特許第6407789号(P6407789)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407789
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】乗客コンベアの据付足場装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/00 20060101AFI20181004BHJP
   E04G 5/08 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   B66B31/00 D
   B66B31/00 Z
   E04G5/08 Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-77050(P2015-77050)
(22)【出願日】2015年4月3日
(65)【公開番号】特開2016-196348(P2016-196348A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2017年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 義之
(72)【発明者】
【氏名】北澤 光広
【審査官】 有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−038828(JP,U)
【文献】 実開昭51−077832(JP,U)
【文献】 特開昭51−027114(JP,A)
【文献】 特開2012−097534(JP,A)
【文献】 特開昭58−026163(JP,A)
【文献】 特開2001−130861(JP,A)
【文献】 特開2002−053284(JP,A)
【文献】 特開2015−020844(JP,A)
【文献】 実開昭60−168748(JP,U)
【文献】 米国特許第03765509(US,A)
【文献】 特開平06−167102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00─31/02
E04G 1/00─ 7/34
E04G 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に設けられた踏段チェーンに連結される前輪軸に係止される係止部と、この係止部が取り付けられ、乗客コンベアの伸長方向に延設し、踏段が取り外されて形成される開口部の一部を塞ぐように配置される足場板とを有する単位足場装置を、複数連設して成る乗客コンベアの据付足場装置において、
前記単位足場装置の前記足場板は、
前記係止部に取り付けられた取り付け部と、
前記取り付け部に連設され、隣接された後方の前記単位足場装置の前記足場板方向に延設し、前記取り付け部よりも上側に配置された連結部と、
前記連結部に連設され、前記隣接された後方の前記単位足場装置の前記足場板方向に延設し、前記前輪軸に取り付けられた前輪ローラが案内されるガイドレールと略平行に配置された平行部と、
前記平行部に連設され、前記隣接された後方の前記単位足場装置の前記足場板方向に延設し、下向きに折り曲げ形成した折り曲げ部とを備え、
前記足場板の前記折り曲げ部と、隣接された後方の単位足場装置の足場板の一部とが重なり合っており、
前記足場板の前記連結部は、前記平行部を水平にした姿勢で前記取り付け部側の端部が前記平行部よりも下側となるように、前記平行部に対して屈曲しており、
前記足場板の前記折り曲げ部の端部は、隣接した後方の単位足場装置における前記屈曲した連結部の面と当接することを特徴とする乗客コンベアの据付足場装置。
【請求項2】
請求項1に記載の乗客コンベアの据付足場装置において
数の単位足場装置の前記足場板のそれぞれを、前記開口部の中央付近を塞ぐように配置したことを特徴とする乗客コンベアの据付足場装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の乗客コンベアの据付足場装置において、
前記係止部は、前記前輪軸の上側部分に当接するフック部と、前記前輪軸の下側部分に当接する爪部とを有し、前記フック部と前記爪部とにより前記前輪軸を把持することを特徴とする乗客コンベアの据付足場装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乗客コンベアの据付足場装置において、
複数の前記単位足場装置の前記足場板のそれぞれの表面に、高摩擦部材から成る滑り止め部と、凸部から成り据付作業者の足掛かりとなる踏み桟部とを設けたことを特徴とする乗客コンベアの据付足場装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の乗客コンベアの据付足場装置において、
前記乗客コンベアは、下部乗降部と、上部乗降部と、前記下部乗降部と前記上部乗降部との間に配置される傾斜部とを有するエスカレータから成ることを特徴とする乗客コンベアの据付足場装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連設して配置される複数の単位足場装置を備えた乗客コンベアの据付足場装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乗客コンベア例えばエスカレータの据え付けに際しては、その長尺方向に分割されたフレームを連結する工程が初期作業として行われる。前述したフレーム内には、乗客を乗せる踏段が組み込まれており、このようにフレーム内に踏段が組み込まれた状態でフレームの連結作業が行なわれる。しかし、連結部の近傍に踏段が存在すると、フレームの連結作業の障害となることから、連結部の近傍の踏段は取り外されている。したがって、フレームの連結作業の終了時点では、一部の踏段が取り外された開口部が形成されている。
【0003】
その開口部を介して、踏段の走行を案内するガイドレールの取り付け状態の確認作業が行われる。この確認作業時における安全性を確保する従来技術が特許文献1に開示されている。この従来技術は、前述した開口部の中央部付近等を塞ぐように、作業用足場装置を設けたものである。この従来技術は、踏段の前輪に係合する係合部が取り付けられ、エスカレータの伸長方向に延設し、据え付け作業の足場となる単位足場装板を複数連設した構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−97377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述したガイドレールの確認作業は、エスカレータの乗降部近傍でも必要になるが、特許文献1に開示された従来技術にあっては、この乗降部近傍の作業性が低下する懸念があったすなわち、エスカレータの乗降部近傍では、前輪軸の走行を案内するガイドレールの形状が湾曲したR部を含む形状であることから、このR部に位置する前輪軸に、作業用足場装置を設置すると、隣接された複数の単位足場板間に段差、すなわち作業に支障を生じる隙間を生じてしまう。この隙間のために据付作業者は慎重な作業が要求され、作業能率が低下する虞があった。
【0006】
本発明は、前述した従来技術における実情からなされたもので、その目的は、乗降部近傍においても、作業に支障を生じ得る隙間を生じさせることなく、複数の単位足場装置の足場板を配置することができる乗客コンベアの据付足場装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係る乗客コンベアの据付足場装置は、無端状に設けられた踏段チェーンに連結される前輪軸に係止される係止部と、この係止部が取り付けられ、乗客コンベアの伸長方向に延設し、踏段が取り外されて形成される開口部の一部を塞ぐように配置される足場板とを有する単位足場装置を、複数連設して成る乗客コンベアの据付足場装置において、前記単位足場装置の前記足場板は、前記係止部に取り付けられた取り付け部と、前記取り付け部に連設され、隣接された後方の前記単位足場装置の前記足場板方向に延設し、前記取り付け部よりも上側に配置された連結部と、前記連結部に連設され、前記隣接された後方の前記単位足場装置の前記足場板方向に延設し、前記前輪軸に取り付けられた前輪ローラが案内されるガイドレールと略平行に配置された平行部と、前記平行部に連設され、前記隣接された後方の前記単位足場装置の前記足場板方向に延設し、下向きに折り曲げ形成した折り曲げ部とを備え、前記単位足場装置の前記足場板の前記折り曲げ部と、隣接された後方の単位足場装置の足場板の一部とが重なり合っており、前記足場板の前記連結部は、前記平行部を水平にした姿勢で前記取り付け部側の端部が前記平行部よりも下側となるように、前記平行部に対して屈曲しており、前記足場板の前記折り曲げ部の端部は、隣接した後方の単位足場装置における前記屈曲した連結部の面と当接することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る乗客コンベアの据付足場装置は、当該据付足場装置を乗降部近傍に配置した際に、複数の単位足場装置の足場板のうちの前方に位置する単位足場装置の足場板の折り曲げ部が、当該単位足場装置に隣接する後方の単位足場装置の足場板の連結部に当接する状態を保つことができる。すなわち本発明は、乗降部近傍においても、隣接された単位足場装置の足場板間に、作業に支障を生じ得る隙間を生じさせることなく、複数の単位足場装置の足場板を配置することができる。これにより従来に比べてガイドレールの確認作業等を容易に、しかも安全に行うことができ、従来に比べてこの確認作業等の能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る据付足場装置がエスカレータの傾斜部の中間部に設置されている状態を示す側面図である。
図2図1に示す状態の本実施形態に係る据付足場装置を示す拡大斜視図である。
図3】本実施形態に係る据付足場装置が、エスカレータの上部乗降口付近に設置されている状態を示す側面図である。
図4図3に示す状態の本実施形態に係る据付足場装置を示す拡大斜視図である。
図5】本発明に係るエスカレータの据付足場装置の一実施形態に備えられる単位足場装置を示す平面図である。
図6図5に示す単位足場装置の側面図である。
図7図5に示す単位足場装置を前輪軸に係着させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る乗客コンベアの据付足場装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1,2に示すように、本発明の一実施形態に係る据付足場装置が適用される乗客コンベア例えばエスカレータは、その踏面1aに乗客を乗せて上部乗降部2a、下部乗降部2b間を循環走行する踏段1と、この踏段1の走行を案内するガイドレール12bが取り付けられるフレーム3と、このフレーム3の上方に立設される欄干部4とを備えている。
【0012】
前述した通り、エスカレータはその据え付け時に、ガイドレール12bの取り付け状態の確認等のために、踏段1の一部が取り外された上部開口部5a、下部開口部5bが形成されている。これらの上部開口部5a、下部開口部5bは、踏段1の循環走行に伴って移動させることができる。
【0013】
踏段1には、図示しない無端状の踏段チェーンに連結される前輪軸1bを備えている。上部開口部5a、下部開口部5bにおいても、前輪軸1bは配置されている。なお、欄干部4は、据え付け工程の初期にあっては、まだ据え付けられていないことから同図1にあっては、破線で示してある。
【0014】
図1,2に示すように、本実施形態に係る据付足場装置は、エスカレータの伸長方向に延設し、踏段1が取り外されて形成される上部開口部5aの一部を塞ぐように配置される後述の足場板6bを有する単位足場装置6を、複数連設して成るものである。
【0015】
図3,4に示すように、踏段1を上昇運転させて、上部開口部5aを上方に移動させると、単位足場装置6のそれぞれも移動して、上部乗降部2aの近傍に位置させることができる。
【0016】
図5,6,7に示すように、本実施形態に係る据付足場装置を構成する複数の単位足場装置6のそれぞれは、前輪軸1bに係止される係止部6aと、この係止部6aが取り付けられる前述の足場板6bとを有している。
【0017】
図7に示すように、足場板6bは例えば、上部開口部5aの中央部付近を塞ぐように配置してある。したがって、足場板6bの左右には開口51aがそれぞれ形成され、これらの開口51aを介して図2,4に示すガイドレール12bの設置状態を確認することができる。
【0018】
図6に示すように、本実施形態に係る据付足場装置の単位足場装置6は、係止部6aに取り付けられた取り付け部61bと、この取り付け部61bに連設され、隣接された後方の単位足場装置6の足場板6b方向に延設し、取り付け部61bよりも上側に配置された連結部、例えば傾斜部62bとを有している。また、単位足場装置6は、傾斜部62bに連設され、隣接された後方の単位足場装置6の足場板6b方向に延設し、図1,2等に示した前輪軸1bに取り付けられた前輪ローラ11bが案内されるガイドレール12bと略平行に配置された平行部63bと、この平行部63bに連設され、隣接された後方の単位足場装置6の足場板6b方向に延設し、下向きに折り曲げ形成した折り曲げ部64bとを有している。
【0019】
また、図5,6等に示すように、単位足場装置の足場板6bは、表面に、高摩擦部材から成る滑り止め部65bと、凸部から成り据付作業者の足掛かりとなる踏み桟部66bとを設けてある。
【0020】
図6に示すように、単位足場装置6の係止部6aは、前輪軸1bの上側部分に当接するフック部61aと、前輪軸1bの下側部分に当接する爪部62aとを有し、フック部61aと爪部62aとにより前輪軸1bを把持する。
【0021】
また、図1に示すようにエスカレータの上部乗降部2aと下部乗降部2bの間に位置する傾斜部の中間部に、単位足場装置6が設置されている状態にあっては、図2に示すように、平行部63bと、その下方に位置する係止部6aとの間に、所定寸法の空隙Gが形成されるように、単位足場装置6の形状寸法を設定してある。
【0022】
図3に示すように、上部乗降部2aの近傍に単位足場装置6が位置したときには、図4に示すように、ガイドレール12bのR部の形状に応じて、単位足場装置6の平行部63bと、係止部6aのフック部61aとの間隔が狭くなるように変化するが、このとき平行部63bと係止部6aのフック部61aとの干渉を生じないように前述した空隙Gの寸法を設定してある。
【0023】
このように構成した本実施形態に係る据付足場装置によれば、図3,4に示すように、当該据付足場装置を例えば上部乗降部2aの近傍に配置した際に、ガイドレール12bのR部に沿う形態に変化した複数の単位足場装置6のうちの、前方の単位足場装置6の足場板6bの折り曲げ部64bが、当該単位足場装置6に隣接する後方の足場板6bの傾斜部に当接するように保つことができる。すなわち本実施形態は、乗降部近傍、例えば上部乗降部2aの近傍においても、隣接された単位足場装置6の足場板6b間に、ガイドレール12bの確認作業等の作業に支障を生じ得る隙間を生じさせることなく、複数の単位足場装置6の足場板6bを配置することができる。これによって本実施形態は、ガイドレール12bの確認作業等を容易に、しかも安全に行うことができ、この確認作業等の能率を向上させることができる。
【0024】
また本実施形態は、前述したように単位足場装置6の平行部63bとフック部61aとの間に、所定の空隙Gを設けたことから、例えば上部乗降部2aのR部に単位足場装置6が至ったときでも、平行部63bとフック部61aとの干渉を生じさせることが無く、足場板6bの浮き上がり、及び係止部6aと足場板6bの損傷を防ぐことができる。これにより信頼性の高い据付足場装置を実現できる。
【0025】
また本実施形態は、係止部6のフック部61aと爪部62aとによって前輪軸1bを把持するようにしたことから、踏段1の移動に伴う単位足場装置6の移動の間、足場板6bが前輪軸1bから外れることを確実に防止できる。これによっても信頼性の高い据付足場装置を実現できる。
【0026】
また本実施形態は、単位足場装置6の平行部63bの表面に高摩擦部材から成る滑り止め部65bを設けるとともに、凸部から成り据付作業者の足掛かりとなる踏み桟部66bを設けたことから、足場板6bの表面を歩く据付作業者のさらなる安全性の向上を実現できる。
【0027】
なお本発明は、前述した実施形態に限らず様々な態様を取り得る。例えば前述した実施形態では、エスカレータに適用させてあるが、本発明が適用される乗客コンベアはエスカレータに限られず、水平方向に、あるいは傾斜方向に乗客を乗せて走行する動く歩道にも適用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 踏段
1b 前輪軸
2a 上部乗降部
5a 上部開口部
6 単位足場装置
6a 係止部
61a フック部
62a 爪部
6b 足場板
61b 取り付け部
62b 傾斜部(連結部)
63b 平行部
64b 折り曲げ部
65b 滑り止め部
66b 踏み桟部
11b 前輪ローラ
12b ガイドレール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7