特許第6407007号(P6407007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407007
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】接合検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20181004BHJP
   B23K 20/12 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   G01N21/88 Z
   B23K20/12 310
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-254408(P2014-254408)
(22)【出願日】2014年12月16日
(65)【公開番号】特開2016-112598(P2016-112598A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】590000721
【氏名又は名称】株式会社キーレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 稔正
(72)【発明者】
【氏名】山根 義昭
【審査官】 藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−126240(JP,A)
【文献】 特開2013−015389(JP,A)
【文献】 特開2010−249624(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/116629(WO,A1)
【文献】 特開2013−122414(JP,A)
【文献】 特開平10−305378(JP,A)
【文献】 植松 美彦ら,「非破壊検査による摩擦攪拌接合継手の接合欠陥検出と疲労寿命予測」,溶接学会論文集,2012年,Vol.30, No.3,pp.220-227
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/88
G01B 11/00
B23K 20/12
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
摩擦攪拌点接合によりワークに施された円形状の接合部を表面側から撮影するカメラと、
該カメラの側方に配置され、上記接合部表面に光を照射する光源と、
上記カメラに接続され、当該カメラで撮影された上記接合部表面の撮影画像を基に上記接合部の接合状態を検査する検査手段とを備え、
該検査手段は、上記撮影画像において、上記接合部の径方向に沿って線状に並ぶ画素列を上記接合部の中心周りに所定の間隔をあけて複数抽出する画素列抽出部と、上記各画素列における各画素の輝度値をそれぞれ演算処理する演算部と、上記各画素列において、所定値Z以上の輝度値である画素を所定値X以上有するものを光反射ラインと認定する一方、所定値Z以下の輝度値である画素を所定値X以上有するものを非光反射ラインと認定するライン認定部と、上記光反射ラインの本数が予め決められた基準値T以上で、且つ、上記非光反射ラインの本数が予め決められた基準値T以上であると上記接合部の接合状態に問題が無いと判定する判定部とを備えていることを特徴とする接合検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の接合検査装置において、
上記カメラで上記ワークを撮影する際、上記各接合部と上記カメラとの間の距離が撮影毎に一定となるよう上記ワークを上記カメラから所定の距離離れた基準位置に固定するワーク固定手段を備え、
上記カメラは、上記各接合部に対する焦点距離を撮影毎に一定にして撮影するよう構成されていることを特徴とする接合検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩擦攪拌点接合による接合部の接合状態を検査する接合検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、重ね合わせた金属板同士を互いに接合する1つの方法として摩擦攪拌による点接合が知られている。この接合は、棒状の回転ツールをその軸心回りに回転させるとともに、重ね合わせた金属板に上記回転ツールの先端を押し込むように移動させて上記金属板を加圧することにより、金属板同士を互いに摩擦熱で軟化させて固相接合させるものである。
【0003】
ところで、上述の如き摩擦攪拌点接合が実施される生産ラインでは、接合不良となった接合部を後工程に流出させないように、各接合部の検査を行っている。
【0004】
例えば、特許文献1では、接合時において回転ツールに加わる負荷と金属板の動摩擦係数とを用いて接合時に金属板に加わる発熱量を算出するとともに、接合時における上記金属板に対する回転ツールの押し込み量を当該回転ツールの移動量から算出し、算出した発熱量及び押し込み量と予め設定された設定値とを比較して上記接合部の接合状態に問題があるか否かを判定するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−292478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では、接合後の接合部の接合状態について問題があるか否かを判定しているのではなく、接合中の回転ツールの移動量や発熱量を算出することによって接合後の接合部の状態を予測しているだけであるので、例えば、回転ツール先端に磨耗等が発生すると、算出する発熱量が実際の値から大きく外れてしまい、ひいては、接合部の接合状態に問題があるか否かの判定を誤ってしまうおそれがある。
【0007】
これに対応するために、接合後に作業者によって接合部を目視検査することが考えられるが、接合部を定量的に評価できないばかりか作業者の作業負荷を増やすことになってしまう。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、接合部に問題があるか否かを定量的に、且つ、効率的に判定できる摩擦攪拌点接合用の接合検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、摩擦攪拌点接合において接合状態が良好である接合部表面に光を照射すると、接合部の径方向に沿って延びる光が反射する部分と光が反射しない部分とがそれぞれ発生することに着目し、これら光反射部分と非光反射部分とを撮影画像から抽出することによって接合部の接合状態に問題があるか否かを判定できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
すなわち、第1の発明では、摩擦攪拌点接合によりワークに施された円形状の接合部を表面側から撮影するカメラと、該カメラの側方に配置され、上記接合部表面に光を照射する光源と、上記カメラに接続され、当該カメラで撮影された上記接合部表面の撮影画像を基に上記接合部の接合状態を検査する検査手段とを備え、該検査手段は、上記撮影画像において、上記接合部の径方向に沿って線状に並ぶ画素列を上記接合部の中心周りに所定の間隔をあけて複数抽出する画素列抽出部と、上記各画素列における各画素の輝度値をそれぞれ演算処理する演算部と、上記各画素列において、所定値Z以上の輝度値である画素を所定値X以上有するものを光反射ラインと認定する一方、所定値Z以下の輝度値である画素を所定値X以上有するものを非光反射ラインと認定するライン認定部と、上記光反射ラインの本数が予め決められた基準値T以上で、且つ、上記非光反射ラインの本数が予め決められた基準値T以上であると上記接合部の接合状態に問題が無いと判定する判定部とを備えている。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、上記カメラで上記ワークを撮影する際、上記各接合部と上記カメラとの間の距離が撮影毎に一定となるよう上記ワークを上記カメラから所定の距離離れた基準位置に固定するワーク固定手段を備え、上記カメラは、上記各接合部に対する焦点距離を撮影毎に一定にして撮影するよう構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明では、摩擦攪拌点接合において接合状態が良好の接合部表面にはその中心周りに円状に延びる突条部が多数形成されるので、上記接合部表面に光を照射すると上記各突状部によって接合部の径方向に沿って乱反射する線状の部分と、接合部の径方向に沿って乱反射しない暗い部分とがそれぞれ発生する。したがって、接合部を表面側からカメラで撮影する際、撮影画像における乱反射部分又は非乱反射部分の発生数を調べることで定量的に接合部の接合状態を把握することができる。また、作業者が接合後の接合部を目視検査する必要がないので、作業者の作業負荷を増やすことなく効率的に接合部の検査を行うことができる。
【0013】
第2の発明では、カメラで撮影する各撮影画像における接合部の中心位置に対応する画素が必ず同じ座標になるので、光反射ライン又は非光反射ラインを認定するための画素列を抽出する際に、接合部の中心位置の設定を手動や複雑な画像処理で行う必要が無くなり、検査速度を速めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る接合検査装置の概略正面図である。
図2】接合検査装置のカメラによるワークの撮影画像全体を示す図である。
図3図2のA部拡大図であり、画素列抽出部による撮影画像の演算処理について具体的な手順の一部を示す説明図である。
図4図3の各画素を誇張した概略図である。
図5】(a)は、接合状態が良好な接合部表面の撮影画像を、(b)は、(a)をライン認定部によって演算処理した結果をそれぞれ示す図である。
図6】(a)は、接合不良の接合部表面の撮影画像を、(b)は、(a)をライン認定部によって演算処理した結果をそれぞれ示す図である。
図7】実施形態に係る接合検査装置による接合部検査時のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0016】
図1は、本発明の接合検査装置1を示す。該接合検査装置1は、車両の生産ラインにおいて、2つの板状アルミニウム板を重ね合わせるとともに摩擦攪拌点接合によって上記両アルミニウム板を互いに接合してワークWにする接合工程の下流側に配置され、上記ワークWにおける複数の円形状をなす接合部10の接合状態を検査するものである。
【0017】
上記接合検査装置1は、サーボモータ制御のマニピュレーター(ワーク固定手段)2を備え、該マニピュレーター2は、当該マニピュレーター2のアーム先端2aで把持した上記ワークWを上記接合部10表面が上向く姿勢で基準位置B1に固定するようになっている。
【0018】
上記基準位置B1に固定されたワークWの上方には、上記基準位置B1から所定の距離離れた位置にCCDカメラ3が下方に向く姿勢で配置され、該CCDカメラ3は、上記マニピュレーター2によって基準位置B1に固定されたワークWの各接合部10に対する撮影毎の焦点距離が一定になるように上記各接合部10を表面側から撮影するようになっている。
【0019】
上記CCDカメラ3の側方には、上記ワークWに光を照射する光源4が配置されている。
【0020】
また、上記CCDカメラ3には、当該CCDカメラ3で撮影されたワークWの撮影画像P1(図2参照)を取り込み、当該撮影画像P1を基に上記各接合部10の接合状態を検査する制御盤(検査手段)5が接続されている。
【0021】
該制御盤5は、図3に示すように、上記撮影画像P1において、上記接合部10の径方向に沿って線状に並ぶ画素列11を上記接合部10の中心位置C1周りに所定の間隔をあけて複数抽出する画素列抽出部6を有している。
【0022】
該画素列抽出部6は、図3及び図4を用いて具体的に説明すると、予め設定された内側境界円6aと外側境界円6bの間の画素群において、撮影画像P1の中心位置C1から紙面下側(接合部10の径方向外側)に向かう方向に沿って並ぶ5つの画素からなる画素列11aを抽出し、その後、画素列11aから接合部10の円周方向に10°ずつずれた位置の画素列11を抽出するようになっていて、この場合、全部で36個の画素列11が得られるようになっている。
【0023】
尚、撮影画像P1は、CCDカメラ3によって基準位置B1に位置するワークWを撮影毎に一定の焦点距離で撮影することで得られるので、撮影画像P1中の各接合部10の位置は、撮影画像P1毎に略同じになる。したがって、各演算処理を行う際、接合部10の中心位置C1、内側境界円6a、及び外側境界円6bの各座標は、接合部10毎に予め設定された値が用いられる。
【0024】
また、上記制御盤5は、上記画素列抽出部6で抽出した各画素列11における各画素の輝度をそれぞれ演算処理する演算部7を有している。
【0025】
さらに、上記制御盤5は、所定値Z以上の輝度値である画素を所定値X以上有する画素列11を光反射ライン8aと認定する一方、所定値Z以下の輝度値である画素を所定値X以上有する画素列11を非光反射ライン8bと認定するライン認定部8を有している。
【0026】
ここで、当該ライン認定部8のライン認定作業をより具体的に説明する。例えば、図4において、領域Rの色の画素の輝度値が20で、且つ、領域Rの色の画素の輝度値が200であるとする。また、100以上の輝度値である画素を3つ以上有する画素列11を光反射ライン8aと認定する一方、50以下の輝度値である画素を3つ以上有する画素列11を非光反射ライン8bと認定することにする。すると、図4において、上記画素列11aは、5つの画素全ての輝度値が200なのでライン認定部8が光反射ライン8aと認定するようになっている。一方、撮影画像P1の中心位置C1から紙面右側に向かう方向に沿って並ぶ画素列11bは、5つの画素のうちの3つの画素の輝度値が20なのでライン認定部8が非光反射ライン8bと認定するようになっている。
【0027】
上記ライン認定部8は、上記光反射ライン8a及び非光反射ライン8bを認定すると、図5(b)及び図6(b)に示すように、上記撮影画像P1を表示する画面上に上記光反射ライン8a及び非光反射ライン8bにそれぞれ対応する補助線を重ねて表示させるようになっていて、これにより、作業者が光反射ライン8a及び非光反射ライン8bを視覚的に認識できるようになっている。
【0028】
そして、上記制御盤5は、上記接合部10の接合状態における問題の有無を判定する判定部9を有し、該判定部9は、上記光反射ライン8aが予め決められた基準値T以上で、且つ、上記非光反射ライン8bが予め決められた基準値T以上であると上記接合部10の接合状態に問題が無いと判定するようになっている。
【0029】
ここで、図5(a)に示すような良好な接合状態の接合部10の判定作業を行った場合と、図6(a)に示すような接合不良の接合部10の判定作業を行った場合とについてそれぞれ具体的に説明する。ここでは、光反射ライン8aが1本以上で、且つ、非光反射ライン8bが10本以上の場合に接合部10が良好である(問題が無い)と判定することにした。すると、図5(b)に示す撮影画像P1では、演算処理の結果、光反射ライン8aが3本で、且つ、非光反射ライン8bが29本発生したので、判定部9は、この撮影画像P1に撮影された接合部10は接合状態が良好であると判定するようになっている。一方、図6(b)に示す撮影画像P1では、光反射ライン8aが1本も無く、さらには、非光反射ライン8bも5本しか発生していないので、判定部9は、この撮影画像P1の接合部10が接合不良であると判定するようになっている。
【0030】
次に、接合検査装置1における具体的な検査制御を図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0031】
まず、図示しない接合工程でワークWが形成された後、マニピュレーター2が上記ワークWを接合工程から取り出すとともに上記基準位置B1に固定させる。その後、マニピュレーター2から制御盤5に検査開始信号が出力される。
【0032】
制御盤5は、上記マニピュレーター2から検査開始信号を受け取ると、図7のフローチャートのステップS1に進む。このステップS1では、基準位置B1に固定されたワークWをCCDカメラ3で撮影することにより撮影画像P1を得る。撮影画像P1を得た後、ステップS2に進んで撮影画像P1内の7つの接合部10の中から検査する接合部10を1つ選択する。
【0033】
次いで、ステップS3では、撮影画像P1に基づいて、まず、予め設定された内側境界円6aと外側境界円6bの間の画素群において、画素列抽出部6が接合部10の径方向に沿って線状に並ぶ画素列11を中心位置C1周りに所定の間隔をあけて複数抽出し、その後、これら抽出した各画素列11の各画素の輝度値を演算部7において演算処理する。そして、ライン認定部8は、上記各画素列11において、所定値Z以上の輝度値である画素を所定値X以上有すると光反射ライン8aと認定する一方、所定値Z以下の輝度値である画素を所定値X以上有すると非光反射ライン8bと認定する。
【0034】
しかる後、ステップ4に進み、光反射ライン8aが予め決められた基準値T以上であるか否かを判定部9が判定する。
【0035】
このステップ4で判定がNOであるとき、すなわち、光反射ライン8aが予め決められた基準値T以上で無いと判定部9が判定すると、ステップS9に進み、制御盤5は、図示しない生産ラインのメイン制御部に生産ライン停止信号を出力した後、ステップS10に進んで図示しない表示モニタに警告を表示させる。
【0036】
一方、ステップS4の判定がYESのとき、すなわち、光反射ライン8aが予め決められた基準値T以上であると判定部9が判定すると、ステップS5に進み、非光反射ライン8bが予め決められた基準値T以上であるか否かを判定部9が判定する。
【0037】
このステップS5の判定がNOであるとき、すなわち、非光反射ライン8bが予め決められた基準値T以上で無いと判定部9が判定すると、ステップS9に進み、制御盤5は、図示しない生産ラインのメイン制御部に生産ライン停止信号を出力した後、ステップS10に進んで図示しない表示モニタに警告を表示させる。
【0038】
一方、ステップS5の判定がYESのとき、すなわち、非光反射ライン8bが予め決められた基準値T以上であると判定部9が判定すると、ステップS6に進み、判定部9が他に検査を行っていない接合部10があるか否かを判定する。
【0039】
このステップS6の判定がNOのとき、すなわち、他に検査を行っていない接合部10が無いと判定部9が判定すると、ステップS7に進み、制御盤5は、図示しない生産ラインのメイン制御部に生産ラインを継続させる信号を出力した後、ステップS8に進んで図示しない表示モニタにワークWが問題ないことを表示させる。
【0040】
一方、ステップS6の判定がYESであるとき、すなわち、他に検査を行っていない接合部10があると判定部9が判定すると、ステップS2に戻り、次に検査する接合部10を選択する。
【0041】
以上より、本発明の実施形態によると、摩擦攪拌点接合において接合状態が良好の接合部10表面にはその中心位置C1周りに円状に延びる突条部が多数形成されるので、上記接合部10表面に光を照射すると上記各突状部によって接合部10の径方向に沿って乱反射する線状の部分(光反射ライン8a)と、接合部の径方向に沿って乱反射しない暗い部分(非光反射ライン8b)とがそれぞれ発生する。したがって、接合部10を表面側からCCDカメラ3で撮影する際、撮影画像P1における光反射ライン8a又は非光反射ライン8bの発生数を調べることで定量的に接合部10の接合状態を把握することができる。また、作業者が接合後の接合部10を目視検査する必要がないので、作業者の作業負荷を増やすことなく効率的に接合部10の検査を行うことができる。
【0042】
また、CCDカメラ3で撮影した各撮影画像P1における接合部10の中心位置C1に対応する画素が必ず同じ座標になるので、光反射ライン8a又は非光反射ライン8bを認定するための画素列11を抽出する際に、接合部10の中心位置C1の設定を手動や複雑な画像処理で行う必要が無くなり、検査速度を速めることができる。
【0043】
尚、本発明の実施形態では、ワークWの接合部10を複数含む領域の撮影にCCDカメラ3を用いているが、CMOSカメラを用いて撮影してもよい。
【0044】
また、本発明の実施形態では、CCDカメラ3の周りに1つの光源4が配置されているが、これに限らず、2つ以上の光源4を配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、摩擦攪拌点接合による接合部の接合状態を検査する接合検査装置に適している。
【符号の説明】
【0046】
1 接合検査装置
2 マニピュレーター(ワーク固定手段)
3 CCDカメラ
4 光源
5 制御盤(検査手段)
6 画素列抽出部
7 演算部
8 ライン認定部
9 判定部
10 接合部
11 画素列
B1 ワークの基準位置
P1 撮影画像
C1 接合部の中心位置
W ワーク




図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7