい、また、「左右」は前から見た場合の左右をいうものとする。
【0019】
図示の顔面付着異物除去装置(1)は、キャスター(23)付きボックス(20)よりなる取付ベース(2)と、取付ベース(2)上に可動状に取り付けられたケーシング(3)と、ケーシング(3)に内蔵された2つの送風機(4)と、ボックス(20)内に収容された吸引装置本体(51)を有するとともに吸引装置本体(51)とケーシング(3)とを接続する吸引管(52)を有する吸引装置(5)とを備えてなる。
【0020】
取付ベース(2)を構成しているボックス(20)は、正面より見て大きな縦長方形をなす下ボックス(21)と、下ボックス(21)の上面に固定された正面より見て小さな横長方形をなす上ボックス(22)とを有している。下ボックス(21)は、その後面が開口させられているとともに、その天板(211)の左右幅中央部に、後端が開放させられたスリット状の切欠部(図示略)が形成されている。下ボックス(21)の底板(212)上には、吸引装置本体(51)が載置されている。下ボックス(21)の底板(212)下面の四隅部にキャスター(23)が取り付けられている。上ボックス(22)は、平面よりみて後方に開口した略U形のものであって、下ボックス(21)の天板(211)上面に切欠部の周囲に沿うように配置固定されている。上ボックス(22)の上面には、その左右両側部が前側部よりも高くなるような段差が付けられることにより、凹所(221)が形成されている。
【0021】
ケーシング(3)は、それぞれ前後方向にのびる左右1対のサイドケーシング部(31)と、左右側面部の長さ中間どうしを連結するように左右方向にのびるフロントケーシング部(32)とを備えた、平面よりみて略H形のものである。左右サイドケーシング部(31)およびフロントケーシング部(32)は、それぞれ中空状のものであるが、内部どうしが連通しないように互いに連結されている。
ケーシング(3)の前方に開口した凹所によって、顔面収容凹所(33)が構成されている。顔面収容凹所(33)の左右側面、すなわち、左右サイドケーシング部(31)の対向面の前側部分は、前後方向にのびる互いに平行な第1面(311)と、各第1面(311)の後縁から後方に向かって左右方向内方に傾斜した第2面(312)とよりなる。
各第1面(311)には、上下2つの垂直なスリットよりなる第1吹出し口(341)が形成されている。また、各第2面(312)には、上下に並んだ複数の円孔よりなる第2吹出し口(342)が形成されている。
左右各サイドケーシング部(31)の内部には、送風機を構成するファンモータ(4)が収容されている。
左右各サイドケーシング部(31)の左右方外側面には、エア取り込み口(図示略)が形成されているとともに、これを覆うようにグリル(35)が取り付けられている。
また、左右各サイドケーシング部(31)の左右方向外側面には、略U形に折り曲げられた棒状のハンドル(36)が取り付けられている。
顔面収容凹所(33)の底面、すなわちフロントケーシング部(32)の前面には、3列に並んだ複数の水平スリットよりなる吸込み口(37)が形成されている。
フロントケーシング部(32)後面の下部には、可撓性を有する吸引管(52)の一端部が接続されている。
フロントケーシング部(32)後面の上部には、後方に向かって斜め上向きに短くのびる連結軸部(38)が設けられている。
【0022】
ケーシング(3)は、その取付角度および取付高さを変更しうるように、ボックス(20)の上部に可動状に取り付けられている。より詳細には、ケーシング(3)は、一端がボックス(20)の上部にヒンジ結合され他端がケーシング(3)にヒンジ結合された起伏自在な揺動アーム(6)によって、ボックス(20)に可動状に取り付けられている。
揺動アーム(6)は、平面より見て後方に開口した略U形の下連結部(61)と、下連結部(61)の左右両側部分の後端から上方に向かって斜め後向きにのびる左右1対の中間軸部(62)と、両中間軸部(62)の上端に連なって前方に短く突き出すように設けられた上連結部(63)とを備えている。下連結部(61)は、その前端面が上ボックス(22)の前側面にヒンジ金具(64)によって連結されており、揺動アーム(6)が倒伏した状態では、上ボックス(22)上面の凹所(221)に収容されている(
図1,3等参照)。上連結部(63)は、その上面がケーシング(3)の連結軸部(38)の上端面にヒンジ金具(65)によって連結されている。
揺動アーム(6)と取付ベース(2)との間には、スプリングステー(7)が渡されている。スプリングステー(7)は、左右2本設けられており、それぞれの一端部が上ボックス(22)における左右方向内側面の後部にヒンジ金具(71)によって連結され、同他端部が揺動アーム(6)の下連結部(61)下面にヒンジ金具(72)によって連結されている。スプリングステー(7)の詳しい図示および説明は省略するが、内蔵したスプリングの作用により、揺動アーム(6)を任意の揺動位置で停止させられるようになっている。
【0023】
吸引装置(5)の吸引装置本体(51)は、下ボックス(21)の後面開口を通じて、下ボックス(21)内に収容されている。この吸引装置本体(51)は、内部に集塵室(511a)を有するケーシング(511)と、集塵室(511a)に出し入れ自在に収容された集塵袋(512)と、ケーシング(511)内における集塵室(511a)の下方に配置されて集塵室(511a)内のエアを吸引する吸引ファン(513)とを備えている。吸引管(52)の下端部は、ケーシング(511)の頂壁部および集塵室(511a)の天井壁を貫通して集塵室(511a)内に配されており、同下端部に集塵袋(512)の口部が着脱自在に接続されている。ケーシング(511)の後面には、集塵袋(512)の交換を行うための扉(514)が設けられている。
【0024】
顔面収容凹所(33)の底面、すなわちフロントケーシング部(32)の前面には、同凹所(33)に顔面が収容されたことを検知するセンサー(8)が設けられている(
図1参照)。センサー(8)が顔面を検知すると、センサー(8)から上ボックス(22)に内蔵された制御ユニット(図示略)に検知信号が送られ、それに基づいて制御ユニットがファンモータ(4)および吸引ファン(513)を作動させる。ファンモータ(4)および吸引ファン(513)は、例えば制御ユニットに備えられたタイマーによって一定時間作動した後、停止させられる。
【0025】
次に、主に
図5〜
図7を参照して、上記の顔面付着異物除去装置(1)の使用方法の一例を説明する。
図5および
図6は、比較的身長の低い作業者(W)が本装置(1)を使用する際の態様を示すものである。
図5に示すように、作業者(W)は、本装置(1)の前に立ち、ケーシング(3)に設けられた左右のハンドル(36)を両手で持って、顔面収容凹所(33)が自身の顔の方を向くようにケーシング(3)を所要角度だけ上向きに傾ける。そして、作業者(W)がケーシング(3)のハンドル(36)を持ったまま顔面収容凹所(33)に顔面(W1)を近づけ、同凹所(33)に顔面(W1)が収容されると、センサー(8)が顔面(W1)を検知して、ファンモータ(4)および吸引ファン(513)が作動する。すると、ファンモータ(4)により、左右のサイドケーシング部(31)の第1吹出し口(341)および第2吹出し口(342)から顔面(W1)に向かってエアが吹き付けられ、それによって顔面(W1)に付着している抜けた睫毛・眉毛や塵埃等の異物が吹き飛ばされる。吹き飛ばされた異物は、吸引ファン(513)の作用により、周辺のエアとともにフロントケーシング部(32)前面の吸込み口(37)から吸引され、フロントケーシング部(32)内および吸引管(52)内を経て、吸引装置本体(51)内の集塵袋(512)に集められる。
こうして、本装置(1)により、作業者(W)の顔面(W1)に付着している異物が確実に除去される。
【0026】
図7は、比較的身長の高い作業者(W)が本装置(1)を使用する際の態様を示すものである。作業者(W)の身長が高い場合、言い換えれば、作業者(W)の顔の位置が高い場合、ケーシング(3)が
図5および
図6に示す高さにあると、顔面収容凹所(3)に顔面(W1)を収容するためには、作業者(W)に不自然な姿勢を強いることになる。
そこで、このような場合、
図7に示すように、作業者(W)は、左右のハンドル(36)を両手で持って、ケーシング(3)を上方に引き上げればよい。すると、揺動アーム(6)が、倒伏位置(
図5参照)から起立するように揺動させられ、それによってケーシング(3)の位置が高くなる。ケーシング(3)を適当な高さまで持ち上げたら、ハンドル(36)を持っている力を緩めてよい。これは、スプリングステー(7)の働きによって、揺動アーム(6)ひいてはケーシング(3)がその高さ位置に保持されるからである。その後は、
図5および
図6の場合と同様の手順で、顔面(W1)に付着した異物の除去を行うことができる。
以上の通り、本装置(1)によれば、作業者(W)が自身の身長に応じた楽な姿勢で顔面付着異物の除去を行うことができる。
【符号の説明】
【0027】
(1):顔面付着異物除去装置
(2):取付ベース
(20):ボックス
(23):キャスター
(3):ケーシング
(
33):顔面収容凹所
(341):第1吹出し口
(342):第2吹出し口
(37):吸込み口
(
4):送風機(送風手段)
(5):吸引装置(吸引手段)
(51):吸引装置本体
(52):吸引管
(6):揺動アーム
(7):スプリングステー