(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定のアプリケーションは、前記解読された再現データ及び前記画像データから前記必要なデータを取得できなかったときに、前記医用画像処理を再現できない旨をユーザに通知するためのメッセージを表示すること、
を特徴とする請求項3記載の医用画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る医用画像処理装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0007】
図1は、本実施形態に係る医用画像処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、本医用画像処理装置1は、送受信部10、記憶部11、保管部12、入力部13、解読部14、取得部15、実行部16、表示部17、及びシステム制御部18を有する。
【0008】
本医用画像処理装置1は、LAN(Local Area Network)や公衆電子通信回線等のネットワークを介して、X線診断装置21、超音波診断装置22、MRI23、CT装置24、医用画像解析装置26、及びPACS27(Picture Archiving and Communication System:医療画像情報システム)等の外部装置に接続される。
【0009】
送受信部10は、本医用画像処理装置1が外部装置とデータ通信を行うための通信インターフェースとして機能する。本医用画像処理装置1及び外部装置は、例えば、医用画像の標準規格であるDICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)規格に準拠した通信プロトコルで互いに通信する。
【0010】
本医用画像処理装置1、X線診断装置21、超音波診断装置22、MRI23、及びCT装置24等は、解析アプリケーションを備える。以下、本医用画像処理装置1が備える解析アプリケーションを特定アプリケーション、特定アプリケーションと種類が異なる複数の解析アプリケーションを他の解析アプリケーション、特定アプリケーションと他の解析アプリケーションを併せて単に解析アプリケーションと呼ぶ。
【0011】
他の解析アプリケーションは、入力された医用画像のデータに対して、部位(頭部、胸部、胃部など)および病名(脳梗塞、心筋梗塞、肺結節など)ごとに適した解析を行うための計算アプリケーションである。他の解析アプリケーションに入力されるデータは、解析対象のデータであり、例えば、3Dボリュームデータ等である。以下、他の解析アプリケーションに入力され、解析対象となるデータを初期入力データと呼ぶ。他の解析アプリケーションにより、初期入力データに対して医用画像処理が実行され、表示器に表示される画像のデータを最終画像データと呼ぶ。初期入力データと最終画像データとの間の、初期入力データに対して医用画像処理が実行された後のデータは、中間画像データである。中間画像データは、最終画像データを再現するための再現データでもあるため、以後、中間画像データを再現データと呼ぶ。再現データには、医用画像のデータ及び解析データ等が含まれる。
【0012】
例えば、CT装置24は、CT冠動脈解析アプリケーションを備える。CT冠動脈解析アプリケーションに入力されるデータ(初期入力データ)は、被検体に関する3Dボリュームデータである。CT冠動脈解析アプリケーションにより、3Dボリュームデータに対してCT冠動脈解析が実行された結果、冠動脈を強調した冠動脈画像が表示される。したがって、最終画像のデータは、冠動脈画像のデータである。再現データは、CT冠動脈解析アプリケーションにより、3Dボリュームデータから、冠動脈画像のデータが発生されるまでの、中間画像である。例えば、再現データは、冠動脈の抽出データである。冠動脈の抽出データには、冠動脈の大きさ、形状が分かるデータ(冠動脈の座標情報等)が含まれる。なお、CT冠動脈解析アプリケーションにより発生される再現データには、例えば、心軸及び心筋輪郭等の座標情報、左心室、大動脈等の大きさ、形状が分かる情報(例えば、座標情報)等が含まれる。
【0013】
また、超音波診断装置22は、超音波心壁解析アプリケーションを備える。初期入力データは、超音波データ(例えば、Bモード画像、組織ドプラ情報)である。表示される最終画像は、組織毎に、組織毎の移動速度に応じた色情報を与えたカラー組織ドプラ画像等である。再現データは、心壁の解析データ、心臓領域(左心室等)の抽出データ等が該当する。
【0014】
再現データは、対応する初期入力データ、最終画像データ、及び解析アプリケーションの情報とともに管理される。なお、解析は、医用画像解析専門の医用画像解析装置26にて行われてもよい。また、再現データは、対応する最終画像データ、初期入力データと関連付けて、PACS27で管理されてもよい。再現データに対する、初期入力データ及び最終画像データの関連付けは、例えば、再現データに、解析アプリケーションを特定するためのメタ情報を付帯させることでできる。解析アプリケーションに関するメタ情報とは、例えば、PACS27における初期入力データ及び最終画像データの記憶アドレス情報及び解析情報(解析目的、解析アプリケーションの種類、及び解析日時等)等である。なお、再現データの付帯情報には、PACS27で管理されるための患者ID、検査ID,シリーズID等が含まれる。また、PACS27は、初期入力データを、再現データ及び最終画像データを関連付けて記憶してもよいし、最終画像データを、再現データ及び初期入力データを関連付けて記憶してもよい。
【0015】
DICOMには、DICOM通信により提供される様々な機能(サービスクラス)がある。Query/Retrieve機能は、医用画像のデータの問い合わせ、検索、取得に関する機能である。例えば、本医用画像処理装置1は、最終画像データの取得要求を、外部装置に対して送信する。外部装置は、要求された最終画像データが保管されているかを検索する。要求された最終画像データがあれば、リストにして本医用画像処理装置1に対して送信する。本医用画像処理装置1は、受信したリストを後述の表示部17に表示する。本医用画像処理装置1は、受信したリストからユーザにより選択され最終画像データの取得要求を、対応する外部装置に対して送信する。外部装置は、要求された最終画像データを初期入力データ、再現データとともに保管先から読み出し、本医用画像処理装置1に対して送信する。本医用画像処理装置1は、最終画像データを受信すると、受信が完了した旨を通知する信号を外部装置に対して送信する。以上のQuery/Retrieve機能により、本医用画像処理装置1は、外部装置から、該当する最終画像データを関連付けされた初期入力データ、再現データとともに取得する。取得されたこれらの画像データは、後述の記憶部11に一時的に記憶される。
【0016】
記憶部11は、システム制御部18(CPUなどのプロセッサー)が直接アクセスすることのできる1次記憶装置、及びシステム制御部18に含まれるキャッシュメモリである。記憶部11は、半導体素子によって構成されたメモリであり、例えば、1次記憶装置には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)が用いられる。一方、キャッシュメモリには、SRAM(Static Random Access Memory)が用いられる。記憶部11は、システム制御部18の制御に従って、医用画像処理装置1の各部がデータ処理を実行する扱うデータを一時的に記憶する。医用画像処理装置1で扱うデータとは、外部装置から受信した再現データ、再現データに対応する初期入力データ、及び本医用画像処理装置1で処理中のデータ等である。記憶部11に一時的に記憶されたデータは、一定時間が経過したとき、または、記憶部11に電源が供給されなくなったときに消失される。記憶部11に一時的に記憶されたデータは、ユーザ指示に従って、適宜、後述の保管部12に記憶させることもできる。
【0017】
保管部12は、2次(補助)記憶装置である。保管部12は、HDD(Hard Desk Drive)等の磁気ディスク装置及びFlash SSD(Solid State Disk)等の半導体素子によって構成された半導体記憶装置である。保管部12は、医用画像処理装置1で扱うデータを永続的に記憶する。したがって、ユーザにより指示されない限り、記憶データは保持される。なお、保管部12の機能は、外部装置にあってもよい。保管部12は、辞書データと変換データとを記憶する。
辞書データは、本医用画像処理装置1が備える特定アプリケーションが、他の解析アプリケーション各々で発生された再現データを読解するための辞書である。
辞書データは、特定アプリケーションで使用される複数の用語に対して、他の解析アプリケーション各々で扱われる用語を対応させたデータである。特定アプリケーション及び他の解析アプリケーションが同じ目的で使用されるアプリケーションであっても、特定アプリケーションが他の解析アプリケーションと異なるプログラミング言語でプログラムが書かれていれば、特定アプリケーションは、他の解析アプリケーションの再現データを読解できない場合がある。また、特定アプリケーション及び他の解析アプリケーションが同じ目的で使用され、同じプログラミング言語でプログラムが書かれていても、特定アプリケーションと他の解析アプリケーションとの間で定義されている変数の名称が異なれば、特定アプリケーションは、他の解析アプリケーションの再現データを読解できない場合がある。辞書データは、他の解析アプリケーション各々で扱われるプログラミング言語及び文字情報等の用語を、特定アプリケーションで扱う用語に変換するために用いられる。
【0018】
図2は、本実施形態に係る医用画像処理装置1の保管部12が記憶する辞書データの一例を示す図である。
図2に示すように、辞書データは、特定アプリケーションで扱われる用語リストLt11に対して、解析アプリケーションAで扱われる用語リストLt12及び解析アプリケーションBで扱われる用語リストLt13をそれぞれ対応させた対応表のデータである。
図2に示す対応表において、例えば、特定アプリケーションで扱われる文字情報「座標」は、解析アプリケーションAで扱われる文字情報「Position」及び、解析アプリケーションBで扱われる文字情報「Po」にそれぞれ対応する。これにより、特定アプリケーションは、解析アプリケーションAの解析結果に「Position」が含まれていても、読解することができる。
【0019】
変換データは、複数の解析アプリケーション各々で定義されている座標系、単位、評価指標値等の数値情報を、特定アプリケーション用に変換するための変換表である。
【0020】
図3は、本実施形態に係る医用画像処理装置1の保管部12が記憶する変換データの一例を示す図である。
図3に示すように、変換データは、特定アプリケーションで定義されている種々の情報に関するリストLt21に対して、解析アプリケーションAで定義されている種々の情報に関するリストLt22及び解析アプリケーションBで定義されている種々の情報に関するリストLt23をそれぞれ対応させた対応表のデータである。
図3に示す対応表において、例えば、特定アプリケーションにおいて定義されている3D座標系(x、y、z)は、解析アプリケーションAで定義されている3D座標系(a、b、c)及び解析アプリケーションBで定義されている3D座標系(L、M、N)にそれぞれ対応する。これにより、特定アプリケーションは、解析アプリケーションAの再現データに座標情報が含まれていても、その座標を特定アプリケーション用の座標に変換することができる。
【0021】
例えば、特定アプリケーションにおいて定義されている長さの定義「m」は、解析アプリケーションAで定義されている長さの定義「mm」及び解析アプリケーションBで定義されている長さの定義「m」にそれぞれ対応する。これにより、特定アプリケーションは、解析アプリケーションAの再現データに長さ情報が含まれていても、その長さを表す数値を特定アプリケーション用の数値に変換することができる。
【0022】
つまり、変換データは、特定アプリケーションで解析された結果を、ユーザが同じ指標で読影可能にするためのデータである。例えば、解析アプリケーションAの再現データに基づいて特定アプリケーションにより発生された医用画像Aと、解析アプリケーションBの再現データに基づいて特定アプリケーションにより発生された医用画像Bとがある。例えば、特定アプリケーションAと特定アプリケーションBとの間で、座標の定義が異なれば、医用画像Aで指定した位置を、医用画像Bから特定することが難しい。また、特定アプリケーションAと特定アプリケーションBとの間で、数値情報の定義が異なれば、医用画像Aと医用画像Bとを単純に比較できない場合がある。医用画像Aでは長さの定義が「cm」、医用画像Bで長さの定義が「mm」の場合、血管の分岐から分岐までの距離が医用画像Aでは「2cm」と表記され、医用画像Bでは「20mm」と表記される。これは、ユーザが数値を誤認識する可能性がある。そのため、他の解析アプリケーションで定義されている数値情報を、特定アプリケーション用の定義に変換することで、ユーザによる医用画像の読影効率が向上する。
【0023】
保管部12は、複数のプログラムのデータを記憶する。特定アプリケーションは、複数種類の解析機能を有する。複数のプログラムは、複数種類の解析機能にそれぞれ対応する。1つのプログラムには、複数の処理項目が含まれる。複数の処理項目各々には、その処理項目を実行するために必要なデータ(パラメータ)が規定されている。以下、解析機能を実行するために必要なパラメータ及び必要な画像のデータをまとめて必要データと呼ぶ。
【0024】
入力部13は、本医用画像処理装置1に対して、ユーザによる指示情報を入力するための、インターフェースとして機能する。入力部13は、入力デバイスとして、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル、及びスイッチ等を備える。指示情報とは、特定アプリケーションで実行する解析機能の指定、当該解析機能の実行に用いる他の解析アプリケーションにより発生された再現データ、初期入力データ、及び最終画像データの指示等である。これらの特定アプリケーションを実行するための指示情報は、解析機能入力画面上のユーザ操作により入力される。解析機能入力画面には、解析機能の名称がチェックボックスとともに一覧で表示される。ユーザは、所望の解析機能の名称に対応するチェックボックスにマウスを使ってカーソルを移動させる。そして、ユーザは、チェックボックスをクリックすることで、解析機能を入力することができる。ユーザは、解析機能に用いる解析結果及び初期入力データを指定し、解析機能入力画面にDrag&Dropすることで、解析機能に用いる解析結果及び初期入力データを入力することができる。なお、解析機能入力画面を介して特定アプリケーションを実行するための指示情報の入力は、他の方法でおこなわれてもよい。
【0025】
図4は、解析機能設定画面の一例を示す図である。
【0026】
図4おいて、解析機能設定画面には、特定アプリケーションが有する複数の解析機能にそれぞれ対応する複数のテンプレート画像が配置されている。テンプレート画像T1〜T5は、対応する解析機能が実行された結果、表示される画像の一例をそれぞれ示している。ユーザは、解析機能設定画面上の複数のテンプレート画像を見て、得たい画像に対応する解析機能を指定することができる。例えば、ユーザが所望する解析機能が「SPECT Perfusion」のとき、ユーザは、解析機能に用いる再現データ、初期入力データ、及び最終画像データを指定し、「SPECT Perfusion」に対応するテンプレート画像T3上にDropすることで、解析機能「SPECT Perfusion」及び、解析機能に用いる再現データ、初期入力データ、及び最終画像データの入力をすることができる。
【0027】
解読部14は、辞書データ及び変換データを参照することにより、他の解析アプリケーションにより発生された再現データを解読する。具体的には、解読部14は、辞書データを検索し、再現データを発生した解析アプリケーションが登録されているかを特定する。辞書データに、再現データを発生した解析アプリケーションが登録されている場合は、その辞書データを参照して、再現データを解読する。一方、辞書データに、再現データを発生した解析アプリケーションが登録されていない場合は、再現データを解読できない旨をユーザに通知するための解読不可信号を表示部17に送信する。
【0028】
取得部15は、解読部14により解読された再現データ(以下、解読データと呼ぶ。)から、設定された解析機能の実行に必要な必要データを取得する。また、解読データから取得できなかった必要データを、初期入力データから取得する。必要データの取得方法としては、従来の種々の画像処理方法が適用される。例えば、初期入力データが心筋に関する3Dボリュームデータであり、必要データが、心筋の特定の断面像の領域情報である場合、取得部15は、3Dボリュームデータに対してレンダリング処理を実行することにより、特定の断面画像のデータを得、特定の断面画像に対して閾値処理等の画像処理を実行することにより、特定の断面像の領域を抽出する。取得部15は、解読データ及び初期入力データから取得された必要データを、実行部16に対して送信する。
【0029】
実行部16は、設定された解析機能に応じたプログラムを保管部12から読み出す。そして、取得部15により取得された必要データに基づいて、読み出したプログラムを実行する。設定された解析機能を実行した結果のデータは、表示部17に対して送信される。なお、必要データが不足したために、設定された解析機能の実行を完了できなかった場合において、実行部16は、処理を完了できなかった旨を通知する信号とともに、途中結果のデータを表示部17に対して送信する。このとき、実行部16は、不足した必要データに関する情報を表示部17に対して送信してもよい。
【0030】
表示部17は、実行部16から送信された実行結果及び途中結果を表示する。途中結果が表示されるとき、表示部17は、処理を完了できなかった旨を通知する信号に基づいて、解析機能の実行が完了されなかった旨をユーザに対して通知するための文字情報、例えば「処理途中結果です」等を表示する。このとき、表示部17は、不足した必要データの情報、例えば「不足したデータは○○です」等を表示してもよい。また、表示部17は、解析機能入力画面を表示する。また、表示部17は、解読部14から送信された解読不可信号に基づいて、再現データを解読できない旨をユーザに対して通知するための文字情報、例えば「解読できませんでした」等を表示する。
【0031】
システム制御部18は、CPU(Central Processing Unit)とメモリ回路等を有する。システム制御部18は、入力部13から入力された情報を受け取り、一時的にメモリ回路に入力情報を記憶する。そして、システム制御部18は、この入力情報に基づいて本医用画像処理装置1の各部を制御する。
【0032】
以下、
図5を参照して本医用画像処理装置1を用いた一連の処理の流れを説明する。
図5は、本医用画像処理装置1を用いた一連の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0033】
(ステップS1)解析機能を設定
ユーザ指示に従って特定アプリケーションが起動される。入力部13を介したユーザ操作に従って入力された解析機能を設定する。解析機能に対応するプログラムがシステム制御部18により読み出される。読み出されたプログラムに対応する必要データが取得部15により特定される。
【0034】
(ステップS2)解析機能に使用するデータを設定
入力部13を介したユーザ指示に従って入力された、再現データ、初期入力データ、及び最終画像データがシステム制御部18により設定される。なお、ここでは、再現データ、初期入力データ、及び最終画像データが設定されるとしているが、少なくとも再現データまたは最終画像データが設定されればよい。
【0035】
(ステップS3)再現データの解読
解読部14により、辞書データ及び変換データを参照して、再現データ(及び最終画像データ)が解読される。
【0036】
(ステップS4)必要データの取得
取得部15により、設定された解析機能の実行に必要なデータ(必要データ)が、解読データ及び初期入力データから取得される。
【0037】
(ステップS5)解析機能の実行
取得した必要データに基づいて、実行部16により、設定された解析機能が実行される。
【0038】
(ステップS6)実行結果を表示
解析機能を実行した実行結果が表示部17に表示される。
【0039】
以下、
図6を参照して、ステップS4を詳細に説明する。
図6は、
図5のステップS4の詳細を示した第1例のフローチャートである。
(ステップ41)解読データに必要データが含まれるかの判定
取得部15により、解読データから必要データを取得できるかが判定される。解読データに検索中の必要データが含まれる場合は、ステップS42に処理が移行される。含まれない場合は、ステップS43に処理が移行される。
【0040】
(ステップ42)解読データから必要データを取得
取得部15により、解読データから必要データが取得される。
【0041】
(ステップ43)初期入力データから必要データを取得
取得部15により、初期入力データから必要データが取得される。
【0042】
(ステップ44)必要データの検索が完了したかの判定
検索が完了するまで、ステップS41からステップS43までの処理が繰り返し実行される。取得部15による必要データの検索及び取得が完了された場合は、
図5のステップS5に処理が移行される。
【0043】
なお、
図6では、必要データが解読データまたは初期入力データから取得可能であることを前提としている。しかしながら、必要データが解読データ及び初期入力データから取得できない場合もある。その場合は、
図7のような処理の流れとなる。
【0044】
図7は、
図5のステップS4の詳細を示した第2例のフローチャートである。
【0045】
(ステップ41)解読データに必要データが含まれるかの判定
取得部15により、解読データから必要データを取得できるかが判定される。解読データに検索中の必要データが含まれる場合は、ステップS42に処理が移行される。含まれない場合は、ステップS43に処理が移行される。
【0046】
(ステップ42)解読データから必要データを取得
取得部15により、解読データから必要データが取得される。
【0047】
(ステップ43a)初期入力データから必要データを取得できるかの判定
取得部15により、解析結果に対応する初期入力データから、検索中の必要データが取得できるかが判定される。初期入力データから検索中の必要データを取得できる場合は、ステップS43bに処理が移行される。取得できない場合はステップS44に処理が移行される。
【0048】
(ステップ43b)初期入力データから必要データを取得
取得部15により、初期入力データから必要データが取得される。
【0049】
(ステップ44)必要データの検索が完了したかの判定
検索が完了するまで、ステップS41、ステップS42、ステップS43a、及びステップ43bの処理が繰り返し実行される。取得部15による必要データの検索が完了された場合は、
図5のステップS5に処理が移行される。
【0050】
次に、本医用画像処理装置1の特定アプリケーションに含まれる複数種類の解析機能について説明する。複数種類の解析機能は、本医用画像処理装置1の解読部14が、辞書データ及び変換データを用いて、他のアプリケーションにより発生された再現データを解読できることにより実現される。
【0051】
特定アプリケーションに含まれる複数種類の解析機能には、再現機能及び重畳画像発生機能が含まれる。
再現機能は、他の解析アプリケーションにより得られた最終画像データを、再現データに基づいて、本医用画像処理装置1で再現する機能である。ここでの、最終画像データの再現とは、特定アプリケーションが、他の解析アプリケーションで発生された最終画像と一致する画像を発生することを指すだけではない。最終画像データの再現とは、特定アプリケーションが、他の解析アプリケーションにより発生された最終画像に対応する画像を発生することも指す。最終画像に対応する画像とは、他のアプリケーションの定義に従って表現された最終画像を、特定アプリケーションの定義に従って表現した画像である。したがって、最終画像に対応する画像は、最終画像に対して、例えば、座標の定義、数値の単位、及びカラー表現等が変更されている画像である。再現機能により発生される画像を再現画像と呼ぶ。
【0052】
図8は、本実施形態に係る医用画像処理装置1の再現機能により発生される再現画像を説明するための説明図である。冠動脈画像PA1及び冠動脈画像PB2は、第1のCT冠動脈解析アプリケーション及び第2のCT冠動脈解析アプリケーションによりそれぞれ発生された最終画像である。第1のCT冠動脈解析アプリケーション及び第2のCT冠動脈解析アプリケーションは、それぞれ同じ目的のための解析アプリケーションであるが、例えば、提供する会社が異なる解析アプリケーションである。
【0053】
冠動脈画像PA1には、冠動脈CO1とカラーバーBA1が、第1のCT冠動脈解析アプリケーションのレイアウトに従って配置されている。カラーバーBA1は、CT値の大きさに応じた色情報を表している。カラーバーBA1において、CT値の最小値はβ、最大値はαで定義されている。冠動脈CO1は、カラーバーBA1に従って、カラー表示されている。冠動脈CO1の向きは、第1のCT冠動脈解析アプリケーションで定義されている座標系に対応している。同様に、冠動脈画像PB2には、冠動脈CO2とカラーバーBA2が、第2のCT冠動脈解析アプリケーションのレイアウトに従って配置されている。カラーバーBA2は、CT値の大きさに応じた色情報を表している。カラーバーBA2において、CT値の最小値はζ、最大値はηで定義されている。冠動脈CO2は、カラーバーBA2に従って、カラー表示されている。冠動脈CO2の向きは、第2のCT冠動脈解析アプリケーションで定義されている座標系に対応している。
【0054】
冠動脈画像PE1及び冠動脈画像PE2は、特定アプリケーションの再現機能により、冠動脈画像PA1に対応する再現データ及び冠動脈画像PB2に対応する再現データに基づいて、冠動脈画像PA1及び冠動脈画像PB2をそれぞれ再現した画像である。冠動脈画像PE1(以下、再現画像PE1と呼ぶ。)には、冠動脈CO3とカラーバーBA3が、特定アプリケーションのレイアウトに従って配置されている。カラーバーBA3は、CT値の大きさに応じた色情報を表している。カラーバーBA3において、CT値の最小値はθ、最大値はφで定義されている。冠動脈CO3は、カラーバーBA3に従って、カラー表示されている。冠動脈CO3の向きは、特定のアプリケーションで定義されている座標系に対応している。同様に、冠動脈画像PE2(以下、再現画像PE2と呼ぶ。)には、冠動脈CO4とカラーバーBA4が、特定アプリケーションのレイアウトに従って配置されている。カラーバーBA4は、CT値の大きさに応じた色情報を表している。カラーバーBA4において、CT値の最小値はθ、最大値はφで定義されている。冠動脈CO4は、カラーバーBA4に従って、カラー表示されている。冠動脈CO4の向きは、特定のアプリケーションで定義されている座標系に対応している。
【0055】
例えば、医用画像処理装置1で、同一被検体に関して、撮影日が異なる冠動脈画像PA1と冠動脈画像PB2とを比較読影する。このとき、
図8に示すように、冠動脈画像PA1と冠動脈画像PB2との間の、表示レイアウトが異なる、カラーバーの定義(最小値と最大値の定義)が異なる、色の割り当て方が異なる等の要因により、読影医は、冠動脈画像PA1と冠動脈画像PB2とを単純に比較して読影することができない。
【0056】
また、第1のCT冠動脈解析アプリケーションと第2のCT冠動脈解析アプリケーションとを備える医用画像処理装置で冠動脈画像PA1と冠動脈画像PB2とを比較読影する。このとき、冠動脈画像PA1は、第1のCT冠動脈解析アプリケーションによりモニタに表示され、冠動脈画像PB2は、第2のCT冠動脈解析アプリケーションによりモニタに表示される。したがって、第1のCT冠動脈解析アプリケーションと第2のCT冠動脈解析アプリケーションとの間に関係性がなければ、冠動脈画像PA1と冠動脈画像PB2との間にも関係性がない。そのため、モニタに表示された冠動脈画像PA1及び冠動脈画像PB2を連動させて回転させたり、連動させてカラーバーの定義を変更することができない。読影医は、画像の回転、カラーバーの変更等をする場合、冠動脈画像PA1及び冠動脈画像PB2を、それぞれ独立して操作しなければならない。
【0057】
一方、例えば、同一被検体に関して、撮影日の異なる冠動脈画像PA1と冠動脈画像PB2とにそれぞれ対応する再現画像PE1と再現画像PE2とを比較読影する。再現画像PE1は、第1のCT冠動脈解析アプリケーションの定義に従って表現された冠動脈画像PA1を、特定アプリケーションの定義に従って表現した画像である。同様に、再現画像PE2は、第2のCT冠動脈解析アプリケーションの定義に従って表現された冠動脈画像PB2を、特定アプリケーションの定義に従って表現した画像である。したがって、再現画像PE1及び再現画像PE2は、冠動脈画像PA1及び冠動脈画像PB2とそれぞれ臨床上同じ画像である。再現画像PE1及び再現画像PE2は、それぞれ特定アプリケーションの定義に従って表現されているため、再現画像PE1と再現画像PE2との間の、表示レイアウト、カラーバーの定義(最小値と最大値の定義)、及び色の割り当て方は同じである。したがって、読影医は、モニタに表示された再現画像PE1及び再現画像PE2を単純に比較して読影でき、同じ操作性で操作することができる。
【0058】
さらに、特定アプリケーションは、同一被検体に関する再現画像PE1及び再現画像PE2を、互いに関連付けできる。関連付けは、例えば、再現画像、再現データ、及び最終画像等に含まれる患者情報等に従って行われる。患者情報には、例えば、患者を示すID、患者名等の情報が含まれる。なお、再現画像PE1及び再現画像PE2の関連付けは、入力部13を介した読影医の操作に従って行われてもよい。また、再現画像PE1及び再現画像PE2の関連付けは、特定アプリケーションにより、冠動脈CO3と冠動脈CO4とを、冠動脈CO3及び冠動脈CO4にそれぞれ含まれる特徴点の位置に従って位置整合させることにより行われてもよい。これにより、特定アプリケーションは、一方の再現画像におけるカラーバーの変更に応じて、他方の再現画像におけるカラーバーを変更することができる。また、特定アプリケーションは、一方の再現画像における冠動脈の回転に応じて、他方の再現画像における冠動脈を回転させることができる。
【0059】
以上記載したように、本医用画像処理装置1の再現機能により、互いに関連性がなく、表示レイアウト、操作性、座標、指標値等の定義が異なる複数の医用画像にそれぞれ対応する複数の再現画像を発生することができる。複数の再現画像は、互いに同じ定義に従って表わされる。これにより、読影医による読影効率が向上する。
【0060】
重畳画像発生機能は、複数の解析アプリケーションによりそれぞれ発生された複数の再現データに基づいて、重畳画像を発生する機能である。なお、重畳画像発生機能において、初期入力データが利用されてもよい。
本医用画像処理装置1の重畳画像発生機能の具体例について
図9、
図10、及び
図11を参照して説明する。
図9は、本実施形態に係る医用画像処理装置1が備える重畳画像発生機能の処理の具体例を示すフローチャートである。具体例では、必要データは、解読データまたは初期入力データから取得できることを前提とする。
【0061】
図9Aは、本実施形態に係る医用画像処理装置1が備える重畳画像発生機能の処理の具体例を示すフローチャートの一部分を示す図である。
図9Bは、本実施形態に係る医用画像処理装置1が備える重畳画像発生機能の処理の具体例を示すフローチャートの他の部分を示す図である。
図10は、
図9のフローチャートにおいて、必要データが解読データから取得できる場合の処理工程を模式的に表した図である。
【0062】
ユーザにより入力された解析機能として「SPECT Polar Map上へのCT冠動脈投影表示」が設定される(ステップS1)。そして、設定された解析機能に対応するプログラムに従って、取得部15により必要データが特定される。必要データは「(1)CT冠動脈の領域情報」、「(2)CT心軸座標」、及び「(3)SPECT Polar Map画像(SPECT虚血解析結果画像)」とする。
【0063】
解析機能に使用するデータIn_dが入力される(ステップS2)。データIn_dには、再現データと初期入力データとが含まれる。再現データは、CT冠動脈解析結果CT_r及びSPECT虚血解析結果PT_rのデータである。CT冠動脈解析結果CT_rは、CT冠動脈解析アプリケーションにより発生される。また、SPECT虚血解析結果PT_rは、SPECT虚血解析アプリケーションにより発生される。初期入力データは、CT画像CT_d及びSPECT画像PT_dである。なお、再現データCT_rは、初期入力データCT_dに基づいて、解析アプリケーションAのCT冠動脈解析apAが実行された結果である。また、再現データPT_rは、初期入力データPT_dに基づいて、解析アプリケーションBのSPECT虚血解析apBが実行された結果である。
【0064】
解読部14により、再現データCT_r及び再現データPT_rが解読される(ステップS3)。そして、取得部15により、必要データが解読データから取得される(ステップS4)。具体的には、再現データCT_rから、CT冠動脈の領域情報Dc1及びCT心軸座標Dc2が取得される。また、再現データPT_rから、SPECT Polar Map画像のデータDp1が取得される。SPECT Polar Map画像のデータDp1は、心軸周りの角度のデータと、心尖部または心基部からの距離(スライス番号)のデータと、心筋SPECT値のデータとを対応させたデータである。取得された必要データは、実行部16に対して送信される。
【0065】
実行部16により、SPECT Polar Map画像上でのCT冠動脈投影表示に係る処理が実行される(ステップS5a及びステップS5b)。具体的には、実行部16により、CT冠動脈の領域情報Dc1及びCT心軸座標Dc2に基づいて、CT冠動脈の領域を心軸方向から投影した投影画像のデータDc3が発生される(ステップS5a)。そして、実行部16により、SPECT Polar Map画像Dp1に対して、投影画像のデータDc3を位置整合して重ねた重畳画像Dcpが発生される(ステップS5b)。重畳画像Dcpは、表示部17に表示される(ステップS6)。
【0066】
図11は、
図9のフローチャートにおいて、必要データが解読データおよび画像データから取得できる場合の処理工程を模式的に表した図である。
図11では、必要データの「CT心軸座標」が初期入力データから取得可能であるものとする。
【0067】
ユーザにより入力された解析機能として「SPECT Polar Map上へのCT冠動脈投影表示」が設定される(ステップS1)。そして、設定された解析機能に対応するプログラムに従って、取得部15により必要データが特定される。必要データは「(1)CT冠動脈の領域情報」、「(2)CT心軸座標」、及び「(3)SPECT Polar Map画像(SPECT虚血解析結果画像)」とする。
【0068】
解析機能に使用するデータIn_dが入力される(ステップS2)。データIn_dには、再現データと初期入力データとが含まれる。再現データは、CT冠動脈解析結果CT_r及びSPECT虚血解析結果PT_rのデータである。初期入力データは、CT画像CT_d及びSPECT画像PT_dである。なお、再現データCT_rは、初期入力データCT_dに基づいて、解析アプリケーションAのCT冠動脈解析apAが実行された結果である。また、再現データPT_rは、初期入力データPT_dに基づいて、解析アプリケーションBのSPECT虚血解析apBが実行された結果である。
【0069】
解読部14により、再現データCT_r及び再現データPT_rが解読される(ステップS3)。取得部15により、必要データの検索が解読データを対象に開始される(ステップS41)。取得部15により、再現データCT_rから、CT冠動脈の領域情報Dc1が取得され、再現データPT_rから、SPECT Polar Map画像のデータDp1が取得される(ステップS42)。一方、CT心軸座標は、再現データCT_rに含まれない、または、含まれていたが解読できなかったため、取得部15により初期入力データCT_dからCT心軸座標Dc2が取得される(ステップS43)。取得部15により取得された必要データは、実行部16に対して送信される。
【0070】
実行部16により、SPECT Polar Map画像上でのCT冠動脈投影表示に係る処理が実行される(ステップS5a及びステップS5b)。具体的には、実行部16により、CT冠動脈の領域情報Dc1及びCT心軸座標Dc2に基づいて、CT冠動脈の領域を心軸方向から投影した投影画像のデータDc3が発生される(ステップS5a)。そして、実行部16により、SPECT Polar Map画像Dp1に対して、投影画像のデータDc3を位置整合して重ねた重畳画像Dcpが発生される(ステップS5b)。重畳画像Dcpは、表示部17に表示される(ステップS6)。
【0071】
図9から
図11で説明したように、重畳画像Dcpは、SPECT Polar Map画像Dp1に対して、投影画像Dc3を重ねた画像である。SPECT Polar Map画像Dp1は、SPECT虚血解析アプリケーションにより出力されたデータ(再現データ及び初期入力データ)に基づいて、発生された画像である。投影画像Dc3は、CT冠動脈解析アプリケーションにより出力されたデータ(再現データ及び初期入力データ)に基づいて発生された画像である。しかし、SPECT Polar Map画像Dp1及び投影画像Dc3は、特定アプリケーションの定義に対応している。そのため、読影医は、同じ操作性で重畳画像を読影することができる。また、定義が統一された重畳画像Dcpは、他の解析アプリケーション(例えば、CT冠動脈解析アプリケーション及びSPECT虚血解析アプリケーション)では発生できない画像である。そのため、本医用画像処理装置1の重畳画像発生機能により、他の解析アプリケーションの出力データを利用して、他の解析アプリケーションでは発生できない、臨床上有用な画像を得ることができる。
【0072】
なお、
図9から
図11で説明した例において、必要データは、解読データまたは初期入力データから取得できることを前提としている。必要データが、解読データまたは初期入力データから取得不可の場合、本医用画像処理装置1は、以下のような処理を行う。
【0073】
例えば、表示部17は、実行部16から送信された途中結果を表示する。途中結果が表示されるとき、表示部17は、処理を完了できなかった旨を通知する信号に基づいて、解析機能の実行が完了されなかった旨をユーザに対して通知するための文字情報、例えば「処理途中結果です」等を表示する。このとき、表示部17は、不足した必要データの情報、例えば「不足したデータは○○です」等を表示してもよい。また、表示部17は、解析機能入力画面を表示する。また、表示部17は、解読部14から送信された解読不可信号に基づいて、再現データを解読できない旨をユーザに対して通知するための文字情報、例えば「解読できませんでした」等を表示する。
【0074】
以上に述べた本実施形態に係る医用画像処理装置1によれば、以下の効果を得ることができる。本医用画像処理装置1は、本医用画像処理装置1が備える特定アプリケーションが、他の解析アプリケーション各々で発生された再現データを読解するための辞書データを保持する。特定アプリケーションには複数種類の解析機能が含まれる。また、本医用画像処理装置1は、他の解析アプリケーションで定義されている座標系、単位、評価指標値等の数値情報を、特定アプリケーション用に変換するための変換データを保持する。本医用画像処理装置1は、辞書データ及び変換データを保持することにより、他の解析アプリケーションにより発生された再現データを解読し、複数種類の解析機能の実行に必要なデータを、解読した再現データから取得することができる。これにより、本医用画像処理装置1は、他の解析アプリケーションのアルゴリズムを保持することなく、他の解析アプリケーションの出力結果を利用できる。また、本医用画像処理装置1は、複数種類の解析機能の実行に必要なデータの取得過程において、まず、解読データから必要データを取得し、解読データから取得できなかった必要データを初期入力データから取得する。つまり、他の解析アプリケーションにより発生された出力結果(再現データ及び初期入力データ)を有効に利用できるため、計算資源を節約することができる。
【0075】
また、本医用画像処理装置1は、辞書データ及び変換データを保持することにより、再現機能及び重畳画像発生機能を実行できる。本医用画像処理装置1は、再現機能により、互いに関連性がなく、表示レイアウト、操作性、座標、指標値等の定義が異なる複数の医用画像にそれぞれ対応する複数の再現画像を発生することができる。複数の再現画像は、互いに同じ定義に従って表わされる。これにより、読影医による読影効率が向上する。また、本医用画像処理装置1は、重畳画像発生機能により、複数の解析アプリケーションにそれぞれ対応する複数の出力データ(初期入力データ及び再現データ)を利用して、当該複数の解析アプリケーション各々において発生できない、臨床上有用な重畳画像を得ることができる。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や趣旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものある。