特許第6407369号(P6407369)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407369
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】カスタムメイドマフラ
(51)【国際特許分類】
   F01N 1/02 20060101AFI20181004BHJP
   F01N 1/08 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   F01N1/02 J
   F01N1/08 K
   F01N1/08 L
   F01N1/08 N
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-136662(P2017-136662)
(22)【出願日】2017年7月12日
(62)【分割の表示】特願2016-536399(P2016-536399)の分割
【原出願日】2014年8月20日
(65)【公開番号】特開2017-187044(P2017-187044A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2017年7月13日
(31)【優先権主張番号】61/867,821
(32)【優先日】2013年8月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/462,857
(32)【優先日】2014年8月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505318721
【氏名又は名称】テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Tenneco Automotive Operating Company Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】カー,リチャード ティー.
(72)【発明者】
【氏名】バウムガートナー,フレデリック エム.
(72)【発明者】
【氏名】ベドナーツ,デイヴィッド アール.
(72)【発明者】
【氏名】シン,ディープ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォルワース,ブラッドリー ビー.
【審査官】 小笠原 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−248824(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0229913(US,A1)
【文献】 特開2007−303362(JP,A)
【文献】 特開2005−169486(JP,A)
【文献】 特表2001−524636(JP,A)
【文献】 特開2011−069371(JP,A)
【文献】 特開2011−241682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 1/02
F01N 1/08
F01N 13/00
F01N 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの排気を受けるマフラであって、
第一の端部分と、第二の端部分と、それらの間に設置された中央部分とを含む一体型シェルであって、前記シェルの縦軸に平行に延び、かつ第一の継ぎ目端と、前記第一の継ぎ目端から離間された第二の継ぎ目端とで終了する継ぎ目を含み、前記第一および第二の端部分が第一および第二の空洞を画定し、前記第一および第二の空洞のうちの少なくとも一方の断面積が前記中央部分により画定される中央空洞の断面積より大きく、前記第一、第二、および中央空洞の前記断面積が前記縦軸に垂直な平面により画定される、シェルと、
前記シェルの前記中央部分および前記シェルの前記第一の端部分の一方の中に設置され、かつ第一のパイプと、バッフルとを含む第一のサブアセンブリと、
前記シェルの前記第二の端部分の中に設置され、かつ前記第一のサブアセンブリの前記第一のパイプと流体接続された第一のアウトレットパイプを含む第二のサブアセンブリとを含み、
前記第二のサブアセンブリは、前記シェルを貫通する第一のインレットパイプを含み、前記第一のインレットパイプは前記第一のアウトレットパイプから分離され、かつ離間しているマフラ。
【請求項2】
前記第一および第二の端部分に取り付けられ、かつ前記第一、第二、および中央空洞を取り囲む第一および第二のエンドキャップをさらに含む、請求項1に記載のマフラ。
【請求項3】
前記シェルを貫通し、かつ前記第一のアウトレットパイプと固定的に係合するブッシュをさらに含む、請求項1に記載のマフラ。
【請求項4】
前記ブッシュは前記シェルと前記第一のアウトレットパイプと直接係合する、請求項3に記載のマフラ。
【請求項5】
前記第一および第二の端部分は楕円形の断面を有する、請求項1に記載のマフラ。
【請求項6】
前記バッフルは前記縦軸に垂直に延びる、請求項4に記載のマフラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内燃機関のための排気システム用マフラに関する。
【背景技術】
【0002】
この項は、本開示に関係する背景情報を提供し、必ずしも先行技術ではない。
【0003】
エンジンから1本または複数の排気管を通る排気ガスの流れは、相当量の騒音を発生させうる。この騒音を軽減させ、および/または排気システムを調整して、そこを通る排気ガスの流れが生成する音を所望の範囲内にするために、マフラが排気システムに使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つのマフラを提供して、2本の排気管からの排気ガスを受けることができる(すなわち、デュアルエキゾースト構成)。かかるシングルマフラデュアルエキゾーストシステムの設計においてはしばしば、パッケージング空間と性能との間のトレードオフがなされる。本開示は、車両上の限られた空間内にフィットし、それと同時に所望のレベルの性能をもたらすマフラを提供する。本開示はまた、かかるマフラの効率的かつ費用対効果の高い製造方法も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この項は、本開示の概要を提供しており、その範囲全体またはその特徴のすべてを包括的に開示するものではない。
【0006】
1つの形態において、本開示はエンジンからの排気を受けるマフラを提供する。マフラはシェルと、第一、第二、および第三のサブアセンブリとを含んでいてもよい。一体型シェルは第一の端部分と、第二の端部分と、それらの間に設置される中央部分とを含んでいてもよい。シェルは継ぎ目を含んでいてもよく、これは、シェルの縦軸に平行に延び、かつ第一の継ぎ目端と、第一の継ぎ目端から離間された第二の継ぎ目端とで終了する。第一および第二の端部分は第一および第二の空洞を画定してもよい。第一および第二の空洞のうちの少なくとも一方の断面積は、中央部分により画定される中央空洞の断面積より大きい。第一、第二、および中央空洞の断面積は、縦軸に垂直な平面により画定されてもよい。第一のサブアセンブリは、シェルの中央部分の中に設置されてもよく、かつ第一および第二のパイプと、複数のバッフルとを含んでいてもよい。第二のサブアセンブリは、シェルの第一の端部分の中に設置されてもよく、かつ第一のサブアセンブリの第一のパイプと流体接続された第一のアウトレットパイプを含んでいてもよい。第三のサブアセンブリは、シェルの第二の端部分の中に設置されてもよく、かつ第一のサブアセンブリの第二のパイプと流体接続された第二のアウトレットパイプを含んでいてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態において、マフラは第一および第二のエンドキャップを含み、これらは第一および第二の端部分に取り付けられ、かつ第一、第二、および中央空洞を取り囲む。
【0008】
いくつかの実施形態において、マフラは第一および第二のブッシュを含み、これらはシェルを貫通し、かつ第一および第二のアウトレットパイプと固定的に係合する。
【0009】
いくつかの実施形態において、第一および第二のブッシュはシェルと第一および第二のアウトレットパイプと直接係合する。
【0010】
いくつかの実施形態において、第二および第三のサブアセンブリは、シェルを貫通する第一および第二のインレットパイプを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、マフラはブッシュを含み、これらはシェルを貫通し、かつ第一および第二のアウトレットパイプと第一および第二のインレットパイプと固定的に係合する。
【0012】
いくつかの実施形態において、第一および第二の端部分は楕円形の断面を有する。
【0013】
いくつかの実施形態において、バッフルは相互に平行に、かつ縦軸に垂直に延びる。
【0014】
他の形態において、本開示はマフラを提供し、これは管状シェルと、複数のバッフルと、第一および第二のインレットパイプと、第一および第二の長尺状パイプとを含んでいてもよい。管状シェルは、第一および第二の端空洞と、それらの間に設置された中央空洞とを画定してもよい。第一および第二の端空洞の断面積は、中央空洞の断面積より大きくてもよい。空洞の断面積は、管状シェルの縦軸に垂直な平面により画定される。第一のバッフルは第一の端空洞内に設置されてもよく、かつその中に第一のチャンバを画定してもよい。第一のバッフルは、第一のチャンバと中央空洞とを分離してもよく、および第一のチャンバと中央空洞との間の流体連通を可能にする孔を含んでいてもよい。第二のバッフルは第二の端空洞内に設置されてもよく、かつその中に第二のチャンバを画定してもよい。第二のバッフルは第二のチャンバと中央空洞とを分離してもよく、および第二のチャンバと中央空洞との間の流体連通を可能にする孔を含んでいてもよい。第三のバッフルは、中央空洞内に設置されてもよく、かつ第一のバッフルと協働してそれらの間に第三のチャンバを画定してもよい。第四のバッフルは中央空洞内に設置されてもよく、かつ第二のバッフルと協働してそれらの間に第四のチャンバを画定してもよい。第一のインレットパイプは、排気ガスの第一の部分を第一のチャンバの中へと誘導してもよい。第二のインレットパイプは、排気ガスの第二の部分を第二のチャンバの中へと誘導してもよい。第一の長尺状パイプは第一、第三、および第四のバッフルを貫通してもよく、かつ第四のチャンバ内にある入口を含んでいてもよい。第一の長尺状パイプは、排気ガスを第四のチャンバから、第一の端空洞においてシェルを貫通する第一の出口へと誘導してもよい。第二の長尺状パイプは、第二、第三、および第四のバッフルを貫通してもよく、かつ第三のチャンバ内にある入口を含んでいてもよい。第二の長尺状パイプは、排気ガスを第三のチャンバから、第二の端空洞においてシェルを貫通する第二の出口へと誘導してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、マフラは、中央空洞の中の、第三および第四のバッフルの間に設置される第五のバッフルを含む。第三および第五のバッフルは、それらの間に第五のチャンバを画定してもよい。第四および第五のバッフルは、それらの間に第六のチャンバを画定してもよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、マフラは第六のバッフルを含み、これは第一の端空洞内に設置され、かつ第一のバッフルと協働して第一のチャンバを画定する。
【0017】
いくつかの実施形態において、マフラは第七のバッフルを含み、これは第二の端空洞内に設置され、かつ第二のバッフルと協働して第二のチャンバを画定する。
【0018】
いくつかの実施形態において、マフラは、シェルのそれぞれの軸端に取り付けられた第一および第二のエンドキャップを含む。第一のエンドキャップは第六のバッフルと協働してそれらの間に第七のチャンバを画定してもよい。第二エンドキャップは、第七のバッフルと協働してそれらの間に第八のチャンバを画定してもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、シェルは継ぎ目を含む一体型のシェルであり、継ぎ目はシェルの縦軸に平行に延び、かつ第一の継ぎ目端と、第一の継ぎ目端から離間された第二の継ぎ目端とで終了する。
【0020】
いくつかの実施形態において、第一および第二の端空洞は楕円形の断面を有する。
【0021】
いくつかの実施形態において、マフラはブッシュを含み、これはシェルを貫通し、かつ第一および第二のインレットパイプと第一および第二の出口と固定的に係合する。
【0022】
いくつかの実施形態において、第一および第二の端空洞のうちの一方の断面積は、第一および第二の空洞の他方の断面積より大きい。
【0023】
いくつかの実施形態において、第一および第二の端空洞のうちの一方の断面形状は、第一および第二の空洞の他方の断面形状と異なる。
【0024】
他の形態において、本開示は内燃機関の排気システムのためのマフラの製造方法を提供する。この方法は、第一および第二の対向する縁部分を有する平坦な継ぎ目のないシートメタルブランクを提供するステップを含んでいてもよい。ブランクを、第一および第二の縁部分が相互に対向するように曲げ、かつ第一および第二の縁部分を相互に接触した状態で固定することによって、ブランクを管状シェルに形成してもよい。いくつかの実施形態において、管状シェルは、1枚のみのシートメタルブランクのみから形成されてもよい。管状シェルは中央空洞と第一および第二の端空洞とを画定してもよい。第一および第二の端空洞の断面積は中央空洞の断面積より大きくてもよい。第一のサブアセンブリは、管状シェルの第一の軸端から挿入されてもよい。第一のサブアセンブリは、中央空洞内に位置付けられてもよく、第一および第二のパイプと、複数のバッフルとを含んでいてもよい。第二のサブアセンブリは、管状シェルの第一の軸端の中に挿入されてもよい。第二のサブアセンブリは、第一の端空洞の中に、第二のサブアセンブリの第一のアウトレットパイプが第一のサブアセンブリの第一のパイプと流体接続されるように固定されてもよい。第三のサブアセンブリは、管状シェルの第二の軸端に挿入されてもよい。第三のサブアセンブリは、第二の端空洞の中に、第二のサブアセンブリの第二のアウトレットパイプが第一のサブアセンブリの第二のパイプと流体接続されるように固定されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、方法は、第一のブッシュを、管状シェル内に形成された第一の出口の中と第一のアウトレットパイプの中とに挿入するステップを含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、方法は、拡張工具を使って第一のブッシュを拡張し、第一のブッシュの外径を大きくして、ブッシュを出口および第一のアウトレットパイプに固定的に連結するステップを含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、第三のサブアセンブリは、第一および第二のサブアセンブリが管状シェルに挿入される前に管状シェルに挿入される。
【0028】
いくつかの実施形態において、第三のサブアセンブリは、第一および第二のサブアセンブリが管状シェルに挿入された後に管状シェルに挿入される。
【0029】
いくつかの実施形態において、第二のサブアセンブリは第一のインレットパイプと、第一のインレットパイプを通る流体流を制御するように構成された第一の弁アセンブリとを含む。第三のサブアセンブリは、第二のインレットパイプと、第二のインレットパイプを通る流体流を制御するように構成された第二の弁アセンブリとを含んでいてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、方法は、ブッシュを第一および第二のインレットパイプと第一および第二のアウトレットパイプとの各々に挿入するステップと、拡張工具を使ってブッシュを拡張してブッシュの外径を大きくし、ブッシュを第一および第二のインレットパイプと第一および第二のアウトレットパイプとに固定的に連結するステップとを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、管状シェルの第一および第二の縁部分を相互に接触した状態で固定するステップは、第一および第二の縁部分を一体に溶接するステップを含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、方法は、第一および第二のエンドキャップを管状シェルの第一および第二の軸端に固定するステップを含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、平坦な継ぎ目のないシートメタルブランクは、ブランクが管状シェルに形成される前に、ドッグボーン形状を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、方法は、管状シェルの中に複数の長い畝を形成するステップを含む。畝は、縦軸に平行に長手方向に延びてもよく、かつ複数のバッフルに形成されたノッチの中に受けられてもよい。
【0035】
その他の適用可能分野は、本明細書中に提供される説明から明らかとなるであろう。この概要内の説明および具体的な例は例示を目的としているにすぎず、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
【0036】
本明細書に記載されている図面は、選択された実施形態のみを例示することを目的としており、必ずしもあらゆる考えうる実装形態というわけではなく、また、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】排気システムとエンジンに流体連結されたマフラの平面図である。
図2】マフラの斜視図である。
図3】マフラの分解斜視図である。
図4図1の線4−4に沿って切断されたマフラの断面図である。
図5】マフラの第一のカートリッジまたはサブアセンブリの分解図である。
図6】マフラの他のカートリッジまたはサブアセンブリの分解図である。
図7】マフラの製造方法のフローチャートである。
図8】マフラのシェルがそこから形成されるブランクの平面図である。
図9】管状に丸められ、溶接された状態のブランクの端面図である。
図10】マフラのシェルの中に挿入される第一のサブアセンブリの斜視図である。
図11】マフラのシェルの中に挿入される別のサブアセンブリの斜視図である。
図12】マフラのシェルの中に挿入される別のサブアセンブリの斜視図である。
図13】ブッシュをマフラに固定するためにブッシュを拡張する拡張工具の断面図である。
図14】マフラに取り付けられるエンドキャップの斜視図である。
図15】別のマフラの平面図である。
図16】また別のマフラの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図面中の複数の図を通じて、対応する参照番号は対応する部品を示す。
【0039】
ここで、添付の図面を参照しながら、例示的実施形態をさらに詳しく説明する。
【0040】
例示的実施形態は、本開示を完全なものとし、当業者にその範囲が十分に伝わるように提供される。具体的な構成要素、装置、および方法の例等、多数の具体的な詳細事項が、本開示の実施形態が十分に理解されるように記載されている。当業者にとっては明らかであるように、具体的な詳細事項を利用しなければならないわけではなく、例示的実施形態は多くの様々な形態で実施でき、何れも本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。いくつかの例示的実施形態において、よく知られたプロセス、よく知られた装置の構造、およびよく知られた技術は詳しく説明しない。
【0041】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的実施形態のみを説明することを目的としており、限定しようとするものではい。本明細書で使用されるかぎり、単数形の冠詞(1つの(a)、1つの(an)、その(the))は、文脈上明らかに他の意味である場合を除き、複数形も含むものであってもよい。「〜を含む(comprises、comprising、including、having)」という用語は包括的であり、したがって、明記された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明示しており、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在を排除していない。本明細書において説明されている方法ステップ、プロセス、および動作は、実行順序として特に特定されている場合を除き、必ずしも、説明または図示された特定の順序で実行しなければならないとは解釈されない。また、当然のことながら、追加または代替的なステップが利用されてもよい。
【0042】
ある要素または層が他の要素または層「と接触している」、「と係合する」、「に接続されている」、または「に連結されている」と記載されている場合、これは直接的に他の要素または層と接触し、それと係合し、それに接続され、またはそれに連結されていても、または中間の要素または層が存在していてもよい。反対に、ある要素が他の要素または層「に直接接触している」、「と直接係合する」、「に直接接続されている」、または「に直接連結されている」と記載されている場合、中間の要素または層が存在していないことがありうる。要素間の関係を説明するために使用されるその他の用語も同様の方法で解釈されるべきである(例えば、「〜との間」に対して「直接〜との間」、「隣接する」に対して「直接隣接する」等)。本明細書中で使用されるかぎり、「および/または」という用語は、列挙された関連する項目のうちの何れか1つまたはそれらのうちの1つまたは複数の組合せを含む。
【0043】
第一の、第二の、第三の、等の用語が本明細書において、各種の要素、構成要素、領域、層、および/または区域を説明するために使用されていることがあるが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/または区域はこれらの用語により限定されるべきではない。これらの用語は1つの要素、構成要素、領域、層、または区域を他の領域、層、または区域から区別するために使用されているにすぎないことがありうる。「第一の」、「第二の」、およびその他の数的な用語は、本明細書で使用されるかぎり、文脈上、明確に示されている場合を除き、あるシーケンスまたは順序を黙示していない。それゆえ、後述の第一の要素、構成要素、領域、層、または区域を第二の要素、構成要素、領域、層、または区域と呼び換えても、例示的実施形態の教示から逸脱しない。
【0044】
空間的な関係を示す用語、例えば「内側」、「外側」、「下」、「下方」、「上」、「上方」、およびその他が本明細書において、1つの要素または特徴の、他の要素、または特徴に対する図に示されている関係を説明するために、容易な説明として使用されていることがありうる。空間的な関係を示す用語は、図中に示されている向きに加えて、使用中または動作中の装置の異なる向きを包含するものとされてもよい。例えば、図中の要素を反転した場合、他の要素または特徴の「下方」または「下」と説明された要素は、したがって、他の要素または特徴の「上方」の向きとなるであろう。それゆえ、「下方」という用語は、上下の向きの両方を含むことができる。装置は、その他の向きとされても(90度回転させられるか、またはその他の向きとされても)よく、本明細書中で使用されている空間的な関係を示す記述語は相応に解釈される。
【0045】
図1〜14を参照すると、例示的なマフラ10が提供されており、これはエンジン14(図1に概略的に示される)に接続された1対の排気管12(図1に概略的に示される)からの排気ガスを受けてもよい。マフラ10は、車両(図示せず)上の所与の利用可能空間内に適合するような形状とされてもよい。例えば、マフラ10は、車両のスペアタイヤ装着スペースおよび/または車両の車台に、またはその付近にあるその他の構成要素の周囲に適合するような形状とされてもよい。
【0046】
マフラ10は、シェル16と、第一のカートリッジまたはサブアセンブリ18と、第二のカートリッジまたはサブアセンブリ20と、第三のカートリッジまたはサブアセンブリ22とを含んでいてもよい。サブアセンブリ18、20、22はシェル16の内部に設置される。第一および第二のエンドキャップ24、26は、シェル16の軸端に固定されて、サブアセンブリ18、20、22をシェル16の内部に包囲する。
【0047】
シェル16は、単独の、継ぎ目のないシートメタルブランク202(図8)から形成される、概して管状の部材であってもよい。シェル16は、第一および第二の外側部分28、30と、凹んだ中央部分32とを含んでいてもよい。シェル16の縦軸A(図2)は、第一および第二の外側部分28、30を貫通してもよい。第一および第二の外側部分28、30は、それぞれ第一および第二の外側空洞34、36を画定する。中央部分32は、外側空洞34、36間に設置され、これらと連通する中央空洞38を画定する。図2および3に示されるように、中央部分32の厚さは、第一よび第二の外側部分28、30の厚さより薄い。換言すれば、第一および第二の外側空洞34、36の断面積(すなわち、第一および第二の外側空洞34、36の、縦軸Aに垂直で、縦軸Aが通る平面の断面積)は、中央空洞38の断面積(すなわち、中央空洞38の、縦軸Aに垂直で、縦軸Aが通る平面の断面積)より大きい。
【0048】
外側空洞34、36は、概して楕円形の断面を有していてもよい。中央空洞38は、切頭楕円形の断面を有していてもよい。第一および第二の外側部分28、30は、図2および3において、実質的に相互の正確な鏡像であるように示されているが、いくつかの実施形態において、外側部分28、30のうちの一方は、外側部分28、30の他方より大きく、および/またはそれとは異なる形状であってもよい。
【0049】
第一および第二の外側部分28、30の各々は、入口開口部40と出口開口部42を含んでいてもよい。入口および出口開口部40、42は、空洞34、36、38と連通する。中央部分32は、比較的平坦な第一の面44と、第一の面44と反対の湾曲した第二の面46とを含んでいてもよい。第一および第二の傾斜面48、50が、中央部分32の第一の面44と、それぞれ第一および第二の外側部分28、30との間に延びる。第一の面44の外面は、その中に形成された複数の溝51を含んでいてもよい。溝51は、第一の面44の内面上に畝を形成する。第二の面46は、外側部分28、30と同じまたは同様の形状を有していてもよい。
【0050】
第一のカートリッジまたはサブアセンブリ18は、中央空洞38の中に受けられてもよく、1対の外側バッフル52と、中央バッフル54と、第一の長尺状パイプ56と、第二の長尺状パイプ58とを含んでいてもよい。中央バッフル54は外側バッフル52間に設置される。バッフル52、54は、縦軸Aに垂直に配置され、中央空洞38の断面形状に実質的にマッチする形状を有する。このようにして、外側バッフル52は、中央バッフル54と協働して1対のチャンバ60を画定する。いくつかの実施形態において、中央バッフル54はチャンバ60を相互から密閉状態に分離して、それらの間の流体連通を防止する。他の構成では、チャンバ60は相互に流体連通可能とされてもよい。外側バッフル54は孔62を含んでいてもよく、そこを通じて流体波および/または音波がチャンバ60の中へ、およびそこから外へと移動できる。支持ロッド64はバッフル52、54を貫通し、剛性を与え、第一のサブアセンブリ18を補強する。バッフル54、54は、シェル16の畝を受けるノッチ65(すなわち、溝50の内側)を含んでいてもよい。
【0051】
第一および第二の長尺状パイプ56、58は、バッフル52、54を貫通し、それらによって支持される。第一および第二の長尺状パイプ56、58の各々は、実質的にまっすぐな部分66と概してS字形または蛇行端部分68を含んでいてもよい。各パイプ56、58のまっすぐの部分または蛇行部分66、68の一方または両方は複数の換気孔70を含んでいてもよく、これを通じて流体波および/または音波がパイプ56、58の中へ、およびそこから外へと移動できる。
【0052】
第二および第三のカートリッジまたはサブアセンブリ20、22は、それぞれ第一および第二の外側空洞34、36の中に受けられてもよい。第二および第三のサブアセンブリ20、22は、相互に同様または同一とすることができる。第二および第三のサブアセンブリ20、22の各々は、内側バッフル71と、外側バッフル72と、インレットパイプ74と、アウトレットパイプ76とを含んでいてもよい。
【0053】
バッフル71、72は、相互に離間され、相互に平行で、それらの間にチャンバ78を形成してもよい。支持部材77、79は、バッフル71、72間に延び、これらと係合して、バッフル71、72を相互に関してしっかりと固定する。第二のサブアセンブリ20の外側バッフル72は、第一のエンドキャップ24と協働して、それらの間に外側チャンバ80を形成してもよい。第三のサブアセンブリ22の外側バッフル72は、第二のエンドキャップ26と協働して、それらの間に他の外側チャンバ80を形成してもよい。第二および第三のサブアセンブリ20、22の内側バッフル71は、第一のサブアセンブリ18の外側バッフル52と協働して、それらの間に追加のチャンバ82を形成してもよい。第二および第三のサブアセンブリ20、22のバッフル71、72は孔84を含んでいてもよく、これを通じて流体波および/または音波がチャンバ78からチャンバ80、82へ、およびチャンバ78から出てチャンバ80、82の中へと移動できる。
【0054】
インレットパイプ74は、チャンバ82を貫通し(対応するバッフル52,71との間)、および対応する内側バッフル71を貫通してもよい。インレットパイプ74の第一の端86は、排気管12(図1)の対応する一方に、シェル16を貫通するブッシュ88によって連結されてもよい。各インレットパイプ74の第二の端90は、対応するチャンバ78(バッフル71、72間)に設置されてもよい。弁92が、排気管12からインレットパイプ74を通ってチャンバ78に入る排気ガスの流れに対する抵抗を変化させるためにインレットパイプ74の内部に設置されてもよい。弁92は、閉位置に向かって付勢された回転可能なフラップを含む。弁を通る流れは、弁フラップが閉位置にあるときに制限される。排気ガスの圧力が上昇すると、弁フラップが開位置へと回転して、排気ガス流の制限が最小化される。
【0055】
第二のサブアセンブリ20のアウトレットパイプ76は、第二のサブアセンブリ20の内側バッフル71を貫通してもよく、第一の端94おいて、第一のサブアセンブリ18の第一の長尺状パイプ56の蛇行部分68に流体連結されてもよい。第三のサブアセンブリ22のアウトレットパイプ76は第三のサブアセンブリ22の内側バッフル71を貫通してもよく、第一の端94において、第一のサブアセンブリ18の第二の長尺状パイプ58の蛇行部分68に流体連結されてもよい。アウトレットパイプ76の第二の端96は、チャンバ78の中に設置されて、支持部材77を貫通し、シェル16を貫通するブッシュ98と係合してもよい。したがって、第三のサブアセンブリ22に隣接するチャンバ82内の排気ガスは、第一の長尺状パイプ56を通って流れ、第二のサブアセンブリ20のアウトレットパイプ76を通ってマフラ10から出てもよい。同様に、第二のサブアセンブリ20に隣接するチャンバ82内の排気ガスは、第二の長尺状パイプ58を通って流れ、第三のサブアセンブリ22のアウトレットパイプ76を通ってマフラ10から出てもよい。図には示されていないが、ブッシュ98にはテイルパイプが連結されてもよい。排気ガスはマフラ10からテイルパイプを通って周辺環境中へと流れてもよい。
【0056】
図7〜14を参照して、マフラ10の製造方法200を説明する。前述のように、マフラ10のシェル16は、単独の、継ぎ目のないシートメタルブランク202(図8)から形成されてもよい。図8に示されるように、平坦な状態では、ブランク202は概してドッグボーン形状(すなわち、比較的狭く、長い中央部分と、広がった端部分を有する形状)を有していてもよく、第一および第二の対向する横方向の縁部分204、206を含む。他の実施形態において、ブランク202は、概して長方形とすることも、他の何れの所望の形状とすることもできる。
【0057】
図7に示されるように、方法200のステップ210で、ブランク202は、概して管状のシェル16の形状に丸められてもよい。すなわち、ブランク202は、ブランク202の第一および第二の縁部分204、206が相互に対向するように丸められる。ステップ220で、第一および第二の縁部分204、206は相互に接触した状態とされ(図9に示される)、シェル16の一方の軸端207から他方の軸端209まで延びる縦軸Aに平行に延びる1本の継ぎ目208を形成する。縁204、206は、溶接および/またはその他の方法で適当に相互に結合されてもよい。ステップ230で、シェル16は、スピニング、プレス、コイニング、および/またはその他の方法で、図に示され、および/または上で説明された各種の輪郭、形状、および/または特徴を含むような形状および/または大きさにされてもよい。ステップ240で、シェル16の入口開口部40と出口開口部42は、押し出し加工またはその他の方法によって形成されてもよい。
【0058】
単独の、継ぎ目のないブランクからシェル16を形成することによって、一体に溶接される第一および第二のシェル二分割部分を含むシェル設計と比較して、製造費用が削減される。さらに、本開示の継ぎ目のないシェル16は、一体に溶接される第一および第二のシェル二分割部分を含むシェル設計より軽量でありうる。これは、第一および第二の溶接されるシェル二分割部分は、シェル二分割部分を相互に継ぎ目なく固定するための結合フランジを有する必要があるからである。
【0059】
ステップ250で、第一、第二、および第三のサブアセンブリ18、20、22がシェル16に挿入されてもよい。図10に示されるように、第一のサブアセンブリ18は、第一または第二の外側空洞34、36を通じて中央空洞38に挿入されてもよい。第一のサブアセンブリ18のバッフル52、54は、シェル16の中央部分32と係合するように押し込まれてもよい。それに加えて、またはその代わりに、シェル16の中央部分32は、バッフル52、54(および第一のサブアセンブリ18の残りの部分)を中央空洞38の中に固定的に取り付けるように、クリンピングおよび/またはその他の方法によって変形されてもよい。それに加えて、またはその代わりに、バッフル52、54はシェル16の内面に溶接され、またはそれ以外の方法で固定されてもよい。いくつかの実施形態において、第一のサブアセンブリ18はシェルに直接固定されず、その代わりに、シェル16に関して、第二および第三のサブアセンブリ20、22とのその接続によって固定される。
【0060】
図11および12に示されるように、第二および第三のサブアセンブリ20、22は、それぞれシェル16の第一および第二の外側空洞34、36に、上述のように、第二および第三のサブアセンブリ20、22のアウトレットパイプ76がそれぞれ第一のサブアセンブリ18の第一および第二の長尺状パイプ56、58に連結されるように挿入できる。バッフル71、72の周辺は、(溶接、プレスフィット、締り嵌め等を通じて)第一および第二の外側部分28、30の内面と固定的に係合してもよい。当然のことながら、第一のサブアセンブリ18は、第二および第三のサブアセンブリ20、22を挿入する前にシェル16に挿入でき、または第二および第三のサブアセンブリ20、22のうちの一方は、第一のサブアセンブリ18をシェル16に挿入する前にシェル16に挿入できる。サブアセンブリ18、20、22がシェル16の中に受けられた後に、ステップ250で、エンドキャップ24、26がシェル16に固定されてもよい。エンドキャップ24、26は、シェル16の軸端に溶接され、またはその他の方法で固定されて、サブアセンブリ18、20、22をシェル16内に継ぎ目なく包囲できる。
【0061】
第二および第三のサブアセンブリ20、22がシェル16の第一および第二の外側空洞34、36の中に位置付けられると、インレットパイプ74の第一の端86は、シェル16の入口開口部40と実質的に同心円状に整列されてもよく、アウトレットパイプ76の第二の端96は、シェル16の出口開口部42と実質的に同心円状に整列されてもよい。ステップ260で、ブッシュ88がインレットパイプ74の第一の端86に挿入されてもよく、ブッシュ98がアウトレットパイプ76の第二の端96に挿入されてもよい。拡張マンドレル270(図13に概略的に示される)または他の何れかの適当な拡張工具がブッシュ88、98に挿入されてもよい。拡張マンドレル270は、ブッシュ88、98を半径方向に外側に拡張して、ブッシュ88、98をインレットおよびアウトレットパイプ74、76とシェル16に固定的に取り付けてもよい。図4に示されるように、ブッシュ98が拡張状態にあるとき(すなわち、ステップ260で拡張マンドレル270により拡張されると)、ブッシュ98、シェル16、およびアウトレットパイプ76の第二の端96の間の干渉が確実な液密接続部を形成する。
【0062】
図15を参照すると、別のマフラ310が提供される。マフラ310の構造と機能は、後述され、および/または図示されている例外を除き、上述のマフラ10のそれと同様または同一であってもよい。したがって、同様の特徴については、詳しい説明を繰り返さない。マフラ310はマフラ10と同じまたは同様の方法で製造できる。
【0063】
マフラ10と同様に、マフラ310は、シェル316と、第一、第二、および第三のカートリッジまたはサブアセンブリ318、320、322とを含むことができる。第一のサブアセンブリ318は、シェル316の中央空洞338の中に受けられてもよい。インレットパイプ374は、第一のサブアセンブリ318の一部であってもよく、第一のサブアセンブリ318の外側バッフル352間に設置されてもよい。インレットパイプ374は、シェル316の中央部分334の入口開口部340に連結されてもよい。第二および第三のサブアセンブリ320、322は、シェル316の軸端に固定されたエンドキャップ324、326の中に形成された出口開口部342に連結されるアウトレットパイプ376を含んでいてもよい。サブアセンブリ318、320、322は、複数の追加のバッフル372を含み、これらは協働してシェル316内に複数のチャンバ380を形成する。チャンバ380は、相互に、および/またはパイプ374、376と流体連通していてもよい。
【0064】
図16を参照すると、別のマフラ410が提供される。マフラ410の構造と機能は、後述され、および/または図示されている例外を除き、上述のマフラ10および/またはマフラ310と同様または同一であってもよい。したがって、同様の特徴については、詳しい説明を繰り返さない。マフラ410は、マフラ10と同じまたは同様の方法で製造できる。
【0065】
マフラ410のシェル416は、第一の外側部分428と、第二の外側部分430と、それらの間に設置された中央部分432とを含む。第二の外側部分430は、第一の外側部分428より大きくてもよい(例えば、より厚い、より長い、および/またはより広い)。さらに、図16は、第二の外側部分430が窪み439を有するように示している。当然のことながら、第一および第二の外側部分428、430および中央部分432の何れの形状および/または大きさも、何れの所与の用途に合わせた形状または大きさとされてよい。すなわち、シェル416は例えば、特定の車両上の所与の空洞内に適合するような、マフラ410を通る所望の排気ガス流速を実現するような、および/または音響特性を実現するような形状および/または大きさとすることができる。
【0066】
マフラ10、410は図中、2つの入口と2つの出口(例えば、デュアルエキゾーストシステムの場合)を含むように示されているが、いくつかの実施形態において、マフラ10、410はシングルエキゾーストシステム(すなわち、マフラ10、410への排気入口が1つのみ、マフラ10、410から出る出口が1つのみ)、または準デュアルエキゾーストシステム(すなわち、マフラ10、410への排気入口が1つのみ、マフラ10、410から出る出口が2つ)とすることもできる。
【0067】
実施形態の上記の説明は、例示および説明を目的として提供されている。これらはすべてではなく、または開示を限定するものではない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は概して、その特定の実施形態に限定されず、これが当てはまる場合は互換可能であり、明確に示されるか、または説明されていなくても、ある選択された実施形態の中で使用できる。これはまた、多様な方法で変更されてもよい。かかる変更形態は本開示からの逸脱とはみなされず、かかる改変形態はすべて、本開示の範囲内に含まれるものとする。
本発明は、次の実施形態が可能である。
(1)内燃機関の排気システムのためのマフラの製造方法であって、
第一および第二の対向する縁部分を有する平坦な継ぎ目のないシートメタルブランクを提供するステップと、
前記ブランクを、前記第一および第二の縁部分が相互に対向するように曲げ、かつ前記第一および第二の縁部分を相互に接触した状態で固定することによって、前記ブランクを管状シェルに形成するステップであって、前記管状シェルが中央空洞と第一および第二の端空洞とを画定し、前記第一および第二の端空洞の断面積が前記中央空洞の断面積より大きい、ステップと、
第一のサブアセンブリを前記管状シェルの第一の軸端から挿入し、かつ前記第一のサブアセンブリを前記中央空洞内に位置付けるステップであって、前記第一のサブアセンブリが第一および第二のパイプと、複数のバッフルとを含む、ステップと、
第二のサブアセンブリを前記管状シェルの前記第一の軸端に挿入し、かつ前記第二のサブアセンブリを前記第一の端空洞の中に、前記第二のサブアセンブリの第一のアウトレットパイプが前記第一のサブアセンブリの前記第一のパイプと流体接続されるように固定するステップと、
第三のサブアセンブリを前記管状シェルの第二の軸端に挿入し、かつ前記第三のサブアセンブリを前記第二の端空洞の中に、前記第三のサブアセンブリの第二のアウトレットパイプが前記第一のサブアセンブリの前記第二のパイプと流体接続されるように固定するステップと
を含む方法。
(2)第一のブッシュを、前記管状シェル内に形成された第一の出口の中と前記第一のアウトレットパイプの中とに挿入するステップをさらに含む方法。
(3)拡張工具を使って前記第一のブッシュを拡張し、前記第一のブッシュの外径を大きくして、前記ブッシュを前記出口および前記第一のアウトレットパイプに固定的に連結するステップをさらに含む方法。
(4)前記第三のサブアセンブリは、前記第一および第二のサブアセンブリが前記管状シェルに挿入される前に前記管状シェルに挿入される方法。
(5)前記第三のサブアセンブリは、前記第一および第二のサブアセンブリが前記管状シェルに挿入された後に前記管状シェルに挿入される方法。
(6)前記第二のサブアセンブリは第一のインレットパイプと、前記第一のインレットパイプを通る流体流を制御するように構成された第一の弁アセンブリとを含み、前記第三のサブアセンブリは、第二のインレットパイプと、前記第二のインレットパイプを通る流体流を制御するように構成された第二の弁アセンブリとを含む方法。
(7)ブッシュを前記第一および第二のインレットパイプと前記第一および第二のアウトレットパイプとの各々に挿入するステップと、拡張工具を使って前記ブッシュを拡張して前記ブッシュの外径を大きくし、前記ブッシュを前記第一および第二のインレットパイプと前記第一および第二のアウトレットパイプとに固定的に連結するステップとをさらに含む方法。
(8)前記管状シェルの前記第一および第二の縁部分を相互に接触した状態で固定するステップは、前記第一および第二の縁部分を一体に溶接するステップを含む方法。
(9)第一および第二のエンドキャップを前記管状シェルの前記第一および第二の軸端に固定するステップをさらに含む方法。
(10)前記平坦な継ぎ目のないシートメタルブランクは、前記ブランクが前記管状シェルに形成される前に、ドッグボーン形状を含む方法。
(11)前記管状シェルの中に複数の長い畝を形成するステップをさらに含み、前記畝は、前記管状シェルの縦軸に平行に長手方向に延び、かつ前記複数のバッフルに形成されたノッチの中に受けられる方法。
(12)エンジンからの排気を受けるマフラであって、
第一の端部分と、第二の端部分と、それらの間に設置された中央部分とを含む一体型シェルであって、前記シェルの縦軸に平行に延び、かつ第一の継ぎ目端と、前記第一の継ぎ目端から離間された第二の継ぎ目端とで終了する継ぎ目を含み、前記第一および第二の端部分が第一および第二の空洞を画定し、前記第一および第二の空洞のうちの少なくとも一方の断面積が前記中央部分により画定される中央空洞の断面積より大きく、前記第一、第二、および中央空洞の前記断面積が前記縦軸に垂直な平面により画定される、シェルと、
前記シェルの前記中央部分の中に設置され、かつ第一および第二のパイプと、複数のバッフルとを含む第一のサブアセンブリと、
前記シェルの前記第一の端部分の中に設置され、かつ前記第一のサブアセンブリの前記第一のパイプと流体接続された第一のアウトレットパイプを含む第二のサブアセンブリと、
前記シェルの前記第二の端部分の中に設置され、かつ前記第一のサブアセンブリの前記第二のパイプと流体接続された第二のアウトレットパイプを含む第三のサブアセンブリとを含むマフラ。
(13)前記第一および第二の端部分に取り付けられ、かつ前記第一、第二、および中央空洞を取り囲む第一および第二のエンドキャップをさらに含むマフラ。
(14)前記シェルを貫通し、かつ前記第一および第二のアウトレットパイプと固定的に係合する第一および第二のブッシュをさらに含むマフラ。
(15)前記第一および第二のブッシュは前記シェルと前記第一および第二のアウトレットパイプと直接係合するマフラ。
(16)前記第二および第三のサブアセンブリは、前記シェルを貫通する第一および第二のインレットパイプを含むマフラ。
(17)前記シェルを貫通し、かつ前記第一および第二のアウトレットパイプと前記第一および第二のインレットパイプと固定的に係合するブッシュをさらに含むマフラ。
(18)前記第一および第二の端部分は楕円形の断面を有するマフラ。
(19)前記バッフルは相互に平行に、かつ前記縦軸に垂直に延びるマフラ。
(20)エンジンからの排気を受けるマフラであって、
第一および第二の端空洞と、それらの間に設置された中央空洞とを画定する管状シェルであって、前記第一および第二の端空洞の断面積は、前記中央空洞の断面積より大きく、前記第一および第二の端空洞ならびに前記中央空洞の前記断面積が前記管状シェルの縦軸に垂直な平面により画定される、管状シェルと、
第一のバッフルであって、前記第一の端空洞内に設置され、かつその中に第一のチャンバを画定し、前記第一のチャンバと前記中央空洞とを分離し、および前記第一のチャンバと前記中央空洞との間の流体連通を可能にする孔を含む、第一のバッフルと、
第二のバッフルであって、前記第二の端空洞内に設置され、かつその中に第二のチャンバを画定し、前記第二のチャンバと前記中央空洞とを分離し、および前記第二のチャンバと前記中央空洞との間の流体連通を可能にする孔を含む、第二のバッフルと、
前記中央空洞内に設置され、かつ前記第一のバッフルと協働してそれらの間に第三のチャンバを画定する第三のバッフルと、
前記中央空洞内に設置され、かつ前記第二のバッフルと協働してそれらの間に第四のチャンバを画定する第四のバッフルと、
排気ガスの第一の部分を前記第一のチャンバの中へと誘導する第一のインレットパイプと、
前記排気ガスの第二の部分を前記第二のチャンバの中へと誘導する第二のインレットパイプと、
前記第一、第三、および第四のバッフルを貫通し、かつ前記第四のチャンバ内にある入口を含む第一の長尺状パイプであって、排気ガスを前記第四のチャンバから、前記第一の端空洞において前記シェルを貫通する第一の出口へと誘導する、第一の長尺状パイプと、
前記第二、第三、および第四のバッフルを貫通し、かつ前記第三のチャンバ内にある入口を含む第二の長尺状パイプであって、排気ガスを前記第三のチャンバから、前記第二の端空洞において前記シェルを貫通する第二の出口へと誘導する、第二の長尺状パイプと
を含むマフラ。
(21)前記中央空洞の中の、前記第三および第四のバッフルの間に設置される第五のバッフルをさらに含み、前記第三および第五のバッフルは、それらの間に第五のチャンバを画定し、前記第四および第五のバッフルは、それらの間に第六のチャンバを画定するマフラ。
(22)前記第一の端空洞内に設置され、かつ前記第一のバッフルと協働して前記第一のチャンバを画定する第六のバッフルをさらに含むマフラ。
(23)前記第二の端空洞内に設置され、かつ前記第二のバッフルと協働して前記第二のチャンバを画定する第七のバッフルをさらに含むマフラ。
(24)前記シェルのそれぞれの軸端に取り付けられた第一および第二のエンドキャップをさらに含み、前記第一のエンドキャップは、前記第六のバッフルと協働してそれらの間に第七のチャンバを画定し、前記第二エンドキャップは、前記第七のバッフルと協働してそれらの間に第八のチャンバを画定するマフラ。
(25)前記シェルは、前記シェルの前記縦軸に平行に延び、かつ第一の継ぎ目端と、前記第一の継ぎ目端から離間された第二の継ぎ目端とで終了する継ぎ目を含む一体型シェルであるマフラ。
(26)前記第一および第二の端空洞は楕円形の断面を有するマフラ。
(27)前記シェルを貫通し、かつ前記第一および第二のインレットパイプを前記管状シェルに固定的に取り付けるブッシュをさらに含むマフラ。
(28)前記第一および第二の端空洞のうちの一方の断面積は、前記第一および第二の空洞の他方の断面積より大きいマフラ。
(29)前記第一および第二の端空洞のうちの一方の断面形状は、前記第一および第二の空洞の他方の断面形状と異なるマフラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16