(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性波チップは、前記弾性波チップの周りを囲んで設けられた半田と、前記弾性波チップ上から前記半田上に延在して設けられた平坦形状をした金属リッドと、を含む封止部によって封止されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0021】
図1(a)は、実施例1に係る弾性波デバイスを示す断面図、
図1(b)は、
図1(a)のバンプ接続部を拡大した断面図である。
図1(a)のように、実施例1の弾性波デバイスは、パッケージ基板10と、弾性波チップ20と、を含む。パッケージ基板10の上面には、基板側パッド12が設けられている。弾性波チップ20の主面には、チップ側パッド22が設けられている。弾性波チップ20は、基板側パッド12とチップ側パッド22とがバンプ30で接続されることで、パッケージ基板10の平坦上面にフリップチップ実装されている。パッケージ基板10は、例えばLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)又はHTCC(High Temperature Co-fired Ceramics)からなるセラミックであるが、セラミック以外の絶縁体を用いてもよい。弾性波チップ20は、例えば圧電基板24と圧電基板24の主面に設けられたIDT(Interdigital transducer)26とを含む弾性表面波チップであるが、弾性表面波チップ以外の弾性波チップ(例えば圧電薄膜共振子チップ等)の場合でもよい。圧電基板24には、例えばタンタル酸リチウム(LT)又はニオブ酸リチウム(LN)等の圧電材を用いることができる。IDT26には、例えば銅(Cu)又はアルミニウム(Al)等の金属を用いることができる。
【0022】
図1(b)のように、バンプ30は、大きさが異なる第1バンプ32と第2バンプ34とを含む。第1バンプ32は、基板側パッド12と第2バンプ34との間に接合されていて、第2バンプ34よりも幅方向(パッケージ基板10の上面に平行な方向)及び高さ方向(パッケージ基板10の上面に垂直な方向)に大きい。第2バンプ34は、チップ側パッド22と第1バンプ32との間に接合されていて、第1バンプ32よりも幅方向及び高さ方向に小さい。即ち、第2バンプ34は、第1バンプ32と比較して、同じ方向における幅が小さくなっている。第1バンプ32と第2バンプ34とは、例えば円形形状でパッドに接合されているが、楕円形形状等、その他の形状で接合されていてもよい。バンプ30の直径(幅方向の大きさ)は例えば75μm程度であり、高さ(高さ方向の大きさ)は例えば25μm程度である。第1バンプ32と第2バンプ34とは共に、例えば金(Au)スタッドバンプであるが、銅(Cu)スタッドバンプやアルミニウム(Al)スタッドバンプ等の他の金属スタッドバンプの場合でもよい。
【0023】
第1バンプ32および第2バンプ34は、同程度の硬度であることが好ましい。例えば、金バンプを用いる場合には、第1バンプ32および第2バンプ34は、金の純度が99.99重量%以上であることが好ましい。このような構成とすることにより、高温信頼性試験等において応力の影響を受け易い第1バンプ32への応力集中を避けることができ、局所的な歪みを低減することで、第1バンプ32と第2バンプ34の間での破断を抑制することができる。
【0024】
図1(a)のように、パッケージ基板10の上面と弾性波チップ20との間には、空隙50が形成されている。これにより、弾性波チップ20のIDT26は、空隙50に露出して振動が妨げられることが抑制されている。また、バンプ30も空隙50に露出している。即ち、バンプ30は、空隙50で周りを囲まれている。
【0025】
パッケージ基板10は、内部に内部配線14が設けられた多層配線基板である。内部配線14によって、パッケージ基板10の上面に設けられた基板側パッド12と、下面に設けられたフットパッド16と、が電気的に接続されている。バンプ30は基板側パッド12とチップ側パッド22とに接続されていることから、弾性波チップ20は、フットパッド16に電気的に接続されている。基板側パッド12、チップ側パッド22、内部配線14、及びフットパッド16は、例えば金(Au)で形成されているが、その他の金属で形成されていてもよい。
【0026】
パッケージ基板10の上面であって、弾性波チップ20の外側に、金属パターン18が設けられている。金属パターン18は、弾性波チップ20を囲んで設けられている。金属パターン18には、例えば金(Au)等の金属を用いることができる。金属パターン18の上面に接合して、弾性波チップ20を囲む半田42が設けられている。弾性波チップ20上から半田42上に延在する平坦形状をした、例えばコバールからなる金属リッド44が設けられている。なお、金属リッド44は、コバールの場合に限らず、半田よりも融点の高い金属を用いることができる。弾性波チップ20は、半田42と金属リッド44とを含む封止部40によって封止されている。封止部40を覆って、例えばニッケル(Ni)めっき膜等の金属からなる保護膜46が設けられている。
【0027】
次に、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法について説明する。
図2(a)から
図4(c)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図2(a)から
図4(c)では、多面取りプロセスによる製造方法を示している。
図2(a)のように、基板側パッド12、内部配線14、フットパッド16、及び金属パターン18が形成されたパッケージ基板10を準備する。
【0028】
図2(b)のように、基板側パッド12の上面に、スタッドバンプ法によって、第1バンプ32を形成する。第1バンプ32の直径は例えば75μm程度であり、高さは例えば32μm程度である。なお、第1バンプ32を、ワイヤボンディングした後にワイヤ部分を除去することで形成するようにしてもよい。
【0029】
図2(c)のように、圧電基板24の主面に、IDT26とチップ側パッド22とを形成する。IDT26とチップ側パッド22とは、一般的に用いられている方法によって形成することができる。
【0030】
図2(d)のように、チップ側パッド22の上面に、スタッドバンプ法によって、第1バンプ32よりも幅方向及び高さ方向に小さい第2バンプ34を形成する。第2バンプ34の直径は例えば40μm程度であり、高さは例えば18μm程度である。
【0031】
図2(e)のように、圧電基板24を、例えばダイシング法によって切断して、複数の弾性波チップ20に個片化する。
【0032】
図3(a)のように、基板側パッド12上に形成された第1バンプ32と、チップ側パッド22上に形成された第2バンプ34と、を接合させる。これにより、弾性波チップ20が、第1バンプ32と、第1バンプ32よりも小さな第2バンプ34と、を含むバンプ30によって、パッケージ基板10の平坦上面にフリップチップ実装される。パッケージ基板10の上面と弾性波チップ20との間には、空隙50が形成される。
【0033】
図3(b)のように、弾性波チップ20上に、半田42と金属リッド44とを含む積層体を、半田42が弾性波チップ20側となるように配置する。
【0034】
図3(c)のように、積層体を加熱して半田42が溶融した状態とし、この状態で金属リッド44を弾性波チップ20側に押圧する。これにより、複数の弾性波チップ20の間隙に半田42が充填される。半田42は、パッケージ基板10上に形成された金属パターン18上を濡れ広がった後に固化し、弾性波チップ20の周囲を囲んで、金属パターン18と金属リッド44とに接合する。金属リッド44は、弾性波チップ20上から半田42上に延在して形成される。金属リッド44は、例えば弾性波チップ20に接しているが、金属リッド44と弾性波チップ20との間に半田42が残存していてもよい。これにより、弾性波チップ20は、半田42と金属リッド44とを含む封止部40によって、空隙50を保ったまま封止される。
【0035】
図4(a)のように、パッケージ基板10の下面に設けられたフットパッド16を保護するレジスト膜52を形成する。その後、複数の弾性波チップ20の間で、封止部40、パッケージ基板10、及びレジスト膜52を、ダイシングブレード54を用いたダイシング法によって切断する。これにより、
図4(b)のように、複数のデバイス60に個片化される。
【0036】
図4(c)のように、複数のデバイス60に対してバレルめっきを施して、封止部40を覆う保護膜46を形成する。その後に、レジスト膜52を除去することで、実施例1の弾性波デバイスを形成することができる。
【0037】
ここで、実施例1の弾性波デバイスの効果を説明するにあたり、比較例の弾性波デバイスについて説明する。
図5(a)は、比較例1に係る弾性波デバイスを示す断面図、
図5(b)は、
図5(a)のバンプ接続部を拡大した断面図である。
図5(a)及び
図5(b)のように、比較例1の弾性波デバイスは、弾性波チップ20をパッケージ基板10の平坦上面にフリップチップ実装させるバンプ130が、大きさの異なる2つのバンプで構成されていない点で、実施例1の弾性波デバイスと異なる。バンプ130の直径は例えば110μm程度であり、高さは例えば8μm程度である。比較例1の弾性波デバイスのその他の構成は、実施例1の
図1(a)及び
図1(b)と同じであるため説明を省略する。
【0038】
図6(a)から
図6(c)は、比較例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図6(a)のように、圧電基板24の主面に、IDT26とチップ側パッド22とを形成する。チップ側パッド22の上面に、スタッドバンプ法によって、バンプ130を形成する。バンプ130の直径は例えば75μm程度であり、高さは例えば32μm程度である。
【0039】
図6(b)のように、圧電基板24を切断して、複数の弾性波チップ20に個片化する。その後、
図6(c)のように、基板側パッド12、内部配線14、フットパッド16、及び金属パターン18が形成されたパッケージ基板10を準備した後、バンプ130を基板側パッド12に接合させて、パッケージ基板10の平坦上面に弾性波チップ20をフリップチップ実装する。
【0040】
図6(c)の後は、実施例1の
図3(b)から
図4(c)と同じ工程を行うことで、比較例1の弾性波デバイスを形成することができる。
【0041】
比較例1の弾性波デバイスでは、
図6(a)のように、チップ側パッド22上にバンプ130を形成し、
図6(c)のように、バンプ130を基板側パッド12に接合させることで、弾性波チップ20をパッケージ基板10上にフリップチップ実装している。この場合、弾性波チップ20の小型化を目指してチップ側パッド22の面積を小さくすると、バンプ130も小さくなってしまい、その結果、フリップチップ実装後のバンプ130の高さが低くなってしまう。製造工程の熱履歴(例えば弾性波チップ20を半田封止する際の熱)等によってバンプ130にストレス(応力)がかかると、バンプ130の高さが低い場合はストレス(応力)を吸収することが難しく、バンプ130の剥がれ等が生じてしまう。このように、比較例1の弾性波デバイスでは、バンプ130を小さくすることが難しいため、チップ側パッド22を小さくすることが難しく、その結果、小型化が難しい。
【0042】
一方、実施例1の弾性波デバイスは、
図1(b)のように、基板側パッド12とチップ側パッド22とを接続するバンプ30は、基板側パッド12に接合された第1バンプ32と、チップ側パッド22に接合され、第1バンプ32よりも幅方向に小さな第2バンプ34と、を含む。このように、チップ側パッド22に接合される第2バンプ34の幅方向を小さくすることで、チップ側パッド22の面積を小さくすることができ、弾性波チップ20を小型化することができる。比較例1ではチップ側パッド22の大きさが90μm角程度であったのに対し、実施例1では50μm角程度にすることができる。また、基板側パッド12に接合される第1バンプ32の幅方向を大きくすることで、後述するような理由によって、フリップチップ実装後のバンプ30の高さを高くすることができ、バンプ30の接続強度の低下を抑制することができる。
【0043】
また、
図1(b)のように、第1バンプ32が第2バンプ34よりも高さ方向に大きい場合には、フリップチップ実装後のバンプ30がより高くなり、バンプ30の接続強度の低下を効果的に抑制することができる。
【0044】
実施例1の弾性波デバイスは、
図2(b)のように、パッケージ基板10に設けられた基板側パッド12上に第1バンプ32を形成する。
図2(e)のように、弾性波チップ20に設けられたチップ側パッド22上に第1バンプ32よりも幅方向に小さな第2バンプ34を形成する。そして、
図3(a)のように、第1バンプ32と第2バンプ34とを接合させて、パッケージ基板10上に弾性波チップ20をフリップチップ実装する。この製造方法によれば、第2バンプ34の幅方向を小さくすることでチップ側パッド22を小さくでき、第1バンプ32の幅方向を大きくすることでフリップチップ実装後のバンプ30を高くできるため、弾性波チップ20を小型化しつつ、バンプ30の接続強度の低下を抑制することができる。
【0045】
図3(a)のように、弾性波チップ20をフリップチップ実装する際、幅方向に大きな第1バンプ32に幅方向に小さな第2バンプ34を接合させることで、例えば同じ大きさのバンプ同士を接合させる場合に比べて、第1バンプ32に対する第2バンプ34の位置合わせマージンが大きくなる。つまり、第2バンプ34が第1バンプ32の中心から多少ずれて接合された場合でも、第1バンプ32と第2バンプ34とを含むバンプ30の幅方向が大きくなることを抑制できる。また、幅方向に大きな第1バンプ32に幅方向に小さな第2バンプ34を接合させると、幅方向に小さな第2バンプ34が優先的に潰れ、幅方向に大きな第1バンプ32はあまり潰れないため、これによっても、バンプ30の幅方向が大きくなることを抑制できる。このように、幅方向に大きな第1バンプ32と幅方向に小さな第2バンプ34とを接合させることで、例えば同じ大きさのバンプ同士を接合させる場合に比べて、フリップチップ実装後のバンプ30の幅方向の大きさの制御を容易に行うことができる。
【0046】
また、幅方向に大きな第1バンプ32と幅方向に小さな第2バンプ34との接合では、幅方向に大きな第1バンプ32はあまり潰れないことから、例えば同じ大きさのバンプ同士を接合させる場合に比べて、フリップチップ実装後のバンプ30を高くすることができる。よって、バンプ30の接続強度の低下を効果的に抑制できる。
【0047】
また、弾性波チップ20の小型化の観点から、
図1(b)のように、チップ側パッド22の面積を、基板側パッド12よりも小さくすることが好ましい。
【0048】
図1(a)のように、弾性波チップ20が、弾性波チップ20の周りを囲む半田42と、弾性波チップ20上から半田42上に延在して設けられた平坦形状の金属リッド44と、を含む封止部40で封止される場合、半田封止の際の熱によるストレス(応力)によってバンプ30の剥がれ等が生じ易い。したがって、このような場合に、弾性波チップ20の小型化とバンプ30の接続強度の低下の抑制のために、バンプ30を第1バンプ32と第2バンプ34とで形成することが好ましい。
【0049】
また、
図1(a)のように、バンプ30が空隙50に露出している場合、製造工程の熱履歴等によるストレス(応力)によってバンプ30の剥がれ等が生じ易い。したがって、このような場合に、弾性波チップ20の小型化とバンプ30の接続強度の低下の抑制のために、バンプ30を第1バンプ32と第2バンプ34とで形成することが好ましい。
【実施例2】
【0050】
実施例2に係る弾性波デバイスは、実施例1の弾性波デバイスとはバンプ30の大きさが異なる点以外は、実施例1の
図1(a)及び
図1(b)と同じであるため、図示を省略する。実施例2の弾性波デバイスにおけるバンプ30の直径は例えば60μm程度であり、高さは例えば10μm程度である。
【0051】
図7(a)から
図7(c)は、実施例2に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図7(a)のように、圧電基板24の主面に、IDT26とチップ側パッド22とを形成する。チップ側パッド22の上面に、スタッドバンプ法によって、第2バンプ34を形成する。第2バンプ34の直径は例えば38μm程度であり、高さは例えば17μm程度である。
【0052】
図7(b)のように、第2バンプ34上に、スタッドバンプ法によって、第2バンプ34よりも幅方向及び高さ方向に大きい第1バンプ32を形成する。第1バンプ32の直径は例えば40μm程度であり、高さは例えば18μm程度である。これにより、第1バンプ32と第2バンプ34とを含むバンプ30が形成される。
【0053】
図7(c)のように、圧電基板24を切断して、複数の弾性波チップ20に個片化する。その後、
図7(d)のように、基板側パッド12、内部配線14、フットパッド16、及び金属パターン18が形成されたパッケージ基板10を準備した後、第1バンプ32を基板側パッド12に接合させて、パッケージ基板10の平坦上面に弾性波チップ20をフリップチップ実装する。
【0054】
図7(d)の後は、実施例1の
図3(b)から
図4(c)と同じ工程を行うことで、実施例2の弾性波デバイスを形成することができる。
【0055】
実施例2の弾性波デバイスは、
図7(c)のように、弾性波チップ20に設けられたチップ側パッド22上に、第2バンプ34と第2バンプ34よりも幅方向に大きな第1バンプ32とがこの順に積層されたバンプ30を形成する。そして、
図7(d)のように、パッケージ基板10に設けられた基板側パッド12にバンプ30を接合させて、パッケージ基板10上に弾性波チップ20をフリップチップ実装する。この製造方法によっても、第2バンプ34の幅方向を小さくすることでチップ側パッド22を小さくでき、第1バンプ32の幅方向を大きくすることでフリップチップ実装後のバンプ30を高くできるため、弾性波チップ20を小型化しつつ、バンプ30の接続強度の低下を抑制することができる。
【0056】
図7(c)のように、幅方向に小さな第2バンプ34と幅方向に大きな第1バンプ32とが積層して形成される場合、同じ大きさのバンプが積層して形成される場合に比べて、フリップチップ実装後の第1バンプ32の潰れを抑制でき、バンプ30を高くすることが容易にできる。
【0057】
実施例1及び実施例2において、第1バンプ32と第2バンプ34とは、スタッドバンプ以外のバンプ(例えばメッキバンプ)の場合でもよい。また、バンプ30は、第1バンプ32と第2バンプ34との2段構造の場合に限られず、3段以上の構造の場合でもよい。
【実施例3】
【0058】
図8(a)は、実施例3に係る弾性波デバイスを示す断面図、
図8(b)は、
図8(a)のバンプ接続部を拡大した断面図である。実施例3の弾性波デバイスは、
図8(a)及び
図8(b)のように、基板側パッド12と第1バンプ32が、パッケージ基板10の上面に形成された凹みを覆って、パッケージ基板10の上面にこの順に形成されている。このため、第1バンプ32の上面には、凹みが形成されている。第1バンプ32に形成された凹みは、第1バンプ32を貫通せずに設けられていて、詳しくは後述の
図10で説明するが、例えば第1バンプ32の上面の中央部に円形形状で形成されている。第2バンプ34は、第1バンプ32に形成された凹みに少なくとも接合することで、第1バンプ32に接合している。例えば、第2バンプ34は、第1バンプ32に形成された凹みとその周りの凹んでいない部分とに接合している。第1バンプ32は、例えば金(Au)メッキバンプである。第2バンプ34は、例えば金(Au)スタッドバンプである。その他の構成は、実施例1の
図1(a)及び
図1(b)と同じであるため説明を省略する。
【0059】
次に、実施例3に係る弾性波デバイスの製造方法について説明する。
図9(a)から
図9(d)は、実施例3に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図9(a)から
図9(d)では、実施例1と同様に、多面取りプロセスによる製造方法を示している。
【0060】
図9(a)のように、パッケージ基板10の上面に凹み70を形成する。凹み70は、パッケージ基板10がセラミック基板である場合には、例えばドリルで削ることで形成することができ、パッケージ基板10が樹脂基板である場合には、例えばレーザで掘ることで形成することができる。凹み70の深さは、例えば5μm〜10μm程度である。
【0061】
図9(b)のように、パッケージ基板10に、基板側パッド12、内部配線14、フットパッド16、及び金属パターン18を形成する。基板側パッド12は、パッケージ基板10の凹み70を覆うように形成する。これにより、基板側パッド12の上面にも、パッケージ基板10の凹み70に対応した凹みが形成される。その後、基板側パッド12の上面に、基板側パッド12の上面に形成された凹みを覆うように、メッキ法を用いて第1バンプ32を形成する。第1バンプ32の直径は例えば20〜80μm程度であり、高さは例えば5μm〜10μm程度である。第1バンプ32の上面にも、凹み72が形成される。凹み72は、
図10のように、例えば第1バンプ32の上面の中央部に円形形状で形成される。凹み72の深さは、例えば5〜10μm程度である。
【0062】
図9(c)のように、圧電基板24の主面にIDT26、チップ側パッド22、及び第2バンプ34が形成された弾性波チップ20を形成する。弾性波チップ20は、実施例1の
図2(c)から
図2(e)の工程によって形成することができる。第2バンプ34の直径は例えば20〜60μm程度であり、高さは例えば20μm〜30μmである。
【0063】
図9(d)のように、第2バンプ34が第1バンプ32に形成された凹み72に少なくとも接合するように、第2バンプ34を第1バンプ32に熱圧着によって接合させる。その後、実施例1の
図3(b)から
図4(c)と同じ工程を行う。これにより、実施例3の弾性波デバイスを形成することができる。
【0064】
実施例3によれば、第2バンプ34は、第1バンプ32に形成された凹み72に少なくとも接合することで、第1バンプ32に接合している。これにより、第2バンプ34が第1バンプ32に対して横滑りすることを抑制でき、その結果、パッケージ基板10に対する弾性波チップ20の位置ずれを抑制することができる。また、第1バンプ32と第2バンプ34との接合面積を大きくすることができ、バンプ30の接合強度の低下を抑制することができる。
【0065】
図11(a)は、実施例3の変形例1に係る弾性波デバイスを示す断面図、
図11(b)は、
図11(a)のバンプ接続部を拡大した断面図である。実施例3の変形例1の弾性波デバイスでは、
図11(a)及び
図11(b)のように、パッケージ基板10の上面と基板側パッド12の上面とには凹みが形成されてなく、第1バンプ32の上面にのみ凹みが形成されている。第1バンプ32の上面に形成された凹みは、例えば第1バンプ32を貫通して設けられていて、詳しくは後述の
図13で説明するが、例えば十字型の形状をしている。なお、第1バンプ32の上面に形成された凹みは、第1バンプ32を貫通していない場合でもよい。第2バンプ34は、第1バンプ32に形成された凹みに少なくとも接合することで、第1バンプ32に接合している。例えば、第2バンプ34は、第1バンプ32に形成された凹みとその周りの凹んでいない部分とに接合している。第1バンプ32は、例えば金(Au)メッキバンプである。第2バンプ34は、例えば金(Au)スタッドバンプである。その他の構成は、実施例1の
図1(a)及び
図1(b)と同じであるため説明を省略する。
【0066】
次に、実施例3の変形例1に係る弾性波デバイスの製造方法について説明する。
図12(a)から
図12(d)は、実施例3の変形例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図12(a)から
図12(d)は、実施例1と同様に、多面取りプロセスによる製造方法を示している。
図12(a)のように、基板側パッド12、内部配線14、フットパッド16、及び金属パターン18が形成されたパッケージ基板10を準備する。基板側パッド12は、パッケージ基板10の平坦上面に形成されている。このため、基板側パッド12の上面は平坦形状をしている。
【0067】
図12(b)のように、基板側パッド12の上面に、メッキ法によって、第1バンプ32を形成する。この際、メッキレジスト(不図示)の形状を制御することで、凹み72を有する第1バンプ32を形成する。凹み72は、
図13のように、例えば十字型の形状で形成される。第1バンプ32の直径は例えば20〜80μm程度であり、高さは例えば5μm〜10μm程度である。
【0068】
図12(c)のように、圧電基板24の主面にIDT26、チップ側パッド22、及び第2バンプ34が形成された弾性波チップ20を形成する。弾性波チップ20は、実施例1の
図2(c)から
図2(e)の工程によって形成することができる。第2バンプ34の直径は例えば20〜60μm程度であり、高さは例えば20μm〜30μmである。
【0069】
図12(d)のように、第2バンプ34が第1バンプ32に形成された凹み72に少なくとも接合するように、第2バンプ34を第1バンプ32に熱圧着によって接合させる。その後、実施例1の
図3(b)から
図4(c)と同じ工程を行う。これにより、実施例3の変形例1の弾性波デバイスを形成することができる。
【0070】
実施例3の変形例1においても、実施例3と同様に、第2バンプ34は、第1バンプ32に形成された凹み72に少なくとも接合することで、第1バンプ32に接合している。このため、第2バンプ34の横滑りによる弾性波チップ20の位置ずれを抑制することができ、また、バンプ30の接合強度の低下を抑制することができる。
【0071】
なお、実施例3および実施例3の変形例1において、第1バンプ32に形成される凹み72は、円形形状、十字型形状の場合に限らず、楕円形状や矩形形状等のその他の形状の場合でもよい。
図14(a)および
図14(b)は、第1バンプ32に形成される凹み72の他の例を説明するための平面図である。
図14(a)のように、第1バンプ32の中央部から3方向に延びた形状の凹み72が形成されている場合でもよいし、
図14(b)のように、複数の凹み72が形成されている場合でもよい。なお、凹んでいる部分と凹んでいない部分とを反対にした場合でもよい。すなわち、
図14(a)においては、第1バンプ32の中央部から3方向に延びた突起を有し、他の部分が凹み72となっている場合でもよい。
図14(b)においては、複数の突起を形成するような凹み72が形成されている場合でもよい。
【0072】
なお、実施例3および実施例3の変形例1では、第2バンプ34はスタッドバンプの場合を例に示したが、メッキバンプの場合でもよい。また、第2バンプ34の先端に半田が形成されていてもよい。
【0073】
なお、実施例3および実施例3の変形例1では、第1バンプ32の高さは第2バンプ34よりも低い場合に限られず、高い場合でもよい。第1バンプ32を低くすることで、弾性波デバイスの低背化を図ることができる。一方、第1バンプ32を高くすることで、バンプ30が高くなるため、バンプ30の接続強度の低下を抑制することができる。
【0074】
なお、実施例3および実施例3の変形例1では、第2バンプ34が、第1バンプ32に形成された凹み72にのみ接合され、凹み72の周りの凹んでいない部分に接合されていない場合でもよい。
【0075】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。