(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
頭部と、前記頭部から直線状に延びるとともにネジが切られた延在部とを有する締結部材であって外部部材に挿着された締結部材を、当該外部部材に対して回転しないようにするための固定部材であって、
内面で前記頭部に取り付け可能となった外歯車部材と、
内面で前記外歯車部材が嵌め込み可能となり、かつ、前記外部部材に固定可能となった本体部材と、
を備え、
前記外歯車部材および前記本体部材の材料は、樹脂であり、
前記外歯車部材は、前記外部部材とは反対側に行くほど半径が小さくなる傘歯車形状を有し、
前記本体部材の内面の半径は、前記外歯車部材の形状に合わせて、前記外部部材とは反対側に行くほど小さくなることを特徴とする固定部材。
前記締結部材の前記頭部の外周面に設けられた締結凹部に嵌め込まれる歯車凸部が前記外歯車部材の内周面に設けられている、又は、前記締結部材の前記頭部の外周面に設けられた締結凸部が嵌め込まれる歯車凹部が前記外歯車部材の内周面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の固定部材。
前記本体部材に、前記外部部材に設けられた外部穴に嵌め込まれる本体突起が設けられている、又は、前記本体部材に、前記外部部材に設けられた外部突起が嵌め込まれる本体穴が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固定部材。
前記締結部材の前記頭部の外周面に締結凹部が設けられ、かつ、前記外歯車部材の内周面に前記締結凹部に嵌め込まれる歯車凸部が設けられている、又は、前記締結部材の前記頭部の外周面に締結凸部が設けられ、かつ、前記外歯車部材の内周面に前記締結凸部が嵌め込まれる歯車凹部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の組合部材。
前記外部部材に外部穴が設けられており、前記本体部材に前記外部穴に嵌め込まれる本体突起が設けられている、又は、前記外部部材に外部突起が設けられており、前記本体部材に前記外部突起が嵌め込まれる本体穴が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の組立部品。
前記本体部材に本体爪が設けられており、前記外部部材に前記本体爪が引っかかる外部穴もしくは外部切欠きが設けられている、又は、前記外部部材に外部爪が設けられており、前記本体部材に前記外部爪が引っかかる本体穴もしくは本体切欠きが設けられていることを特徴とする請求項10又は11のいずれかに記載の組立部品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された態様を採用した場合には、端子回り止め部材を設けるためのスペースを設ける必要があり、大きなスペースを無駄に使用してしまう。また、特許文献2に開示されたようなネジを採用する場合には、用いられるネジの各々にかなり特殊な加工を施す必要が生じてしまう。
【0006】
このような点に鑑み、本発明は、締結部材に大幅な加工を施すことなく、また、大きなスペースを無駄に使用せずに、締結部材が外部部材に対して緩んでしまうことを防止することができる固定部材、組合部材及び組立部品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による固定部材は、
頭部と、前記頭部から直線状に延びるとともにネジが切られた延在部とを有する締結部材であって外部部材に挿着された締結部材を、当該外部部材に対して回転しないようにするための固定部材であって、
内面で前記頭部に取り付け可能となった外歯車部材と、
内面で前記外歯車部材が嵌め込み可能となり、かつ、前記外部部材に固定可能となった本体部材と、
を備える。
【0008】
本発明による固定部材において、
前記締結部材の前記頭部の外周面に設けられた締結凹部に嵌め込まれる歯車凸部が前記外歯車部材の内周面に設けられている、又は、前記締結部材の前記頭部の外周面に設けられた締結凸部が嵌め込まれる歯車凹部が前記外歯車部材の内周面に設けられてもよい。
【0009】
本発明による固定部材において、
前記締結凹部及び前記歯車凸部が複数個ある、又は、前記締結凸部及び前記歯車凹部が複数個あってもよい。
【0010】
本発明による固定部材において、
前記本体部材に、前記外部部材に設けられた外部穴に嵌め込まれる本体突起が設けられている、又は、前記本体部材に、前記外部部材に設けられた外部突起が嵌め込まれる本体穴が設けられてもよい。
【0011】
本発明による固定部材において、
前記本体部材に、前記外部部材に設けられた外部穴に嵌め込まれる本体突起が設けられており、
前記本体突起は前記本体部材の表面から当該表面の法線方向に突出してもよい。
【0012】
本発明による固定部材において、
前記本体部材に、前記外部部材に対して引っかけられる本体爪が設けられてもよい。
【0013】
本発明による固定部材において、
前記本体爪は、弾性を有するとともに、前記本体部材の表面が延在する方向に沿って延びてもよい。
【0014】
本発明による組合部材は、
頭部と、前記頭部から直線状に延びるとともにネジが切られた延在部とを有する締結部材と、
外部部材に挿着された前記締結部材を当該外部部材に対して回転しないようにするための固定部材と、
を備え、
前記固定部材は、
内面で前記頭部に取り付け可能となった外歯車部材と、
内面で前記外歯車部材が嵌め込み可能となり、かつ、前記外部部材に固定可能となった本体部材と、
を有する。
【0015】
本発明による組合部材において、
前記締結部材の前記頭部の外周面に締結凹部が設けられ、かつ、前記外歯車部材の内周面に前記締結凹部に嵌め込まれる歯車凸部が設けられている、又は、前記締結部材の前記頭部の外周面に締結凸部が設けられ、かつ、前記外歯車部材の内周面に前記締結凸部が嵌め込まれる歯車凹部が設けられてもよい。
【0016】
本発明による組立部品は、
頭部と、前記頭部から直線状に延びるとともにネジが切られた延在部とを有する締結部材と、
前記締結部材が挿着された外部部材と、
前記外部部材に挿着された前記締結部材を当該外部部材に対して回転しないようにするための固定部材と、
を備え、
前記固定部材は、
内面で前記頭部に取り付け可能となった外歯車部材と、
内面で前記外歯車部材が嵌め込み可能となり、かつ、前記外部部材に固定可能となった本体部材と、
を有する。
【0017】
本発明による組立部品において、
前記外部部材に外部穴が設けられており、前記本体部材に前記外部穴に嵌め込まれる本体突起が設けられている、又は、前記外部部材に外部突起が設けられており、前記本体部材に前記外部突起が嵌め込まれる本体穴が設けられてもよい。
【0018】
本発明による組立部品において、
前記本体部材に本体爪が設けられており、前記外部部材に前記本体爪が引っかかる外部穴もしくは外部切欠きが設けられている、又は、前記外部部材に外部爪が設けられており、前記本体部材に前記外部爪が引っかかる本体穴もしくは本体切欠きが設けられてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、締結部材の頭部の外面に歯車部材が取り付けられ、当該歯車部材の外面に本体部材が取り付けられ、当該本体部材が締結部材の挿着された外部部材に固定可能となっている。このため、締結部材に大幅な加工を施すことなく、また、大きなスペースを無駄に使用せずに、締結部材が外部部材に対して緩んでしまうことを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態
《構成》
以下、本発明に係る固定部材、組合部材及び組立部品の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、
図1乃至
図4は本発明の実施の形態を説明するための図である。
【0022】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態による固定部材5は、ケースの内部や基板等の外部部材50に挿着されたネジ、ボルト等の締結部材60を、外部部材50に対して回転しないようにするために用いられる。なお、締結部材60は、頭部61と、頭部61から直線状に延びるとともにネジが切られた延在部62とを有している。
【0023】
本実施の形態の「組合部材」は、上述した締結部材60及び固定部材5を含んでいる。本実施の形態の「組立部品」は、上述した、締結部材60、固定部材5、及び、外部部材60を含んでいる。
【0024】
固定部材5は、内面で締結部材60の頭部61に取り付け可能となった外歯車部材20と、内面で外歯車部材20が嵌め込み可能となり、かつ、外部部材50に固定可能となった本体部材10と、を備えている。本実施の形態では、本体部材10の内周面には、外歯車部材20が嵌め込まれる内歯車14が設けられている。外歯車部材20の材料として様々なものを用いることができるが、一例としては樹脂や金属等を用いることができる。本体部材10の材料として様々なものを用いることができるが、一例としては樹脂を用いることができる。
【0025】
締結部材60の頭部61の外周面には一つ又は複数の締結凹部65が設けられてもよい。このような態様を採用した場合には、当該締結凹部65に嵌め込まれる歯車凸部25が外歯車部材20の内周面に設けられることになる。複数の締結凹部65が設けられている場合には、各締結凹部65の間隔は、締結部材60の延在部62に直交する面内で均等になるように配置されてもよいし、一対の締結凹部65が互いに対向するようにして配置されてもよい(
図1参照)。なお、歯車凸部25は締結凹部65に対応して設けられることから、締結凹部65が複数ある場合には複数の歯車凸部25が設けられ、各締結凹部65の間隔が均等になる場合には各歯車凸部25の間隔が均等になり、一対の締結凹部65が互いに対向するようにして配置される場合には一対の各歯車凸部25が互いに対向するようにして配置されることになる。
図1に示す態様では、2つの締結凹部65が締結部材60の頭部61であって、互いに対向する位置に形成されている。そして、各締結凹部65に嵌め込まれる歯車凸部25が外歯車部材20の内周面が形成されている。本実施の形態において「互いに対向する」とは、他方が一方に対して、締結部材60の延在部62の軸線を跨いだ反対側に位置することを意味する。
【0026】
他方、
図3に示すように、締結部材60の頭部61の外周面に一つ又は複数の締結凸部67が設けられてもよい。このような態様を採用した場合には、当該締結凸部67が嵌め込まれる歯車凹部27が外歯車部材20の内周面に設けられることになる。複数の締結凸部67が設けられている場合には、各締結凸部67の間隔は締結部材60の延在部62に直交する面内で均等になるように配置されてもよいし、一対の締結凸部67が互いに対向するようにして配置されてもよい(
図3参照)。なお、歯車凹部27は締結凸部67に対応して設けられることから、締結凸部67が複数ある場合には複数の歯車凹部27が設けられ、各締結凸部67の間隔が均等になる場合には各歯車凹部27の間隔が均等になり、一対の締結凸部67が互いに対向するようにして配置される場合には一対の各歯車凹部27が互いに対向するようにして配置されることになる。
【0027】
歯車凸部25及び締結凹部65の各々の横断面は、
図1に示すように略三角形状となっていてもよいが、略四角形状のような別の多角形状となってもよいし、略半円形状のような形状となってもよい。なお、外歯車部材20が締結部材60に対して回転しないという観点からは、歯車凸部25の横断面の形状と締結凹部65の横断面の形状とは互いに同じ形状となっていることが好ましい。
【0028】
締結凸部67及び歯車凹部27の各々の横断面は、
図3に示すように略三角形状となっていてもよいが、略四角形状のような別の多角形状となってもよいし、略半円形状のような形状となってもよい。なお、外歯車部材20が締結部材60に対して回転しないという観点からは、歯車凹部27の横断面の形状と締結凸部67の横断面の形状とは互いに同じ形状となっていることが好ましい。
【0029】
歯車凸部25は締結凹部65に対してわずかに小さくなっており、わずかな遊びが歯車凸部25と締結凹部65との間に形成されてもよい。同様に、締結凸部67は歯車凹部27に対してわずかに小さくなっており、わずかな遊びが締結凸部67と歯車凹部27との間に形成されてもよい。
【0030】
なお、締結凸部67及び締結凹部65が混在して締結部材60の頭部61に設けられ、締結凸部67に対応する歯車凹部27及び締結凹部65に対応する締結凸部67が外歯車部材20の内周面に設けられてもよい。
【0031】
図1に示すように、外部部材50に一つ又は複数の第一外部穴56(特許請求の範囲の「外部穴」に含まれる。)が設けられている(
図1に示す態様では一つの第一外部穴56が設けられている。)。本願における「第一外部穴」は、完全に貫通したものであってもよいが、貫通しておらず凹部形状となっているものであってもよい。このような第一外部穴56が外部部材50に設けられている場合には、本体部材10に当該第一外部穴56に嵌め込まれる一つ又は複数の本体突起16が設けられてもよい。本体突起16としては、例えば本体部材10の表面から当該表面の法線方向に突出しているものを挙げることができるが(
図1及び
図3に示す態様では、本体突起16が本体部材10の下面から下方に突出している。)、本体部材10の側面から下方に突出しているものであってもよい。外部部材50が固定部材5の側方に配置されている場合には、本体突起16は当該側方側に突出するものであってもよい。つまり、本体突起16は外部部材50に形成された第一外部穴56に可能な限り隙間なく嵌め込まれるものであればよい。
【0032】
図1に示す態様では、外部部材50が固定部材5の下方に位置づけられている。そして、本体突起16は本体部材10の下面から下方に突出しているものになっている。
図1に示す態様では、第一外部穴56はその横断面が長円形状となっており、本体突起16は当該第一外部穴56の形状に合わせてその横断面が長円形状となっている。本体部材10が外部部材50に対して回転しないという観点からは、このように第一外部穴56の横断面の形状が本体突起16の横断面の形状と同一になっていることが好ましい。なお、本体突起16は第一外部穴56に対してわずかに小さくなっており、わずかな遊びが本体突起16と第一外部穴56との間に形成されてもよい。
【0033】
本体突起16が複数設けられている場合には、本体突起16が締結部材60の延在部62に直交する面内で均等になるように配置されてもよいし、一対の本体突起16が互いに対向するようにして配置されてもよい。なおこれらの場合には、各第一外部穴56は各本体突起16に対応して形成されることになる
【0034】
また、
図4に示すように、外部部材50に一つ又は複数の外部突起58が設けられてもよい。このような外部突起58が外部部材50に設けられている場合には、本体部材10に当該外部突起58が嵌め込まれる一つ又は複数の第一本体穴18a(特許請求の範囲の「本体穴」に含まれる。)が設けられてもよい。外部突起58としては、例えば外部部材50の上面から上方に突出しているものを挙げることができるが、外部部材50の側面から上方に突出しているものであってもよい。但し、これに限られることはなく、外部突起58は本体部材10に形成された第一本体穴18aに嵌め込まれるものであればよい。
【0035】
外部突起58が複数設けられている場合には、外部突起58が締結部材60の延在部62に直交する面内で均等になるように配置されてもよいし、一対の外部突起58が互いに対向するようにして配置されてもよい。なおこれらの場合には、各第一本体穴18aは各外部突起58に対応して形成されることになる。
【0036】
図1及び
図3に示すように、本体部材10には、外部部材50に対して引っかけられる一つ又は複数の本体爪11−13が設けられていている。本体爪11−13は弾性を有するようになっている。また、本体爪11−13は、本体部材10の表面が延在する方向に沿って延びてもよい(
図1及び
図3に示す態様では、本体部材10の側面から下方に延びている。)。外部部材50には、本体爪11−13が引っかけられるための外部切欠き51,52や第二外部穴53(特許請求の範囲の「外部穴」に含まれる。)が形成されている。
図1及び
図3に示す態様では、本体爪11−13が本体部材10の側面に設けられ、下方に延びている。そして、本体爪11−13は本体部材10の側面の法線方向に弾性を有している。なお、
図1及び
図3に示す態様では、本体爪13が挿入される第二外部穴53の横断面は、本体突起16が挿入される第一外部穴56の横断面よりも大きくなっている。
【0037】
図4に示すように、外部部材50には、本体部材10に対して引っかけられる一つ又は複数の外部爪59が設けられていてもよい。この外部爪59も弾性を有するようになっていてもよい。また、本体部材10には、外部爪59が引っかけられるための本体切欠き19や第二本体穴18b(特許請求の範囲の「本体穴」に含まれる。)が形成されてもよい。
図4に示す態様では、外部爪59は外部部材50の側面(
図4の上下方向に延びる面)の法線方向に弾性を有している。
【0038】
外部爪59と本体爪11−13とが組み合わされて用いられてもよい。この場合には、外部爪59に対応する第一本体穴18a、第二本体穴18b及び/又は本体切欠き19が本体部材10に設けられ、本体爪11−13に対応する第二外部穴53及び/又は外部切欠き51,52が外部部材50に設けられる。
【0039】
図1乃至
図3に示す態様では、本体部材10の横断面は略四角形状となっている。そして、本体部材10の第一側面(
図1乃至
図3の右奥側の側面)に第一本体爪11が設けられ、当該第一側面に対して略直交する方向で延びる第二側面(
図1乃至
図3の右手前の側面)に第二本体爪12が設けられている。また、第一側面に対向する第三側面と第二側面に対向する第四側面との間の角部(
図1乃至
図3の左奥側の角部)に、第三本体爪13が設けられている。なお、
図1乃至
図3に示す態様では、第三本体爪13よりも締結部材60の延在部62の軸線側に本体突起16が設けられており、第三本体爪13と締結部材60の延在部62の軸線とを結んだ直線状に本体突起16が設けられている。
【0040】
外部部材50の形状は固定部材5の本体部材10の形状に合わせられて作られる、又は、固定部材5の本体部材10の形状は外部部材50の形状に合わせられて作られる。
図1乃至
図3に示す態様はあくまでも一例にすぎないが、
図1乃至
図3に示される外部部材50の形状は、
図1乃至
図3に示される本体部材10の形状に対応したものとなっている。より具体的には、外部部材50には、第一本体爪11が引っかけられる第一外部切欠き51が設けられ、第二本体爪12が引っかけられる第二外部切欠き52が設けられ、第三本体爪13が挿入される第二外部穴53が設けられ、本体突起16が挿入される第一外部穴56が設けられている。
【0041】
《効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態によって達成される効果であって、まだ述べていない効果又はとりわけ重要な効果について説明する。
【0042】
本実施の形態によれば、外部部材50に挿着された締結部材60の頭部61の外周面に外歯車部材20が取り付けられ、当該歯車部材の外周面に本体部材10が取り付けられ、当該本体部材10が外部部材50に固定可能となっている。このため、本実施の形態によれば、特許文献1に開示された態様のように締結部材60に大幅な加工を施す必要がなく、また、特許文献2に開示された態様のように大きなスペースを無駄に使用することなく、締結部材60が外部部材50に対して緩んでしまうことを防止することができる。
【0043】
なお、外部部材50がケースからなりケース内に締結部材60の頭部61が位置する場合のように、締結部材60の頭部61に外部からアクセスできない場合には、緩んだ締結部材60を再度締め直すには、ケースを開ける必要がなることから非常に手間となる。この点、本実施の形態のような固定部材5を用いることで、このような締結部材60の緩みの発生を予め防止することができる。
【0044】
図1に示すように、締結部材60の頭部61の外周面に締結凹部65が設けられ、当該締結凹部65に嵌め込まれる歯車凸部25が外歯車部材20の内周面に設けられる態様を採用した場合には、外歯車部材20の内周面の歯車凸部25を締結部材60の頭部61の外周面の締結凹部65を嵌め込むだけで、締結部材60が外歯車部材20に対して回転することを防止することができる。また、仮に流通している締結部材60を加工して用いる場合であっても、締結部材60への加工が頭部61を削って締結凹部65を形成するだけで済む点でも有益である。
【0045】
締結部材60の頭部61の外周面に複数の締結凹部65が設けられ、締結凹部65に嵌め込まれる歯車凸部25が複数設けられている態様を採用した場合には、締結部材60が外歯車部材20に対して回転することをより確実に防止することができる。このように複数の締結凹部65及び複数の歯車凸部25を設ける場合には、複数の締結凹部65同士の間隔が均等なものとなり複数の歯車凸部25同士の間隔が均等なものとなっていると、締結部材60が回転しようとしたときにバランス良く外歯車部材20に加わる力を分散させることができる点で有益である。
【0046】
図3に示すように、締結部材60の頭部61の外周面に締結凸部67が設けられ、当該締結凸部67が嵌め込まれる歯車凹部27が外歯車部材20の内周面に設けられる態様を採用した場合には、外歯車部材20の内周面の歯車凹部27に締結部材60の頭部61の外周面の締結凸部67を嵌め込むだけで、締結部材60が外歯車部材20に対して回転することを防止することができる。
【0047】
締結部材60の頭部61の外周面に複数の締結凸部67が設けられ、締結凸部67が嵌め込まれる歯車凹部27が複数設けられている態様を採用した場合には、締結部材60が外歯車部材20に対して回転することをより確実に防止することができる。このように複数の締結凸部67及び複数の歯車凹部27を設ける場合には、複数の締結凸部67同士の間隔が均等なものとなり複数の歯車凹部27同士の間隔が均等なものとなっていると、締結部材60が回転しようとしたときにバランス良く外歯車部材20に加わる力を分散させることができる点で有益である。
【0048】
なお、本実施の形態で示されているように、締結部材60の頭部61の外周面に外歯車部材20が取り付けられ、当該歯車部材の外周面に本体部材10が取り付けられるようにすることで、締結部材60の回転角度にほぼ関係なく、当該締結部材60を外部部材50に対して回転しないように固定することができる(
図1乃至
図3参照)。この点について説明する。締結部材60の頭部61には、締結凹部65又は締結凸部67が設けられている。ネジが切られた締結部材60を外部部材50に挿着すると、締結凹部65又は締結凸部67はあらゆる位置に位置づけられる可能性がある。この点、本実施の形態によれば、締結部材60の頭部61に外歯車部材20が取り付けられることから、締結凹部65又は締結凸部67は外歯車部材20の歯車ピッチ単位でずれたとしても、外歯車部材20を本体部材10の内歯車14に取り付けることができる。また、外歯車部材20と内歯車14の歯車の数を同じにする条件下で歯車ピッチを変えても同様のことが言える。この結果、締結部材60の回転角度にほぼ関係なく、当該締結部材60を外部部材50に対して回転しないように固定することができる。
【0049】
この点、締結凹部65又は締結凸部67の数を多くし、外歯車部材20と同様の機能を果たすようにすることも考えられる。しかしながら、このような態様を採用した場合には、金属等からなり加工の難しい締結部材60に大幅な加工を施すことが必要となり、従来技術と比較してあまり有益なものとはならない。他方、本実施の形態のような外歯車部材20及び本体部材10を用いることで、締結部材60に大幅な加工を施す必要がなくなり、従来技術と比較して非常に有益なものとすることができる。
【0050】
図1及び
図3に示すように、外部部材50に第一外部穴56が設けられ、本体部材10に当該第一外部穴56に嵌め込まれる本体突起16があるため、本体部材10の本体突起16を外部部材50の第一外部穴56に差し込むことで、本体部材10が外部部材50に対して回転することを防止することができる。
【0051】
外部部材50に複数の第一外部穴56が設けられ、本体部材10に第一外部穴56に嵌め込まれる本体突起16が複数設けられている態様を採用した場合には、本体部材10が外部部材50に対して回転することをより確実に防止することができる。このように複数の第一外部穴56及び複数の本体突起16を設ける場合には、複数の第一外部穴56同士の間隔が均等なものとなり複数の本体突起16同士の間隔が均等なものとなっていると、締結部材60が回転しようとした結果、外歯車部材20及び本体部材10が回転しようとしたときにバランス良く外部部材50に加わる力を分散させることができる点で有益である。
【0052】
図4に示すように、外部部材50に外部突起58が設けられ、本体部材10に当該外部突起58が嵌め込まれる第一本体穴18aが設けられた態様と、外歯車部材20と合わさる内歯車14がある態様を採用する場合には、外部部材50の外部突起58を本体部材10の第一本体穴18aに差し込むだけで、本体部材10が外部部材50に対して回転することを防止することができる。
【0053】
外部部材50に複数の外部突起58が設けられ、本体部材10に外部突起58が嵌め込まれる第一本体穴18aが複数設けられている態様と、外歯車部材20と合わさる内歯車14がある態様を採用した場合には、本体部材10が外部部材50に対して回転することをより確実に防止することができる。このように複数の外部突起58及び複数の第一本体穴18aを設ける場合には、複数の外部突起58同士の間隔が均等なものとなり複数の第一本体穴18a同士の間隔が均等なものとなっていると、締結部材60が回転しようとした結果、外歯車部材20及び本体部材10が回転しようとしたときにバランス良く外部部材50に加わる力を分散させることができる点で有益である。
【0054】
図1乃至
図3に示すように、本体部材10に本体爪11−13が設けられ、外部部材50に本体爪11−13が引っかけられるための外部切欠き51,52や第二外部穴53が形成された態様を採用した場合には、やはり、本体部材10が外部部材50に対して回転することを防止することができる。
【0055】
本体部材10に複数の本体爪11−13が設けられ、外部部材50に本体爪11−13が引っかけられるための外部切欠き51,52や第二外部穴53が複数形成された態様を採用した場合には、本体部材10が外部部材50に対して回転することをより確実に防止することができる。このように複数の本体爪11−13を設ける場合には、複数の本体爪11−13同士の間隔が均等なものとなり複数の外部切欠き51,52や第二外部穴53同士の間隔が均等なものとなっていると、締結部材60が回転しようとした結果、外歯車部材20及び本体部材10が回転しようとしたときにバランス良く外部部材50に加わる力を分散させることができる点で有益である。
【0056】
図4に示すように、外部部材50に外部爪59が設けられ、本体部材10に爪が引っかけられるための本体切欠き19や第二本体穴18bが形成された態様を採用した場合にも、本体部材10が外部部材50に対して回転することを防止することができる。
【0057】
外部部材50に複数の外部爪59が設けられ、本体部材10に外部爪59が引っかけられるための本体切欠き19や第二本体穴18bが複数形成された態様を採用した場合には、本体部材10が外部部材50に対して回転することをより確実に防止することができる。このように複数の外部爪59を設ける場合には、複数の外部爪59同士の間隔が均等なものとなり複数の本体切欠き19や第二本体穴18b同士の間隔が均等なものとなっていると、締結部材60が回転しようとした結果、外歯車部材20及び本体部材10が回転しようとしたときにバランス良く外部部材50に加わる力を分散させることができる点で有益である。
【0058】
一般的には、外部部材50に外部突起58や外部爪59のような部材を設けることは、外部部材50に後付けでこれら外部突起58や外部爪59を設けることとなるので、その加工が難しい。他方、外部部材50に第一外部穴56、第二外部穴53や外部切欠き51,52を設ける場合には、部材を削るだけでよいことから、その加工が容易である。そして、本体部材10の材料として例えば樹脂を選択した場合には、本体爪11−13や本体突起16を設けるに際しては、樹脂を型に流し込んで本体部材10を製造するだけでよく、その加工が非常に容易である。この観点からすると、
図1乃至
図3に示すように、外部部材50に第一外部穴56、第二外部穴53や外部切欠き51,52を設け、本体部材10に本体突起16や本体爪11−13を設ける態様の方が、本体部材10に第一本体穴18a、第二本体穴18bや本体切欠き19を設け、外部部材50に外部突起58や外部爪59を設ける態様よりも有益である。
【0059】
なお、外歯車部材20は、緩めたくない対象である締結部材60の軸線上の外部部材50とは反対側(
図1の上方側)に行くほど半径が小さくなる「傘歯車」形状となってもよい。この場合には、本体部材10の内歯車14の半径も外歯車部材20の形状に合わせて締結部材60の軸線上の外部部材50とは反対側(
図1の上方側)に行くほど半径が小さくなる。このような態様を採用することで、外歯車部材20を締結部材60に取り付け、かつ、本体部材10を外歯車部材20及び外部部材50に取り付けた後で、仮に上下が反転したとしても、外歯車部材20が本体部材10から自然に外れてしまうという事態が発生することを防止することができる。
【0060】
また、図面で示された締結部材60は、CAPスクリューボルトを想定した態様となっているが、このような態様とは異なる態様を採用することも当然可能である。一例としては、締結部材60としてワッシャ付きのナベ小ネジを採用することもできる。
【0061】
ところで、上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。