【実施例1】
【0021】
図1に示されるように、物理量センサ1は、センサ部2、追従比較型AD変換器4及び抵抗DA変換器6を備える。なお、センサ部2は、特許請求の範囲に記載のインピーダンスブリッジ部の一例である。抵抗DA変換器6は、特許請求の範囲に記載のインピーダンス調整部の一例である。
【0022】
センサ部2は、圧力に依存した電圧を出力する回路を構成しており、基準ノードN11、電源ノードN12及び4つの抵抗素子R1,R2,R3,R4を有する。基準ノードN11は、基準電圧配線L1の第1ノードN1に接続されている。基準電圧配線L1は、接地電圧GNDが入力する基準電圧端子T1に接続されている。電源ノードN12は、電源電圧配線L2の第2ノードN2に接続されている。電源電圧配線L2は、電源電圧Vccが入力する電源電圧端子T2に接続されている。4つの抵抗素子R1,R2,R3,R4は、圧力に応じて抵抗値が変化する可変抵抗体である。第1抵抗素子R1と第4抵抗素子R4は、圧力の増加に比例して抵抗値が増加するように構成されている。第2抵抗素子R2と第3抵抗素子R3は、圧力の増加に比例して抵抗値が低下するように構成されている。
【0023】
第1抵抗素子R1と第3抵抗素子R3は、基準ノードN11と電源ノードN12の間に直列に接続されている。第2抵抗素子R2と第4抵抗素子R4は、基準ノードN11と電源ノードN12の間に直列に接続されている。第1抵抗素子R1と第3抵抗素子R3の組と第2抵抗素子R2と第4抵抗素子R4の組は、基準ノードN11と電源ノードN12の間に並列に接続されている。このように、4つの抵抗素子R1,R2,R3,R4は、フルブリッジ接続されている。
【0024】
4つの抵抗素子R1,R2,R3,R4は、圧力が印加されていないときの抵抗値が同値となるように設定されている。このため、第1抵抗素子R1と第3抵抗素子R3の間の第1出力ノードNout1の電圧VAは、圧力が印加されていないときに、基準ノードN11の電圧と電源ノードN12の電圧の中間の電圧、即ち、Vcc/2となるように調整されている。同様に、第2抵抗素子R2と第4抵抗素子R4の間の第2出力ノードNout2の電圧VBは、圧力が印加されていないときに、基準ノードN11の電圧と電源ノードN12の電圧の中間の電圧、即ち、Vcc/2となるように調整されている。
【0025】
追従比較型AD変換器4は、センサ部2の出力電圧をデジタル値に変換して出力する回路であり、コンパレータ4a及びカウンタ4bを有する。コンパレータ4aでは、非反転端子(+)がセンサ部2の第1出力ノードNout1に接続されており、反転端子(−)がセンサ部2の第2出力ノードNout2に接続されており、出力端子がカウンタ4bに接続されている。コンパレータ4aは、第1出力ノードNout1の電圧VAと第2出力ノードNout2の電圧VBを比較し、電圧VAが電圧VBよりも高いときに出力をハイとし、電圧VBが電圧VAよりも高いときに出力をローにする。カウンタ4bは、nビットカウンタ回路であり、コンパレータ4aの出力がハイのときにカウンタ値を増加させ、コンパレータ4aの出力がローのときにカウンタ値を減少させる。カウンタ4bのカウンタ値は、nビットのデジタル値であり、出力端子T3にセンサ出力として出力される。
【0026】
抵抗DA変換器6は、センサ部2に並列に接続されており、センサ部2の第1出力ノードNout1の電圧VAと第2出力ノードNout2の電圧VBの電位差が零となるように、抵抗値が調整されるように構成されている。
【0027】
図2に示されるように、抵抗DA変換器6は、第1抵抗DA変換器6A及び第2抵抗DA変換器6Bを有する。第1抵抗DA変換器6Aは、固定抵抗素子群6Raとスイッチ素子群6Saを含む。固定抵抗素子群6Raは、2
n個の固定抵抗素子が直列に接続して構成されており、一端がセンサ部2の基準ノードN11に接続されており、他端がセンサ部2の電源ノードN12に接続されている。固定抵抗素子群6Raの固定抵抗素子の抵抗値は、両端の固定抵抗素子の抵抗値を除いて、いずれも同値である。スイッチ素子群6Saは、(2
n−1)個のスイッチ素子を有する。複数のスイッチ素子の各々は、固定抵抗素子群6Raの固定抵抗素子間の配線のいずれか1つに対応して配置されており、一端がその固定抵抗素子間の配線に接続されており、他端がセンサ部2の第1出力ノードNout1に接続されている。第2抵抗DA変換器6Bは、固定抵抗素子群6Rbとスイッチ素子群6Sbを含む。固定抵抗素子群6Rbは、2
n個の固定抵抗素子が直列に接続して構成されており、一端がセンサ部2の基準ノードN11に接続されており、他端がセンサ部2の電源ノードN12に接続されている。固定抵抗素子群6Rbの固定抵抗素子の抵抗値は、両端の固定抵抗素子の抵抗値を除いて、いずれも同値である。スイッチ素子群6Sbは、(2
n−1)個のスイッチ素子を有する。複数のスイッチ素子の各々は、固定抵抗素子群6Rbの固定抵抗素子間の配線のいずれか1つに対応して配置されており、一端がその固定抵抗素子間の配線に接続されており、他端がセンサ部2の第2出力ノードNout2に接続されている。
【0028】
第1抵抗DA変換器6A及び第2抵抗DA変換器6Bの各々には、追従比較型AD変換器4のカウンタ4bのカウンタ値が入力する。第1抵抗DA変換器6Aは、カウンタ4bのカウンタ値に基づいて、スイッチ素子群6Saのうちの1つのスイッチ素子を閉じ、固定抵抗素子群6Raを分割する。同様に、第2抵抗DA変換器6Bは、カウンタ4bのカウンタ値に基づいて、スイッチ素子群6Sbのうちの1つのスイッチ素子を閉じ、固定抵抗素子群6Rbを分割する。
【0029】
第1抵抗DA変換器6Aでは、電源ノードN12側のスイッチ素子から順にカウンタ値が割り振られている。例えば、
図2は、カウンタ値が「1」の場合を例示する。前記したように、センサ部2では、圧力が増加すると、第1抵抗素子R1の抵抗値が増加するとともに第3抵抗素子R3の抵抗値が低下する。このとき、第1抵抗DA変換器6Aでは、第1抵抗素子R1と並列に接続される固定抵抗素子の数が減少するとともに第3抵抗素子R3と並列に接続される固定抵抗素子の数が増加する。換言すると、第1抵抗DA変換器6Aでは、圧力が増加すると、第1抵抗素子R1と並列に接続される固定抵抗素子群の抵抗値が低下するとともに第3抵抗素子R3と並列に接続される固定抵抗素子群の抵抗値が増加する。このように、第1抵抗DA変換器6Aは、第1抵抗素子と固定抵抗素子群の合成抵抗値を維持するとともに、第3抵抗素子と固定抵抗素子群の合成抵抗値を維持するように働く。このため、センサ部2の第1出力ノードNout1の電圧VAは、基準ノードN11の電圧と電源ノードN12の電圧の中間の電圧、即ち、Vcc/2となるように維持される。
【0030】
一方、第2抵抗DA変換器6Bでは、基準ノードN11側のスイッチ素子から順にカウンタ値が割り振られている。例えば、
図2は、カウンタ値が「1」の場合を例示する。前記したように、センサ部2では、圧力が増加すると、第2抵抗素子R2の抵抗値が低下するとともに第4抵抗素子R4の抵抗値が増加する。このとき、第2抵抗DA変換器6Bでは、第2抵抗素子R2と並列に接続される固定抵抗素子の数が増加するとともに第4抵抗素子R4と並列に接続される固定抵抗素子の数が減少する。換言すると、第2抵抗DA変換器6Bでは、圧力が増加すると、第2抵抗素子R2と並列に接続される固定抵抗素子群の抵抗値が増加するとともに第4抵抗素子R4と並列に接続される固定抵抗素子群の抵抗値が低下する。このように、第2抵抗DA変換器6Bは、第2抵抗素子と固定抵抗素子群の合成抵抗値を維持するとともに、第4抵抗素子と固定抵抗素子群の合成抵抗値を維持するように働く。このため、センサ部2の第2出力ノードNout2の電圧VBは、基準ノードN11の電圧と電源ノードN12の中間の電圧、即ち、Vcc/2となるように維持される。
【0031】
このように、抵抗DA変換器6は、追従比較型AD変換器4のカウンタ4bのカウンタ値を利用して、センサ部2の第1出力ノードNout1の電圧VAと第2出力ノードNout2の電圧VBの電位差が零となるようにフィードバック制御する。即ち、物理量センサ1は、追従比較型AD変換器4と抵抗DA変換器6を利用して、センサ部2に印加される圧力を零位法によって計測するように構成されている。
【0032】
物理量センサ1では、電源電圧Vccに高周波のノイズ(1MHz〜400MHz程度)が混入することがある。このような高周波のノイズとしては、放射ノイズ及び誘導ノイズがある。電源電圧端子T2にはワイヤハーネスに組み込まれている外部電線が接続されており、その外部電線を介して電源電圧端子T2に電源電圧Vccが入力する。ワイヤハーネスの外部電線に放射ノイズが侵入すると、電源電圧Vccにノイズが混入することがある。また、ワイヤハーネスには、外部電線の他にも複数の信号線が組み込まれている。このため、電源電圧Vccを入力するための外部電線に他の信号線から誘導ノイズが侵入すると、電源電圧Vccにノイズが混入することがある。
【0033】
物理量センサ1では、センサ部2の第1出力ノードNout1の電圧VAと第2出力ノードNout2の電圧VBの電位差が零となるようにフィードバック制御されている。このため、電源電圧Vccにノイズが混入しても、センサ部2の第1出力ノードNout1の電圧VAと第2出力ノードNout2の電圧VBが同時に上下に振幅するので、センサ部2の第1出力ノードNout1の電圧VAと第2出力ノードNout2の電圧VBの電位差が零に維持される。したがって、物理量センサ1では、電源電圧Vccにノイズが混入しても、そのノイズがセンサ出力に反映されない。物理量センサ1は、電源電圧Vccにノイズが混入しても、そのようなノイズの影響が抑えられたセンサ出力を出力することができる。
【0034】
物理量センサ1では、カウンタ4bのビット数を増加させてセンサ出力の分解能を向上させようとすると、抵抗DA変換器6の回路規模も増加する。このため、物理量センサ1では、カウンタ4bのビット数の増加を抑えながら、センサ出力の分解能を向上させることが望まれる。これを実現するために、物理量センサ1にディザリング手法を利用するのが望ましい。ディザリング手法は、AD変換をするときに、アナログの入力信号に微小なランダムノイズ(ホワイトノイズ)を加算してAD変換し、AD変換されたデジタル信号をデジタルフィルタで平均処理することで、AD変換時に発生する量子化誤差を低減する処理である。これにより、デジタル信号の線形性が向上するので、カウンタ4bのビット数の増加を抑えながら、センサ出力の分解能を向上させることができる。
【0035】
図3に、ディザリング手法が適用された物理量センサ1の変形例を示す。この物理量センサ1は、2つのローパスフィルタLPF1,LPF2及び移動平均回路8を備えることを特徴とする。
【0036】
第1ローパスフィルタLPF1は、センサ部2の第1出力ノードNout1とコンパレータ4aの非反転入力端子(+)の間に挿入されており、第5抵抗素子R5及び第1キャパシタC1を有する。第2ローパスフィルタLPF2は、センサ部2の第2出力ノードNout2とコンパレータ4aの反転入力端子(−)の間に挿入されており、第6抵抗素子R6及び第2キャパシタC2を有する。第5抵抗素子R5及び第6抵抗素子R6の抵抗値は同一である。第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の容量は同一である。
【0037】
第1ローパスフィルタLPF1は、主に第5抵抗素子R5の熱雑音により、センサ部2の第1出力ノードNout1の電圧VAにランダムノイズを加算することができる。加算されるランダムノイズの振幅は、第1キャパシタC1の容量に基づいて調整される。同様に、第2ローパスフィルタLPF2は、主に第6抵抗素子R6の熱雑音により、センサ部2の第2出力ノードNout2の電圧VBにランダムノイズを加算することができる。加算されるランダムノイズの振幅は、第2キャパシタC2の容量に基づいて調整される。
【0038】
例えば、電圧VAが電圧VBよりも高い場合、加算されるランダムノイズによって電圧VAと電圧VBの電位差が増加するとコンパレータ4aの出力はハイとなり、加算されるランダムノイズによって電圧VAと電圧VBの電位差が低下するとコンパレータ4aの出力はハイ又はローとなる。電圧VBが電圧VAよりも高い場合、加算されるランダムノイズによって電圧VBと電圧VAの電位差が増加するとコンパレータ4aの出力はローとなり、加算されるランダムノイズによって電圧VBと電圧VAの電位差が低下するとコンパレータ4aの出力はロー又はハイとなる。このように、ローパスフィルタLPF1,LPF2がランダムノイズを加算することで、コンパレータ4aの出力は、電圧VAと電圧VBのみの判定結果を中心にしてランダムにばらつく。
【0039】
移動平均回路8は、カウンタ4bと出力端子T3の間に挿入されており、カウンタ4bのカウンタ値の移動平均を演算して出力するように構成されている。これにより、移動平均回路8は、カウンタ4bのカウンタ値から量子化誤差を低減することができる。
【0040】
このように、変形例の物理量センサ1は、ディザリング手法を利用して、カウンタ4bのカウンタ値のセンサ出力の分解能を向上させることができる。変形例の物理量センサ1は、カウンタ4bのビット数の増加を抑えながら、即ち、抵抗DA変換器6の回路規模の増加を抑えながら、カウンタ4bのカウンタ値のセンサ出力の分解能を向上させることができる。
【実施例2】
【0041】
図4に、第2実施例の物理量センサ10を示す。なお、第1実施例の物理量センサ1と共通する構成要素については共通の符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
物理量センサ10は、ハーフブリッジ接続されている一対の抵抗素子R11,R12を有するセンサ部12を備えることを特徴とする。なお、センサ部12は、特許請求の範囲に記載のインピーダンスブリッジ部の一例である。第1抵抗素子R11は、圧力の増加に比例して抵抗値が増加するように構成されている。第2抵抗素子R12は、圧力の増加に比例して抵抗値が低下するように構成されている。第1抵抗素子R11と第2抵抗素子R12は、基準ノードN11と電源ノードN12の間に直列に接続されている。
【0043】
一対の抵抗素子R11,R12は、圧力が印加されていないときの抵抗値が同値となるように設定されている。このため、第1抵抗素子R11と第2抵抗素子R12の間の第1出力ノードNout11の電圧VAは、圧力が印加されていないときに、基準ノードN11の電圧と電源ノードN12の電圧の中間の電圧、即ち、Vcc/2となるように調整されている。
【0044】
図5に示されるように、抵抗DA変換器16は、固定抵抗素子群16Raとスイッチ素子群16Saを含む。なお、抵抗DA変換器16は、特許請求の範囲に記載のインピーダンス調整部の一例である。固定抵抗素子群16Raは、2
n個の固定抵抗素子が直列に接続して構成されており、一端がセンサ部12の基準ノードN11に接続されており、他端がセンサ部12の電源ノードN12に接続されている。固定抵抗素子群16Raの固定抵抗素子の抵抗値は、両端の固定抵抗素子の抵抗値を除いて、いずれも同値である。スイッチ素子群16Saは、(2
n−1)個のスイッチ素子を有する。複数のスイッチ素子の各々は、固定抵抗素子群16Raの固定抵抗素子間の配線のいずれか1つに対応して配置されており、一端がその固定抵抗素子間の配線に接続されており、他端が追従比較型AD変換器4のコンパレータ4aの反転端子(−)に接続されている。
【0045】
抵抗DA変換器16には、追従比較型AD変換器4のカウンタ4bのカウンタ値が入力する。抵抗DA変換器16は、カウンタ4bのカウンタ値に基づいて、スイッチ素子群16Saのうちの1つのスイッチ素子を閉じ、固定抵抗素子群16Raを分割する。
【0046】
抵抗DA変換器16では、基準ノードN11側のスイッチ素子から順にカウンタ値が割り振られている。例えば、
図5は、カウンタ値が「1」の場合を例示する。前記したように、センサ部12では、圧力が増加すると、第1抵抗素子R11の抵抗値が増加するとともに第2抵抗素子R12の抵抗値が低下する。このとき、抵抗DA変換器16では、第1抵抗素子R11と並列に接続される固定抵抗素子の数が増加するとともに第2抵抗素子R12と並列に接続される固定抵抗素子の数が減少する。換言すると、抵抗DA変換器16では、圧力が増加すると、第1抵抗素子R11と並列に接続される固定抵抗素子群の抵抗値が増加するとともに第2抵抗素子R12と並列に接続される固定抵抗素子群の抵抗値が低下する。このように、抵抗DA変換器16は、第1抵抗素子R11と第2抵抗素子R12をミラーするように、固定抵抗素子群16Raを分割する。このため、抵抗DA変換器16の出力ノードNout12の電圧VBは、センサ部12の出力ノードNout11の電圧VAと等しくなるように維持される。
【0047】
このように、抵抗DA変換器16は、追従比較型AD変換器4のカウンタ4bのカウンタ値を利用して、出力ノードNout12の電圧VBとセンサ部12の出力ノードNout11の電圧VAの電位差が零となるようにフィードバック制御する。即ち、物理量センサ10は、追従比較型AD変換器4と抵抗DA変換器16を利用して、センサ部12に印加される圧力を零位法によって計測するように構成されている。
【0048】
物理量センサ10では、センサ部12の出力ノードNout11の電圧VAと抵抗DA変換器16の出力ノードNout12の電圧VBの電位差が零となるようにフィードバック制御されている。このため、電源電圧Vccにノイズが混入しても、センサ部12の出力ノードNout11の電圧VAと抵抗DA変換器16の出力ノードNout12の電圧VBが同時に上下に振幅するので、センサ部12の出力ノードNout11の電圧VAと抵抗DA変換器16の出力ノードNout12の電圧VBの電位差が零に維持される。したがって、物理量センサ10では、電源電圧Vccにノイズが混入しても、そのノイズがセンサ出力に反映されない。物理量センサ10は、電源電圧Vccにノイズが混入しても、そのようなノイズの影響が抑えられたセンサ出力を出力することができる。
【0049】
物理量センサ10の抵抗DA変換器16は、第1実施例の物理量センサ1の抵抗DA変換器6に比して回路規模が略半分となる。このため、物理量センサ10は、物理量センサ1に比して、小型化及び低消費電力の点で有用である。さらに、物理量センサ10においても、
図3に例示するディザリング手法を利用するのが望ましい。この場合、物理量センサ10は、カウンタ4bのビット数の増加を抑えながら、即ち、抵抗DA変換器16の回路規模の増加を抑えながら、カウンタ4bのカウンタ値のセンサ出力の分解能を向上させることができる。
【0050】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。