特許第6407972号(P6407972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6407972位相カット調光信号の位相カット角のデジタル検出のための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407972
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】位相カット調光信号の位相カット角のデジタル検出のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-512449(P2016-512449)
(86)(22)【出願日】2014年4月24日
(65)【公表番号】特表2016-521446(P2016-521446A)
(43)【公表日】2016年7月21日
(86)【国際出願番号】IB2014060969
(87)【国際公開番号】WO2014181210
(87)【国際公開日】20141113
【審査請求日】2017年4月20日
(31)【優先権主張番号】61/820,964
(32)【優先日】2013年5月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ベン シェーファー マクシミリアン
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/135504(WO,A2)
【文献】 特表2013−511803(JP,A)
【文献】 特表2013−525988(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/061633(WO,A1)
【文献】 特開2009−200257(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0212721(US,A1)
【文献】 特公昭46−020478(JP,B1)
【文献】 実開昭53−017211(JP,U)
【文献】 特開2013−033651(JP,A)
【文献】 特開平01−033887(JP,A)
【文献】 特開平02−024996(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0194098(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ACライン電圧から生成された位相カット調光信号を受信するステップと、
前記位相カット調光信号を閾値電圧と比較し、当該比較に応じて、デジタル位相カット調光信号を出力するステップと、
前記ACライン電圧のピーク電圧レベルを決定するステップと、
前記デジタル位相カット調光信号のデューティサイクルを決定するステップと、
前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルを使用して、前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクルの最大値を決定するステップと、
前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクル、及び前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクルの前記最大値から、前記位相カット調光信号の位相カット角を決定するステップと、
前記位相カット調光信号の前記位相カット角に応じて、LEDベース照明ユニットの調光を制御するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルを使用して、前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクルの前記最大値を決定するステップは、複数のテーブルエントリを含むルックアップテーブルから前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルに対応する前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクルの前記最大値を取得するステップを含み、各テーブルエントリは、前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルの特定の値に対応し、対応する前記位相カット調光信号の前記デューティサイクルの特定の最大値を識別するデータを保存する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルを決定するステップは、
前記位相カット調光信号の導関数を決定するステップと、
前記位相カット調光信号の前記導関数がゼロと交差するか否かを決定するステップと、
前記位相カット調光信号の前記導関数がゼロと交差すると決定された場合、前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルを、前記位相カット調光信号のピーク電圧レベルとして求めるステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記位相カット調光信号の前記導関数がゼロと交差しないと決定された場合、メモリから前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルを引き出す、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ACライン電圧のピーク電圧レベルを決定するステップは、
前記位相カット調光信号の導関数を決定するステップと、
前記位相カット調光信号の前記導関数がゼロと交差するか否かを決定するステップと、
前記位相カット調光信号の前記導関数がゼロと交差すると決定された場合、前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルを、前記位相カット調光信号の前記導関数がゼロと交差する時点での前記位相カット調光信号の電圧レベルとして求めるステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記位相カット角に応じて前記LEDベース照明ユニットの調光を制御するステップは、前記位相カット調光信号の電圧波形下面積と、整流後の前記ACライン電圧の電圧波形下面積との比を決定するステップと、当該比に応じて前記LEDベース照明ユニットを調光するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記位相カット角に応じて前記LEDベース照明ユニットの調光を制御するステップは、それぞれが異なる位相カット角の値及び対応する異なる調光率の値に対応する複数のテーブルエントリを含むルックアップテーブルにおいて、前記LEDベース照明ユニットのための調光率をルックアップするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルの複数の値のそれぞれについて、前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクルの対応する最大値を測定するステップと、
前記ピーク電圧レベルの前記複数の値のそれぞれに対する、前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクルの前記対応する最大値を、それぞれ、記憶装置内のルックアップテーブルの対応するテーブルエントリに保存するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ACライン電圧から生成された位相カット調光信号を受信する入力部と、
前記位相カット調光信号を閾値電圧と比較し、当該比較に応じて、デジタル位相カット調光信号を出力する比較器と、
プロセッサであって、
前記ACライン電圧のピーク電圧レベルを決定し、
前記デジタル位相カット調光信号のデューティサイクルを決定し、
前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルを使用して、前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクルの最大値を決定し、
前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクル、及び前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクルの前記最大値から、前記位相カット調光信号の位相カット角を決定し、
前記位相カット角に応じて、LEDベース照明ユニットの調光を制御する、プロセッサと
を含む、装置。
【請求項10】
複数のテーブルエントリを含むルックアップテーブルが保存された記憶装置をさらに含み、各テーブルエントリは、前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルの特定の値に対応し、前記位相カット調光信号の前記デューティサイクルの対応する特定の最大値を識別するデータを保存する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記位相カット調光信号の導関数を決定し、
前記位相カット調光信号の前記導関数がゼロと交差するか否かを決定し、
前記位相カット調光信号の前記導関数がゼロと交差すると決定された場合、前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルを、前記位相カット調光信号のピーク電圧レベルとして求める
ことによって前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルを決定する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記位相カット調光信号の導関数を決定し、
前記位相カット調光信号の前記導関数がゼロと交差するか否かを決定し、
前記位相カット調光信号の前記導関数がゼロと交差すると決定された場合、前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルを、前記位相カット調光信号の前記導関数がゼロと交差する時点での前記位相カット調光信号の電圧レベルとして求める
ことによって前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルを決定する、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記位相カット調光信号の電圧波形下面積と、整流後の前記ACライン電圧の電圧波形下面積との比を決定し、当該比に応じて前記LEDベース照明ユニットを調光するためのLED調光信号を出力することによって前記LEDベース照明ユニットの調光を制御する、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、それぞれが異なる位相カット角の値及び対応する調光率の値に対応する複数のテーブルエントリを含むルックアップテーブルにおいて、前記LEDベース照明ユニットのための調光率をルックアップすることによって、前記LEDベース照明ユニットの調光を制御する、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
複数のテーブルエントリを含むルックアップテーブルが保存された記憶装置をさらに含み、前記装置は、前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルの複数の特定の値のそれぞれについて、前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクルの対応する最大値を測定し、
前記デジタル位相カット調光信号の前記デューティサイクルの前記対応する最大値を、それぞれ、前記ACライン電圧の前記ピーク電圧レベルの前記特定の値のための前記テーブルエントリのうちの1つに保存する、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般的に、照明ユニットのための調光器を対象とする。より具体的には、本明細書が開示する様々な発明的方法及び装置は、アナログ位相カット調光器から出力された位相カット調光信号の位相カット角のデジタル検出に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]デジタル照明技術、すなわち、発光ダイオード(LED:light-emitting diode)などの半導体光源に基づく照明は、従来の蛍光灯、HID灯、及び白熱灯の実現可能な代替を提供する。LEDの機能的な利点及び利益は、高いエネルギー変換及び光学的効率、耐性、より低い動作コスト、並びに他の多くのことを含む。LED技術の近年の発達は、多くの用途で様々な照明効果を可能にする効率的でロバストなフルスペクトル照明源を提供している。これらの照明源を具現化する器具の幾つかは、例えば参照により本明細書に援用する米国特許第6,016,038号及び第6,211,626号に詳細に論じられているように、様々な色、及び色変化する照明効果を生み出すために、赤色、緑色、及び青色など様々な色を発生することが可能な1つ又は複数のLEDと、LEDの出力を個別に制御するためのプロセッサとを含む照明モジュールを特徴とする。
【0003】
[0003]しばしば、白熱光源用の従来のアナログ調光器によって、1つ以上のLED光源を含む照明ユニットを制御可能に調光する機能を提供することが望ましい。例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第7,038,399号において詳細に論じられるように、1つ以上の白熱光源を含む1つ以上の照明ユニットを、LED光源を含む照明ユニットによって置き換える場合、白熱光源を含む照明ユニットを制御するための場所に既に設置されている調光器を引き続き使用することが望ましいことがよくある。
【0004】
[0004]典型的には、白熱光源用のアナログ調光器は、整流されたAC電圧を照明ユニットに送る。白熱光源用の一般的なアナログ調光器の1つは、SCR(silicon-controlled rectifier)又はTRIAC等のサイリスタを通常使用するためにサイリスタ調光器とも呼ばれる、位相カット調光器である。位相カット調光器は、ACライン電圧を整流し、整流されたAC電圧を、照明ユニットの光出力が調光されるべき量を表す或る位相カット角(0〜180°)で切断し、切断されたAC電圧をアナログ位相カット調光信号として照明ユニットに供給する。国ごとに異なるACライン電圧(典型的には、90VAC〜300VAC)及び周波数(典型的には、50Hz〜60Hz)が用いられるため、位相カット調光信号の特性は、照明システムの場所によって大きく異なる。1つ以上の白熱光源を有する照明ユニットに位相カット調光器が接続されている場合、位相カット調光器は、位相カット調光信号下面積に比例する電力を照明ユニットに供給する。面積が小さいと電力は少なく、電力が少ないと照明は弱い。
【0005】
[0005]しかし、これらのアナログ位相カット調光器を、LED光源を有する照明ユニット、具体的には、アナログ位相カット調光信号をデジタルに解釈しなければならない1つ以上のLED光源を有するデジタル制御照明ユニットに接続して、白熱光源とは相当に異なる動作をするLED光源による光出力を手動制御することは、非常に困難である。例えば、白熱光源の光出力レベルは、白熱光源に印加される電圧を変更することによって変更することができるが、対照的に、LED光源の光出力レベルは、LED光源を流れる電流に応じる(また、通常、LED光源は、白熱光源に通常印加される電圧よりもはるかに低い電圧レベルで動作する)。アナログ位相カット調光器の技術とLED光源の技術とは互換性を有するよう設計されていないが、実際には、よく一緒に使用される。
【0006】
[0006]図1は、整流されたACライン電圧(ピーク値109=120V)が130°の位相カット角107から各半サイクルの終わりまで切断されているアナログ位相カット調光信号、具体的には逆位相カット調光信号105(トレーリング・エッジ調光信号とも呼ばれる)の例を示す。位相カット調光信号105が白熱光源に印加された場合、光出力はフル強度の約72%になる。図1は逆位相カット調光信号105の波形の例を示すが、一部のアナログ位相カット調光器は、順位相カット調光信号と呼ばれる(リーディング・エッジ調光信号とも呼ばれる)、ACライン電圧が波形の左側から切断された位相カット調光信号を生成する。単純さ及び一貫性のため、以下、逆位相カット調光の例を取り上げる。しかし、関連する原理は、順位相カット調光にも当てはまることを理解されたい。
【0007】
[0007]位相カット調光信号105の調光角107は、位相カットAC波形のパルス幅(すなわち、逆位相カット調光信号の場合、位相カット調光信号の各半サイクルの始点と位相カット端との間の幅)と関連する。この情報を使用することにより、下式を用いて位相カット角107を計算することができる。

(1) 位相カット角(°)=(調光信号パルス幅/調光信号周期)×180
【0008】
[0008]しかし、実際には、アナログ位相カット調光器は、しばしば、照明ユニットにあまり「クリーンな」位相カット調光信号を供給しない。位相カット調光信号は歪んでおり、又はDCバイアスを有する可能性がある。各アナログ位相カット調光器は、わずかに異なる波形を出力し、これは、1つ以上のLED光源を含む照明ユニット内のマイクロコントローラが位相カット角を解読し、LED光源の光出力を適量調光させるための信号を生成することを困難にする。
【0009】
[0009]この問題のため、1つ以上のLED光源を含む照明ユニット用の多くのコントローラは、位相カット角を推定し、位相カット角を正確に測定しようとしない。結果として、照明ユニットは位相カット調光器ごとに異なる動作をする可能性があり、これは望ましくない。したがって、当該分野には、位相カット調光信号の位相カット角をより正確に検出するための方法及び装置に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
[0010]本開示は、位相カット調光信号の位相カット角を検出するための発明的方法及び装置を対象とする。例えば、LED光源の光出力を適量調光させるための信号が生成され得るよう、位相カット調光信号の位相カット角をデジタル検出するための方法及び装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[0011]一般的に、一側面では、本発明は、ACライン電圧から生成された位相カット調光信号を受信するステップと、位相カット調光信号を閾値電圧と比較し、当該比較に応じて、デジタル位相カット調光信号を出力するステップと、ACライン電圧のピーク電圧レベルを決定するステップと、デジタル位相カット調光信号のデューティサイクルを決定するステップと、ACライン電圧のピーク電圧レベルを使用して、デジタル位相カット調光信号のデューティサイクルの最大値を決定するステップと、デジタル位相カット調光信号のデューティサイクル、及びデジタル位相カット調光信号のデューティサイクルの最大値から、位相カット調光信号の位相カット角を決定するステップと、位相カット調光信号の位相カット角に応じて、LEDベース照明ユニットの調光を制御するステップとを含む、方法に関する。
【0012】
[0012]一部の実施形態では、ACライン電圧のピーク電圧レベルを使用して、デジタル位相カット調光信号のデューティサイクルの最大値を決定するステップは、複数のテーブルエントリを含むルックアップテーブルからACライン電圧のピーク電圧レベルに対応するデジタル位相カット調光信号のデューティサイクルの最大値を取得するステップを含み、各テーブルエントリは、ACライン電圧のピーク電圧レベルの特定の値に対応し、位相カット調光信号のデューティサイクルの対応する特定の最大値を識別するデータを保存する。
【0013】
[0013]一部の実施形態では、ACライン電圧のピーク電圧レベルを決定するステップは、位相カット調光信号の導関数を決定するステップと、位相カット調光信号の導関数がゼロと交差するか否かを決定するステップと、位相カット調光信号がゼロと交差すると決定された場合、ACライン電圧のピーク電圧レベルを、位相カット調光信号のピーク電圧レベルとして求めるステップとを含む。
【0014】
[0014]これらの実施形態の一部のバージョンでは、位相カット調光信号の導関数がゼロと交差しないと決定された場合、メモリからACライン電圧のピーク電圧レベルを引き出す。
【0015】
[0015]一部の実施形態では、ACライン電圧のピーク電圧レベルを決定するステップは、位相カット調光信号の導関数を決定するステップと、位相カット調光信号の導関数がゼロと交差するか否かを決定するステップと、位相カット調光信号の導関数がゼロと交差すると決定された場合、ACライン電圧のピーク電圧レベルを、位相カット調光信号の導関数がゼロと交差する時点での位相カット調光信号の電圧レベルとして求めるステップとを含む。
【0016】
[0016]一部の実施形態では、位相カット角に応じてLEDベース照明ユニットの調光を制御するステップは、位相カット調光信号の電圧波形下面積と、整流後のACライン電圧の電圧波形下面積との比を決定するステップと、当該比に応じてLEDベース照明ユニットを調光するステップとを含む。
【0017】
[0017]一部の実施形態では、位相カット角に応じてLEDベース照明ユニットの調光を制御するステップは、それぞれが異なる位相カット角の値及び対応する異なる調光率の値に対応する複数のテーブルエントリを含むルックアップテーブルにおいて、LEDベース照明ユニットのための調光率をルックアップするステップを含む。
【0018】
[0018]一部の実施形態では、方法は、ACライン電圧のピーク電圧レベルの複数の値のそれぞれについて、デジタル位相カット調光信号のデューティサイクルの対応する最大値を測定するステップと、ピーク電圧レベルの複数の値のそれぞれに対する、デジタル位相カット調光信号のデューティサイクルの対応する最大値を、記憶装置内のルックアップテーブルの対応するテーブルエントリに保存するステップとをさらに含む。
【0019】
[0019]他の側面では、本発明は、ACライン電圧から生成された位相カット調光信号を受信するよう構成された入力部と、位相カット調光信号を閾値電圧と比較し、当該比較に応じて、デジタル位相カット調光信号を出力するよう構成された比較器と、プロセッサとを含む、装置に関する。プロセッサは、ACライン電圧のピーク電圧レベルを決定し、デジタル位相カット調光信号のデューティサイクルを決定し、ACライン電圧のピーク電圧レベルを使用して、デジタル位相カット調光信号のデューティサイクルの最大値を決定し、デジタル位相カット調光信号のデューティサイクル、及びデジタル位相カット調光信号のデューティサイクルの最大値から、位相カット調光信号の位相カット角を決定し、位相カット角に応じて、LEDベース照明ユニットの調光を制御するよう構成される。
【0020】
[0020]一部の実施形態では、記憶装置に、複数のテーブルエントリを含むルックアップテーブルが保存され、各テーブルエントリは、ACライン電圧のピーク電圧レベルの特定の値に対応し、位相カット調光信号のデューティサイクルの対応する特定の最大値を識別するデータを保存する。
【0021】
[0021]一部の実施形態では、プロセッサは、位相カット調光信号の導関数を決定し、位相カット調光信号の導関数がゼロと交差するか否かを決定し、位相カット調光信号の導関数がゼロと交差すると決定された場合、ACライン電圧のピーク電圧レベルを、位相カット調光信号のピーク電圧レベルとして求めることにより、ACライン電圧のピーク電圧レベルを決定するよう構成される。
【0022】
[0022]これらの実施形態の一部のバージョンでは、プロセッサは、さらに、位相カット調光信号の導関数がゼロと交差しないと決定された場合、メモリからACライン電圧のピーク電圧レベルを引き出すよう構成される。
【0023】
[0023]一部の実施形態では、プロセッサは、位相カット調光信号の導関数を決定し、位相カット調光信号の導関数がゼロと交差するか否かを決定し、位相カット調光信号の導関数がゼロと交差すると決定された場合、ACライン電圧のピーク電圧レベルを、位相カット調光信号の導関数がゼロと交差する時点での位相カット調光信号の電圧レベルとして求めることにより、ACライン電圧のピーク電圧レベルを決定するよう構成される。
【0024】
[0024]一部の実施形態では、プロセッサは、位相カット調光信号の電圧波形下面積と、整流後のACライン電圧の電圧波形下面積との比を決定し、当該比に応じてLEDベース照明ユニットを調光するためのLED調光信号を出力することにより、LEDベース照明ユニットの調光を制御する。
【0025】
[0025]一部の実施形態では、プロセッサは、それぞれが異なる位相カット角の値及び対応する調光率の値に対応する複数のテーブルエントリを含むルックアップテーブルにおいて、LEDベース照明ユニットのための調光率をルックアップすることにより、LEDベース照明ユニットの調光を制御する。
【0026】
[0026]一部の実施形態では、装置は、複数のデータエントリを含むルックアップテーブルを保存する記憶装置をさらに含む。装置は、ACライン電圧のピーク電圧レベルの複数の特定の値のそれぞれについて、対応するデジタル位相カット調光信号の最大デューティサイクルの対応する最大値を測定し、デジタル位相カット調光信号のデューティサイクルの対応する最大値を、それぞれ、ACライン電圧のピーク電圧レベルの特定の値のためのテーブルエントリのうちの1つに保存するよう構成される。
【0027】
[0027]他の側面では、本発明は、ACライン電圧から生成されたアナログ位相カット調光信号を受信するステップと、アナログ位相カット調光信号からデジタル位相カット調光信号を生成するステップと、デジタル位相カット調光信号を使用して、アナログ位相カット調光信号の位相カット角を決定するステップと、アナログ位相カット調光信号の位相カット角に応じて、LEDベース照明ユニットの調光を制御するステップとを含む、方法に関する。
【0028】
[0028]一部の実施形態では、デジタル位相カット調光信号は、アナログ位相カット調光信号の電圧が閾値電圧より高いとき、第1の値を有し、アナログ位相カット調光信号の電圧が閾値電圧より低いとき、第2の値を有する。
【0029】
[0029]一部の実施形態では、アナログ位相カット調光信号の位相カット角は、ACライン電圧のピーク電圧レベルと、デジタル位相カット調光信号のデューティサイクル及びデジタル位相カット調光信号のパルス幅のうちの1つとから決定される。
【0030】
[0030]一部の実施形態では、アナログ位相カット調光信号の導関数のゼロ交差から、ACライン電圧のピーク電圧レベルを決定する。
【0031】
[0031]本開示の目的で本明細書において使用される場合、「LED」との用語は、任意のエレクトロルミネセンスダイオード、又は、電気信号に呼応して放射を発生できる、その他のタイプのキャリア注入/接合ベースシステム(carrier injection/junction-based system)を含むものと理解すべきである。したがって、LEDとの用語は、次に限定されないが、電流に呼応して発光する様々な半導体ベースの構造体、発光ポリマー、有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセンスストリップ等を含む。特に、LEDとの用語は、赤外スペクトル、紫外スペクトル、及び(通常、約400ナノメートルから約700ナノメートルまでの放射波長を含む)可視スペクトルの様々な部分のうちの1つ又は複数における放射を発生させることができるすべてのタイプの発光ダイオード(半導体及び有機発光ダイオードを含む)を指す。
【0032】
[0032]例えば本質的に白色光を生成するLED(例えば白色LED)の一実施態様は、それぞれ、組み合わされることで混合して本質的に白色光を形成する様々なスペクトルのエレクトロルミネセンスを放射する複数のダイを含む。別の実施態様では、白色光LEDは、第1のスペクトルを有するエレクトロルミネセンスを異なる第2のスペクトルに変換する蛍光体材料に関連付けられる。この実施態様の一例では、比較的短波長で狭帯域幅スペクトルを有するエレクトロルミネセンスが、蛍光体材料を「ポンピング(pumps)」して、当該蛍光体材料は、いくぶん広いスペクトルを有する長波長放射を放射する。
【0033】
[0033]なお、LEDとの用語は、LEDの物理的及び/又は電気的なパッケージタイプを限定しないことを理解すべきである。例えば、上述した通り、LEDは、(例えば個々に制御可能であるか又は制御不能である)異なるスペクトルの放射をそれぞれ放射する複数のダイを有する単一の発光デバイスを指すこともある。また、LEDは、LED(例えばあるタイプの白色LED)の一体部分と見なされる蛍光体に関連付けられることもある。一般に、LEDとの用語は、パッケージLED、非パッケージLED、表面実装LED、チップ・オン・ボードLED、TパッケージマウントLED、ラジアルパッケージLED、パワーパッケージLED、あるタイプのケーシング及び/又は光学的要素(例えば拡散レンズ)を含むLED等を指す。
【0034】
[0034]「光源」との用語は、限定されないが、LEDベース光源(上記に定義した1つ以上のLEDを含む)を含む、様々な放射源のうちの任意の1つ以上を指すと理解すべきである。所与の光源は、可視スペクトル内、可視スペクトル外、又は両者の組合せでの電磁放射を発生する。したがって、「光」及び「放射」との用語は、本明細書では同義で使用される。さらに、光源は、一体構成要素として、1つ以上のフィルタ(例えばカラーフィルタ)、レンズ、又はその他の光学的構成要素を含んでもよい。また、光源は、次に限定されないが、指示、表示、及び/又は照明を含む様々な用途に対し構成されることを理解すべきである。「照明源」とは、内部空間又は外部空間を効果的に照射するのに十分な強度を有する放射を発生するように特に構成された光源である。このコンテキストにおいて、「十分な強度」とは、周囲照明(すなわち、間接的に知覚され、また、例えば、全体的に又は部分的に知覚される前に1つ以上の様々な介在面から反射される光)を提供するために空間又は環境において発生される可視スペクトルにおける十分な放射強度(放射強度又は「光束」に関して、全方向における光源からの全光出力を表すために、単位「ルーメン」がよく使用される)を指す。
【0035】
[0035]「照明ユニット」との用語は、本明細書では、同じ又は異なるタイプの1つ以上の光源を含む装置を指して使用される。所与の照明ユニットは、様々な光源の取付け配置、筐体/ハウジング配置及び形状、並びに/又は、電気及び機械的接続構成の何れか1つを有してもよい。さらに、所与の照明ユニットは、光源の動作に関連する様々な他の構成要素(例えば制御回路)に任意選択的に関連付けられてもよい(例えば含む、結合される、及び/又は一緒にパッケージされる)。「LEDベースの照明ユニット」とは、上記した1つ以上のLEDベースの光源を、単独で又はその他の非LEDベースの光源との組合せで含む照明ユニットを指す。
【0036】
[0036]「コントローラ」という用語は、本明細書では概して1つ又は複数の光源の動作に関係する様々な機器を表現するために使われる。コントローラは、本明細書で論じられる様々な機能を実行するために多数のやり方で実装され得る(例えば専用ハードウェアによってなど)。「プロセッサ」は、本明細書で論じられる様々な機能を実行するためにソフトウェア(例えばマイクロコード)を使用してプログラムされ得る1つ又は複数のマイクロプロセッサを用いるコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを使って又は使わずに実装されても良く、一部の機能を実行するための専用ハードウェアと他の機能を実行するためのプロセッサとの組合せ(例えば1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサと関連する回路)としても実装され得る。本開示の様々な実施形態で使用され得るコントローラ部品の例は、これだけに限定されないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、及び書替え可能ゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)を含む。
【0037】
[0037]様々な実装形態において、プロセッサ又はコントローラは、1つ又は複数の記憶媒体(本明細書では一般に「メモリ」と呼ばれる、例えばRAM、PROM、EPROM、EEPROMやフラッシュメモリ、フロッピディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープなどの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ)に関連しても良い。一部の実装形態では、1つ若しくは複数のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されるとき、本明細書で論じられる機能の少なくとも一部を実行する1つ又は複数のプログラムによって記憶媒体が符号化されても良い。様々な記憶媒体はプロセッサ若しくはコントローラ内に固定されてもよく、又は、本明細書で論じられる本発明の様々な態様を実施するために、記憶媒体上に記憶された1つ又は複数のプログラムがプロセッサ又はコントローラ内にロードされ得るように、可搬式とすることができる。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」という用語は、本明細書では、1つ又は複数のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために使用され得る任意の種類のコンピュータコード(例えばソフトウェアやマイクロコード)を指すために一般的な意味で使われる。
【0038】
[0038]上記の概念及び以下でより詳細に論じられる更なる概念のあらゆる組合せが(かかる概念が互いに矛盾しないという条件で)、本明細書に開示される本発明の内容の一部として考えられることが理解されるべきである。とりわけ、本開示の最後に登場する特許請求の範囲に記載の内容のあらゆる組合せが、本明細書に開示される本発明の内容の一部として考えられる。参照により援用される任意の開示でも登場する場合がある本明細書で明示的に用いられる専門用語には、本明細書で開示される特定の概念に最もふさわしい意味が与えられるべきことも理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
[0039]図中、同様の参照符号は、概して、異なる図面にわたって同じ部分を表す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、概して、本発明の原理を例示することに重点が置かれている。
【0040】
図1】[0040]図1は、アナログトレーリング・エッジ又は逆位相カット調光信号の例を示す。
図2】[0041]図2は、位相カット調光信号の位相カット角を検出するための装置を含む照明システムの例示的な実施形態の機能ブロック図である。
図3】[0042]図3は、アナログトレーリング・エッジ又は逆位相カット調光信号、及び、当該信号から生成され得る対応するデジタル位相カット調光信号の例を示す。
図4】[0043]図4は、アナログトレーリング・エッジ又は逆位相カット調光信号の他の例を示す。
図5】[0044]図5は、アナログトレーリング・エッジ又は逆位相カット調光信号と、対応するアナログ逆位相カット調光信号の導関数との間の関係を示す。
図6】[0045]図6は、位相カット調光信号の位相カット角を検出する方法の例示的な実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
[0046]アナログ位相カット調光器は、しばしば、照明ユニットにあまり「クリーンな」位相カット調光信号を供給しないため、各アナログ位相カット調光器は、わずかに異なる波形を出力し、これは、1つ以上のLED光源を含む照明ユニット用のコントローラが位相カット角を解読し、LED光源の光出力を適量調光させるための信号を生成することを困難にする。この問題のため、多くのコントローラは位相カット角を推定し、位相カット角を正確に求めようとしない。結果として、照明ユニットは位相カット調光器ごとに異なる動作をする可能性があり、これは望ましくない。より一般的には、出願人は、位相カット調光信号の位相カット角をより正確に検出するための方法及び装置を提供することは有益であろうことを認識及び理解した。
【0042】
[0047]上記に照らして、本発明の様々な実施形態及び実装形態は、位相カット調光信号の位相カット角を検出するための発明的方法及び装置を対象とする。例えば、LED光源の光出力を適量調光させるための信号が生成され得るよう、位相カット調光信号の位相カット角をデジタル検出するための方法及び装置が提供される。
【0043】
[0048]図2は、照明システム200の例示的な実施形態の機能ブロック図である。照明システム200は、アナログ位相カット調光器210及びLEDベース照明ユニット215を含む。LEDベース照明ユニット215は、位相カット角検出装置220及びLEDベース照明デバイス230を含む。
【0044】
[0049]図1に関連して上記したように、アナログ位相カット調光器210は、ACライン電圧15を受け取り、ACライン電圧15を整流し、逆位相カット調光信号(トレーリング・エッジ調光信号とも呼ばれる)又は順位相カット調光信号(リーディング・エッジ調光信号とも呼ばれる)であり得るアナログ位相カット調光信号105を出力する。説明の単純さ及び一貫性のため、後述及び図示される動作及び方法の例は、逆位相カット調光信号を採用する。しかし、関連する原理及び説明される方法は、順位相カット調光信号にも適用し得ることを理解されたい。
【0045】
[0050]位相カット検出装置220は、比較器222及びコントローラ230を含む。コントローラ230は、プロセッサ224、アナログ−デジタル(A/D)コンバータ(ADC)226、及び記憶装置228を含む。コントローラ230は、図2には明示されていないデジタル論理回路、バッファ、ドライバ、プログラム可能論理デバイス等の他のデバイスを含み得る。プロセッサ224は、例えば記憶装置228内に保存され得るプロセッサ命令コードに応じて、本明細書で説明される方法、例えば図6に関連して説明される方法を含む1つ以上の方法、動作、又はアルゴリズムを実行するよう構成され得る。記憶装置228は、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ)及び/又はROM、PROM、EEPROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含み得る。記憶装置228は、プロセッサ224によって実行される1つ以上のコンピュータプログラムを保存し得る。
【0046】
[0051]LEDベース照明デバイス230は、1つ以上のLED光源を含む。一部の実施形態では、LEDベース照明デバイス230は、さらに、LED光源を駆動し及び点灯させる電力を適切にフォーマット及び供給するためのドライバ回路、及び/又は、かかるLED光源によって出力される光を調光するための回路を含み得る。例えば、LED光源を制御電流源によって駆動することは一般的であり、LEDベース照明デバイス230は、1つ以上のかかる制御電流源を含み得る。
【0047】
[0052]図2は、様々な機能要素間の関係を示し、要素の具体的な物理的配置を一切図示しないと解されるべきである。具体的には、一部の実施形態では、位相カット角検出装置220は、LEDベース照明ユニット215の残りの部分とは別個であり且つ/又は残りの部分から物理的に分離されていてもよい。さらに、一部の実施形態では、調光角検出装置220の1つ以上の機能及びLEDベース照明デバイス230の1つ以上の機能(例えば、LEDドライバ及び/又はLED調光機能)は、LEDベース照明ユニット215内の1つ以上の共有要素によって実行され得る。
【0048】
[0053]次に、図3乃至図6を参照して、照明システム200、特に位相カット角検出装置220の動作を説明する。
【0049】
[0054]動作中、アナログ位相カット調光器210は、LEDベース照明ユニット215の入力部102にアナログ位相カット調光信号105(例えば、逆位相カット調光信号)を出力する。位相カット角検出装置220は、アナログ位相カット調光信号105を受信し、これに応じて、アナログ位相カット調光信号105の位相カット角107によって示される調光量に従ってLEDベース照明ユニット215のLED光源の光出力レベルを制御するための1つ以上の調光制御信号225を出力するよう構成される。
【0050】
[0055]具体的には、アナログ位相カット調光信号105に応じて、位相カット角検出装置220は、デジタル位相カット調光信号305を生成する。より具体的には、比較器222は、アナログ位相カット調光信号105を受信し、アナログ位相カット調光信号105を閾値(例えば、10V)と比較し、比較に応じて、デジタル位相カット調光信号305を出力する。デジタル位相カット調光信号305は、アナログ位相カット調光信号105が閾値より高いとき、第1の状態、電圧、又は論理値(例えば、「1」)を有し、アナログ位相カット調光信号105が閾値より低いとき、第2の状態、電圧、又は論理値(例えば、「0」)を有する。
【0051】
[0056]図3は、アナログ位相カット調光信号105、及びアナログ位相カット調光信号105から位相カット角検出装置、具体的には位相カット角検出装置220によって生成され得る対応するデジタル位相カット調光信号305の例を示す。図3は、3つの異なる位相カット角107に対応する3つの異なるケースを示す。
【0052】
[0057]左側には、位相カット角107が180°のケース、すなわち、減光が無いケースが示されている。この場合、アナログ位相カット調光信号105は、この例では120Vのピーク電圧レベル109を有する整流されたACライン電圧301と同一である。中央には、位相カット角107が130°のケースが示されており、右側には、位相カット角107が80°のケースが示されている。各ケースごとに、位相カット角検出装置220は、2つの値、すなわち、アナログ位相カット調光信号105が閾値を超えるときの第1の値(例えば、「1」)、及びアナログ位相カット調光信号105が閾値を超えないときの第2の値(例えば、「0」)しか有さない、対応するデジタル位相カット調光信号305を位相カット調光信号105から生成する。
【0053】
[0058]図3からわかるように、デジタル位相カット調光信号305は、整流されたACライン電圧301の半波に等しい周期と、位相カット角107が約0°(光出力が完全にOFF)のときの最小値0又は約0から位相カット角107が180°(光出力が完全にON)のときの最大値309まで、位相カット角107に応じて変化するパルス幅307とを有するパルス信号である。したがって、アナログ位相カット調光信号105の位相カット角107をデジタル位相カット調光信号パルス幅307によって計算するよう、上式(1)を書き換えることができる。
【数1】
【0054】
[0059]有利には、コントローラ223、特にプロセッサ224は、デジタル位相カット調光信号305のデジタル位相カット調光信号パルス幅307を容易に測定することができる。さらに、所与の閾値電圧に対して、デジタル位相カット調光信号305のパルス幅の最大値309(すなわち、位相カット角107が180°の場合のパルス幅)は、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109(VAC)及びACライン電圧15の周波数FACの関数である。

(3) 最大値デジタル位相カット調光信号パルス幅 =f(VAC、FAC
【0055】
[0060]位相カット角検出装置220(特にプロセッサ224)は、較正プロセス中に様々なVAC及びFACの値の組み合わせ(例えば、110V、120V、220V、230V等の一般的な電圧レベル、50Hz、60Hz等)に対するデジタル位相カット調光信号305のパルス幅の最大値309を測定し、最大値をメモリ(例えば、記憶装置228)内のルックアップテーブルに保存し得る。その後、動作中、プロセッサ224は、デジタル位相カット調光信号パルス幅307を(例えば、タイマーを使用して)測定し、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109及び動作周波数FACを求め、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109及び動作周波数FACを用いてデジタル位相カット調光信号305のパルス幅の最大値309を検索し、式(2)からアナログ調光信号105の位相カット角107を求めることができる。
【0056】
[0061]発明者は、さらに、デジタル位相カット調光信号のパルス幅307とパルス幅の最大値309との比(すなわち、デジタル位相カット調光信号305のデューティサイクル)は、ACライン周波数FACによって変化せず、ACライン周波数FACの関数ではないことを認識した。すなわち、

(4) 最大値デジタル位相カット調光信号デューティサイクル =f(VAC
【0057】
[0062]したがって、絶対パルス幅に代えてデューティサイクルを取り扱うことにより、FACを排除してルックアップテーブルを単純化することができる。この場合、アナログ位相カット調光信号105の位相カット角107は次のように計算することができる。
【数2】
【0058】
[0063]位相カット角検出装置220(特にプロセッサ224)は、較正プロセス中、ACライン電圧15の複数のピーク電圧レベル109(例えば、110V、120V、220V、230V等の一般的な電圧レベルを含む)に対するデジタル位相カット調光信号305のデューティサイクルの最大値を測定し、各最大値をメモリ(例えば、記憶装置228)内のルックアップテーブルの対応するエントリに保存することができる。エントリはそれぞれ複数のピーク電圧レベル109のうちの1つに対応する。一部の実施形態では、ルックアップテーブルはACライン電圧15のピーク電圧レベル109によって索引を付され得る。その後、動作中、プロセッサ224は、(例えば、タイマーを使用して)デジタル位相カット調光信号305のデューティサイクルから位相カット角を求め、ルックアップテーブルからデューティサイクルの最大値を引き出し、式(5)を使用することにより、デジタル位相カット調光信号305のデューティサイクル及びデューティサイクルの最大値を用いてアナログ位相カット調光信号105の位相カット角107を求めることができる。
【0059】
[0064]ルックアップテーブルからデューティサイクルの最大値を引き出すには、プロセッサ224は、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109を知らなければならない。
【0060】
[0065]しかし、位相カット角検出装置220は、ACライン電圧15を受け取らない。よって、位相カット角検出装置220は、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109をアナログ位相カット調光信号105から決定しなければならない。
【0061】
[0066]アナログ位相カット調光信号105に基づくACライン電圧15のピーク電圧レベル109の決定には、位相カット角107そのものに応じて、2つの可能なケースがある。
【0062】
[0067]第1のケースは、位相カット角107が90°以上の場合である。この場合、アナログ位相カット調光信号105のピーク電圧レベルは、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109と同じである。この場合、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109は、アナログ位相カット調光信号105のピーク又は最大値を求めることによって決定され得る。このために、図2に示されるように、アナログ位相カット調光信号105は、コントローラ223のADC226の入力部に供給される。ADC226は、入力されたアナログ位相カット調光信号105の電圧レベルに応じたデジタルワードを出力し、プロセッサ224は、ADC出力からアナログ位相カット調光信号105のピーク又は最大値、よってACライン電圧15のピーク電圧レベル109を求める。
【0063】
[0068]第2のケースは、位相カット角107が90°未満の場合である。
【0064】
[0069]図4は、位相カット角107が90°未満、具体的には80°の場合のアナログトレーリング・エッジ、又は逆位相カット調光信号の例を示す。図4に示されるように、位相カット角107が90°未満の場合、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109は切断され、アナログ位相カット調光信号105がACライン電圧15のピーク電圧レベル109に到達することはない。したがって、アナログ位相カット調光信号105の現在のサイクルの位相カット角107が90°未満の場合、アナログ位相カット調光信号105の現在のサイクルからACライン電圧15のピーク電圧レベル109を決定することはできない。この場合、代わりに、位相カット角107が90°以上だったときの先のアナログ位相カット調光信号105のサイクルからACライン電圧15のピーク電圧レベル109を求めることができる(例えば、位相カット角107が90°以上だったときの先のアナログ位相カット調光信号105のサイクルの間に記憶装置228に保存された値から)。
【0065】
[0070]したがって、位相カット角107を決定するには、プロセッサ224はACライン電圧15のピーク電圧レベル109を知らなければならないが、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109を正しく決定するには、プロセッサ224は位相カット角107が少なくとも90°であることを知らなければならないという明らかなパラドックスが存在すると考えられる。
【0066】
[0071]プロセッサ224はACライン電圧15のピーク電圧レベル109を知らない可能性はあるが、ACライン電圧15の波形が正弦波であること、及び、アナログ位相カット調光信号105の波形が切断された整流正弦波であることは知られている。さらに、正弦波のピークレベルは正弦波の導関数が0になる点(ゼロ交差点)で生じることが知られている。
【0067】
[0072]図5は、アナログトレーリング・エッジ、又は逆位相カット調光信号105と、対応するアナログ逆位相カット調光信号の導関数505との間の関係を示す。図5の上図は、3つの異なる位相カット角107に対応するアナログ位相カット調光信号105の例を示す。図5の左側には、位相カット角107が180°のケースが示されており、中央には、位相カット角107が130°のケースが示されており、右側には、位相カット角107が80°のケースが示されている。図5の下図は、3つの異なる位相カット角107に対応するアナログ位相カット調光信号105の例のそれぞれの導関数505を示す。
【0068】
[0073]図5から、アナログ位相カット調光信号105の導関数505がゼロと交差する(すなわち、ゼロ交差点509を有する)場合、アナログ位相カット調光信号105はピークを有し、よって位相カット角が90°以上であることが分かる。この場合、上記したように、アナログ位相カット調光信号105のピーク電圧レベルは、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109と同じであり、プロセッサ224は、ADC226の出力から決定されたアナログ位相カット調光信号105のピーク電圧レベルから、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109を決定することができる。あるいは、プロセッサ224は、導関数505のゼロ交差509の時間におけるADC226の出力から、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109を決定することができる。
【0069】
[0074]一方、アナログ位相カット調光信号105の導関数505がゼロと交差しない場合、アナログ位相カット調光信号105はピークを有さず、よって、位相カット角107は90°未満である。この場合、上記したように、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109は、アナログ位相カット調光信号105の現在のサイクルから決定することができず、代わりに、位相カット角107が90°以上だったとき(すなわち、LEDベース照明デバイス230がより高いレベルの照明を供給するようアナログ位相カット調光器210が設定されていたとき)の先のサイクルにおけるアナログ位相カット調光信号105のピーク電圧レベルから決定されなければならない。一部の実施形態では、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109は、アナログ位相カット調光信号105のかかる先のサイクル中に取得された、記憶装置(例えば、記憶装置228)に保存されている値から得ることができる。LEDベース照明ユニット215が一度設置された後、ACライン電圧15の時間変化は比較的小さいと予想され得るので、先に取得された値の使用は、位相カット角が90°未満であっても、位相カット角検出装置220が位相カット角107の良好な値を得ることを依然として可能にする。一部の実施形態では、ACライン電圧15のピーク電圧レベル109は、記憶装置228に含まれ得る、位相カット角検出装置220のフラッシュメモリデバイス等の不揮発性記憶装置に保存され得る。
【0070】
[0075]位相カット角107が90°以上だったときのアナログ位相カット調光信号105の先のサイクルに基づくACライン電圧15のピーク電圧レベル109が利用できない場合(例えば、位相カット角検出装置220が初めて起動された場合)、一部の実施形態では、プロセッサ224は、LEDベース照明ユニット215のLED光源を完全にオフにする1つ以上の調光制御信号を出力するよう構成され得る。これは、ユーザーに、位相カット角107を90°以上にすることによって光レベルを上昇させるよう調光器210を調整させ得り、その時点で、アナログ位相カット調光信号105のピーク電圧レベルが上記したように決定され、メモリ(例えば、メモリ228)に保存され得る。
【0071】
[0076]アナログ位相カット調光信号105の位相カット角107が一度知られた後、コントローラ223はこの情報を使用して、位相カット角107によって示された調光量に従ってLEDベース照明ユニット215のLED光源の光出力レベルを制御するための1つ以上の調光制御信号225を生成し得る。
【0072】
[0077]例えば、位相カット角107の知識に基づき、プロセッサ224は、位相カット調光信号105の電圧波形下面積と整流後のACライン電圧15の電圧波形下面積との比を決定し、この比に従って、LEDベース照明ユニット215のLED光源を調光することができる。
【0073】
[0078]一部の実施形態では、コントローラ223は、複数のエントリを有するルックアップテーブルにアクセスすることによって、LEDベース照明ユニット215の調光を制御することができる。各エントリは、異なる特定の位相カット角107に対応し、LEDベース照明ユニット215のLED光源に適用されるべき調光率又は調光量を示すデータを保存する。
【0074】
[0079]図6は、位相カット調光信号の位相カット角を検出する方法600の例示的な実施形態のフローチャートを示す。方法600は、3つの主要な動作610、630、及び650に分けられる。動作610は、位相カット角検出装置220の較正動作又はプロセスの例示的な実施形態である。動作630は、ACライン電圧15のピーク値109を求める動作又は方法の例示的な実施形態である。動作650は、アナログ位相カット調光信号105の位相カット角107を求める動作又は方法の例示的な実施形態である。
【0075】
[0080]ステップ612において、位相カット角検出装置220は、アナログ位相カット調光信号105の位相カット角107が180°の状態(すなわち、最小の減光又は減光無し、フル照明)で、ACライン電圧15の複数のピーク電圧レベル109に対するデジタル位相カット調光信号305のデューティサイクルの最大値を測定する。
【0076】
[0081]ステップ614において、プロセッサ224は、デジタル位相カット調光信号305のデューティサイクルの最大値を、メモリ(例えば、記憶装置228)内のルックアップテーブルの対応するエントリに保存する。各エントリは、特定のピーク電圧レベル109の値に対応する。
【0077】
[0082]ステップ632において、位相カット角検出装置220は、デジタル位相カット調光信号305のパルス中(すなわち、アナログ位相カット調光信号105が比較器222の閾値電圧より高いとき)、アナログ位相カット調光信号105をサンプリングする。アナログ位相カット調光信号105は、コントローラ223のADC226によってサンプリングされ得る。
【0078】
[0083]ステップ634において、プロセッサ224は、サンプリングされたアナログ位相カット調光信号105の導関数505を計算する。
【0079】
[0084]ステップ636において、コントローラ223は、信号内のノイズを抑制するために、サンプリングされたアナログ位相カット調光信号105の導関数505をフィルタリングする。一部の実施形態では、FIR(finite impulse response)フィルタが使用される。一部の実施形態では、ステップ636は省略され得る。
【0080】
[0085]ステップ638において、プロセッサ224は、サンプリングされたアナログ位相カット調光信号105のフィルタリングされた導関数505内のゼロ交差509を探す。
【0081】
[0086]ステップ640において、プロセッサ224は、ゼロ交差509が発見されたか否かを決定する。
【0082】
[0087]ゼロ交差509が発見された場合、ステップ642において、プロセッサ224は、ACライン電圧15のピーク値109がサンプリングされたアナログ位相カット調光信号105の最大値と等しいことを決定する。
【0083】
[0088]ゼロ交差509が発見されなかった場合、ステップ644において、プロセッサ224は、例えばメモリ(例えば、記憶装置228)に保存されている、アナログ位相カット調光信号105の先のサイクル又は測定からACライン電圧15のピーク値109を引き出す。
【0084】
[0089]ステップ652において、LEDベース照明ユニット215は、自身の入力部102において、ACライン電圧15から生成された位相カット調光信号105を受信し、位相カット調光信号105を閾値電圧と比較し、これに応じてデジタル位相カット調光信号305を出力し、プロセッサ224は、例えばタイマーを使用して、デジタル位相カット調光信号305の周期及びパルス幅を測定する。
【0085】
[0090]ステップ654において、プロセッサ224は、デジタル位相カット調光信号305の周期及びパルス幅を使用して、デジタル位相カット調光信号305のデューティサイクルを計算する。
【0086】
[0091]ステップ656において、プロセッサ224は、ACライン電圧15のピーク値109を使用して、例えばメモリ(例えば、記憶装置228)に保存されたルックアップテーブルから、デジタル位相カット調光信号305のデューティサイクルの最大値を取得する。
【0087】
[0092]ステップ658において、プロセッサ224は、デジタル位相カット調光信号305のデューティサイクル、及びデジタル位相カット調光信号305のデューティサイクルの最大値から、アナログ位相カット調光信号105の位相カット角107を決定する。
【0088】
[0093]プロセッサ224がアナログ位相カット調光信号105の位相カット角107を一度決定した後、プロセッサ224は当該情報を使用して、位相カット角107によって示される調光量に従ってLEDベース照明ユニット215のLED光源の光出力レベルを制御するための1つ以上の調光制御信号225を生成することができる。
【0089】
[0094]幾つかの発明実施形態を本明細書に説明し例示したが、当業者であれば、本明細書にて説明した機能を実行するための、並びに/又は、本明細書にて説明した結果及び/若しくは1つ以上の利点を得るための様々な他の手段及び/若しくは構造体を容易に想到できよう。また、このような変更及び/又は改良の各々は、本明細書に説明される発明実施形態の範囲内であるとみなす。より一般的には、当業者であれば、本明細書にて説明されるすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示のためであり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、発明教示内容が用いられる1つ以上の特定用途に依存することを容易に理解できよう。当業者であれば、本明細書にて説明した特定の発明実施形態の多くの均等物を、単に所定の実験を用いて認識又は確認できよう。したがって、上記実施形態は、ほんの一例として提示されたものであり、発明実施形態は、添付の請求項及びその均等物の範囲内で、具体的に説明された又は請求された以外の形態で実施可能であることを理解されるべきである。本開示の発明実施形態は、本明細書にて説明される個々の特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法に関する。さらに、2つ以上のこのような特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせも、当該特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾していなければ、本開示の本発明の範囲内に含まれる。
【0090】
[0095]本明細書にて定義され及び用いられた定義はすべて、辞書の定義、参照することにより組み込まれた文献における定義、及び/又は、定義された用語の通常の意味に優先すると理解されたい。
【0091】
[0096]本明細書及び特許請求の範囲にて使用される「a」及び「an」の不定冠詞は、特に明記されない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである。
【0092】
[0097]本明細書及び特許請求の範囲にて使用される「及び/又は」との表現は、等位接続された要素の「いずれか又は両方」を意味すると理解すべきである。すなわち、要素は、ある場合は接続的に存在し、その他の場合は離接的に存在する。「及び/又は」を用いて列挙される複数の要素も同様に解釈されるべきであり、すなわち、等位接続された要素のうちの「1つ以上」と解釈されるべきである。「及び/又は」節によって具体的に特定された要素以外の他の要素も、それが具体的に特定された要素に関連していても関連していなくても、任意選択的に存在してよい。
【0093】
[0098]本明細書及び特許請求の範囲において、「又は」は、上記で定義した「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、列挙される項目を分けるとき、「又は」又は「及び/又は」は包括的であると解釈されるべきであり、つまり、複数の又は列挙される要素の少なくとも1つ及び2つ以上、並びに、任意で、付加的な列挙されない項目を含む。明確に反する用語、例えば「1つのみ」若しくは「ただ1つ」、又は特許請求の範囲で使用される場合の「〜からなる」等のみが複数の又は列挙される要素のただ1つの要素を含むことを意味する。通常、本明細書で使用される場合、用語「又は」は、「どちらかの」、「〜のうちの1つ」、「〜の1つのみ」、又は「〜のちょうど1つ」等の排他的な用語が先行する場合にのみ排他的選択肢(すなわち、「どちらか一方」)を指すと解されるべきである。
【0094】
[0099]さらに、特に明記されない限り、本明細書に記載された2つ以上のステップ又は動作を含むどの方法においても、当該方法のステップ又は動作の順番は、記載された方法のステップ又は動作の順序に必ずしも限定されないことを理解すべきである。請求項において、括弧内に登場する任意の参照符号は、便宜上、提供されているに過ぎず、当該請求項をいかようにも限定することを意図していない。
【0095】
[00100]特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「〜から構成される」等といったあらゆる移行句は、非制限的、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味すると理解すべきである。米国特許庁特許審査手続便覧の第2111.03項に記載される通り、「〜からなる」及び「本質的に〜からなる」といった移行句のみが、制限又は半制限移行句である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6