特許第6407263号(P6407263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6407263結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407263
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20181004BHJP
   H01L 31/068 20120101ALI20181004BHJP
【FI】
   H01L31/04 260
   H01L31/06 300
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-517450(P2016-517450)
(86)(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公表番号】特表2016-533635(P2016-533635A)
(43)【公表日】2016年10月27日
(86)【国際出願番号】CN2014083399
(87)【国際公開番号】WO2015043311
(87)【国際公開日】20150402
【審査請求日】2017年5月22日
(31)【優先権主張番号】201310440907.5
(32)【優先日】2013年9月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514280880
【氏名又は名称】常州天合光能有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲イ▼峰
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・ジェイ・ヴァーリンデン
(72)【発明者】
【氏名】▲フェン▼ 志▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】沈 ▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】ピエトロ・ピー・アルターマット
【審査官】 河村 麻梨子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/125728(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0032310(US,A1)
【文献】 Elias Urrejola et al.,Effect of gravity on the microstructure of Al-Si alloy for rear-passivated solar cells,Journal of Applied Physics,2011年,Vol.110,056104
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20、
51/42−51/48
H02S 10/00−10/40、30/00−50/15、99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板(6)、シリコン基板(6)の背面上の局部背表面フィールド(5)、局部背表面フィールド(5)に接続された局部電極(3)、及び背面電極(1)を備える結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極であって、背面パッシベーション膜(2)が局部背表面フィールド(5)の領域を除いてシリコン基板(6)の背面上に設けられており、背面電極(1)が背面パッシベーション膜(2)上に設けられており、局部電極(3)と背面電極(1)との間で背面パッシベーション膜(2)上に少なくとも一つのブリッジ電極(4)が設けられており、局部電極(3)は、背面電極(1)から分離されており、且つブリッジ電極(4)を介して背面電極(1)に接続されており局部電極(3)と背面電極(1)との間に、少なくとも1つのブリッジ電極(4)に加えて、少なくとも1つのギャップがあり、背面パッシベーション膜(2)は、少なくとも1つのギャップが存在するシリコン基板(6)の領域上にも設けられており、前記局部電極(3)、背面電極(1)及びブリッジ電極(4)の材料にはアルミニウムが含まれていることを特徴とする結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極。
【請求項2】
前記ブリッジ電極(4)の幅は0.1−50000μmであり、長さは0.1−1000μmであることを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極。
【請求項3】
前記背面パッシベーション膜(2)の材料としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタンから選ばれた一種又は多種であることを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極。
【請求項4】
前記局部電極(3)の断面はライン状又はドット状となり、ドット状は円形や平行四角形や正多角形を含むことを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極。
【請求項5】
前記局部電極(3)の断面がライン状であるとき、局部電極(3)の幅は1μm以上であり、局部電極(3)の中心間の間隔は100μm以上であることを特徴とする請求項に記載の結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極。
【請求項6】
前記局部電極(3)の断面がドット状であるとき、局部電極(3)の寸法は1μm以上であり、局部電極(3)の中心間の間隔は50μm以上であることを特徴とする請求項に記載の結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極。
【請求項7】
請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の製造方法であって、
(1)スクリーン印刷用のスクリーンを提供し、ここで、スクリーンは、請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の背面電極(1)領域及び複数の局部電極(3)とブリッジ電極(4)からなるアレイ領域には、スラリーが通過できるように網糸を設置し、その他の部分はスラリーが通過できない膜からなるステップと、
(2)背面パッシベーション膜(2)が堆積されたシリコン基板(6)を提供し、且つレーザにより膜を部分的に開口するステップと、
(3)ステップ(1)におけるスクリーンを用いて、スクリーン印刷という方法でシリコン基板(6)の背面に金属スラリーを印刷するステップと、
(4)高温焼成中、局部電極(3)とシリコン基板(6)を局部背表面フィールド(5)に形成させるステップとを備えることを特徴とする結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の製造方法であって、
(1)背面パッシベーション膜(2)が堆積されたシリコン基板(6)を提供し、且つレーザにより膜を部分的に開口するステップと、
(2)CVD又はPVDという方法でシリコン基板(6)の背面パッシベーション膜(2)に、請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極における背面電極(1)及び複数の局部電極(3)とブリッジ電極(4)が配列してなるセルを堆積するステップと、
(3)高温焼成中、局部電極(3)とシリコン基板(6)を局部背表面フィールド(5)に形成させるステップ、とを備えることを特徴とする結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極及びその製造方法に関し、太陽電池という技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
現在、局部背表面フィールド電池は現在の効率的な結晶シリコン太陽電池の開発の重要方向となっていて、背面パッシベーション技術及び局部背表面フィールド構成により、太陽電池の背面の複合が顕著的に減少され、長いバンドにおける背面反射が向上し、背面における自由キャリアの吸収が減少され、その結果、電池の変換効率が向上する。現在、背面パッシベーション電池の製造プロセスを低減するために、一般的に、レーザ又は化学パルプ腐食といった方法で背面のパッシベーション膜を部分的に開口し、その後、スクリーン印刷又は蒸着といった方法で背面に一つのアルミニウム層を形成し、高温過程において、アルミニウム原子はケイ素原子の代りにシリコン格子に進入し、膜開口領域の下にp型高濃度ドープ領域、つまり局部背表面フィールドが形成される。
【0003】
しかし、通常の全背表面印刷又はアルミニウム層堆積の方法では、アルミニウムとケイ素による高温中の拡散係数の差に起因して、コンタクト領域に空洞が形成しやすくなり、その結果、(1)局部背表面フィールドが形成できなくなり、背面における表面複合が大量になり、(2)局部背表面フィールドとAl−Si合金層とのコンタクト面積が小さくなり、フィルファクターが低下し、(3)キャビティ効果の原因で局部背表面フィールドの厚さが不十分となり、現在の局部背表面フィールド電池、特に背部点接触電池の効率向上がキャビティの形成により制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術の欠陥を克服するという技術課題を解決するためになされたもので、局部背表面フィールドキャビティの形成を抑制しつつ、局部背表面フィールドの厚さを増加させ、少数キャリヤが局部背表面フィールドを通過してコンタクト領域に達して複合されることによる抵抗損失を低減させ、背面パッシベーション電池の変換効率を向上させることができる結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術課題を解決するために、本発明の結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極は、局部背表面フィールドに接続された局部電極、及びシリコン基板とのコンタクト表面に背面パッシベーション膜が覆われた背面電極を備え、局部電極と背面電極との間に少なくとも一つのブリッジ電極が設けられており、ブリッジ電極とシリコン基板とのコンタクト表面にも背面パッシベーション膜が覆われており、局部電極と背面電極はブリッジ電極により接続され、且つ局部電極と背面電極との間に、ブリッジ電極の接続領域以外の部分にも、背面パッシベーション膜が設けられている。
【0006】
さらに、ブリッジ電極の幅は0.1−50000μmであり、長さは0.1−1000μmである。ブリッジ電極の幅と長さを制御することにより、高温中におけるケイ素のAl−Si液体合金への拡散総量を制御することができる。
【0007】
さらに、背面パッシベーション膜の材料としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタンから選ばれた一種又は多種である。
【0008】
さらに、局部電極、背面電極及びブリッジ電極の材料にはアルミニウムが含まれている。
【0009】
さらに、局部電極の断面はライン状又はドット状となり、ドット状は円形や平行四角形や正多角形を含む。
【0010】
さらに、前記局部電極の断面がライン状となる場合、局部電極の幅は1μm以上であり、局部電極の中心間の間隔は100μm以上である。
【0011】
さらに、前記局部電極の断面がドット状となる場合、局部電極の寸法は1μm以上であり、局部電極の中心間の間隔は50μm以上である。
【0012】
本発明はまた当該結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の製造方法を提供し、この方法は、
(1)スクリーン印刷用のスクリーンを提供し、ここで、スクリーンは、当該結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の背面電極領域及び複数の局部電極とブリッジ電極からなるアレイ領域には、スラリーが通過できるように網糸を設置し、その他の部分はスラリーが通過できない膜からなるステップ;
(2)背面パッシベーション膜が堆積されたシリコン基板を提供し、且つレーザにより膜を部分的に開口するステップ;
(3)ステップ(1)におけるスクリーンを用いて、スクリーン印刷という方法でシリコン基板の背面に金属スラリーを印刷し;
(4)高温焼成中、局部電極とシリコン基板を局部背表面フィールドに形成させるステップを備える。
【0013】
本発明はまた結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の製造方法を提供し、この方法は、
(1)背面パッシベーション膜が堆積されたシリコン基板を提供し、且つレーザにより膜を部分的に開口し;
(2)CVD又はPVDという方法でシリコン基板の背面パッシベーション膜に、前記結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極における背面電極及び複数の局部電極とブリッジ電極が配列してなるセルを堆積し;
(3)高温焼成中、局部電極とシリコン基板を局部背表面フィールドに形成させる、というステップを備える。
【発明の効果】
【0014】
上記技術方案を採用した本発明は下記有利な効果を有し:
(1)本発明は局部電極を用いるため、局部背表面フィールドにキャビティが出る確率が極めて低下し、電池の開放電圧とフィルファクターが向上し;そして本発明は、膜開口領域に局部電極を形成するため、高温中、ケイ素の電極での横方向の伝達が抑制され、当該各電極にアルミニウムが含まれている場合、Al−Si液体合金におけるケイ素の濃度が迅速に飽和値に達し、降温中には、ケイ素がAl−Si液体状態からすばやく析出し、Al−Si境界において硬化して局部背表面フィールドを形成し、キャビティの形成を大幅に抑制し;
(2)ブリッジ電極で局部電極により収集された電流を背面電極に導き、ブリッジ電極と背面電極を用いて、背面電極の抵抗を減少して、電池の抵抗損失が低下した;
(3)本発明によるプロセスが簡単であり、通常のスクリーン印刷に対して、一回の印刷だけでも本発明の構成が実現でき、大規模生産に適している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の第一種の構成の構成概要図である。
図2】本発明による結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の構成断面図である。
図3】本発明による結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の第三種の構成の構成概要図である。
図4】本発明による結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の第四種の構成の構成概要図である。
図5】アレイ状の第三種の構成を有する結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の構成概要図である。
図6】アレイ状の第四種の構成を有する結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の構成概要図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の内容がより容易且つ明確に理解できるように、図面と組合わせて実施例に応じて本発明について詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図3に示すように、結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極であって、局部背表面フィールド5に接続された局部電極3、及びシリコン基板6とのコンタクト表面に背面パッシベーション膜2が覆われた背面電極1を備え、局部電極3と背面電極1との間に4つのブリッジ電極4が設けられ、ブリッジ電極4とシリコン基板6とのコンタクト表面にも背面パッシベーション膜2が覆われ、局部電極3と背面電極1はブリッジ電極4により接続され、且つ局部電極3と背面電極1との間に、ブリッジ電極4の接続領域以外の部分にも、背面パッシベーション膜2が設けられている。
【0018】
背面パッシベーション膜2の材料としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタンから選ばれた一種又は多種であればよい。
【0019】
局部電極3、背面電極1及びブリッジ電極4の材料にはアルミニウムが含まれている。
【0020】
本実施例はスクリーン印刷による円孔状アレイの結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極を提供し、背面上のAl/SiNx:Hパッシベーション膜の堆積が完成した後、化学スラリーでその膜を開口する。スクリーンの設計により、スクリーン印刷及び設計された背面スクリーンで背面にアルミニウムスラリーを印刷し、複数の円孔アレイからなるパターンを形成させ、ここで、円孔のコンタクト間の間隔は500μmであり、単体の円孔の点接触のパターンは、図3に示すように、円孔の径が100μmであり、円孔のエッジとAl/SiNx:Hパッシベーション膜2に覆った背面電極1との距離が20μmであり、そして、スクリーンの設計により、印刷中、円孔と背面電極1が4つのチャンネルを介して接続され、チャンネルの幅が50μmであり、長さが円孔のエッジから背面電極1までの距離と同じ、つまり20μmである。通常の焼成を経て、円孔と下のシリコン基板6は局部背表面フィールド5を形成し、円孔はまた局部電極3を形成し、チャンネル内にブリッジ電極4が形成され、局部電極3は4つのブリッジ電極4を介して背面電極1と互いに接続される。ブリッジ電極4とのコンタクト部分以外、局部電極3と背面電極1はAl/SiNx:Hパッシベーション膜により離間されたため、高温中に、ケイ素のAl−Si合金液への拡散が制限されたため、キャビティの形成が大幅に減少された。本発明による方法でなく、背面の全面にわたってアルミニウムスラリーを印刷し焼成すれば、キャビティ率は100%となる一方、本発明による方法を採用すれば、キャビティ率は100%から20%まで効率的に低下した。
【実施例2】
【0021】
図4,5に示すように、結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極であって、局部背表面フィールド5に接続された局部電極3、及びシリコン基板6とのコンタクト表面に背面パッシベーション膜2が覆われた背面電極1を備え、局部電極3と背面電極1との間に2つのブリッジ電極4が設けられ、ブリッジ電極4とシリコン基板6とのコンタクト表面にも背面パッシベーション膜2が覆われ、局部電極3と背面電極1はブリッジ電極4により接続され、且つ局部電極3と背面電極1との間に、ブリッジ電極4の接続領域以外の部分にも、背面パッシベーション膜2が設けられている。
【0022】
背面パッシベーション膜2の材料としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタンから選ばれた一種又は多種であればよい。
【0023】
局部電極3、背面電極1及びブリッジ電極4の材料にはアルミニウムが含まれている。
【0024】
本実施例はスクリーン印刷による角孔状アレイの結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極を提供し、背面上のAl/SiNx:Hパッシベーション膜2の堆積及び局部レーザ膜開口が完成した後、スクリーンの設計により、スクリーン印刷で背面にアルミニウムスラリーを印刷し、角孔状アレイからなるパターンを形成する。ここで、角孔の中心間の間隔は400μmであり、単体の角孔の点接触のパターンは図4に示すように、角孔の辺長は80μmであり、角孔のエッジと背面電極1との距離は30μmであり、同一の印刷においては、また角孔及び背面電極1を接続する2つのブリッジ電極4を形成し、ブリッジ電極4の幅は40μmであり、長さも30μmである通常の焼成を経て、角孔内の局部電極3と下のシリコン基板6は局部背表面フィールド5を形成した。ブリッジ電極4とのコンタクト部分以外、局部電極3と背面電極1はAl/SiNx:Hパッシベーション膜2により離間され、本発明による方法によれば、キャビティ率は90%から22%まで低下し、背面角孔の点接触アレイの局部は図5に示す。
【実施例3】
【0025】
図6に示すように、結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極であって、局部背表面フィールド5に接続された局部電極3、及びシリコン基板6とのコンタクト表面に背面パッシベーション膜2が覆われた背面電極1を備え、局部電極3と背面電極1との間に複数のブリッジ電極4が設けられ、ブリッジ電極4とシリコン基板6とのコンタクト表面にも背面パッシベーション膜2が覆われ、局部電極3と背面電極1はブリッジ電極4により接続され、且つ局部電極3と背面電極1との間に、ブリッジ電極4の接続領域以外の部分にも、背面パッシベーション膜2が設けられている。
【0026】
背面パッシベーション膜2の材料としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタンから選ばれた一種又は多種であればよい。
【0027】
局部電極3、背面電極1及びブリッジ電極4の材料にはアルミニウムが含まれている。
【0028】
本実施例はスクリーン印刷による結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極を提供し、まずスクリーン印刷用のスクリーンを設計し、背面上のAl/SiNx:Hパッシベーション膜の堆積及び局部レーザ膜開口が完成した後、スクリーン印刷と設計された背面スクリーンと背面印刷用のアルミニウムスラリーにより、ライン状のアレイからなるパターンを形成させる。ここで、ライン間の間隔は1200μmであり、背面のライン状のアレイの局部は図6に示す。ラインの幅は60μmであり、長さは153mmであり、ラインエッジと背面のAl/SiNx:Hパッシベーション膜に覆われた背面電極1との距離は30μmであり、同一の印刷において、また幅が40μm、長さが30μm、間隔が1mmであるブリッジ電極4を形成した。通常の焼成を経て、ライン内の局部電極3と下のシリコン基板6は局部背表面フィールド5を形成し、ブリッジ電極4を介して背面電極1にアレイ接続された。本発明の方法によれば、キャビティ率が100%から17%まで低下した。
【実施例4】
【0029】
図1,2に示すように、結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極であって、局部背表面フィールド5に接続された局部電極3、及びシリコン基板6とのコンタクト表面に背面パッシベーション膜2が覆われた背面電極1を備え、局部電極3と背面電極1との間に少なくとも1つのブリッジ電極4が設けられ、ブリッジ電極4とシリコン基板6とのコンタクト表面にも背面パッシベーション膜2が覆われ、局部電極3と背面電極1はブリッジ電極4により接続され、且つ局部電極3と背面電極1との間に、ブリッジ電極4の接続領域以外の部分にも、背面パッシベーション膜2が設けられている。
【0030】
ブリッジ電極4の幅は0.1−50000μmであってもよく、長さは0.1−1000μmであってもよい。
【0031】
背面パッシベーション膜2の材料としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタンから選ばれた一種又は多種であればよい。
【0032】
局部電極3、背面電極1及びブリッジ電極4の材料にはアルミニウムが含まれている。
【0033】
局部電極3の断面はライン状又はドット状であってもよく、ドット状は円形や平行四角形や正多角形を含む。
【0034】
局部電極3の断面がライン状となる場合、局部電極3の幅は1μm以上であり、局部電極3の中心間の間隔は100μm以上である。
【0035】
局部電極3の断面がドット状となる場合、局部電極3の寸法は1μm以上であり、局部電極3の中心間の間隔は50μm以上である。
【0036】
当該結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極の製造方法であって、この方法は、
(1)背面パッシベーション膜2が堆積されたシリコン基板6を提供し、且つレーザにより膜を部分的に開口し;
(2)CVD又はPVDという方法でシリコン基板6の背面パッシベーション膜2に、前記結晶シリコン太陽電池の背面ブリッジ式コンタクト電極における背面電極1及び複数の局部電極3とブリッジ電極4が配列してなるセルを堆積し;
(3)高温焼成中、局部電極3とシリコン基板6を局部背表面フィールド5に形成させる、というステップを備える。
【0037】
上記述べた具体的な実施例は、本発明の解決する技術課題、技術方案及び有利な効果をさらに説明するものであり、本発明を限定するものではなく、ただ本発明の具体的な実施例であると理解すべきであり、本発明の趣旨及び原則にあれば、任意の補正、同等変換、改善などがすべて本発明の保護範囲に含まれている。
【符号の説明】
【0038】
1 背面電極
2 背面パッシベーション膜
3 局部電極
4 ブリッジ電極
5 局部背表面フィールド
6 シリコン基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6