特許第6407275号(P6407275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジーケーエヌ ハイブリッド パワー リミテッドの特許一覧

特許6407275エネルギー保存用フライホイールおよびその製造方法
<>
  • 特許6407275-エネルギー保存用フライホイールおよびその製造方法 図000002
  • 特許6407275-エネルギー保存用フライホイールおよびその製造方法 図000003
  • 特許6407275-エネルギー保存用フライホイールおよびその製造方法 図000004
  • 特許6407275-エネルギー保存用フライホイールおよびその製造方法 図000005
  • 特許6407275-エネルギー保存用フライホイールおよびその製造方法 図000006
  • 特許6407275-エネルギー保存用フライホイールおよびその製造方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407275
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】エネルギー保存用フライホイールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16H 33/02 20060101AFI20181004BHJP
   F03G 3/08 20060101ALI20181004BHJP
   B32B 5/28 20060101ALI20181004BHJP
   F16F 15/305 20060101ALN20181004BHJP
【FI】
   F16H33/02 A
   F03G3/08 B
   B32B5/28 A
   !F16F15/305 A
【請求項の数】19
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-526706(P2016-526706)
(86)(22)【出願日】2014年7月18日
(65)【公表番号】特表2016-527452(P2016-527452A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】GB2014052206
(87)【国際公開番号】WO2015008089
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2017年6月23日
(31)【優先権主張番号】1312932.5
(32)【優先日】2013年7月19日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】511042821
【氏名又は名称】ジーケーエヌ ハイブリッド パワー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タラント,コリン・デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,コリン・レスリー
(72)【発明者】
【氏名】オルーク,ブライアン・パトリック
【審査官】 藤田 和英
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0206126(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0018344(US,A1)
【文献】 特表2001−500950(JP,A)
【文献】 特表2001−502034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 33/02
B32B 5/28
F03G 3/08
F16F 15/305
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状フライホイールロータ(26)を、シャフトとともに回転するために前記シャフト(76)に結合するためのロータ支持体(74)であって、長手軸(81)を有する本体を含み、前記長手軸の周りを、完成したフライホイールアセンブリにおいて前記本体が回転するロータ支持体において、
前記本体が、繊維を含む複合材料のシートのスタック(101〜105)を含み、
前記スタックが少なくとも2つの一方向性シートを含み、各一方向性シートはそれらの繊維の実質的に全てが同じ方向に延在し、
前記一方向性シートのうちの1つの前記繊維が、前記本体の長手軸に基づき、別の一方向性シートの前記繊維に対して異なる角度で配向され、
前記本体が、前記シートスタックの片面の上に提供された織布の少なくとも1つの片側層(40、42)を含み、
前記少なくとも1つの片側層が、前記スタックの層間剥離に抵抗するために、前記シートスタックの外周縁表面上に少なくとも途中まで延在する、ロータ支持体。
【請求項2】
前記本体が、前記シートスタックの前記外周表面上に延在する織布の少なくとも1つの周囲層(126)を含む、請求項に記載のロータ支持体。
【請求項3】
前記少なくとも2つの一方向性シートの2つの間に複合材料の中間層を含む、請求項1または2に記載のロータ支持体。
【請求項4】
前記中間層が、マトリックス材料中の非整列の繊維長さを含む、請求項に記載のロータ支持体。
【請求項5】
前記支持体の前記本体が、前記本体の長手軸と同軸である実質的に円錐台状の内向き表面を画定し、
前記内向き表面が、17〜26°の範囲内である、前記支持体の長手軸と垂直な面に対する角度を画定する、請求項1〜のいずれか一項に記載のロータ支持体。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか一項に記載の支持体と、前記支持体(74)に取り付けられたロータ(26)とを含むフライホイールアセンブリであって、前記支持体の前記本体は、前記本体の長手軸(81)と同軸である実質的に円錐台状の内向き表面を画定し、前記支持体が前記ロータと緊張した状態で適合されるように選択される前記本体の長手軸に対する角度を画定する、フライホイールアセンブリ。
【請求項7】
環状フライホイールロータ(26)を、シャフトとともに回転するために前記シャフト(76)に結合するためのロータ支持体(74)を製造する方法であって、前記支持体が長手軸(81)を有する本体を含み、前記長手軸の周りを、完成したフライホイールアセンブリにおいて前記本体が回転する方法において、
繊維を含む複合材料のシートのスタック(101〜105)を形成するステップであって、前記スタックが少なくとも2つの一方向性シートを含み、そのそれぞれはそれらの繊維の実質的に全てが同じ方向に延在しているステップと、
前記一方向性シートのうちの1つの前記繊維が、前記本体の長手軸に基づき、別の一方向性シートの前記繊維に対して異なる角度で配向されるように前記シートを積層するステップと、
織布の少なくとも1つの片側層(40、42)を、前記シートスタックの片面の上に適用するステップとを含み、
前記少なくとも1つの片側層が、前記スタックの層間剥離に抵抗するために、前記シートスタックの外周縁表面上に少なくとも途中まで延在する、方法。
【請求項8】
前記シートスタックの前記外周表面上に延在する織布の少なくとも1つの周囲層(126)を適用するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記ロータ支持体(74)をシャフト(76)に取り付けるステップと、前記支持体の外周表面を、前記シャフトを回転しながら予め決定されたプロファイルに機械加工するステップとを含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの周囲層(126)が前記少なくとも1つの片側層(40、42)と重なる、請求項に記載のロータ支持体。
【請求項11】
前記織布および/または前記シートの前記繊維が、炭素繊維、Eガラス繊維、Sガラス繊維、玄武岩繊維および窒化ホウ素繊維の少なくとも1つを含む、請求項1〜および10のいずれか一項に記載のロータ支持体。
【請求項12】
前記1つの一方向性シートの前記繊維と、前記他の一方向性シートの前記繊維との間の角度が約45°である、請求項1〜10および11のいずれか一項に記載のロータ支持体。
【請求項13】
前記スタックの前記シートの全て(101〜105)が一方向繊維を含む、請求項1〜および1012のいずれか一項に記載のロータ支持体。
【請求項14】
各シートの前記繊維(101〜105)が、前記本体の長手軸(81)に基づき、隣接シートの前記繊維に対して異なる角度で配向される、請求項1〜および1013のいずれか一項に記載のロータ支持体。
【請求項15】
前記少なくとも1つの周囲層(126)が前記少なくとも1つの片側層(40、42)と重なる、請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記織布および/または前記シートの前記繊維が、炭素繊維、Eガラス繊維、Sガラス繊維、玄武岩繊維および窒化ホウ素繊維の少なくとも1つを含む、請求項および15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記1つの一方向性シートの前記繊維と、前記他の一方向性シートの前記繊維との間の角度が約45°である、請求項15および16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記スタックの前記シートの全て(101〜105)が一方向繊維を含む、請求項および1517のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
各シートの前記繊維(101〜105)が、前記本体の長手軸(81)に基づき、隣接シートの前記繊維に対して異なる角度で配向される、請求項および1518のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動エネルギー保存に使用されるフライホイールに関し、より詳細には、複合材料を使用するフライホイールアセンブリの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
機械的運動エネルギーを保存するためにフライホイールを使用することはよく知られている。保存されるエネルギーの量は、フライホイールの質量およびその回転速度に依存する。フライホイールの運動エネルギーは、その角速度の二乗に比例する。しかしながら所与のフライホイールに保存できるエネルギーの量は、フライホイールアセンブリの頑丈さと、フライホイールアセンブリが高い回転速度時に受ける応力にどの程度影響されるかとに左右される。
【0003】
低い密度および高い比強度の材料からフライホイールアセンブリを形成することが望ましい。材料は極めて頑丈であることも必要である。例えばハイブリッド車両または非遮断性電源で使用するために、エネルギー保存フライホイールアセンブリは、極めて高い速度、10,000回転/分超で、または50,000または100,000回転/分超でさえ作動する必要がある。従って、これらのオーダーの速度で確実に作動できるフライホイールアセンブリに対するかなりの需要がある。
【0004】
(本出願人によって出願された)国際公開第2010/020806号パンフレットは、ロータが複合エンドキャップに接続されたフライホイールアセンブリを開示する。エンドキャップはシャフトに取り付けられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、環状フライホイールロータを、シャフトとともに回転するためにシャフトに結合するためのロータ支持体であって、長手軸を有する本体を含み、長手軸の周りを、完成したフライホイールアセンブリにおいて本体が回転するロータ支持体を提供し、
本体が、繊維を含む複合材料のシートのスタックを含み、
スタックが少なくとも2つの一方向性シートを含み、各一方向性シートはそれらの繊維の実質的に全てが同じ方向に延在し、
一方向性シートのうちの1つの繊維は、本体の長手軸に基づき、別の一方向性シートの繊維に対して異なる角度で配向され、
本体は、シートスタックの片側の上に提供された織布の少なくとも1つの片側層を含む。
【0006】
そのまたは各片側層は、スタックの層間剥離に抵抗するために、シートスタックの片面から、スタックの外周縁表面上に少なくとも途中まで延在し得る。
【0007】
シートスタックの外周縁表面上に延在する織布の少なくとも1つの周囲層が提供されてもよい。これは犠牲的な目的のために含めることができ、また支持体が所望のサイズに機械加工されるとき成形可能である。少なくとも1つの周囲層は、少なくとも1つの片側層と重なってもよい。
【0008】
織布および/またはシートは、炭素繊維、Eガラス繊維、Sガラス繊維、玄武岩繊維(basalt rock fibres)および窒化ホウ素繊維の少なくとも1つを含み得る。
【0009】
本発明のロータ支持体構成は、剛性の構成を提供する。好ましくは、それはその振動の共振周波数がその作動の間に直面する回転周波数より高いことを保証するのに十分に剛性である。同じく、乗り物に使用されるフライホイールは、ジャイロ作用および乗り物の動きに関連する他の力に耐える必要がある。
【0010】
好ましくは、1つの一方向性シートの繊維と、他の一方向性シートの繊維との間の角度は約45°である。この方法で複数のシートを相互に向けることにより、支持体の物理的特性をその軸周りで均等化しようとする。約45°の角度は、製造において達成するのに比較的簡単である一方で、十分な準等方的特性をロータ支持体にその本体の面において(すなわち、全方向における十分に均一な特性を繊維の面において)付与するために決定された。この均一性は、支持体が急速に回転されるとき、支持体のその円周方向周りの均一な偏向をもたらすのに望ましい。それは他の構成で達成可能であり得るが、それらは組立てがはるかにより複雑であり得る。
【0011】
各シートの繊維は、本体の長手軸に基づき、隣接シートの繊維に対して異なる角度で配向可能である。
【0012】
好ましい実施形態では、スタックのシートの全てが、炭素繊維の一方向性シートである。それらは適切なマトリックス材料で予め含浸されてもよい。この支持体構成は、それらが繊維織材料よりもさらに頑丈になるように、一方向性複合シートを使用する。
【0013】
支持体は2つの隣接シート間に複合材料の中間層を含んでもよい。例えば、中間層は、マトリックス材料中の非整列の繊維長さを含み得る。これは、必要なシートの数を低減し、代わりにより低いコストの複合充填材料を使用することによって、支持体のコストをさらに低減することを可能にし得る。
【0014】
支持体の本体は、本体の長手軸と同軸である実質的に円錐台状の内向き表面を画定し得る。好ましくは、内向き表面は、17〜26°の範囲内である、支持体の長手軸と垂直な面に対する角度を画定する。
【0015】
本発明はまた、本明細書に定義された支持体を含むフライホイールアセンブリを提供する。ロータを支持体に取付け可能であり、このとき支持体の円錐台状の内向き表面は、支持体がロータと緊張した状態で適合される(strain matched)ように選択される、本体の長手軸に対する角度を画定する。このようにして、ロータおよび支持体は、アセンブリが回転されるとき同じように変形し、2つの構成要素の分離を回避するように構成される。
【0016】
本発明はさらに、環状フライホイールロータを、シャフトとともに回転するためにシャフトに結合するためのロータ支持体であって、長手軸を有する本体を含み、長手軸の周りを、完成したフライホイールアセンブリにおいて本体が回転するロータ支持体を製造する方法を提供し、方法は、
繊維を含む複合材料のシートのスタックを形成するステップであって、スタックが少なくとも2つの一方向性シートを含み、そのそれぞれはそれらの繊維の実質的に全てが同じ方向に延在しているステップと、
一方向性シートのうちの1つの繊維が、本体の長手軸に基づき、別の一方向性シートの繊維に対して異なる角度で配向されるようにシートを積層するステップと、
織布の少なくとも1つの片側層を、シートスタックの片側の上に適用するステップと
を含む。
【0017】
方法は、ロータ支持体をシャフトに取り付けるステップと、支持体の外周表面を、シャフトを回転しながら予め決定されたプロファイルに機械加工するステップとを含み得る。
【0018】
次に本発明の実施形態を例としておよび添付の概略図を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明を具現化するロータ支持体を含むフライホイールアセンブリの側断面図である。
図2図1に示されるロータ支持体の平面図である。
図3図2に示されるロータ支持体の線A−Cに沿った断面図である。
図4】本発明を具現化するロータ支持体の製造に使用するための一連の炭素繊維シートを示す。
図5図2に示されるロータ支持体の線A−Bに沿った断面図である。
図6図1のフライホイールアセンブリの一部の断面図であり、好ましい強度値が付加されている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明の実施形態によるロータ支持体74を含むフライホイールアセンブリ70を示す。アセンブリは、環状外側ロータ部分26と、内側環状ロータ部分または環状部66とを有するロータアセンブリを含む。外側ロータ26は、樹脂材料マトリックス中の炭素繊維の一方向フィラメントを含む複合材料から形成される。内側環状部66は、樹脂および磁性粒子の混合物から形成されたマトリックス中のガラス繊維の一方向フィラメントから形成される。
【0021】
ロータアセンブリは、ハブまたはエンドキャップの形態のロータ支持体74によって支持される。エンドキャップは、その内縁部および外縁部で円筒表面によって接合された2つの概ね円錐状の表面を画定する層状体である。リング84がエンドキャップとロータアセンブリとの間に提供される。ロータ支持体の外周がリング84を支持し、外側ロータが次にリングに取り付けられる。ロータ支持体は中央円形開口部68を有する。
【0022】
中心シャフト76はロータ支持体74の開口部68を通って延在する。シャフトは円周方向に延在するフランジ88を含む。ロータ支持体は、シャフト76に螺着される締付ナット86によってフランジ88に対して保持される。抗フレッチングシム64がナット86とエンドキャップ74との間に設けられる。シャフトはベアリング90および92によってフライホイールアセンブリの長手軸81の周りを回転するために支持される。ベアリングは次にフライホイールアセンブリの格納容器(不図示)によって支持される。ロータアセンブリは、格納容器によって支持される電気モータ発電機ステータ94の周りを回転可能である。
【0023】
乗り物でエネルギーを保存するために使用されるフライホイールは約350mmの外径を有し得、ここで例えば外側ロータの内径は約290mmであり、内側環状部の内径は約250mmである。
【0024】
次に図1に示されるロータ支持体の製造を図2〜5を参照して記載する。
図2はロータ支持体74を平面図で示し、図2に示される線A−Cに沿った側断面図が図3に示される。ロータ支持体は長手軸28の周りで回転対称である。それは円錐台状であり、円錐形状の軸は長手軸28と一致している。支持体の本体は、実質的に一定の断面厚さを有する。その外周は実質的に円筒状の表面127を画定し、実質的に円筒状の表面127は軸28を中心にして置かれる。中央開口部68と周縁部127との間に本体は外向き円錐台状表面30と内向き円錐台状表面32とを画定する。
【0025】
本体は炭素繊維材料の多層を含む。図4に示されるように、各C字形の層が一方向性炭素繊維材料のシートから切り取られる。図5に示される完成ロータ支持体に統合される前の多数のそのようなシート101〜105が図4に示される。実際には例えば50の層を含むことができる。層はエンドキャップの製造の間にモールドに配置されるとき所望の円錐形状を形成するようにC字形である。
【0026】
図4に示されるように各シートは支持体の中心軸28に対して異なる角度で向けられる。示される例では各層は前の層に対して45°回転される。ロータ支持体に組み込まれる層の数は、必要な軸方向剛性および強度をもたらすように選択される。
【0027】
円錐体74はその長手軸28に垂直な面に対する角度36を画定する。この角度は例えば17〜26°の範囲内、およびより好ましくは約20°の角度であり得る。この角度は、高速で回転する間ロータアセンブリの一体性を保証するために、取り付けられるべきロータと支持体が緊張した状態で適合されるように選択される。
【0028】
ロータ支持体の本体の上側シートおよび底側シートの外面は、炭素織布の各層40、42で被覆される。これらの層はシートの一部または全部の外縁部を越えて延在する。シートを越えて延在する部分は、シートの一部または全部の外縁部の上に延在するように折り曲げられる。本体の内面上のシート42は、本体の周縁部の周りで外層40によって重ねられる。炭素織材料は、それが十分に柔軟である一方で高い応力に耐えることができるとき、使用される。
【0029】
1つまたは複数の炭素織クロスの追加層126が、ロータ支持体の周縁部の周りで層40、42の上に適用される。
【0030】
炭素布の層40、42はロータ支持体を強靭化するために提供される。特に、それらが支持体の周縁部の周りに巻かれるとき、それらはシート(101など)の層間剥離に抵抗する働きをする。
【0031】
炭素織布の追加の円周方向層126は、層40、42またはそれらの中のシートを損傷することによって支持体を脆弱化することなくエンドキャップが所望の直径に正確に機械加工されることを可能にするために、犠牲的な目的で主に提供される。例えば、ロータ支持体は、図1に示されるリング84など、ロータアセンブリの周囲構造体との締まり嵌め部分であるように意図されてもよい。従って、その円周の機械加工が、その形状の必要な精度をもたらすために要求される。
【0032】
一方向性炭素繊維シートは、T700またはT800繊維またはその等価物から、約58%の繊維体積率で好ましくは製造される。これらのシートに使用される樹脂は、フライホイールが作動する環境に適切なTg(作動温度特性)(例えば100℃未満)を有する強化エポキシである。代替策は、予想される作動温度を再び考慮しつつ、PEEK、PET等などの熱可塑性マトリックス材料を使用することである。
【0033】
炭素繊維織布は、一方向性シートに関して上で記載したものと同じ範囲の材料から、同じ(または同様の)繊維体積率でおよび同じ樹脂系を使用して、製造可能である。使用される織り方パターンは、例えば5枚朱子織など、ある範囲の織り方から選択可能である。
【0034】
エンドキャップは、精密な閉鎖モールド内でプライを組み立てることによって製造可能である。アセンブリは、少なくとも5気圧の圧力の下でシート中の樹脂系が溶融する温度まで加熱される。エポキシなどの熱硬化性マトリックスの場合、それは、エポキシ系が硬化するまでこれらの条件の下で保持される。続いてそれは冷却され、エンドキャップはモールドから取り出される。熱可塑性マトリックスが使用される場合、アセンブリは、層中のマトリックスが相互に混合し連結した構造を形成することを可能にする圧力下にマトリックス材料の溶融温度まで加熱され、続いて冷却される。
【0035】
さらなる形態において、複合材料の中間層が、シートスタックの隣接シート間において、ロータ支持体に含まれてもよい。この材料は、一方向繊維シートの数を低減することを許容する一方で十分な強度および剛性を有する完成ロータ支持体をなおも提供することによって支持体がより低コストのものになるように選択される。
【0036】
中間層は、樹脂材料と、ランダムに配向された短繊維フィラメントとの混合物から形成されてもよい。フィラメントは例えば炭素から形成されてもよく、また、1〜2cmまたはそれ以上の長さであってもよい。
【0037】
図6の実施形態に示されるように、エンドキャップ74の半径方向引張り強度は比較的高く、約60〜70MPaである。対照的に、リングの半径方向(および軸方向)横断圧縮強度は低く(14〜16MPa)、ロータのそれ(6.5〜7.5MPa)は、さらにより低い。従ってリングは半径方向においてロータよりも強靭であり、負荷伝播要素としての役割を果たす。リングは、はるかにより硬いエンドキャップが組立ての間比較的軟質なロータに食い込み、損傷を与えることを防止する。エンドキャップの周方向強度(すなわち、円周方向のその強度)は、この実施形態では約45〜55MPaである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6