特許第6407400号(P6407400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6407400
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】積層コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/04 20060101AFI20181004BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20181004BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20181004BHJP
   H01F 27/255 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   H01F17/04 F
   H01F27/29 123
   H01F17/00 D
   H01F27/255
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-248867(P2017-248867)
(22)【出願日】2017年12月26日
【審査請求日】2018年3月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 高弘
(72)【発明者】
【氏名】工藤 斉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝志
(72)【発明者】
【氏名】角田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 達郎
(72)【発明者】
【氏名】田之上 寛之
【審査官】 五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−212372(JP,A)
【文献】 特開2007−243798(JP,A)
【文献】 特開2008−79020(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/034151(WO,A1)
【文献】 特開2005−109195(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/148455(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/04
H01F 17/00
H01F 27/255
H01F 27/29
H01F 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェライト素体内に積層コイルが設けられた積層コイル部品であって、
前記フェライト素体の互いに対向する端面に外部電極がそれぞれ設けられており、
前記フェライト素体が、前記積層コイルの軸方向において隣接し、かつ、いずれも複数層構造を有する第1の素体部と第2の素体部とを有し、前記第2の素体部の誘電率が前記第1の素体部の誘電率より低く、かつ、前記第2の素体部の透磁率が前記第1の素体部の透磁率より高く、
前記積層コイルが、巻回部と、該巻回部の端部から前記外部電極が設けられた前記端面まで延びる引出部とを有し、前記巻回部が前記第1の素体部と前記第2の素体部とに跨がるように設けられている、積層コイル部品。
【請求項2】
前記積層コイルの軸方向が、前記外部電極が設けられた前記端面の対向方向と平行である、請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項3】
前記フェライト素体が、前記第1の素体部および前記第2の素体部のうちの一方で他方を前記積層コイルの軸方向において挟んだ構造を有する、請求項1または2に記載の積層コイル部品。
【請求項4】
前記フェライト素体が、一対の前記第2の素体部を有し、前記積層コイルの軸方向において前記第1の素体部を前記一対の第2の素体部で挟んだ構造を有する、請求項3に記載の積層コイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、フェライト素体内に積層コイルが設けられた積層コイル部品が知られている。たとえば下記特許文献1には、空孔率が相対的に高い内層部を空孔率が相対的に低い一対の外層部で挟んだ3層構造(いわゆるサンドイッチ構造)のセラミック素体を備えた積層コイル部品が開示されている。このような積層コイル部品においては、素体の空孔率が低いと誘電率および透磁率が高くなり、素体の空孔率が高いと誘電率および透磁率が低くなることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−38904号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者らは、鋭意研究の末、素体が複数層で構成された積層コイル部品において、インピーダンス、インダクタンスおよび自己共振周波数(SRF)のコイル特性を調整することができる技術を新たに見出した。
【0005】
本発明は、コイル特性を調整することができる積層コイル部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る積層コイル部品は、フェライト素体内に積層コイルが設けられた積層コイル部品であって、フェライト素体の互いに対向する端面に外部電極がそれぞれ設けられており、フェライト素体が、積層コイルの軸方向において隣接する第1の素体部と第2の素体部とを有し、第2の素体部の誘電率が第1の素体部の誘電率より低く、かつ、第2の素体部の透磁率が第1の素体部の透磁率より高く、積層コイルが、巻回部と、該巻回部の端部から外部電極が設けられた端面まで延びる引出部とを有し、巻回部が第1の素体部と第2の素体部とに跨がるように設けられている。
【0007】
上記特許文献1のように、積層コイルの巻回部が内層部にのみ設けられ、かつ、引出部が外層部にのみ設けられている構成では、コイル特性の調整が極めて困難である。発明者らは、鋭意研究の末、第1の素体部と第2の素体部とに跨がるように巻回部を設けることで、第1の素体部および第2の素体部がコイル特性に以下のように寄与することを新たに見出した。すなわち、1GHz付近のインピーダンスに関しては、第1の素体部が相対的に高く、第2の素体部が相対的に低い。また、インダクタンスに関しては、第1の素体部が相対的に低く、第2の素体部が相対的に高い。さらに、自己共振周波数に関しては、第1の素体部が相対的に高く、第2の素体部が相対的に低い。したがって、上記積層コイル部品において、フェライト素体における第1の素体部と第2の素体部との割合を調整することで、所望のコイル特性を得ることができる。
【0008】
他の形態に係る積層コイル部品は、積層コイルの軸方向が、外部電極が設けられた端面の対向方向と平行である。
【0009】
他の形態に係る積層コイル部品は、フェライト素体が、第1の素体部および第2の素体部のうちの一方で他方を積層コイルの軸方向において挟んだ構造を有する。
【0010】
他の形態に係る積層コイル部品は、フェライト素体が、一対の第2の素体部を有し、積層コイルの軸方向において第1の素体部を一対の第2の素体部で挟んだ構造を有する。この場合、相対的に誘電率が低い第2の素体部に外部電極が設けられることで、積層コイル部品の高周波特性が向上する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コイル特性を調整することができる積層コイル部品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態に係る積層コイル部品を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示した積層コイル部品のII−II線断面図である。
図3図3は、図1に示した積層コイル部品を製造する際のグリーンシートの積層状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
図1および図2に示すように、積層コイル部品1は、略直方体形状を呈するフェライト素体2と、フェライト素体2内に形成された積層コイルCとを備えている。
【0015】
フェライト素体2は、フェライトを主成分とするフェライト素体材料で構成されており、フェライト材料で構成されており、後述する複数層のグリーンシート11A、11Bを重ねた積層体を焼成することにより形成され得る。そのため、フェライト素体2は、フェライト層の積層体と捉えることができ、積層方向を有する。ただし、フェライト素体2を構成するフェライト層は、その間の境界が視認できない程度に一体化され得る。フェライト素体2は、略直方体形状の外形を呈しており、その外表面として、積層方向において互いに対向する一対の端面2a、2bと、一対の端面2a、2bを連結するように一対の端面2a、2bの対向方向に沿って延びる4つの側面2c、2d、2e、2fとを有している。
【0016】
フェライト素体2は、図2に示すように、第1の素体部6と一対の第2の素体部7とを有する。より詳しくは、フェライト素体2は、フェライト素体2の積層方向において、第1の素体部6を一対の第2の素体部7で挟むように隣接した構造(サンドイッチ構造)を有している。
【0017】
第1の素体部6および第2の素体部7は、本実施形態ではいずれもNi−Cu−Zn系フェライトを主成分とするフェライト素体材料で構成されているが、構成成分の含有率が互いに異なっている。具体的には、第1の素体部6を構成するフェライト素体材料は、主成分が、Feの化合物をFe換算で45.0モル%、Cuの化合物をCuO換算で8.0モル%、Znの化合物をZnO換算で8.0モル%、残部がNiの化合物で構成されており、主成分100重量部に対して、副成分として、Siの化合物をSiO換算で1.0重量部、Coの化合物をCo換算で5.0重量部、Biの化合物をBi換算で0.8重量部、含有している。また、第2の素体部7を構成するフェライト素体材料は、主成分が、Feの化合物をFe換算で37.0モル%、Cuの化合物をCuO換算で8.0モル%、Znの化合物をZnO換算で34.0モル%、残部がNiの化合物で構成されており、主成分100重量部に対して、副成分として、Siの化合物をSiO換算で4.5重量部、Coの化合物をCo換算で0.5重量部、Biの化合物をBi換算で0.8重量部、含有している。すなわち、第1の素体部6および第2の素体部7のいずれも構成成分としてZnOを含有しており、第1の素体部6のZnO含有率が、第2の素体部7のZnO含有率より低くなっている。また、第1の素体部6および第2の素体部7のいずれも構成成分としてNiOを含有しており、第1の素体部6のNiO含有率が、第2の素体部7のNiO含有率より高くなっている。
【0018】
また、第1の素体部6および第2の素体部7を構成するフェライト素体材料は、いずれもZnSiOを副成分として含有している。本実施形態では、第1の素体部6のZnSiO含有率は、フェライト素体材料100重量部に対して1重量部であり、第2の素体部7のZnSiO含有率は、フェライト素体材料100重量部に対して17重量部である。すなわち、第1の素体部6のZnSiO含有率が、第2の素体部7のZnSiO含有率より低くなっている。
【0019】
さらに、第2の素体部7の誘電率は、第1の素体部6の誘電率より低い。本実施形態では、第1の素体部6の誘電率は約14であり、第2の素体部7の誘電率は約12である。また、第2の素体部7の透磁率は、第1の素体部6の透磁率より高い。本実施形態では、第1の素体部6の透磁率は約6であり、第2の素体部7の透磁率は約11である。
【0020】
積層コイルCは、フェライト素体2の積層方向に重なる複数の導電層によって構成されており、フェライト素体2の積層方向に平行な軸Lを有する。積層コイルCは、コイル巻回部(巻回部)12と、コイル巻回部12の各端部から端面2a、2bまで延びる一対の引出部13とを有する。各引出部13は、引出導体14と接続導体15とを有している。積層コイルCを構成する各導電層は、たとえばAgやPdなどの導電性材料を含んで構成されている。
【0021】
また、積層コイル部品1は、フェライト素体2の両端面2a、2bにそれぞれ配置された一対の外部電極4、5を備えている。外部電極4は、一方の端面2a全体と、4つの側面2c、2d、2e、2fの一部を覆うように形成されて、端面2aまで延びた引出部13と電気的に接続されている。外部電極5は、他方の端面2b全体と、4つの側面2c、2d、2e、2fの一部を覆うように形成されて、端面2bまで延びた引出部13と電気的に接続されている。フェライト素体2の積層方向は一対の端面2a、2bの対向方向と一致しており、一対の外部電極4、5は積層方向に関してフェライト素体2の両端部にそれぞれ配置されている。なお、各外部電極4、5は、フェライト素体2の外表面にAgやPdなどを主成分とする導電性ペーストを付着させた後に焼付け、さらに電気めっきを施すことにより形成され得る。電気めっきには、Ni、Snなどを用いることができる。
【0022】
上述した積層コイル部品1は、図3に示すように、複数層のグリーンシート11A、11Bを重ねた積層体を焼成して形成することができる。
【0023】
各グリーンシート11A、11Bは、矩形状(本実施形態では、正方形状)を呈しており、フェライト素体2の側面2c,2d,2e,2fを画成することとなる四辺11c,11d,11e,11fを有している。グリーンシート11Aは、上述した第1の素体部6となるべきグリーンシートであり、焼成後に上述した第1の素体部6の組成を有するフェライト層となるように成分調整されている。グリーンシート11Bは、上述した第2の素体部7となるべきグリーンシートであり、焼成後に上述した第2の素体部7の組成を有するフェライト層となるように成分調整されている。
【0024】
各グリーンシート11A、11Bは、積層方向において、第1の素体部6を一対の第2の素体部7で挟むように隣接した構造となるように、グリーンシート積層体の下段部分と上段部分にグリーンシート11Bが用いられ、中段部分にグリーンシート11Aが用いられている。
【0025】
各グリーンシート11A、11Bには、上述した導電層となるべき導電パターンが形成されている。各導体パターンは、当該パターンに対応する開口が形成されたスクリーン製版を用いて、導電性ペーストをスクリーン印刷することにより形成され得る。
【0026】
コイル巻回部12を形成する導体パターン21は、いずれも略Uの字状に形成されている。導体パターン21の一端部及び他端部には、スルーホール導体22に対応する略円形のパッド部23がそれぞれ形成されている。各導体パターン21は、90度ずつ位相をずらした状態でスルーホール導体22を介して直列に接続されており、積層方向に沿って軸Lが延在するコイルCを形成している。導体パターン21は、グリーンシート積層体の中段部分のグリーンシート11Aだけでなく、上段部分および下段部分のグリーンシート11Bにも形成される。
【0027】
引出導体14を形成する導体パターン24は、スルーホール導体25に対応する略円形のパッド部(パッド導体)26からなる。つまり、引出導体14は、スルーホール導体25と、スルーホール導体25と一体に設けられるパッド部26とから構成されている。パッド部26は、コイル巻回部12のパッド部23より大径となっており、コイル巻回部12によって形成されるコイルCの軸Lと同軸に配置されている。各導体パターン24は、スルーホール導体25を介して直列に接続されており、コイルCの軸Lに沿って延在する引出導体14を形成している。引出導体14の外側端部は、フェライト素体2の積層方向の端面2a、2bに露出し、外部電極4、5に接続されている。導体パターン24は、グリーンシート積層体の上段部分および下段部分のグリーンシート11Bに形成される。
【0028】
接続導体15を形成する導体パターン27は、コイル巻回部12の一方のパッド部23に対応する位置と、引出導体14のパッド部26に対応する位置とを結ぶように直線状に形成されている。導体パターン27の一端部には、スルーホール導体25に対応する略円形のパッド部28が引出導体14のパッド部26と同軸かつ略同形に形成され、導体パターン27の他端部には、スルーホール導体22に対応する略円形のパッド部29がコイル巻回部12のパッド部23と同軸かつ略同形に形成されている。導体パターン27の一端部は、スルーホール導体25を介して引出導体14の他端部に接続され、導体パターン27の他端部は、スルーホール導体22を介してコイル巻回部12の端部に接続されている。導体パターン27は、グリーンシート積層体の上段部分および下段部分のグリーンシート11Bに形成される。
【0029】
上述したフェライト素体2においては、図2に示すように、第1の素体部6と第2の素体部7との各界面F1、F2が、コイル巻回部12を通過し、積層方向に直交するように延在している。換言すると、コイル巻回部12が、積層方向において第1の素体部6と第2の素体部7とを跨がるように設けられている。より詳しくは、コイル巻回部12が、フェライト素体2内において、一方の第2の素体部7(たとえば、図2の断面図における上側の第2の素体部)から第1の素体部6を介して、他方の第2の素体部7(たとえば、図2の断面図における下側の第2の素体部)まで延びるように設けられている。
【0030】
上記界面F1、F2については、上述したグリーンシート11A、11Bの枚数を増減することで適宜にスライドさせることができる。そして、界面F1、F2をスライドさせることで、フェライト素体2における第1の素体部6と第2の素体部7との割合も適宜に変更することができる。
【0031】
発明者らは、第1の素体部6と第2の素体部7とに跨がるようにコイル巻回部12を設けることで、第1の素体部6および第2の素体部7が、コイル特性のインピーダンス、インダクタンスおよび自己共振周波数それぞれに寄与することを新たに見出した。
【0032】
1GHz付近のインピーダンスに関しては、第1の素体部6が相対的に高く、第2の素体部7が相対的に低い。また、インダクタンスに関しては、第1の素体部6が相対的に低く、第2の素体部7が相対的に高い。さらに、自己共振周波数に関しては、第1の素体部6が相対的に高く、第2の素体部7が相対的に低い。
【0033】
そこで、上記積層コイル部品1において、フェライト素体2における第1の素体部6と第2の素体部7との割合を調整することで、所望のコイル特性を得ることができる。
【0034】
より詳しくは、第1の素体部6と第2の素体部7との割合を調整してフェライト素体2の誘電率を下げることで、浮遊容量が小さくなり、1GHz付近のインピーダンスが高くなる。また、第1の素体部6と第2の素体部7との割合を調整してフェライト素体2の透磁率を下げることで、自己共振周波数が高くなるとともにインピーダンスも高くなり、インダクタンスは低下する。さらに、第1の素体部6と第2の素体部7との割合を調整してフェライト素体2の透磁率を上げることで、自己共振周波数が低くなるとともにインピーダンスも低くなり、インダクタンスは高くなる。
【0035】
また、上述した上記積層コイル部品1において、相対的に誘電率が低い第2の素体部7それぞれに外部電極4、5が設けられているため、積層コイル部品1の高周波特性の向上が図られている。
【0036】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、外部電極4、5が素体の端面2a,2bに配置され、コイルCの軸Lの延在方向(軸方向)がフェライト素体2の積層方向に沿って延在するいわゆる縦巻きコイルが外部電極4、5に接続される構成を一例に説明したが、コイルは、いわゆる横巻きコイルであってもよく、外部電極4、5の配置位置は、素体の外表面であれば特に限定されない。すなわち、外部電極4、5は、必ずしも積層コイルCの軸L方向において対向する端面2a、2bに設ける必要はなく、側面2c、2d、2e、2fに設けてもよい。この場合、コイルCの引出部は、巻回部の端部から外部電極が設けられた側面2c、2d、2e、2fまで延びる。
【符号の説明】
【0037】
1…積層コイル部品、2…フェライト素体、6…第1の素体部、7…第2の素体部、4、5…外部電極、C…コイル、F1、F2…界面、L…軸。
【要約】
【課題】コイル特性を調整することができる積層コイル部品を提供する。
【解決手段】 積層コイル部品1においては、フェライト素体2が、積層コイルの軸方向において隣接する第1の素体部6と第2の素体部7とを有し、第2の素体部7の誘電率が第1の素体部6の誘電率より低く、かつ、第2の素体部7の透磁率が第1の素体部6の透磁率より高い。発明者らは、第1の素体部6と第2の素体部7とに跨がるようにコイル巻回部12を設けることで、第1の素体部6および第2の素体部7がコイル特性に寄与することを新たに見出した。積層コイル部品1では、フェライト素体2における第1の素体部6と第2の素体部7との割合を調整することで、所望のコイル特性を得ることができる。
【選択図】図2
図1
図2
図3