(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について、
図1〜
図9を用いて説明すれば以下の通りである。
【0012】
図1は、本発明の実施形態1に係る照明器具300の構成を示す分解斜視図である。
図2は、照明器具300の外観の構成を示す斜視図である。
図3は、照明器具300が支柱に取り付けられた状態を示す図である。
図4の(a)は照明器具300の構成を示す上面図であり、
図4の(b)は照明器具300の構成を示す側面図であり、
図4の(c)は(a)のA−A線矢視断面図である。
図5の(a)は照明器具300のカバー5を取り付けた状態の構成を示す下面図であり、(b)は照明器具300のカバー5を取り外した状態の構成を示す下面図であり、(c)は(a)のB−B線矢視断面図である。
【0013】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る照明器具300は、金属製のアーム1と、アーム1に取り付けられ、絶縁材料からなるボディ2と、ボディ2上に配置され、LED3を実装するLED基板4と、レンズユニット6と、電源を収納する電源ユニット7と、LED基板4を覆うカバー5とを備えている。以降、照明器具300を構成する各部について説明する。
【0014】
<アーム1>
アーム1は、地上に設置される支柱又は壁面に取り付けられ、ボディ2を支持する。アーム1は、例えば鋼板などの金属板から成っており、矩形状の主板10と、1対の側板11とが一体に形成されて成る。各側板11は、主板10の長手方向に沿った両側端縁から各々厚み方向に沿って立ち上がるように形成されている。また、アーム1は、水平面に対して一定の角度(例えば30度)で傾くように湾曲している。
【0015】
以下、アーム1におけるボディ2に取り付けられる部位(湾曲部から上端部に至る部位)をボディ取付部1Aと称し、アーム1における支柱に取り付けられる部位を支柱取付部1B(湾曲部から下端部に至る部位)と称する。
【0016】
ボディ取付部1Aには、2つの取付孔100が、湾曲部付近に間隔をおいて設けられている。これらの取付孔100は、ボディ2をアーム1に固定するために用いられる取付ねじ(図示せず)を挿通するように形成されている。
【0017】
支柱取付部1Bのほぼ中間部位には、2つの取付孔102が間隔をおいて設けられている。これらの取付孔102は、壁面(図示せず)に固定するために用いられる取付ねじ(図示せず)を挿通するように形成されている。また、支柱取付部1Bにおける主板10と側板11との境界部分には、2つのベルト孔103が取付孔102の形成位置付近から支柱取付部1Bの下端部付近に亘って設けられている。これらのベルト孔103は、
図3に示すベルト301を挿通するように縦長に形成されている。
【0018】
図3に示すように、アーム1は、支柱302に取り付けられる場合、支柱302に巻き付けられたベルト301をベルト孔103に挿通することで支柱302に固定される。また、アーム1は、壁面に取り付けられる場合、ボルト、ネジ等を取付孔102に挿通して壁面に締め付けることで壁面に固定される。
【0019】
ボディ取付部1Aにおいて、開口部1aが、後述するセンサ窓101を形成するために設けられている。開口部1aは、厚み方向に貫通しており、側板11の幅方向に長い長方形を成すように形成されている。
【0020】
なお、アーム1は、支柱又は壁面に取り付けられる構造となっているが、それには限定されない。例えば、アーム1は、支柱と一体となって形成されるようなものであってもよい。このように構成されるアーム1は地上に設置される。
【0021】
<ボディ2>
ボディ2は、後述するLED基板4、レンズユニット6及び電源ユニット7が取り付けられるベースとして設けられている。ボディ2は、アーム1におけるボディ取付部1Aに接するように配置されている。ボディ2におけるアーム1とLED基板4との間の部分は、熱伝導性を高めるために薄く形成されていることが好ましい。
【0022】
ボディ2は、絶縁材料、例えばポリカーボネートなどの樹脂材料から形成された箱形の樹脂成形品であり、その一面(内面)が開放されている。ボディ2は、全体が矩形状を成す主部20を有している。主部20は、全体が長方形を成しており、外壁21と、内壁22と、凹部25と、凸部26とを含んで構成されている。
【0023】
図4の(c)にも示すように、外壁21は、後述する凹部25の開放部分を除いて主部20の外側における全周に亘り、主部20の外側の上端面から立ち下がるように形成されている。一方、内壁22は、後述する凹部25の開放部分を除いて主部20の内側における全周に亘り、主部20の内側の上端面から立ち下がるように形成されている。外壁21の下端部と内壁22の下端部との間には、後述するカバー5の長凸部55が嵌合する嵌合溝210が形成されている。
【0024】
内壁22には、後述するカバー5をボディ2に取り付けるためのねじ孔221が設けられている。ねじ孔221は、アーム1の先端が主部20において配置される側の内壁22の端部に配置されている。ねじ孔221にカバー5の後述する取付孔510(
図5の(a)参照)を重ね合わせ、取付ねじ(図示せず)で締め付けることにより、カバー5がボディ2に固定される。
【0025】
凹部25は、主部20の外面に、主部20の内面側に窪んで形成されている。また、凹部25は、アーム1のボディ取付部1Aが嵌まる形状およびサイズを有している。凹部25の長手方向の一端は、アーム1のボディ取付部1Aの先端が当接する壁面を有しており、当該壁面にアーム押さえ部110が設けられている。一方、凹部25の長手方向の他端は外側に通じるように開放されており、開放端を形成している。これにより、
図4の(a)および(b)に示すように、アーム1のボディ取付部1Aが凹部25内に配置される一方、アーム1の湾曲部および支柱取付部1Bが凹部25から突出する。
【0026】
図4の(c)に示すように、アーム押さえ部110(アーム保持部)は、凹部25の底面と対向する押さえ面110aを有している。凹部25の底面と押さえ面110aとの間は、アーム1の厚さより僅かに長い間隔をおいている。このような構造では、凹部25の底面と押さえ面110aとがアーム1の先端部を挟むように保持する。これにより、アーム1の先端部(先端及びその周辺部分)は、凹部25の底面と押さえ面110aとの間に差し込まれることで、アーム押さえ部110に保持される。
【0027】
凹部25の底面における開放端の付近には、突起部2aが設けられている。突起部2aは、アーム1の開口部1aに嵌合するように開口部1aと同形状(長方形)に形成されている。
図4(a)に示すように、突起部2aがアーム1の主板10から開口部1aを介して露出することで、センサ窓101が形成されている。すなわち、センサ窓101は、開口部1a及び突起部2aによって形成されている。センサ窓101は、ボディ2が透光性を有する材料で形成されることにより、外部から入射する光を透過して内部に取り込む。
【0028】
凸部26は、主部20の内面に凹部25を形成するために突出するように形成されている。
【0029】
凸部26には、ボディ2をアーム1に取り付けるためのボス260、261と、後述するカバー5をボディ2に取り付けるためのボス262とが設けられている。
【0030】
ボス260、261は、凸部26の長手方向の他端(凹部25の開放端側)に、凸部26の幅方向に間隔をおいて配置されている。各ボス260、261の内周面には、凹部25に開口する雌ねじが形成されている。ボス260、261にアーム1の取付孔100を重ね合わせ、取付ねじ(図示せず)で締め付けることにより、ボディ2がアーム1に先端部から離間した位置で固定される。なお、取付ねじの代わりに、接着剤により、アーム1をボディ2に固定してもよい。
【0031】
ボス262は、ボス260、261の間に配置されており、ボス262の内周面には、凸部26に開口する雌ねじが形成されている。ボス262にカバー5の後述する取付孔511(
図5の(a)参照)を重ね合わせ、取付ねじ(図示せず)で締め付けることにより、カバー5がボディ2に固定される。
【0032】
また、凸部26には、後述する電源ユニット7をボディ2に取り付けるためのボス263、264が設けられている。ボス263は、凸部26の長手方向の中央と突起部2aとの間に配置され、ボス264は、凸部26の長手方向に沿った一方の側壁部における突起部2aのほぼ側方に配置されている。ボス263、264の内周面には、ボス263、264の先端に開口する雌ねじが形成されている。ボス263、264を用いた電源ユニット7のボディ2への取り付けについては、後に詳しく説明する。
【0033】
さらに、凸部26には、後述するレンズユニット6をボディ2に取り付けるためのボス265〜268が設けられている。ボス265〜268は、凸部26の長手方向に沿った両方の側壁部に二つずつそれぞれ間隔をおいて配置されている。ボス265〜268を用いた電源ユニット7のボディ2への取り付けについては、後に詳しく説明する。
【0034】
<LED基板4>
LED基板4(基板)は、ボディ2の凸部26上に、凸部26と直接接するように配置されている。LED基板4の表面(実装面)には、複数のLED3(発光素子)が、LED基板4の長手方向に沿って一定の間隔を空けて実装されている。また、LED基板4の表面には、各LED3への給電路となる導体が印刷されている。LED基板4は、LED3が発する熱の伝導性を高めるために、放熱性を有する材料で形成されていることが好ましい。
【0035】
<レンズユニット6>
レンズユニット6は、各LED3が発する光の配光を決めるために設けられ、例えばポリカーボネートなどの樹脂材料から成る樹脂成形品である。レンズユニット6は、各LED3にそれぞれ対応する複数のレンズ61と、各レンズ61を一体に形成した長尺な取付板62とを有する。本実施形態では、各レンズ61は、取付板62の長手方向に沿って一定の間隔を空けて取付板62と一体に形成されている。
【0036】
取付板62の長辺側の一方の端縁には取付孔610、611が設けられ、取付板62の長辺側の他方の端縁には取付孔612、613が設けられている。この取付孔610、611、612、613は、取付板62の厚み方向に貫通するように形成されており、LED基板4を間において、レンズユニット6をボディ2に取付ねじ(図示せず)を用いて固定するために用いる。
【0037】
<カバー5>
カバー5は、LED基板4、レンズユニット6及び電源ユニット7が取り付けられたボディ2の内面を覆う被覆部材である。カバー5は、例えばアクリル樹脂などの透光性を有する樹脂材料から成る半筒状の樹脂成形品であり、その一面(内面)が開放されている。カバー5のボディ2との接合部分は、ボディ2の外形に沿うように長方形を成している。
【0038】
上記の接合部分となる周端縁には、その全周に亘って、ボディ2の嵌合溝210に嵌合するように突出した長凸部55が形成されている。カバー5でボディ2の解放面を塞ぐときに、長凸部55がボディ2の嵌合溝210に嵌合することで、ボディ2及びカバー5によって密閉された空間を形成することができる。
【0039】
図5の(a)に示すように、カバー5には、カバー5をボディ2に取り付けるための取付孔510、511が設けられている。取付孔510は、アーム1の先端部が配置される側の端部に形成され、取付孔511は、アーム1の湾曲部側の端部に形成されている。また、取付孔510、511は、カバー5の内面側と外面側との間で貫通するように形成されている。
【0040】
また、カバー5における取付孔511付近の底面には、カバー5内に溜まった水を排出するための排水孔5aが設けられている。排水孔5aは、カバー5の長手方向に沿って細長く形成されている。
【0041】
<電源ユニット7>
電源ユニット7は、電源基板72と、電源基板72を収納する電源ボックス下蓋72a(収納ボックス)及び電源ボックス上蓋72b(収納ボックス)とで構成されている。電源ユニット7は、ボディ2の凸部26上のボス260〜262側の端部付近に取り付けられている。電源ボックス上蓋72bに電源ボックス下蓋72aを覆い被せることで電源基板72を収納する筐体が形成される。
【0042】
電源ボックス上蓋72bには、ボスリング700と、係止片701とが設けられている。ボスリング700は、凸部26に設けられたボス263の外周壁に嵌まる環状の部分であり、電源ボックス上蓋72bの側壁部に形成されている。係止片701は、電源ボックス上蓋72bの上端面から開口部に向いた方形状を成す小片を二つ含んでおり、電源ボックス上蓋72bの対向する側壁部に一つずつ形成されている。
【0043】
一方、電源ボックス下蓋72aには、取付孔702、703と、スリット704とが設けられている。
図5の(a)及び(b)に示すように、取付孔703は、電源ボックス下蓋72aにおけるボス260〜262側に向く外壁部に形成され、取付孔702は、取付孔703が形成された外壁部と対向する外壁部に形成されている。スリット704は、係止片701に係止する切り込み部分であり、電源ボックス下蓋72aの対向する側壁部に一つずつ形成されている。
【0044】
電源ボックス下蓋72aは、スリット704を係止片701に係止させるように電源ボックス上蓋72bに被せられることで、電源ボックス上蓋72bとずれること無く組み合わされる。また、ボスリング700が凸部26のボス263に嵌められることで、電源ボックス上蓋72bが凸部26上で位置決めされる。そして、電源ボックス下蓋72aのボス263、264をそれぞれ取付孔702、703と重ね合わせ、取付ねじ(図示せず)で締め付けることにより、電源ユニット7がボディ2に固定される。
【0045】
また、電源基板72は、
図5の(b)及び(c)に示すように、点灯回路70と、光センサ71とが実装されている。
【0046】
光センサ71は、センサ窓101を介して電源ユニット7の内部に導かれた自然光を感知し、受光量と比例する電流値を出力する。光センサ71は、自然光を受けるように、電源ボックス下蓋72a及び電源ボックス上蓋72bに形成された開口の近傍に配置されている。
【0047】
点灯回路70は、各LED3に電力を供給する電源として機能する電源部と、光センサ71の検出出力に応じて発光(点灯)を制御する制御部とを含む回路である。点灯回路70は、例えば、電源部として、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換する従来周知のAC/DCコンバータを備える。
【0048】
点灯回路70は、光センサ71の受光量と比例する電流値が閾値を下回っているときにLED3に電力を供給する。一方、点灯回路70は、光センサ71からの受光量が多く、その電流値が闘値以上であるときには、各LED3に電力を供給しない。これにより、照明器具300は、例えば日が暮れて辺りが暗くなると自動的に各LED3が点灯し、日が昇って辺りが明るくなると自動的に各LED3が消灯する。
【0049】
<反射構造の詳細>
ここでは、センサ窓101から取り込まれた光を光センサ71へ導く反射構造について説明する。
【0050】
図6は、
図1に示される照明器具300の電源ユニット7周辺の構成を示す図であって、(a)はカバーと上記電源ユニットの電源ボックス下蓋とを外した状態の下面図であり、(b)はアーム側から見た上面図であり、(c)は(b)のC−C線矢視断面図である。
図7の(a)は電源ボックス下蓋72aの内面の構造を示す図であり、(b)は電源ボックス下蓋72aの外面の構造を示す図である。
図8は、
図1に示される照明器具300の電源ユニット7周辺の構成を示す図であって、(a)は電源ボックス下蓋72aを電源ボックス上蓋72bに取り付ける前の状態を示す斜視図であり、(b)は電源ボックス下蓋72aを電源ボックス上蓋72bに取り付けた後の状態を示す斜視図である。
図9の(a)は、
図1に示される照明器具300の電源ユニット7を含む部分の断面図であり、(b)は(a)に示される光センサ71周辺の要部の拡大図である。
【0051】
光センサ71は、
図6の(a)に示すように、電源基板72上に設けられており、電源基板72は電源ボックス上蓋72b内に格納されている。また、光センサ71は、電源ボックス上蓋72bの側壁部近傍における、センサ窓101及びボス260、261、262と近接する位置に配置されている。
【0052】
センサ窓101は、
図6の(b)に示すように、ボディ2の一部が突起して形成された突起部2aとアーム1に形成された開口部1aとが嵌合して形成されている。ボディ2は透光性を有するため、照明器具300の周囲の光はボディ2の突起部2aを透過する。これにより、照明器具300の周囲の光は、センサ窓101を透過して、照明器具300の内部へと進入することができる。
【0053】
電源ユニット7は、
図7の(a)及び(b)に示すように、後述する反射部80を備えている。反射部80は、センサ窓101に近接した、電源ボックス下蓋72aの外壁面及び電源ボックス上蓋72bの内壁面によって形成されている。また、反射部80は、電源ボックス下蓋72aを電源ボックス上蓋72bに被せた状態で、電源ボックス上蓋72bの光センサ71側の側壁部との間に空間を形成するように当該側壁部に対して張り出して形成されている。
【0054】
反射部80は、電源ボックス下蓋72aを電源ボックス上蓋72bに被せた状態で、
図8の(a)及び(b)に示すように、センサ窓101から取り込んだ光が当たる位置にある。また、光センサ71及び電源基板72は、電源ボックス下蓋72a及び電源ボックス上蓋72bによって覆われ、電源ユニット7を形成する。
【0055】
反射部80は、
図9の(b)に示すように、第1反射部81と、第2反射部82と、第3反射部83とを含んでいる。
【0056】
第1反射部81は、電源ボックス下蓋72aの底面と略平行な面であり、センサ窓101と対向している。第2反射部82は、ボス260、261側にある面であって、センサ窓101に対して鋭角に傾斜している。第3反射部83は、第2反射部82と向かい合う電源ボックス上蓋72bの外壁面であって、第1反射部81及びセンサ窓101に対して略垂直な面である。また、反射部80によって反射された光が光センサ71へ入射するように、第3反射部83と、第1反射部81との間は開口している。
【0057】
なお、電源ボックス下蓋72aにおいて、第1反射部81、第2反射部82及び第3反射部83と隣接し、且つ、互いに対向する二つの内壁面もセンサ窓101から取り込まれた光を反射することができるので、反射部80を構成していると言える。但し、これらの内壁面は、光センサ71の側方に位置するために、光センサ71に反射させることができる光量は、第1反射部81、第2反射部82及び第3反射部83が反射できる光量よりも少ない。
【0058】
センサ窓101から取り込んだ光は、入射角に応じて、反射部80における第1反射部81、第2反射部82及び第3反射部83を含む全ての反射部のうち少なくとも一つにて反射されて光センサ71へと導かれる。
【0059】
例えば、センサ窓101から取り込まれた光は、第1反射部81にて反射され、
図9の(b)に実線にて示す光路Aで光センサ71へ導かれる。または、センサ窓101から取り込まれた光は、第2反射部82にて反射され、
図9の(b)に一点鎖線にて示す光路Bで光センサ71へ導かれる。もしくは、センサ窓101から取り込まれた光は、第3反射部83にて反射され、第2反射部82、第1反射部81の順に反射されて、
図9の(c)に破線にて示す光路Cで光センサ71へ導かれる。
【0060】
反射部80を構成する面は、光センサ71へとより効率的に光を導くために、光の反射率が高い構造となっていることが好ましい。例えば、反射部80を構成する面は、銀等のメッキや、炭酸マグネシウム等の高反射率材料による、反射膜が形成されていることが好ましい。
【0061】
なお、本実施形態では反射部80により光を光センサ71へと導いているが、他の導光部材を用いてもよい。例えば、センサ窓から取り入れた光を、管壁が反射材料からなる導光チューブや、複数のミラーによる反射によって光センサ71へと導いてもよい。
【0062】
特許文献1及び2に記載された構造では、光取込部と光センサとが近接しているので、電源と光センサを一体に収納したケースを用いて照明器具を作製する場合に、該ケースの配置位置は光取込部の配置位置によって決まる。これに対して、本実施形態の照明器具は、センサ窓101と光センサ71とは近接する必要がないため、電源ユニット7の配置位置に制限がなく、照明装置のレイアウトに制約がない。従って、照明装置の設計の自由度を向上させることができる。
【0063】
また、電源基板72と光センサ71とを共に収納した電源ユニット7を用いて照明器具を作製する場合に、電源ユニット7の配置が周囲の光を取り入れるセンサ窓101と光センサ71とが近接していない配置であっても、反射部80によって光を反射させ光センサ71へと光を導くことにより、光センサ71へと効率良く光を取り入れることができる。
【0064】
電源ユニット7の筐体を形成する電源ボックス下蓋72a及び/又は電源ボックス上蓋72bは、透光性を有する材料からなっていてもよい。
【0065】
透光性を有する物質としては、例えば、アクリル樹脂等が挙げられる。それにより、例えば、センサ窓101に埃、雪、ゴミ等が付着して、周囲の光がセンサ窓101からうまく取り込まれない場合であっても、周囲の光が電源ボックス下蓋72a又は電源ボックス上蓋72bを透過して光センサ71へと入ることができる。従って、日が昇り、照明器具の周囲が明るくなった場合には、電源ボックス下蓋72a又は電源ボックス上蓋72bを透過した光が光センサ71に入り、確実に照明器具を消灯することができる。
【0066】
上記のように構成される電源ボックス下蓋72a及び/又は電源ボックス上蓋72bは、一部が遮光部となっていてもよい。具体的には、照明器具の点灯時において、LED3からの迷光が光センサ71へと入り、光センサ71が誤動作することを防止するために、照明器具200における電源ボックス下蓋72a及び/又は電源ボックス上蓋72bのLED基板4側の部分は遮光されていることが好ましい。
【0067】
遮光は、遮光すべき部分に黒等に着色してもよいし、金属箔等の遮光膜を貼り付けてもよい。あるいは、電源ボックス下蓋72a及び/又は電源ボックス上蓋72bを透光性を有する材料と透光性を有しない材質とを組み合わせて作製し、透光性を有しない材料によって遮光部を形成してもよい。
【0068】
これにより、照明器具の点灯時において、発光素子からの迷光が光センサ71へと入り、光センサ71が誤動作することを防止することができる。
【0069】
〔変形例〕
本実施形態の変形例について、
図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0070】
本変形例では、
図6の(b)及び(c)に示すように、センサ窓101は、アーム1に形成された開口部1aと、ボディ2の一部が突起して形成された突起部2aとを嵌合して成ることに加えて、開口部1aから露出する突起部2aの表面が、アーム1の表面と同一の平面を形成している。
【0071】
すなわち、突起部2aが開口部1aに嵌合した状態において、突起部2aの表面とアーム1の表面とは同一平面を形成するので、ほぼ平坦となる。これにより、センサ窓101に埃、雪、ゴミ等が堆積することを防止できるので、センサ窓101を透過する光が減少することによる光センサ71の誤動作が減少する。
【0072】
ここで、突起部2aが開口部1aに嵌合した状態において、突起部2aと開口部1aとの間に隙間が無いことが好ましい。隙間が無いことによって、隙間部に引っかかったゴミ等がセンサ窓101を覆うことや、隙間部への雨水等の貯留によるアーム1の腐食が防止できる。
【0073】
また、突起部2aの表面は、突起部2aと開口部1aとが嵌合した状態において、例えば、
図10に示すように、アーム1の表面に対して突出していても構わない。突起部2aがアーム1の表面に対して凸形状となることで、ゴミ等の堆積を防止することができる。
図10の(a)は
図1に示される照明器具のセンサ窓を含む部分の構成を示す上面図であり、
図10の(b)は
図10の(a)のD−D線矢視断面図であり、
図10の(c)は
図10の(a)のE−E線矢視断面図である。また、
図11の(a)は
図1に示される照明器具のセンサ窓を含む部分の他の構成を示す上面図であり、
図11の(b)は
図11の(a)のF−F線矢視断面図であり、
図11の(c)は
図11の(a)のG−G線矢視断面図である。
【0074】
図10の(a)〜(c)に示す構成では、突起部2aがアーム1の表面に対して突出している。また、突起部2aの上端面は、
図10の(c)に示すように、アーム1の長手方向(E−E線方向)に沿った断面が湾曲形状となるように形成されている。
【0075】
あるいは、
図11の(a)〜(c)に示す構成では、アーム1の表面と同一の平面を形成している突起部2aの上に、アーム1の表面及び突起部2aに対して隆起する隆起部2bが設けられていても構わない。隆起部2bは、半球状に隆起する部分であり、突起部2aの上端面のほぼ中央に形成されている。
【0076】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、
図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0077】
図12は、本発明の実施形態2に係る照明器具のカバー5の構成を示す図であって、(a)はカバー5における電源ユニット7を覆う部分を示す側面図であり、(b)はカバー5における電源ユニット7を覆う部分を示す上面図である。
【0078】
本実施形態は、実施形態1及び2に係る照明器具300、400に適用されるものであり、
図12の(a)及び(b)に示すように、カバー5における電源ユニット7を覆う電源ユニット被覆部50の内面に、縞状溝部51、52と、排水溝53、54とが設けられている。
【0079】
図12の(b)に示すように、排水溝53(水路)は、電源ユニット被覆部50における両方の内側の側面(内側面)の下端部にそれぞれ沿うように一本ずつ形成されている。排水溝54(水路)は、その両端がそれぞれの排水溝53の一端側とつながり、且つ電源ユニット被覆部50の端部に沿うように形成されている。排水溝53における排水溝54側の端部には、それぞれ排水孔5aが形成されている。
【0080】
図12の(a)に示すように、縞状溝部51は、電源ユニット被覆部50における内側面に開口部から底面に亘って直線状に伸びるように形成された複数の溝から構成されている。縞状溝部52は、電源ユニット被覆部50の内側の底面における排水溝53、54の内側の領域(排水溝53、54が設けられていない領域)に、両内側面の間で直線状に伸びるように形成された複数の溝から構成されている。
【0081】
なお、縞状溝部51、52は、電源ユニット被覆部50の内側面だけでなく、外側面に形成されていてもよい。
【0082】
上記のように構成されるカバー5は、電源ユニット被覆部50の少なくとも内面に縞状溝部51、52が形成されている。これにより、縞状溝部51、52が縞状の凹凸を形成することから、電源ユニット被覆部50内に虫、埃等の異物が侵入しても、外側から見えにくくすることができる。また、電源ユニット7への光の入射が縞状溝部51、52によって抑制されるので、電源ユニット7の劣化を防ぐことができる。
【0083】
また、照明器具300、400は、屋外に設置されることから、経年変化で生じたボディ2とカバー5との間に生じた隙間から内部に水が侵入したり、内部と外部との温度差によって内部に結露が生じたりすることで、内部に水が溜まることがある。これに対し、カバー5は、電源ユニット被覆部50の内底面における、縞状溝部52が設けられていない領域に、排水溝53、54が形成されている。また、照明器具300、400は、先端部が上に位置する一方、電源ユニット被覆部50が下に位置するように傾斜して設置される。これにより、排水溝53、54が、水の流れる経路を確保するための水の通り道となって、カバー5内の水を集めることができる。そして、排水孔5aが、排水溝53、54によって集められた水を外部に排出する。従って、照明器具300、400の内部に溜まった水を効率良く排出することができる。
【0084】
なお、排水孔5aは、排水溝53のみに形成されているが、排水溝54にも形成されていてもよい。これにより、排水溝53の排水孔5aで排出しきれずに排水溝54に流れ込んだ水を、排水溝54の排水孔5aから排出することができる。従って、照明器具300、400の内部に溜まった水をより効率良く排出することができる。
【0085】
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、
図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1及び2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0086】
図13は、
図1に示される照明器具300の電源ユニット7周辺の構成を示す図であって、(a)はカバー5をボディ2に取り付けた状態の斜視図であり、(b)は電源ユニット7からカバー5への水の滴下をカバー5を外した状態で示す斜視図であり、(c)はカバー5を外した状態の斜視図である。
【0087】
本実施の形態の照明器具も、基本的には、実施形態1及び2の照明器具と同様に構成されている。本実施形態では、
図13の(b)及び(c)に示されるように、電源ユニット7を形成する電源ボックス下蓋72aに配線止め部90が設けられている。配線止め部90は、電源ボックス下蓋72aの反射部80が形成される内壁部に対する外壁部から外部に突出して形成された板状の形状を有している。アーム1とボディ2と電源ユニット7とを取り付けた状態において、配線ケーブル91が、アーム1の湾曲部に沿って配され、ボディ2及びカバー5の接合部分に形成された孔を通じて電源ユニット7の方へと延びている。配線ケーブル91は、電源ユニット7への途中で、配線止め部90にて曲げられ、その後、電源ユニット7の内部に入る。ここで、配線止め部90において、配線ケーブル91は、ボディ2と反対側、すなわちカバー5側へと凸形状となるように曲げられることで、電源ユニット7に対して動きを規制するように止められている。
【0088】
また、カバー5には、排水孔5aが設けられている。排水孔5aは、カバー5を装着した照明器具を支柱等に取り付けた際に、アーム1を除く照明器具の最下端となるような位置に設けられている。
【0089】
配線止め部90は水トラップを兼ねており、水を貯める。配線止め部90に貯留された水は、配線ケーブル91が凸形状に曲げられた部分から、カバー5へと滴下される。滴下した水は、カバー5に形成された排水孔5aによって、照明器具の外部へと排出される。これにより、電源ユニット7への水の浸入を防ぐことができる。
【0090】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る照明器具は、発光素子と、光を取り込む光取込部(センサ窓101)と、前記光取込部から取り込まれた光に基づいて周囲の明るさを感知する光センサ71と、前記光センサ71が感知した周囲の明るさを基に、前記発光素子(LED3)の点灯を制御する点灯回路70と、前記光センサ71及び前記点灯回路70を収納する収納ボックス(電源ユニット7)とを備え、前記収納ボックスは、前記光取込部から取り込まれた光を前記光センサ71へ反射させる反射部80を有している。
【0091】
上記の構成によれば、電源と光センサ71とを共に収納した収納ボックスを用いて照明器具を作製する場合に、光取込部と光センサ71とは近接する必要が無い。そのため、光取込部に対する光センサ71及び点灯回路70の収納ボックスにおけるレイアウトの制約が緩和される。従って、照明器具の設計の自由度を向上させることができる。また、反射部80によって光を反射させ光センサ71へと光を導くことにより、光センサ71へと効率良く光を取り込むことができる。
【0092】
本発明の態様2に係る照明器具は、上記態様1において、前記収納ボックスが、透光性を有していても良い。
【0093】
上記の構成によれば、例えば、光取込部に埃、雪、ゴミ等が付着して、光が光取込部から十分取り込まれない場合であっても、光が収納ボックスを透過して光センサ71へと到達することができる。従って、日が昇り、照明器具の周囲が明るくなった場合には、収納ボックスを透過した光が光センサ71に入り、確実に照明器具を消灯することができる。
【0094】
本発明の態様3に係る照明器具は、上記態様1又は2において、前記発光素子及び前記収納ボックスが取り付けられ、絶縁材料からなるボディ2と、前記ボディ2を支持するアーム1とを、さらに備え、前記アーム1は開口部1aを有し、前記ボディ2は突起部2aを有し、前記光取込部は、前記突起部2aが前記開口部1aに嵌合されてなり、前記突起部2aの表面は、前記アーム1の表面と同一の平面を形成するか、又は前記アーム1の表面に対して突出していてもよい。
【0095】
上記の構成によれば、突起部2aが、開口部1aに嵌合した状態において、突起部2aの表面とアーム1の表面とは同一平面上にあり、ほぼ平坦となるか、又は突起部2aの表面がアーム1の表面に対して突出している。これにより、光取込部に埃、雪、ゴミ等が堆積することを防止できるので、光取込部を透過する光が減少することによる光センサ71の誤動作が減少する。
【0096】
本発明の態様4に係る照明器具は、上記態様1から3において、前記収納ボックスを覆うカバー5をさらに備え、前記カバー5が、少なくとも前記収納ボックスを覆う部分の内面に縞状の凹凸が設けられていてもよい。
【0097】
上記の構成によれば、収納ボックスを覆う部分の内部に、虫、埃等の異物が侵入しても、外側から見えにくくすることができる。また、収納ボックスへの光の入射が縞状溝部51、52によって抑制されるので、収納ボックスに収納された光センサ71及び点灯回路70の劣化を防ぐことができる。
【0098】
本発明の態様5に係る照明器具は、上記態様4において、前記カバー5が、前記カバー5の内面で水が流れ込む水路(排水溝53、54)と、前記水路に流れ込む水を外部に排出する排水孔5aとを有していてもよい。
【0099】
上記の構成によれば、カバー5内の水が水路に流れ込むことにより、排水孔5aが、水路に流れ込んだ水を外部に排出する。これにより、照明器具の内部に溜まった水を効率良く排出することができる。
【0100】
本発明の態様6に係る照明器具は、上記態様1において、前記収納ボックスを覆うカバーと、外部から前記収納ボックスへと配置された配線ケーブル91と、前記収納ボックスに設けられ、前記配線ケーブル91を止める配線止め部90とを、さらに備え、前記配線ケーブル91は、前記カバー5側へ凸形状となるように前記配線止め部90に止められており、前記カバー5が前記カバー5の内面に流れる水を排出する排水孔5aを有していてもよい。
【0101】
上記の構成によれば、配線止め部90に貯留された水は、配線ケーブル91を伝って配線ケーブル91が凸形状に曲げられた部分から、カバー5へと滴下される。滴下した水は、カバー5に形成された排水孔5aによって、照明器具の外部へと排出される。これにより、収納ボックスへの水の浸入を防ぐことができる。
【0102】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。