(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1が開示する技術では、MTF補正を行わないとしても、AGC回路により入力信号を最大レベルまで増幅するため、ノイズによるチカチカ感を十分に除去できないという問題がある。
【0006】
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、暗所で撮像した画像データをノイズ感の少ない画像データに補正可能な、撮像装置、撮像方法(例えば、画像処理方法)やプログラムを提供することを目的とする。
本発明の撮像装置等は、例えば、暗所における被写体の撮像を目的としているものである。暗所における被写体の撮像は、例えば、監視カメラとしての撮像、車載用などの乗物用カメラとしての撮像(夜間における車道の車線確認や白線確認や歩行者確認や障害物確認、電車の夜間走行時の線路確認や障害物確認など)が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、
撮像処理により画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データ生成手段が出力した画像データが表す画像中の輪郭線を強調するように、画像データの輪郭線に該当する画素の輝度値を補正パラメータを用いて補正する強調補正手段と、
この撮像装置の周囲の照度が低いほど、前記輪郭線を強調する程度を下げるように、前記補正パラメータを制御する補正制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記画像データ生成手段は、画像データを増幅する自動増幅度制御回路を備え、
前記補正制御手段は前記自動増幅度制御回路の増幅度に従って、前記補正パラメータを制御してもよい。
【0009】
また、撮像装置の周囲の照度を示す照度情報を取得する照度取得手段を備え、
前記補正制御手段は、前記照度取得手段が取得した照度情報が示す照度に従って、前記補正パラメータを制御してもよい。
【0010】
また、前記強調補正手段が出力した画像データの輝度値が閾値以下である画素の輝度値を0とする補正処理を行う出力補正手段をさらに備えてもよい。
【0011】
また、前記補正制御手段は、前記強調補正手段が出力した画像データの輝度値を小さくするように補正してもよい。
【0012】
また、前記補正制御手段は、撮像装置の周囲の照度情報に基づいて、周囲の照度が低いほど前記出力補正手段が出力する画像データの輝度値の最大値を低くするように制御してもよい。
【0013】
また、前記補正制御手段は、撮像装置の周囲の照度情報に基づいて、周囲の照度が低いほど前記出力補正手段が出力する画像データの輝度値を0とする閾値を高くするように制御してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、暗所で撮像した画像データをノイズ感の少ない画像データに補正可能な、撮像装置、撮像方法(例えば、画像処理方法)やプログラムを提供することができる。
【0015】
また、本発明によれば、撮像した画像データをハレーション感やチカチカ感を抑制したノイズ感の少ない画像に補正することができる。
【0016】
自動増幅度制御回路の増幅度に従って、前記補正パラメータを制御することにより、よりノイズ感の少ない画像を得ることができる。
【0017】
照度取得手段が取得した照度情報が示す照度に従って、前記補正パラメータを制御することにより、よりノイズ感の少ない画像を得ることができる。
【0018】
強調補正手段が出力した画像データの輝度値が閾値以下である画素の輝度値を0とする補正処理を行うことにより、より引き締まった印象を与える画像に補正することができる。
【0019】
強調補正手段が出力した画像データの輝度値を小さくするように補正することにより、よりハレーション感やチカチカ感を抑制したノイズ感の少ない画像に補正することができる。
【0020】
周囲の照度が低いほど前記出力補正手段が出力する画像データの輝度値の最大値を低くするように制御することにより、よりノイズ感の少ない画像を得ることができる。
【0021】
周囲の照度が低いほど前記出力補正手段が出力する画像データの輝度値を0とする閾値を高くするように制御することにより、より引き締まった印象を与える画像に補正することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係る撮像装置と撮像方法(例えば、画像処理方法)について、図面を参照しながら説明する。なお、図面中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0024】
(実施形態1)
まず、実施形態1に係る撮像装置と撮像方法について、
図1〜
図8を参照して説明する。
本実施形態に係る撮像装置100は、低照度時のノイズを抑制する機能を有し、
図1に示すように、画像データ生成部110と、操作部120と、表示部130と、外部I/F(Interface)140と、記憶部150と、制御部160と、から構成される。
【0025】
画像データ生成部110は、被写体のデジタル画像データを出力する。画像データ生成部110の詳細は
図2を参照して後述する。
操作部120は、スイッチなどの機構部品、タッチパネルから構成され、指示、データ等を入力する。
表示部130は、液晶ディスプレイなどから構成され、画像を表示する。
外部I/F140は、パーソナルコンピュータ、外部ディスプレイなどの外部装置に接続するためのインターフェイスである。
記憶部150は、フラッシュメモリなどから構成され、撮像した画像データなどを記憶する。
【0026】
制御部160は、ROM(Read Only Memory)161と、RAM(Random Access Memory)162と、CPU(Central Processing Unit)163と、を備える。ROM161は、撮像処理及び補正処理を行うための制御プログラムを格納する。制御プログラムは、後述するベイヤー補完処理、シャープ補正処理、ガンマ補正処理を行うための処理プログラムを含む。RAM162は、CPU163のワークエリアとして機能する。CPU163は、ROM161に格納されている制御プログラムを実行することにより、画像データ生成部110が出力する画像データを処理する。処理の詳細については後述する。
【0027】
画像データ生成部110は、
図2に示すように、光学系素子部111と、撮像素子部112と、AGC回路部113と、A/D変換部114と、を備える。
【0028】
光学系素子部111は、レンズ群などから構成され、光学像を撮像素子部112の撮像面に結像する。
撮像素子部112は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子から構成され、撮像面に結像された画像をアナログ画像信号に変換する。
【0029】
AGC(Auto Gain Control)回路部113は、撮像した画像が所定の明るさになるように、ゲインを調整しつつアナログ画像信号を増幅する。具体的には、暗所で撮像した画像は高いゲインで、明るい場所で撮像した画像は低いゲインで増幅する。
【0030】
A/D(Analog to Digital)変換部114は、AGC回路部113から出力されたアナログ画像信号を8ビットのデジタル画像データに変換する。
【0031】
次に、
図1に示す制御部160の機能を
図2を参照して説明する。
制御部160は、画像データ生成部110が出力した画像データを表示部130に表示した際に、撮像対象の輪郭を見やすくするとともに、画像のチカチカ感などのノイズ感を少なくするように画像データを補正処理する。その処理を行うために、制御部160は、機能的に、ベイヤー補完部201と、シャープ補正部202と、ガンマ補正部203と、補正制御部204と、を備える。
【0032】
ベイヤー補完部201は、撮像素子部112の1素子がR(Red)、G(Green)、B(Blue)の1色輝度のデータしか出力しないため、足りない色の輝度データを周囲の画素の輝度データから補完するベイヤー補完処理を行う。例えば、撮像素子部112の画素が、
図3(a)に示す色配置であるとすると、例えば、「G
32」の画素は、緑の輝度情報のみを有し、赤や青に関する輝度情報を有していない。そこで、ベイヤー補完部201は、
図3(b)に示す近隣の画素の輝度データを用いて、「G
32」の位置での赤の輝度情報「R’
32」と青の輝度情報「B’
32」を、例えば、式(1)と(2)により求める。
R’
32=(R
31+R
33)/2 ・・・(1)
B’
32=(B
22+B
42)/2 ・・・(2)
【0033】
ベイヤー補完部201は、同様の処理を全画素に施し、赤、緑、青の画像データを生成する。
【0034】
図2に戻って、シャープ補正部202は、画像の輪郭線(エッジ)を抽出し、輪郭線を際立たせる(強調する)シャープ処理(強調処理)を行う。輪郭線抽出処理方法としては、Sobel法、Roberts法、Prewitt法などが知られている。シャープ補正部202は、これらの手法をR、G、Bの各画像データに適用し、輪郭線に該当する画素を特定する。次に、シャープ補正部202は、特定した輪郭線に該当する画素の輝度値を補正することによって、輪郭線を際立たせる処理を行う。例えば、シャープ補正部202は、
図4(b)に例示する3×3の補正用フィルタを、R、G、Bの画像データ中の輪郭線に該当する画素に適用することにより、輪郭線を強調したR、G、Bの画像データを生成する。例えば、処理対象の画素が、
図4(a)に示す画像データ中の画素X
22であると仮定すると、式(3)により画素X
22の補正後の輝度値X’
22を求め、求めた輝度値X’
22を画素値とする画像を生成する。
X’
22=Σ(A
ij×X
ij) ・・・(3)
i=1〜3、j=1〜3
【0035】
補正制御部204は、暗所で撮像された暗い画像で、AGC回路部113のゲインが非常に高くなった場合でも、ノイズによるチカチカ感が生じず、明るい場所で撮像された明るい画像で、AGC回路部113のゲインが小さい場合でも、ハレーション感が生じないように、補正用フィルタの各パラメータを設定する。
本実施形態では、一例として、
図4(c)に例示するように、輪郭線に該当する画素A
22以外の画素の補正パラメータを−1に固定し、A
22の画素の補正パラメータ値YをAGC回路部113のゲイン(被写体の照度)により、
図4(d)に示すように制御する。
【0036】
より具体的には、補正制御部204は、
図4(d)に示すように、AGC回路部113のゲイン(増幅度情報)に基づいて、AGC回路部113のゲインが大きいほど小さくなって輪郭を強調する程度が小さくなり、ゲインが小さいほど大きくなって輪郭を強調する程度が大きくなるように補正パラメータYを制御する。すなわち、周囲が暗いほど(被写体の照度が低いほど)、輪郭線に該当する画素を強調する程度が小さく、周囲が明るいほど(被写体の照度が高いほど)、輪郭線に該当する画素を強調する程度が大きくなるように、補正パラメータYを制御する。
【0037】
暗所における撮像では、AGC回路部113のゲインが高くなり、ノイズ成分も強調されてしまう。さらに、周囲との輝度差が小さいので、輪郭線の誤判定の可能性が高くなる。この条件のもとで補正パラメータYを大きくすると、輪郭線であると誤判定をした画素も強調されるためにノイズ感が増し、観察者が受ける違和感が大きくなる。そこで、仮に誤判定をした場合でも、画像全体として違和感を与えないようにするために、周囲が暗いほど輪郭線に該当する画素を強調しないように補正パラメータYを制御する。
【0038】
また、照度が第1の基準値より低い場合と、第1の基準値より高い第2の基準値より高い場合に、補正パラメータYを変更せずに維持することにより、過度の補正が抑えられる。これにより、観察者に与える違和感を抑えることができる。
なお、以上の説明では、輪郭線を全て検出した後に輪郭線を強調する処理を行うように説明したが、輪郭線の検出と輪郭線の強調補正とを並行して処理してもよい。
【0039】
図2に戻って、ガンマ補正部203は、表示するディスプレイ等の特性によって発色特性にバラツキが生じないように、シャープ補正部202が出力した画像データを補正する。さらに、ガンマ補正部203は、暗所で撮像した画像データでもノイズ感の少ない画像となるように画像データを補正する。詳細について
図5を用いて説明する。
【0040】
通常のガンマ補正では、ディスプレイ等の非線形性を補正するため、
図5に一点鎖線320で示すように、入力値に対する出力値が、0から徐々に立ち上がって、最大値が255(8ビット)となる変換特性を用いる。
【0041】
これに対し、ガンマ補正部203は、入力データの値が所定の閾値以下である場合には、出力を0とし、さらに、出力データの値に上限値が設定された変換特性を用いる。具体的には、
図5に示すように、入出力変換特性に、カット領域330と制限領域340が設定される。カット領域330は、その上限値を閾値として、閾値以下の入力データに対する出力データを全て0とする領域である。また、制限領域340は、出力データの値が、制限領域340の下限値以下に設定される領域である。カット領域330の上限値(閾値)及び制限領域340の下限値は、表示部130の動作特性によって調整される値であり、実験等により予め決める。本実施形態では、閾値を20とし、制限領域340の下限値を230とする。この閾値と下限値を満たす
図5に実線で示す変換特性曲線310に対応する変換テーブル(LUT:Look Up Table)205が作成され、予め、記憶部150に格納される。なお、LUT205は、RGBのそれぞれについて作成される。ガンマ補正部203は、LUT205を記憶部150から読み出し、シャープ補正部202から出力された画像データの輝度値をLUT205に適用して変換し、表示部130に供給する。
【0042】
LUT205の例を
図6に示す。ガンマ補正部203は、シャープ補正部202から取得した画像データの輝度値を、このLUT205を用いて、0から20までの輝度値は一律に出力輝度値を0に変換し、且つ、輝度値が最大でも230となるように変換する。
【0043】
補正制御部204は、前述したように、AGC回路部113の増幅度情報に基づいて、シャープ補正部202が輪郭線に該当する画素の輝度を強調するために使用する補正パラメータを制御する。補正制御部204は、AGC回路部113のゲインが高いほど(周囲の照度が低いほど)、輪郭線を強調する程度が低くなるように、補正パラメータYを制御する。
【0044】
次に、上記構成を有する撮像装置100の撮像処理及び補正処理を、
図7を参照して説明する。
ユーザの操作部120を介した指示に応答し、制御部160は、撮像素子部112に撮像を指示する。これにより、
図7に示す撮像処理が開始する。
【0045】
処理を開始すると、まず、撮像素子部112は、光学系素子部111を介して入力された光学画像を、アナログ画像信号に変換し、出力する(ステップS10)。AGC回路部113は、出力されたアナログ画像信号を、平均輝度が所定のレベルになるようにゲインを調整して増幅する(ステップS11)。この時、AGC回路部113はゲインを制御部160の補正制御部204に通知する。なお、ゲインを、画像全体の平均輝度値ではなく、画像の中央部分や、フォーカスされている部分の輝度に基づいて調整することが望ましい。
【0046】
A/D変換部114は、AGC回路部113からの増幅されたアナログ画像信号をデジタル画像データに変換する(ステップS12)。本実施形態では、8ビットのA/D変換器を使用するので、0から255の8ビットのデジタルの画像データに変換する。
【0047】
ベイヤー補完部201は、デジタル画像データをベイヤー補完処理し(ステップS13)、RGB3色の画像データを生成する。
【0048】
シャープ補正部202は、
図4を用いて前述したように、AGC回路部113のゲインに基づいて、画像データ中の輪郭線を際立たせる補正処理を行う(ステップS14)。具体的には、補正制御部204は、ステップS11でAGC回路部113から通知された増幅度に従って、
図4(c)に示す補正フィルタの補正パラメータYの値を、
図4(d)に示すように制御する。シャープ補正部202は、その補正フィルタを使用して、輪郭線に該当する画素の輝度を、被写体の照度が高い程、輪郭がより際立つ(強調の程度が高い)ように画像データを補正する。
【0049】
次に、ガンマ処理部203は、シャープ補正処理が終わった画像データにガンマ補正処理を行う(ステップS15)。
図8に示すフローチャートを用いて、具体的に説明する。ガンマ補正部203には、
図5に示すカット領域330と制限領域340とが設定された変換特性曲線310に従って作成されたLUT205が記憶部150に格納されている。ガンマ補正部203は、LUT205を記憶部150から読み出し(ステップS21)、各画素の輝度値をLUT205に適用し、出力値を得る(ステップS22)。
これにより、入力した画像データのうち0から20まで輝度値は、一律に出力輝度値が0に変換され、且つ、輝度値が最大でも230となるように変換される。全ての画素につて変換処理が終了するまでステップS22の処理を継続し(ステップS23:No)、全ての画素の変換処理が完了するとガンマ補正処理は終了し(ステップS23:Yes)、
図7の処理に戻る。
【0050】
以上の処理で、本実施形態に係る撮像装置100における画像データの撮像処理が終了する(ステップS15)。
制御部160は、この最終画像データを表示部130に表示する。
【0051】
以上に説明したように、本実施形態に係る撮像装置100は、
図4(d)に示したように、周囲(被写体)の照度が高くなるほど輪郭線を強調する程度を強くし、照度が低くなるほど輪郭線を強調する程度を弱くするように補正パラメータを制御する。これにより、暗所での撮像時においてもノイズ感の少ない画像を得ることができる。
【0052】
また、照度が第1の基準値より低い場合と、第1の基準値より高い第2の基準値より高い場合に、補正パラメータを変更せずに維持することにより、過度の補正が抑えられる。これにより、違和感を与える画像が生成される事態を防止できる。
【0053】
また、ガンマ補正処理において、カット領域330を考慮した変換特性曲線310に基づく輝度の補正処理を行う。これにより、低輝度の画像が輝度0に補正され、エッジ効果により、引き締まった印象を与える画像に補正することができる。また、出力データの最大値を抑えた入出力変換特性に基づく輝度の補正を行うことにより、AGC回路部113のゲインが非常に高くなった場合でも、ハレーション感やチカチカ感を抑制し、ノイズ感の少ない画像を得ることができる。
【0054】
従って、暗所で撮像された画像であっても、ノイズが目立たず、また、観察者にチカチカ感を与えない画像が表示部130に表示される。
【0055】
(変形例1)
上記実施の形態においては、ガンマ補正部203は、RGB各色の画像データの輝度値が20以下の場合に、輝度値を0に補正した。この補正の場合、例えば、画像がRGB三原色の何れかに近い色の場合に、表示色が不自然になるおそれがある。この問題を避けるため、例えば、RGB3色の輝度値の平均が20以下となった画素について、その画素のRGB全ての輝度値を0に設定するようにしてもよい。
【0056】
(変形例2)
実施形態1では、AGC回路部113のゲインから、撮像装置の周囲の照度を間接的に求めた。
この発明は、これに限定されず、
図9に例示するように、画像データ生成部110内に照度取得部115を設け、照度取得部115で取得した照度からシャープ補正部202が補正に使用する補正パラメータYを制御するように構成してもよい。
【0057】
撮像装置の周囲の照度情報を得る方法として、撮像素子部112の出力を照度情報として使用することもできる。また、シャッタースピードやレンズの絞り情報など、撮像装置の周囲の照度と相関性がある情報に基づいて、シャープ補正部202における補正パラメータYを制御してもよい。
【0058】
(変形例3)
実施形態1では、ノイズによるチカチカ感を抑制するために、制限領域340の下限値を230(出力画像データの取り得る値の上限値を229)に固定した。制限領域340の下限値を固定すると、AGC回路部113のゲインが大きくない場合まで、輝度のダイナミックレンジを狭めてしまうことになる。そこで、制限領域340の下限値を周囲の照度(AGC回路部113のゲイン)に基づいて可変制御するようにしてもよい。
【0059】
例えば、暗所で撮像した場合、
図10(a)に示すように、AGC回路部113に入力される画像データには、輝度が低い領域350に分布する輝度データが圧倒的に多くなる。このため、暗所で撮像した画像データの平均輝度は低く、AGC回路部113は高いゲインで画像データを増幅する。
【0060】
従って、
図10(a)に示す輝度が低い領域350の輝度分布は、
図10(b)に示すように出力のダイナミックレンジのほぼ中央の領域351に変換される。一方、輝度が少し明るい領域360の輝度分布は、領域361の輝度分布に変換される。AGC回路部113の最大出力には制限があるので、領域360に該当する画素の多くは、AGC回路部113の最大出力値となる。その結果、AGC回路部113が出力する画像データは、
図10(b)に示す領域361のようにほぼ均一な高輝度の画素を多く含むことになる。
【0061】
このような均一な高輝度の画素を多く含む画像は、制限領域340の下限値を230に下げたとしても、ハレーションを起こしたようなテカテカした印象を与える画像になる恐れがある。また、ノイズ成分も高いゲインで増幅されるため、チカチカ感の強い画像になる恐れがある。
【0062】
この問題を解決するために、本変形例3では、AGC回路部113のゲインが高いほど制限領域340の下限値を低く設定した変換特性曲線を作成する。
図11を用いて説明すると、AGC回路部113のゲインが高くなるにしたがって、制限領域340の下限値を255、230、200のように低く設定する。制限領域340の最小値は、AGC回路113のゲインが最大の時に画像の違和感が生じない値に設定する。そして、その下限値のそれぞれに対応する変換特性曲線312、変換特性曲線313、変換特性曲線314を作成する。逆の見方をすると、AGC回路部113のゲインが高くない場合には、制限領域の下限値を上げることによって、輝度のダイナミックレンジを広くすることができる。変換特性曲線のそれぞれに対応する変換テーブルは、予め、記憶部150内に格納しておく。
【0063】
補正制御部204は、AGC回路部113のゲインに基づいて変換テーブル205を選択する。ガンマ補正部203は、補正制御部204が選択した変換テーブル205を使用して入力された画像データの輝度を変換する。その結果、周囲の照度が低いほど最大輝度値が低い値となるように輝度が変換される。このように、最大輝度を下げることによって、AGC回路113のゲインが非常に高くなった場合でも、ハレーションを起こしたような印象を与える画像となる恐れを低減する効果がある。また、高いゲインで増幅されたノイズに起因するチカチカ感も低減する効果がある。その一方、周囲の照度が低くない場合には、輝度のダイナミックレンジが広い画像を得ることができる。
【0064】
変形例3の技術では、AGC回路113のゲインに対応した多くの変換テーブル205を準備していることが望ましい。しかし、記憶部150に記憶しておく変換テーブル205の数を増加すると、必要とするメモリ量も増大することになる。一方、関数引きで変換処理を行う場合は、演算処理負荷が重くなる場合がある。どちらの方式を選ぶかは、処理速度と処理負荷と必要とするメモリ量を考慮して決定する。
【0065】
(変形例4)
AGC回路部113で増幅された後の輝度が低い領域には、画像を識別するために有効な情報はほとんど含まれておらず、カット領域の輝度を0に補正した方がエッジ効果により引き締まった印象を与える画像を得られると考えられる。実施形態1では、この考えに基づいて、カット領域330の上限値(閾値)を固定値(20)とする場合について説明した。この技術的思想を拡張した変形例として、周囲の照度情報に基づいて、出力の輝度を0に補正するか否かを判別するための閾値を可変制御する技術について説明する。
【0066】
周囲が大変暗くAGC回路部113のゲインがかなり高い場合、ガンマ補正部203に入力される画像データの輝度がごく低い領域には、画像を識別するために有効な情報はほとんど含まれていない。AGC回路部113のゲインが高いほど、この有効な情報を含まない輝度領域は広くなる。したがって、この画像を識別するために有効な情報をほとんど含まない輝度の領域をカット領域330としても失う情報はほとんど無い。周囲の輝度と閾値との対応付けは、閾値以下の情報が失われることによる画像の劣化と、エッジ効果による見やすさの向上との兼ね合いを考慮して決める。
【0067】
具体的な実現手段について、
図12を用いて説明する。周囲の照度が低い(AGC回路部113のゲインが高い)ほど、
図12に示すカット領域を広く設定する。具体的には、周囲が暗くAGC回路部113のゲインが高いほど、閾値を(例えば20よりも)高く設定する。また、周囲が明るくAGC回路部113のゲインが低いほど、閾値を(例えば20よりも)低く設定する。そして、この閾値を満たす変換特性曲線(変換特性曲線315、変換特性曲線316、変換特性曲線317)を作成し、対応する変換テーブルを作成して記憶部150内に格納しておく。
【0068】
補正制御部204は、カット領域330の上限値である閾値の異なる変換テーブル205の中から、AGC回路部113のゲインに基づいて、変換テーブル205を選択する。ガンマ補正部203は、選択された変換テーブル205を用いて、シャープ補正部202が出力した画像データの輝度値を変換する。具体的には、周囲の照度が低くAGC回路部113のゲインが高いほど、カット領域の上限値(閾値)が高い変換テーブル205を用いて、シャープ補正部202が出力した画像データを変換し、表示部130に供給する。その結果、暗所で撮像した画像をより引き締まった印象を与える画像に補正することができる。その一方、周囲の照度が低くない場合には、輝度のダイナミックレンジが広い画像を得ることができる。
【0069】
なお、周囲の照度情報に基づいて、変形例3で説明した制限領域の下限値と、変形例4で説明したカット領域の上限値の両方を制御することもできる。具体的には、周囲の照度が低いほど(AGC回路部113のゲインが高いほど)、制限領域340の下限値を低く設定するとともに、カット領域330の上限値である閾値を高く設定する。
図13で説明すると、変換特性曲線315、変換特性曲線318、変換特性曲線319のように周囲の照度に対応する変換特性曲線を作成する。
【0070】
(その他)
なお、実施形態1の説明では、
図4(b)に示す補正パラメータA
22以外のパラメータをA
ij=−1に固定する場合について
図4(c)を用いて説明したが、補正パラメータAの値も周囲の照度情報に基づいて可変制御してもよい。例えば、前述したように、AGC回路部113のゲインが高くなると、
図10(b)を用いて説明した高輝度領域361に該当する画素が増える。そのため、シャープ補正部202に入力される画像データの輝度は255に近い画素が増える。その255に近い輪郭線に該当する画素の輝度値を高くするために、補正に使用するパラメータYを大きくしても輝度値は255以上にはならない。したがって、輪郭線に該当する画素と輪郭線の周囲の画素との輝度差を大きくするために行うシャープ補正の効果が働かない。このような状況を考慮して、輪郭線に該当する画素の輝度値が高いほど補正パラメータAに設定する値を小さくし、輪郭線に該当する画素の周囲8画素の輝度値を下げるように制御してもよい。
【0071】
以上、本発明の実施形態や変形例(以下「実施形態等」と記載する)について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態等に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれる。