特許第6407488号(P6407488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6407488統合された高K金属ゲートを有する不揮発性分割ゲートメモリセル及びそれを作製する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6407488
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】統合された高K金属ゲートを有する不揮発性分割ゲートメモリセル及びそれを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11524 20170101AFI20181004BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20181004BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20181004BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   H01L27/11524
   H01L29/78 371
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-516062(P2018-516062)
(86)(22)【出願日】2016年8月2日
(86)【国際出願番号】US2016045208
(87)【国際公開番号】WO2017058353
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2018年3月27日
(31)【優先権主張番号】62/236,101
(32)【優先日】2015年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/225,393
(32)【優先日】2016年8月1日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ フェン
(72)【発明者】
【氏名】リウ シャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジェン−ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】スー チエン−シェン
(72)【発明者】
【氏名】ドー ニャン
【審査官】 加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−522122(JP,A)
【文献】 特開2009−044164(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0151782(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/11524
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセル対を形成する方法であって、
半導体基板の上方に、かつそれから絶縁されたポリシリコン層を形成することと、
前記ポリシリコン層の上方に、かつそれから絶縁された離間する導電性制御ゲート対を形成することであって、前記制御ゲートが、互いに向き合う内側表面及び互いに反対側を向く外側表面を有する、形成することと、
前記制御ゲートの前記内側及び前記外側表面に直接的に沿って延在する第1の絶縁層を形成することと、
前記第1の絶縁層に直接的に沿って延在する第2の絶縁層を形成することと、
前記制御ゲートの前記外側表面に隣接する前記ポリシリコン層の一部分を除去することと、
前記第2の絶縁層に直接的に沿って、かつ前記制御ゲートの前記外側表面に間接的に沿って延在する第1の絶縁スペーサを形成することと、
前記第2の絶縁層に直接的に沿って、かつ前記制御ゲートの前記内側表面に間接的に沿って延在する第2の絶縁スペーサを形成することと、
前記第1及び第2の絶縁スペーサに沿って、かつ前記制御ゲートの前記外側表面に隣接する前記基板の一部分に沿って延在するHKMG層を形成することであって、前記HKMG層が、
高K絶縁材料層、及び
前記高K絶縁材料層上の金属材料層、を含む、形成することと、
前記第2の絶縁スペーサに沿って延在する前記HKMG層の一部分を除去することと、
前記第2の絶縁スペーサを除去することと、
前記制御ゲートの前記内側表面に隣接する前記ポリシリコン層の一部分を除去することと、
前記制御ゲートの前記内側表面に隣接するソース領域を前記基板内に形成することと、
前記ソース領域の上方に、かつそれから絶縁された導電性消去ゲートを形成することであって、前記消去ゲートが、少なくとも前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層によって前記制御ゲートの各々から絶縁される、形成することと、
導電性ワードラインゲートを前記第1の絶縁スペーサに横方向に隣接して形成することであって、前記ワードラインゲートの各々に対して、前記HKMG層が、前記ワードラインゲートと前記第1の絶縁スペーサのうちの1つとの間に配設された第1の部分、及び前記ワードラインゲートと前記基板との間に配設された第2の部分を含む、形成することと、
前記ワードラインゲートのうちの1つに隣接して各々配設されたドレイン領域を前記基板内に形成すること、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の絶縁層が、第1の絶縁材料から形成され、前記第2の絶縁層が、前記第1の絶縁材料とは異なる第2の絶縁材料から形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の絶縁材料が、酸化シリコンであり、前記第の2絶縁材料が、窒化シリコンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
シリサイドを前記消去ゲート及び前記ワードラインゲートの上面に形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
シリサイドを前記ドレイン領域の前記半導体基板の上面に形成することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ワードラインゲートが、前記HKMG層の高K絶縁材料層によってのみ前記基板から絶縁される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記制御ゲートの各々の上に絶縁材料のブロックを形成することであって、前記第1の絶縁層が、前記絶縁材料のブロックの各々の側部に直接的に沿って延在する、形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記消去ゲート及び前記ワードラインゲートの前記形成が、
第2のポリシリコン層を前記基板の上方かつ前記制御ゲートの上方に形成することと、
前記制御ゲートの上方かつ前記基板の上方の前記第2のポリシリコン層の一部分を除去し、前記消去ゲートとして、前記制御ゲート間の前記第2のポリシリコン層の第1のブロックを残し、前記ワードラインゲートのうちの1つとして、前記第1の絶縁スペーサのうちの1つに隣接する前記第2のポリシリコン層の第2のブロックを残し、かつ前記ワードラインゲートのうちの別の1つとして、前記第1の絶縁スペーサのうちの別の1つに隣接する前記第2のポリシリコン層の第3のブロックをして残すことと、を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2015年10月1日出願の米国仮出願第62/236,101号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、不揮発性メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
分割ゲート不揮発性メモリセルは、当該技術分野において周知である。例えば、米国特許第7,927,994号(同特許は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる)は、分割ゲート不揮発性メモリセルを開示している。図1は、半導体基板12上に形成されたかかる分割ゲートメモリセルの一例を例証する。ソース領域16及びドレイン領域14は、基板12内の拡散領域として形成され、それらの間にチャネル領域18を画定する。メモリセルは、4つの導電性ゲート、すなわち、チャネル領域18の第1の部分及びソース領域16の一部分の上方に配設され、かつそれから絶縁された浮遊ゲート22、浮遊ゲート22の上方に配設され、かつそれから絶縁された制御ゲート26、ソース領域16の上方に配設され、かつそれから絶縁された消去ゲート24、及びチャネル領域18の第2の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁された選択ゲート20を含む。導電性接点10が形成されて、ドレイン領域14に電気的に接続することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メモリセルがアレイ状に配置され、かかるメモリセルの列が分離領域の列によって分離される。分離領域は、絶縁材料が形成される基板の部分である。論理(コア)デバイス及び高電圧デバイスは、メモリアレイと同じチップ上に形成され、多くの場合、同じ加工工程のうちのいくつかを共有して形成され得る。高K金属材料からのメモリセルゲート並びに論理ゲート及び高電圧ゲート(HKMG−金属層の下の高K誘電体)の作製も既知である。しかしながら、論理デバイスの処理中にメモリセル構造の積層体が劣化する場合があることが分かっている。
【0005】
本発明は、メモリセル構造体の劣化が少ない論理デバイス及び高電圧デバイスと同じチップ上に分割ゲート不揮発性メモリデバイスを形成するための技術である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した問題及び必要性は、メモリセル対を形成する方法によって対処され、この方法は、
半導体基板の上方に、かつそれから絶縁されたポリシリコン層を形成することと、
ポリシリコン層の上方に、かつそれから絶縁された離間する導電性制御ゲート対を形成することであって、制御ゲートが、互いに向き合う内側表面及び互いに反対側を向く外側表面を有する、形成することと、
制御ゲートの内側及び外側表面に直接的に沿って延在する第1の絶縁層を形成することと、
第1の絶縁層に直接的に沿って延在する第2の絶縁層を形成することと、
制御ゲートの外側表面に隣接するポリシリコン層の一部分を除去することと、
第2の絶縁層に直接的に沿って、かつ制御ゲートの外側表面に間接的に沿って延在する第1の絶縁スペーサを形成することと、
第2の絶縁層に直接的に沿って、かつ制御ゲートの内側表面に間接的に沿って延在する第2の絶縁スペーサを形成することと、
第1及び第2の絶縁スペーサに沿って、かつ制御ゲートの外側表面に隣接する基板の一部分に沿って延在するHKMG層を形成することであって、HKMG層が、
高K絶縁材料層、及び
高K絶縁材料層上の金属材料層、を含む、形成することと、
第2の絶縁スペーサに沿って延在するHKMG層の一部分を除去することと、
第2の絶縁スペーサを除去することと、
制御ゲートの内側表面に隣接するポリシリコン層の一部分を除去することと、
制御ゲートの内側表面に隣接するソース領域を基板内に形成することと、
ソース領域の上方に、かつそれから絶縁された導電性消去ゲートを形成することであって、消去ゲートが少なくとも第1の絶縁層及び第2の絶縁層によって制御ゲートの各々から絶縁される、形成することと、
導電性ワードラインゲートを第1の絶縁スペーサに横方向に隣接して形成することであって、ワードラインゲートの各々に対して、HKMG層が、ワードラインゲートと第1の絶縁スペーサのうちの1つとの間に配設された第1の部分、及びワードラインゲートと基板との間に配設された第2の部分を含む、形成することと、
ワードラインゲートのうちの1つに隣接して各々配設されたドレイン領域を基板内に形成すること、を含む。
【0007】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、請求項、添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来の不揮発性メモリセルの横断面図である。
図2A】半導体基板の上面図である。
図2B】半導体基板内の活性及び分離領域の形成における工程を示す横断面図である。
図2C】半導体基板の上面図である。
図2D】半導体基板内の活性及び分離領域の形成における工程を示す横断面図である。
図2E】半導体基板内の活性及び分離領域の形成における工程を示す横断面図である。
図2F】半導体基板内の活性及び分離領域の形成における工程を示す横断面図である。
図3A】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3B】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3C】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3D】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3E】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3F】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3G】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3H】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3I】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3J】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3K】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3L】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3M】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3N】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3O】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3P】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3Q】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
図3R】不揮発性メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、メモリセル構造体を、同じチップ上に形成された論理デバイスの形成及び処理の間に保護することによって、上述の問題を解決する。かかるメモリセルを形成する方法は、図2A図2F図3A図3Rに例証される。この方法は、好ましくはP型のものであり、当該技術分野で周知の半導体基板12から始まる。
分離領域形成
【0010】
図2A図2Fは、基板上に分離領域を形成する周知のSTI方法を例証する。図2Aを参照して、好ましくはP型のものであり、当該技術分野で周知の半導体基板12(又は半導体ウェル)の平面図が示される。第1の材料層30及び第2の材料層31は、基板上に形成される(例えば、成長又は堆積させる)。例えば、第1の層30は、二酸化シリコン(以下、「酸化物」)であってもよく、これは、酸化又は酸化物堆積(例えば、化学気相堆積若しくはCVD)等の任意の周知の技法によって基板12上に形成される。窒素ドープ酸化物又は他の絶縁性誘電体も使用されてもよい。第2の層31は、窒化シリコン(以下、「窒化物」)、であってもよく、これは、好ましくはCVD又はPECVD(プラズマ増強CVD)によって酸化物層30の上方に形成される。図2Bは、結果として得られた構造の断面を例証する。
【0011】
第1及び第2の層30/31が形成されると、好適なフォトレジスト材料32を窒化物層31上に塗布し、マスキング工程を行い、図2Cに示すように、Y又はカラム方向に延在する特定領域(ストライプ33)からフォトレジスト材料を選択的に除去する。フォトレジスト材料32が除去される場合、露出された窒化物層31及び酸化物層30は、標準のエッチング技法(すなわち、異方性窒化物及び酸化物/誘電体エッチングプロセス)を使用してストライプ33でエッチングされて、構造内にトレンチ34を形成する。次いで、シリコンエッチングプロセスを使用して、図2Dに示すように、シリコン基板12の中へトレンチ34を下方に延在させる。フォトレジスト32が除去されない場合、窒化物層31及び酸化物層30は維持される。図2Dに例証される結果として生じる構造は、ここで、分離領域36と織り合わせられた活性領域35を画定する。
【0012】
この構造が更に処理されて、残りのフォトレジスト32を除去する。次いで、厚い酸化物層を堆積することで、トレンチ34内に二酸化シリコンのような分離材料が形成され、続いて、化学機械研磨又はCMPエッチングにより(窒化物層31をエッチングのストッパとして使用)、図2Eに示すように、トレンチ34内の酸化物ブロック38を除いて、酸化物層を除去する。次いで、残りの窒化物層31及び酸化物層30は、窒化/酸化エッチングプロセスを使用して除去され、図2Fに示すように、分離領域36に沿って延在するSTI酸化物ブロック38が残される。
【0013】
図2A図2Fは、基板のメモリセルアレイ領域を例証し、ここで、メモリセルのカラムが分離領域36によって分離される活性領域35内に形成される。基板12が、メモリセルアレイ領域内に形成されたメモリセルを動作させるために使用される制御回路が形成される少なくとも1つの周辺領域も含むことに留意されたい。好ましくは、分離ブロック38も上述の同じSTIプロセス中に周辺領域内に形成される。
メモリセル形成
【0014】
図2Fに示す構造は、以下のとおりに更に処理される。図3A図3Rは、本発明のプロセスにおける次の工程が行われるときの、図2Fから直角に(図2C及び図2Fに示される線3A−3Aに沿って)見た活性領域35内の構造の断面を示す。
【0015】
図3Aから始まり、基板12上の二酸化シリコン層40の形成が示される。その後、第1のポリシリコン(又はアモルファスシリコン)層42が二酸化シリコン層40上に堆積又は形成される。第1のポリシリコン層42は、その後に活性領域35に平行の方向にパターン形成される(ポリシリコンを分離領域36から除去するため)。
【0016】
図3Bを参照して、二酸化シリコン等の別の絶縁層44(又は更には複合絶縁層、例えば、ONO(酸化物副層、窒化物副層、酸化物副層)が、第1のポリシリコン層42上に堆積又は形成される。次いで、第2のポリシリコン層46が層44上に堆積又は形成される。絶縁体の別の層48は、ポリシリコンの第2の層46上に堆積又は形成され、その後のドライエッチング中のハードマスクとして使用される。好ましい実施形態では、層48は、窒化シリコンと、二酸化シリコンと、窒化シリコンとを含む複合層である。しかしながら、層48は、代わりに単一の窒化物層であってもよい。
【0017】
図3Cを参照して、フォトレジスト材料(図示せず)は、図3Bに示される構造上に堆積し、マスキング工程が形成され、フォトレジスト材料の選択された部分を露出させる。フォトレジストは現像され、そのフォトレジストをマスクとして使用して、構造体に対するエッチングが行われる。次いで、複合層48、第2のポリシリコン層46、及び複合絶縁層44は、第1のポリシリコン層42が露出されるまで異方性エッチングされる。ポリエッチングを使用してポリ層42の上部を除去し、その上面を各積層体S1及びS2まで傾斜させてもよい。結果として生じる構造が、図3Cに示される。2つの「積層体」S1及びS2のみが示されているが、互いに分離されるかかる「積層体」がいくつか存在することが明らかであろう。
【0018】
次いで、この構造は、図3Dに示すように、絶縁層、好ましくは酸化シリコン(HTO)50及び窒化シリコン52(すなわち、以下に示すように、より良好なデバイスの分離及び保護のための異なる絶縁材料)で被覆される。任意選択的なSiGeプロセスモジュールはこの時点で行われてもよく、ここでチャネルSiGeがPMOSデバイス上に形成され、その可動性を高め、これにより電流を駆動してもよい。このプロセスは、窒化物の薄層の堆積を含むことがある。次いで、マスキング及びエッチングプロセスが使用され、PMOSエリアを開き、その中の窒化物及び残りの酸化物を除去してもよい。次いで、SiGeを、PMOSシリコン上に選択的に成長させてもよい。次いで、窒化物を、非PMOSエリアから除去する。
【0019】
図3Eを参照して、次いで、フォトリソグラフィマスキング工程が行われ、積層体S1及びS2並びに積層体S1/S2の間の領域を部分的に被覆するフォトレジスト54を形成する。この考察のために、積層体S1及びS2の各対について、積層体S1とS2との間の領域は、「内側領域」と呼ばれ、フォトレジストによって被覆されていない積層体の反対側の領域は、「外側領域」と称されるものとする。次いで、窒化物エッチングが行われ、外側領域に積層体S1/S2の側部を被覆する窒化物52のスペーサ52aを形成する。
【0020】
次いで、ポリエッチングが行われ、図3Fに示すように、窒化物スペーサ52によって保護されていない外側領域のポリ層42の露出された部分を除去する。論理デバイスエリアのポリシリコン42も除去される。次いで、フォトレジスト54が除去される。酸化物の堆積(例えば、HTO)及び異方性エッチングが行われ、図3Gに示すように、外側領域の窒化物スペーサ52aに沿って、かつ内側領域の窒化物層52に沿って酸化物スペーサ56を形成する。酸化物エッチングは、基板上及び外側領域の酸化物層40の露出された部分を除去する。
【0021】
図3Hを参照して、次いで、高K材料(すなわち、HfO2、ZrO2、TiO2、Ta2O5、又は他の適切な材料等の酸化物の誘電率Kを超える誘電率Kを有する)の絶縁層58aを備える、高K金属ゲート層HKMG58が、構造の上方、かつ導電性金属層58bの下に形成される。この形成は原子層化学気相堆積を使用して行われてもよい。高K金属ゲート層も論理デバイスエリアに形成される。次いで、マスキング工程が行われ、フォトレジスト60により外側領域を被覆するが、内側領域は露出させる。次いで、HKMGエッチングが行われ、HKMG層58の露出された部分を内側領域から除去する。次いで、酸化物エッチングが使用され、酸化物スペーサ56が内側領域から除去される。次いで、窒化物エッチングが行われ、図3Iに示すように、窒化物層52のうち、内側領域の積層体S1/S2の側部を被覆するスペーサ52bを除いて、残りの部分を除去する。次いで、ポリエッチングが行われ、図3Jに示すように、酸化物層40を露出させる内側領域(窒化物スペーサ52bによって保護されていない)のポリ層42の露出された部分を除去する。
【0022】
フォトレジスト60が除去された後、HV HTO酸化物層62が構造の上方に形成され、これはその後の移植のための遮蔽酸化物として役立つ。次いで、フォトレジスト64が、内側領域を除いて構造の上方に形成される。次いで、移植プロセスが行われ、図3Kに示すように、内側領域の下の基板内にソース領域(ソースライン領域)66を形成する。次いで、酸化物エッチングが使用され、図3Lに示すように、内側領域のHV HTO酸化物62を除去する。フォトレジスト64が除去された後、次いでHTO酸化物の堆積が行われ、図3Mに示すように、構造の上方にトンネル酸化物層68を形成する。次いで、フォトレジスト70が、内側領域の上方に形成され、外側領域が露出される。酸化物エッチングが使用され、図3Nに示すように、外側領域のトンネル酸化物層68及びHV HTO酸化物層62の露出された部分を除去する。酸化物の論理デバイスエリアからの並列除去は、この同じ酸化物エッチング中に行われる。
【0023】
フォトレジスト70が除去された後、図3Oに示すように、厚いポリシリコン層72が構造の上方(論理デバイスエリアの構造の上方を含む)に堆積される。メモリセルエリアの初期のポリ厚さは、論理デバイスエリアのポリ厚さと同じである。ダミーポリは、その後のポリ平坦化のためにメモリセルエリアに堆積されて保持されてもよい。論理デバイスエリアのダミーポリは、後にポリCMP又はポリエッチングバックによって除去されてもよい。ポリ層72は化学機械研磨(CMP)により平坦化され、続いて更にポリエッチングバックされ、内側領域に消去ゲートEGとなるポリブロック72aが残され、外側領域にワードラインゲートWLとなるポリブロック72bが残される。図3Pを参照する。フォトレジスト74は、内側領域及び外側領域の一部分を被覆するように形成されかつパターン化され、外側領域の外側部分が露出される。ポリエッチングが使用され、図3Qに示すように、ポリ層72の露出された部分を除去し、ワードラインゲート72bの外側縁部を画定する。並列フォトリソグラフィポリエッチングは、論理ゲートを画定するためにも使用される。
【0024】
フォトレジスト74を除去した後、移植プロセスが使用され、ワードラインゲート72bに整列した外側領域にドレイン領域76を形成する。絶縁材料(例えば、酸化物又は窒化物)78のスペーサがワードラインゲート72bの側部に沿って形成される。次いで、シリサイド80が、消去ゲート72a、ワードラインゲート72b、及び基板(ドレイン領域部分)の露出された表面部分に形成される。最終構造を図3Rに示す。ソース領域66及びドレイン領域76は、それらの間にチャネル領域82を画定する。チャネル領域の第1の部分(浮遊ゲート42の下)の導電率は、浮遊ゲート42によって制御され、チャネル領域の第2の部分(ワードラインゲート72bの下)の導電率はワードラインゲート72bによって制御される。
【0025】
上述の図3Dから始まる酸化物50及び窒化物52は、多くの利点を有する。積層体対の外側領域上に形成された酸化物50及び窒化物52は、制御ゲート46とまだ形成されていない高K金属ゲート層HKMG58との間の主要な分離体となる。積層体対の内側領域に形成された酸化物50及び窒化物52は、制御ゲート46とまだ形成されていない消去ゲート72aとの間の主要な分離体となる。加えて、酸化物50及び窒化物52は、内側積層領域からのHKMG除去中に制御ゲート46及び浮遊ゲート42を保護する(図3I参照)。これにより、トンネル酸化物68が内側積層領域でHKMGを含まないことが可能になる(図3M参照)。
【0026】
本発明は、上述の、及び本明細書に例示の実施形態(複数可)に限定されないことが理解されよう。例えば、本明細書で本発明に言及することは、任意の請求項又は請求項の用語の範囲を限定することを意図しておらず、その代わり、単に、1つ以上の請求項によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するものである。上述の材料、プロセス、及び数値例は、単なる例示であり、請求項を限定するものと見なされるべきではない。更に、特許請求の範囲及び明細書から明らかであるように、全ての方法工程が例証又は特許請求される正確な順序で行われる必要はないが、本発明のメモリセルの適切な形成を可能にする任意の順序で行われる。単一の材料層は、複数のそのような又は類似の材料層として形成することができ、かつ逆もまた同様である。本明細書で使用される、「形成する」及び「形成される」という用語は、材料堆積、材料成長、又は開示若しくは特許請求される材料を提供する際の任意の他の技法を含むものとする。
【0027】
本明細書で使用される場合、「の上方に(over)」及び「の上に(on)」という用語は両方とも、「の上に直接的に」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に何ら配設されない)、及び「の上に間接的に」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に配設される)を包括的に含むことに留意するべきである。同様に、「隣接する」という用語は、「直接的に隣接する」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に何ら配置されない)、及び「間接的に隣接する」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に配置される)を含む。例えば、要素を「基板の上方に」形成することは、その要素を基板の上に直接的に、中間材料/要素をそれらの間に何ら伴わずに、形成すること、並びにその要素を基板の上に間接的に、1つ以上の中間材料/要素をそれらの間に伴って、形成することを含み得る。
【要約】
メモリセル対を形成する方法であって、半導体基板の上方に、かつそれから絶縁されたポリシリコン層を形成することと、ポリシリコン層の上方に、かつそれから絶縁された導電性制御ゲート対を形成することと、制御ゲートの内側及び外側表面に沿って延在する第1及び第2の絶縁層を形成することと、制御ゲートの外側表面に隣接するポリシリコン層の一部分を除去することと、HKMG層を構造上に形成して、その一部分を制御ゲート間から除去することと、制御ゲートの内側表面に隣接するポリシリコン層の一部分を除去することと、制御ゲートの内側表面に隣接するソース領域を基板内に形成することと、ソース領域の上方に、かつそれから絶縁された導電性消去ゲートを形成することと、導電性ワードラインゲートを制御ゲートに横方向に隣接して形成することと、ワードラインゲートに隣接するドレイン領域を基板内に形成すること、を含む、方法。
【選択図】図3R
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L
図3M
図3N
図3O
図3P
図3Q
図3R