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特許6407685ナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びナビゲーションプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407685
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びナビゲーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20181004BHJP
   G01C 22/00 20060101ALI20181004BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20181004BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20181004BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   G01C21/26 P
   G01C22/00 W
   G08G1/005
   G09B29/10 A
   G09B29/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-243149(P2014-243149)
(22)【出願日】2014年12月1日
(65)【公開番号】特開2016-105056(P2016-105056A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2017年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(72)【発明者】
【氏名】西岡 伸朗
【審査官】 笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−279266(JP,A)
【文献】 特開平10−260055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G01C 22/00
G08G 1/005
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行者に対して屋外の経路案内を行うための屋外ネットワークデータを記憶する第1の記憶手段と、
歩行者に対して屋内の経路案内を行うための屋内ネットワークデータを記憶する第2の記憶手段と、
人工衛星からの送信信号を受信して処理することにより、自機の現在位置を測位する第1の測位手段と、
キャリブレーションが必要なセンサ手段からの検出出力に基づいて、自機の現在位置を測位する第2の測位手段と、
キャリブレーションが不要な振動センサ手段からの検出出力に基づいて、自機の移動距離を測位する第3の測位手段と、
探索された経路における屋外経路を、前記第1の記憶手段の前記屋外ネットワークデータと前記第1の測位手段の測位結果とを用いて案内する第1の経路案内処理手段と、
探索された経路における屋内経路を、前記第2の記憶手段の前記屋内ネットワークデータと、前記第2、第3の測位手段のいずれか一方の測位結果とを用いて案内する第2の経路案内処理手段と、
前記第1の経路案内処理手段により前記屋外経路を案内中に、前記第1の測位手段の測位結果が示す位置から前記屋内ネットワークデータが示す前記屋内経路の開始点までの距離が所定距離以下になったか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段で前記第1の測位手段の測位結果が示す位置から前記屋内経路の開始点までの距離が所定距離以下になったと判別された場合に、前記第2の測位手段の動作を開始させる第1の制御手段と、
前記第1の制御手段により、前記第2の測位手段を動作させた後に、前記第1の測位手段により測位結果が得られなくなったか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段において、前記第1の測位手段により測位結果が得られなくなったと判別された場合に、前記第1の制御手段の制御により測位処理が開始された前記第2の測位手段のキャリブレーションが終了しているか否かを判別する第3の判別手段と、
前記第3の判別手段でキャリブレーションが終了していると判別された時には、前記第2の測位手段からの測位結果を用いて前記第2の経路案内処理手段による経路案内を行うように制御し、キャリブレーションが終了していないと判別されたときには、前記第3の測位手段の測位結果を用いて前記第2の経路案内手段による経路案内を行うように制御する第2の制御手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
歩行者に対して屋外の経路案内を行うために表示手段に表示する屋外用地図の地図データを記憶する第1の地図データ記憶手段と、
歩行者に対して屋内の経路案内を行うために表示手段に表示する屋内用地図の地図データを記憶する第2の地図データ記憶手段と
を備え、
前記第1の経路案内処理手段は、前記第1の地図データ記憶手段の地図データを用いて、表示手段に表示する前記屋外用地図上に現在位置を示して経路案内を行うものであり、
前記第2の経路案内処理手段は、前記第2の地図データ記憶手段の地図データを用いて、表示手段に表示する前記屋内用地図上に現在位置を示して経路案内を行うものであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれかに記載のナビゲーション装置であって、
前記第2の経路案内処理手段により前記屋内経路を案内中に、前記第2の測位手段の測位結果が示す位置が、前記屋外ネットワークデータ上の位置に到達したか否かを判別する第4の判別手段と、
前記第4の判別手段で、前記第2の測位手段の測位結果が示す位置が、前記屋外ネットワークデータ上の位置に到達したと判別された場合に、前記第1の測位手段により測位結果が得られているか否かを判別する第5の判別手段と、
前記第5の判別手段において、前記第1の測位手段により測位結果が得られていると判別された場合に、前記第1の測位手段からの測位結果を用いて前記第1の経路案内処理手段による経路案内を行うように制御する第4の制御手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
歩行者に対して屋外の経路案内を行うための屋外ネットワークデータを記憶する第1の記憶手段と、歩行者に対して屋内の経路案内を行うための屋内ネットワークデータを記憶する第2の記憶手段と、人工衛星からの送信信号を受信して処理することにより、自機の現在位置を測位する第1の測位手段と、キャリブレーションが必要なセンサ手段からの検出出力に基づいて、自機の現在位置を測位する第2の測位手段と、キャリブレーションが不要な振動センサ手段からの検出出力に基づいて、自機の移動距離を測位する第3の測位手段と、探索された経路における屋外経路を、前記第1の記憶手段の前記屋外ネットワークデータと前記第1の測位手段の測位結果とを用いて案内する第1の経路案内処理手段と、探索された経路における屋内経路を、前記第2の記憶手段の前記屋内ネットワークデータと、前記第2、第3の測位手段のいずれか一方の測位結果とを用いて案内する第2の経路案内処理手段と、を備えたナビゲーション装置において行われるナビゲーション方法であって、
前記第1の経路案内処理手段を用いて前記屋外経路を案内中に、第1の判別手段が、前記第1の測位手段の測位結果が示す位置から前記屋内ネットワークデータが示す前記屋内経路の開始点までの距離が所定距離以下になったか否かを判別する第1の判別工程と、
前記第1の判別工程において、前記第1の測位手段の測位結果が示す位置から前記屋内経路の開始点までの距離が所定距離以下になったと判別した場合に、第1の制御手段が、前記第2の測位手段の動作を開始させる第1の制御工程と、
前記第1の制御工程において、前記第2の測位手段を動作させた後に、第2の判別手段が、前記第1の測位手段により測位結果が得られなくなったか否かを判別する第2の判別工程と、
前記第2の判別工程において、前記第1の測位手段により測位結果が得られなくなったと判別した場合に、第3の判別手段が、前記第1の制御手段の制御により測位処理が開始された前記第2の測位手段のキャリブレーションが終了しているか否かを判別する第3の判別工程と、
前記第3の判別工程において、キャリブレーションが終了していると判別した時には、第2の制御手段が、前記第2の測位手段からの測位結果を用いて前記第2の経路案内処理手段による経路案内を行うように制御し、キャリブレーションが終了していないと判別したには、前記第3の測位手段の測位結果を用いて前記第2の経路案内手段による経路案内を行うように制御する第2の制御工程と
を有することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項5】
歩行者に対して屋外の経路案内を行うための屋外ネットワークデータを記憶する第1の記憶手段と、歩行者に対して屋内の経路案内を行うための屋内ネットワークデータを記憶する第2の記憶手段と、人工衛星からの送信信号を受信して処理することにより、自機の現在位置を測位する第1の測位手段と、キャリブレーションが必要なセンサ手段からの検出出力に基づいて、自機の現在位置を測位する第2の測位手段と、キャリブレーションが不要な振動センサ手段からの検出出力に基づいて、自機の移動距離を測位する第3の測位手段と、探索された経路における屋外経路を、前記第1の記憶手段の前記屋外ネットワークデータと前記第1の測位手段の測位結果とを用いて案内する第1の経路案内処理手段と、探索された経路における屋内経路を、前記第2の記憶手段の前記屋内ネットワークデータと、前記第2、第3の測位手段のいずれか一方の測位結果とを用いて案内する第2の経路案内処理手段と、を備えたナビゲーション装置に搭載されたコンピュータの制御部により実行されるプログラムであって、
前記第1の経路案内処理手段を用いて前記屋外経路を案内中に、第1の判別手段が、前記第1の測位手段の測位結果が示す位置から前記屋内ネットワークデータが示す前記屋内経路の開始点までの距離が所定距離以下になったか否かを判別する第1の判別ステップと、
前記第1の判別ステップにおいて、前記第1の測位手段の測位結果が示す位置から前記屋内経路の開始点までの距離が所定距離以下になったと判別した場合に、第1の制御手段が、前記第2の測位手段の動作を開始させる第1の制御ステップと、
前記第1の制御ステップにおいて、前記第2の測位手段を動作させた後に、第2の判別手段が、前記第1の測位手段により測位結果が得られなくなったか否かを判別する第2の判別ステップと、
前記第2の判別ステップにおいて、前記第1の測位手段により測位結果が得られなくなったと判別した場合に、第3の判別手段が、前記第1の制御手段の制御により測位処理が開始された前記第2の測位手段のキャリブレーションが終了しているか否かを判別する第3の判別ステップと、
前記第3の判別ステップにおいて、キャリブレーションが終了していると判別した時には、第2の制御手段が、前記第2の測位手段からの測位結果を用いて前記第2の経路案内処理手段による経路案内を行うように制御し、キャリブレーションが終了していないと判別したには、前記第3の測位手段の測位結果を用いて前記第2の経路案内手段による経路案内を行うように制御する第2の制御ステップと
を実行することを特徴とするナビゲーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、高機能携帯電話端末などの携帯用端末装置により実現される歩行者用のナビゲーション装置(経路案内装置)、当該ナビゲーション装置で用いられる方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどと呼ばれる高機能携帯電話端末やタブレットPC(Personal Computer)などと呼ばれる携帯型パーソナルコンピュータなど、種々の携帯用端末装置(携帯用情報処理装置)が広く利用されるようになってきている。これらの携帯用端末装置は、比較的に大きな表示画面の表示装置を備えると共に、GPS(Global Positioning System)機能を備えている。このため、これらの携帯用端末装置においては、表示装置に地図と目的地までのルート(経路)と自機の現在位置とを表示して経路案内を行うナビゲーション機能が利用できるようになってきている。
【0003】
また、これらの携帯用端末装置では、人工衛星からの信号が受信できないためにGPS機能が利用できない屋内などを通行する場合には、いわゆる自立航法機能が用いられてナビゲーション機能を実現することも行われている。自立航法機能は、簡単には、携帯用端末装置に搭載された角速度センサ、加速度センサ、方位センサといった種々のセンサからのセンサ出力を利用して、移動方向を特定し、移動速度と移動時間とから移動距離を求め、これらの情報を用いて経路案内を行う機能である。
【0004】
上述の角速度センサや加速度センサは、相対的な変位を計測できるだけであるので、センサ出力のみによって携帯用端末装置の正確な現在位置を特定することは難しい。このため、後に記す特許文献1、2などには、GPS機能などによって取得された位置情報に基づいて、自立航法用のセンサのセンサ出力に基づいて特定される現在位置を補正して正確な現在位置を特定できるようにする発明が開示されている。
【0005】
これにより、自立航法機能を用いても正確に現在位置が特定でき、屋内における経路案内も適切に行うことができる。すなわち、GPS機能と自立航法機能とを併用することによって、屋外だけでなく、屋内のナビゲーションも行えるので、使い勝手のよい歩行者用ナビゲーション装置が実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−122819号公報
【特許文献2】特開2014−013202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、角速度センサや加速度センサなどについては、起動時においていわゆるキャリブレーション(校正処理)を実行し、センサ出力が適切な値となるように校正(調整)した後でなければ、自立航法機能によるナビゲーションを正確に行えない。例えば、角速度センサの場合、周囲の温度や経時変化により0点のオフセットが発生してしまう。0点のオフセットとは、角速度センサを搭載した機器が静止状態では、当該角速度センサからは検出値として値「0」が出力されなければならないのに、静止状態にあるにもかかわらずオフセット(ずれ量)が生じ検出値が値「0」にならないことである。また、加速度センサについても機器に搭載された場合に何等かの原因によって検出値にオフセットが生じてしまう場合がある。
【0008】
そこで、角速度センサや加速度センサについては、起動時においてキャリブレーションを行い、検出値が適切な値となった後に自立航法機能を用いるようにする必要があるのである。一般に、角速度センサや加速度センサについてのキャリブレーションは、静止状態で行うことが望ましい。短時間かつ正確にキャリブレーションを行うことができるためである。しかし、携帯端末装置に搭載された角速度センサや加速度センサについてキャリブレーションを行う場合を考えてみると、携帯端末装置を静止状態に置くことはなかなかできない。
【0009】
携帯端末装置は、使用者(ユーザ)によって持ち運ばれて利用されるものである。そして、携帯端末装置でナビゲーション機能の実行時に、屋外が屋内に入ったからといって、いちいち立ち止まり、テーブルなどの水平面上に携帯端末装置をおいて、センサのキャリブレーションが終了するのを待つといったことは到底行えない。このようなことをしなければならないのでは、シームレスなナビゲーションが行えず、ナビゲーション装置として利用に絶えない。
【0010】
このため、ナビゲーション機能の利用時には、GPS機能と自立航法機能との両方を常時起動させておき、屋外ルートと屋内ルートとで切り替えることも考えられる。しかし、GPS機能により現在位置が適切に測位できている場合にまで、使用しない自立航法機能を動作させておくのは、携帯端末装置のバッテリの消費を早めることになり得策とは言えない。
【0011】
以上のことに鑑み、この発明は、自立航法機能を正常に機能させるために行われる自立航法にかかわるセンサのキャリブレーションを考慮して、且つ、無駄に消費電力を増やすことなく、GPS機能により現在位置が測位できる屋外ルートからGPS機能により現在位置が測位できない屋内ルートに入った場合にも、ナビゲーション(経路案内)を中断させることなく、適切にナビゲーションを継続させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のナビゲーション装置は、
歩行者に対して屋外の経路案内を行うための屋外ネットワークデータを記憶する第1の記憶手段と、
歩行者に対して屋内の経路案内を行うための屋内ネットワークデータを記憶する第2の記憶手段と、
人工衛星からの送信信号を受信して処理することにより、自機の現在位置を測位する第1の測位手段と、
キャリブレーションが必要なセンサ手段からの検出出力に基づいて、自機の現在位置を測位する第2の測位手段と、
キャリブレーションが不要な振動センサ手段からの検出出力に基づいて、自機の移動距離を測位する第3の測位手段と、
探索された経路における屋外経路を、前記第1の記憶手段の前記屋外ネットワークデータと前記第1の測位手段の測位結果とを用いて案内する第1の経路案内処理手段と、
探索された経路における屋内経路を、前記第2の記憶手段の前記屋内ネットワークデータと、前記第2、第3の測位手段のいずれか一方の測位結果とを用いて案内する第2の経路案内処理手段と、
前記第1の経路案内処理手段により前記屋外経路を案内中に、前記第1の測位手段の測位結果が示す位置から前記屋内ネットワークデータが示す前記屋内経路の開始点までの距離が所定距離以下になったか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段で前記第1の測位手段の測位結果が示す位置から前記屋内経路の開始点までの距離が所定距離以下になったと判別された場合に、前記第2の測位手段の動作を開始させる第1の制御手段と、
前記第1の制御手段により、前記第2の測位手段を動作させた後に、前記第1の測位手段により測位結果が得られなくなったか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段において、前記第1の測位手段により測位結果が得られなくなったと判別された場合に、前記第1の制御手段の制御により測位処理が開始された前記第2の測位手段のキャリブレーションが終了しているか否かを判別する第3の判別手段と、
前記第3の判別手段でキャリブレーションが終了していると判別された時には、前記第2の測位手段からの測位結果を用いて前記第2の経路案内処理手段による経路案内を行うように制御し、キャリブレーションが終了していないと判別されたときには、前記第3の測位手段の測位結果を用いて前記第2の経路案内手段による経路案内を行うように制御する第2の制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0013】
この請求項1に記載の発明のナビゲーション装置によれば、第1の経路案内処理手段により屋外経路案内中に、第1の判別手段が、第1の測位手段の測位結果が示す位置(現在位置)から屋内経路の開始点までの距離が所定距離以下になったと判別したとする。この場合、第1の制御手段が、第2の測位手段が動作を開始させるように制御する。第2の測位手段は、測位処理に先だってキャリブレーションが必要なセンサ手段からの検出出力に基づいて、自機の現在位置を測位するものであり、これにより当該センサ手段のキャリブレーションが開始され、終了後に自立航法機能が正常に機能するようにされる。
【0014】
この後、第2の判別手段により、第1の測位手段により測位結果が得られなくなったと判別したとする。第1の測位手段は、人工衛星からの送信信号を受信して処理することにより、現在位置を測位するものであるため、人工衛星からの送信信号が受信できない屋内に入ったことが分かる。この場合、第3の判別手段が、第2の測位手段でのキャリブレーションが終了しているか否かを判別する。
【0015】
第3の判別手段によりキャリブレーションが終了していると判別されたときには、第2の制御手段が、第2の測位手段からの測位結果を用いて第2の経路案内処理手段により屋内の経路案内を開始するように制御する。また、第3の判別手段によりキャリブレーションが終了していないと判別されたときには、第2の制御手段が、第3の測位手段からの測位結果を用いて第2の経路案内手段により屋内の経路案内を開始するように制御する。
【0016】
これにより、屋外経路を案内する場合には、第1の測位手段の測位結果を用いて第1の経路案内処理手段が機能するモードで案内処理が行える。また、屋内経路を案内する場合であって、第2の測位手段のキャリブレーションが終了している場合には、第2の測位手段の測位結果を用いて第2の経路案内処理手段が機能するモードで案内処理が行える。また、屋内経路を案内する場合であって、第2の測位手段のキャリブレーションが終了していない場合には、第3の測位手段の測位結果を用いて第2の経路案内処理手段が機能するモードで案内処理が行える。
【0017】
すなわち、屋外/屋内の別、第2の測位手段のキャリブレーションの完了/未完了の別に左右されることなく、その場合に応じて選択される第1〜第3の測位手段と、第1、第2の経路案内処理手段とを用いて、シームレスにかつ適切にナビゲーション(経路案内)を行うことができる。また、第2の測位手段は、第1の測位手段の測位結果が示す位置(現在位置)から屋内経路の開始点までの距離が所定距離以下になった場合に動作するようにされる。このように、第2の測位手段を常時動作させることはないので、消費電力を無駄に増やすこともないようにすることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、自立航法機能を正常に機能させるために行われる自立航法にかかわるセンサのキャリブレーションを考慮して、且つ、無駄に消費電力を増やすことなく、GPS機能により現在位置が測位できる屋外ルートからGPS機能により現在位置が測位できない屋内ルートに入った場合にも、ナビゲーション(経路案内)を中断させることなく、適切にナビゲーションを継続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態のナビゲーション装置1の構成例を説明するための図である。
図2】主に屋外ネットワークについて説明するための図である。
図3】主に屋内ネットワークについて説明するための図である。
図4】案内モード制御部173による制御の具体例を説明するための図である。
図5】実施の形態のナビゲーション装置1において実行されるナビゲーション処理についてのメインルーチンを説明するためのフローチャートである。
図6図5に示したメインルーチンのステップS14で実行される屋外スタート処理の詳細について説明するためのフローチャートである。
図7図6に続くフローチャートである。
図8図5に示したメインルーチンのステップS15で実行される屋内スタート処理の詳細について説明するためのフローチャートである。
図9図8に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図を参照しながら、この発明の装置、方法、プログラムの実施の形態について説明する。この発明によるナビゲーション装置は、スマートフォンなどと呼ばれる高機能携帯電話端末やタブレットPCなどと呼ばれる携帯型パーソナルコンピュータなどの種々の携帯用端末装置により実現可能である。また、この発明によるナビゲーション装置は、ナビゲーション機能だけを有する携帯用のナビゲーション専用装置として実現することもできる。以下においては、説明を簡単にするため、この発明によるナビゲーション装置をスマートフォンなどと呼ばれる高機能携帯電話端末により実現する場合を例にして説明する。
【0021】
[ナビゲーション装置1の構成例]
図1は、この実施形態のナビゲーション装置1の構成例を説明するための図である。この実施形態のナビゲーション装置は、この発明によるナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラムの一実施の形態が適用されたものであり、歩行者用のナビゲーション機能を提供するものである。
【0022】
[高機能携帯電話端末の基本機能を実現する部分の構成]
図1に示したナビゲーション装置1において、送受信アンテナ101及び無線通信部102は、通信機能を実現する。なお、無線通信部102は図示しないが通話処理部を備え、受話器103及び送話器104を通じて通話回線を接続した相手先との間で音声通話を行うこともできるようになっている。
【0023】
タッチパネル107は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置105とタッチセンサ106とからなり、情報表示手段としての機能と、情報入力手段としての機能を実現する。なお、ナビゲーション機能の実行時には、表示装置には案内用の地図が表示され、当該地図上にルート探索の結果得られたルートと、自機の現在位置とが表示されて経路案内(ナビゲーション)が行われる。
【0024】
音声処理部108及びスピーカ109は、後述する制御部110の制御に応じて、アラーム音や音声メッセージなどを放音する機能を実現する。例えば、ナビゲーション機能の実行時には、音声処理部108及びスピーカ109を通じて、経路案内用の音声メッセージが放音される。制御部110は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えたマイクロプロセッサであり、ナビゲーション装置1の各部を制御する。
【0025】
[記憶装置120部分の構成]
記憶装置120は、大容量の不揮発性メモリを備え、制御部110の制御の下、当該不揮発性メモリへのデータの書き込み/読み出しを行う。なお、記憶装置120の不揮発性メモリには、種々の情報の格納領域が設けられるが、この実施形態において重要なものとしては、図1に示した幾つかのものがある。図1において、プログラム等の格納領域121には、制御部110などで実行されるプログラムや処理に用いられる種々のデータなどが格納されている。ルート探索データファイル122には、詳しくは後述するがルート探索の結果得られたルート探索データなどが格納される。
【0026】
屋外地図DB123Aには、歩行者用ナビゲーション処理に用いられる屋外地図を表示するための地図データが格納され、屋内地図DB123Bには、歩行者用ナビゲーション処理に用いられる屋内地図を表示するための地図データが格納される。なお、この明細書において、屋外地図DB123Aなどの「DB」との文言は、「データベース(Data Base)」の略称として用いている。また、屋外ネットワークDB124Aには、歩行者用ナビゲーション処理に用いられる屋外ネットワークデータが、屋内地図DB123Bは、歩行者用ナビゲーション処理に用いられる屋内ネットワークデータが格納される。
【0027】
なお、屋内外の地図データや屋内外のネットワークデータは、ナビゲーションを行う範囲のものをナビゲーション装置1に事前に用意しておくことも可能である。しかし、ナビゲーション装置1は、例えば、日本国内で利用されることは分かっていても、いつどこで利用されるかはわからない。このため、日本全国の屋内外の地図データや屋内外のネットワークデータをナビゲーション装置1に用意しておくことは現実的ではない。
【0028】
そこで、この実施形態のナビゲーション装置1は、所定の地図提供サーバにアクセスし、出発地から目的地までのルート探索要求を送信することにより、詳しくは後述するノードとリンクとで表現された出発地から目的地までのルート探索データを得て、記憶装置120のルート探索データファイル122に格納する。また、当該ルート探索データに対応するエリアの屋外地図データと屋内地図データとを当該地図提供サーバから得て、屋外地図データは屋外地図DB123Aに格納し、屋内地図データは屋内地図DB123Bに格納する。
【0029】
なお、屋外地図DB123Aに格納される屋外地図データは、山、川、街、行政界、道路、鉄道路線、学校、警察署、消防署、神社仏閣などの種々のランドマークなどの位置、幅、大きさなどが正確に表されたものである。この屋外地図データは、屋外の歩行者用ナビゲーションに利用可能なものである。また、屋内地図DB123Bに格納される屋内地図データは、例えば、地下街、駅構内、空港内、大規模ショッピングモール内などの種々の屋内において、店舗、種々の施設、通路、出入口などの位置、幅、大きさなどが正確に表されたものである。この屋内地図データは、屋内の歩行者用ナビゲーションに利用可能なものである。
【0030】
また、屋内外の地図データの場合と同様に、当該ルート探索データに対応するエリアの屋外ネットワークデータと屋内ネットワークデータについても、当該地図提供サーバから提供を受ける。そして、屋外ネットワークデータは屋外ネットワークDB124Aに、屋内ネットワークデータは屋内ネットワークDB124Bに格納される。このように、地図提供サーバを利用することにより、歩行者用ナビゲーション処理に必要になる部分の最新の地図データや最新のネットワークデータをその都度得て、これらを利用できるようになっている。
【0031】
ここで、屋外ネットワークデータと屋内ネットワークデータの一例について説明する。図2図3は、屋外ネットワークと屋内ネットワークについて説明するための図である。図2(A)は歩行者用ナビゲーション処理において用いられる屋外ネットワークと屋内ネットワークの一例を示している。屋外ネットワークと屋内ネットワークとは、ノードデータとリンクデータとからなる。
【0032】
屋外ネットワークデータについてのノードデータは、ランドマーク、建物、施設、交差点、分岐点、屈曲点などの地点を表す。また、リンクデータは、ノードデータを結ぶ線分によって、歩道、横断歩道、歩道橋などの歩行者が通行可能なルート(歩行者が通行可能な部分)を示す。また、屋内ネットワークデータについてのノードデータは、屋内への出入り口、屋内に設けられた施設への出入り口、通路分岐点、階段の起点などの地点を表す。リンクデータは、ノードデータを結ぶ線分によって、屋内通路、階段などの歩行者が通行可能なルート(歩行者が通行可能な部分)を示す。
【0033】
図2(A)に示した例の場合には、ノードN1〜N4とリンクL1〜K3で示された部分が屋外ネットワーク部分であり、ノードN4〜N6とリンクL4、L5で示された部分が屋内ネットワーク部分である。
【0034】
図2(B)は、図5(A)に示した屋外ネットワークのリンクデータの詳細を示している。L1〜L3の各リンクデータには、そのリンクを構成するノードデータの番号と、リンクコストと、リンク種別が対応付けられている。リンクコストは、そのリンクが表す歩道等を通行する際にユーザにかかる負荷を表している。この実施の形態においてリンクコストは、そのリンクが表す歩道等の長さに応じて設定されている。
【0035】
なお、リンクコストは、そのリンクが表す歩道等を通行するのに要する時間やその他の要因に応じて設定されていてもよい。そして、リンクコストは、いわゆるダイクストラ法により、リンクコストが最小となる経路を探索する場合に参照される。リンク種別は、当該リンク部分が、歩道、横断歩道、歩道橋などのどれであるかを示すものである。図2(B)に示した例の場合、リンクL1、L3が歩道であり、リンクL2が横断歩道であることが示されている。
【0036】
図2(C)は、図2(A)に示した屋外ネットワークのノードデータの詳細な構成を示している。各ノードデータには、そのノードの位置を示す緯度、経度と、ノード種別とが対応付けられている。ノード種別は、当該ノード部分が、ランドマーク、建物、施設、交差点、分岐点、屈曲点などのどれであるかを示すものである。図2(C)に示した例の場合、ノードN1は交差点、ノードN2、N3は横断歩道の起点、ノードN4は、地下街への出入り口であり、屋外ネットワークから屋内ネットワークへの切り替えポイントであることが示されている。
【0037】
また、図3(A)は、図2(A)に示した屋内ネットワークのリンクデータの詳細を示している。L4、L5の各リンクデータには、そのリンクを構成するノードデータの番号と、リンクコストと、リンク種別が対応付けられている。リンクコストの意味は、図2(B)を用いて説明した屋外ネットワークのリンクデータと同じである。リンク種別は、当該リンク部分が、屋内通路、階段などのどれであるかを示すものである。図3(A)に示した例の場合、リンクL4は、地上から地下街への階段であり、リンクL5は、地下街通路であることが示されている。
【0038】
図3(B)は、図2(A)に示した屋内ネットワークのノードデータの詳細な構成を示している。各ノードデータには、そのノードの位置を示す緯度、経度と、ノード種別とが対応付けられている点は、図2(C)に示した屋外ネットワークのノードデータと同じである。そして、ノード種別は、当該ノード部分が、屋内への出入り口、屋内に設けられた施設への出入り口、通路分岐点、階段の起点などのどれであるかを示すものである。そして、図3(B)に示した例の場合、ノードN4は、地下街への出入り口であり、屋外ネットワークから屋内ネットワークへの切り替えポイントであることが示されている。また、ノードN5は、地下街出入口の起点であることが示されている。また、ノードN6は、地下街の通路の分岐点であることが示されている。
【0039】
そして、図1に示した屋外ネットワークDB124Aには、図2(B)、(C)を用いて説明した態様のナビゲーションの対象エリアのリンクデータとノードデータとからなる屋外ネットワークデータが格納される。また、図1に示した屋内ネットワークDB124Bには、図3(A)、(B)を用いて説明した態様のナビゲーションの対象エリアのリンクデータとノードデータとからなる屋内ネットワークデータが格納される。また、図1に示したルート探索データファイルには、上述もしたように、地図提供サーバにおけるルート探索の結果得られ、当該地図提供サーバから提供された、ノードとリンクにより表現されたルート探索データなどが格納される。
【0040】
そして、ルート探索データファイルのルート探索データと、屋外地図DB123Aの屋外地図データと、屋外ネットワークDB124Aの屋外ネットワークデータとが用いられて、歩行者用の屋外ルートのナビゲーションが行われる。同様に、ルート探索データファイルのルート探索データと、屋内地図DB123Bの屋内地図データと、屋内ネットワークDB124Bの屋内ネットワークデータとが用いられて、歩行者用の屋内ルートのナビゲーションが行われる。
【0041】
[キー操作部及びセンサ関連部分の構成]
そして、図1において、キー操作部130は、電源のオン/オフキーや幾つかのファンクションキーなどのハードウェアキーからなる部分である。自立航法センサ部140は、自立航法機能を実現するための、例えば、方位センサ、3軸角速度センサ、3軸加速度センサなどからなる部分である。この自立航法センサ部140が備えるセンサのうち、少なくとも3軸角速度センサ、3軸加速度センサは、いわゆるキャリブレーションを行わないと正常なセンサ出力を得ることができないものである。
【0042】
振動センサ部150は、ナビゲーション装置1を所持する使用者が歩いたり走ったりしている場合に、何歩歩いたり走ったりしたかを検知するための振動を検出するものである。振動センサ部150からは、使用者の移動に伴う振動のピッチや強さ(強弱)を示す値が出力される。これに基づき、ナビゲーション装置1の使用者は、歩いているのか、走っているのか、自動車、バイク、自転車などで移動しているのかなどの移動手段を特定し、その特定した移動手段に応じた使用者の移動量(移動距離)を求めることができる。なお、振動センサ部150は、キャリブレーションを行わなくても正常なセンサ出力を得ることができるものである。
【0043】
GPS部160及びGPSアンテナ160Aは、複数の人工衛星からの送信信号(測位情報)を受信して解析することにより、自機の現在位置を正確に検出(測位)する機能を実現する部分である。
【0044】
[ナビゲーション機能を実現する部分の構成]
そして、ルート探索処理部171、経路案内処理部172、案内モード制御部173が、この実施形態のナビゲーション装置1において、ナビゲーション機能を実現するための主要部である。また、ルート探索処理部171、経路案内処理部172、案内モード制御部173によって、例えば、出発地から目的地までのルート上に屋外部分と屋内部分とがある場合に、屋外から屋内に入っても、シームレスにナビゲーション処理を継続し、しかも適切にナビゲーションを行うことができるようにしている。
【0045】
ルート探索処理部171は、インターネット上に設けられた所定の地図提供サーバと協働し、ルート探索機能を実現する。具体的に、ルート探索処理部171は、ナビゲーション機能が実行された場合に、出発地、経由地、目的地等のルート探索に必要な情報を受け付けるための画面表示を表示装置105に表示する。そして、タッチパネル107を通じて、出発地、経由地、目的地等の必要情報を受け付け、これらの情報を含むルート探索要求を形成し、これを無線通信部102及び送受信アンテナ101を通じて、目的とする所定の地図提供サーバに送信する。
【0046】
ここで、地図提供サーバは、インターネット上に設けられたものである。当該地図提供サーバは、日本全国の歩行者用の、屋外地図データ、屋内地図データ、屋外ネットワークデータ、屋内ネットワークデータ、住所から緯度、経度を検索できる住所DB、電話番号から緯度、経度を検索できる電話番号DBなどを備えたものである。すなわち、当該地図提供サーバは、屋外ルートだけでなく、地下街、駅構内、空港内、大規模ショッピングモール内などの屋内ルートを含むルートの探索ができるものである。そして、当該地図提供サーバは、ナビゲーション装置からの要求に応じて、ルート探索を行ってその結果を返信することができるものである。また、当該地図提供サーバは、ルート探索の結果得られたルートについてナビゲーションを行うための地図データやネットワークデータをルート探索の要求元のナビゲーション装置に提供できるものである。
【0047】
そして、ルート探索処理部171は、当該ルート探索要求に応じて、当該地図提供サーバから送信されて来るルート探索データや当該ルートを含むエリアの地図データを送受信アンテナ101及び無線通信部102を通じて受信する。この後、ルート探索処理部171は、受信したルート探索データや地図データを記憶装置120のルート探索データファイル122に格納し、これを用いてルート探索結果を表示装置105に表示して使用者に提供する。
【0048】
使用者は、当該表示を確認し、探索されたルートを変更したい場合には、再度のルート探索を行う操作を、タッチパネル107を通じて行う。この場合には、ルート探索処理部171が機能し、再度のルート探索処理が行うようにされる。また、使用者は、当該表示を確認し、探索されたルートを辿る場合には、当該ルートを辿るようにするナビゲーションを開始する操作を、タッチパネル107を通じて行う。
【0049】
この場合、ルート探索処理部171は、ルート探索されたルート部分の屋内外の地図データや屋内外のネットワークデータの提供を当該地図提供サーバに要求する。これに応じて、地図提供サーバは、要求された屋内外の地図データ、屋内外のネットワークデータを送信してくので、ルート探索処理部171は、これを受信して記憶装置120に格納する。すなわち、屋外地図データは屋外地図DB123Aに格納し、屋内地図データは屋内地図DB123Bに格納する。同様に、屋外ネットワークデータは屋外ネットワークDB124Aに格納し、屋内ネットワークデータは屋内ネットワークDB124Bに格納する。
【0050】
この後、ルート探索処理部171は、経路案内処理部172を機能させ、現在位置を含むエリアの地図を表示装置105に表示し、当該地図上にルート探索により得られたルートと、自機の現在位置を表示してナビゲーションを行う。この場合、経路案内処理部172は、自機の現在位置を含むエリアの地図を、屋外地図DB123Aや屋内地図DB123Bの地図データにより表示する。そして、経路案内処理部172は、屋外ネットワークDB124Aや屋内ネットワークDB124Bのネットワークデータに応じたネットワーク上において自機の現在位置を正確に辿るようにして、ナビゲーションを行う。
【0051】
そして、この実施形態のナビゲーション装置1において、経路案内処理部172は、後述する案内モード制御部173の制御により、GPSモードと、自立航法モードと、万歩計(登録商標)モードとの3つのモードを使い分けてナビゲーションを行う。簡単には、探索されたルートの屋外部分をナビゲーション(経路案内)する場合には、GPS部160からの現在位置を用いてナビゲーションを行うGPSモードとなる。また、探索された経路の屋内部分をナビゲーション(経路案内)する場合には、2つのモードを使い分ける。
【0052】
まず、詳しくは後述するが、屋内ルートに入る前に動作を開始させた自立航法センサ部140のキャリブレーションが終了していれば、自立航法センサ部140からのセンサ出力を用いてナビゲーションを行う自立航法モードとなる。しかし、屋内ルートに入る前に動作を開始させた自立航法センサ部140のキャリブレーションが終了していなければ、振動センサ部150からのセンサ出力を用いて、移動距離のみを考慮したナビゲーションを行う万歩計(登録商標)モードとなる。
【0053】
案内モード制御部173は、上述したように、経路案内処理部172でナビゲーション時に用いる動作モードを制御する機能を実現する。図4は、案内モード制御部173による制御の具体例を説明するための図である。図4は、図2(A)に示した屋外ネットワークデータが屋外ネットワークDB124Aに存在し、図2(A)に示した屋内ネットワークデータが屋内ネットワークDB124Bに存在する場合の例である。
【0054】
図4の上端側に示すように、探索されたルートに屋外部分と屋内部分が存在したとする。屋外部分は屋外ネットワークデータによりルートが示される部分であり、屋内部分は屋内ネットワークデータによりルートが示される部分である。案内モード制御部173は、屋外部分については、GPS部160により現在位置が測位できなくなるまで、GPS部160により測位された在位置を用いてナビゲーション(経路案内)を行うように経路案内処理部172を制御する。
【0055】
また、案内モード制御部173は、屋外ルート上にある自機の現在位置が、屋内ルートの開始点N4から例えば100M(メートル)以内に近づいた場合には、自立航法センサ部140を起動させる。しかし、自立航法センサ部140を起動させただけで、まだ、自立航法センサ部140からのセンサ出力を用いてナビゲーションを行う自立航法モードには遷移させない。
【0056】
このように、屋外ルート上にある自機の現在位置が、屋内ルートの開始点N4から例えば100m(メートル)以内に近づいた場合に、自立航法センサ部140を起動させるのは、屋内ルートに入った場合には、自立航法センサ部140の各センサがキャリブレーションを終了させた状態になっており、即座に経路案内処理部172において、自立航法モードでナビゲーションを継続させるようにするためである。
【0057】
しかし、ナビゲーション装置1は使用者により持ち運ばれている状態にあり、振動しており、とても静止状態とは程遠い状態にある。このような場合には、キャリブレーションに時間がかかる場合がある。そこで、上述したように、自立航法センサ部140を起動させた後に、GPS部160からの現在位置が消失したとする(ステップS1)。この場合に、案内モード制御部173は、自立航法センサ部140の動作状態を確認することにより、キャリブレーションが終了しているか否かを判別する(ステップS2)。
【0058】
ステップS2の判別処理において、自立航法センサ部140のキャリブレーションが終了していると判別したとする。この場合には、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を自立航法センサ部140からのセンサ出力に基づいて、ナビゲーションを行う自立航法モードに遷移させ、ナビゲーションを継続させる(ステップS3)。
【0059】
また、ステップS2の判別処理において、自立航法センサ部140のキャリブレーションが終了していないと判別したとする。この場合には、案内モード制御部173は、経路案内処理部172をキャリブレーションの必要のない振動センサ部150からのセンサ出力に基づいて、ナビゲーションを行う万歩計(登録商標)モードに遷移させ、ナビゲーションを継続させる(ステップS4)。この万歩計(登録商標)モードの場合には、移動距離しか把握できないので、探索されたルート上を、検出された移動距離分進むようにしてナビゲーションを行うことになる。
【0060】
そして、図4に示すように、万歩計(登録商標)モードに遷移した後においては、自立航法センサの動作状態を確認し、キャリブレーションが終了したか否かの判別を繰り返し行う。そして、キャリブレーションが終了したと判別した場合に、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を自立航法モードに遷移させ、ナビゲーションを継続させるようにする。
【0061】
なお、ここで用いた「100m」という基準値はあくまでも一例である。ナビゲーション装置1がかなり振動している状態でも自立航法センサ部140におけるキャリブレーションが迅速に完了することが可能な場合には、基準値を「50m」や「30m」とすることも可能である。すなわち、自立航法センサ部140を起動させるポイントを判別するための基準値は、ナビゲーション装置1が振動している場合に、自立航法センサ部140で行われるキャリブレーションにかかる時間に応じて決められる。
【0062】
また、出発地が屋内の場合、案内モード制御部173は、自立航法センサ部140を即時に起動させる。そして、自立航法センサ部140のキャリブレーションが終了するまでは、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を制御し、万歩計(登録商標)モードでナビゲーションを行うようにする。そして、自立航法センサ部140のキャリブレーションが終了したら、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を制御し、迅速に自立航法モードに遷移させ、自立航法モードでナビゲーションを行うようにする。
【0063】
また、案内モード制御部173は、自機の現在地が、屋内ルートから屋外ルートの開始点に到達した場合には、GPS部160により現在位置が測位されるまでは、自立航法モードでナビゲーションを継続する。しかし、GPS部160により現在位置が測位された時には、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を制御し、迅速にGPSモードに遷移させ、GPSモードでナビゲーションを行うようにする。
【0064】
このように、案内モード制御部173は、GPSモードと、自立航法モードと、万歩計(登録商標)モードとの3つのモードを使い分けるようにしている。これにより、ナビゲーション装置1においては、ナビゲーション装置1がどのような状態にあっても、屋外ルートだけでなく、屋内ルートのナビゲーションも適切に行うことができるようにしている。
【0065】
なお、図1には図示しないが、この実施形態のナビゲーション装置1は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供すると共に、カウンタ機能やタイマー機能をも実現する時計回路なども搭載されているものである。
【0066】
[ナビゲーション処理の詳細]
次に、この実施の形態のナビゲーション装置1の主にルート探索処理部171、経路案内処理部172、案内モード制御部173により行われるナビゲーション処理の詳細について、図5図9のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この実施の形態のナビゲーション装置1は、例えば、遠隔にある出発地から目的地までの経路を探索することなどもできる。しかし、以下においては、説明を簡単にするため、現在位置を出発地として目的地までの経路を探索し、探索した経路を辿って現在位置から目的地までをナビゲーション(経路案内)する場合について説明する。
【0067】
[メインルーチン]
図5は、制御部110の制御の下、ルート探索処理部171、経路案内処理部172、案内モード制御部173が機能して行われるナビゲーション処理のメインルーチンにつて説明するためのフローチャートである。図5に示す処理は、表示装置105に表示された機能選択アイコンから徒歩用のナビゲーション機能を実行するための機能選択アイコンを選択することにより実行される。
【0068】
図5に示すメインルーチンが実行されると、制御部110の制御の下、まずルート探索処理部171が機能し、GPD部160を通じて現在位置を取得する処理を実行する(ステップS11)。次に、ルート探索処理部171は、ルート探索処理を実行する(ステップS12)。ステップS12のルート探索処理では、上述もしたように、以下の(1)〜(4)の処理が行われる。
【0069】
まず、ルート探索処理部171は、(1)出発地、経由地、目的などのルート探索に必要な情報の入力と、所定の地図提供サーバへの送信処理を行い、次いで(2)地図提供サーバからのルート探索結果の受信とユーザへの提供処理を行う。なお、探索されたルートに問題がある場合には、(3)上述した(1)、(2)の処理を再実行することができる。すなわち、ルート探索の再実行ができる。そして、探索されたルートのナビゲーションを行う場合には、ルート探索処理部171は、(4)ナビゲーション用地図データやネットワークデータなどの提供を当該地図提供サーバに要求し、当該データを取得して記憶装置120の所定エリアに格納する処理を行う。
【0070】
なお、ルート探索用の現在位置は、ステップS11で取得されたGPS部160からの緯度、経度が自動的に用いられる。しかし、GPS部160により現在位置が測位できない屋内などにおいては、表示装置105に表示されるソフトウェアキーボードを用いて住所や電話番号などを入力することにより現在位置の入力とすることもできる。住所や電話番号が入力された場合には、ルート探索処理部171は、予め設定されている所定のURL(Uniform Resource Locator)を用いて所定の地図提供サーバにアクセスし、入力された住所や電話番号を提供し、当該地図提供サーバが有する住所DBや電話番号DBから現在位置を示す緯度、経度を取得することもできる。同様に、経由地や目的地も住所や地名や電話番号などを入力することにより、地図提供サーバから対応する位置(場所)の緯度、経度を取得することができる。
【0071】
そして、ステップS12のルート探索処理によりナビゲーションの実行準備が完了すると、制御部110の制御の下、ルート探索処理部171は、経路案内を行うように経路案内処理部172に処理を引き継ぐようにする。経路案内処理部172は、まず、GPS部160により適切に現在位置が測位できているか否を判別する(ステップS13)。このステップS13の処理は、ナビゲーション装置1が、GPS部160により適切に現在位置が測位できる屋外にあるのか、GPS部160により適切に現在位置が測位できない屋内にあるのかを判別する処理である。
【0072】
ステップS13の判別処理において、ナビゲーション装置1が屋外にあると判別した時には、経路案内処理部172は屋外スタート処理を実行する(ステップS14)。また、ステップS13の判別処理において、ナビゲーション装置1が屋内にあると判別した時には、経路案内処理部172は屋内スタート処理を実行する(ステップS15)。ステップS14、S15の処理の後においては、この図5に示すメインルーチンを終了することにより、ナビゲーション機能が終了することになる。
【0073】
このように、この実施の形態のナビゲーション装置1においては、所定の地図提供サーバと協働し、当該地図提供サーバにおいて屋外ルートや屋内ルートの一方だけでなく、その両方を考慮したルート探索を行うことができるようになっている。そして、ルート探索の結果得られたルートを案内するための地図データやネットワークデータの提供を、当該地図提供サーバから受けて、ナビゲーションを行うことができるようになっている。
【0074】
[屋外スタート処理]
次に、図5に示したメインルーチンのステップS14で実行される、屋外からナビゲーションをスタートさせる屋外スタート処理の詳細について説明する。図6図7は、図5に示したメインルーチンのステップS14で実行される屋外スタート処理の詳細を説明するためのフローチャートである。この図6図7に示す屋外スタート処理は、制御部110の制御の下、経路案内処理部172と案内モード制御部173とにより行われる。
【0075】
図6図7に示す屋外スタート処理が実行されると、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を制御して、GPSモードで経路案内を開始させる(ステップS101)。この場合、経路案内処理部172は、屋外地図DB123Aの地図データと屋外ネットワークDB124Aの屋外ネットワークデータを利用し、案内するエリアの地図を表示装置105に表示する。
【0076】
そして、経路案内処理部172は、表示装置105に表示された地図上にルート探索データに応じたルートを示すと共に、GPS部160により測位された現在位置をも示してナビゲーションを行う。また、経路案内処理部172は、単に地図上に経路と現在位置を示すだけでなく、経路案内を行う音声メッセージを音声処理部108及びスピーカ109を通じて放音することも行う。
【0077】
そして、案内モード制御部173は、これから案内するルート上に屋内ルートが存在するか否かを判別する(ステップS102)。ステップS102では、屋外ネットワークDB124Aの屋外ネットワークデータと屋内ネットワークDB124Bの屋内ネットワークデータにより形成されるネットワーク上において、ルート探索データによるルートを辿るようにする。そして、これから通るルート上に屋内ルートがあるかどうかを調べることにより、これから案内するルート上に屋内ルートが存在するか否かを判別できる。
【0078】
ステップS102の判別処理において、これから通るルート上に屋内ルートは存在しないと判別したとする。この場合、案内モードを変更する必要はないので、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を案内終了までGPSモードでナビゲーションを行うように制御する(ステップS103)。そして、ナビゲーションが終了すれば、この屋外スタート処理を終了し、図5に示したメインルーチンに戻ってナビゲーション処理を終了することになる。
【0079】
また、ステップS102の判別処理において。これから通るルート上に屋内ルートが存在すると判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、GPS部160により測位された現在位置から屋内ルートの開始点までの距離が100m以内になったか否かを判別する(ステップS104)。図2図3を用いて説明したように、屋外ネットワークDB124Aの屋外ネットワークデータと屋内ネットワークDB124Bの屋内ネットワークデータにより形成されるネットワーク上において、ルート探索データによるルートを辿れば、屋内ネットワークへの切り替えノードに行き当たる。
【0080】
このため、ステップS104において経路案内処理部172は、主に屋外ネットワークDB124Aの屋外ネットワークデータによる屋外ネットワーク上において、現在位置からルート探索データによるルートを辿り、屋内ネットワークへの切り替えノードまでの距離を求める。そして、経路案内処理部172は、その求めた距離が100m以内か否かを判別する。なお、ステップS104においては、現在位置から屋内ネットワークへの切り替えノードまでの直線距離を求めるのではない。正確に屋外ネットワーク上のリンクを辿ることにより、ナビゲーション装置1の使用者が辿ることになるルート上の距離として、現在位置から屋内ネットワークへの切り替えノードまでの距離が求められる。
【0081】
ステップS104の判別処理において、GPS部160により測位された現在位置から屋内ルートの開始点までの距離が100m以内ではないと判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、例えば所定の終了操作が行われるなど、ナビゲーションを終了させる事象が発生したか否かを判別する(ステップS105)。ステップS105の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象が発生したと判別した時には、後述する図7のステップS118の処理に進み、所定の終了処理を行って(ステップS118)、この屋外スタート処理を終了する。この後、図5に示したメインルーチンに戻り、ナビゲーション処理を終了させることになる。
【0082】
また、ステップS105の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象は発生していないと判別した時には、ステップS104からの処理を繰り返すことになる。そして、ステップS104の判別処理において、GPS部160により測位された現在位置から屋内ルートの開始点までの距離が100m以内であると判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、GPSモードでの案内処理を継続させたまま、自立航法センサ部140での測位を開始させる(ステップS106)。これにより、自立航法センサ部140ではキャリブレーションが開始され、キャリブレーション終了後においては、各センサから正確なセンサ出力が出力される。
【0083】
この後、案内モード制御部173は、GPS部160からの現在位置が消失したか否かを判別する(ステップS107)。このステップS107の判別処理は、ナビゲーション装置1が屋内ルートに入ったために人工衛星からの送信信号を受信できずに、GPS部160により現在位置が測位できなくなったか否かを判別する処理である。
【0084】
ステップS107の判別処理において、GPS部160からの現在位置は消失していないと判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、経路案内処理部172によるGPSモードでの案内処理を継続させつつ、ステップS105の判別処理の場合と同様に、ナビゲーションを終了させる事象が発生したか否かを判別する(ステップS108)。ステップS108の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象が発生したと判別した時には、後述する図7のステップS118の処理に進み、所定の終了処理を行って(ステップS118)、この屋外スタート処理を終了する。この後、図5に示したメインルーチンに戻り、ナビゲーション処理を終了させることになる。
【0085】
また、ステップS108の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象は発生していないと判別した時には、ステップS107からの処理を繰り返すことになる。そして、ステップS107の判別処理において、GPS部160からの現在位置が消失したと判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、自立航法センサ部140の動作状態を確認し、キャリブレーションが完了しているか否かを判別する(ステップS109)。
【0086】
ステップS109の判別処理において、キャリブレーションは完了していないと判別したとする。この場合には、GPS部160からの現在位置を用いたナビゲーションも、自立航法センサ部140からのセンサ出力を用いたナビゲーションも行うことができない状態である。このため、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を制御して、振動センサ部150からのセンサ出力を利用してナビゲーションを行う万歩計(登録商標)モードでナビゲーションを継続させる(ステップS110)。
【0087】
この万歩計(登録商標)モードでのナビゲーションは、振動センサ部150からのセンサ出力を利用してナビゲーション装置1を所持する使用者の歩数とピッチに基づいて移動距離を算出する。そして、この算出した移動距離分、ルート探索により得られたルート上において現在位置を移動させるようにしてナビゲーションを行う。そして、ステップS110の処理により、万歩計(登録商標)モードでナビゲーションを継続させた後においては、ステップS109からの処理を繰り返す。
【0088】
そして、ステップS109の判別処理において、キャリブレーションが完了したと判別したとする。この場合には、自立航法センサ部140からのセンサ出力を用いたナビゲーションを適切に行うことができる状態である。このため、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を制御して、自立航法センサ部140からのセンサ出力を用いて現在位置を特定し、これを用いてナビゲーションを行う自立航法モードでナビゲーションを継続させる(ステップS111)。
【0089】
このように、GPS部160からの現在位置が消失後、自立航法センサ部140でのキャリブレーションが完了するまでは、万歩計(登録商標)モードでナビゲーションを継続させる。屋内ルートでは、屋外ルートを移動中の場合のように探索されたルートから外れる可能性は少ない。また、自立航法センサ部140でのキャリブレーションが完了すれば即座に自律航法モードによるナビゲーションに切り替えられる。このような観点から、GPSモードによるナビゲーションと自立航法モードによるナビゲーションとのつなぎ役として、万歩計(登録商標)モードでのナビゲーションが極めて有効なのである。
【0090】
そして、ステップS111の処理により、自立航法モードでナビゲーションを継続させた後においては、図7の処理に進み、案内モード制御部173は、これから案内するルート上に屋外ルートが存在するか否かを判別する(ステップS112)。ステップS112では、屋外ネットワークDB124Aの屋外ネットワークデータと屋内ネットワークDB124Bの屋内ネットワークデータによるネットワーク上において、ルート探索データによるルートを辿り、これから通るルート上に屋外ルートがあるかどうかを調べることにより判別できる。
【0091】
ステップS112の判別処理において、これから通るルート上に屋外ルートは存在しないと判別したとする。この場合、案内モードを変更する必要はないので、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を案内終了まで自立航法モードでナビゲーションを行うように制御する(ステップS113)。そして、ナビゲーションが終了すれば、この屋外スタート処理を終了し、図5に示したメインルーチンにもどってナビゲーション処理を終了することになる。
【0092】
また、ステップS112の判別処理において。これから通るルート上に屋外ルートが存在すると判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、例えば所定の終了操作が行われるなど、ナビゲーションを終了させる事象が発生したか否かを判別する(ステップS114)。ステップS114の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象は発生していないと判別した時には、案内モード制御部173は、屋外ルートに到達したか否かを判別する(ステップS115)。
【0093】
このステップS115の判別処理では、屋内ネットワークDB124Bの屋内ネットワークデータと屋外ネットワークDB124Aの屋外ネットワークデータとによるネットワーク上において、現在位置が屋外ネットワークへの切り替えノードを通過して、屋外ネットワーク上に到達したか否かを判別する。ステップS115の判別処理において、屋外ルートに到達していないと判別した時には、案内モード制御部173は、ステップS114からの処理を繰り返す。
【0094】
また、ステップS115の判別処理において、屋外ルートに到達したと判別した時には、案内モード制御部173は、GPS部160からの出力を確認し、GPS部160において適切に現在位置が測位できるようになっているか否かを判別する(ステップS116)。ステップS116の判別処理において、GPS部160において適切に現在位置が測位できるようになっていないと判別した時には、案内モード制御部173は、ステップS114からの処理を繰り返す。
【0095】
また、ステップS116の判別処理において、GPS部160において適切に現在位置が測位できるようになっていると判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を制御して、自立航法モードからGPSモードに遷移させ、GPSモードで経路案内を継続させると共に、自立航法センサ部140の動作を停止させる(ステップS117)。この後、図6に示したステップS102からの処理を繰り返すようにする。
【0096】
また、ステップS114の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象が発生したと判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、例えば、自立航法センサ部140が動作していればこれを停止させたり、表示装置105の表示をナビゲーション機能実行前の状態に戻したりする所定の終了処理を行い(ステップS118)、この屋外スタート処理を終了する。この後、図5に示したメインルーチンに戻り、ナビゲーション処理を終了させることになる。
【0097】
このように、屋外スタート処理の場合には、最初はGPSモードでナビゲーションを開始させ、屋内ルートに入る手前で自立航法センサ部140を起動させてキャリブレーションを開始させる。そして、屋内ルートに入ったときには、キャリブレーションが終了していれば自立航法モードでナビゲーションを継続させるが、キャリブレーションが終了していなければ、キャリブレーションが終了するまで、万歩計(登録商標)モードでナビゲーションを継続させることができる。
【0098】
これにより、屋外ルートから屋内ルートに入った場合にも、ナビゲーションを途切れさせることなく、ナビゲーションをシームレスに継続させることができる。また、屋内ルートから屋外ルートに変わったときには、ナビゲーションを途切れさせること無く、シームレスにGPSモードに切り替えて、ナビゲーションを継続させることもできる。
【0099】
[屋内スタート処理]
次に、図5に示したメインルーチンのステップS15で実行される、屋内からナビゲーションをスタートさせる屋内スタート処理の詳細について説明する。図8図9は、図5に示したメインルーチンのステップS15で実行される屋内スタート処理の詳細について説明するためのフローチャートである。この図8図9に示す屋内スタート処理は、制御部110の制御の下、経路案内処理部172と案内モード制御部173とにより行われる。
【0100】
図8図9に示す屋内スタート処理が実行されると、案内モード制御部173は、自立航法センサ部140での測位を開始させる(ステップS201)。これにより、自立航法センサ部140ではキャリブレーションが開始され、キャリブレーション終了後においては、各センサから正確なセンサ出力が出力される。
【0101】
次に、案内モード制御部173は、自立航法センサ部140の動作状態を確認し、キャリブレーションが完了したか否かを判別する(ステップS202)。ステップS202の判別処理において、キャリブレーションは完了していないと判別したとする。この場合には、GPS部160からの現在位置を用いたナビゲーションも、自立航法センサ部140からのセンサ出力を用いたナビゲーションも行うことができない状態である。このため、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を制御して、振動センサ部150からのセンサ出力を利用してナビゲーションを行う万歩計(登録商標)モードでナビゲーションを開始させる(ステップS203)。このステップS203の処理は、基本的には、図6に示したステップS110の処理と同様の処理である。そして、ステップS203の処理により、万歩計(登録商標)モードでナビゲーションを開始させた後においては、ステップS202からの処理を繰り返す。
【0102】
そして、ステップS202の判別処理において、キャリブレーションが完了したと判別したとする。この場合には、自立航法センサ部140からのセンサ出力を用いたナビゲーションを適切に行うことができる状態である。このため、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を制御して、自立航法モードでナビゲーションを開始させる(ステップS204)。なお、ステップS203において、既に万歩計(登録商標)モードでナビゲーションが開始されている場合、ステップS204では、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を制御して、万歩計(登録商標)モードから自立航法モードに遷移させ、自立航法モードでナビゲーションを継続させることになる。
【0103】
このように、屋内からナビゲーションを開始させる場合には、まず、自立航法センサ部140を起動させる。そして、自立航法センサ部140のキャリブレーションが完了していれば、自律航法モードでナビゲーションを開始できるし、キャリブレーションが完了していなくても、万歩計(登録商標)モードでナビゲーションを開始できる。そして、上述もしたように、屋内ルートでは、屋外ルートを移動中の場合のように探索されたルートから外れる可能性は少ない。また、自立航法センサ部140でのキャリブレーションが完了すれば即座に自律航法モードによるナビゲーションに切り替えられる。このような観点から、万歩計(登録商標)モードでのナビゲーションが極めて有効なのである。
【0104】
そして、ステップS204の処理により、自立航法モードでナビゲーションを行うようにした後においては、案内モード制御部173は、これから案内するルート上に屋外ルートが存在するか否かを判別する(ステップS205)。ステップS205では、屋外ネットワークDB124Aの屋外ネットワークデータと屋内ネットワークDB124Bの屋内ネットワークデータとによるネットワーク上において、ルート探索データによるルートを辿り、これから通るルート上に屋外ルートがあるかどうかを調べることにより判別できる。
【0105】
ステップS205の判別処理において、これから通るルート上に屋外ルートは存在しないと判別したとする。この場合、案内モードを変更する必要はないので、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を案内終了まで自立航法モードでナビゲーションを行うように制御する(ステップS206)。そして、ナビゲーションが終了すれば、この屋内スタート処理を終了し、図5に示したメインルーチンにもどってナビゲーション処理を終了することになる。
【0106】
また、ステップS205の判別処理において。これから通るルート上に屋外ルートが存在すると判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、例えば所定の終了操作が行われるなど、ナビゲーションを終了させる事象が発生したか否かを判別する(ステップS207)。ステップS207の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象が発生したと判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、例えば、自立航法センサ部140が動作していれば、これを停止させたり、表示装置105の表示をナビゲーション機能実行前の状態に戻したりする所定の終了処理を行い(ステップS208)、この屋内スタート処理を終了する。この後、図5に示したメインルーチンに戻り、ナビゲーション処理を終了させることになる。
【0107】
また、ステップS207の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象は発生していないと判別した時には、案内モード制御部173は、屋外ルートに到達したか否かを判別する(ステップS209)。このステップS209の判別処理では、現在位置が、屋内ネットワークDB124Bの屋内ネットワークデータと、屋外ネットワークDB124Aの屋外ネットワークデータとによるネットワーク上において、屋外ネットワークへの切り替えノードを通過して、屋外ネットワーク上に到達したか否かを判別する。ステップS209の判別処理において、屋外ルートに到達していないと判別した時には、案内モード制御部173は、ステップS207からの処理を繰り返す。
【0108】
また、ステップS209の判別処理において、屋外ルートに到達したと判別した時には、案内モード制御部173は、GPS部160からの出力を確認し、GPS部160において適切に現在位置が測位できるようになっているか否かを判別する(ステップS210)。ステップS210の判別処理において、GPS部160において適切に現在位置が測位できるようになっていないと判別した時には、案内モード制御部173は、ステップS207からの処理を繰り返す。
【0109】
また、ステップS210の判別処理において、GPS部160において適切に現在位置が測位できるようになっていると判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、図9の処理に進み、経路案内処理部172を制御して、自立航法モードからGPSモードに遷移させ、GPSモードで経路案内を継続させると共に、自立航法センサ部140の動作を停止させる(ステップS211)。
【0110】
そして、案内モード制御部173は、これから案内するルート上に屋内ルートが存在するか否かを判別する(ステップS212)。ステップS212では、屋外ネットワークDB124Aの屋外ネットワークデータと屋内ネットワークDB124Bの屋内ネットワークデータとによるネットワーク上において、ルート探索データによるルートを辿り、これから通るルート上に屋内ルートがあるかどうかを調べることにより判別できる。
【0111】
ステップS212の判別処理において、これから通るルート上に屋内ルートは存在しないと判別したとする。この場合、案内モードを変更する必要はないので、案内モード制御部173は、経路案内処理部172を案内終了までGPSモードでナビゲーションを行うように制御する(ステップS213)。そして、ナビゲーションが終了すれば、この屋外スタート処理を終了し、図5に示したメインルーチンにもどってナビゲーション処理を終了することになる。
【0112】
また、ステップS212の判別処理において。これから通るルート上に屋内ルートが存在すると判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、GPS部160により測位された現在位置から屋内ルートの開始点までの距離が100m以内になったか否かを判別する(ステップS214)。このステップS214の処理は、図6に示したステップS104の処理と同様の処理である。
【0113】
ステップS214の判別処理において、GPS部160により測位された現在位置から屋内ルートの開始点までの距離が100m以内ではないと判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、例えば所定の終了操作が行われるなど、ナビゲーションを終了させる事象が発生したか否かを判別する(ステップS215)。ステップS215の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象が発生したと判別した時には、図8に示したステップS208の処理に進み、所定の終了処理を行って(ステップS208)、この屋内スタート処理を終了する。この後、図5に示したメインルーチンに戻り、ナビゲーション処理を終了させることになる。
【0114】
また、ステップS215の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象は発生していないと判別した時には、ステップS214からの処理を繰り返すことになる。そして、ステップS214の判別処理において、GPS部160により測位された現在位置から屋内ルートの開始点までの距離が100m以内であると判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、GPSモードでの案内処理を継続させたまま、自立航法センサ部140での測位を開始させる(ステップS216)。これにより、自立航法センサ部140ではキャリブレーションが開始され、キャリブレーション終了後においては、各センサから正確なセンサ出力が出力される。
【0115】
この後、案内モード制御部173は、GPS部160からの現在位置が消失したか否かを判別する(ステップS217)。このステップS217の判別処理は、ナビゲーション装置1が屋内ルートに入ったために人工衛星からの送信信号を受信できずに、GPS部160により現在位置が測位できなくなったか否かを判別する処理である。
【0116】
ステップS217の判別処理において、GPS部160からの現在位置は消失していないと判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、経路案内処理部172によるGPSモードでの案内処理を継続させつつ、ステップS215の判別処理の場合と同様に、ナビゲーションを終了させる事象が発生したか否かを判別する(ステップS218)。ステップS218の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象が発生したと判別した時には、図8のステップS208の処理に進み、所定の終了処理を行って(ステップS208)、この屋内スタート処理を終了する。この後、図5に示したメインルーチンに戻り、ナビゲーション処理を終了させることになる。
【0117】
また、ステップS218の判別処理において、ナビゲーションを終了させる事象は発生していないと判別した時には、ステップS217からの処理を繰り返すことになる。そして、ステップS217の判別処理において、GPS部160からの現在位置が消失したと判別したとする。この場合、案内モード制御部173は、図8に示したステップS202からの処理を繰り返す。
【0118】
このように、屋内スタート処理の場合には、最初に自立航法センサ部140を起動させてキャリブレーションを開始させる。そして、当該キャリブレーションが完了するまでは、万歩計(登録商標)モードでナビゲーションを即座に開始させることができる。そして、キャリブレーションが完了したときには、迅速に、自立航法モードに切り替えてナビゲーションを継続させることができる。また、屋内ルートから屋外ルートに変わったときには、ナビゲーションを途切れさせること無く、シームレスにGPSモードに切り替えて、ナビゲーションを継続させることもできる。
【0119】
また、屋外ルートから屋内ルートに変わったときには、屋外スタート処理の場合と同様に、屋内ルートに入る手前で自立航法センサ部140を起動させてキャリブレーションを開始させる。そして、屋内ルートに入ったときには、キャリブレーションが終了していれば自立航法モードでナビゲーションを継続させるが、キャリブレーションが終了していなければ、キャリブレーションが終了するまで、万歩計(登録商標)モードでナビゲーションを継続させることができる。
【0120】
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態においては、自立航法機能を正常に機能させるために行われる自立航法センサ部140で行われるキャリブレーションを考慮して、且つ、無駄に消費電力を増やすことなく、GPS機能により現在位置が測位できる屋外ルートからGPS機能により現在位置が測位できない屋内ルートに入った場合にも、ナビゲーション(経路案内)を中断させることなく、適切にナビゲーションを継続させることができる。
【0121】
また、ナビゲーションを屋外から開始する場合にも、屋内から開始する場合にも、GPSモードと、自立航法モードと、万歩計(登録商標)モードとを適切に使い分け、シームレスにナビゲーションを行うことができる。
【0122】
[変形例など]
また、上述した実施の形態においては、屋外ルートと屋内ルートとが混在するルートをナビゲーションする場合について説明したが、これに限るものではない。広義には、屋外ルートはGPS機能により現在位置が測位できるルートであり、屋内ルートはGPS機能により現在位置が測位できないルートであるといえる。このため、GPS機能により現在位置が測位できるルートと、GPS機能により現在位置が測位できないルートとの切り替え点がネットワークデータにより明確である場合には、この発明を適用することができる。
【0123】
また、角速度センサ、加速度センサ、振動センサなどの種々のセンサについては、その構成は特に限定されるものではなく、種々の構成のセンサを用いる場合にこの発明を適用できる。
【0124】
また、上述した実施の形態では、歩行者用のナビゲーションを行う場合を例にして説明したが、自転車、バイク、自動車などで用いられるナビゲーション装置にこの発明を適用することも可能である。すなわち、自転車、バイク、自動車などで移動する場合であって、GPS機能により現在位置が取得できるエリアと、GPS機能により現在位置が取得できないエリアを移動する場合において、この発明を適用できる。
【0125】
また、キャリブレーションは、種々の方法が用いられて行われるが、キャリブレーションの方法により、この発明の実施に影響は受けない。種々の方法によりキャリブレーションが行われる場合に、この発明を適用できる。
[その他]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、第1の記憶手段の機能は、屋外ネットワークDB124Aが実現し、第2の記憶手段の機能は、屋内ネットワークDB124Bが実現している。また、第1の測位手段の機能は、GPS部160が実現し、第2の測位手段の機能は、自立航法センサ部140が実現し、第3の測位手段の機能は、振動センサ部150が実現している。また、第1、第2の経路案内手段の機能は、経路案内処理部172が実現し、第1、第2、第3の判別手段の機能は、案内モード制御部173が実現している。また、第1、第2の制御手段の機能は、案内モード制御部173が実現している。
【0126】
また、第1の地図データ記憶手段の機能は、屋外地図DB123Aが実現し、第2の地図データ記憶手段の機能は、屋内地図DB123Bが実現している。また、第4、第5の判別手段の機能は、案内モード制御部173が実現し、第4の制御手段の機能は、案内モード制御部173が実現している。
【0127】
また、図5図9に示したフローチャートに応じた方法が、この発明によるナビゲーション方法の一実施の形態が適用されたものである。また、図5図9に示したフローチャートに応じた処理を行うプログラムが、この発明によるナビゲーションプログラムの一実施の形態が適用されたものである。したがって、図5図9に示したフローチャートに応じた処理を行うプログラムを形成し、高機能電話端末やタブレットPCに搭載して実行可能にしておくことにより、この発明のナビゲーション装置を実現できる。
【0128】
また、図1に示した、ルート探索処理部171、経路案内処理部172、案内モード制御部173の各機能は、制御部110で実行されるプログラムにより、制御部110の機能として実現することもできる。
【符号の説明】
【0129】
1…ナビゲーション装置、101…送受信アンテナ、102…無線通信部、103…受話器、104…送話器、105…表示装置、106…タッチセンサ、107…タッチパネル、108…音声処理部、109…スピーカ、110…制御部、120…記憶装置、121…プログラム等の格納領域、122…ルート探索データファイル、123A…屋外地図DB、123B…屋内地図DB、124A…屋外ネットワークDB、124B…屋内ネットワークDB、130…キー操作部、140…自立航法センサ部、150…振動センサ部、160…GPS部、160A…GPSアンテナ、171…ルート探索処理部、172…経路案内処理部、173…案内モード制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9