特許第6407072号(P6407072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407072
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】車高調整装置
(51)【国際特許分類】
   B62K 25/04 20060101AFI20181004BHJP
   B60G 17/015 20060101ALI20181004BHJP
   B60G 17/08 20060101ALI20181004BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20181004BHJP
   F16F 9/46 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   B62K25/04
   B60G17/015 B
   B60G17/08
   F16F15/02 B
   F16F9/46
【請求項の数】6
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-57705(P2015-57705)
(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公開番号】特開2016-175555(P2016-175555A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2017年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000146010
【氏名又は名称】株式会社ショーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】村上 陽亮
【審査官】 福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−058260(JP,A)
【文献】 特開2014−193666(JP,A)
【文献】 特開2014−122688(JP,A)
【文献】 特開平05−065012(JP,A)
【文献】 特開平02−262414(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0021611(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 25/04 − 25/32
B60G 17/015
B60G 17/016 − 17/0165
B60G 17/0185
B60G 17/08
F16F 9/46
F16F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸的に配置された円筒状の部材であるアウタ部材及びインナチューブと、
一端が車体側に支持され、他端が車輪側に支持されたスプリングと、
液体を収容する収容室を有し、前記収容室内の液体の量に応じて前記スプリングの長さを調整する調整手段と、
液体を貯留する貯留室と、
シリンダを有し、前記車体と前記車輪との間の相対距離が大きくなった場合には前記貯留室に溜められた液体をシリンダ内に吸引し、前記車体と前記車輪との間の相対距離が小さくなった場合にはシリンダ内の液体を吐出するポンプと、
前記収容室内の液体の量を増加させるべく前記ポンプから吐出された液体を前記収容室内に導く状態と、前記収容室内の液体の量を減少させるべく前記収容室内の液体を前記貯留室に導く状態と、前記収容室内の液体の量を保つ状態とを切り替える流路切替ユニットと、を備え、
前記流路切替ユニットは、前記流路切替ユニットに電流が供給されない場合には、前記収容室内の液体の量を保つ状態を維持し、
前記流路切替ユニットは、前記インナチューブの内側において前記シリンダの上端部に取り付けられていることを特徴とする車高調整装置。
【請求項2】
前記流路切替ユニットは、前記シリンダ内と前記貯留室とを連通する第1連通路と、前記シリンダ内と前記収容室とを連通する第2連通路と、前記第2連通路上に配置され、前記シリンダ内から前記収容室への液体の流れを許容するとともに前記収容室から前記シリンダ内への液体の流れを妨げる第2連通路開閉弁と、前記収容室と前記貯留室とを連通する第3連通路とを有し、供給される電流が予め定められた第1基準電流未満である場合には前記第1連通路を開くとともに前記第3連通路を閉じ、供給される電流が前記第1基準電流以上である場合には電流量に応じて前記第1連通路及び前記第3連通路を閉じる状態と、前記第1連通路を閉じるとともに前記第3連通路を開く状態とを切り替える、
請求項1に記載の車高調整装置。
【請求項3】
前記流路切替ユニットは、供給される電流が前記第1基準電流以上でありかつ前記第1基準電流よりも大きい値に予め定められた第2基準電流未満である場合には前記第1連通路及び前記第3連通路を閉じ、供給される電流が前記第2基準電流以上である場合には前記第1連通路を閉じるとともに前記第3連通路を開く、
請求項2に記載の車高調整装置。
【請求項4】
前記流路切替ユニットは、供給される電流量が大きいほどケースからの突出量が大きくなる作動ロッドと、前記作動ロッドに取り付けられた板状のバルブとを有するソレノイドを備え、
前記ソレノイドの前記作動ロッドは、供給される電流が前記第1基準電流以上である場合に前記バルブが前記第1連通路を閉じる位置まで突出する、
請求項2又は3に記載の車高調整装置。
【請求項5】
前記流路切替ユニットは、座面に着座する弁体と、前記ソレノイドの前記作動ロッドに押されることで移動するプッシュロッドと、を備え、
前記プッシュロッドは、供給される電流が前記第2基準電流以上である場合に前記ソレノイドの前記作動ロッドにより押されて、前記弁体が前記座面から離れるよう前記弁体を押すことで前記第3連通路を開く、
請求項4に記載の車高調整装置。
【請求項6】
前記流路切替ユニットは、前記第1連通路を開閉可能な第1連通路開閉弁と、前記第3連通路を開閉可能な第3連通路開閉弁とを有する、
請求項2から5のいずれか1項に記載の車高調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車の車高を調整する車高調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動二輪車の走行中は車高を高くし、停車中は乗り降りを楽にするために車高を低くする装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の車高調整装置は、自動二輪車の車速に応答して自動的に車高を変え、車速が設定速度になったら自動的に車高を高くし、車速が設定速度以下になると自動的に車高を低くする。そして、車高を調整するために、電磁アクチュエータが作動させられる。例えば、設定車速になったら自動的にスイッチが入って電磁アクチュエータが作動するようにしておくと、設定車速に達したとき、車高が高くなる。他方、設定車速以下になるとスイッチが自動的に切れるようにしておくと、設定車速以下になったときに、車高が低くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平8−22680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車高調整装置は、設定車速になると自動的にスイッチが入って電磁アクチュエータが作動して車高が高くなり、設定車速以下になるとスイッチが自動的に切れて車高が低くなる。それゆえ、設定車速より高速で走行しているときに故障によりスイッチが切れた場合(例えば断線等による電源喪失が生じた場合)には高速で走行しているにもかかわらず車高が低くなるおそれがある。そして、走行中に不意に車高が低下すると車体を傾けることが難しくなり、バンク角を大きく採り難くなる。
本発明は、走行中に電源喪失が生じたとしても車高を維持することができる車高調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本発明は、同軸的に配置された円筒状の部材であるアウタ部材及びインナチューブと、一端が車体側に支持され、他端が車輪側に支持されたスプリングと、液体を収容する収容室を有し、前記収容室内の液体の量に応じて前記スプリングの長さを調整する調整手段と、液体を貯留する貯留室と、シリンダを有し、前記車体と前記車輪との間の相対距離が大きくなった場合には前記貯留室に溜められた液体をシリンダ内に吸引し、前記車体と前記車輪との間の相対距離が小さくなった場合にはシリンダ内の液体を吐出するポンプと、前記収容室内の液体の量を増加させるべく前記ポンプから吐出された液体を前記収容室内に導く状態と、前記収容室内の液体の量を減少させるべく前記収容室内の液体を前記貯留室に導く状態と、前記収容室内の液体の量を保つ状態とを切り替える流路切替ユニットと、を備え、前記流路切替ユニットは、前記流路切替ユニットに電流が供給されない場合には、前記収容室内の液体の量を保つ状態を維持し、前記流路切替ユニットは、前記インナチューブの内側において前記シリンダの上端部に取り付けられていることを特徴とする車高調整装置である。
【0006】
ここで、前記流路切替ユニットは、前記シリンダ内と前記貯留室とを連通する第1連通路と、前記シリンダ内と前記収容室とを連通する第2連通路と、前記第2連通路上に配置され、前記シリンダ内から前記収容室への液体の流れを許容するとともに前記収容室から前記シリンダ内への液体の流れを妨げる第2連通路開閉弁と、前記収容室と前記貯留室とを連通する第3連通路とを有し、供給される電流が予め定められた第1基準電流未満である場合には前記第1連通路を開くとともに前記第3連通路を閉じ、供給される電流が前記第1基準電流以上である場合には電流量に応じて前記第1連通路及び前記第3連通路を閉じる状態と、前記第1連通路を閉じるとともに前記第3連通路を開く状態とを切り替えてもよい。
【0007】
また、前記流路切替ユニットは、供給される電流が前記第1基準電流以上でありかつ前記第1基準電流よりも大きい値に予め定められた第2基準電流未満である場合には前記第1連通路及び前記第3連通路を閉じ、供給される電流が前記第2基準電流以上である場合には前記第1連通路を閉じるとともに前記第3連通路を開いてもよい。
【0008】
また、前記流路切替ユニットは、供給される電流量が大きいほどケースからの突出量が大きくなる作動ロッドと、前記作動ロッドに取り付けられた板状のバルブとを有するソレノイドを備え、前記ソレノイドの前記作動ロッドは、供給される電流が前記第1基準電流以上である場合に前記バルブが前記第1連通路を閉じる位置まで突出してもよい。
【0009】
また、前記流路切替ユニットは、座面に着座する弁体と、前記ソレノイドの前記作動ロッドに押されることで移動するプッシュロッドと、を備え、前記プッシュロッドは、供給される電流が前記第2基準電流以上である場合に前記ソレノイドの前記作動ロッドにより押されて、前記弁体が前記座面から離れるよう前記弁体を押すことで前記第3連通路を開いてもよい。
また、前記流路切替ユニットは、前記第1連通路を開閉可能な第1連通路開閉弁と、前記第3連通路を開閉可能な第3連通路開閉弁とを有してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、走行中に例えば断線などにより電源喪失が生じたとしても車高を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る自動二輪車の概略構成を示す図である。
図2】実施の形態に係るフロントフォークの断面図である。
図3図2のIII部の拡大図である。
図4図3のIV部の拡大図である。
図5】フロントフォークの圧縮行程時の作用を説明するための図である。
図6】フロントフォークの伸張行程時の作用を説明するための図である。
図7】流路切替ユニットが第1切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
図8】流路切替ユニットが第2切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
図9】流路切替ユニットが第3切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
図10】流路切替ユニットが第4切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
図11】(a)は、流路切替ユニットが第1切替状態である場合の、第1連通路、第2連通路及び第3連通路の開閉状態を模式的に示す図である。(b)は、流路切替ユニットが第2切替状態である場合の、第1連通路、第2連通路及び第3連通路の開閉状態を模式的に示す図である。(c)は、流路切替ユニットが第3切替状態である場合の、第1連通路、第2連通路及び第3連通路の開閉状態を模式的に示す図である。
図12】他の実施例に係るフロントフォークの第1連通路、第2連通路及び第3連通路の開閉状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る自動二輪車1の概略構成を示す図である。
自動二輪車1は、前側の車輪である前輪2と、後前の車輪である後輪3と、自動二輪車1の骨格をなす車体フレーム11、ハンドル12及びエンジン13などを有する車両本体10と、を備えている。
【0013】
また、自動二輪車1は、前輪2と車両本体10とを連結する懸架装置の一例としてのフロントフォーク21を、前輪2の左側と右側にそれぞれ1つずつ有している。また、自動二輪車1は、後輪3と車両本体10とを連結するリヤサスペンション22を、後輪3の左側と右側にそれぞれ1つずつ有している。図1では、右側に配置されたフロントフォーク21及びリヤサスペンション22のみを示している。
【0014】
また、自動二輪車1は、前輪2の左側に配置されたフロントフォーク21と前輪2の右側に配置されたフロントフォーク21とを保持する2つのブラケット14と、2つのブラケット14の間に配置されたシャフト15と、を備えている。シャフト15は、車体フレーム11に回転可能に支持されている。
また、自動二輪車1は、フロントフォーク21の後述する流路切替ユニット300のソレノイド310を制御することで自動二輪車1の車高を制御する制御装置20を備えている。
【0015】
次に、フロントフォーク21について詳述する。
図2は、本発明の実施の形態に係るフロントフォーク21の断面図である。
本実施の形態に係るフロントフォーク21は、自動二輪車1の車両本体10と前輪2との間に配置されて前輪2を支えるとともに、後述するアウタ部材110が前輪2側にインナチューブ210が車両本体10側に配置された、所謂正立型のフロントフォークである。
【0016】
フロントフォーク21は、アウタ部材110を有して前輪2の車軸に取り付けられる車軸側ユニット100と、インナチューブ210を有して車両本体10に取り付けられる本体側ユニット200と、を備えている。また、フロントフォーク21は、車軸側ユニット100と本体側ユニット200との間に配置されて、路面の凸凹に伴い前輪2が受ける振動を吸収するスプリング500を備えている。
【0017】
アウタ部材110及びインナチューブ210は、同軸的に配置された円筒状の部材であり、この円筒の中心線の方向(軸方向)を、以下では「上下方向」と称する場合がある。かかる場合、車両本体10側が「上」側、前輪2側が「下」側である。そして、フロントフォーク21は、車軸側ユニット100と本体側ユニット200とが上下方向(軸方向)に相対的に移動することにより、前輪2を支持しながら路面の凸凹を吸収して振動を抑制する。
【0018】
[車軸側ユニット100の構成]
車軸側ユニット100は、前輪2の車軸に取り付けられるアウタ部材110と、オイルの粘性抵抗を利用した減衰力を発生する減衰力発生ユニット130と、減衰力発生ユニット130を保持するロッド150と、ロッド150の下端部を保持するロッド保持部材160とを備えている。
また、車軸側ユニット100は、ロッド保持部材160の後述する軸方向凹部161aに挿入された球状のボール166と、ボール166の移動を制限する制限部材167とを備えている。
また、車軸側ユニット100は、スプリング500の下端部を支持するスプリング支持部材170と、スプリング支持部材170を保持する支持部材保持部材180と、インナチューブ210の軸方向の移動を案内する案内部材190とを備えている。
【0019】
(アウタ部材110の構成)
アウタ部材110は、インナチューブ210が挿入される円筒状の円筒状部111と、前輪2の車軸を取り付け可能な車軸ブラケット部112とを有している。
円筒状部111は、上端部に、インナチューブ210の外周面との間をシールするオイルシール113と、インナチューブ210の外周面との摺動を円滑にするためのスライドブッシュ114とを有している。
車軸ブラケット部112には、ロッド保持部材160が挿入される軸方向の軸方向貫通孔112aと、軸方向に交差する方向に貫通して前輪2の車軸を取り付け可能な車軸取付孔112bと、が形成されている。
【0020】
(減衰力発生ユニット130の構成)
減衰力発生ユニット130は、後述するシリンダ230の内側の空間に形成された作動油室50内を区画するピストン131と、ピストン131の上端側に設けられた上端側バルブ136と、ピストン131の下端側に設けられた下端側バルブ137とを備えている。また、減衰力発生ユニット130は、ピストン131、上端側バルブ136及び下端側バルブ137などを支持するピストンボルト140と、ピストンボルト140に締め付けられてピストン131、上端側バルブ136及び下端側バルブ137などの位置を定めるナット145とを備えている。
【0021】
ピストン131は、円筒状の部材であって、外周面に、シリンダ230との間の隙間をシールするシール部材を有している。ピストン131には、軸方向の貫通孔である第1貫通孔132及び第2貫通孔133が形成されている。また、ピストン131には、上端部にて径方向に延びて形成されると共に第1貫通孔132に連通する第1径方向連通路134と、下端部にて径方向に延びて形成されると共に第2貫通孔133に連通する第2径方向連通路135とが形成される。第1貫通孔132及び第2貫通孔133は、それぞれ周方向に等間隔に複数(例えば3つ)形成されており、第1径方向連通路134,第2径方向連通路135は、それぞれ第1貫通孔132,第2貫通孔133に対応する位置に形成されている。
【0022】
上端側バルブ136は、円盤状の金属板が複数重ねられて構成される。上端側バルブ136は、それぞれの金属板の中央に貫通孔が形成され、その貫通孔にピストンボルト140の後述する軸部141が通されている。そして、上端側バルブ136は、第2貫通孔133を塞ぎ、かつ第1貫通孔132を開放する。
【0023】
下端側バルブ137は、円盤状の金属板が複数重ねられて構成される。下端側バルブ137は、それぞれの金属板の中央に貫通孔が形成され、その貫通孔にピストンボルト140の後述する軸部141が通されている。そして、下端側バルブ137は、第1貫通孔132を塞ぎ、かつ第2貫通孔133を開放する。
【0024】
ピストンボルト140は、上端側に設けられた円柱状の軸部141と、下端側に設けられるとともに軸部141の半径よりも大きな半径の円柱状の基部142とを有する。ピストンボルト140には、基部142の下端面から軸部141にかけて凹んだ凹部143が形成されている。
【0025】
軸部141の上端部には、ナット145に形成された雌ねじに締め付けられる雄ねじが形成されている。
凹部143における下端部の内周面には、ロッド150における上端部に形成された雄ねじが締め付けられる雌ねじが形成されている。また、凹部143における上端部には、軸部141の外側と凹部143とを連通するように径方向に貫通された径方向貫通孔144が形成されている。
【0026】
ナット145には、上端部に、ピストンボルト140の雄ねじが締め付けられる雌ねじ146が形成され、雌ねじ146よりも下方には、下端面から凹むとともに雌ねじ146の谷の半径よりも大きな半径の円柱状の凹部147が形成されている。また、ナット145には、ナット145の外部と凹部147とを連通するように径方向に貫通された径方向貫通孔148が形成されている。
【0027】
以上のように構成された減衰力発生ユニット130は、ピストンボルト140の凹部143に形成された雌ねじにロッド150の上端部に形成された雄ねじが締め付けられることでロッド150に保持される。そして、ピストン131が、その外周面に設けられたシール部材を介してシリンダ230の内周面に接触し、シリンダ230内の空間を、ピストン131よりも上方の第1油室51と、ピストンよりも下方の第2油室52とに区画する。
【0028】
(ロッド150の構成)
ロッド150は、円筒状の部材であり、上端部及び下端部における外周面には雄ねじが形成されている。上端部に形成された雄ねじは、減衰力発生ユニット130のピストンボルト140に締め付けられ、下端部に形成された雄ねじは、ロッド保持部材160の上端側円柱状部161に形成された雌ねじ161dに締め付けられる。また、下端部に形成された雄ねじにロックナット155が締め付けられることでロッド保持部材160に固定される。
また、ロッド150の下端部の内周面には雌ねじが形成されている。
【0029】
(ロッド保持部材160の構成)
ロッド保持部材160は、それぞれ径が異なる複数の円柱状の部位を有する部材であり、上端部にある上端側円柱状部161と、下端部にある下端側円柱状部162と、上端側円柱状部161と下端側円柱状部162との間にある中間円柱状部163とを有している。
【0030】
上端側円柱状部161には、上端面から軸方向に凹んだ軸方向凹部161aと、外周面から径方向に全周に渡って凹んだ径方向凹部161bと、軸方向凹部161aと径方向凹部161bとを径方向に貫通する径方向貫通孔161cとが形成されている。
軸方向凹部161aには、ロッド150の下端部に形成された雄ねじが締め付けられる雌ねじ161dが形成されている。また、軸方向凹部161aには、内径が下方に行くに従って徐々に小さくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面161eが形成されている。
また、上端側円柱状部161における下端部には、支持部材保持部材180に形成された後述する雌ねじ181が締め付けられる雄ねじ161fが形成されている。
【0031】
中間円柱状部163の径は、アウタ部材110に形成された軸方向貫通孔112aの内径よりも小さく、中間円柱状部163は、アウタ部材110の軸方向貫通孔112aに嵌め込まれている。
下端側円柱状部162の外周面には雄ねじ162aが形成されている。
ロッド保持部材160は、下端側円柱状部162に形成された雄ねじ162aがアウタ部材110の軸方向貫通孔112aに挿入されたナット165に締め付けられることで、アウタ部材110に固定される。
【0032】
(制限部材167の構成)
制限部材167は、段付き円筒状の部材である。そして、制限部材167の上端部の外周面には雄ねじが形成されている。制限部材167は、この雄ねじが、ロッド150の下端部の内周面に形成された雌ねじに締め付けられることで、ロッド150に固定される。そして、制限部材167は、下端部にて、ロッド保持部材160の軸方向凹部161a内に挿入されたボール166の移動を制限する。
【0033】
(スプリング支持部材170の構成)
スプリング支持部材170は、円筒状の部材であり、支持部材保持部材180における上端部に固定される。固定方法としては、溶接や圧入であることを例示することができる。
【0034】
(支持部材保持部材180の構成)
支持部材保持部材180は、円筒状の部材であり、下端部にはロッド保持部材160に形成された雄ねじ161fが締め付けられる雌ねじ181が形成されている。支持部材保持部材180は、雌ねじ181がロッド保持部材160に形成された雄ねじ161fに締め付けられることで、ロッド保持部材160に固定される。
支持部材保持部材180には、軸方向の位置においてロッド保持部材160の径方向凹部161bに対応する位置に、内外を連通する連通孔182が形成されている。
【0035】
(案内部材190の構成)
案内部材190は、円筒状の円筒状部191と、円筒状部191における下端部から半径方向の内側に向かうように形成された内向部192とを有している。
案内部材190は、内向部192がロッド保持部材160とアウタ部材110との間に挟み込まれることによって、ロッド保持部材160とアウタ部材110との間に固定される。
そして、内向部192における下端部には面取りが形成されており、この面取りとロッド保持部材160との間に形成された空間にOリング195が嵌め込まれる。Oリング195は、案内部材190、ロッド保持部材160及びアウタ部材110間の隙間をシールする。これにより、アウタ部材110の円筒状部111の内部空間が液密に保持される。
【0036】
以上のように構成された車軸側ユニット100においては、アウタ部材110の内周面と、ロッド150や支持部材保持部材180の外周面との間には、フロントフォーク21内に密封されたオイルを貯留するリザーバ室40が形成される。
【0037】
[本体側ユニット200の構成]
本体側ユニット200は、両端が開口した円筒状のインナチューブ210と、インナチューブ210における上端部に取り付けられたキャップ220と、を備えている。
また、本体側ユニット200は、円筒状のシリンダ230と、シリンダ230における下端部に取り付けられてシリンダ230内の空間を密封する密封部材240とを備えている。
また、本体側ユニット200は、スプリング500の上端部を支持するとともにスプリング500の長さを変更するスプリング長変更ユニット250と、シリンダ230における上端部に取り付けられて液体の一例としてのオイルの流路を切り替える流路切替ユニット300とを備えている。
【0038】
(インナチューブ210の構成)
インナチューブ210は、円筒状の部材である。
インナチューブ210は、下端部に、アウタ部材110の円筒状部111の内周面との摺動を円滑にするための円筒状のスライドブッシュ211と、スプリング支持部材170やアウタ部材110の車軸ブラケット部112に突き当たることにより軸方向の移動を抑制する円筒状の移動抑制部材212とを備えている。
インナチューブ210における上端部には、キャップ220に形成された後述する雄ねじが締め付けられる雌ねじ213が形成されている。
【0039】
(キャップ220の構成)
キャップ220は略円筒状の部材である。キャップ220の外周面には、インナチューブ210に形成された雌ねじ213に締め付けられる雄ねじ221が形成され、内周面には、スプリング長変更ユニット250や流路切替ユニット300に形成された雄ねじが締め付けられる雌ねじが形成されている。そして、キャップ220は、インナチューブ210に取り付けられるとともに、スプリング長変更ユニット250や流路切替ユニット300を保持する。
また、キャップ220は、インナチューブ210の内部空間を液密に保つためのOリング222を有している。
【0040】
(シリンダ230の構成)
シリンダ230は円筒状の部材である。シリンダ230における上端部の外周面には、流路切替ユニット300に形成された雄ねじが締め付けられる雌ねじが形成され、下端部の内周面には、密封部材240に形成された雄ねじが締め付けられる雌ねじが形成されている。
【0041】
(密封部材240の構成)
密封部材240は円筒状の部材である。密封部材240の外周面には、シリンダ230の下端部の内周面に形成された雌ねじに締め付けられる雄ねじが形成されている。密封部材240は、雄ねじがシリンダ230の下端部の内周面に形成された雌ねじに締め付けられることでシリンダ230に保持される。
【0042】
密封部材240は、内周側に、ロッド150の外周面との摺動を円滑にするためのスライドブッシュ245を有している。また、密封部材240は、シリンダ230の内部空間を液密に保つために、ロッド150の外周面との間に配置されたOリング246とシリンダ230の内周面との間に配置されたOリング247とを有している。
また、密封部材240の上端部には、減衰力発生ユニット130との接触の際の衝撃を緩和する衝撃緩和部材248が取り付けられている。衝撃緩和部材248は、樹脂やゴムなどの弾性部材であることを例示することができる。
【0043】
(スプリング長変更ユニット250の構成)
スプリング長変更ユニット250は、キャップ220に固定されたベース部材260と、スプリング500の上端部を支持するとともにベース部材260に対して軸方向に相対移動することでスプリング500の長さを変更する上端部支持部材270とを備えている。
【0044】
ベース部材260は、略円筒状の部材である。ベース部材260における上端部の外周面には、キャップ220に形成された雌ねじに締め付けられる雄ねじ260aが形成されている。この雄ねじ260aがキャップ220に形成された雌ねじに締め付けられることで、ベース部材260は、キャップ220に固定される。
ただし、ベース部材260の上端部は、周方向の一部が径方向に突出した突出部260bが形成されており、突出部260bの内側と、後述する支持部材400の下端部における外周面との間に、シリンダ230内のオイルをリザーバ室40へ排出する排出流路41を形成する。
【0045】
ベース部材260は、下端部に、外周に嵌め込まれて、上端部支持部材270の内周面との摺動を円滑にする円筒状のスライドブッシュ261と、スライドブッシュ261の内側に設けられたOリング262とを有している。ベース部材260の内周面とシリンダ230の外周面との間には、環状の環状流路61が形成される。
【0046】
上端部支持部材270は、円筒状の円筒状部271と、円筒状部271における下端部から半径方向の内側に向かうように形成された内向部272とを有している。上端部支持部材270は、シリンダ230の外周面及びベース部材260の下端部との間の空間に、ベース部材260に対する上端部支持部材270の位置を変更するオイルを収容するジャッキ室60を形成する。
【0047】
円筒状部271の内径は、ベース部材260に嵌め込まれたスライドブッシュ261の外径以下に設定されている。円筒状部271には、この円筒状部271の内外を連通するように径方向に貫通した径方向貫通孔273が形成されている。この径方向貫通孔273を介してオイルがジャッキ室60からリザーバ室40へ排出されることにより、ベース部材260に対する上端部支持部材270の移動量が制限される。
【0048】
内向部272は、内周側に、シリンダ230の外周面との間の隙間をシールすることによりジャッキ室60を液密に保つOリング274を有している。
ジャッキ室60へは、ベース部材260の内周面とシリンダ230の外周面との間に形成された環状流路61を介してシリンダ230内のオイルが供給される。その詳細については後で詳述する。
【0049】
(流路切替ユニット300の構成)
図3は、図2のIII部の拡大図である。
図4は、図3のIV部の拡大図である。
流路切替ユニット300は、後述するポンプ600にて吐出されたオイルをリザーバ室40へ供給するか、ポンプ600にて吐出されたオイルをジャッキ室60へ供給するか、ジャッキ室60に収容されたオイルをリザーバ室40へ供給するかを切り替える装置である。
【0050】
流路切替ユニット300は、ソレノイド310と、球状の弁体321と、弁体321を押す棒状のプッシュロッド322と、弁体321の座面を有する弁体シート部材330と、コイルスプリング340と、コイルスプリング340のバネ力を受けて弁体321を座面に押し付ける押付部材350とを備えている。
【0051】
また、流路切替ユニット300は、球状のボール360と、ボール360に対して軸方向の付勢力を与えるコイルスプリング361と、ボール360とコイルスプリング361との間に介在する円板362と、を備えている。また、流路切替ユニット300は、ボール360の座面を有するボールシート部材365と、コイルスプリング361及び円板362を収容する収容部材370とを備えている。
また、流路切替ユニット300は、弁体321や弁体シート部材330などを収容するバルブ収容内側部材380と、バルブ収容内側部材380の外側に配置されてボール360やボールシート部材365などを収容するバルブ収容外側部材390と、バルブ収容内側部材380及びバルブ収容外側部材390を支持する支持部材400とを備えている。
また、流路切替ユニット300は、ソレノイド310の後述する作動ロッド314の下端部に装着され、ソレノイド310の推力をプッシュロッド322に伝達する伝達部材410と、伝達部材410に対して軸方向の付勢力を与えるコイルスプリング415とを備えている。
【0052】
<ソレノイド310の構成>
ソレノイド310は、コイル311と、コイル311の内側に配置されたコア312と、コア312に案内されるプランジャ313と、プランジャ313に連結された作動ロッド314とを備えた、比例ソレノイドである。
また、ソレノイド310は、コイル311、コア312及びプランジャ313などを収容するケース315と、ケース315の開口部を覆うカバー316とを備えている。
【0053】
ケース315は、円筒状の円筒状部315aと、円筒状部315aにおける下端部から半径方向の内側に向かうように形成された内向部315bとを有している。内向部315bには、作動ロッド314を通す貫通孔が形成されているとともに作動ロッド314の移動をガイドするガイドブッシュ315cが嵌め込まれている。
【0054】
作動ロッド314は、中空であり、上端部はケース315の内部に収容され、下端部はケース315から突出している。そして、作動ロッド314におけるケース315から突出した部位には、バルブ収容内側部材380に形成された後述する流路を開閉する円板状のバルブ317が取り付けられている。また、バルブ317とケース315との間における作動ロッド314の周囲には、バルブ317に対して軸方向の付勢力を与えるコイルスプリング318が取り付けられている。
【0055】
以上のように構成されたソレノイド310は、キャップ220に装着されたコネクタ、リード線を介してコイル311に通電されることにより、通電電流に応じてプランジャ313に軸方向の推力が発生する。そして、プランジャ313の推力によってプランジャ313に連結された作動ロッド314が軸方向に移動する。本実施の形態に係るソレノイド310は、コイル311への通電電流が大きくなるほど作動ロッド314のケース315からの突出量が大きくなるようにプランジャ313に軸方向の推力が発生する。
なお、コイル311への通電量は制御装置20にて制御される。
【0056】
<プッシュロッド322の構成>
プッシュロッド322は、上端部側に位置する円柱状の第1軸部322aと、下端部側に位置する円柱状の第2軸部322bと、第1軸部322aと第2軸部322bとの間に位置する円柱状の第3軸部322cと、を備えている。
第3軸部322cの半径は、第1軸部322a及び第2軸部322bの半径よりも大きい。つまり、第3軸部322cにおける軸方向に垂直な断面積は、第1軸部322aにおける軸方向に垂直な断面積及び第2軸部322bにおける軸方向に垂直な断面積よりも大きい。
なお、弁体321とプッシュロッド322とは一体であってもよい。
【0057】
<弁体シート部材330の構成>
弁体シート部材330は、外径が下方に行くに従って徐々に大きくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面331を有する円錐状の円錐状部332と、円柱状の円柱状部333とを有する。
【0058】
円錐状部332の内部には、上端面から凹んだ上端側凹部334が形成されている。また、円柱状部333の内部には、下端面から凹んだ下端側凹部335と、この下端側凹部335と上端側凹部334とを連通する連通孔336が形成されている。
上端側凹部334の内径は第3軸部322cの半径よりも大きく、連通孔336の内径は第2軸部322bの半径よりも大きい。連通孔336,上端側凹部334に、プッシュロッド322の第2軸部322b,第3軸部322cが挿入されている。そして、第2軸部322bの外周面と連通孔336の内周面との間の隙間及び第3軸部322cの外周面と上端側凹部334の内周面との間の隙間が、後述する第3連通路R3及び第4連通路R4の一部として機能する。
【0059】
下端側凹部335は、半径が下方に行くに従って徐々に大きくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面335aを有する円錐状の円錐状凹部335bと、円柱状の円柱状凹部335cとを有する。円錐状凹部335bの半径は、下方に行くに従って、弁体321の半径よりも小さい値から、弁体321の半径よりも大きな値まで変化する。そして、円錐状凹部335bの内部に弁体321が収容されるとともに、弁体321が傾斜面335aに接触することで弁体321と円錐状凹部335bとの間の隙間がシールされる。下端側凹部335の円柱状凹部335cの半径は、押付部材350の後述する第1円柱状部351の半径よりも大きく、下端側凹部335の内部に押付部材350の第1円柱状部351が収容される。
円錐状部332の外周面には、全周に渡って凹んだ溝332aが形成されている。溝332aに、バルブ収容内側部材380との間の隙間をシールするOリング337が嵌め込まれている。
【0060】
<押付部材350の構成>
押付部材350は、径が互いに異なる2つの円柱状の第1円柱状部351と第2円柱状部352とを有する。
第1円柱状部351における上端面には、弁体321の下端部の形状に沿う凹部が形成されている。第1円柱状部351の半径は、弁体321の半径及びコイルスプリング340の中心径の半分よりも大きい。そして、第1円柱状部351は、上端面で弁体321の下端部を支持し、下端面でコイルスプリング340の上端部を支持する。
第2円柱状部352の半径は、コイルスプリング340の内径の半分よりも小さく、第2円柱状部352は、コイルスプリング340の内部に進入している。
【0061】
<ボールシート部材365の構成>
ボールシート部材365は、上端部にフランジが形成された円筒状の部材である。ボールシート部材365における上端側の開口には、ボール360の下端部の形状に沿う凹部が形成されている。ボールシート部材365の外周面には、全周に渡って溝366が形成されており、この溝366に、バルブ収容外側部材390との間の隙間をシールするOリング367が嵌め込まれている。
【0062】
<収容部材370の構成>
収容部材370は、概略、円柱状の部材である。収容部材370には、上端面から凹んだ円柱状の上端側凹部371と、下端面から凹んだ円柱状の下端側凹部372とが形成されている。上端側凹部371には、コイルスプリング340の下端部が収容され、下端側凹部372には、コイルスプリング361及び円板362が収容される。また、下端側凹部372の開口部の大きさは、ボール360の上端部の大きさよりも大きく、下端側凹部372は、ボール360の上端部を収容する。
収容部材370は、バルブ収容内側部材380の下端部に嵌め込まれる。収容部材370の外周面には、全周に渡って溝373が形成されており、この溝373に、バルブ収容内側部材380との間の隙間をシールするOリング374が嵌め込まれている。
また、収容部材370におけるバルブ収容内側部材380から露出した部位には、下端側凹部372内と、収容部材370の外側とを連通するように径方向に貫通された径方向貫通孔375が形成されている。
【0063】
<バルブ収容内側部材380の構成>
バルブ収容内側部材380は、概略、上端部にフランジ部が形成された円柱状の部材である。バルブ収容内側部材380には、上端面から凹んだ上端側凹部381と、下端面から凹んだ下端側凹部382と、上端側凹部381と下端側凹部382とを連通する連通孔383とが形成されている。また、バルブ収容内側部材380の外周面には、全周に渡って径方向に凹んだ第1径方向凹部384と第2径方向凹部385とが形成されている。
【0064】
上端側凹部381は、伝達部材410及びコイルスプリング415を収容するように、円柱状に形成されている。
下端側凹部382は、円柱状で径が互いに異なる第1円柱状凹部382a及び第2円柱状凹部382bと、第1円柱状凹部382aと第2円柱状凹部382bとの間に形成され半径が下方に行くに従って徐々に大きくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面を有する円錐状の円錐状凹部382cとを有する。
【0065】
第1円柱状凹部382a、円錐状凹部382c及び第2円柱状凹部382bは、弁体シート部材330を収容するように形成されている。つまり、円錐状凹部382cの傾斜面は、弁体シート部材330の円錐状部332の傾斜面331の形状に沿うように形成され、第2円柱状凹部382bの半径は弁体シート部材330の円柱状部333の半径よりも小さい。
また、下端側凹部382の開口部、つまり第2円柱状凹部382bの下端部には、収容部材370の上端部が嵌め込まれている。収容部材370に嵌め込まれたOリング374が、収容部材370とバルブ収容内側部材380との間の隙間をシールする。
第2径方向凹部385には、バルブ収容外側部材390との間の隙間をシールするOリング386が嵌め込まれている。
【0066】
また、バルブ収容内側部材380には、下端側凹部382の第1円柱状凹部382aと第1径方向凹部384とを連通する径方向の貫通孔である第1径方向連通孔387が形成されている。第1径方向連通孔387は、周方向に等間隔に複数形成されている。
また、バルブ収容内側部材380には、第2円柱状凹部382bとバルブ収容内側部材380の外側とを連通する径方向の貫通孔である第2径方向連通孔388が形成されている。第2径方向連通孔388は、周方向に等間隔に複数形成されている。
【0067】
また、バルブ収容内側部材380には、上端面と第1径方向凹部384とを連通する軸方向の貫通孔である内側軸方向連通孔389aが形成されている。内側軸方向連通孔389aは、周方向に等間隔に複数形成されている。
また、バルブ収容内側部材380のフランジには、このフランジを軸方向に貫通する貫通孔である外側軸方向連通孔389bが形成されている。外側軸方向連通孔389bは、周方向に等間隔に複数形成されている。
【0068】
<バルブ収容外側部材390の構成>
バルブ収容外側部材390は、円筒状でそれぞれ外径が互いに異なる第1円筒状部391及び第2円筒状部392と、第1円筒状部391における上端部から半径方向に外側に向かうフランジ部とを有している。第1円筒状部391の外径は第2円筒状部392の外径よりも大きい。
バルブ収容外側部材390には、上端面から凹んだ上端面側凹部393が形成されている。
第1円筒状部391には、第1円筒状部391の下方であって第2円筒状部392の外周面とシリンダ230の内周面との間に形成された空間と、上端面側凹部393とを連通する軸方向の貫通孔である軸方向連通孔394が形成されている。軸方向連通孔394は、周方向に等間隔に複数形成されている。
【0069】
第1円筒状部391の外周面には、全周に渡って径方向に凹んだ第1径方向凹部395及び第2径方向凹部396と、シリンダ230の上端部に形成された雌ねじに締め付けられる雄ねじ397が形成されている。
第1径方向凹部395には、スプリング長変更ユニット250のベース部材260との間の隙間をシールするOリング395aが嵌め込まれている。
第2径方向凹部396には、シリンダ230との間の隙間をシールするOリング396aが嵌め込まれている。
【0070】
また、第1円筒状部391には、内部と外部とを連通する径方向の貫通孔である第1径方向連通孔397及び第2径方向連通孔398が形成されている。第1径方向連通孔397及び第2径方向連通孔398は、周方向に等間隔に、軸方向連通孔394が形成されていない部位に複数形成されている。軸方向の位置としては、第1径方向連通孔397は、第1径方向凹部395よりも上方に形成され、第2径方向連通孔398は、第1径方向凹部395と第2径方向凹部396との間に形成されている。
【0071】
第2円筒状部392は、内周面から内側に突出した凸部399を有している。凸部399の上端面に、ボールシート部材365のフランジが載せられるとともに、凸部399の内周面とボールシート部材365の外周面との間の隙間がボールシート部材365に嵌め込まれたOリング367によってシールされる。
【0072】
バルブ収容外側部材390は、第1円筒状部391の外周面に形成された雄ねじ397がシリンダ230の内周面に形成された雌ねじに締め付けられることで、シリンダ230を保持する。
【0073】
<支持部材400の構成>
支持部材400は、図3に示すように、円筒状の円筒状部401と、円筒状部401における下端部から半径方向の内側に向かうように形成された内向部402とを有している。
円筒状部401における上端部の外周面にはキャップ220に形成された雌ねじに締め付けられる雄ねじ403が形成されている。支持部材400は、円筒状部401の外周面に形成された雄ねじ403がキャップ220に形成された雌ねじに締め付けられることでキャップ220に保持される。また、支持部材400は、内向部402とソレノイド310との間に、バルブ収容内側部材380のフランジ部とバルブ収容外側部材390のフランジ部とを挟み込むことで、バルブ収容内側部材380及びバルブ収容外側部材390を保持する。
【0074】
<伝達部材410の構成>
伝達部材410は、円柱状で径が互いに異なる第1円柱状部411及び第2円柱状部412を有している。
第2円柱状部412の外径は、コイルスプリング415の内径よりも小さく、第2円柱状部412は、コイルスプリング415の内部に挿入される。
第1円柱状部411の外径は、コイルスプリング415の内径よりも大きい。第1円柱状部411の外周面には、コイルスプリング415の上端部が嵌り込む溝が形成されている。
伝達部材410及びコイルスプリング415は、バルブ収容内側部材380の上端側凹部381に収容される。
【0075】
バルブ317及びコイルスプリング318は、ソレノイド310の下端面に形成された凹部319に収容されている。バルブ317には、バルブ収容内側部材380の上端側凹部381に対向する位置に軸方向の貫通孔317aが形成されている。コイルスプリング318は、バルブ317に対してバルブ収容内側部材380の上端面の方へ向かう軸方向の付勢力を与える。
【0076】
以上のように構成された流路切替ユニット300においては、ソレノイド310のコイル311への通電が停止しているか又は予め定められた第1基準電流未満の電流が供給されている場合には、ケース315から突出した作動ロッド314の突出量が予め定められた第1基準量未満となる。作動ロッド314の突出量が第1基準量未満である場合には、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380の上端面に着座せずに、バルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aの上端側の開口を開放する。
【0077】
他方、ソレノイド310のコイル311へ第1基準電流以上の電流が供給されている場合には、作動ロッド314が下方に移動し、作動ロッド314のケース315からの突出量が第1基準量以上となる。作動ロッド314の突出量が第1基準量以上である場合には、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380の上端面に着座して内側軸方向連通孔389aの上端側の開口を閉じる。言い換えれば、作動ロッド314は、ケース315からの突出量が第1基準量以上である場合にバルブ317がバルブ収容内側部材380の上端面に着座する位置まで突出する。
【0078】
そして、ソレノイド310のコイル311へ、第1基準電流よりも大きい予め定められた第2基準電流以上の電流が供給されている場合には、作動ロッド314がさらに下方に移動し、作動ロッド314のケース315からの突出量が第1基準量よりも大きい値に予め定められた第2基準量以上となる。作動ロッド314の突出量が第2基準量以上である場合には、作動ロッド314が伝達部材410を介してプッシュロッド322を下方へ押す。プッシュロッド322が下方へ移動すると、弁体321がプッシュロッド322から押されて弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aから離れる。言い換えれば、プッシュロッド322は、ケース315からの作動ロッド314の突出量が第2基準量以上である場合に作動ロッド314により押されて、座面の一例としての傾斜面335aから弁体321が離れるよう弁体321を押す。
【0079】
以下では、コイル311への通電が停止しているか又は第1基準電流未満の電流が供給されている場合に、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aを開放するとともに弁体321が弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aに着座している状態を第1切替状態と称す。
【0080】
また、コイル311へ第1基準電流以上であって第2基準電流未満の電流が供給され、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aを閉じるとともに弁体321が弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aに着座している状態を第2切替状態と称す。
【0081】
また、コイル311へ第2基準電流以上であって第3基準電流未満の電流が供給され、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aを閉じるとともに弁体321が弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aから離れている状態を第3切替状態と称す。
【0082】
また、コイル311へ第3基準電流以上の電流が供給され、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aを閉じるとともに、弁体シート部材330の円錐状部332の傾斜面331がバルブ収容内側部材380の円錐状凹部382cに形成された傾斜面から離れている状態を第4切替状態と称す。なお、この第4切替状態においては、弁体321は弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aに着座している。
【0083】
<フロントフォーク21の作用>
以上のように構成されたフロントフォーク21は、スプリング500が自動二輪車1の車重を支えて衝撃を吸収し、減衰力発生ユニット130がスプリング500の振動を減衰する。
図5は、フロントフォーク21の圧縮行程時の作用を説明するための図である。
フロントフォーク21の圧縮行程においては、減衰力発生ユニット130のピストン131が、白抜き矢印のようにシリンダ230に対して上方へ移動し、ピストン131の移動で第1油室51内のオイルは押されて圧力が上昇する。その結果、第1貫通孔132を塞ぐ下端側バルブ137が開き、オイルは第1貫通孔132を通って第2油室52に流入する(矢印C1参照)。この第1油室51から第2油室52へのオイルの流れは、第1貫通孔132及び下端側バルブ137で絞られ、圧縮行程時における減衰力を得る。
【0084】
また、圧縮行程時にシリンダ230内部へロッド150が進入したことに起因して、ロッド進入体積分のオイルが、流路切替ユニット300の切替状態に応じて、ジャッキ室60又はリザーバ室40へ供給される(矢印C2参照)。流路切替ユニット300の切替状態に応じて、ジャッキ室60、リザーバ室40のいずれへ供給されるかについては後述する。なお、減衰力発生ユニット130、ロッド150及びシリンダ230などは、シリンダ230内のオイルをジャッキ室60又はリザーバ室40へ供給するポンプとして機能する。以下では、このポンプを「ポンプ600」と称す場合もある。
【0085】
図6は、フロントフォーク21の伸張行程時の作用を説明するための図である。
フロントフォーク21の伸張行程においては、減衰力発生ユニット130のピストン131が、白抜き矢印のようにシリンダ230に対して下方へ移動し、ピストン131の移動で第2油室52内のオイルは押されて圧力が上昇する。その結果、第2貫通孔133を塞ぐ上端側バルブ136が開き、オイルは第2貫通孔133を通って第1油室51に流入する(矢印T1参照)。この第2油室52から第1油室51へのオイルの流れは、第1貫通孔132及び上端側バルブ136で絞られ、伸張行程時における減衰力を得る。
【0086】
また、伸張行程時にシリンダ230内部からロッド150が退出したことに起因して、ロッド退出体積分のオイルが、リザーバ室40から第1油室51へ供給される。つまり、ピストン131が下方へ移動したことに起因して低圧となった第1油室51へ、リザーバ室40のオイルが進入する。つまり、リザーバ室40のオイルは、支持部材保持部材180の連通孔182、ロッド保持部材160の径方向貫通孔161cを通ってロッド保持部材160の軸方向凹部161aに進入した後にボール166を上方へ移動させてロッド150内部へ進入する(矢印T2参照)。そして、ロッド150内部へ進入したオイルは、ピストンボルト140の凹部143,径方向貫通孔144、ナット145の径方向貫通孔148を通って第1油室51へ至る(矢印T3参照)。
【0087】
このように、支持部材保持部材180の連通孔182、ロッド保持部材160の径方向貫通孔161c、ロッド保持部材160の軸方向凹部161a、ロッド150内部、ピストンボルト140の凹部143,径方向貫通孔144、ナット145の径方向貫通孔148は、リザーバ室40からシリンダ230内(第1油室51)へオイルを吸入する吸入路として機能する。また、ボール166及びロッド保持部材160の軸方向凹部161aに形成された傾斜面161eは、リザーバ室40からロッド150内部へのオイルの流入を許容するとともにロッド150内部からリザーバ室40へのオイルの排出を抑制するチェック弁として機能する。以下では、ボール166及び傾斜面161eを、「吸入側チェック弁Vc」と称す。
【0088】
<流路切替ユニット300の切替状態に応じたオイルの流通状態>
図7は、流路切替ユニット300が第1切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
フロントフォーク21の圧縮行程時に流路切替ユニット300が第1切替状態である場合、減衰力発生ユニット130、ロッド150及びシリンダ230などにより構成されるポンプ600から吐出されたオイルは、図7に示した矢印P1のように、バルブ収容外側部材390に形成された軸方向連通孔394を通って上方へ向かう。そして、バルブ収容外側部材390に形成された軸方向連通孔394を通って上方へ向かったオイルは、バルブ収容内側部材380の外側軸方向連通孔389bを通って上方へ向かい、開放された内側軸方向連通孔389aを通って下方へ向かう。その後、オイルは、バルブ収容外側部材390に形成された第1径方向連通孔397、ベース部材260の突出部260bと支持部材400の下端部との間に形成された排出流路41を通ってリザーバ室40に向かう。
【0089】
このように、バルブ収容外側部材390の軸方向連通孔394、バルブ収容内側部材380の外側軸方向連通孔389b及び内側軸方向連通孔389a、バルブ収容外側部材390の第1径方向連通孔397、排出流路41は、シリンダ230内とリザーバ室40とを連通する第1連通路R1(図11参照)として機能する。また、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317、コイルスプリング318及びバルブ収容内側部材380の上端面が、この第1連通路R1を開閉する第1連通路開閉弁V1(図11参照)として機能する。
【0090】
図8は、流路切替ユニット300が第2切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
フロントフォーク21の圧縮行程時に流路切替ユニット300が第2切替状態である場合、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aを閉じているので、ポンプ600から吐出されたオイルは、図8に示した矢印P2のように、ジャッキ室60へ向かう。つまり、ポンプ600から吐出されたオイルは、コイルスプリング361の付勢力に抗してボール360を押し上げ、バルブ収容内側部材380の外周面及び収容部材370の外周面と、バルブ収容外側部材390の内周面との間の隙間を通って上方へ向かい、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398を通ってバルブ収容外側部材390の外側に向かう。第2径方向連通孔398を通ったオイルは、その後、シリンダ230の外周面とスプリング長変更ユニット250のベース部材260の内周面との間に形成された環状流路61を通ってジャッキ室60に向かう。
【0091】
このように、バルブ収容内側部材380の外周面及び収容部材370の外周面と、バルブ収容外側部材390の内周面との間の隙間、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398及び環状流路61は、シリンダ230内とジャッキ室60とを連通する第2連通路R2(図11参照)として機能する。また、ボール360、コイルスプリング361、円板362及びボールシート部材365が、この第2連通路R2を開閉する第2連通路開閉弁V2(図11参照)として機能する。第2連通路開閉弁V2は、シリンダ230内からジャッキ室60へのオイルの流れを許容するとともにジャッキ室60からシリンダ230内へのオイルの流れを妨げるチェック弁でもある。
【0092】
図9は、流路切替ユニット300が第3切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
フロントフォーク21の圧縮行程時に流路切替ユニット300が第3切替状態である場合、図9に示した矢印P3のように、ジャッキ室60内のオイルは、リザーバ室40に向かう。つまり、ジャッキ室60内のオイルは、シリンダ230の外周面とスプリング長変更ユニット250のベース部材260の内周面との間に形成された環状流路61、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398及びバルブ収容内側部材380の第2径方向連通孔388を通ってバルブ収容内側部材380の下端側凹部382に進入する。バルブ収容内側部材380の下端側凹部382に進入したオイルは、バルブ収容内側部材380と弁体シート部材330の円柱状部333の外周面との間の隙間を通って下方へ向かい、弁体シート部材330の下端側凹部335に進入する。弁体シート部材330の下端側凹部335に進入したオイルは、押付部材350、弁体321及びプッシュロッド322と弁体シート部材330との間の隙間を通って上方へ向かい、バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387を通る。バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387を通ったオイルは、バルブ収容外側部材390に形成された第1径方向連通孔397及びベース部材260の突出部260bと支持部材400の下端部との間に形成された排出流路41を通ってリザーバ室40に向かう。
【0093】
このように、環状流路61、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398、バルブ収容内側部材380の第2径方向連通孔388、バルブ収容内側部材380と弁体シート部材330の円柱状部333の外周面との間の隙間、押付部材350、弁体321及びプッシュロッド322と弁体シート部材330との間の隙間、バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387、バルブ収容外側部材390の第1径方向連通孔397、排出流路41が、ジャッキ室60とリザーバ室40とを連通する第3連通路R3(図11参照)として機能する。また、弁体321、弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aが、この第3連通路R3を開閉する第3連通路開閉弁V3(図11参照)として機能する。
【0094】
図10は、流路切替ユニット300が第4切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
フロントフォーク21の圧縮行程時に流路切替ユニット300が第4切替状態である場合、図10に示した矢印P4のように、ジャッキ室60内のオイルは、リザーバ室40に向かう。つまり、ジャッキ室60内のオイルは、環状流路61、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398及びバルブ収容内側部材380の第2径方向連通孔388を通ってバルブ収容内側部材380の下端側凹部382に進入する。バルブ収容内側部材380の下端側凹部382に進入したオイルは、弁体シート部材330の円錐状部332の傾斜面331及びOリング337とバルブ収容内側部材380の円錐状凹部382cに形成された傾斜面との間の隙間を通って上方へ向かい、バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387を通る。バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387を通ったオイルは、バルブ収容外側部材390に形成された第1径方向連通孔397及びベース部材260の突出部260bと支持部材400の下端部との間に形成された排出流路41を通ってリザーバ室40に向かう。
【0095】
このように、環状流路61、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398、バルブ収容内側部材380の第2径方向連通孔388、弁体シート部材330の傾斜面331及びOリング337とバルブ収容内側部材380の円錐状凹部382cに形成された傾斜面との間の隙間、バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387、バルブ収容外側部材390の第1径方向連通孔397、排出流路41が、ジャッキ室60とリザーバ室40とを連通する第4連通路R4(不図示)として機能する。また、弁体シート部材330の円錐状部332の傾斜面331及びOリング337、バルブ収容内側部材380の円錐状凹部382cに形成された傾斜面が、この第4連通路R4を開閉する第4連通路開閉弁V4(不図示)として機能する。
【0096】
(流路切替ユニット300の第3切替状態から第4切替状態への変遷)
流路切替ユニット300が第3切替状態である場合に図9に示した矢印P3のようにジャッキ室60内のオイルがリザーバ室40に向かうと、ジャッキ室60内のオイルが減ってスプリング500の長さが短くなり、ジャッキ室60内の圧力が低下する。その結果、流路切替ユニット300が第3切替状態である場合における弁体シート部材330と収容部材370との間に形成される背圧室の圧力は、流路切替ユニット300が第2切替状態である場合における背圧室の圧力よりも低下する。これにより、弁体シート部材330が下方に移動し始める。
ソレノイド310のコイル311へ第3基準電流以上の電流が供給されると、プッシュロッド322により弁体321が第3切替状態よりもさらに下方へ移動させられて弁体321と弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aとの間の隙間が大きくなる。その結果、ジャッキ室60内の圧力がさらに低下して、背圧室の圧力がさらに低下する。これにより、弁体シート部材330が下方に移動し、弁体シート部材330の円錐状部332の傾斜面331がバルブ収容内側部材380の円錐状凹部382cに形成された傾斜面から離れて第4切替状態となる。
【0097】
<流路切替ユニット300の切替状態に応じた連通路の開閉状態>
図11(a)は、流路切替ユニット300が第1切替状態である場合の、第1連通路R1、第2連通路R2及び第3連通路R3の開閉状態を模式的に示す図である。図11(b)は、流路切替ユニット300が第2切替状態である場合の、第1連通路R1、第2連通路R2及び第3連通路R3の開閉状態を模式的に示す図である。図11(c)は、流路切替ユニット300が第3切替状態である場合の、第1連通路R1、第2連通路R2及び第3連通路R3の開閉状態を模式的に示す図である。
【0098】
図11(a)に示すように、ソレノイド310のコイル311への通電が第1基準電流未満である場合には、流路切替ユニット300は第1切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1は開き、第3連通路開閉弁V3は閉じているので、ポンプ600から吐出されたオイルは、第1連通路R1を介してリザーバ室40に至る。かかる場合、ポンプ600から吐出されたオイルは第2連通路開閉弁V2を開くほど高圧ではないので、オイルは第2連通路R2を流通しない。言い換えれば、第1連通路開閉弁V1が開いているので、第2連通路開閉弁V2は閉じている。この第1切替状態においては、ジャッキ室60内のオイルは増減しない。
【0099】
図11(b)に示すように、ソレノイド310のコイル311への通電が第1基準電流以上であって第2基準電流未満である場合には、流路切替ユニット300は第2切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1及び第3連通路開閉弁V3は閉じているので、ポンプ600から吐出されたオイルは、第2連通路開閉弁V2を開いて第2連通路R2を介してジャッキ室60に至る。この第2切替状態においては、ジャッキ室60内のオイルの量が増える。
【0100】
図11(c)に示すように、ソレノイド310のコイル311への通電が第2基準電流以上であって第3基準電流未満である場合には、流路切替ユニット300は第3切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1は閉じており、第3連通路開閉弁V3は開いているので、ジャッキ室60のオイルは、第3連通路R3を介してリザーバ室40に至る。この第3切替状態においては、ジャッキ室60内のオイルの量が減る。
【0101】
ソレノイド310のコイル311への通電が第3基準電流以上である場合には、流路切替ユニット300は第4切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1は閉じており、第4連通路開閉弁V4は開いているので、ジャッキ室60のオイルは、第4連通路R4を介してリザーバ室40に至る。
この第4切替状態における弁体シート部材330の円錐状部332の傾斜面331及びOリング337とバルブ収容内側部材380に形成された傾斜面との間の隙間で作られた流路は、第3切替状態におけるバルブ収容内側部材380と弁体シート部材330の円柱状部333の外周面との間の隙間で作られた流路よりも広い。
また、第3切替状態における弁体321と弁体シート部材330に形成された傾斜面335aとの間の隙間で作られた流路は、第3切替状態におけるバルブ収容内側部材380と弁体シート部材330の円柱状部333の外周面との間の隙間で作られた流路よりも狭い。それゆえ、この第4切替状態においては、第3切替状態よりも、ジャッキ室60内のオイルの量が高速で減る。
【0102】
<車高の昇降について>
以上述べたように作用するフロントフォーク21において、流路切替ユニット300が第2切替状態である場合、圧縮行程時に、ポンプ600から吐出されたオイルがジャッキ室60に流入し、ジャッキ室60内のオイル量が増す。そして、ジャッキ室60内のオイル量が増すことによってスプリング長変更ユニット250のベース部材260に対して上端部支持部材270が下方へ移動する。上端部支持部材270がベース部材260に対して下方へ移動することでスプリング500のバネ長が短くなると、上端部支持部材270がベース部材260に対して移動する前と比べてスプリング500が上端部支持部材270を押すバネ力が大きくなる。その結果、車体フレーム11から前輪2側へ力が作用したとしても両者の相対位置を変化させない初期セット荷重(プリロード)が大きくなる。かかる場合、車体フレーム11(シート19)側から軸方向に同じ力が作用した場合には、フロントフォーク21の沈み込み量が小さくなる。それゆえ、上端部支持部材270がベース部材260に対して移動することでスプリング500のバネ長が短くなると、上端部支持部材270がベース部材260に対して移動する前と比べて、シート19の高さが上昇する(車高が高くなる)。
【0103】
他方、流路切替ユニット300が第3切替状態や第4切替状態である場合、ジャッキ室60内のオイル量が減少することによってスプリング長変更ユニット250のベース部材260に対して上端部支持部材270が上方へ移動する。上端部支持部材270がベース部材260に対して上方に移動することでスプリング500のバネ長が長くなると、上端部支持部材270がベース部材260に対して移動する前と比べてスプリング500が上端部支持部材270を押すバネ力が小さくなる。かかる場合、初期セット荷重(プリロード)が小さくなり、車体フレーム11(シート19)側から軸方向に同じ力が作用した場合のフロントフォーク21の沈み込み量が大きくなる。それゆえ、上端部支持部材270がベース部材260に対して上方に移動することでスプリング500のバネ長が長くなると、上端部支持部材270がベース部材260に対して移動する前と比べて、シート19の高さが下降する(車高が低くなる)。なお、流路切替ユニット300が第4切替状態である場合には、第3切替状態である場合よりもジャッキ室60内のオイルの量が高速で減るので、第3切替状態である場合よりも高速で車高が低くなる。
【0104】
なお、流路切替ユニット300が第1切替状態である場合、圧縮行程時にポンプ600から吐出されたオイルはリザーバ室40に流入するので、ジャッキ室60内のオイル量は増減しない。それゆえ、シート19の高さが維持される(車高が維持される)。
【0105】
以上、説明したように、本実施の形態に係るフロントフォーク21は、上端部が車両本体10側に支持され、下端部が前輪2側に支持されたスプリング500と、オイル(液体)を収容するジャッキ室60(収容室)を有して、スプリング500における上端部を支持し、ジャッキ室60内のオイルの量に応じてスプリング500の長さを調整するスプリング長変更ユニット250とを備える。また、フロントフォーク21は、オイルを貯留するリザーバ室40(貯留室)と、シリンダ230を有し、車両本体10と前輪2との間の相対距離が大きくなった場合にはリザーバ室40に溜められたオイルをシリンダ230内に吸引し、車両本体10と前輪2との間の相対距離が小さくなった場合にはシリンダ230内のオイルを吐出するポンプ600とを備える。また、フロントフォーク21は、ジャッキ室60内のオイルの量を増加させるべくポンプ600から吐出されたオイルをジャッキ室60内に導く状態と、ジャッキ室60内のオイルの量を減少させるべくジャッキ室60内のオイルをリザーバ室40に導く状態と、ジャッキ室60内のオイルの量を保つ状態とを切り替える流路切替ユニット300を備える。そして、流路切替ユニット300は、流路切替ユニット300に電流が供給されない場合には、ジャッキ室60内のオイルの量を保つ状態を維持する。
【0106】
流路切替ユニット300は、第1基準電流以上の電流が供給される場合には、ポンプ600から吐出されたオイルをジャッキ室60に導くべくシリンダ230内とジャッキ室60とを連通可能であり、又、ジャッキ室60に収容されたオイルをリザーバ室40に導くべくジャッキ室60とリザーバ室40とを連通可能であるので、車高を昇降することができる。一方、例えば断線などにより電源喪失が生じる故障により電流が供給されなくなった場合には、流路切替ユニット300はポンプ600から吐出されたオイルをリザーバ室40に導くべくシリンダ230内とリザーバ室40とを連通するので、ポンプ600から吐出されたオイルがジャッキ室60へ導かれたりジャッキ室60に収容されたオイルがリザーバ室40に導かれたりしない。その結果、故障などにより流路切替ユニット300に電流が供給されなくなった場合には、ジャッキ室60内のオイル量は増減せず、車高が維持される。
【0107】
したがって、本実施の形態に係るフロントフォーク21は、車高を高めた状態で例えば高速で走行しているときに故障などにより流路切替ユニット300のソレノイド310に電流が供給されなくなった場合でも車高を維持することができる。それゆえ、本実施の形態に係るフロントフォーク21によれば、走行中に故障などにより流路切替ユニット300のソレノイド310に電流が供給されなくなった場合でも、運転者は、故障する前と同様に車体を傾けることができ、同様のバンク角を採ることができる。
【0108】
また、本実施の形態に係る流路切替ユニット300は、シリンダ230内とリザーバ室40とを連通する第1連通路R1と、シリンダ230内とジャッキ室60とを連通する第2連通路R2と、ジャッキ室60とリザーバ室40とを連通する第3連通路R3とを有する。そして、流路切替ユニット300は、供給される電流が予め定められた第1基準電流未満である場合には第1連通路R1を開くとともに第3連通路R3を閉じる。また、流路切替ユニット300は、供給される電流が第1基準電流以上であって第2基準電流未満である場合には第1連通路R1及び第3連通路R3を閉じる。また、流路切替ユニット300は、供給される電流が第2基準電流以上である場合には第1連通路R1を閉じるとともに第3連通路R3を開く。
【0109】
このように、本実施の形態に係る流路切替ユニット300は、供給される電流量に応じて、ソレノイド310の作動ロッド314の軸方向への移動量を制御することで、車高を高くしたり、車高を低くしたり、車高を維持したりすることができる。言い換えれば、流路切替ユニット300は、1つのユニットにて、車高を上昇させる上昇モード、車高を下降させる下降モード、車高を維持する維持モードの3つの制御モードを、電流量に応じて制御することができる。
【0110】
そして、上述した機能を実現する流路切替ユニット300は、インナチューブ210の内側において、シリンダ230の上端部に取り付けられる構成である。つまり、流路切替ユニット300は、インナチューブ210の外側に配置されているのではない。また、3つの制御モードを実現するために複数の電磁アクチュエータ(ソレノイドなど)を必要としない。それゆえ、本実施の形態に係る流路切替ユニット300によれば、フロントフォーク21の構成を簡易にして省スペース化を実現できるとともに、上記機能を実現することができる。言い換えれば、周囲のスペースが限られたフロントフォーク21に本実施の形態に係る流路切替ユニット300を適用することで、フロントフォーク21は、自身の大きさを大きくすることなく、故障が生じた場合に車高を維持するモードを含んだ3つの制御モードを制御することができる。
【0111】
また、本実施の形態に係る流路切替ユニット300は、供給される電流が第1基準電流未満である場合には維持モード、供給される電流が第1基準電流以上であって第2基準電流未満である場合には上昇モード、供給される電流が第2基準電流以上である場合には下降モードとなる。つまり、供給される電流量が大きくなるのに応じて、維持モード、上昇モード、下降モードへと順に遷移する。
このように、本実施の形態に係る流路切替ユニット300は、供給される電流量が大きくなるのに応じて、維持モード、下降モード、上昇モードへと順に遷移するのではない。維持モード、下降モード、上昇モードへと順に遷移する構成である場合には、車高を高くした状態でその車高を維持するために電流量を下げると、一旦電流量が下降モードに対応する電流量となり車高が下降するおそれがある。
これに対して、本実施の形態に係る流路切替ユニット300においては、供給される電流量が大きくなるのに応じて、維持モード、上昇モード、下降モードへと順に遷移するので、車高を高くした状態でその車高を維持するために電流量を下げたとしても車高が下降することはない。
【0112】
なお、上述した実施の形態においては、上昇モード、下降モード及び維持モードの3つの制御モードに切り替え可能な流路切替ユニット300を、フロントフォーク21に適用した構成を例示しているが、特に限定されない。上述した実施の形態に係る流路切替ユニット300を、リヤサスペンション22に適用してもよい。
【0113】
<他の実施例>
上述した実施の形態においては、故障などにより電流が供給されなくなった場合にジャッキ室60内のオイル量を増減させずに車高を維持することを、1つのユニットにて3つの制御モードに切り替え可能な流路切替ユニット300を用いて実現している。しかしながら、故障などにより電流が供給されなくなった場合にジャッキ室60内のオイル量を増減させずに車高を維持することを、他の構成でも実現できる。
以下に、他の構成で実現する態様について説明する。
【0114】
他の実施例に係るフロントフォーク700は、第1連通路R1上に配置された第1連通路開閉弁V1,第3連通路R3上に配置された第3連通路開閉弁V3が、別々の推力を発生する第1ソレノイド,第2ソレノイドへの通電によって作動する点が上述した実施の形態に係るフロントフォーク21と異なる。
以下では、異なる点を中心に説明する。
【0115】
他の実施例に係る第1連通路開閉弁V1,第3連通路開閉弁V3は、それぞれ、通電されることにより軸方向の推力を発生する第1ソレノイド,第2ソレノイドを備えている。
そして、第1連通路開閉弁V1は、第1ソレノイドへの通電が停止している場合には第1連通路R1を開き、第1ソレノイドへ通電されている場合には第1連通路R1を閉じる、所謂ノーマルオープンの電磁弁である。
他方、第3連通路開閉弁V3は、第2ソレノイドへの通電が停止している場合には第3連通路R3を閉じ、第2ソレノイドへ通電されている場合には第3連通路R3を開く、所謂ノーマルクローズの電磁弁である。
【0116】
図12は、他の実施例に係るフロントフォーク700の第1連通路R1、第2連通路R2及び第3連通路R3の開閉状態を模式的に示す図である。(a)は、第1ソレノイド及び第2ソレノイドへの通電が停止している場合、(b)は、第1ソレノイドは通電され、第2ソレノイドへの通電は停止している場合、(c)は、第1ソレノイド及び第2ソレノイドが通電されている場合を示す図である。
【0117】
第1ソレノイド及び第2ソレノイドへの通電が停止している場合、図12(a)に示すように、第1連通路開閉弁V1は開き、第3連通路開閉弁V3は閉じているので、ポンプ600から吐出されたオイルは、第1連通路R1を介してリザーバ室40に至る。かかる場合、ポンプ600から吐出されたオイルは第2連通路開閉弁V2を開くほど高圧ではなく、ジャッキ室60内のオイルは増減しないために車高が維持される。
【0118】
第1ソレノイドは通電され、第2ソレノイドへの通電は停止している場合、図12(b)に示すように、第1連通路開閉弁V1及び第3連通路開閉弁V3は閉じているので、ポンプ600から吐出されたオイルは、第2連通路開閉弁V2を開いて第2連通路R2を介してジャッキ室60に至る。これにより、ジャッキ室60内のオイルの量が増え、車高が上昇する。
【0119】
第1ソレノイド及び第2ソレノイドが通電されている場合、図12(c)に示すように、第1連通路開閉弁V1は閉じており、第3連通路開閉弁V3は開いているので、ジャッキ室60のオイルは、第3連通路R3を介してリザーバ室40に至る。これにより、ジャッキ室60内のオイルの量が減り、車高が下降する。
なお、第3連通路開閉弁V3が開いていれば、第1ソレノイドへの通電が停止して第1連通路開閉弁V1が開いていても、ジャッキ室60のオイルが第3連通路R3を介してリザーバ室40に至ってジャッキ室60内のオイルの量が減るので車高が下降する。
【0120】
このように、他の実施例に係るフロントフォーク700においては、第1連通路開閉弁V1の第1ソレノイド及び第3連通路開閉弁V3の第2ソレノイドへの通電を制御することによって、上昇モード、下降モード、維持モードの3つの制御モードを制御することができる。
【0121】
そして、以上のように構成された他の実施例に係るフロントフォーク700においても、例えば断線などにより電源喪失が生じる故障により第1ソレノイド及び第2ソレノイドに電流が供給されなくなった場合には、第1連通路開閉弁V1は開き、第3連通路開閉弁V3は閉じているので、ポンプ600から吐出されたオイルは、第1連通路R1を介してリザーバ室40に至る。それゆえ、ポンプ600から吐出されたオイルがジャッキ室60へ導かれたりジャッキ室60に収容されたオイルがリザーバ室40に導かれたりしない。つまり、第1ソレノイド及び第2ソレノイドに電流が供給されない場合には、ジャッキ室60内のオイルの量を保つ状態が維持される。それゆえ、故障などにより第1ソレノイド及び第2ソレノイドに電流が供給されなくなった場合には、ジャッキ室60内のオイル量は増減せず、車高が維持される。
【0122】
したがって、フロントフォーク700は、車高を高めた状態で例えば高速で走行しているときに故障などにより第1連通路開閉弁V1の第1ソレノイド及び第3連通路開閉弁V3の第2ソレノイドに電流が供給されなくなった場合でも車高を維持することができる。それゆえ、走行中に故障などにより第1ソレノイド及び第2ソレノイドに電流が供給されなくなった場合でも、運転者は、故障する前と同様に車体を傾けることができ、同様のバンク角を採ることができる。
【0123】
なお、電源喪失が生じる故障により第1ソレノイド及び第2ソレノイドのいずれか一方のソレノイドに電流が供給されなくなった場合においても、他方のソレノイドの通電を制御することにより、車高を維持することができるので、運転者は、故障する前と同様に車体を傾けることができる。
【符号の説明】
【0124】
21…フロントフォーク、40…リザーバ室、60…ジャッキ室、100…車軸側ユニット、130…減衰力発生ユニット、150…ロッド、200…本体側ユニット、230…シリンダ、250…スプリング長変更ユニット、300…流路切替ユニット、500…スプリング
図1
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図12