特許第6407415号(P6407415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許64074153−窒素または硫黄置換エストラ−1,3,5(10),16−テトラエンAKR1C3阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407415
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】3−窒素または硫黄置換エストラ−1,3,5(10),16−テトラエンAKR1C3阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07J 43/00 20060101AFI20181004BHJP
   A61K 31/58 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 17/08 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   C07J43/00CSP
   A61K31/58
   A61P3/04
   A61P11/00
   A61P13/08
   A61P13/10
   A61P13/12
   A61P15/00
   A61P17/08
   A61P17/14
   A61P29/00
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61P43/00 111
【請求項の数】14
【全頁数】95
(21)【出願番号】特願2017-513790(P2017-513790)
(86)(22)【出願日】2015年9月7日
(65)【公表番号】特表2017-526721(P2017-526721A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(86)【国際出願番号】EP2015070327
(87)【国際公開番号】WO2016037956
(87)【国際公開日】20160317
【審査請求日】2017年6月8日
(31)【優先権主張番号】14184403.5
(32)【優先日】2014年9月11日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514298139
【氏名又は名称】バイエル・ファルマ・アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ・ボーテ
(72)【発明者】
【氏名】ヨランダ・カンチョ・グランデ
(72)【発明者】
【氏名】ホルスト・イルルバッハー
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・チャールズ・レイ
【審査官】 吉海 周
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−524778(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/128108(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/009274(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/045407(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07J
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】
(ここで:Aは:
【化2】
から選択される基(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表し;
Xは:
【化3】
から選択される基(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示し、ここで、前記基は、ハロゲン、CN、OH、RR2N−、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換され、ここで、C1−C6−アルキル基およびC1−C6−ハロアルキル基は、任意選択でOHで置換される。)であり;
R1は、C1−C6−アルキルまたはC1−C6−ハロアルキルであり、ここで、R1は、OH、CN、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C6−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
R2、R5は、互いに無関係に水素またはC1−C6−アルキルであり、ここで、C1−C6−アルキル基は、ハロゲンで互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換され、
R3、R4は、互いに無関係にC1−C6−アルキルまたはC1−C6−ハロアルキルであり、ここで、R3およびR4は、OH、CN、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C6−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
R6、R7、R8、R9は、互いに無関係にC1−C6−アルキルまたはC1−C6−ハロアルキルであり、ここで、R6、R7、R8およびR9は、OH、CN、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C6−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
Rは、水素またはC1−C6−アルキル基である。)の化合物、
あるいは、その立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、あるいは上記からなる混合物。
【請求項2】
一般式(I)
(ここで
Aは:
【化4】
から選択される基(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表し;
Xは:
【化5】
から選択される基(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示し、ここで、前記基は、ハロゲン、C1−C4−アルキル、C1−C4−ハロアルキル、C1−C4−アルコキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換され、ここで、C1−C4−アルキル基およびC1−C4−ハロアルキル基は、任意選択でOHで置換される。)であり;
R1は、C1−C4−アルキルであり、これは、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
R2、R5は、互いに無関係に水素またはC1−C4−アルキルであり、ここで、C1−C4−アルキル基は、ハロゲンで互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換され;
R3、R4は、互いに無関係にC1−C4−アルキルであり、ここで、R3およびR4は、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C4−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
R6、R7、R8、R9は、互いに無関係にC1−C4−アルキルであり、ここで、R6、R7、R8およびR9は、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
Rは、水素またはC1−C4−アルキル基である。)の請求項1に記載の化合物、
あるいは、その立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、あるいは上記からなる混合物。
【請求項3】
一般式(I)
(ここで
Aは:
【化6】
から選択される基(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表し;
Xは:
【化7】
から選択される基(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示し、ここで、前記基は、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または2回任意選択で置換される。)であり;
R1はプロピルであり、これは、RO(CO)−で任意選択で置換され;
R2、R5は、互いに無関係に水素またはメチルであり;
R3、R4は、互いに無関係にC1−C3−アルキルであり、ここで、R3およびR4は、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C2−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
R6、R7、R8、R9は、互いに無関係にC1−C4−アルキルであり、ここで、R6、R7、R8およびR9は、OH、RO(CO)−またはRR2N(CO)−から互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
Rは、水素またはC1−C4−アルキル基である。)の請求項1または2に記載の化合物、
あるいは、その立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、あるいは上記からなる混合物。
【請求項4】
一般式(I)
(ここで
Aは:
【化8】
から選択される基(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表し;
Xは:
【化9】
から選択される基(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示し、および、
RXは、水素またはメチルであり、
RYは、水素、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシであり、
RZは、水素またはメチルであり、
式中、RX、RYおよびRZのうちのただ1つは水素とは異なる。)であり、および;
R1は−CH2−CH2−CH2−COOHであり;
R2は、水素またはメチルであり;
R3はC1−C3−アルキルであり、これは、OH、HO(CO)−、H2N(CO)−、CH3−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから選択される1個の置換基で任意選択で置換され;
R4は−CH2−CH2−COOHであり;
R5は水素であり;
R6はC1−C4−アルキルであり、これは、OH、RO(CO)−またはH2N(CO)−から選択される1個の置換基で任意選択で置換され;
R7はメチルであり;
R8は−CH2−CH2−COOHであり;
R9はC2−C3−アルキルであり、これは、OHまたはHO(CO)−から選択される1個の置換基で置換され;
Rは、水素またはメチルである。)の請求項1、2または3に記載の化合物、
あるいは、その立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、あるいは上記からなる混合物。
【請求項5】
以下の化合物を含むから選択される請求項1、2または3のいずれか一項に記載の化合物:
・tert−ブチルN−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−N−メチル−β−アラニナート
・N−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−N−メチル−β−アラニン
・17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−メチルエストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−スルホンアミド
・tert−ブチルN−メチル−N−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート
・N−メチル−N−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニン
・tert−ブチルN−メチル−N−{[17−(6−メチルピリダジン−4−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート
・N−メチル−N−{[17−(6−メチルピリダジン−4−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニン
・17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(メチルスルホニル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン
・メチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・メチル4−{[17−(ピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート
・4−{[17−(ピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・メチル4−({17−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル}スルホニル)ブタノアート
・4−({17−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル}スルホニル)ブタン酸
・4−{[17−(6−メチルピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・4−{[17−(5−メトキシピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・4−{[17−(5−メチルピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・4−{[17−(4−メチルピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・4−{[17−(5−クロロピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタンアミド
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン−1−オール
・tert−ブチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタノアート
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸
・tert−ブチル4−オキソ−4−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}ブタノアート
・4−オキソ−4−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}ブタン酸
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]ブタンジアミド
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−4−ヒドロキシブタンアミド
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−3−スルファモイルプロパンアミド
・3−(アセチルスルファモイル)−N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]プロパンアミド
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−N−メチル−3−スルファモイルプロパンアミド
・3−(アセチルスルファモイル)−N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−N−メチルプロパンアミド
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロパンアミド
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−N−メチル−3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロパンアミド
・tert−ブチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}−4−オキソブタノアート
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}−4−オキソブタン酸
・メチル3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)スルファモイル}プロパノアート
・メチル3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルファモイル}プロパノアート
・3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)スルファモイル}プロパン酸
・3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルファモイル}プロパン酸
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アセトアミド
・エチルN−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]カルバモイル}−β−アラニナート
・N−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]カルバモイル}−β−アラニン
・メチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}ブタノアート
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}ブタン酸
・4−{[17−(6−メチルピリダジン−4−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸
・17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(S−メチルスルホンイミドイル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン
ならびに、その立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、あるいは上記からなる混合物。
【請求項6】
疾患の治療および/または予防法のための請求項1、2、3、4または5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
子宮内膜症、平滑筋腫、子宮の出血性障害、月経困難症、前立腺癌、前立腺肥大症、ざ瘡、脂漏症、脱毛、早発性の性成熟、多嚢胞性卵巣症候群、乳癌、肺癌、子宮内膜癌、腎細胞癌、膀胱癌、非ホジキンリンパ腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肥満症、または炎症に関連する痛みの治療および/または予防法のための方法における使用のための請求項1、2、3、4または5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
疾患の治療および/または予防法のための医薬品の製造のための請求項1、2、3、4または5のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
子宮内膜症、平滑筋腫、子宮の出血性障害、月経困難症、前立腺癌、前立腺肥大症、ざ瘡、脂漏症、脱毛、早発性の性成熟、多嚢胞性卵巣症候群、乳癌、肺癌、子宮内膜癌、腎細胞癌、膀胱癌、非ホジキンリンパ腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肥満症、または炎症に関連する痛みの予防法のための医薬品の製造のための請求項1、2、3、4または5のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項10】
1つまたは複数の別の活性成分組み合わせた請求項1、2、3、4または5のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬品。
【請求項11】
前記別の活性成分が、選択的エストロゲン受容体調節物質(SERM)、エストロゲン受容体(ER)アンタゴニスト、アロマターゼ阻害剤、17−HSD1阻害剤、ステロイドスルファターゼ(STS)阻害剤、GnRHアゴニストおよびアンタゴニスト、キスペプチン受容体(KISSR)アンタゴニスト、選択的アンドロゲン受容体調節物質(SARM)、アンドロゲン、5α−還元酵素阻害剤、C(17,20)−リアーゼ阻害剤、選択的プロゲステロン受容体調節物質(SPRM)、ゲスターゲン、抗ゲスターゲン剤、経口避妊剤、マイトジェン活性化プロテイン(MAP)キナーゼの阻害剤および前記MAPキナーゼ(Mkk3/6、Mek1/2、Erk1/2)の阻害剤、プロテインキナーゼB(PKBα/β/γ;Akt1/2/3)の阻害剤、ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)の阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ(CDK1/2)の阻害剤、低酸素誘導シグナル伝達経路の阻害剤(HIF1α阻害剤、プロリルヒドロキシラーゼの活性化剤)、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、プロスタグランジンF受容体(FP)(PTGFR)アンタゴニストおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)から選択される、請求項10に記載の医薬品。
【請求項12】
不活性で非毒性の薬剤的に適した賦形剤と組み合わせた請求項1、2、3、4または5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含む医薬品。
【請求項13】
子宮内膜症、子宮平滑筋腫、子宮の出血性障害、月経困難症、前立腺癌、前立腺肥大症、ざ瘡、脂漏症、脱毛、早発性の性成熟、多嚢胞性卵巣症候群、乳癌、肺癌、子宮内膜癌、腎細胞癌、膀胱癌、非ホジキンリンパ腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肥満症、または炎症に関連する痛みの治療および予防法のための請求項10から12のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項14】
経腸、非経口、膣内、子宮内または経口投与のための、請求項1、2、3、4または5のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を含む医薬配合物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AKR1C3阻害剤、ならびにその調製のための工程、疾患の治療および/または予防法のためのその使用、ならびに疾患、特に出血性障害および子宮内膜症の治療および/または予防法のための医薬品の製造のためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルド−ケト還元酵素1C3(AKR1C3;同義語:5型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼまたはプロスタグランジンF合成酵素)は多機能酵素であり、他の過程のなかでも、4−アンドロステン−3,17−ジオン(弱いアンドロゲン)のテストステロン(強力なアンドロゲン)への還元、およびエストロン(弱いエストロゲン)の17β−エストラジオール(強いエストロゲン)への還元を触媒する。さらに、プロスタグランジン(PG)H2のPGF2αへの還元、およびPGD2の9α,11β−PGF2への還元が阻害される(Penning,T.,M.ら(2006).Aldo−keto reductase(AKR)1C3:Role in prostate disease and the development of specific inhibitors,Molecular and Cellular Endocrinology,248(1−2),182−191)。
【0003】
エストラジオール(E2)の局所産生は、乳癌および子宮内膜症の発生および進行において中心的役割を果たす。エストロゲン、特にエストラジオールの組織レベルの低下は、(アンドロゲンからのエストロゲンの産生を阻害するための)アロマターゼ阻害剤の治療的投与、および(硫酸エストロンからのエストロンの産生を妨げるための)スルファターゼ阻害剤の治療的投与により達成される。しかし、いずれの治療手段も、全身のエストロゲンレベルが大幅に低下するという不利な点がある(Oster,A.ら(2010).J.Med.Chem,53,8176−8186)。最近、子宮内膜症病変は、エストラジオールの局所合成が可能であることが実験的に示された(Delvoux,B.ら(2009).J Clin Endocrinol Metab,94,876−883)。卵巣子宮内膜症のサブタイプについては、AKR1C3 mRNAの過剰発現が記述されている(Smuc,T.ら(2009).Mol Cell Endocrinol,301(1−2):59−64)。
【0004】
阻害剤は、ホルモン依存性の障害、例えば子宮内膜症の治療だけでなく、ホルモン非依存性の障害も治療する可能性があるため、酵素AKR1C3の新規の阻害剤を明らかにすることが大いに必要とされている(Byrns,M.,C.,Jin,Y.,Penning,T.,M.(2010).Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology,118,177−87、Lovering,A.,L.ら(2004).Cancer Res,64(5),1802−1810)。子宮内膜症だけでなく、これらの障害には、前立腺癌(Fung,K.,M.ら(2008).Endocr Relat Cancer,13(1),169−180)、前立腺肥大症(Roberts,R.,O.ら(2006).Prostate,66(4),392−404)、子宮内膜癌(Rizner,T.,L.ら(2006).Mol Cell Endocrinol,248(1−2),126−135)、多嚢胞性卵巣症候群(Qin,K.ら(2006).J Endocrinol Metab,91(1),270−276)、肺癌(Lan,Q.ら(2004).Carcinogenesis,25(11),2177−2181)、非ホジキンリンパ腫(Lan,Q.ら(2007).Hum Genet,121(2),161−168)、脱毛(Colombe,L.ら(2007).Exp Dermatol,16(9),762−769)、肥満症(Svensson,P.,A.ら(2008).Cell Mol Biol Lett,13(4),599−613)、膀胱癌(Figueroa,J.,D.(2008).Carcinogenesis,29(10),1955−1962)、慢性骨髄性白血病(Birtwistle,J.(2009).Mutat Res,662(1−2),67−74)、腎細胞癌(Azzarello,J.,T.(2009).Int J Clin Exp Pathol,3(2),147−155)、乳癌(Byrns,M.,C.(2010).J Steroid Biochem Mol Biol,118(3),177−187)、早発性の性成熟(He,C.(2010).Hum Genet,128(5),515−527)および慢性閉塞性肺疾患(Pierrou,S.(2007).Am J Respir Crit Care,175(6),577−586)も含まれる。
【0005】
AKR1C3の非ステロイド性阻害剤のいくつかは既知である(総説論文:Day,J.,M.,Tutill,H.,J.,Purohit,A.およびReed,M.,J.(2008).Endocrine−Related Cancer 15,665−692;Adenijii,A.,O.,Chem,M.,Penning,T.,M.(2013).J of Steroid Biochemistry and Molecular Biology,137,136−149)。別の阻害剤については、米国特許第20100190826号明細書、国際公開第2007100066号パンフレット、国際公開第2014039820号パンフレット、国際公開第2013142390号パンフレット、国際公開第2013059245号パンフレットを参照されたい。最近の刊行物については、Brozic,P.ら(2012).J.Med.Chem.,55,7417−7424、Adenijii,A.O.ら(2012).J Med Chem,55,2311−2323およびJamieson,S.M.F.ら(2012).J.Med.Chem.,55,7746−7758、Liedtke,A.,L.ら(2013).J.Med.Chem.,56,2429−2446、Watanabe,K.ら(2013).Bioorg.&Med.Chem.,21,5261−5270、Flanagan,J.,A.ら(2014).Bioorg.&Med.Chem.,22,967−977、Gazvoda,M.ら(2013).Eur.J.of Med.Chem.,62,89−97、Heinrich,D.,M.ら(2013)Eur.J.of Med.Chem.,62,738を参照されたい。二機能性AKR1C3阻害剤/アンドロゲン受容体調節物質が、国際公開第2012142208号パンフレットに記述されている。
【0006】
記述されているステロイド系物質の一例は、17位にスピロラクトン単位を持つエストラトリエン骨格に基づくEM−1404である(F.Labrieら、米国特許第6541463号明細書;2003)。
【0007】
【化1】
ラクトン単位を持つ別のステロイド性AKR1C3阻害剤が、Bydal,P.,Luu−The,Van,Labrie,Poirier,D.F.(2009).European Journal of Medicinal Chemistry,44,632−644に記述されている。フッ素化エストラトリエン誘導体が、Deluca,D.,Moller,G.,Rosinus,A.,Elger,W.,Hillisch,A.,Adamski,J.(2006).Mol Cell Endocrinol,248,218−224に記述されている。
【0008】
17位に複素環を持つエストラ−1,3,5(10),16−テトラエンコアに基づくステロイド性ARK1C3阻害剤が、国際公開第20140009274号パンフレット、国際公開第2014128108号パンフレットおよび国際公開第2013045407号パンフレットに記述されている。これらの阻害剤は、エストラ−1,3,5(10),16−テトラエンの3位に、炭素原子または酸素原子と結合した、アルキル基、カルボキサミド基またはエーテル基のような置換基を含む。しかし、窒素または硫黄が結合した置換基に基づく化合物は記述されていない。
【0009】
米国特許第5604213号明細書(S.E.Barrieら)には、17α−ヒドロキシラーゼ/C17−20リアーゼ(Cyp17A1)阻害剤として、しかし、AKR1C3阻害剤としてではない、フリーのヒドロキシル基により炭素原子3上で置換された構造、17−(3−ピリジル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−オールが記載されている。
【0010】
【化2】
17−(3−ピリジル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−オール
カルボキサミド基により3位で置換された17−(3−ピリジル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン誘導体は、米国特許第5604213号明細書に記述されていない。
【0011】
米国特許出願公開第2005/0203075号明細書には、3位において−CONH2基で置換されたエストラ−1,3,5(10),16−テトラエン誘導体が、抗増殖作用および抗血管新生作用を有するとして記載されているが、特定の分子標的には言及していない。しかし、これらの誘導体は、エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン骨格の17位において、複素環で置換されていない。
【0012】
Cyp17A1阻害剤として記述されている17−ピリジル−および17−ピリミジニルアンドロスタン誘導体の総説が、Moreira,V.,M.ら(2008)Current Medicinal Chemistry,15(9),868−899に記載されている。
【0013】
多数のAKR1C3阻害剤が記述されているが、改善された特性を有する物質が依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第20100190826号明細書
【特許文献2】国際公開第2007100066号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2014039820号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2013142390号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2013059245号パンフレット
【特許文献6】国際公開第2012142208号パンフレット
【特許文献7】米国特許第6541463号明細書
【特許文献8】国際公開第20140009274号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2014128108号パンフレット
【特許文献10】国際公開第2013045407号パンフレット
【特許文献11】米国特許第5604213号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2005/0203075号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Penning,T.,M.ら著、(2006).Molecular and Cellular Endocrinology,248(1−2),182−191
【非特許文献2】Oster,A.ら著、(2010).J.Med.Chem,53,8176−8186
【非特許文献3】Delvoux,B.ら著、(2009).J Clin Endocrinol Metab,94,876−883
【非特許文献4】Smuc,T.ら著、(2009).Mol Cell Endocrinol,301(1−2):59−64
【非特許文献5】Byrns,M.,C.ら著、(2010).Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology,118,177−87
【非特許文献6】Lovering,A.,L.ら著、(2004).Cancer Res,64(5),1802−1810
【非特許文献7】Fung,K.,M.ら著、(2008).Endocr Relat Cancer,13(1),169−180
【非特許文献8】Roberts,R.,O.ら著、(2006).Prostate,66(4),392−404
【非特許文献9】Rizner,T.,L.ら著、(2006).Mol Cell Endocrinol,248(1−2),126−135
【非特許文献10】Qin,K.ら著、(2006).J Endocrinol Metab,91(1),270−276
【非特許文献11】Lan,Q.ら著、(2004).Carcinogenesis,25(11),2177−2181
【非特許文献12】Lan,Q.ら著、(2007).Hum Genet,121(2),161−168
【非特許文献13】Colombe,L.ら著、(2007).Exp Dermatol,16(9),762−769
【非特許文献14】Svensson,P.,A.ら著、(2008).Cell Mol Biol Lett,13(4),599−613
【非特許文献15】Figueroa,J.,D.著、(2008).Carcinogenesis,29(10),1955−1962
【非特許文献16】Birtwistle,J.著、(2009).Mutat Res,662(1−2),67−74
【非特許文献17】Azzarello,J.,T.著、(2009).Int J Clin Exp Pathol,3(2),147−155
【非特許文献18】Byrns,M.,C.著、(2010).J Steroid Biochem Mol Biol,118(3),177−187
【非特許文献19】He,C.著、(2010).Hum Genet,128(5),515−527
【非特許文献20】Pierrou,S.著、(2007).Am J Respir Crit Care,175(6),577−586
【非特許文献21】Day,J.,M.ら著、(2008).Endocrine−Related Cancer 15,665−692
【非特許文献22】Adenijii,A.,O.ら著、(2013).J of Steroid Biochemistry and Molecular Biology,137,136−149
【非特許文献23】Brozic,P.ら著、(2012).J.Med.Chem.,55,7417−7424
【非特許文献24】Adenijii,A.O.ら著、(2012).J Med Chem,55,2311−2323
【非特許文献25】Jamieson,S.M.F.ら著、(2012).J.Med.Chem.,55,7746−7758
【非特許文献26】Liedtke,A.,L.ら著、(2013).J.Med.Chem.,56,2429−2446
【非特許文献27】Watanabe,K.ら著、(2013).Bioorg.&Med.Chem.,21,5261−5270
【非特許文献28】Flanagan,J.,A.ら著、(2014).Bioorg.&Med.Chem.,22,967−977
【非特許文献29】Gazvoda,M.ら著、(2013).Eur.J.of Med.Chem.,62,89−97
【非特許文献30】Heinrich,D.,M.ら著、(2013)Eur.J.of Med.Chem.,62,738
【非特許文献31】Bydal,P.ら著、(2009).European Journal of Medicinal Chemistry,44,632−644
【非特許文献32】Deluca,D.ら著、(2006).Mol Cell Endocrinol,248,218−224
【非特許文献33】Moreira,V.,M.ら著、(2008)Current Medicinal Chemistry,15(9),868−899
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、本発明の目的は、AKR1C3阻害剤として活性のある新規物質を提供することである。本発明は、式(I):
【化3】
(ここで:Aは:
【化4】
から選択される基(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表し;
Xは:
【化5】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、ここで、基は、ハロゲン、CN、OH、RR2N−、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換され、ここで、C1−C6−アルキル基およびC1−C6−ハロアルキル基は、任意選択でOHで置換される。)から選択される基であり;
R1は、C1−C6−アルキルまたはC1−C6−ハロアルキルであり、ここで、R1は、OH、CN、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C6−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
R2、R5は、互いに無関係に水素またはC1−C6−アルキルであり、ここで、C1−C6−アルキル基は、ハロゲンで互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換され、
R3、R4は、互いに無関係にC1−C6−アルキルまたはC1−C6−ハロアルキルであり、これにより、R3およびR4は、OH、CN、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C6−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
R6、R7、R8、R9は、互いに無関係にC1−C6−アルキルまたはC1−C6−ハロアルキルであり、これにより、R6、R7、R8およびR9は、OH、CN、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C6−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
Rは、水素またはC1−C6−アルキル基である。)の化合物、
あるいは、その立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、あるいはそれらの混合物を提供する。
【0017】
本明細書で述べられる用語は、好ましくは以下の意味を有する。
用語「ハロゲン原子」、「ハロゲン」、「ハロ−(halo−)」または「ハロ−(Hal−)」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子、好ましくはフッ素または塩素原子を意味すると理解されるべきである。
【0018】
用語「C1−C6−アルキル」は、好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の一価の飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、ネオ−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチルまたは1,2−ジメチルブチル基、あるいはその異性体を意味すると理解されるべきである。特に、前記基は、1個、2個、3個または4個の炭素原子(「C1−C4−アルキル」)(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル基)を有し、とりわけ、1個、2個または3個の炭素原子(「C1−C3−アルキル」)(例えば、メチル、エチル、n−プロピル−またはイソプロピル基)を有する。
【0019】
用語「C1−C6−ハロアルキル」は、好ましくは、用語「C1−C6−アルキル」が上で定義され、1個または複数個の水素原子が、ハロゲン原子によって同一に、または異なるように、すなわち、1個のハロゲン原子が他から独立して置き換えられる、直鎖または分岐鎖の一価の飽和炭化水素基を意味すると理解されるべきである。特に、前記ハロゲン原子はFである。前記C1−C6−ハロアルキル基は、例えば、−CF3、−CHF2、−CH2F、−CF2CF3または−CH2CF3である。
【0020】
用語「C1−C6−アルコキシ」は、好ましくは、用語「アルキル」が上で定義された、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシまたはn−ヘキソキシ基、あるいはその異性体である、式−O−アルキルの直鎖または分岐鎖の一価の飽和炭化水素基を意味すると理解されるべきである。特に、前記「C1−C6−アルコキシ」は、1個、2個、3個、4個または5個の炭素原子、(「C1−C5−アルコキシ」)を含むことができる。
【0021】
用語「C1−C6−ハロアルコキシ」は、好ましくは、1個または複数個の水素原子が、ハロゲン原子によって同一に、または異なるように置き換えられる、上で定義された、直鎖または分岐鎖の一価の飽和C1−C6−アルコキシ基を意味すると理解されるべきである。特に、前記ハロゲン原子はFである。前記C1−C6−ハロアルコキシ基は、例えば、−OCF3、−OCHF2、−OCH2F、−OCF2CF3または−OCH2CF3である。
【0022】
本明細書全体にわたって用いられる用語「C1−C6」は、例えば、「C1−C6−アルキル」、「C1−C6−ハロアルキル」、「C1−C6−アルコキシ」または「C1−C6−ハロアルコキシ」の定義の文脈において、1個〜6個の有限数の炭素原子、すなわち、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するアルキル基を意味すると理解されるべきである。さらに、前記用語「C1−C6」は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C1−C6、C2−C5、C3−C4、C1−C2、C1−C3、C1−C4、C1−C5;特に、C1−C2、C1−C3、C1−C4、C1−C5、C1−C6;とりわけ、C1−C4;「C1−C6−ハロアルキル」または「C1−C6−ハロアルコキシ」の場合は、さらにとりわけ、C1−C2と解釈されるべきであると理解されるべきである。
【0023】
別の実施形態によれば、本発明は、上述の一般式(I)(式中:Aは:
【化6】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)から選択される基を表し;
Xは:
【化7】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、ここで、基は、ハロゲン、C1−C4−アルキル、C1−C4−ハロアルキル、C1−C4−アルコキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換され、ここで、C1−C4−アルキル基およびC1−C4−ハロアルキル基は、任意選択でOHで置換される。)から選択される基であり;
R1は、C1−C4−アルキルであり、これは、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
R2、R5は、互いに無関係に水素またはC1−C4−アルキルであり、ここで、C1−C4−アルキル基は、ハロゲンで互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換され;
R3、R4は、互いに無関係にC1−C4−アルキルであり、これにより、R3およびR4は、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C4−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
R6、R7、R8、R9は、互いに無関係にC1−C4−アルキルであり、これにより、R6、R7、R8およびR9は、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
Rは、水素またはC1−C4−アルキル基である。)の化合物、
あるいは、その立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、あるいはそれらの混合物を対象に含む。
【0024】
別の実施形態によれば、本発明は、上述の一般式(I)(式中:Aは:
【化8】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)から選択される基を表し;
Xは:
【化9】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、ここで、基は、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または2回任意選択で置換される。)から選択される基であり;
R1はプロピルであり、これは、RO(CO)−で任意選択で置換され;
R2、R5は、互いに無関係に水素またはメチルであり;
R3、R4は、互いに無関係にC1−C3−アルキルであり、これにより、R3およびR4は、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C2−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
R6、R7、R8、R9は、互いに無関係にC1−C4−アルキルであり、これにより、R6、R7、R8およびR9は、OH、RO(CO)−またはRR2N(CO)−から互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換され;
Rは、水素またはC1−C4−アルキル基である。)の化合物、
あるいは、その立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、あるいはそれらの混合物を対象に含む。
【0025】
別の実施形態によれば、本発明は、上述の一般式(I)(式中:Aは:
【化10】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)から選択される基を表し;
Xは:
【化11】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、
および、
RXは、水素またはメチルであり、
RYは、水素、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシであり、
RZは、水素またはメチルであり、
式中、RX、RYおよびRZのうちのただ1つは水素とは異なる。)から選択される基であり、および;
R1は−CH2−CH2−CH2−COOHであり;
R2は、水素またはメチルであり;
R3はC1−C3−アルキルであり、これは、OH、HO(CO)−、H2N(CO)−、CH3−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから選択される1個の置換基で任意選択で置換され;
R4は−CH2−CH2−COOHであり;
R5は水素であり;
R6はC1−C4−アルキルであり、これは、OH、RO(CO)−またはH2N(CO)−から選択される1個の置換基で任意選択で置換され;
R7はメチルであり;
R8は−CH2−CH2−COOHであり;
R9はC2−C3−アルキルであり、これは、OHまたはHO(CO)−から選択される1個の置換基で置換され;
Rは、水素またはメチルである。)の化合物、
あるいは、その立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、あるいはそれらの混合物を対象に含む。
【0026】
別の実施形態によれば、本発明は、以下の化合物を含む基から選択される上述の一般式(I)の化合物:
・tert−ブチルN−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−N−メチル−β−アラニナート
・N−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−N−メチル−β−アラニン
・17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−メチルエストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−スルホンアミド
・tert−ブチルN−メチル−N−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート
・N−メチル−N−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニン
・tert−ブチルN−メチル−N−{[17−(6−メチルピリダジン−4−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート
・N−メチル−N−{[17−(6−メチルピリダジン−4−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニン
・17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(メチルスルホニル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン
・メチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・メチル4−{[17−(ピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート
・4−{[17−(ピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・メチル4−({17−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル}スルホニル)ブタノアート
・4−({17−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル}スルホニル)ブタン酸
・4−{[17−(6−メチルピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・4−{[17−(5−メトキシピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・4−{[17−(5−メチルピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・4−{[17−(4−メチルピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・4−{[17−(5−クロロピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタンアミド
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン−1−オール
・tert−ブチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタノアート
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸
・tert−ブチル4−オキソ−4−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}ブタノアート
・4−オキソ−4−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}ブタン酸
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]ブタンジアミド
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−4−ヒドロキシブタンアミド
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−3−スルファモイルプロパンアミド
・3−(アセチルスルファモイル)−N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]プロパンアミド
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−N−メチル−3−スルファモイルプロパンアミド
・3−(アセチルスルファモイル)−N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−N−メチルプロパンアミド
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロパンアミド
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−N−メチル−3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロパンアミド
・tert−ブチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}−4−オキソブタノアート
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}−4−オキソブタン酸
・メチル3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)スルファモイル}プロパノアート
・メチル3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルファモイル}プロパノアート
・3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)スルファモイル}プロパン酸
・3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルファモイル}プロパン酸
・N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アセトアミド
・エチルN−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]カルバモイル}−β−アラニナート
・N−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]カルバモイル}−β−アラニン
・メチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}ブタノアート
・4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}ブタン酸
・4−{[17−(6−メチルピリダジン−4−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸
・17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(S−メチルスルホンイミドイル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン
ならびに、その立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、あるいは上記からなる混合物を対象に含む。
【0027】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Aは:
【化12】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)から選択される基を表す。)の化合物に関する。
【0028】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Aは:
【化13】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)から選択される基を表す。)の化合物に関する。
【0029】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Aは:
【化14】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)から選択される基を表す。)の化合物に関する。
【0030】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Aは、基:
【化15】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表す。)の化合物に関する。
【0031】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Aは、基:
【化16】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表す。)の化合物に関する。
【0032】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Aは、基:
【化17】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表す。)の化合物に関する。
【0033】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Aは、基:
【化18】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表す。)の化合物に関する。前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Aは、基:
【化19】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表す。)の化合物に関する。
【0034】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Aは、基:
【化20】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表す。)の化合物に関する。
【0035】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Aは、基:
【化21】
(式中、*は、分子の残りの部分との前記基の結合点を示す。)を表す。)の化合物に関する。
【0036】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Xは:
【化22】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、ここで、基は、ハロゲン、CN、OH、RR2N−、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換され、ここで、C1−C6−アルキル基およびC1−C6−ハロアルキル基は、任意選択でOHで置換される。)から選択される基である。)の化合物に関する。
【0037】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Xは:
【化23】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、ここで、基は、ハロゲン、CN、OH、RR2N−、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換され、ここで、C1−C6−アルキル基およびC1−C6−ハロアルキル基は、任意選択でOHで置換される。)から選択される基である。)の化合物に関する。
【0038】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Xは:
【化24】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、ここで、基は、ハロゲン、C1−C4−アルキル、C1−C4−ハロアルキル、C1−C4−アルコキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換され、ここで、C1−C4−アルキル基およびC1−C4−ハロアルキル基は、任意選択でOHで置換される。)から選択される基である。)の化合物に関する。
【0039】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Xは:
【化25】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、ここで、基は、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換される。)から選択される基である。)の化合物に関する。
【0040】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Xは:
【化26】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、および、
RXは、水素またはメチルであり、
RYは、水素、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシであり、
RZは、水素またはメチルであり、
式中、RX、RYおよびRZのうちのただ1つは水素とは異なる。)から選択される基である。)の化合物に関する。
【0041】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Xは、
【化27】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、ここで、基は、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換される。)である。)の化合物に関する。
【0042】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Xは、
【化28】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、および、
RXは、水素またはメチルであり、
RYは、水素、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシであり、
RZは、水素またはメチルであり、
式中、RX、RYおよびRZのうちのただ1つは水素とは異なる。)である。)の化合物に関する。
【0043】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Xは、
【化29】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、ここで、基は、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換される。)である。)の化合物に関する。
【0044】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Xは、
【化30】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示す。)である。)の化合物に関する。
【0045】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Xは、
【化31】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示し、ここで、基は、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシから選択される置換基で互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換される。)である。)の化合物に関する。
【0046】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Xは、
【化32】
(式中、*は、分子の残りの部分との基の結合点を示す。)である。)の化合物に関する。
【0047】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R1は、C1−C6−アルキルまたはC1−C6−ハロアルキルであり、ここで、R1は、OH、CN、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C6−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0048】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R2、R5は、互いに無関係に水素またはC1−C6−アルキルであり、ここで、C1−C6−アルキル基は、ハロゲンで互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0049】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R3、R4は、互いに無関係にC1−C6−アルキルまたはC1−C6−ハロアルキルであり、これにより、R3およびR4は、OH、CN、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C6−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0050】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R6、R7、R8、R9は、互いに無関係にC1−C6−アルキルまたはC1−C6−ハロアルキルであり、これにより、
R6、R7、R8およびR9は、OH、CN、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C6−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0051】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Rは、水素またはC1−C6−アルキル基である。)の化合物に関する。
【0052】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R1は、C1−C4−アルキルであり、これは、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0053】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R2、R5は、互いに無関係に水素またはC1−C4−アルキルであり、ここで、C1−C4−アルキル基は、ハロゲンで互いに無関係に1回または複数回任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0054】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R3、R4は、互いに無関係にC1−C4−アルキルであり、これにより、R3およびR4は、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C4−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0055】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R6、R7、R8、R9は、互いに無関係にC1−C4−アルキルであり、これにより、R6、R7、R8およびR9は、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0056】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Rは、水素またはC1−C4−アルキル基である。)の化合物に関する。
【0057】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R1はプロピルであり、これは、RO(CO)−で任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0058】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R2、R5は、互いに無関係に水素またはメチルである。)の化合物に関する。
【0059】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R3、R4は、互いに無関係にC1−C3−アルキルであり、これにより、R3およびR4は、OH、RO(CO)−、RR2N(CO)−、RR2NSO2−、C1−C2−アルキル−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0060】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:R6、R7、R8、R9は、互いに無関係にC1−C4−アルキルであり、これにより、R6、R7、R8およびR9は、OH、RO(CO)−またはRR2N(CO)−から互いに無関係に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0061】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R1は−CH2−CH2−CH2−COOHである。)の化合物に関する。
【0062】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R2は、水素またはメチルである。)の化合物に関する。
【0063】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R2は水素である。)の化合物に関する。
【0064】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R3はC1−C3−アルキルであり、これは、OH、HO(CO)−、H2N(CO)−、CH3−(CO)(NH)SO2−または5−テトラゾリルから選択される1個の置換基で任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0065】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R4は−CH2−CH2−COOHである。)の化合物に関する。
【0066】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R5は水素である。)の化合物に関する。
【0067】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R6はC1−C4−アルキルであり、これは、OH、RO(CO)−またはH2N(CO)−から選択される1個の置換基で任意選択で置換される。)の化合物に関する。
【0068】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R7はメチルである。)の化合物に関する。
【0069】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R8は−CH2−CH2−COOHである。)の化合物に関する。
【0070】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
R9はC2−C3−アルキルであり、これは、OHまたはHO(CO)−から選択される1個の置換基で置換される。)の化合物に関する。
【0071】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:
Rは、水素またはメチルである。)の化合物に関する。
【0072】
前述の態様の別の実施形態において、本発明は、式(I)(式中:Rは水素である。)の化合物に関する。
【0073】
用語「置換される(substituted)」は、指定された原子上の1個または複数個の水素が、示した群から選択されたもので置き換えられることを意味する。ただし、現状での指定された原子の通常の結合価を超えず、置換によって安定な化合物になるものとする。置換基および/または変数の組み合わせは、このような組み合わせによって安定な化合物になる場合にのみ許容される。
【0074】
用語「任意選択で置換される(optionally substituted)」は、指定された基(group、radical)または部分(moiety)での任意選択の置換を意味する。
【0075】
環構造置換基は、例えば、環構造上の利用可能な水素を置換する、芳香族または非芳香族の環構造に結合した置換基を意味する。
【0076】
本明細書において用いられるとき、用語「1つまたは複数(one or more)」は、例えば、本発明の一般式の化合物の置換基の定義において、「1つ、2つ、3つ、4つまたは5つ、特に、1つ、2つ、3つまたは4つ、とりわけ、1つ、2つまたは3つ、さらにとりわけ、1つまたは2つ」を意味すると理解される。
【0077】
本発明はまた、本発明の化合物のすべての適した同位体変種も含む。本発明の化合物の同位体変種は、少なくとも1個の原子が同じ原子番号を有するが、通常または主として天然に存在する原子質量とは異なる原子質量を有する原子によって置き換えられた化合物と定義される。本発明の化合物に取り込むことができる同位体の例には、2H(デューテリウム)、3H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、129Iおよび131Iなど、それぞれ、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体が含まれる。本発明の化合物の特定の同位体変種、例えば、3Hまたは14Cなどの1つまたは複数の放射性同位体が組み込まれたものは、薬剤および/または基質組織の分布調査において有用である。トリチウム標識した同位体および炭素14、すなわち、14Cの同位体は、それらの調製および検出性を容易にするために特に好ましい。さらに、デューテリウムなどの同位体での置換によって、より大きな代謝安定性の結果生じる特定の治療上の利点、例えば、インビボでの半減期の増大、または必要用量の低減がもたらされることがあり、したがって、場合によっては好ましいこともある。本発明の化合物の同位体変種は一般的に、例示的方法などによって当業者により知られている従来手順によって、または適した試薬の適切な同位体変種を使用して以下の実施例に記載される調製によって調製することができる。
【0078】
化合物、塩、多形、水和物、溶媒和物などの語の複数形が本明細書で使用される場合、これは、単一の化合物、塩、多形、異性体、水和物、溶媒和物なども意味すると見なされる。
【0079】
「安定な化合物」または「安定な構造」により、有用な程度の純度までの反応混合物からの単離、および効果的な治療薬への処方に耐える十分に堅牢な化合物を意味する。
【0080】
本発明の化合物は、所望の各種置換基の位置および特性に応じて、1つまたは複数の不斉中心を含んでもよい。不斉炭素原子は、(R)または(S)配置で存在してもよく、不斉中心が単一の場合はラセミ混合物、不斉中心が複数の場合はジアステレオマー混合物を生じる。特定の例では、所与の結合、例えば、特定の化合物の2つの置換芳香族環を結合する中心結合まわりの回転が制限されることにより、非対称性が存在してもよい。
【0081】
本発明の化合物は、例えば、*が、分子の残りの部分が結合することができる原子を示す構造:
【化33】
の不斉スルホキシド基またはスルホキシミン基などの不斉硫黄原子を含んでもよい。
【0082】
また、環上の置換基は、シス形またはトランス形のいずれかで存在してもよい。すべてのこのような配置(エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む。)が本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0083】
好ましい化合物は、望ましい生物活性をもたらす化合物である。本発明の化合物の分離された純粋な、または部分的に精製された異性体および立体異性体あるいはラセミ混合物またはジアステレオマー混合物もまた、本発明の範囲内に含まれる。このような物質の精製および分離は、当技術分野において既知の標準的な技術によって実現することができる。
【0084】
光学異性体は、従来の工程によるラセミ混合物の分割、例えば、光学活性な酸または塩基を用いるジアステレオ異性体塩の生成、あるいは共有結合性ジアステレオマーの生成によって得ることができる。適切な酸の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸である。ジアステレオ異性体の混合物は、それらの物理的および/または化学的な違いに基づいて、当技術分野において既知の方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別再結晶により、それらの個々のジアステレオマーに分離することができる。次いで、光学活性な塩基または酸は、分離されたジアステレオマー塩から遊離される。光学異性体を分離するための別の工程は、従来の誘導体化あり、またはなしで、エナンチオマーを最大限に分離するために最も適切に選ばれたキラルクロマトグラフィー(例えば、キラルHPLCカラム)を使用するものである。適したキラルHPLCカラムはDaicelにより製造されており、例えば、数あるなかで、Chiracel,O.,D.およびChiracel,O.,J.がすべて日常的に選択可能である。酵素分離もまた、誘導体化あり、またはなしで有用である。本発明の光学活性な化合物も同じく、光学活性な出発材料を利用してキラル合成により得ることができる。
【0085】
異なるタイプの異性体を互いに特定するために、IUPAC規則セクションEを参照する(Pure Appl Chem 45,11−30,1976)。
【0086】
本発明には、単一の立体異性体として、または前記立体異性体、例えば、任意の比のR−またはS−異性体、あるいはE−またはZ−異性体の任意の混合物として、本発明の化合物のすべての可能な立体異性体が含まれる。本発明の化合物の単一の立体異性体、例えば、単一のエナンチオマーまたは単一のジアステレオマーの単離は、任意の適した最先端の方法、例えば、クロマトグラフィー、特にキラルクロマトグラフィーなどによって実現されてもよい。
【0087】
さらに、本発明の化合物は、互変異性体として存在してもよい。例えば、ヘテロアリール基としてピラゾール部分を含む本発明の任意の化合物は、例えば、1H互変異性体もしくは2H互変異性体、または任意の量の2つの互変異性体の混合物としても存在することができて、あるいは、トリアゾール部分は、例えば、1H互変異性体、2H互変異性体もしくは4H互変異性体、または任意の量の前記1H、2Hおよび4H互変異性体、すなわち:
【化34】
の混合物としても存在することができる。
【0088】
本発明には、単一の互変異性体として、または任意の比の前記互変異性体の任意の混合物として、本発明の化合物のすべての可能な互変異性体が含まれる。
【0089】
さらに、本発明の化合物はN−オキシドとして存在することができて、これは、本発明の化合物の少なくとも1つの窒素が酸化されていると定義される。本発明には、このようなすべての可能なN−オキシドが含まれる。
【0090】
また、本発明は、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、塩、特に医薬として許容される塩および共沈物など、本明細書に開示されている化合物の有用な形態に関する。
【0091】
本発明の化合物は、水和物または溶媒和物として存在することができて、ここで、本発明の化合物は、極性溶媒、特に、水、メタノールまたはエタノールを、例えば、化合物の結晶格子の構成要素として含む。極性溶媒、特に水の量は、化学量論比または非化学量論比で存在してもよい。化学量論的な溶媒和物の場合、例えば、水和物、ヘミ−、(セミ−)、モノ−、セスキ−、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−などの溶媒和物または水和物がそれぞれ可能である。本発明には、すべてのこのような水和物または溶媒和物が含まれる。
【0092】
さらに、本発明の化合物は、遊離型で、例えば、遊離塩基として、または遊離酸として、または双性イオンとして存在することができて、あるいは、塩の形態で存在することができる。前記塩は、有機または無機付加塩の任意の塩、特に、通例薬学で使用される、医薬として許容される任意の有機または無機付加塩でもよい。
【0093】
用語「医薬として許容される塩」は、本発明の化合物の比較的毒性のない無機または有機酸付加塩を指し、例えば、Berge,S.M.ら(1977)Pharmaceutical Salts.J.Pharm.Sci.,66,1−19を参照されたい。
【0094】
本発明の化合物の医薬として許容される適した塩は、例えば、鎖内または環内に窒素原子を持つ本発明の化合物の酸付加塩でもよく、例えば、これは、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、二硫酸、リン酸または硝酸など)との酸付加塩、または有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、
2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ショウノウ酸、ケイ皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、2−ヒドロキシエタンスルホナート、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ナフタリンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D−グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸またはチオシアン酸など)との酸付加塩など、十分に塩基性である。
【0095】
さらに、十分に酸性である、本発明の化合物の医薬として適切に許容される別の塩はアルカリ金属塩であり、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩、アンモニウム塩、あるいは生理学的に許容される陽イオンを与える有機塩基との塩、例えば、N−メチル−グルカミン、ジメチル−グルカミン、エチル−グルカミン、リシン、ジシクロヘキシルアミン、1,6−ヘキサジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス−ヒドロキシ−メチル−アミノメタン、アミノプロパンジオール、ソヴァーク塩基(sovak−base)、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールとの塩である。さらに、塩基性の窒素含有基は、低級ハロゲン化アルキル(メチル、エチル、プロピルおよびブチルのクロリド、ブロミドおよびヨージドなど)、ジアルキルスルファート(ジメチル、ジエチルおよびジブチルのスルファートおよびジアミルスルファートなど)、長鎖ハロゲン化物(デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル(strearyl)のクロリド、ブロミドおよびヨージドなど)、アラルキルハロゲン化物(ベンジルおよびフェネチルのブロミドなど)ならびにその他のような薬剤で四級化されてもよい。
【0096】
さらに、記載された化合物の酸付加塩は、適切な無機酸または有機酸を用いて、いくつかの既知の方法のいずれかを経て化合物を反応させることにより調製されてもよいことを当業者は理解されよう。あるいは、本発明の酸性化合物のアルカリおよびアルカリ土類金属塩は、適切な塩基を用いて、さまざまな既知の方法を経て本発明の化合物を反応させることにより調製される。
【0097】
本発明には、本発明の化合物のすべての可能な塩が、単一の塩として、または前記の塩の任意の比の任意の混合物として含まれる。
【0098】
さらに、本発明には、本発明の化合物のすべての可能な結晶形または多形が、単一の多形として、または任意の比の1つを超える多形の混合物として含まれる。
【0099】
本発明の化合物内の基が置換されるとき、基は、別段の指定がない限り、一置換または多置換されてもよい。本発明の文脈において、1回を超えて発生するすべての基は、互いに無関係に定義される。1個、2個または3個の同一または異なる置換基による置換が好ましい。
【0100】
本発明の文脈において、用語「治療」または「を治療する」には、疾患、状態、障害、傷害または健康問題、あるいは、このような状態および/またはこのような状態の症状の発生、経過または進行の阻害、遅延、検査、軽減、減弱、制限、減少、抑制、忌避または治癒が含まれる。本明細書において、用語「治療法」は、用語「治療」と同義であると理解される。
【0101】
用語「予防(prevention)」、「予防法(prophylaxis)」または「防止(preclusion)」は、本発明の文脈において同義で用いられ、疾患、状態、障害、損傷または健康問題を罹患したり、経験したり、患ったり、または有したりするリスク、あるいは、このような状態および/またはこのような状態の症状の発生または進行のリスクの回避または低減を指す。
【0102】
疾患、状態、障害、損傷または健康問題の治療または予防は、部分的または完全でもよい。
【0103】
本発明の化合物は、予測できない、価値のある広範な薬理学的および薬物動態学的な活性を有する。したがって、これらの化合物は、ヒトおよび動物における障害の治療および/または予防法のための医薬品としての使用に適している。本発明の文脈において、用語「治療」には予防法が含まれる。本発明の化合物の医薬品の効能は、AKR1C3阻害剤としてのこれらの作用によって説明することができる。表1(実施例47、生化学アッセイにおけるAKR1C3の阻害)および表2(実施例48、細胞ベースの系におけるAKR1C3の阻害)に示す通り、本発明の化合物は、AKR1C3酵素の強力な阻害剤である。
【0104】
さらに、本発明の化合物は、子宮平滑筋腫、子宮の出血性障害、月経困難症、前立腺癌、前立腺肥大症、ざ瘡、脂漏症、脱毛、早発性の性成熟、多嚢胞性卵巣症候群、乳癌、肺癌、子宮内膜癌、腎細胞癌、膀胱癌、非ホジキンリンパ腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肥満症、または炎症に関連する痛みの治療および/または予防法に適している。
【0105】
さらに本発明は、障害、特に上述の障害の治療および/または予防法のための医薬品の製造のための本発明の化合物の使用を提供する。
【0106】
さらに本発明は、有効量の本発明の化合物を使用する、障害、特に上述の障害の治療および/または予防法のための方法を提供する。
【0107】
さらに本発明は、障害、特に上述の障害の治療および/または予防法のための本発明の化合物の使用を提供する。
【0108】
さらに本発明は、上述の障害の治療および/または予防法のための方法における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0109】
さらに本発明は、少なくとも1つの本発明の化合物、および少なくとも1つか、または1つを超える別の活性成分を含む、特に、上述の障害の治療および/または予防法のための医薬品を提供する。適した組み合わせ活性成分の好ましい例には以下が含まれる:選択的エストロゲン受容体調節物質(SERM)、エストロゲン受容体(ER)アンタゴニスト、アロマターゼ阻害剤、17β−HSD1阻害剤、ステロイドスルファターゼ(STS)阻害剤、GnRHアゴニストおよびアンタゴニスト、キスペプチン受容体(KISSR)アンタゴニスト、選択的アンドロゲン受容体調節物質(SARM)、アンドロゲン、5α−還元酵素阻害剤、C(17,20)−リアーゼ阻害剤、選択的プロゲステロン受容体調節物質(SPRM)、ゲスターゲン、抗ゲスターゲン剤、経口避妊剤、マイトジェン活性化プロテイン(MAP)キナーゼの阻害剤およびMAPキナーゼ(Mkk3/6、Mek1/2、Erk1/2)の阻害剤、プロテインキナーゼB(PKBα/β/γ;Akt1/2/3)の阻害剤、ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)の阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ(CDK1/2)の阻害剤、低酸素誘導シグナル伝達経路の阻害剤(HIF1α阻害剤、プロリルヒドロキシラーゼの活性化剤)、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、プロスタグランジンF受容体(FP)(PTGFR)アンタゴニストおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)。
【0110】
例えば、本発明の化合物は、癌の治療のための既知の抗異常増殖性の細胞分裂阻害物質または細胞障害性物質と組み合わせることができる。さらに、本発明の化合物は、放射線療法および/または外科的処置と組み合わせて使用することもできる。
【0111】
適した組み合わせ活性成分の例には以下が含まれる:
131I−chTNT、アバレリックス、アビラテロン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アルグラビン、arsentrioxidas、アスパラギナーゼ、アザシチジン、バシリキシマブ、RDEA 119、ベロテカン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デスロレリン、塩化ジブロスピジウム、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、エクリズマブ、エドレコロマブ、エリプチニウムアセタート、エルトロンボパグ、エンドスタチン、エノシタビン、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フィルグラスチム、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、ホルメスタン、ホテムスチン、フルベストラント(fulvoestrant)、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、glutoxim、ゴセレリン、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I−125ペレット、イバンドロン酸、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イピリムマブ、イリノテカン、イキサベピロン、ランレオチド、ラパチニブ、レナリドミド、レノグラスチム、レンチナン、レトロ
ゾール、リュープロレリン、レバミゾール、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルテストステロン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ネララビン、ニロチニブ、ニルタミド、ニモツズマブ、ニムスチン、ニトラクリン、オファツムマブ、オメプラゾール、オプレルベキン、オキサリプラチン、p53遺伝子治療、パクリタキセル、パリフェルミン、パラジウム−103ペレット、パミドロン酸、パニツムマブ、パゾパニブ、ペガスパルガーゼ、PEG−エポエチンベータ(メトキシPEG−エポエチンベータ)、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピシバニール、ピラルビシン、プレリキサフォル、プリカマイシン、ポリグルサム、リン酸ポリエストラジオール、ポリサッカライドK、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プロカルバジン、キナゴリド、塩化ラジウム−223、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ラゾキサン、レゴラフェニブ、リセドロン酸、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、サルグラモスチム、シプロイセルT、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾールナトリウム、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タソネルミン、テセロイキン、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロホスファミド、トリプトファン、ウベニメクス、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム−90ガラスマイクロスフェア類、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシン。
【0112】
本発明は、好ましくは、少なくとも1つの本発明の化合物および1つまたは複数の以下の活性成分を含む、特にアンドロゲン受容体依存性増殖性障害の治療および/または予防法のための医薬品に関する:LHRH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニスト、
LHRH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アンタゴニスト、
C(17,20)−リアーゼ阻害剤、
I型5−α−還元酵素阻害剤、
II型5−α−還元酵素阻害剤、
I/II混合型5−α−還元酵素阻害剤、
骨転移の治療のためのα線を発する放射性医薬品、例えば、塩化ラジウム−223、
細胞分裂阻害剤、
VEGF(血管内皮増殖因子)キナーゼ阻害剤、
抗ゲスターゲン剤、
抗エストロゲン剤、
EGF抗体、
エストロゲンまたは
他のアンドロゲン受容体拮抗剤、
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼI阻害剤、
または、細胞表面タンパク質に結合した二重特異性T細胞誘導(BiTE)、例えば、前立腺特異的膜抗原(PSMA)。
【0113】
また本発明は、一般式Iの少なくとも1つの化合物(または、有機酸および無機酸との、生理学的に許容される付加塩)を含む医薬配合物、および特に上述の適応症のための医薬品の製造のためのこれらの化合物の使用に関する。
【0114】
化合物は、経口投与または非経口投与のいずれかの後に、上述の適応症のために使用することができる。
【0115】
本発明の化合物は、全身的および/または局所的に作用することができる。この目的のために、これらの化合物は適した方法で、例えば、経口、非経口、肺、経鼻、舌下、舌、頬側、直腸、皮膚(dermal)、経皮(transdermal)、結膜、耳の経路により、あるいは植込またはステントとして投与することができる。
【0116】
本発明の化合物は、これらの投与経路に適した投与形態で投与することができる。
【0117】
経口投与に適した投与形態は、本発明の化合物を迅速に、かつ/または変更された方法で放出し、先行技術にしたがって機能し、本発明の化合物を結晶および/または非晶質および/または溶解形態で含むもの、例えば、錠剤(非コーティングあるいは例えば、本発明の化合物の放出を制御する、腸溶または遅延溶解または不溶性コーティングによるコーティング錠)、口腔で急速に崩壊する錠剤またはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥物、カプセル剤(例えば、硬質または軟質ゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤または液剤である。
【0118】
非経口投与は、吸収ステップ(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内の経路による。)を避けて、または吸収(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮的または腹腔内の経路による。)を含めて実現することができる。非経口投与に適した投与形態には、溶液、懸濁液、乳剤、凍結乾燥物または無菌粉末の形態の注入および輸注の配合物が含まれる。
【0119】
他の投与経路については、適した例は、吸入医薬品(粉末吸入器、ネブライザーを含む。)、点鼻液、溶液またはスプレー;舌、舌下または頬側投与用の錠剤、フィルム/オブラートまたはカプセル、坐剤、耳または眼の製剤、膣用カプセル、水性懸濁液(ローション、振盪合剤)、親油性懸濁液、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えば、パッチ)、乳剤、ペースト、泡、散布粉末、植込、子宮内コイル、膣リングまたはステントである。
【0120】
本発明の化合物は、述べた投与形態に変換することができる。この変換は、それ自体既知の方法で、不活性で非毒性の薬剤的に適した賦形剤と混合することによって行うことができる。これらの賦形剤には、キャリヤー(例えば、微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液体のポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレアート)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成および天然の高分子(例えば、アルブミン)、安定剤(例えば、アスコルビン酸などの酸化防止剤)、色素(例えば、酸化鉄などの無機顔料)ならびに矯味薬および/または矯臭薬が含まれる。
【0121】
さらに本発明は、少なくとも1つの本発明の化合物を、通常、1つまたは複数の不活性で非毒性の薬剤的に適した賦形剤と共に含む医薬品および上述の目的のためのその使用を提供する。
【0122】
経口投与の場合、量は1日あたり体重の約0.01〜100mg/kgである。投与される式Iの化合物の量は広い範囲内で変わり、任意の有効量を対象に含むことができる。治療される状態および投与方法に応じて、投与される化合物の量は、1日あたり体重の0.01〜100mg/kgにすることができる。
【0123】
これに関わらず、活性成分、配合物のタイプ、および投与の時間または間隔に対する体重、投与経路、および個々の挙動に特異的に依存して、指定の量から逸脱する必要があることがある。例えば、場合によっては、上述の最小量より少なくても十分であることもある一方で、他の場合においては、述べた上限を超えなければならない。さらに多い量を投与する場合は、それを1日数回に分けて投与するとよいこともある。
【0124】
以下の試験および実施例におけるパーセントは、特に記載のない限り重量パーセントであり、部は重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈率および濃度のデータはそれぞれの場合において体積に基づく。
【0125】
さらに本発明は、子宮内膜症、子宮平滑筋腫、子宮の出血性障害、月経困難症、前立腺癌、前立腺肥大症、ざ瘡、脂漏症、脱毛、早発性の性成熟、多嚢胞性卵巣症候群、乳癌、肺癌、子宮内膜癌、腎細胞癌、膀胱癌、非ホジキンリンパ腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肥満症、または炎症に関連する痛みの治療および予防法のための医薬品を提供する。
【0126】
さらに本発明は、経腸、非経口、膣内、子宮内および経口投与のための医薬配合物の形態の、一般式(I)の化合物の使用を提供する。
【0127】
【表1】
【0128】
本発明の化合物は、以下の部に記載の通り調製することができる。以下で説明する合成スキームおよび手順は、本発明の一般式(I)の化合物への一般的な合成経路を示しており、限定するためのものではない。合成スキームに例示した変換の順序は、さまざまに変更することができる。したがって、合成スキームに例示した変換の順序は、限定するためのものではない。さらに、いずれの置換基の相互変換も、例示した変換の前および/または後に実現することができる。これらの変更は、保護基の導入、保護基の切断、官能基の交換、還元または酸化、ハロゲン化、メタル化反応、置換あるいは当業者に既知のその他の反応などにすることができる。これらの変換には、置換基の別の相互変換を可能にする官能基を導入する変換が含まれる。適切な保護基ならびにその導入および切断は、文献により周知である(例えば、Wuts,P.,G.,M.およびGreene,T.,W.(2006).Protective Groups in Organic Synthesis,4th edition,Wiley参照)。具体例を以下の段落で説明する。さらに、2つ以上の連続するステップが、前記ステップ間のワークアップなしで、例えば、「ワンポット」反応で実施されてもよい可能性がある。
化合物の合成(概要):
【0129】
一般式(I)中の基Aの定義に応じて、さまざまな合成経路が用いられなければならない。これらの異なる経路を示すために、一般式(I)の化合物のサブセットをIC1、IC2、IC3、IC4、IC5、IC6、IC7、IC8およびIC9として以下の合成スキームに示す。
【0130】
前の部において述べた通り、本発明の化合物の一部は、当業者に既知の反応法によって他の置換基に変換することができる置換基を示すことがある。例えば、本発明の化合物が、メチルエステルまたはエチルエステルなどのカルボン酸エステル基を示す場合、文献に記載されているエステルの加水分解を実施して、カルボン酸基を持つ化合物を導くことができる。この目的のために、エステル基を持つ本発明の化合物が、テトラヒドロフラン(THF)、メタノールまたはジメチルスルホキシド(DMSO)などの溶媒と、あるいはメタノールおよびTHFの混合物と混合される。次いで、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化リチウム水溶液が加えられ、混合物が室温で撹拌される。混合物は任意選択で加熱される。エステルがカルボン酸tert−ブチルである場合、文献により既知の方法によって、例えば、ジクロロメタンまたはクロロホルム中、トリフルオロ酢酸を用いて、あるいは1,4−ジオキサン中、塩化水素を用いてカルボン酸に変換することができる。ジクロロメタン中、トリフルオロ酢酸を用いる反応が好ましい。
【0131】
カルボン酸基またはカルボン酸エステル基を有する本発明の化合物は、当技術分野において既知の方法により、ヒドロキシル基を持つ化合物に還元することができる。例えば、カルボン酸部分を持つ化合物は、THF中、トリエチルアミンの存在下でイソブチルクロロホルマートを用いて処理し、続いて1時間後に水素化ホウ素ナトリウムを用いて処理して、またはこの化合物は、ジイソブチルアルミニウムヒドリドを用いて処理して、ヒドロキシル基を持つ化合物を生成することができる。
本発明の化合物のサブセットの合成
【0132】
本発明の化合物の一部は、17−オキソエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−スルホニルクロリド(CAS 148259−10−3、Steroids(1993),58(3),106−11)から進めて、合成スキーム1にしたがって調製することができる。
【0133】
トリエチルアミンなどの三級アミンの存在下、DMFなどの溶媒中の一級アミンまたは二級アミンとのCAS 148259−10−3の反応は、中間体1を生成する。
【0134】
中間体2は、国際公開第20140009274号パンフレットおよび国際公開第2013045407号パンフレットに記載の方法に関連する方法により調製することができる。さらに、トルエンおよびTHFなどの適した溶媒中またはこれらの混合物中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドとの中間体1の反応、およびその後のN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アニリンの添加は中間体2を導く。
【0135】
本発明の化合物のサブセットIC1(式中、Aは、基−SO2NR2R9を表す。)は、鈴木反応を用いて、国際公開第20140009274号パンフレットおよび国際公開第2013045407号パンフレットに記載されている同様の方法で中間体2から調製される。
【0136】
前述のように、化合物のサブセットIC1から出発する官能基変換を実施して、別の本発明の化合物を与えることができる。
【0137】
【化35】
【0138】
本発明の化合物のサブセットIC2(式中、Aは、基−SO2R6を表す。)は、3−スルファニルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(CAS 1670−31−1;Li,Pui Kaiら、Steroids,58(3),106−11;1993)から出発して、合成スキーム2にしたがって調製することができる。
【0139】
任意選択で置換された塩化アルキル、臭化アルキルまたはヨウ化アルキルとの塩基の存在下の反応は中間体3を導く。DMF、NMPまたはDMSOなどの溶媒中の炭酸セシウム、炭酸カリウムまたは水素化ナトリウムなどの塩基を適用することができる。炭酸カリウムの存在下、DMSO中の任意選択で置換された臭化アルキルまたはヨウ化アルキルとの反応が好ましい。
【0140】
ジクロロメタン中のm−クロロ過安息香酸(mCPBA)を用いる中間体3の酸化は、スルホン部分を示す中間体4を導く。
【0141】
中間体5は、合成スキーム1の中間体2の調製について記載の方法により調製することができる。ジクロロメタン中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物およびトリエチルアミンの使用が好ましい。
【0142】
本発明の化合物のサブセットIC2は、鈴木反応により、国際公開第20140009274号パンフレットおよび国際公開第2013045407号パンフレットに記載の方法と同様の条件を用いて調製することができる。2M炭酸ナトリウム水溶液およびジオキサンの混合物中のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)の使用が好ましい。
【0143】
合成スキーム1と同様に、カルボン酸基を持つ本発明の化合物は、カルボン酸エステル基を持つ、合成スキーム2の化合物のサブセットIC2から調製することができる。
【0144】
【化36】
【0145】
本発明の化合物の別のサブセットIC3(式中、Aは、基−NH−COR3を表す。)は、3−アミノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(CAS18119−98−7;Schoen,U.ら(2005).Tetrahedron Letters,46(42),7111−7115;)から進めて、合成スキーム3にしたがって調製することができる。
【0146】
カルボン酸とのアミドカップリング反応は、中間体6を生成する。カップリング試薬を適用することができる。4−メチルモルホリンの存在下でのHATUの使用が好ましい。中間体7および8は、文献(国際公開第2013045407号パンフレット、合成スキーム3)において既知の方法を用いて調製することができる。本発明の化合物のサブセットIC3は、鈴木反応により、国際公開第20140009274号パンフレットおよび国際公開第2013045407号パンフレットに記載されている同様の条件を用いて調製することができる。サブセットIC3から出発して、本発明の化合物の別のサブセットIC4(式中、Aは、基−NR10−COR3を表す(これにより、R10はC1−C6−アルキルの意味を有する)。)は、アルキル化反応により調製することができる。DMFなどの溶媒中において、適した塩基およびハロゲン化アルキルでIC3を処理すると、IC4が生成する。水素化ナトリウムが塩基として好ましい。DMFまたはNMPなどの極性溶媒を適用することができる。DMFが好ましい。IC3またはIC4の置換基R3が官能基を含む場合、これらの基は、文献により既知の方法によって、他の官能基に変換して、別の本発明の化合物を生成することができる。例えば、R3がカルボン酸エステル基を示す場合、この基は、合成スキーム1に記載の通り、カルボン酸基またはヒドロキシル基に変換することができる。カルボン酸は、カップリング法(例えば、HATUに基づく方法)を用いてアミンと反応させ、カルボキサミドを生成して別の本発明の化合物を与えることができる。
【0147】
【化37】
【0148】
エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン誘導体(国際公開第2013045407号パンフレットに記載。)から出発して、tert−ブタノール中、ジフェニルホスホリルアジドおよびトリエチルアミンを用いて、クルチウス転位により中間体9を調製することができる(Shioiri,T.ら(1972).Journal of the American Chemical Society,94,17,6203−6205)。中間体9は、ジクロロメタン中、トリフルオロ酢酸を用いて中間体10に変換することができる。中間体11は、中間体10から、文献により既知の方法によって調製することができる。例えば、還元的アミノ化を適用することができる。
【0149】
【化38】
【0150】
中間体10および11は、サブセットIC5、IC6、IC7およびIC8に変換することができる。
【0151】
サブセットIC5(式中、Aは、基−NR2−SO2R8を表す。)の調製のために、トリエチルアミンなどの三級アミンの存在下、中間体10または11の塩化スルホニルとの反応を、DMFなどの適した溶媒中で適用することができる。
【0152】
サブセットIC6(式中、Aは、基−NR2−COR3を表す。)の調製のために、中間体10または11のカルボン酸との反応を適用することができる。4−メチルモルホリンの存在下でのHATUの使用が好ましい。さらに、サブセットIC6の化合物を、カルボン酸塩化物、およびトリエチルアミンなどの塩基を用いて、中間体10または11から得ることができる。例えば、塩化アセチルおよびトリエチルアミンを、R3がメチルを表す化合物のサブセットの合成に適用することができる。
【0153】
サブセットIC7(式中、Aは、基−NR2−CO−NR4R5を表す。)の調製のために、中間体10または11のイソシアネートとの反応を用いることができる。
【0154】
サブセットIC8(式中、Aは、基−NR1R2を表す。)の合成のために、適した溶媒中、またはDMFおよびアセトニトリルの混合物などの溶媒混合物中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、任意選択で置換されたハロゲン化アルキルと中間体10または11を反応させることができる。
【0155】
IC6、IC7またはIC8のR1、R3、R4またはR8が官能基を表す場合、この基は、別の官能基に変換することができる。例えば、IC6、IC7またはIC8のR1、R3、R4またはR8がカルボン酸エステルを表す場合、この基は、けん化を経由してカルボン酸に、または還元によりアルコールに変換することができる。例えば、IC5、IC6またはIC7のR3、R4またはR8がスルファモイル基(−SO2NH2)を表す場合、この基は、ジクロロメタン中、酢酸、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸(EDC)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いて、アセチルスルファモイル基に変換することができる。
【0156】
【化39】
【0157】
本発明の化合物の別のサブセットIC9(式中、Aは、基−NH−COR3を表す。)は、合成スキーム6にしたがって調製することができる。中間体6は、ジクロロメタン中、トリエチルアミンの存在下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物を用いて処理し、中間体12を与えることができる。サブセットIC9の化合物への中間体12の変換のために、国際公開第20140009274号パンフレットおよび国際公開第2013045407号パンフレットに記載の条件を用いる鈴木反応を適用することができる。
【0158】
【化40】
【0159】
本発明の化合物のサブセットIC10(式中、Aは、基−SO(NH)−R7を表す。)は、合成スキーム7にしたがって得ることができる。ジクロロメタン中のm−クロロ過安息香酸(mCPBA)との中間体3−Aの反応は、中間体13を生成する。中間体14は、ジクロロメタン中のヨードソベンゼンジアセタート、2,2,2−トリフルオロアセトアミド、酢酸ロジウム(II)二量体および酸化マグネシウムを用いて得ることができる。中間体15は、トリエチルアミンなどの三級アミンの存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を用いて調製することができる。サブセットIC10の化合物は、中間体15から鈴木反応により塩基水溶液を用いて調製することができる。2M炭酸水素ナトリウム溶液およびジオキサンの使用が好ましい。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が触媒として好ましい。
【0160】
【化41】
【0161】
LC−MS法:
方法A:
MS測定器タイプ:Waters ZMD;HPLC装置タイプ:Waters 1525;カラム:Phenomenex Luna 3μC18(2)30mm×4.6mm;移動相A:水0.1%ギ酸、移動相B:アセトニトリル0.1%ギ酸;勾配:0.0min 95%A→0.5min 95%A→4.5min 5%A→5.5min 5%A;流量:2ml/min;UV検出:DAD。
【0162】
方法B:
MS測定器タイプ:Waters Micromass ZQ2000;HPLC装置タイプ:Waters Acquity UPLCシステム;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7ミクロン100mm×2.1mm;移動相A:水0.1%ギ酸、移動相B:アセトニトリル0.1%ギ酸;勾配:0.0min 95%A→0.4min 95%A→6.0min 5%A→6.8min 5%A;流量:0.4ml/min;UV検出:PDA。
【0163】
方法C:
MS測定器タイプ:Waters ZQ;HPLC装置タイプ:HP1100シリーズ;カラム:Phenomenex Luna 3μm C18(2)30mm×4.6mm;移動相A:水0.1%ギ酸、移動相B:アセトニトリル0.1%ギ酸;勾配:0.0min 95%A→0.5min 95%A→4.5min 5%A→5.5min 5%A;流量:2ml/min;UV検出:PDA。
【0164】
方法D:
MS測定器タイプ:Waters ACQUITY SQD;HPLC装置タイプ:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ50×1mm;移動相A:1Lの水+0.25mlの99%強度ギ酸、移動相B:アセトニトリル0.1%ギ酸;勾配:0.0min 90%A→1.2min 5%A→2.0min 5%Aオーブン:50℃;流量:0.40ml/min;UV検出:PDA。
【0165】
方法E:
MS測定器タイプ:Agilent 1260 infinity purifications system。Agilent 6100シリーズシングル四重極LC/MS;カラム:XSELECT CSH Prep C18 5μm OBD、30×150mm;移動相A:0.1%ギ酸水溶液、移動相B:アセトニトリル中の0.1%ギ酸;勾配:10%〜95%、22min、特定のフォーカスグラジエントを中心とする;流量:60ml/min。サンプル:DMSO中の20〜60mg/ml溶液(+任意選択のギ酸および水)の注入
【0166】
方法F:
測定器:Waters Acquity UPLC−MS SQD;カラムAcquity UPLC BEH C18 1.7 50×2.1mm;溶離液A:水+0.1%Vol.ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−1.6min 1〜99%B、1.6−2.0min 99%B;流量0.8ml/min;温度:60℃;注入:2μl;DADスキャン:210〜400nm
【0167】
方法G:
測定器:Waters Autopurificationsystem SQD;カラム:Waters XBrigde C18 5μ100×30mm;溶離液A:水+0.1%Vol.ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;次の範囲は狭い勾配:0−8.0min 1〜100%B、次いで、8.0−10.0min 100%B;流量50.0ml/min;温度:室温;注入:2500μl;DADスキャン:210〜400nm
【0168】
中間体1−A
tert−ブチルN−メチル−N−{[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート
【化42】
17mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の1.88g(5.32mmol)の17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−スルホニルクロリド(Steroids,1993,58,3,106−111)の溶液に、アルゴン下、0℃で、1.63ml(11.7mmol)のトリエチルアミンおよび0.933g(5.86mmol)のtert−ブチルN−メチル−β−アラニナート(CAS No.:143707−72−6)を加えた。次いで、混合物を室温まで昇温させ、45分間撹拌した。水を反応混合物に加え、酢酸エチルに分配させた。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜40%)。表題化合物の収量は1.9g(理論値の75%)であった。
LC−MS(方法D):Rt=4.28min;m/z=476.1(M+H)
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.93(s,3H),1.42−1.47(m,9H),1.53(s,6H),2.02−2.57(m,9H),2.77(s,3H),2.94−3.02(m,2H),3.29(dd,2H),7.42(d,1H),7.50−7.57(m,2H).
【0169】
中間体2−A
tert−ブチルN−メチル−N−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート
【化43】
10mlのテトラヒドロフラン中の1.69g(3.55mmol)のtert−ブチルN−メチル−N−{[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート(中間体1−A)の溶液に、アルゴン下、−78℃で、トルエン中の4.26ml(4.26mmol)のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド1Mを加えた。混合物を−30℃まで昇温させ、−30℃で25分間保ち、次いで−78℃まで冷却した後、テトラヒドロフラン3ml中の1.46g(4.08mmol)の1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド(CAS No.:37595−74−7)の溶液を加えた。混合物を−10℃まで25分にわたって昇温させ、−10℃で45分間保った。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えることで反応を停止し、5分間撹拌した。相を分離し、さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜15%)。表題化合物の収量は1.19g(理論値の57%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=5.01min;m/z=552.3(M−tBu+H)
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.02(s,3H),1.38−1.56(m,10H),1.57−1.89(m,4H),1.90−2.04(m,2H),2.11(ddd,1H),2.31−2.46(m,3H),2.54(dd,2H),2.76(s,3H),2.93−3.02(m,2H),3.28(dd,2H),5.63(dd,1H),7.39(d,1H),7.49−7.57(m,2H).
【0170】
中間体3−A
メチル4−{[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]スルファニル}ブタノアート
【化44】
6.0mlのジメチルスルホキシド中の1.6g(5.58mmol)の3−スルファニルエストラ−1(10),2,4−トリエン−17−オン(CAS No.:13965−03−2;Steroids,1993,58,3,106−111)の溶液に、アルゴン下、810mg(5.86mmol)の炭酸カリウムおよび0.84ml(6.70mmol)のメチル4−ブロモブタノアート(CAS No.:4897−84−1)を加えた。混合物を65℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで徐冷し、水を加えた後、酢酸エチルに抽出した。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜40%)。表題化合物の収量は1.67g(理論値の77%)であった。
LC−MS(方法D):Rt=4.32min;m/z=387.1(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.91(s,3H),1.35−1.72(m,7H),1.91−2.19(m,6H),2.43−2.51(m,4H),2.85−2.97(m,4H),3.67(s,3H),7.08−7.24(m,3H).
【0171】
中間体3−B
3−(メチルスルファニル)エストラ−1(10),2,4−トリエン−17−オン
【化45】
700μlのN,N−ジメチルホルムアミド中の180mg(0.62mmol)の3−スルファニルエストラ−1(10),2,4−トリエン−17−オン(CAS No.:13965−03−2;Steroids,1993,58,3,106−111)の溶液に、アルゴン下、87mg(0.628mmol)の炭酸カリウムおよび43μl(10.2mmol)のヨードメタン(CAS No.:74−88−4)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、水と酢酸エチルの間で分配させた。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜40%)。表題化合物の収量は161mg(理論値の83%)であった。
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.91(s,3H),1.34−1.74(m,5H),1.92−2.33(m,6H),2.35−2.44(m,1H),2.46(s,3H),2.89(dd,2H),7.01−7.10(m,2H),7.20(s,1H),7.26(s,1H).
【0172】
中間体4−A
メチル4−{[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート
【化46】
20mlのジクロロメタン中の1.67g(4.32mmol)のメチル4−{[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]スルファニル}ブタノアート(中間体3−A)の溶液に、2.32g(10.3mmol)のm−クロロ過安息香酸(77%)を4つに分けて15分にわたって加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。この混合物を100mlのジクロロメタンで希釈し、10%亜硫酸ナトリウム水溶液を加えた。混合物を10分間撹拌し、抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液および塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜40%)。表題化合物の収量は1.64g(理論値の90%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=3.05min;m/z=441.1(M+Na)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.93(s,3H),1.42−1.76(m,6H),1.98−2.21(m,6H),2.30−2.41(m,1H),2.44−2.53(m,4H),2.94−3.03(m,2H),3.12−3.19(m,2H),3.66(s,3H),7.47(d,1H),7.61−7.68(m,2H).
【0173】
中間体4−B
3−(メチルスルホニル)エストラ−1(10),2,4−トリエン−17−オン
【化47】
中間体4−Aの調製と同様に、100mg(0.33mmol)の3−(メチルスルファニル)エストラ−1(10),2,4−トリエン−17−オン(中間体3−B)を、171mg(0.76mmol)のm−クロロ過安息香酸(77%)と反応させた。未精製の残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜40%)。表題化合物の収量は72mg(理論値の64%)であった。
LC−MS(方法C):Rt=3.11min;m/z=333.1(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.93(s,3H),1.40−1.75(m,6H),1.96−2.24(m,4H),2.30−2.40(m,1H),2.42−2.59(m,2H),2.95−3.03(m,2H),3.04(s,3H),7.48(d,1H),7.66−7.72(m,2H).
【0174】
中間体5−A
メチル4−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート
【化48】
30mlジクロロメタン中の1.53g(3.65mmol)のメチル4−{[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート(中間体4−A)の溶液に、990μl(5.84mmol)のトリフリン酸無水物を0℃で加え、次いで、ジクロロメタン(dichlormethane)5ml中の764μl(5.483mmol)のトリエチルアミンを滴加した。混合物を室温で16時間撹拌し、0℃まで冷却した。492μl(2.92mmol)のトリフリン酸無水物および381μl(2.74mmol)のトリエチルアミンを加え、混合物を室温でさらに4時間撹拌した。水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液および塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。表題化合物の収量は2.27g(理論値の99%)であった。
LC−MS(方法D):Rt=4.60min;m/z=551.1(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.02(s,3H),1.33−1.42(m,2H),1.43−2.23(m,9H),2.41−2.51(m,1H),2.94−3.03(m,2H),3.12−3.20(m,3H),3.29−3.52(m,2H),3.66(s,3H),5.62−5.65(m,1H),7.44(d,1H),7.60−7.68(m,2H).
【0175】
中間体5−B
3−(メチルスルホニル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−17−イルトリフルオロメタンスルホナート
【化49】
中間体5−Aの調製と同様に、70mg(0.21mmol)の3−(メチルスルホニル)エストラ−1(10),2,4−トリエン−17−オン(中間体4−B)を、57μl(0.34mmol)のトリフリン酸無水物および26μl(0.31mmol)のトリエチルアミンで処理した。16時間後、28μl(0.16mmol)および13μl(0.09mmol)のトリエチルアミンを加えた後、室温でさらに4時間連続的に撹拌した。表題化合物の収量は105mg(理論値の95%)であった。
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.02(s,3H),1.31−2.05(m,8H),2.24−2.49(m,1H),3.03(s,6H),3.30−3.52(m,1H),5.64(dd,1H),7.45(d,1H),7.64−7.73(m,2H).
【0176】
中間体6−A
tert−ブチル4−オキソ−4−{[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]アミノ}ブタノアート
【化50】
30mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の2.5g(9.29mmol)の3−アミノエストラ−1(10),2,4−トリエン−17−オン(CAS No.:18119−98−7)の溶液に、1.63g(9.38mmol)の4−tert−ブトキシ−4−オキソブタン酸(CAS No.:15026−17−2)、3.88g(10.2mmol)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファートおよび1.12ml(10.2mmol)の4−メチルモルホリンを加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、この混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水と酢酸エチルの間で分配させた。さらに有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(ジクロロメタン/酢酸エチル、勾配0%〜15%)。表題化合物の収量は3.58g(理論値の90%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=3.88min;m/z=426.3(M+H)
1H−NMR(400 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.91(s,3H),1.38−1.52(m,15H),1.52−1.68(m,3H),1.91−2.30(m,2H),2.36−2.70(m,6H),2.86−2.94(m,2H),7.17−7.25(m,2H),7.33(s,1H),7.55(s,1H)
【0177】
中間体6−B
メチル4−オキソ−4−{[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]アミノ}ブタノアート
【化51】
中間体6−Aの調製と同様に、200mg(0.74mmol)の3−アミノエストラ−1(10),2,4−トリエン−17−オンを、99mg(0.75mmol)の4−メトキシ−4−オキソブタン酸(CAS No.:3878−55−5)と反応させた。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜50%)。表題化合物の収量は240mg(理論値の83%)であった。
LC−MS(方法D):Rt=3.39min;m/z=384.0(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.90(s,3H),1.34−1.71(m,5H),1.91−2.30(m,6H),2.35−2.57(m,2H),2.60−2.79(m,4H),2.89(dd,2H),3.71(s,3H),7.20(d,2H),7.37(d,2H).
【0178】
中間体7−A
tert−ブチル4−{[(17E)−17−ヒドラジニリデンエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタノアート
【化52】
3.4mlのエタノール中の400mg(0.94mmol)のtert−ブチル4−オキソ−4−{[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]アミノ}ブタノアート(中間体6−A)の溶液に、0.65ml(4.7mmol)のトリエチルアミンおよび1.6ml(32.9mmol)のヒドラジン一水和物を加えた。混合物を還流下、3時間撹拌した。次いで、この混合物を室温まで徐冷して減圧下で濃縮し、残留物を水とジクロロメタンの間で分配させた。さらに有機相を水、塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。表題化合物の収量は404mg(理論値の97%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=2.82min;m/z=440.5(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.88(s,3H),1.22−1.68(m,14H),1.91−2.08(m,3H),2.18−2.42(m,4H),2.53−2.70(m,4H),2.83−2.91(m,2H),4.78(s,2H),5.30(s,1H),7.13−7.25(m,2H),7.32(s,1H),7.56−7.63(m,1H)
【0179】
中間体8−A
tert−ブチル4−{[17−ヨードエストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタノアート
【化53】
38mlの乾燥テトラヒドロフラン中の2.44g(9.61mmol)のヨウ素の溶液に、アルゴン下、0℃で、3.01ml(24.0mmol)の1,1,3,3−テトラメチルグアニジンを加えた。次いで、56mlのテトラヒドロフランおよび38mlのジエチルエーテル中の2.11g(4.80mmol)のtert−ブチル4−{[(17E)−17−ヒドラジニリデンエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタノアート(中間体7−A)の溶液を2時間にわたって滴加した。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、10%メタ重亜硫酸ナトリウム溶液、水、塩水で順次洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜15%)。表題化合物の収量は1.96g(理論値の70%)であった。
LC−MS(方法D):Rt=5.09min;m/z=536.2(M+H)
1H−NMR(400 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.75(s,3H),1.35−2.11(m,8H),2.20−2.29(m,3H),2.34−2.43(m,2H),2.54−2.68(m,6H),2.79(s,1H),2.84−2.91(m,3H),3.07(s,1H),3.71−3.75(m,2H),6.14−6.17(m,1H),7.19(s,2H),7.30(s,1H),7.50−7.55(m,2H)
【0180】
中間体9−A
tert−ブチル[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]カルバメート
【化54】
3.0mlのtert−ブタノール中の1g(2.64mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−カルボン酸(国際公開第201304540号パンフレット)の溶液に、アルゴン下、0.40ml(2.91mmol)のトリエチルアミンおよび802mg(2.91mmol)のジフェニルホスホロアジダート(CAS No.:26386−88−9)を加えた。反応混合物を還流下、100℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温まで徐冷し、水と酢酸エチルの間で分配させた。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜20%)。表題化合物の収量は1g(理論値の80%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=4.94min、m/z=449.4(M+H)
1H−NMR(400 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.04(s,3H),1.40−1.46(m,1H),1.51(s,9H),1.60−1.74(m,3H),1.81(dt,1H),1.91−2.02(m,1H),2.10−2.22(m,2H),2.28−2.43(m,3H),2.88−2.96(m,2H),6.09(dd,1H),6.38(s,1H),7.04(dd,1H),7.20(d,2H),7.37−7.43(m,1H),8.34(d,1H),8.48(dd,1H).
【0181】
中間体10−A
17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン
【化55】
32mlのジクロロメタン中の897mg(2.0mmol)のtert−ブチル[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]カルバメート(中間体9−A)の溶液に、7.7ml(100mmol)のトリフルオロ酢酸を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、この混合物を減圧下で濃縮した。未精製の残留物を、Isolute(登録商標)SCX−2カートリッジ(Biotage、移動相:ジクロロメタン/メタノール9:1、続いてメタノール中の2Nアンモニア)を用いて精製した。表題化合物の収量は644mg(理論値の88%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=2.92min;m/z=349.3(M+H)
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.02(s,3H),1.32−1.59(m,4H),1.60−1.91(m,2H),2.06−2.22(m,3H),2.31(ddd,2H),2.64−2.78(m,2H),4.72(s,2H),6.27−6.38(m,3H),6.91(d,1H),7.67−7.73(m,1H),8.46(d,1H),8.52(t,1H).
【0182】
中間体11−A
17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−N−メチルエストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン
【化56】
10.0mlのメタノール中の177mg(0.48mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン(中間体10−A)の溶液に、アルゴン下、72.4mg(2.41mmol)のパラホルムアルデヒド、続いて130mg(2.41mmol)のナトリウムメトキシドを加えた。反応混合物を還流下、65℃で1時間撹拌し、次いで、室温まで徐冷した。91.3mg(2.41mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを加え、反応混合物を還流下で1.5時間撹拌し、室温まで徐冷した。水を注意深く加え、2分間撹拌を続けた。反応混合物を水と酢酸エチルの間で分配させた。有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:ジクロロメタン/酢酸エチル、勾配0%〜15%)。表題化合物の収量は128mg(理論値の70%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=3.02min、m/z=363.3(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.04(s,3H),1.39−1.53(m,1H),1.59−1.74(m,3H),1.76−1.88(m,1H),1.90−2.00(m,1H),2.09−2.21(m,2H),2.26−2.43(m,3H),2.82(s,3H),2.84−2.94(m,2H),3.55(s,1H),6.07−6.10(m,1H),6.37−6.50(m,2H),7.12(d,1H),7.37−7.43(m,1H),8.34(d,1H),8.46−8.49(m,1H).
【0183】
中間体12−A
メチル4−オキソ−4−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}ブタノアート
【化57】
4.5mlのジクロロメタン中の197mg(0.51mmol)のメチル4−オキソ−4−{[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]アミノ}ブタノアート(中間体6−B)の溶液に、アルゴン下、0℃で、139μl(0.82mmol)のトリフリン酸無水物を加え、次いで、ジクロロメタン溶液(0.5ml)中の107μl(0.77mmol)のトリエチルアミンを滴加した。混合物を室温まで5時間昇温させた。水を加えることで反応混合物の反応を停止し、次いで、反応混合物をジクロロメタンで希釈して分離した。さらに有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。シクロヘキサンを用いて研和し、84mg(理論値の27%)の表題化合物を得た。
LC−MS(方法C):Rt=4.12min、m/z=515.9
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.00(s,3H),1.33−1.99(m,7H),2.02−2.17(m,1H),2.26−2.44(m,3H),2.60−2.80(m,4H),2.80−2.94(m,2H),3.62−3.70(m,1H),3.71(s,2H),5.59−5.64(m,1H),7.19(s,2H),7.33(s,1H),7.41(s,1H).
【0184】
中間体13−A
3−[(S)−メチルスルフィニル]エストラ−1(10),2,4−トリエン−17−オン
【化58】
中間体4−Aの調製と同様に、97.0mg(0.32mmol)の3−(メチルスルファニル)エストラ−1(10),2,4−トリエン−17−オン(中間体3−B)を、72.3mg(0.32mmol)のm−クロロ過安息香酸(77%)と反応させた。未精製の残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜40%)。表題化合物の収量は85mg(理論値の82%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=2.94min;m/z=317.2(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.93(s,3H),1.42−1.72(m,6H),1.95−2.24(m,4H),2.28−2.59(m,3H),2.71(s,3H),2.94−3.04(m,2H),7.34−7.47(m,3H).
【0185】
中間体14−A
2,2,2−トリフルオロ−N−{メチル(オキシド)[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]−λ6−スルファニリデン}アセトアミド
【化59】
3.5mlのジクロロメタン中の64mg(0.20mmol)の3−(メチルスルフィニル)エストラ−1(10),2,4−トリエン−17−オン(中間体13−A)の溶液に、アルゴン下、室温で、54mg(0.47mmol)の2,2,2−トリフルオロアセトアミド(CAS No.:354−38−1)、114mg(0.35mmol)のヨードソベンゼンジアセタート(CAS No.:3240−34−4)、10.7mg(0.02mmol)の酢酸ロジウム(II)二量体(CAS No.:15956−28−2)および38.3mg(0.95mmol)の酸化マグネシウム(CAS No.:1309−48−4)を加えた。反応混合物を5時間撹拌し、次いで濾過してジクロロメタンですすぎ、真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いて精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜40%)。表題化合物の収量は81mg(理論値の93%)であった。
LC−MS(方法C):Rt=3.65min;m/z=428.0(M+H)
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.93(s,3H),1.45−1.71(m,6H),2.03−2.13(m,4H),2.31−2.60(m,3H),2.97−3.06(m,2H),3.42(s,3H),7.52−7.58(m,1H),7.68−7.75(m,2H).
【0186】
中間体15−A
3−[S−メチル−N−(トリフルオロアセチル)スルホンイミドイル]エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−17−イルトリフルオロメタンスルホナート
【化60】
中間体5−Aの調製と同様に、81mg(0.19mmol)の2,2,2−トリフルオロ−N−{メチル(オキシド)[17−オキソエストラ−1(10),2,4−トリエン−3−イル]−λ6−スルファニリデン}アセトアミド(中間体14−A)を、51μl(0.30mmol)のトリフリン酸無水物ならびに40μl(0.28mmol)および26μl(0.31mmol)のトリエチルアミンで処理した。表題化合物の収量は106mg(理論値の85%)であった。
LC−MS(方法C):Rt=4.48min;m/z=559.9(M+H)
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.02(s,3H),1.33−1.89(m,6H),1.90−2.22(m,3H),2.31−2.49(m,2H),2.97−3.07(m,2H),3.35−3.51(m,4H),5.62−5.66(m,1H),7.49−7.58(m,1H),7.67−7.75(m,2H).
【0187】
実施例タイプIC1
実施例1
tert−ブチルN−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−N−メチル−β−アラニナート
【化61】
6.5mlのジオキサン中の655mg(1.07mmol)のtert−ブチルN−メチル−N−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート(中間体2−A)の溶液に、258mg(1.83mmol)の5−フルオロピリジン−3−ボロン酸、60.5mg(0.08mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)および2.15mlの2M炭酸ナトリウム溶液を加えた。反応混合物を脱気し、次いで、封管中、90℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで徐冷し、水と酢酸エチルの間で分配させた。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜35%)。表題化合物の収量は525mg(理論値の83%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=4.89min;m/z=555.4(M+H)
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.07(s,3H),1.45(s,9H),1.48−1.61(m,1H),1.67−1.86(m,4H),1.96−2.10(m,1H),2.04−2.05(m,2H),2.41(ddd,3H),2.54(dd,2H),2.77(s,3H),3.00(dd,2H),3.29(dd,2H),6.11(dd,1H),7.37−7.45(m,2H),7.50−7.57(m,2H),8.36(d,1H),8.48(dd,1H)
【0188】
実施例2
N−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−N−メチル−β−アラニン
【化62】
ジクロロメタン15.7ml中の525mg(0.94mmol)のtert−ブチルN−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−N−メチル−β−アラニナート(実施例1)を、3.64ml(47.3mmol)のトリフルオロ酢酸で処理した。混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。未精製の残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:ジクロロメタン/酢酸エチル:メタノール:水中の30%トリエチルアミン7:3、勾配0%〜70%)。表題化合物の収量は326mg(理論値の68%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=5.28min、m/z=499.2(M+H)
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.01(s,3H),1.40−1.43(m,1H),1.55−1.79(m,4H),1.88−1.95(m,1H),2.10−2.20(m,2H),2.26−2.45(m,5H),2.64(s,3H),2.91−2.99(m,2H),3.14(dd,2H),6.26−6.28(m,1H),7.43−7.53(m,3H),7.66−7.71(m,1H),8.43−8.51(m,2H),11.2−13.4(br.s,1H)
【0189】
実施例3
17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−メチルエストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−スルホンアミド
【化63】
テトラヒドロフラン1.2ml中の150mg(0.30mmol)のN−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−N−メチル−β−アラニン(実施例2)を、50μl(0.36mmol)のトリエチルアミンで0℃で処理した後、47μl(0.36mmol)の2−メチルプロピルカルボノクロリダート(CAS No.:543−27−1)を滴加した。反応混合物を0℃で45分間撹拌し、次いで、室温まで15分間昇温させた。反応混合物を0℃で冷却し、濾過してテトラヒドロフラン(200μl)ですすぎ、濾液を0℃で冷却した。13.6mg(0.36mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に加え、5分後、300μlのメタノールを加えた。反応混合物を0℃で45分間撹拌し、次いで、2時間にわたって室温までゆっくりと昇温させた。水を注意深く加え、2分間撹拌を続けた。反応混合物を水と酢酸エチルの間で分配させた。有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルでクロマトグラフィーにより精製した(移動相:ジクロロメタン/メタノール、勾配0%〜3%)。表題化合物の収量は63mg(理論値の43%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=5.33min;m/z=485.1(M+H)
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.01(s,3H),1.56−1.77(m,6H),1.88−1.97(m,1H),2.09−2.20(m,2H),2.26−2.45(m,4H),2.62(s,3H),2.95(dd,4H),3.39(dd,2H),4.43(dd,1H),6.26−6.28(m,1H),7.42−7.52(m,3H),7.66−7.71(m,1H),8.43(d,1H),8.51(t,1H).
【0190】
実施例4
tert−ブチルN−メチル−N−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート
【化64】
実施例1の調製と同様に、268mg(0.44mmol)のtert−ブチルN−メチル−N−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート(中間体2−A)を、93mg(1.83mmol)のピリミジン−5−イルボロン酸および24.7mg(0.03mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)と反応させた。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜50%)。表題化合物の収量は214mg(理論値の86%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=4.50min;m/z=538.4(M+H)
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.07(s,3H),1.26(dd,2H),1.45(s,1H),1.5−1.9(m,7H),2.05(s,3H),2.15−2.27(m,2H),2.38−2.58(m,6H),2.77(s,3H),3.00(dd,2H),3.29(dd,2H),4.12(q,1H),6.15(dd,1H),7.42(d,1H),7.51−7.57(m,2H),8.76(s,2H),9.10(s,1H).
【0191】
実施例5
N−メチル−N−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニン
【化65】
実施例2の調製と同様に、213mg(0.39mmol)のtert−ブチルN−メチル−N−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナートを、1.52ml(19.8mmol)のトリフルオロ酢酸で処理した。未精製の残留物を分取HPLCにより精製した(方法E)。表題化合物の収量は142mg(理論値の74%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=4.57min;m/z=482.1(M+H)+
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.01(s,3H),1.46−1.77(m,6H),1.87−1.96(m,1H),2.10−2.20(m,2H),2.28−2.45(m,4H),2.64(s,3H),2.91−2.98(m,2H),3.13(dd,2H),6.31(dd,1H),7.43−7.53(m,3H),8.83(s,2H),9.05(s,1H),12.3(br.s,1H).
【0192】
実施例6
tert−ブチルN−メチル−N−{[17−(6−メチルピリダジン−4−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート
【化66】
2.2mlのトルエンおよび1.4mlのエタノール中の267mg(0.44mmol)のtert−ブチルN−メチル−N−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナート(中間体2−A)の溶液に、135mg(0.61mmol)の3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリダジン、37.2mg(0.88mmol)の塩化リチウム、24.7mg(0.03mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)および549μlの2M炭酸ナトリウム溶液を加えた。反応混合物を脱気し、次いで、封管中、100℃で8時間撹拌した。反応混合物を室温まで徐冷し、水と酢酸エチルの間で分配させた。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜70%)。表題化合物の収量は130mg(理論値の51%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=4.03min;m/z=552.3(M+H)
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.10(s,3H),1.45(s,9H),1.47−1.90(m,5H),1.97−2.09(m,1H),2.15−2.31(m,2H),2.39−2.58(m,5H),2.71(s,3H),2.77(s,3H),3.00(dd,2H),3.29(dd,2H),6.36(dd,1H),7.25(s,1H),7.42(d,1H),7.51−7.58(m,2H),9.08(d,1H).
【0193】
実施例7
N−メチル−N−{[17−(6−メチルピリダジン−4−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニン
【化67】
実施例2の調製と同様に、130mg(0.23mmol)のtert−ブチルN−メチル−N−{[17−(6−メチルピリダジン−4−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}−β−アラニナートを、908μl(11.7mmol)のトリフルオロ酢酸で処理した。未精製の残留物を分取HPLCにより精製した(方法E)。表題化合物の収量は78mg(理論値の66%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=3.95min;m/z=496.1(M+H)
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.03(s,3H),1.44−1.78(m,6H),1.87−1.96(m,1H),2.16(dd,1H),2.26−2.46(m,5H),2.59(s,3H),2.64(s,3H),2.91−2.98(m,2H),3.13(dd,2H),6.56−6.57(m,1H),7.43−7.51(m,4H),9.11(d,1H),12.5(br.s,1H).
【0194】
実施例タイプIC2
実施例8
17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(メチルスルホニル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン
【化68】
実施例1の調製と同様に、65mg(0.14mmol)の3−(メチルスルホニル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−17−イルトリフルオロメタンスルホナート(中間体5−B)を、21.7mg(0.15mmol)の5−フルオロピリジン−3−ボロン酸(CAS No.:872041−86−6)および7.85mg(0.01mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(CAS No.:13965−03−2)で処理した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いて精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜35%)。表題化合物の収量は53.4mg(理論値の91%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=5.43min;m/z=412.1(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.01(s,3H),1.45−1.77(m,6H),1.89−1.97(m,1H),2.09−2.21(m,2H),2.26−2.45(m,2H),2.92−2.98(m,2H),3.14(s,3H),6.28(dd,1H),7.53(d,1H),7.60−7.65(m,2H),7.67−7.71(m,1H),8.44(d,1H),8.50(t,1H).
【0195】
実施例9
メチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート
【化69】
実施例1の調製と同様に、2.1g(3.35mmol)のメチル4−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート(中間体5−A)を、804mg(5.70mmol)の5−フルオロピリジン−3−ボロン酸(CAS No.:872041−86−6)および188mg(0.26mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(CAS No.:13965−03−2)で処理した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いて精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜45%)。表題化合物の収量は1.23g(理論値の73%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=5.61min;m/z=498.2(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.01(s,3H),1.37−1.54(m,1H),1.58−1.81(m,6H),1.89−1.96(m,1H),2.09−2.21(m,2H),2.28−2.36(m,1H),2.37−2.46(m,4H),2.94−2.99(m,2H),3.22−3.31(m,2H),3.54(s,3H),6.28(dd,1H),7.53−7.61(m,3H),7.67−7.72(m,1H),8.44(d,1H),8.50(t,1H).
【0196】
実施例10
4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
【化70】
テトラヒドロフラン4.2ml中の300mg(0.60mmol)のメチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート(実施例9)を、603μl(1.20mmol)の2N水酸化リチウム溶液で処理した。混合物を16時間撹拌した。反応混合物を、1N塩酸溶液を加えてpH4の酸性にし、反応混合物を真空中で濃縮した。未精製の残留物の一部を分取HPLCにより精製した(方法E)。表題化合物の収量は66.3mgであった。
LC−MS(方法B):Rt=5.03min;m/z=484.1(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.01(s,3H),1.41−1.43(m,1H),1.57−1.78(m,5H),1.87−1.97(m,1H),2.08−2.20(m,2H),2.27−2.45(m,6H),2.94−2.99(m,2H),3.18−3.28(m,2H),6.28(dd,1H),7.52−7.60(m,3H),7.66−7.71(m,1H),8.44(d,1H),8.50(t,1H,J=1.7 Hz),12.2(br.s,1H).
【0197】
実施例11
メチル4−{[17−(ピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート
【化71】
実施例9の調製と同様に、90mg(0.16mmol)のメチル4−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート(中間体5−A)を、34.1mg(0.27mmol)のピリジン−3−イルボロン酸(CAS No.:1692−25−7)および9.2mg(0.013mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(CAS No.:13965−03−2)で処理した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いて精製した(移動相:ジクロロメタン/酢酸エチル、勾配0%〜40%)。表題化合物の収量は41mg(理論値の52%)であった。
LC−MS(方法C):Rt=3.48min;m/z=498.1(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.07(s,3H),1.46−1.63(m,1H),1.64−1.91(m,5H),2.00−2.24(m,3H),2.38−2.51(m,6H),3.01(dd,2H),3.13−3.20(m,2H),3.67(s,3H),6.04(dd,1H),7.22−7.26(m,1H),7.47(d,1H),7.61−7.71(m,3H),8.49(d,1H),8.64−8.67(m,1H).
【0198】
実施例12
4−{[17−(ピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
【化72】
実施例10の調製と同様に、41mg(0.085mmol)のメチル4−{[17−(ピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアートを、85μl(0.17mmol)の2N水酸化リチウム溶液で処理した。未精製の残留物を、プレパックC18カートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:アセトニトリル/水0.1%ギ酸緩衝液、勾配10%〜60%)。表題化合物の収量は34.0mg(理論値の84%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=3.55min;m/z=466.1(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.00(s,3H),1.41−1.53(m,1H),1.57−1.80(m,6H),1.89−1.96(m,1H),2.07−2.17(m,2H),2.27−2.33(m,3H),2.33−2.45(m,2H),2.92−2.99(m,2H),3.10−3.19(m,2H),6.12−6.14(m,1H),7.33(dd,1H),7.52−7.60(m,3H),7.76−7.80(m,1H),8.43(dd,1H),8.60(d,1H).
【0199】
実施例13
メチル4−({17−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル}スルホニル)ブタノアート
【化73】
実施例9の調製と同様に、90mg(0.16mmol)のメチル4−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート(中間体5−A)を、53.0mg(0.27mmol)の[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ボロン酸(CAS No.:947533−51−9)および9.2mg(0.013mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(CAS No.:13965−03−2)で処理した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いて精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜40%)。表題化合物の収量は66mg(理論値の73%)であった。
LC−MS(方法C):Rt=4.35min;m/z=548.1(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.09(s,3H),1.53−1.59(m,2H),1.69−1.78(m,2H),1.79−1.93(m,1H),1.98−2.11(m,3H),2.15−2.28(m,2H),2.40−2.52(m,5H),3.02(dd,2H),3.13−3.20(m,2H),3.67(s,3H),6.14−6.18(m,1H),7.47(d,1H),7.62−7.69(m,2H),7.89(s,1H),8.77(s,1H),8.82−8.83(m,1H).
【0200】
実施例14
4−({17−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル}スルホニル)ブタン酸
【化74】
実施例10の調製と同様に、66mg(0.12mmol)のメチル4−({17−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル}スルホニル)ブタノアート(実施例10)を、121μl(0.24mmol)の2N水酸化リチウム溶液で処理した。未精製の残留物を、プレパックC18カートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:アセトニトリル/水0.1%ギ酸緩衝液、勾配20%〜80%)。表題化合物の収量は55mgであった。
LC−MS(方法B):Rt=5.47min、m/z=534.1(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.02(s,3H),1.46−1.79(m,6H),1.91−1.98(m,1H),2.11−2.19(m,2H),2.27−2.44(m,6H),2.93−3.00(m,2H),3.17−3.24(m,2H),6.35−6.38(m,1H),7.52−7.61(m,3H),8.05(s,1H),8.84(d,1H),8.91(d,1H),12.12(br.s,1H).
【0201】
実施例15
4−{[17−(6−メチルピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
【化75】
ジオキサン2ml中のメチル4−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート(中間体5−A)95mg(0.17mmol)に、2M炭酸ナトリウム水溶液0.26ml、(6−メチルピリジン−3−イル)ボロン酸35mg(0.26mmol、1.5当量)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(CAS No.:13965−03−2)12mgを加え、混合物を密閉容器内で90℃で加熱した。次いで、2M水酸化ナトリウム水溶液0.4mlを加え、混合物を50℃で17.5時間撹拌した。混合物を水で希釈し、クエン酸水溶液によりpH4の酸性にして酢酸エチルで3回抽出し、蒸発させ、HPLC(方法G)により精製し、36mg(収率43%)の表題化合物を生じた。
LC−MS(方法F):Rt=0.93min、m/z=479.21。
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.02(s,3H),1.43−1.83(m),1.91−2.00(m,1H),2.09−2.21(m,2H),2.26−2.49(m),2.94−3.04(m,2H),3.24−3.32(m),6.06−6.11(m,1H),7.22(d,1H),7.55−7.65(m,3H),7.70(dd,1H),8.49(d,1H),12.20(br.s.,1H).
【0202】
実施例16
4−{[17−(5−メトキシピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
【化76】
実施例15と同様、メチル4−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート(中間体5−A)95mg(0.17mmol)と、(5−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸40mgの反応により、33mgの表題化合物を得た。
LC−MS(方法F):Rt=1.12min、m/z=495.21。
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.04(s,3H),1.44−1.84(m),1.91−2.01(m,1H),2.10−2.23(m,2H),2.28−2.49(m),2.93−3.04(m,2H),3.25−3.31(m),3.86(s,3H),6.18−6.23(m,1H),7.28−7.31(m,1H),7.54−7.65(m,3H),8.20(d,1H),8.25(d,1H),12.21(br.s.,1H).
【0203】
実施例17
4−{[17−(5−メチルピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
【化77】
実施例15と同様、メチル4−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート(中間体5−A)95mg(0.17mmol)と、(5−メチルピリジン−3−イル)ボロン酸35mgの反応により、18mgの表題化合物を得た。
LC−MS(方法F):Rt=0.99min、m/z=479.21。
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.04(s,3H),1.44−1.84(m),1.90−2.00(m,1H),2.10−2.23(m,2H),2.25−2.49(m),2.92−3.04(m,2H),3.22−3.32(m),6.14(br.s.,1H),7.53−7.67(m,4H),8.29−8.33(m,1H),8.43(d,1H),12.21(br.s.,1H).
【0204】
実施例18
4−{[17−(4−メチルピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
【化78】
実施例15と同様、メチル4−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート(中間体5−A)95mg(0.17mmol)と、(4−メチルピリジン−3−イル)ボロン酸35mgの反応により、22mgの表題化合物を得た。
LC−MS(方法F):Rt=0.93min、m/z=479.21。
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.91(s,3H),1.45−1.80(m),1.80−1.90(m,1H),1.93−2.04(m,1H),2.20(dd,1H),2.29(s,3H),2.31−2.47(m),2.53−2.58(m,1H),2.95−3.05(m,2H),3.24−3.31(m),5.77(d,1H),7.28(d,1H),7.52−7.65(m,3H),8.26(s,1H),8.33(d,1H),12.21(br.s.,1H).
【0205】
実施例19
4−{[17−(5−クロロピリジン−3−イル)エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸
【化79】
実施例15と同様、メチル4−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート(中間体5−A)95mg(0.17mmol)と、(5−クロロピリジン−3−イル)ボロン酸41mgの反応により、39mgの表題化合物を得た。
LC−MS(方法F):Rt=1.41min、m/z=499.16。
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.04(s,3H),1.47−1.84(m),1.91−2.01(m,1H),2.10−2.25(m,2H),2.27−2.49(m),2.92−3.04(m,2H),3.21−3.32(m),6.29−6.34(m,1H),7.54−7.65(m,3H),7.90(t,1H),8.53(d,1H),8.61(d,1H),12.22(br.s.,1H).
【0206】
実施例20
4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタンアミド
【化80】
N,N−ジメチルホルムアミド(5.2ml)中の248mg(0.51mmol)の4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン酸(実施例10)の溶液に、124μl(1.12mmol)の4−メチルモルホリン、214mg(0.56mmol)のHATUを加え、10分後、メタノール中の7Nアンモニア366μl(2.564mmol)を加えた。混合物を2時間撹拌した。次いで、この混合物を減圧下で部分的に濃縮し、残留物を水と酢酸エチルの間で分配させた。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物をHPLCにより精製した(移動相:アセトニトリル/水0.1%ギ酸緩衝液、勾配10%〜95%)。表題化合物の収量は137mg(理論値の55%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=4.71min;m/z=483.2(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.01(s,3H),1.41−1.53(m,1H),1.56−1.78(m,6H),1.89−1.96(m,1H),2.09−2.18(m,4H),2.27−2.45(m,3H),2.93−2.99(m,2H),3.19−3.25(m,2H),6.26−6.28(m,1H),6.70−6.76(m,1H),7.25−7.28(m,1H),7.52−7.61(m,3H),7.67−7.71(m,1H),8.44(d,1H),8.50(t,1H).
【0207】
実施例21
4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタン−1−オール
【化81】
6.7mlのジクロロメタン中の200mg(0.40mmol)のメチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルホニル}ブタノアート(実施例9)の溶液に、アルゴン下、−78℃で、1.2ml(1.20mmol)のジイソブチルアルミニウムヒドリド(ジクロロメタン中、1M)を5分にわたって滴加した。−78℃で10分後、反応混合物を−20℃で昇温させ、20分間撹拌し、次いで、室温まで昇温させ、10分間撹拌した。500μlの水を滴加して10分間撹拌し、次いで、520mgの炭酸水素ナトリウムを加えて30分間撹拌した後、硫酸ナトリウムを加えて10分間撹拌し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:アセトニトリル/酢酸エチル、勾配0%〜30%)。表題化合物の収量は134mg(理論値の69%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=5.06min;m/z=470.2(M+H)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.01(s,3H),1.40−1.77(m,9H),1.87−1.97(m,1H),2.09−2.20(m,2H),2.27−2.45(m,3H),2.92−2.99(m,2H),3.18−3.25(m,4H),4.40(dd,1H),6.28(dd,1H),7.51−7.61(m,3H),7.66−7.71(m,1H),8.44(d,1H),8.50(t,1H).
【0208】
実施例タイプIC3
実施例22
tert−ブチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタノアート
【化82】
6.8mlのトルエンおよび4.4mlのエタノール中の1.41g(2.63mmol)のtert−ブチル4−{[17−ヨードエストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタノアート(中間体8−A)の溶液に、519mg(3.68mmol)の5−フルオロピリジン−3−ボロン酸(CAS No.:872041−86−6)、223mg(5.26mmol)の塩化リチウム、243mg(0.21mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)および3.3mlの2M炭酸ナトリウム溶液を加えた。反応混合物を脱気し、次いで、封管中、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで徐冷し、水と酢酸エチルの間で分配させた。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:ジクロロメタン/ジエチルエーテル、勾配0%〜60%)。表題化合物の収量は457mg(理論値の34%)であった。
LC−MS(方法D):Rt=4.65min;m/z=505.3(M+H)
1H−NMR(400 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.03(s,3H),1.22−1.29(m,1H),1.45(s,8H),1.46−1.54(m,1H),1.60−1.69(m,3H),1.76−1.85(m,1H),1.96(ddd,1H),2.10−2.19(m,2H),2.27−2.41(m,3H),2.54−2.68(m,4H),2.87−2.94(m,2H),6.08(dd,1H),7.19(s,2H),7.31(s,1H),7.36−7.41(m,1H),7.56(s,1H),8.33(d,1H),8.46(dd,1H)
【0209】
実施例23
4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸
【化83】
7.4mlのジクロロメタン中の178mg(0.35mmol)のtert−ブチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタノアート(実施例22)の溶液に、1.77ml(22.9mmol)のトリフルオロ酢酸を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。69mgの残留物を分取HPLCにより精製した(方法E)。表題化合物の収量は11mg(理論値の20%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=4.97min;m/z=449.2(M+H)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.00(s,3H),1.36−1.62(m,4H),1.67−1.77(m,1H),1.84−1.92(m,1H),2.08−2.17(m,2H),2.20−2.39(m,3H),2.75−2.84(m,2H),3.16−3.44(m,4H),6.25−6.27(m,1H),7.14(d,1H),7.26(dd,1H),7.30−7.32(m,1H),7.66−7.71(m,1H),8.43(d,1H),8.49(dd,1H),9.80−9.85(m,1H),12.10(br.s,1H).
【0210】
実施例24
tert−ブチル4−オキソ−4−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}ブタノアート
【化84】
2.8mlのジオキサン中の250mg(0.46mmol)のtert−ブチル4−{[17−ヨードエストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタノアート(中間体8−A)の溶液に、101mg(0.81mmol)のピリミジン−5−イルボロン酸(CAS No.:109299−78−7)、29.5mg(0.04mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(CAS No.:13965−03−2)および934μlの2M炭酸ナトリウム溶液を加えた。反応混合物を脱気し、次いで、封管中、90℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温まで徐冷し、水と酢酸エチルの間で分配させた。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜50%)。表題化合物の収量は58mg(理論値の25%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=4.11min;m/z=488.2(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.81−0.95(m,1H),1.45(s,9H),1.50−1.90(m,5H),1.91−2.03(m,1H),2.11−2.24(m,2H),2.28−2.47(m,3H),2.54−2.71(m,4H),2.88−2.97(m,2H),6.13(dd,1H),7.21(s,2H),7.33(s,1H),7.57(s,1H),8.76(s,2H),9.09(s,1H).
【0211】
実施例25
4−オキソ−4−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}ブタン酸
【化85】
実施例23と同様に、58mg(0.12mmol)のtert−ブチル4−オキソ−4−{[17−(ピリミジン−5−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}ブタノアート(実施例24)を、0.45ml(5.94mmol)のトリフルオロ酢酸で処理した。残留物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。混合物をジクロロメタン/メタノール9:1で4回抽出した。有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。表題化合物の収量は39.8mg(理論値の77%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=4.21min;m/z=432.2(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.78−0.85(m,1H),0.99(s,3H),1.12−1.63(m,6H),1.68−1.77(m,1H),1.86−1.96(m,1H),2.08−2.38(m,7H),2.63−2.84(m,2H),6.30(dd,1H),7.12(d,1H),7.22−7.28(m,2H),8.82(s,2H),9.04(s,1H),11.52(br.s,1H).
【0212】
実施例26
N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]ブタンジアミド
【化86】
4.2mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の210mg(0.28mmol)の4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸(実施例23)の溶液に、68μl(0.61mmol)の4−メチルモルホリン、117mg(0.30mmol)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファートを加え、5分後、メタノール中の7Nアンモニア200μl(1.40mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、この混合物を減圧下で部分的に濃縮し、残留物を水と酢酸エチルの間で分配させた。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパック逆相カートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:アセトニトリル/水0.1%ギ酸緩衝液、勾配20%〜95%)。表題化合物の収量は23mg(理論値の18%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=4.67min;m/z=448.2(M+H)
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.00(s,3H),1.36−1.62(m,4H),1.67−1.77(m,1H),1.84−1.92(m,1H),2.04−2.36(m,6H),2.43−2.50(m,5H),2.72−2.84(m,2H),6.25−6.27(m,1H),6.68−6.74(m,1H),7.14(d,1H),7.26(dd,2H),7.31(s,1H),7.65−7.70(m,1H),8.43(d,1H),8.49(dd,1H),9.72(s,1H).
【0213】
実施例27
N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−4−ヒドロキシブタンアミド
【化87】
1.8mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の70mg(0.20mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン(中間体10−A)の溶液に、アルゴン下、30.4mg(0.24mmol)の4−ヒドロキシブタン酸、ナトリウム塩(CAS No.:502−85−2)、27μl(0.24mmol)の4−メチルモルホリンおよび91.6mg(0.24mmol)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファートを加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、さらに30.4mg(0.24mmol)の4−ヒドロキシブタン酸、ナトリウム塩、27μl(0.24mmol)の4−メチルモルホリンおよび91.6mg(0.24mmol)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファートを加え、室温でさらに16時間撹拌を続けた。反応混合物を水と酢酸エチルの間で分配させた。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いるクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール、勾配0%〜5%)、次いで、プレパック逆相カートリッジを用いるクロマトグラフィー(移動相:アセトニトリル/水0.1%ギ酸緩衝液、勾配40%〜98%)により精製した。表題化合物の収量は25mg(理論値の28%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=4.89min;m/z=435.2(M+H)
1H−NMR(400 MHz,CD3OD):δ[ppm]=1.08(s,3H),1.42−1.54(m,1H),1.61−1.72(m,3H),1.79−2.02(m,4H),2.15−2.23(m,2H),2.39−2.47(m,6H),2.86−2.93(m,2H),3.60(dd,2H),6.20(dd,1H),7.18−7.27(m,3H),7.61−7.66(m,1H),8.32(d,1H),8.44(dd,1H).
【0214】
実施例28
N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−3−スルファモイルプロパンアミド
【化88】
中間体6−Aの調製と同様に、155mg(0.445mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン(中間体10−A)を、372mg(0.98mmol)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファート、150mg(0.98mmol)の3−スルファモイルプロパン酸(CAS No.:15441−10−8)および108μl(0.98mmol)の4−メチルモルホリンで処理した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:ジクロロメタン/メタノール、勾配0%〜6%)。表題化合物の収量は187mg(理論値の86%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=3.63min;m/z=484.2(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.00(s,3H),1.38−1.46(m,1H),1.52−1.68(m,3H),1.72−1.78(m,1H),1.87−1.94(m,1H),2.05−2.18(m,2H),2.19−2.49(m,3H),2.77−2.95(m,4H),3.50−3.61(m,2H),5.08−5.33(m,2H),6.08(s,1H),7.14−7.21(m,2H),7.22−7.27(m,1H),7.38(d,1H),7.77−7.93(m,1H),8.33(d,1H),8.45(s,1H).
【0215】
実施例29
3−(アセチルスルファモイル)−N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]プロパンアミド
【化89】
ジクロロメタン(8.5ml)中の167mg(0.34mmol)のN−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−3−スルファモイルプロパンアミド(実施例28)の溶液に、35μl(0.60mmol)の酢酸、116mg(0.60mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸および73.8mg(0.60mmol)の4−ジメチルアミノピリジンを加えた。N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−3−スルファモイルプロパンアミド20mgを用いて反応を繰り返した。合わせた反応混合物をジクロロメタンで希釈して塩水で洗い、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を逆相C18クロマトグラフィーにより精製した(移動相:アセトニトリル/水0.1%ギ酸緩衝液、勾配10%〜95%)。表題化合物の収量は126mgであった。
LC−MS(方法B):Rt=4.99min;m/z=526.1(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.00(s,3H),1.37−1.62(m,4H),1.68−1.77(m,1H),1.84−1.92(m,1H),1.96(s,3H),2.08−2.40(m,5H),2.70−2.85(m,4H),3.61(t,2H),6.25−6.27(m,1H),7.17(d,1H),7.24−7.30(m,2H),7.66−7.70(m,1H),8.44(d,1H),8.48−8.51(m,1H),9.92(s,1H),11.63(br.s.,1H).
【0216】
実施例30
N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−N−メチル−3−スルファモイルプロパンアミド
【化90】
中間体6−Aの調製と同様に、230mg(0.634mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−N−メチルエストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン(中間体11−A)を、531mg(1.39mmol)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファート、214mg(1.39mmol)の3−スルファモイルプロパン酸(CAS No.:15441−10−8)および153μl(1.39mmol)の4−メチルモルホリンで処理した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:ジクロロメタン/メタノール、勾配0%〜5%)。表題化合物の収量は246mg(理論値の77%)であった。
LC−MS(方法C):Rt=3.46min;m/z=498.0(M+H)
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.09(s,3H),1.46−1.60(m,1H),1.63−1.89(m,4H),1.98−2.05(m,1H),2.14−2.24(m,2H),2.36−2.47(m,3H),2.67(t,2H),2.91−2.98(m,2H),3.26(s,3H),3.45(t,2H),4.90(s,2H),6.11(dd,1H),6.92−6.99(m,2H),7.33(d,1H),7.38−7.43(m,1H),8.35(d,1H),8.48(dd,1H).
【0217】
実施例31
3−(アセチルスルファモイル)−N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−N−メチルプロパンアミド
【化91】
実施例29の調製と同様に、ジクロロメタン(9.25ml)中の185mg(0.37mmol)のN−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−N−メチル−3−スルファモイルプロパンアミドを、37μl(0.65mmol)の酢酸、125mg(0.65mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸(CAS No.:25952−53−8)および79.5mg(0.65mmol)の4−ジメチルアミノピリジンで処理した。混合物を18時間撹拌した。N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−N−メチル−3−スルファモイルプロパンアミド20mgを用いて同様に反応を繰り返した。合わせた反応混合物をジクロロメタンで希釈して塩水で洗い、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製した(方法E)。表題化合物の収量は140mgであった。
LC−MS(方法B):Rt=5.12min;m/z=540.2(M+H)+
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.02(s,3H),1.38−1.56(m,1H),1.56−1.76(m,4H),1.91(s,4H),2.08−2.20(m,2H),2.27−2.37(m,2H),2.38−2.45(m,3H),2.83−2.91(m,2H),3.10(s,3H),3.50(dd,2H),6.26−6.28(m,1H),7.04−7.12(m,2H),7.34(d,1H),7.66−7.71(m,1H),8.44(d,1H),8.49−8.51(m,1H),11.51(br.s,1H).
【0218】
実施例32
N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロパンアミド
【化92】
中間体6−Aの調製と同様に、85mg(0.24mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン(中間体10−A)を、185mg(0.48mmol)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファート、69.3mg(0.48mmol)の3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロパン酸(CAS No.:100508−42−7、Afferchem Inc.)および107μl(0.97mmol)の4−メチルモルホリンで処理した。残留物を、プレパックC18カートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:アセトニトリル:水0.1%ギ酸緩衝液、勾配10%〜90%)。表題化合物の収量は54mg(理論値の46%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=4.81min;m/z=473.2(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.99(s,3H),1.36−1.62(m,4H),1.67−1.77(m,1H),1.84−1.92(m,1H),2.08−2.39(m,6H),2.72−2.84(m,4H),3.04−3.15(m,2H),6.25−6.27(m,1H),7.15(d,1H),7.24−7.31(m,2H),7.65−7.70(m,1H),8.43(d,1H),8.48−8.50(m,1H),9.87(s,1H).
【0219】
実施例33
N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]−N−メチル−3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロパンアミド
【化93】
中間体6−Aの調製と同様に、90mg(0.24mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−N−メチルエストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン(中間体11−A)を、123mg(0.32mmol)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファート、46.0mg(0.32mmol)の3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロパン酸(CAS No.:100508−42−7、Afferchem Inc.)および71μl(0.64mmol)の4−メチルモルホリンで処理した。残留物を分取HPLCにより精製した(方法E)。表題化合物の収量は35mg(理論値の24%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=5.05min、m/z=487.1(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.01(s,3H),1.38−1.52(m,1H),1.56−1.76(m,4H),1.86−1.94(m,1H),2.08−2.19(m,2H),2.26−2.36(m,2H),2.39−2.44(m,1H),2.49−2.56(m,2H),2.82−2.87(m,2H),3.00(t,2H),3.08(s,3H),6.26−6.28(m,1H),6.98−7.08(m,2H),7.33(d,1H),7.66−7.71(m,1H),8.44(d,1H),8.50(t,1H).
【0220】
実施例タイプIC4
実施例34
tert−ブチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}−4−オキソブタノアート
【化94】
800μlの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド中の131mg(0.26mmol)のtert−ブチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタノアート(実施例22)の溶液に、アルゴン下、0℃で、81μl(1.29mmol)のヨードメタンを加え、続いて11.5mg(0.28mmol)の水素化ナトリウム(油中、60%)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、室温まで30分間昇温させた。反応混合物に水を注意深く加え、次いで、酢酸エチルに抽出した。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:ジクロロメタン/酢酸エチル、勾配0%〜15%)。表題化合物の収量は32mg(理論値の24%)であった。
LC−MS(方法D):Rt=4.91min、m/z=519.5(M+H)
1H−NMR(400 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.08(s,3H),1.43(s,9H),1.46−1.58(m,1H),1.66−1.76(m,3H),1.76−1.88(m,1H),1.96−2.04(m,1H),2.13−2.24(m,2H),2.31−2.45(m,5H),2.51(dd,2H),2.90−2.97(m,2H),3.24(s,3H),6.11(dd,1H),6.94−6.95(m,1H),6.98(dd,1H),7.31(d,1H),7.38−7.43(m,1H),8.35(d,1H),8.48(dd,1H).
【0221】
実施例35
4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}−4−オキソブタン酸
【化95】
実施例23の調製と同様に、32mg(0.06mmol)のtert−ブチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}−4−オキソブタノアートを、238μl(3.08mmol)のトリフルオロ酢酸と反応させた。未精製の残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:酢酸エチル/メタノール:水中の30%トリエチルアミン7:3、勾配0%〜20%)。表題化合物の収量は、1.0当量のトリフルオロ酢酸塩として31mg(理論値の83%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=5.19min;m/z=463.2(M+H)
1H−NMR(400 MHz,CD3OD):δ[ppm]=1.09(s,3H),1.27(s,1H),1.46−1.59(m,1H),1.66−1.75(m,3H),1.82−1.91(m,1H),1.99−2.07(m,1H),2.16−2.25(m,2H),2.31−2.52(m,6H),2.91−2.99(m,2H),3.20(s,3H),6.21(dd,1H),7.01−7.07(m,2H),7.38(d,1H),7.62−7.67(m,1H),8.33(d,1H),8.45(s,1H).
【0222】
実施例タイプIC5
実施例36
メチル3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)スルファモイル}プロパノアート
【化96】
700μlのN,N−ジメチルホルムアミド中の32mg(0.08mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−N−メチルエストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン(中間体11−A)の溶液に、アルゴン下、0℃で、37μl(0.26mmol)のトリエチルアミンおよび33mg(0.17mmol)の3−クロロスルホニル−プロピオン酸メチルエステル(CAS No.:15441−07−3)を加えた。次いで、混合物を室温まで昇温させ、1時間撹拌した。次いで水を加え、内容物を酢酸エチルに抽出した。さらに有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜40%)。表題化合物の収量は30mg(理論値の60%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=4.31min、m/z=513.4(M+H)
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.06(s,3H),1.42−1.57(m,3H),1.61−1.89(m,1H),1.93−2.04(m,1H),2.11−2.24(m,2H),2.29−2.44(m,3H),2.81−2.98(m,4H),3.30−3.33(m,6H),3.72(d,3H),6.10(dd,1H),7.09−7.17(m,2H),7.27−7.32(m,1H),7.36−7.43(m,1H),8.30−8.36(m,1H),8.48(dd,1H).
【0223】
実施例37
メチル3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルファモイル}プロパノアート
【化97】
実施例36の調製と同様に、233mg(0.67mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン(中間体10−A)を189mg(理論値の54%)の表題化合物に変換した。
LC−MS(方法A):Rt=4.16min;m/z=499.4(M+H)
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.06(s,3H),1.40−1.91(m,5H),1.93−2.04(m,1H),2.10−2.24(m,2H),2.27−2.45(m,3H),2.83−2.95(m,4H),3.42(dd,2H),3.71(d,3H),6.10(dd,1H),6.38−6.73(m,1H),7.01(d,2H),7.21−7.26(m,1H),7.37−7.43(m,1H),8.35(d,1H),8.48(dd,1H).
【0224】
実施例38
3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)スルファモイル}プロパン酸
【化98】
THF 600μl中の30mg(0.06mmol)のメチル3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)スルファモイル}プロパノアート(実施例36)を、117μl(0.23mmol)の2N水酸化リチウム溶液と反応させた。混合物を16時間撹拌した。反応混合物を、1N塩酸溶液を加えて〜pH4の酸性にし、反応混合物を真空中で濃縮した。未精製の残留物を、プレパックC18カートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:アセトニトリル/水0.1%ギ酸緩衝液、勾配40%〜98%)。表題化合物の収量は5.5mg(理論値の18%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=5.33min;m/z=499.2(M+H)
1H NMR(400 MHz,CD3OD):δ[ppm]=1.08(s,3H),1.44(s,3H),1.46−1.57(m,1H),1.66−1.74(m,3H),1.80−1.89(m,1H),1.97−2.05(m,1H),2.15−2.24(m,2H),2.32−2.50(m,3H),2.64−2.72(m,2H),2.90−2.97(m,2H),3.35(t,2H),6.21(dd,1H),7.12−7.19(m,2H),7.31(d,1H),7.63(d,1H),8.33−8.34(m,1H),8.43−8.46(m,1H)
【0225】
実施例39
3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルファモイル}プロパン酸
【化99】
実施例38の調製と同様に、189mg(0.38mmol)のメチル3−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]スルファモイル}プロパノアート(実施例37)を、379μl(0.75mmol)の2N水酸化リチウム溶液と反応させた。未精製の残留物を分取HPLC(方法E)により精製し、126mg(理論値の68%)の表題化合物を得た。
LC−MS(方法B):Rt=4.95min;m/z=485.1(M+H)
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.00(s,3H),1.37−1.77(m,6H),1.84−1.92(m,1H),2.07−2.17(m,1H),2.20−2.39(m,3H),2.61(dd,2H,),2.77−2.85(m,2H),3.23(dd,2H),6.27(dd,1H),6.89−6.97(m,2H),7.20(d,1H),7.66−7.70(m,1H),8.43−8.50(m,2H),9.65(s,1H),12.52(br.s,1H).
【0226】
実施例タイプIC6
実施例40
N−[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アセトアミド
【化100】
1.5mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の100mg(0.28mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン(中間体10−A)の溶液に、アルゴン下、0℃で、80μl(0.57mmol)のトリエチルアミンおよび21μl(0.30mmol)の塩化アセチルを加えた。次いで、混合物を室温まで昇温させ、1時間撹拌した。水および酢酸エチルを反応混合物に加えて有機相を分離し、さらに塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製した(方法E)。表題化合物の収量は52mg(理論値の46%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=5.18min;m/z=391.2(M+H)
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.00(s,3H),1.36−1.63(m,3H),1.67−1.77(m,1H),1.84−1.92(m,1H),1.98(s,3H),2.07−2.39(m,6H),2.75−2.84(m,2H),6.27(dd,1H),7.15(d,1H),7.24−7.30(m,2H),7.66−7.70(m,1H),8.43−8.50(m,2H),9.72(s,1H).
【0227】
実施例タイプIC7
実施例41
エチルN−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]カルバモイル}−β−アラニナート
【化101】
2.5mlのジクロロメタン中の50mg(0.14mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン(中間体10−A)の溶液に、アルゴン下、0℃で、37mg(0.25mmol)のエチルN−(オキソメチリデン)−β−アラニナート(CAS No.:5100−34−5)を加えた。混合物を室温まで昇温させ、4時間撹拌した。次いで、この混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いて精製した(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配0%〜60%)。表題化合物の収量は71mg(理論値の96%)であった。
LC−MS(方法A):Rt=4.10min;m/z=492.4(M+H)
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.05(s,3H),1.22−1.28(m,3H),1.42−1.51(m,1H),1.60−1.89(m,5H),1.91−2.02(m,1H),2.09−2.23(m,2H),2.26−2.45(m,3H),2.55−2.60(m,2H),2.86−2.95(m,2H),3.53(q,2H),4.10−4.18(m,1H),5.41(t,1H),6.09(dd,1H),6.45(s,1H),6.97−7.07(m,2H),7.22(d,1H),7.40(ddt,1H),8.34(d,1H),8.48(t,1H).
【0228】
実施例42
N−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]カルバモイル}−β−アラニン
【化102】
780μlのテトラヒドロフラン中の71mg(0.13mmol)のエチルN−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]カルバモイル}−β−アラニナート(実施例41)の溶液に、アルゴン下、137μl(0.27mmol)の2N水酸化リチウム溶液を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を、1N塩酸溶液を加えてpH〜4の酸性にし、反応混合物を真空中で濃縮した。未精製の残留物を分取HPLCにより精製した(方法E)。表題化合物の収量は45mg(理論値の70%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=4.79min;m/z=464.2(M+H)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.00(s,3H),1.35−1.61(m,4H),1.67−1.76(m,1H),1.83−1.91(m,1H),2.10−2.39(m,9H),2.73−2.82(m,2H),6.12(dd,1H),6.26(dd,1H),7.08(d,3H),7.65−7.70(m,1H),8.35(s,1H),8.42−8.50(m,2H),12.2(br.s,1H).
【0229】
実施例タイプIC8
実施例43
メチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}ブタノアート
【化103】
600μlのアセトニトリルおよび300μlのN,N−ジメチルホルムアミド中の150mg(0.41mmol)の17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−N−メチルエストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−アミン(中間体11−A)の溶液に、アルゴン下、86mg(0.62mmol)の炭酸カリウムを加え、続いて82mg(0.45mmol)のメチル4−ブロモブタノアート(CAS No.:4897−84−1)を加えた。反応混合物を65℃で16時間撹拌し、室温まで徐冷して、水と酢酸エチルの間で分配させた。相を分離し、さらに有機相を水、塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:ジクロロメタン/酢酸エチル、勾配0%〜70%)。表題化合物の収量は163mg(理論値の81%)であった。
LC−MS(方法C):Rt=3.76min;m/z=463.1(M+H)
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.04(s,3H),1.45−1.98(m,7H),2.09−2.20(m,3H),2.32−2.43(m,6H),2.81−2.96(m,4H),3.32(t,2H),3.68(s,3H),6.07−6.11(m,1H),6.45−6.48(m,1H),6.57(dd,1H),7.15(d,1H),7.37−7.43(m,1H),8.34(d,1H),8.48(s,1H).
【0230】
実施例44
4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}ブタン酸
【化104】
実施例42の調製と同様に、160mg(0.34mmol)のメチル4−{[17−(5−フルオロピリジン−3−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル](メチル)アミノ}ブタノアート(実施例43)を、346μl(0.69mmol)の2N水酸化リチウム溶液と反応させた。未精製の残留物を分取HPLC(方法E)により精製し、76mg(理論値の48.5%)の表題化合物を得た。
LC−MS(方法B):Rt=4.34min;m/z=449.2(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.99(s,3H),1.33−1.76(m,6H),1.82−1.90(m,1H),2.07−2.22(m,4H),2.26−2.36(m,2H),2.77−2.79(m,4H),3.15−3.28(m,5H),6.25−6.27(m,1H),6.38(d,1H),6.49(dd,1H),7.02(d,1H),7.65−7.70(m,1H),8.43(d,1H),8.49−8.50(m,1H).
【0231】
実施例タイプIC9
実施例45
4−{[17−(6−メチルピリダジン−4−イル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸
【化105】
実施例24の調製と同様に、73mg(0.14mmol)のメチル4−オキソ−4−{[17−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−3−イル]アミノ}ブタノアート(中間体12−A)を、3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリダジン(CAS No.:1350543−95−1)および7.95mg(0.01mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)と反応させた。95℃で4時間後、反応混合物を50℃まで徐冷し、71μlの2N水酸化リチウム溶液を加えた。2時間撹拌後、反応混合物を室温まで徐冷し、真空中で濃縮した。ジクロロメタン中の5%のメタノールの溶液に残留物を部分的に溶解して濾過し、プレパックシリカゲルカートリッジを用いてクロマトグラフィーにより精製した(移動相:ジクロロメタン/ジクロロメタン:メタノール:酢酸:水240:20:3:2、勾配0%〜50%)。表題化合物の収量は21mg(理論値の33%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=3.57min、m/z=446.2(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.02(s,3H),1.36−1.72(m,6H),1.83−1.92(m,1H),2.09−2.40(m,6H),2.43−2.51(m,1H),2.59(s,3H),2.63−2.84(m,3H),6.56(dd,1H),7.15(d,1H),7.24−7.31(m,2H),7.49(d,1H),9.11(d,1H),9.79(s,1H),12.03(br.s,1H).
【0232】
実施例タイプIC10
実施例46
17−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(S−メチルスルホンイミドイル)エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン
【化106】
実施例24の調製と同様に、106mg(0.161mmol)の3−[S−メチル−N−(トリフルオロアセチル)スルホンイミドイル]エストラ−1(10),2,4,16−テトラエン−17−イルトリフルオロメタンスルホナート(中間体15−A)を、31.7mg(0.22mmol)の5−フルオロピリジン−3−ボロン酸(CAS No.:872041−86−6)および9.0mg(0.013mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(CAS No.:13965−03−2)で処理した。残留物を、プレパックシリカゲルカートリッジ(移動相:ジクロロメタン/酢酸エチル、勾配0%〜80%)を用いて、次いで、プレパックC18カートリッジ(移動相:アセトニトリル/水0.1%ギ酸、勾配10%〜90%)を用いてクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物の収量は22.2mg(理論値の33%)であった。
LC−MS(方法B):Rt=4.59min;m/z=411.1(M+H)
1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.01(s,3H),1.45−1.77(m,6H),1.89−1.96(m,1H),2.09−2.20(m,2H),2.29−2.43(m,3H),2.94(dd,2H),3.00(s,3H),4.02(s,1H),6.28(dd,1H),7.47(d,1H),7.60−7.66(m,2H),7.67−7.72(m,1H),8.49−8.51(m,1H).
生物学的アッセイ:
【0233】
実施例の化合物は、選択した生物学的アッセイにおいて1回または複数回試験した。1回を超えて試験するとき、データは、平均値または中央値のいずれかで報告し、ここで
・平均値は算術平均値とも呼ばれ、得られた値の合計を試験回数で割った値であり、および
・中央値は、昇順または降順で並べたときの値の群の中位の数値である。データセットの値の数が奇数の場合は、中央値は中位の値である。データセットの値の数が偶数の場合は、中央値は中位の2つの値の算術平均である。
【0234】
実施例の化合物は1回または複数回合成した。1回を超えて合成するとき、生物学的アッセイからのデータは、1回または複数回の合成バッチの試験から得られるデータセットを利用して計算される平均値または中央値である。
【0235】
実施例47(AKR1C3阻害作用)
本発明の物質のAKR1C3阻害作用は、以下の段落に記載のAKR1C3アッセイにおいて測定した。
【0236】
実質的に、酵素活性は、クンベロン(coumberone)から生成されるクンベロール(coumberol)を定量することにより測定される(Halim,M.,Yee,D.,J.,およびSames,D.,J.A.,M..(2008).Chem Soc 130,14123−14128、およびYee,D.,J.,Balsanek,V.,Bauman,D.,R.,Penning,T.,M.,およびSames,D.(2006).Proc Natl Acad Sci USA,103,13304−13309)。このアッセイでは、強い蛍光を発するクンベロールの増加を、AKR1C3による非蛍光性のクンベロンのNADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)依存性還元によって測定することができる。
【0237】
使用した酵素は、組換えヒトAKR1C3(アルド−ケト還元酵素ファミリー1メンバーC3)(GenBank Accession No.NM_003739)であった。この酵素を、E.coli内でGST(グルタチオンS−トランスフェラーゼ)融合タンパク質として発現させ、グルタチオン−セファロースアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。GSTは、トロンビン消化とその後のサイズ排除クロマトグラフィーにより除去した(Dufort,I.,Rheault,P.,Huang,X.,F.,Soucy,P.,およびLuu−The,V.(1999).Endocrinology,140,568−574)。
【0238】
アッセイのために、酵素反応の前に物質が酵素に予備結合できるようにするため、DMSO中の試験物質の100倍濃縮溶液40〜50nlを、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、フリッケンハウゼン、ドイツ)にピペットで入れ、アッセイ緩衝液[50mMリン酸カリウム緩衝液pH7、1mM DTT、0.0022%(w/v)プルロニックF−127、0.01% BSA(w/v)およびプロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche製の完全にEDTAフリーのプロテアーゼ阻害剤カクテル)]中のAKR1C3の溶液2〜2.5μlを加え、混合物を20分間インキュベートした。次いで、アッセイ緩衝液(最終アッセイ濃度は10μM NADPHおよび0.3μMクンベロンであった。)中のNADPHおよびクンベロンの溶液2〜2.5μlを加えることにより酵素反応を開始させ、生じる混合物を室温で3時間インキュベートした。典型的な濃度は、反応時間中の酵素反応の直線範囲に応じて、約1nMであった。AKR1C3阻害剤EM−1404からなる停止液2μlを加えることで反応を停止し、最終濃度1μMにした。続いて、クンベロールの蛍光を、適した測定器(Pherastar、BMG)を用いて520nm(380nmで励起)で測定した。蛍光強度を、生成したクンベロールの量のパラメータ、したがってAKR1C3の酵素活性のパラメータとして用いた。データを規格化した(アッセイ緩衝液中に酵素+クンベロン基質=0%阻害;アッセイ緩衝液中にクンベロン基質のみ=100%阻害)。通常、物質は、同じマイクロタイタープレート上で、96.8pM〜20μMの間の範囲の11種類の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.5μM、0.15μM、44nM、12.9nμ、3.8nμ、1.1nμ、0.3nMおよび96.8pM)で試験した。希釈は、100倍濃縮溶液に対して系列希釈により二つ組で行った。得られたデータから、4パラメータフィットによりIC50値を計算した。
【0239】
記載の通り、特許請求の範囲に記載の薬理学的物質のAKR1C3酵素に対する阻害効果を試験した(表1参照)。試験した化合物は、インビトロ(IC50値<500nM)で、大部分はIC50値<20nMでもAKR1C3の強い阻害を示す。
【0240】
【表2A】
【表2B】
【0241】
実施例48(細胞ベースの系におけるAKR1C3阻害の試験)
AKR1C3の基質としてクンベロンを用いる細胞ベースのアッセイにおいて、本発明に記載の物質によるAKR1C3の阻害を測定した(Halim,M.,Yee,D.,J.,およびSames,D.,J.(2008).Am Chem Soc,130,14123−14128およびYee,D.,J.,Balsanek,V.,Bauman,D.,R.,Penning,T.,M.,およびSames,D.(2006),Proc Natl Acad Sci USA 103,13304−13309)(例えば、実施例48)。
【0242】
用いた細胞系は、HEK293細胞(ATCC、米国)(DMEM/F12、10% FCS、2mM L−グルタミン、PSG)であった。細胞を、AKR1C3発現プラスミド(pCMV6−AC−AKR1C3、GenBank Accession No.NM_003739.4)を用いてトランスフェクトし、24時間後に回収し、続いて冷凍した。アッセイのために、冷凍した細胞をアッセイ培地(フェノールレッドなしのDMEM/F12、0.005% Tween、10% FCS、2mM L−グルタミン、PSG)で解凍した。細胞を、DMSO中の100倍濃縮化合物溶液40〜50nlを含む384ウェル低容量プレートまたは1536ウェルプレート(Greiner Bio−One、フリッケンハウゼン、ドイツ)に2500細胞/ウェルで播種した。室温で15分間インキュベーション後、PBS中のクンベロンを加え、最終濃度6×10−6Mにした。室温で3時間インキュベーションした後、0.4% Triton X−100を用いて細胞を溶解することで反応を停止した。クンベロールの蛍光強度を、適した測定器(Pherastar、BMG)を用いて520nm(励起380nm)で測定した。蛍光強度を、生成したクンベロールの量のパラメータ、したがってAKR1C3の酵素活性のパラメータとして用いた。データを規格化した(トランスフェクトした細胞+クンベロン=0%阻害;細胞なし+クンベロン=100%阻害)。通常、物質は、同じマイクロタイタープレート上で、96.8pM〜20μMの間の範囲の11種類の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.5μM、0.15μM、44nM、12.9nμ、3.8nμ、1.1nμ、0.3nMおよび96.8pM)で試験した。希釈は、100倍濃縮溶液に対して系列希釈により二つ組で行った。得られたデータから、4パラメータフィットによりIC50値を計算した。
特許請求の範囲に記載の薬理学的物質のAKR1C3酵素に対する阻害作用を、上述の細胞ベースのアッセイにより試験した(表2参照)。試験した化合物は、インビトロで細胞のAKR1C3の著しい阻害を示したが、これらの大部分がIC50<1μMを示す。
【0243】
【表3A】
【表3B】
【0244】
実施例49:抗アンドロゲン作用の測定
前立腺癌およびその転移における抗増殖作用のサロゲートとして、成体サル(カニクイザル)における物質の抗アンドロゲン作用を測定した。1、3または10mg/kg物質で、あるいは媒体を用いて、胃管栄養法による経口経路により4週にわたってサル(群あたり4個体)を処理した。実験開始時ならびに1週、2週、3週および4週後に、前立腺および精嚢のサイズを超音波により測定した。これらの臓器の重量の減少を物質の抗アンドロゲン作用の証拠と見なした。さらに、さまざまなステロイド(DHEA、テストステロン、アンドロステンジオン、ヒドロキシプロゲステロン)およびプロスタグランジン(PGD2、PGJ2、PGF2α)の血中濃度(血清中また血漿中)を、実験開始時ならびに1週、2週、3週または4週後に測定した。AKR1C3はステロイド合成経路およびプロスタグランジン合成経路の両方において関与するため、これらのステロイドおよびプロスタグランジンの血中濃度の変化は、物質のインビボでの作用を示すものと考えられる。