(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の実施形態は、少なくとも1つの太陽電池とグラフィックス層と反射層とを有する多層太陽電池デバイスを具備する。グラフィックス層を組み込むことにより、太陽電池デバイスの外観がカスタマイズ可能になるか又はさもなければ改変され得る。例えば、太陽電池デバイスの外観を構築環境に十分融和するものにする目的で、木目グラフィックを組み込むことが所望される場合もある。別の例としては、広告掲示板の用途に対応した広告用グラフィックスを太陽電池デバイスに組み込むことが所望される場合もある。
【0007】
本開示の実施形態は、複数の太陽電池が収容されている多層太陽電池デバイスを具備し、このデバイスの一面上には部分透過性グラフィックフィルムが設けてあり、対向面上には反射体が設けてある。部分透過性グラフィックフィルムは、デバイスへの入光を可能にしている。この光の一部は太陽電池に吸収され、一部は複数の太陽電池の間の空間を介して透過される。反射体は、複数の太陽電池の間の空間を介して伝達された光の一部を反射させ、太陽電池に向かって戻す。
【0008】
様々な要素を含めることにより、デバイスの平面における光の移送が増加し得る。デバイスの平面とは、反射体と部分透過性グラフィックフィルムとの間の平面のことを指す。複数の太陽電池が共通平面を占有する実施形態において、デバイスの平面は、この共通平面である。いくつかの実施形態において、反射体は、デバイスの面内に光を拡散させる光拡散構造を含み得る。他の実施形態において、反射体と太陽電池との間の領域には封入材が収容されており、この封入材には、デバイスの平面における光の移送を増加させる光方向転換要素が含まれている。
【0009】
デバイスの面内に移送される大部分の光は、下面では反射体を介して、上面ではフレネル反射及び/又は内部全反射(TIR)を介して、デバイスの内部に捕捉され、遂には太陽電池に吸収されることになる。入射光の70%を遮断するグラフィックが部分透過性フィルムに含まれる場合でも多層太陽電池デバイスの電力出力が上昇し得ることが、明らかにされてきた。
【0010】
図1A及び1Bはそれぞれ、太陽電池デバイス100の平面図及び断面図である。太陽電池デバイス100は、複数の長方形太陽電池114を具備するが、太陽電池の形状、サイズ及び数は、例示されている実施形態とは異なり得る。各太陽電池は典型的に、1つ又は2つ以上のバスバーを介して相互接続されている幅狭で細長い平行な指部の配列を含むグリッドの形態にてその前面に対し前面接触することと、その背面に対し背面接触することと、を含む。太陽電池は、光起電力電池であってもよく、例えば、米国特許第4,751,191号、同第5,074,920号、同第5,118,362号、同第5,178,683号、同第5,320,684号及び同第5,478,402号に例示及び記載されているとおりに作製され得る。太陽電池は典型的に、平行な行及び列にて配列されるが、他の構成も有用であり得る。
図1Bを参照すると、太陽電池114は典型的に電気リード線118を介して相互接続されている。この電気リード線は通常、平坦な銅リボンの形態である。
図1Bにおいてストリング内の隣接する電池は、可撓性の銅リボン118の一端を半田付けすることにより、又はさもなければ1つの太陽電池のバック電極に対し電気的に接続して同じリボンの対向端部を次に続く太陽電池上の前面接触のバスバーに半田付けすることにより、直列に接続されている。いくつかの実施形態において、複数の太陽電池114は、上面上、及び上面に対向する下面上の両方に、活性区域を有する。
【0011】
図1Bに例示されている実施形態において、太陽電池デバイス100は、グラフィックフィルム112に対向する複数の太陽電池の背後に、反射体111を含む。反射体111は、多層光学フィルムを含み得る。反射体111は総前面面積Atを有し、反射体111は、複数の太陽電池で被覆されていない開放領域115を有する。開放領域115は表面積Aoを有する。いくつかの実施形態において、Ao/Atは、少なくとも約0.05又は少なくとも約0.1である。
【0012】
いくつかの実施形態においては、第1の間隙(即ち、太陽電池114と反射体111との間の領域117内)に、又は第2の間隙(即ち、部分透過性グラフィックフィルム112と太陽電池114との間の領域119内)に、封入材が収容されている。
図1Bに示す実施形態においては、封入材が、反射体111と部分透過性グラフィックフィルム112との間(第1の間隙117内、第2の間隙119内)に介在し、太陽電池114及びその電気コネクタリボン118を囲繞している。封入材は、典型的に、電気的に非電導性の好適な光透過性(light-transparent)材料から作製される。例示的な有用な封入材は、業界では「EVA」として公知のエチレン酢酸ビニルコポリマー、又はポリオレフィンコポリマー、又はイオノマーである。封入材は典型的に、複数の太陽電池114の下部及び上部に配置される個別のシートの形態で提供されており、それらの構成要素は、反射体111と部分透過性グラフィックフィルム112との間にサンドイッチされる。引き続いて、そのサンドイッチを典型的に真空下で加熱し、封入材シートを電池の周りに十分に流れ且つその電池を封入する程度に液状化させ、同時に、空気の排出により生じる可能性のある、前面カバーと背面シートとの間の空間におけるあらゆる空隙を充填する。液状化された封入材は、冷却されると即座に固化し、かつその場で硬化され、透明な固体マトリックスを形成し、この固体マトリックスは電池を包囲し、反射体111と部分透過性グラフィックフィルム112との間の空間(相互に離間された電池及び電気的な相互接続を生ずる構成要素によって占められていない空間)を完全に充填する。封入材は、前面及び背面シートに接着して、積層されたサブアセンブリを形成する。封入材及び太陽電池の特定の配置構成は、平坦な、共形性の又は可撓性の太陽熱収集器などの様々な用途が可能になるように選択され得る。太陽電池の線密度は、所望される最高曲率の方向に最小化され得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、太陽電池デバイスは周囲枠が備え付けられ、且つその周囲枠に固着されており、通常は、その枠と積層されたサブアセンブリの端部との間に密封剤が配置される。枠は、金属で作製される場合もあれば、又は有機プラスチック若しくはエラストマー材料のような好適な材料で成形される場合もある。図示されていないが、
図1A及び1Bに示すような太陽電池デバイスにはまた、モジュールを別のモジュールに接続するか又は直接に電気回路に接続するための電気端子が付属している場合もあり、端子は通常、反射体に固定されていることを、理解すべきである。加えて、太陽電池デバイス又はその一部は、その寸法安定性を改善するために、例えば、注入クラッド、コルゲーション、若しくはリブ、発泡スペーサ層、又はハニカム構造の追加によって補強され得る。
【0014】
図2に示す実施形態において、太陽電池214と部分透過性グラフィックフィルム212との間にある間隙又は領域219には、屈折率n1を有する複数の太陽電池214に隣接する第1材料209と、第1材料209と部分透過性グラフィックフィルム212との間の屈折率n2を有する第2材料202と、が含まれる。第1材料209が封入材である場合もあれば、第2材料202がガラス層及び/又は光学透明接着剤である場合もある。いくつかの実施形態において、屈折率は、n1がn2に等しいか又はそれより大きくなるような値である。本実施形態において、部分透過性グラフィックフィルム212は第2材料202から取り外し可能であってもよく、それにより、代替の部分透過性グラフィックフィルムでの置換が可能になる。これは、広告掲示板、看板、建築表面、又は同様な用途に望ましい場合もある。他の実施形態において、屈折率は、n1−n2が0.1に等しいか又はそれより大きくなるような値である。本実施形態においては、屈折率の低い材料202を用い、内部全反射を誘導することにより、移送を向上させる。
【0015】
反射体は、ミラーフィルムで実装されていてもよく、それにより、高反射率が実現されるという利益がもたらされ得る。ミラーフィルムとしては、その全体が本明細書に参照により援用されている米国特許第5,882,774号(Jonzaらに付与)に記載されている3M Company(St.Paul,MN)製Enhanced Specular Reflector(ESR)フィルムのような多層ポリマーフィルムを挙げることができる。
【0016】
代替の実施形態において、反射体は、白色の拡散反射体を含む。好適な白色の拡散反射体としては、DuPont,Wilmington,DE.から入手可能なDuPont Diffuse Light Reflector及びAmerican Furukawa,Inc.,Plymouth Township,MIから入手可能なMCPET Reflective Light Sheetsが挙げられる。
【0017】
他の実施形態において、反射体は、半鏡面反射体である。半鏡面反射体は、鏡面反射と拡散反射との混合を与える。好適な半鏡面反射体としては、ESRフィルムのような鏡面反射体とその鏡面反射体に隣接する複数の屈折要素とを挙げることができる。
図2に示す実施形態において、多層太陽電池デバイス200は、鏡面反射体213と屈折要素215とを含む反射体211を備える。好適な屈折要素の例としては、ビーズ、マイクロレンズ、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ、キューブコーナー構造、プリズム、又はこれらの要素の任意の組み合わせが挙げられる。屈折要素の層を使用して、デバイスの平面における光の拡散を増大し得る。そのような層は、本明細書において光拡散層と呼ばれる。光拡散層を鏡面反射体と共に含めることにより、光がデバイス内に捕捉され易くなり、光が太陽電池を介して最終的に吸収される確率が高まるため、太陽電池デバイスの効率が増大する。
【0018】
図2に図示されている実施形態においては、封入材が、反射体211と部分透過性グラフィックフィルム212との間(第1の間隙207内、第2の間隙219内の一部の209内)に介在し、太陽電池214及びその電気コネクタリボン218を囲繞している。
【0019】
反射体と共に光拡散層を含めることに対する代替は、太陽電池と反射体との間にある間隙若しくは領域、又は部分透過性グラフィックフィルムと太陽電池との間の間隙若しくは領域に、光拡散要素を組み込むことである。これらの間隙には、典型的に封入材が収容される。封入材を、ガラスビーズ若しくはポリスチレンビーズ、又は光を散乱させ得る他の粒子のような光拡散要素で充填して、太陽電池に吸収される確率の高い面内導波モードとの入射光のカップリングを増強することにより、効率が向上し得る。
【0020】
反射体は、可視光及び近赤外線光を反射させ、且つ低周波光を透過させるコールドミラーを含み得る。好適なコールドミラーの例としては、Edmund Optics,Inc.,Barrington,NJ.から入手可能ものが挙げられる。いくつかの実施形態において、反射体は、400nm〜1100nmの範囲の波長で光を少なくとも80%反射させ、且つ1200nm〜2400nmの範囲の波長で少なくとも80%透過させる半鏡面反射体である。
【0021】
本明細書において、部分透過性グラフィックフィルムは、可視範囲又は近赤外線範囲内の波長を有する少なくともいくつかの光を透過し、且つ反射光にいくつかのグラフィカルコンテンツが含まれる可視範囲内で少なくともいくつかの光を反射する任意のフィルムである。グラフィカルコンテンツは、パターン、画像又は他の視覚的なしるしを含み得る。グラフィックフィルムは、プリントフィルムである場合もあれば、又は印刷以外の手段で製作され得るグラフィックである場合もある。例えば、部分透過性グラフィックフィルムは、有孔の配置構成がパターン化された有孔反射フィルムであり得る。グラフィックはまた、エンボス加工によっても作製され得る。エンボスフィルムの例としては、3M Company,St.Paul,MN.から市販されている部分透過性DI−NOCフィルムが挙げられる。
【0022】
いくつかの実施形態において、部分透過性グラフィックフィルムは、部分透過性グラフィックフィルム表面の少なくとも約5%又は少なくとも約10%又は少なくとも約15%を被覆するグラフィックを含む。いくつかの実施形態において、部分透過性グラフィックフィルムは、部分透過性グラフィックフィルム表面の約65%未満、又は約70%未満又は約75%未満を被覆するグラフィックを含む。
【0023】
部分透過性グラフィックフィルムは、印刷に適しているか又はさもなければ画像形成に適している有孔フィルムであり得る。フィルムが、インク画像を受け取る能力がある場合、そのフィルムは印刷に適する。印刷に適した有孔フィルムで有用なものとしては、例えば、3M Company,St.Paul,MNからSCOTCHCAL Markingフィルムという商標標記で入手可能な有孔の透明ビニルフィルムが挙げられる。いくつかの実施形態において、部分透過性グラフィックフィルムは、その全体が本明細書において参照により援用されているPCT公報(WO 2013/019766号)に記載されているような熱可塑性ウレタン及びセルロースエステルを含み得る。
【0024】
インク層は、グラフィックフィルムの少なくとも1つの表面上に提供され得る。いくつかの実施形態において、インク層がデザインを形成する。フィルム画像化に好適な画像化技法には、インクジェット印刷、熱質量転写、フレキソ印刷、染料昇華、スクリーン印刷、静電印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、又はその他の印刷プロセスが挙げられる。有用なインクには、ピエゾインクジェットインク、熱転写インク、紫外線硬化性インク、溶媒系インク、及びラテックスインクが挙げられる。
【0025】
機能性層として、トップコートも採用することができる。トップコートはポリマーであってもよく、例えば、フルオロポリマー、ポリウレタン、ポリカーボネート若しくはポリアクリル、又はそれらのコポリマーから作製され得る。トップコートは、表面特性の改変に使用される場合もあるが、また、例えば、画像を覆う保護層としても使用できる。トップコートは、恒久的なグラフィックを保護するガラス層であり得る。これは、建築、屋根葺き、タイル張り又は同様な用途に望ましい場合もある。
【0026】
部分透過性グラフィックフィルムはまた、従来型のプライマーコーティングで処理してもよいし、且つ/又は火炎若しくはコロナ放電で活性化してもよいし、且つ/又は他の表面処理で活性化してもよく、これによって機能層及び/又はそれに対する接着剤層の接着が強化され得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、部分透過性グラフィックフィルムは、グラフィックフィルム層と、グラフィックフィルム層の背後にある反射層と、を含む有孔ラミネートである。例えば、白色の反射層、又は銀メッキされた反射層は、有孔グラフィック層の背後に使用され得る。いくつかの実施形態において、部分透過性グラフィックフィルムは、半透明のグラフィックフィルム層と、半透明のグラフィックフィルム層の背後にある部分反射層と、を含む半透明のラミネートである。
【0028】
本明細書において、「効率」とは、太陽電池デバイスに入射され、且つ太陽電池デバイスによって吸収された光の強度の分率のことを指し、「相対効率」とは、グラフィックコンテンツを与えた場合の効率とグラフィックスを適用しない場合(即ち、部分透過性グラフィックフィルムが完全透過性フィルムで置き換えられるとき)の効率との比率である。効率を定義するのに用いられる光入力は、指定された場所における太陽光を年間日及び日中時間で平均化した値としてもよいし、又は標準の光源AM1.5としてもよい。部分透過性グラフィックフィルムによって太陽電池デバイスの大きな表面積が遮断され得ると同時に、高い相対効率が維持される。実施例に例示されているように、グラフィック被覆率が50%の場合、相対効率は約84%であり得る。理論に束縛されるものではないが、グラフィック被覆率の増加に伴い、相対効率はゆっくり減少すると考えられる。これは、グラフィックがデバイスの有効収集面積を減少させる反面、光が前面を通ってデバイスから逃げる確率を低減させることにより捕捉効率を改善するためである。
【0029】
フィルムを通して透過された光の強度とフィルムに入射した光の強度との比率は、当該技術分野においてフィルムの透過率レベルTとして公知である。多層太陽電池デバイスのいくつかの実施形態において、部分透過性グラフィックフィルムは透過率レベルTを有し、多層太陽電池デバイスは効率E1を有し、複数の太陽電池は効率E2を有し、且つE1はTとE2の積より大きい。
【0030】
光の捕捉及び移送の両方を増加させる要素を太陽電池デバイスの面内に含めることにより、例えば、封入材とグラフィック層との間に低屈折率コーティングを含めるか、又は光拡散層を鏡面反射体と共に含めることにより、反射体の半鏡面特性が増強するため、相対効率が増加し得る。定量的には、半鏡面性の程度(所与の反射体又はその他の構成要素の鏡面反射対ランベルト特性)はそれぞれ、F及びBと呼ばれる前方及び後方散乱光成分の光束を比較することによって効果的に特徴付けることができる。前方及び後方散乱される光束は、立体角全てに対する積分反射強度(又は光学透過性構成要素の場合は、積分透過強度)から得ることができる。それ故、半鏡面性の程度は「移送比率」TRによって特徴付けられ得る。TRは次式により与えられる:
TR=(F−B)/(F+B)
【0031】
TRは、純粋鏡面反射から純粋ランベルトまで移動するため、0〜1の範囲に及ぶ。純粋鏡面反射体では、後方散乱(B=0)が存在しないため、TR=F/F=1である。純粋ランベルト反射体では、前方及び後方散乱光束が等しいため(F=B)、TR=0である。典型的な反射又は透過性の構成要素の移送比率は、入射角の関数である。例えば、近垂直入射(near-normally incident)光線の場合、前方散乱光の量は、視斜角入射(grazing-incident)光線の場合とは異なる。いくつかの実施形態においては、45°の入射にて0.6又は0.45以下、且つ0.0又は0.1以上の移送比率を提供する反射体を具備する、多層太陽電池デバイスが提供されている。太陽電池の空間分布が異方性である場合、異なる方向において異なる移送比率を有する異方性半鏡面反射体が使用され得る。いくつかの実施形態では、太陽電池の密度は第1の方向におけるほうが第2の方向におけるよりも低いため、第1の方向において移送比率の高い半鏡面反射体が使用される。そのような反射体は、例えば、鏡面反射体と共に線形プリズムを使用して、構築され得る。
【0032】
多くの実施形態において、太陽電池デバイスは、光捕捉用の空洞を形成する。太陽電池デバイスの効率は、最初に太陽電池に直接吸収されない入射光線を空洞の平面に散乱させ、次いでその面内光を太陽電池に吸収されるまで移送させる能力に左右される。それ故、高い効率を得るには、光が太陽光の平均入射角を有する(漏洩面外モード、即ち、空洞から漏出し得るモードに対応する)ものである場合は、移送比率の低い(拡散性の高い)反射体を用い、光が面内光の平均入射角を有する(面内モードで捕捉される)ものである場合は、移送比率の高い(鏡面性の高い)反射体を用いるのが、有利である。
【0033】
いくつかの実施形態においては、反射体とグラフィック層との間に封入材が存在する。グラフィック層が存在しない場合、反射体と封入材−空気界面との間に、光捕捉用の空洞が形成される。典型的な封入材の場合、空気界面におけるTIR角度は法線から約40°であるため、0〜40°の角度で移動する光線は漏洩モードに対応する一方、40〜90°で伝播する光線はTIRモードに対応する。ランベルト反射体は、完全な半球の内部で如何なる入射光線も等しい確率で散乱する。したがって、効率は最大化されないが、ランベルト反射体を使用することもできる。立体角引数から判るように、入射光が導波モードにカップリングする確率は約75%である一方、漏洩モードにカップリングする確率は約25%である。グラフィックを追加すると、漏洩モードが空洞の外へ実際に漏洩する確率は更に低下する。
【0034】
図3は多層太陽電池デバイス300の側面図であり、そのものは、図示されている配置方向に、太陽電池314と、太陽電池314に隣接するスペクトル選択反射体311と、スペクトル選択反射体に隣接するディフューザ315と、ディフューザ315に隣接するグラフィックス層312と、を含む。スペクトル選択反射体と、グラフィックス層の背後にあるディフューザ層と、の組み合わせを含めてフィルムスタックを構成することにより、スペクトル反射と拡散反射との均衡が保たれ、結果として、高い効率を達成し得るのに十分な可視光及び/又は近赤外線(NIR)光が太陽電池に到達することが可能になると同時に、表示特性も向上することが見出されてきた。多層太陽電池デバイスにより提供される望ましい表示特性としては、一般的にフィルムスタックの背後にある黒色の太陽電池が隠蔽され、ナチュラルな外観のグラフィックが得られることが挙げられる。
【0035】
好適なスペクトル選択反射体は、ESRのような多層ポリマーフィルムである。ESRは、約400nm〜約1000nmの波長の光をごく僅かしか透過しない。波長が約1000nmを超える場合、ESRにより、入射光の約80〜90%が透過され得る。このように比較的低い透過率から比較的高い透過率への遷移が発生する波長を、本明細書において以下「透過閾値」と呼ぶ。標準ESRは、先に参照により援用されている米国特許第5,882,774号(Jonzaらに付与)に概説されているように、反射閾値を低波長にシフトさせるように多層光学フィルムにおける層厚さを選択することにより、上に太陽電池を使用したときに性能の向上が得られように修正され得る。ESR内の層のフィルム厚さを調整することによって、透過閾値を小さい値にシフトでき、その結果、反射フィルムを透過して太陽電池に到達し得る光が増大する。ESRに対する好適な代替は、3M Company,St Paul,MNから市販されているESR2である。ESR2は、ESRの薄型化バージョンであり、可視範囲ではほとんど光を透過しないが、波長が約850nmの透過閾値を超えるかなりの光を透過する。ESRの透過率400及びESR2の透過率402は、
図4に図示されている。ESRの透過閾値410及びESR2の透過閾値412は、
図4に示してある。
【0036】
いくつかの実施形態において、スペクトル選択反射体は、有孔ESRフィルムである。有孔は、例えば、レーザーを使用してフィルム中に複数の穴を切削することにより、為され得る。有孔ESRは、高品質のグラフィック表示を得るための十分な反射を提供すると同時に、効率を向上させるための十分な放射線を通過させることが見出されてきた。
【0037】
ディフューザは、ビーズ含有ディフューザ又はファイバディフューザであり得る。他の好適なディフューザは、米国特許第7,682,034号、PCT公報(WO 2008/152574号及び国際公開第2012/082549号)、並びに公開特許公報(特開2010/152189号)に記載されている。透過性に優れたESRを製造するための手法は、ESRにビーズ含有ディフューザ層を直接に適用することである。理論に束縛されるものではないが、ESRにビーズ含有ディフューザ層を適用するとESRの透過性が増大すると考えられる。これは、フィルムスタックに入射した光がビーズ含有ディフューザ層を介して屈折した後、ESRを介して透過率が高まるような入射角度でESR層に対し入射するためである。このようにして反射体を介した透過率を変えることは、Liuらに付与された米国特許第6,208,466号に概説されており、この特許の内容全体は本明細書において参照により援用されている。
【0038】
好適なビーズ含有ディフューザは、屈折率がnrである樹脂中に、屈折率がnbであるビーズを含む。好適なビーズは、ガラス、ポリスチレン、セラミック、TiO
2、SiO
2、ZrO
2、BaSO
4及びCaCO
3粒子を含む。有用な樹脂としては、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル、例えば、限定はされないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びシクロオレフィン、並びにそれらのコポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態において、nb/nrは、約1.05又は1.06又は1.07より大きい。いくつかの実施形態において、nb/nrは、約1.2又は1.25又は1.3未満である。いくつかの実施形態において、ビーズの直径は約2μm〜8μmの範囲内である。いくつかの実施形態において、ビーズ含有ディフューザ層の体積は、ビーズの体積vb及び樹脂の体積vrを含み、ここで、vb/vrは、約0.85又は0.90より大きく且つ約1.20又は1.25未満である。
【0039】
多層光学フィルムを有孔にすることにより、層の数又は層の光学的厚さを調整することにより、ディフューザを直接に多層光学フィルムの表面に対し適用することにより、又はこれらの技術の組み合わせにより、可視範囲における透過率及び透過閾値の両方を、太陽電池デバイスの性能が最適化されるように、調整し得る。いくつかの実施形態において、透過閾値は、700nm〜850nmの範囲内である。いくつかの実施形態において、透過閾値未満の波長における可視光の透過率は、20%〜50%の範囲内である。本明細書において、「効率比」とは、太陽電池(グラフィックあり又はなし)をフィルムスタックで被覆した場合の効率と、フィルムスタックなしの場合の効率との比率である。透過閾値が700nm〜850nmの範囲のとき、及び透過閾値未満波長における可視光の透過率が20%〜50%の範囲のときは、フィルムスタックをグラフィックス用途に合わせて太陽電池を十分に隠蔽できると共に、効率比を約70%とし得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、スペクトル選択反射体は、光学透明接着剤を用いて、太陽電池に付着される。このようにしてスペクトル選択反射体を太陽電池に対し光学的にカップリングさせることにより、太陽電池の効率が改善されることが見出されてきた。好適な光学透明接着剤としては、3M Liquid Optically Clear Adhesive 2175(3M Company,St.Paul.MNから入手可能)が挙げられる。
【0041】
いくつかの実施形態において、ディフューザは、低屈折率層を含む。低屈折率層は、反射体とビーズ含有ディフューザ層との間に提供される場合もあれば、又はグラフィックス層とビーズ含有ディフューザ層との間に提供される場合もある。これは、グラフィックの外観を向上させるものであることが見出されてきた。低屈折率層は、屈折率が約1.4未満であり得る。いくつかの実施形態において、低屈折率層は、屈折率が約1.35未満の超低屈折率(ULI)層である。ULI層は、バインダと、その全体が本明細書において参照により援用されている米国特許出願公開第2012/0038990号に記載されているような複数の相互接続されている空隙と、を具備してもよい。重合性材料を溶剤中に溶かした第1の溶液で表面を被覆する工程と;次いで、重合性材料を少なくとも部分的に重合し、不溶性ポリマーマトリックスと第2の溶液とを含む組成物を形成する工程であって、この不溶性ポリマーマトリックスが第2の溶液で充填されている複数のナノ空隙を備える工程と;その後に、第2の溶液から溶剤の大部分を除去する工程と;によって、ULI層が表面に塗布され得る。ULI層を塗布するための好適な方法は、その全体が本明細書において参照により援用されている米国特許出願公開第2012/0027945号に記載されている。
【0042】
グラフィックス層は、透明基材上に印刷することにより、形成され得る。例えば、グラフィックス層は、塩化ビニル(PVC)フィルム上へのインクジェット印刷により、作製され得る。グラフィックが含まれている透明基材は、光学透明接着剤でディフューザに固着され得る。いくつかの実施形態においては、光学透明接着剤層がディフューザの光学効果を減弱させるのを防ぐ目的で、ディフューザは、反射体と拡散層との間の第1の低屈折率層と、拡散層と光学透明接着剤層との間の第2の低屈折率層と、を具備する。
【0043】
いくつかの実施形態において、ディフューザは、低屈折率層とビーズ含有ディフューザ層とを具備し、ビーズ含有ディフューザ層とグラフィックス層との間には低屈折率層が配置されている。これにより、例えば、インクジェット印刷によって又は先に言及した他の印刷技術によって、グラフィックス層を直接にビーズ含有ディフューザ層に対し適用することが可能になる。グラフィックス層は、例えば、プリント層を摩耗から保護する目的で、ディフューザに隣接するプリント層と、ディフューザに対向する透明フィルムなどの保護層と、を含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、グラフィックス層は、カラー接着剤を含む。例えば、透明プリントフィルムは、淡彩の接着材層を使用してディフューザに固着され得る。これにより、グラフィックの外観を、所望される色合いを有するように誂えることが可能になる。いくつかの実施形態において、グラフィックス層は、エンボスパターンを含む。好適なエンボスフィルムとしては、3M Company,St.Paul,MN.から入手可能な半透明のDI−NOCフィルムが挙げられる。所望される視覚的外観及び触覚感触を作り出すことを目的に、カラー接着剤層を使用して、エンボスフィルムをディフューザに付着させ得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、グラフィックス層には、シアン、マゼンタ、黄色及び/又は黒(CMYK)インクが含まれる。CMYKインクは、赤い波長及び/又は近赤外線波長において良好な透過率を有するように配合される。好適なCMYKインクとしては、Teikoku Printing Inks Mfg.Co.,LTD.(Tokyo,Japan)から入手可能なCMYKインク、及びEpolin,Inc.(Newark,NJ)から入手可能なCMYKインク、例えば、SPECTRE 110視覚的に−不透明の赤外線−透過性インクが挙げられる。
【0046】
上記の記載において、層、構成要素又は要素は、互いに隣接しているものとして記述されている。層、構成要素又は要素は、直接的に接触することにより、1つ若しくは2つ以上の他の構成要素を介して連結することにより、又は互いに隣り合った状態若しくは互いに付着し合った状態を維持することにより、相互に隣接し得る。
【実施例】
【0047】
(実施例1)
光線追跡プログラム(Breault Research Organization,Inc.,Tucson,AZから入手可能なASAP)を使用して、
図2に図示してあるものと類似の太陽電池デバイスの効率を計算した。太陽電池デバイスの平面上に課された周期的な境界条件にて、単一の太陽電池が収容されているシミュレーション電池を使用した。この太陽電池は面積が1単位×1単位のものであり、一方、シミュレーション電池は面積が5単位×5単位且つ高さが0.14単位のものであった。グラフィック層は、四角体の規則的配列としてモデル化された。太陽電池デバイスの外部から四角体に入射した光は、グラフィック層により遮断された。このグラフィック層は、半球反射率が96%の四角体の裏面から入射した光に対する拡散反射体としてモデル化された。18×18の四角体の配列を使用し、所望される被覆面積が達成されるように、その四角体のサイズを調節した。グラフィック層の真下は、屈折率が1.50で厚さが0.01単位のガラス層であった。太陽電池を、屈折率が1.50の封入材で覆い、ガラス層の真下に配置した。封入材厚さは、太陽電池の上及び下に0.05単位である。太陽電池材料は、屈折率が4.0になるようなものが選ばれた。45°の入射角で0.25に等しい移送比率を達成するビーズ含有コーティング付きの鏡面反射体からなるミラーが使用された。ビーズコーティングを含めた反射体の厚さは、0.02単位であった。鏡面反射体は、可視範囲内で反射率が96%のクールミラーフィルムであった。封入された太陽電池の下部にミラーが置かれた。封入材とミラーとの間には接着剤層がサンドイッチされている。このミラーは、屈折率が1.41且つ厚さが0.01単位のシリコーン接着剤としてモデル化された。太陽電池材料は、上から入射した光に対する吸収率が100%、表面反射後の下から入射した光に対する反射率が50%のものとしてモデル化された。太陽電池デバイスに入射した光は、Minneapolis,MN,USAにて南部の露光に面し且つ(垂直方向から)25°の角度で傾斜した太陽電池デバイスを用い、太陽光としてモデル化された。入射光は、全年間日及び全日中時間で平均化された。
【0048】
シミュレーション電池に入射し、且つ太陽電池に吸収された光強度の分率として定義される効率を計算した。所与のグラフィックコンテンツがある場合の効率とグラフィックスを非適用とした場合の効率との比率として定義される相対効率は、グラフィック被覆率に相関するものであると特定された。強い非線形挙動の観測は、下の表1に示すとおりである。
【0049】
【表1】
【0050】
(実施例2)
単結晶Si太陽電池(Changsha Guanghe Solar Co.Ltd.,Changsha ChinaからGHM−5という商標名で市販されている)で、様々なフィルムスタックで被覆されているもの及び被覆されていないものの効率を、標準の光源AM1.5の下で測定した。フィルムスタックは、表2に記載されている。
【0051】
米国特許出願公開第2012/0027945号の実施例1に記載されているとおりに超低屈折率(ULI)層を調製し、表2に示す試料B、E及びFを反射体に適用した。
【0052】
UVX4856 UV硬化性バインダ(3M Company,St.Paul,MNから入手可能)と平均直径が約3μmのポリスチレンビーズ(Suzhou Soken Chemical Co.Ltd,Suzhou,ChinaからKSR−3という商標名で入手可能)と酢酸エチルとを7:8:24の重量比で混合することにより、ビーズ含有ディフューザ用の組成物を調製した。試料C及びDについては、表2に示す反射体の表面に組成物を直接コーティングしてUV硬化させた。試料B、E及びFについては、表2に示すULIコーティング付き反射体の上に組成物をコーティングしてUV硬化させた。
【0053】
ESRの表面に直接被覆され、且つ3M Liquid Optically Clear Adhesive 2175(3M Company,St.Paul,MN)で単結晶Si太陽電池に付着されたビーズ含有ディフューザの反射率500は、
図5に図示されている。
図5の反射率500を
図4の透過率400と比較して、反射率500がビーズ含有ディフューザコーティング付きESRの透過率を100%から減じた概算の値であることに注目すれば、ビーズ含有ディフューザコーティング付き近赤外線波長の透過率を有意に増加させることが判る。
【0054】
試料E及びFについては、プリントPVCをフィルムスタックに付着させた。使用されたPVCは、3M Company,St.Paul MN.から入手可能な3M SCOTCHCAL Clear View Graphic Film 8150であった。このPVCフィルムは片側面上に感圧性接着剤を有して提供されており、この感圧性接着剤を用いてPVCフィルムをフィルムスタックに付着させた。CMYKインク(Mimaki Engineering Co.,Ltd.,Nagano,Japanから入手可能なMimaki SPC−0440インクカートリッジ)を使用してインクジェット印刷することにより、PVCにグラフィックを適用した。適用されたインクの量は、百分率として表される各画素のCMYK値の平均により特徴付けられた。平均CMYKレベルは、マゼンタが約20%、黄色が約40%、黒インクが約17%、且つシアンが約0%であった。
【0055】
試料Fには、有孔ESRが用いられた。ESRのシートに直径約0.8mmの穴をレーザー切削して、有孔にした。ESRシートの面積の約12.5%は、レーザー切削プロセスにより、除去された。
【0056】
表2に示すフィルムスタックに関して、太陽電池をフィルムスタックで被覆した場合の効率と、フィルムスタックなしの場合の効率との効率比を求めた。接着剤を用いずに太陽電池をフィルムスタックで被覆した場合の効率と、3M Liquid Optically Clear Adhesive 2175(3M Company,St.Paul,MN)を用いてフィルムスタックを太陽電池に付着させた場合の効率を測定した。
【0057】
【表2】
【0058】
以上、本明細書において特定の実施形態について例示及び説明してきたが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な代替的実施形態を、例示及び説明した特定の実施形態に対して使用できる点を認識するであろう。本出願は、本明細書で論じた特定の実施形態の如何なる改作又は変型をも包含することを意図したものである。
[1] 多層太陽電池デバイスであって、
反射体と、
前記反射体に隣接して配置された複数の太陽電池と、
前記反射体に対向する面上にあり、前記複数の太陽電池に隣接して配置された部分透過性グラフィックフィルムと、
を含み、前記反射体と前記複数の太陽電池とが第1の間隙により分離され、前記部分透過性グラフィックフィルムと前記複数の太陽電池とが第2の間隙により分離されており、かつ前記複数の太陽電池が相互に離間されていて、前記反射体の開放区域が前記複数の太陽電池で被覆されないようになっている、多層太陽電池デバイス。
[2] 前記部分透過性グラフィックフィルムが、前記部分透過性グラフィックフィルムの約10%〜約70%の第1の主表面を被覆するグラフィックを含む、上記態様1に記載の多層太陽電池デバイス。
[3] 前記反射体が総前面面積Atを有し、前記複数の太陽電池で被覆されていない前記反射体の開放区域が面積Aoを有し、且つAo/Atが少なくとも0.05である、上記態様1に記載の多層太陽電池デバイス。
[4] 前記複数の太陽電池が上面上及び下面上に活性区域を有する、上記態様1に記載の多層太陽電池デバイス。
[5] 前記第1の間隙又は前記第2の間隙のうちの少なくとも1つが封入材を含む、上記態様1に記載の多層太陽電池デバイス。
[6] 前記第1の間隙又は前記第2の間隙のうちの少なくとも1つがガラス層を含む、上記態様1に記載の多層太陽電池デバイス。
[7] 前記第1の間隙又は前記第2の間隙のうちの少なくとも1つが、前記多層太陽電池デバイスの平面に対し平行な方向に前記光の移送を増加させる光方向変換要素を含む、上記態様1に記載の多層太陽電池デバイス。
[8] 前記反射体が半鏡面反射体を含む、上記態様1に記載の多層太陽電池デバイス。
[9] 前記反射体が白色の拡散反射体を含む、上記態様1に記載の多層太陽電池デバイス。
[10] 前記部分透過性グラフィックフィルムが、グラフィックフィルム層と反射層とを有する有孔ラミネートを含む、上記態様1に記載の多層太陽電池デバイス。
[11] 前記部分透過性グラフィックフィルムが、半透明のグラフィックフィルム層と部分反射層とを有する半透明のラミネートを含む、上記態様1に記載の多層太陽電池デバイス。
[12] 前記第2の間隙が、前記複数の太陽電池に隣接する第1の材料を含み、前記第1の材料が屈折率n1を有し、第2の材料が、前記第1の材料と前記部分透過性グラフィックフィルムとの間に配置されており、前記第2の材料が屈折率n2を有し、n1がn2に等しいか又はそれより大きい、上記態様1に記載の多層太陽電池デバイス。
[13] 太陽電池と;
前記太陽電池に隣接するスペクトル的に選択性のある反射体と;
前記太陽電池に対向する前記スペクトル的に選択性のある反射体に隣接するディフューザと;
前記スペクトル的に選択性のある反射体に対向する前記ディフューザに隣接するグラフィックス層と;
を含む、多層太陽電池デバイス。
[14] 前記スペクトル的に選択性のある反射体が多層ポリマーフィルムである、上記態様13に記載の多層太陽電池デバイス。
[15] 前記スペクトル的に選択性のある反射体が有孔である、上記態様13に記載の多層太陽電池デバイス。
[16] 前記ディフューザがビーズ含有ディフューザ層を含む、上記態様13に記載の多層太陽電池デバイス。
[17] 前記ディフューザが、屈折率が1.35未満である層を含む、上記態様13に記載の多層太陽電池デバイス。
[18] 前記グラフィックス層が、前記スペクトル的に選択性のある反射体に対向する前記ディフューザの表面上に印刷パターンを含む、上記態様13に記載の多層太陽電池デバイス。
[19] 前記グラフィックス層が印刷された透明基材を含む、上記態様13に記載の多層太陽電池デバイス。
[20] 前記グラフィックス層が着色接着剤を含む、上記態様13に記載の多層太陽電池デバイス。
[21] 前記グラフィックス層が、前記ディフューザに隣接する印刷層及び前記ディフューザに対向する保護層を含む、上記態様13に記載の多層太陽電池デバイス。
[22] 前記グラフィックス層がエンボスパターンを含む、上記態様13に記載の多層太陽電池デバイス。