(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される撮像装置では、撮像装置であるデジタルカメラと、相手機器(図参照)との接続を容易に行なうことができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1の撮像装置(デジタルカメラ)と相手機器(パーソナルコンピュータ)とのいずれも表示部を有しているが、表示部を持たない機器が多く存在する。特に家電機器においては、表示部がないため、接続状況を判断することができないという問題が生じる。また、撮像装置(デジタルカメラ)で撮像し難い位置にある相手機器と無線ネットワーク機器との接続を行ないたい状況もある。
【0007】
本発明の目的は、家電機器と無線ネットワーク機器との接続を容易に行なうことができる無線接続システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)
一局面に従う無線接続システムは、無線ネットワーク機器と、無線ネットワーク機器と通信接続された携帯端末と、通信設定が可能な家電機器と、を含み、携帯端末は、家電機器の通信設定における接続情報を取得する接続情報取得機能と、接続情報を無線ネットワーク機器に送信する接続情報送信機能と、を有し、無線ネットワーク機器は、接続情報に基づいて家電機器と無線接続されたものである。
【0009】
無線接続システムは、無線ネットワーク機器と、携帯端末と、家電機器と、を含む。
携帯端末は、接続情報取得機能により家電機器の通信設定における接続情報が取得され、接続情報送信機能により接続情報が無線ネットワーク機器に送信される。無線ネットワーク機器は、接続情報に基づいて家電機器と無線接続する。
【0010】
この場合、家電機器における通信設定を、携帯端末を用いて容易に設定することができる。大型の家電機器または高い位置にあるエアコン、照明等の家電機器に対しても、容易に通信設定を行なうことができる。特に、表示部を有さない家電機器であっても携帯端末の表示部によりユーザが認識しつつ通信設定を行なうことができる。
【0011】
(2)
他の局面に従う無線接続システムは、無線ネットワーク機器と、無線ネットワーク機器と通信接続された携帯端末と、通信設定が可能な家電機器と、を含み、携帯端末は、家電機器の通信設定における接続情報を取得する接続情報取得機能と、接続情報に基づいて家電機器と無線接続を行なう接続機能と、無線ネットワーク機器の通信接続における情報を送信する送信機能と、を有し、家電機器は、送信機能から送信された情報に基づいて無線ネットワーク機器と接続するものである。
【0012】
無線接続システムは、無線ネットワーク機器と、携帯端末と、家電機器と、を含む。
携帯端末は、接続情報取得機能により家電機器の通信設定における接続情報が取得され、接続機能により接続情報に基づいて家電機器と無線接続が行なわれ、送信機能により無線ネットワーク機器の通信接続における情報が送信される。家電機器は、送信機能から送信された情報に基づいて無線ネットワーク機器と接続する。
【0013】
この場合、家電機器における通信設定を、携帯端末を用いて容易に設定することができる。大型の家電機器または高い位置にあるエアコン、照明等の家電機器に対しても、容易に通信設定を行なうことができる。特に、表示部を有さない家電機器であっても携帯端末の表示部によりユーザが認識しつつ通信設定を行なうことができる。
【0014】
(3)
第3の発明にかかる無線接続システムは、一局面または他の局面に従う無線接続システムにおいて、無線ネットワーク機器は、通信識別子を再設定する識別子再設定機能をさらに含んでもよい。
【0015】
この場合、無線ネットワーク機器は、識別子再設定機能により通信識別子が再設定できるので、家電機器の通信識別子を統一させることができる。その結果、多数の通信識別子を管理するシステムを設ける必要がなくなる。
【0016】
(4)
第4の発明にかかる無線接続システムは、一局面、他の局面または第3の発明にかかる無線接続システムにおいて、無線ネットワーク機器は、暗号を再設定する暗号再設定機能をさらに含んでもよい。
【0017】
この場合、無線ネットワーク機器は、暗号再設定機能により暗号が再設定できるので、家電機器との間の暗号化についてセキュリティの最も高い暗号化を選択することができる。
【0018】
(5)
第5の発明にかかる無線接続システムは、一局面、他の局面、第3および第4の発明のうちいずれか1項にかかる無線接続システムにおいて、無線ネットワーク機器は、無線ネットワーク機器と家電機器との接続状況を、携帯端末機器に送信する状況送信機能をさらに含んでもよい。
【0019】
この場合、無線ネットワーク機器は、状況送信機能により無線ネットワーク機器と家電機器との接続状況を、携帯端末機器に送信するので、携帯端末機器によりユーザが無線ネットワーク機器と家電機器との接続状況を認識することができる。
【0020】
(6)
第6の発明にかかる無線接続システムは、一局面、他の局面、第3および第4の発明のうちいずれか1項にかかる無線接続システムにおいて、家電機器は、無線ネットワーク機器と家電機器との接続情報を、携帯端末機器に送信する状況送信機能をさらに含んでもよい。
【0021】
この場合、家電機器は、状況送信機能により無線ネットワーク機器と家電機器との接続状況を、携帯端末機器に送信するので、携帯端末機器によりユーザが無線ネットワーク機器と家電機器との接続状況を認識することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態にかかる無線接続システム100の一例を示す模式図である。
【0024】
(無線接続システム100概略)
図1に示すように、本実施の形態にかかる無線接続システム100は、無線ルータ200、携帯端末300、および家電機器400からなる。
【0025】
図1の無線接続システム100において、無線ルータ200および携帯端末300間は、既に通信接続がなされている。例えば、本実施の形態における無線ルータ200および携帯端末300間は、共通のSSID(Service Set Identifier)、および暗号化WEP(Wired Equivalent Privacy:規格IEEE802.11b/IEEE802.11a)を使用して接続されている。
【0026】
(無線ルータ200)
本実施の形態における無線ルータ200は、前述のSSIDを再設定するSSID再設定部210(図示略)と、暗号化WEPを再設定する暗号化再設定部220(図示略)とを有する。
また、無線ルータ200は、屋内のLAN(Local Area Network)500、WAN(Wide Area Net Work)600、および外部のインターネット700等に接続される。なお、無線ルータ200は各通信端末が使用するIPアドレスまたは、デフォルトゲートウェイアドレス等を割り当てることが可能なDHCPサーバー機能を持っていてもよい。
【0027】
(携帯端末300)
図1に示す携帯端末300は、カメラ310、表示部320および無線LANシステム340(図示略)を含む。
【0028】
また、携帯端末300は、インターネット700、および電話回線800等に接続される。具体的に携帯端末300は、携帯電話機(スマートフォン)である。
【0029】
(家電機器400)
図1に示すように、家電機器400は、エアーコンディショナ(以下、エアコンと略記する)からなる。
また、
図1においては、エアコンからなることとしているが、これに限定されず、照明器具、加熱器具、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、お風呂沸かし器、湯沸かし器等、その他任意の家電機器を含む。
【0030】
ここで、家電機器400は、無線通信部410およびリモコン420を備える。本実施の形態においては、リモコン420にQRコード(登録商標)が貼り付けられている。このQRコード(登録商標)は、後述する通信接続初期設定情報を含む。
【0031】
なお、本実施の形態においてリモコン420に通信接続初期設定情報であるQRコード(登録商標)が貼り付けられていることとしているが、これに限定されず、取り扱い説明書、家電機器400(またはエアコン420)の筐体、家電機器400の収容されているダンボール等に貼り付けられていてもよい。
また、QRコード(登録商標)に限定されず、二次元バーコード、URL等の情報であってもよい。
【0032】
もちろん、家電機器400(またはエアコン420)に液晶ディスプレイ等の表示部が設けられている場合は、その表示部にQRコード(登録商標)を表示可能な構成であってもよい。
その場合、リモコン420の所定のボタンを押すことにより表示されるようにしてもよいし、家電機器400(またはエアコン420)に設けられたボタンを押すことによって表示されるようにしてもよい。
さらには、QRコード(登録商標)を表示する代わりに、赤外線通信などの無線通信を使用して、通信接続初期設定情報を送信するようにしてもよい。
【0033】
(通信接続方法)
次いで、本発明にかかる通信接続方法について説明を行なう。
図2は、通信接続方法の一例を示すフローチャートであり、
図3は
図2の各機器の接続順序を示す模式図である。
【0034】
図2および
図3に示すように、携帯端末300は、家電機器400に取り付けられたQRコード(登録商標)を携帯端末300のカメラ310により読み取る(ステップS1)。
すなわち、携帯端末300は、カメラ310により撮像したQRコード(登録商標)を解析し、QRコード(登録商標)に含まれる通信接続初期設定情報を取得する。当該通信接続初期設定情報には、初期設定用の識別子情報、暗号化設定情報などの無線ルータ200と家電機器400との無線通信を確立するための設定情報が含まれる。
【0035】
なお、初期設定用の識別子情報はSSIDなどであり、例えば乱数または機器のMACアドレス、シリアルナンバを利用した、機器毎にユニークな識別子であってもよい。
また、設定情報として、家電機器400が対応可能な暗号方式情報(WEP、WPA、WPA2など)を含ませてもよい。
【0036】
さらに、家電機器400の各種設定が可能な機器設定用アドレスまたは、家電機器400の動作状態を確認可能なステータス確認用アドレスなどの情報を含ませてもよい。
【0037】
携帯端末300は、カメラ310により読み取ったQRコード(登録商標)から初期設定用のSSID、暗号化設定情報、などの無線ルータ200と家電機器400との無線通信を確立するための設定情報を取得し(ステップS2)、その設定情報を無線ルータ200に送信する(ステップS3)。
【0038】
なお、携帯端末300が無線ルータ200へ設定情報を送信する場合に使用する無線ルータ200のアドレス情報は、携帯端末300に予め登録しておいてもよいし、携帯端末300に設定されたデフォルトゲートウェイアドレスを無線ルータ200のアドレスとしてもよいし、携帯端末300から設定情報をブロードキャスト通信によって送信してもよい。
【0039】
なお、ここで、携帯端末300がカメラ310により撮像したQRコード(登録商標)を解析し、QRコード(登録商標)に含まれる通信接続初期設定情報から初期設定用のSSID、暗号化設定情報、などの無線ルータ200と家電機器400との無線通信を確立するための設定情報を取得することとしているが、これに限定されず、通信接続初期設定情報を解析せずにそのまま無線ルータ200に送信してもよい。その場合は、無線ルータ200が解析を行い、設定情報を取得する。
【0040】
次いで、無線ルータ200は、送信された初期設定用のSSID、暗号化設定情報、などの無線ルータ200と家電機器400との無線通信を確立するための設定情報に基づいて、家電機器400と通信を行なう(ステップS4)。
【0041】
同時に、無線ルータ200は、通信開始状況を携帯端末300に送信する(ステップS5)。例えば、携帯端末300の表示部320には、「家電機器400と接続中です。」と表示される。
これにより、携帯端末300の表示部320を確認したユーザは、家電機器400と無線ルータ200との通信状況を認識することができる。
【0042】
そして、無線ルータ200は、家電機器400から応答があるか否かを判定する(ステップS6)。
具体的に、無線ルータ200は、受信した通信接続初期設定情報に基づいて設定した結果、家電機器400とリンクができるか、リンクできた場合に家電機器400へPingなどのネットワークテスト信号を送信して応答があるか、または、通信接続初期設定情報に家電機器400のステータス確認用のアドレス情報を持つ場合、そのアドレスにアクセスして応答がある否か、などの判定をおこなう。
【0043】
当該判定により、無線ルータ200は、家電機器400から応答があった場合、無線ルータ200と家電機器400との無線通信を開始する(ステップS7)。
【0044】
ここで、無線ルータ200は、SSIDを再設定するSSID再設定部210(図示略)により、家電機器400とのSSIDを再設定させてもよい。
具体的には、無線ルータ200は、通信接続初期設定情報を使用して確立した家電機器400との通信を使用し、家電機器400に対して、再設定するSSIDの情報を含む再設定要求信号を送信する。
【0045】
再設定要求信号を受信した家電機器400は、その再設定するSSIDの情報に基づいて、SSIDの情報を変更する。そして、無線ルータ200と家電機器400はお互いに再設定された新しいSSIDの情報を使用して通信を確立する。
【0046】
例えば、無線ルータ200が、家電機器400以外にも多くの家電機器と接続している場合には、一括のSSIDの情報を再設定し、統一化を図ることができる。
なお、無線ルータ200は、別々に設定された複数のSSIDの情報を設定可能であり、それぞれのSSIDの情報毎に別の暗号化方式を設定可能な、所謂、マルチSSIDに対応していることが望ましい。
例えば、「ユーザが普段使用しているパソコンとの常時接続用のSSID」、「家電機器400の初期設定用のSSID」、「家電機器400との常時接続用のSSID」等である。
【0047】
そのような場合、例えば、ユーザが普段使用しているパソコンと無線ルータ200といった既に確立済みのSSIDまたは暗号化方式を使用した通信とは別に、新たに家電機器400用に初期設定用のSSIDを追加して家電機器400に対して初期設定を実施すること、または、対応している暗号方式が異なる複数の家電機器400毎に通信を確立することができる。
すなわち、既に常時接続用として確立済みの通信には影響を与えずに、家電機器400に対する初期設定、または、その後の通信を実施することができるため、ユーザの利便性が増す。
【0048】
また、無線ルータ200は、暗号化WEPを再設定する暗号化再設定部220(図示略)により、家電機器400および無線ルータ200において使用可能な暗号化のうち最もセキュリティが高い、または通信状況が好ましいものを選定し、再設定を行なってもよい。
【0049】
具体的には、無線ルータ200は、通信接続初期設定情報から家電機器400が対応している暗号方式を把握し、家電機器400および無線ルータ200において使用可能な暗号化のうち最もセキュリティが高い暗号方式を再設定する暗号方式として選定する。
そして、通信接続初期設定情報を使用して確立した家電機器400との通信を使用し、家電機器400に対して、再設定する暗号方式と、その暗号方式の暗号キーの情報を含む再設定要求信号とを送信する。
【0050】
再設定要求信号を受信した家電機器400は、その再設定する暗号方式情報に基づいて、暗号方式と暗号キーとを変更する。
そして、無線ルータ200と家電機器400はお互いに再設定された新しい暗号方式と暗号キーとを使用して通信を確立する。
【0051】
一方、ステップS6の処理において、無線ルータ200が、家電機器400と通信できない状態、すなわち、無線ルータ200から家電機器400に対して、通信を開始しても、所定期間家電機器400からレスポンスがない場合、不通状況を携帯端末300に送信する(ステップS8)。
【0052】
例えば、携帯端末300の表示部320には、「家電機器400が発見できません。電波が弱いかもしれません。家電機器400の電源を入れなおしてください。」と表示される。
これにより、携帯端末300の表示部320を確認したユーザは、家電機器400の電源を入れなおす、もしくは家電機器400に具備されたリセットボタンを押すことができる。そして、無線ルータ200は、所定時間後に再度、ステップS4の処理に戻り、処理を繰り返す。
【0053】
なお、上記の実施の形態においては、家電機器400からの応答が無い場合に、携帯端末300に対して、接続状況として不通状況を送信するとしているが、例えば、「無線ルータ200が通信接続初期設定情報を受信中」、「無線ルータ200が通信接続初期設定情報を受信完了」、「無線ルータ200にて受信した通信接続初期設定情報に基づいて自身を設定中」、「無線ルータ200にて受信した通信接続初期設定情報に基づいて自身を設定完了」「家電機器400とリンク確立中」、「家電機器400とリンク確立完了」、「家電機器400に対してテスト信号を送信完了」、「家電機器400からの応答を受信完了」、など、各状況を携帯端末300に対して送信し、携帯端末300は各状況を確認できるようにしてもよい。
【0054】
そして、例えば、設定の途中で問題が発生した場合、「家電機器400の電波が弱すぎる」、「通信速度が遅すぎる」、「家電機器400からの応答が所定時間待っても返信がない」、など、その旨を携帯端末300に対して送信してもよい。
以上のように、ユーザは、無線ルータ200と家電機器400との間の各状況を把握することが可能となり、また、何か問題が発生した場合においても、ユーザは問題を認識することができる。その結果、ユーザは、問題に対処することが可能となる。
【0055】
また、停電またはその他事情により、家電機器400と通信が不通となった場合、無線ルータ200は、停電の場合には、電力復活後に、通信断状況を携帯端末300に送信する(ステップS9)。
【0056】
例えば、携帯端末300の表示部320には、「停電等により家電機器400と通信ができません。再設定をしてください。」と表示される。
これにより、携帯端末300の表示部320を確認したユーザは、ステップS1の処理に戻り、処理を繰り返す。
【0057】
なお、何らかの事情により家電機器400と通信が不通になったことを確認するために、無線ルータ200は、例えば家電機器400とのリンク状態を確認し、リンクが切れていると判定した場合、または、所定の時間毎に家電機器400へネットワークテスト信号を送信、または、ステータス確認用のアドレスにアクセスし、その応答に応じて携帯端末300に無線ルータ200と家電機器400との間の通信状況を送信し、携帯端末300の表示部320を使用して、ユーザがその通信状況を表示できるようにしてもよい。
【0058】
(他の通信接続方法)
続いて、本発明にかかる他の通信接続方法について説明を行なう。
図4は、通信接続方法の他の例を示すフローチャートであり、
図5は
図4の各機器の接続順序を示す模式図である。以下、
図4および
図5の通信接続方法が、
図2および3の通信接続方法と異なる点について説明を行なう。
【0059】
図4および
図5に示すように、携帯端末300は、家電機器400に取り付けられたQRコード(登録商標)を携帯端末300のカメラ310により読み取る(ステップS11)。
【0060】
次に、携帯端末300は、カメラ310により読み取ったQRコード(登録商標)に含まれる通信接続初期設定情報から初期設定用の識別子情報、暗号化設定情報などの携帯端末300と家電機器400との無線通信を確立するための設定情報を取得する(ステップS12)。
【0061】
なお、初期設定用の識別子情報はSSIDなどであり、例えば乱数または機器のMACアドレス、シリアルナンバを利用した、機器毎にユニークな識別子等が含まれてもよい。
また、Bluetooth(登録商標)通信におけるペアリングに必要な情報(PINコードなど)であってもよく、設定情報として、家電機器400が対応可能な暗号方式情報(WEP、WPA、WPA2など)が含まれてもよい。
【0062】
さらに、家電機器400の各種設定が可能な機器設定用アドレスまたは、家電機器400の動作状態を確認可能なステータス確認用アドレスなどの情報を含ませてもよい。
【0063】
そして、既に通信が確立済みの無線ルータ200へ、ルータ初期設定情報を要求する(ステップS13)。
なお、携帯端末300が無線ルータ200へルータ初期設定情報の要求を送信する場合に使用する無線ルータ200のアドレス情報は、携帯端末300に予め登録しておいてもよいし、携帯端末300に設定されたデフォルトゲートウェイアドレスを無線ルータ200のアドレスとしてもよいし、携帯端末300からルータ初期設定情報の要求をブロードキャスト通信によって送信してもよい。
【0064】
当該要求を受けた無線ルータ200は、ルータ初期設定情報を携帯端末300へ送信し、携帯端末300はルータ初期設定情報を取得する(ステップS14)。
ここで、ルータ初期設定情報とは、初期設定用のSSID、暗号化設定情報、などの無線ルータ200と家電機器400との無線通信を確立するための設定情報である。
【0065】
なお、携帯端末300は、家電機器400が対応可能な暗号方式情報が含まれる通信接続初期設定情報に基づいて、家電機器400および無線ルータ200において使用可能な暗号化のうち最もセキュリティが高い暗号方式を設定する暗号方式として選定してもよく、その暗号方式を使用するルータ初期設定情報を無線ルータ200から取得してもよい。
なお、携帯端末300は、その通信接続初期設定情報を無線ルータ200に送信し、無線ルータ200が暗号方式を選定してもよい。
【0066】
そして、携帯端末300は家電機器400のQRコード(登録商標)から取得した設定情報を使用して、例えばBluetooth(登録商標)通信の場合はペアリングを実施してお互いが通信可能な状態とし、ルータ初期設定情報を家電機器400に送信する(ステップS15)。
【0067】
もちろん、Bluetooth(登録商標)に限定されず、例えば、QRコード(登録商標)から取得した設定情報に基づき、赤外線通信によってお互いが通信可能な状態とし、家電機器400に対してルータ初期設定情報を送信してもよい。
そして、家電機器400は、携帯端末300から取得したルータ初期設定情報に基づいて、無線ルータ200に対して通信を行なう(ステップS16)。
【0068】
そして、家電機器400は、無線ルータ200から応答があるか否かを判定する(ステップS17)。
具体的には、家電機器400は、受信したルータ初期設定情報に基づいて設定した結果、無線ルータ200とリンクができるか、リンクできた場合に無線ルータ200へPingなどのネットワークテスト信号を送信した場合に応答があるか否か、などの判定をおこなう。この判定により、家電機器400は、無線ルータ200から応答があった場合、無線ルータ200と家電機器400との無線通信を開始する(ステップS18)。
【0069】
同時に、家電機器400は、通信開始状況を携帯端末300に送信してもよい。例えば、携帯端末300の表示部320には、「無線ルータ200と家電機器400とを接続中です。」と表示される。これにより、携帯端末300の表示部320を確認したユーザは、家電機器400と無線ルータ200との通信状況を認識することができる。
【0070】
一方、ステップS17の処理において、家電機器400が、無線ルータ200と通信できない状態、すなわち、家電機器400から無線ルータ200に対して、通信を開始しても、所定期間無線ルータ200からレスポンスがない場合、不通状況を携帯端末300に送信する(ステップS19)。
【0071】
例えば、携帯端末300の表示部320には、「無線ルータ200が発見できません。」と表示される。これにより、携帯端末300の表示部320を確認したユーザは、所定時間後に再度、ステップS15の処理に戻り、処理を繰り返す。
【0072】
なお、無線ルータ200からの応答が無い場合に携帯端末300に対して、接続状況として不通状況を送信するとしているが、適宜、携帯端末300に対して設定状況または通信状態を送信し、携帯端末300が各状況を確認できるようにしてもよい。
例えば、設定の途中で問題が発生した場合、その旨を携帯端末300に対して送信してもよい。そうした場合、ユーザは、無線ルータ200と家電機器400との間の各状況を把握することが可能となり、また、何か問題が発生した場合においても、対処することが可能となる。
【0073】
また、停電またはその他事情により、無線ルータ200と通信が不通となった場合、家電機器400は、停電の場合には、電力復活後に、通信断状況を携帯端末300に送信する(ステップS20)。
例えば、携帯端末300の表示部320には、「停電等により無線ルータ200と通信ができません。再設定をしてください。」と表示される。これにより、携帯端末300の表示部320を確認したユーザは、ステップS11の処理に戻り、処理を繰り返す。
【0074】
以上のように、家電機器400における通信設定を、携帯端末300を用いて容易に設定することができる。大型の家電機器400または高い位置にあるエアコン、照明等の家電機器400に対しても、容易に通信設定を行なうことができる。特に、表示部を有さない家電機器400であっても携帯端末300の表示部320によりユーザが認識しつつ通信設定を行なうことができる。
【0075】
また、無線ルータ200は、SSID再設定部210によりSSIDの再設定を行なうことができるので、家電機器400のSSIDを統一させることができる。その結果、多数のSSIDを管理するシステムを別途設ける必要がなくなる。
【0076】
さらに、無線ルータ200は、暗号化再設定部220により暗号化WEPを再設定できるので、家電機器400との間の暗号化についてセキュリティの最も高いものを選択することができる。
【0077】
また、無線ルータ200は、状況送信機能により接続状況を、携帯端末300に送信するので、ユーザは、接続状況を容易に認識することができる。
【0078】
なお、上記の実施の形態においては、携帯端末300のカメラ310によりQRコード(登録商標)を読み取ることとしているが、これに限定されず、Bluetooth(登録商標)、位置情報認識(GPS)、赤外線通信、内蔵ジャイロセンサによる読み取り等、を用いてもよい。
【0079】
例えば、家電機器400と携帯端末300とがBluetooth(登録商標)、または家電機器400の多くが使用する赤外線通信で通信可能としてもよく、携帯端末300のGPSを使って無線ルータ200に対して家電機器400の位置情報を送信してもよく、携帯端末300の内蔵ジャイロセンサを用いて上述の通信または位置情報取得等のトリガとしてもよい。
【0080】
さらに、本実施の形態においては、携帯端末300と無線ルータ200とが、無線通信のみならず、インターネット700を通じて通信可能であるため、携帯端末300を外部に持ち出し、家電機器400の稼動停止または制御を行なうことができる。
【0081】
例えば、家電機器400がダイナミックDNSに対応している場合、携帯端末300は通信接続初期設定情報を入手するタイミングなど、無線ルータ200と家電機器400との接続設定の任意タイミングで、家電機器400がダイナミックDNSで使用するホスト名および/またはパスワードの情報を入手する。
【0082】
そして、無線ルータ200と家電機器400との接続設定が完了した後、携帯端末300は、インターネット上のダイナミックDNSサーバー(図示略)にそのホスト名および/またはパスワードの情報を使って家電機器400のIPアドレスを入手する。それにより、インターネット700を通じて家電機器400にアクセスすることが可能となる。そして、家電機器400の制御を行なうことが可能となる。
【0083】
または、無線ルータ200がダイナミックDNSに対応している場合、携帯端末300は無線ルータ200と家電機器400との接続設定の任意タイミングで無線ルータ200がダイナミックDNSで使用するホスト名および/またはパスワードの情報を入手する。
【0084】
そして、携帯端末300は、インターネット上のダイナミックDNSサーバー(図示略)にそのホスト名および/またはパスワードの情報を使って無線ルータ200のIPアドレスを入手し、インターネット700を通じて無線ルータ200に対して家電機器400へ制御信号を送信するように指示する。それにより、インターネット700を通じて家電機器400にアクセスすることが可能となり、そして、制御を行なうことが可能となる。
【0085】
本発明においては、無線接続システム100が無線接続システムに相当し、無線ルータ200が無線ネットワーク機器に相当し、家電機器400が家電機器に相当し、携帯端末300が携帯端末に相当する。
【0086】
また、本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。