(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407973
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】負荷、特にLEDユニットを駆動するドライバデバイス及び駆動方法
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
H05B37/02 J
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-513373(P2016-513373)
(86)(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公表番号】特表2016-519411(P2016-519411A)
(43)【公表日】2016年6月30日
(86)【国際出願番号】EP2014060032
(87)【国際公開番号】WO2014184326
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2017年5月12日
(31)【優先権主張番号】13168249.4
(32)【優先日】2013年5月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アーランダ クマー
(72)【発明者】
【氏名】レイダーマヘー ハラルド ジョセフ ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】マリナ ドミトロ ヴィクトロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ボーゲル ルーカス ルイス マリー
(72)【発明者】
【氏名】カート ラルフ
【審査官】
安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/064960(WO,A1)
【文献】
特表2011−517024(JP,A)
【文献】
特開平01−284004(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0056553(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷、特に1つ以上のLEDを有するLEDユニットを駆動するドライバデバイスであって、
外部電源から、前記負荷に給電するための入力電圧を受け取る入力端子と、
前記入力端子を互いに接続し、ブリーディング電流用の電流経路を提供する接続ユニットと、
を含み、
前記接続ユニットは、前記入力端子を第1の電流方向に接続する第1の電流経路と、前記入力端子を、前記第1の電流方向とは反対の第2の電流方向に接続する第2の電流経路とを含み、前記接続ユニットは、前記接続ユニットにおける前記ブリーディング電流を制御する第1の電流制御ユニットを含み、前記第1の電流経路及び前記第2の電流経路の各々は、対応する電流経路における前記ブリーディング電流を制御する第2の電流制御ユニットを含む、ドライバデバイス。
【請求項2】
前記接続ユニットは、複数の分離デバイスを含み、1つの分離デバイスが、対応する電流経路に提供される電流方向とは反対の電流方向における対応する電流経路における前記ブリーディング電流をブロックするために、前記第1の電流経路及び前記第2の電流経路の各々に関連付けられる、請求項1に記載のドライバデバイス。
【請求項3】
対応する電流経路において検出される電圧電位に基づいて、前記第2の電流制御ユニットを制御する制御ユニットが提供される、請求項1に記載のドライバデバイス。
【請求項4】
前記第1の電流制御ユニットは、前記第1の電流経路及び前記第2の電流経路の各々に直列に接続され、前記第1の電流経路及び前記第2の電流経路は、互いに並列に接続されている、請求項1に記載のドライバデバイス。
【請求項5】
前記入力電圧を整流し、前記負荷を駆動するための整流された電圧を前記負荷に提供する整流器ユニットを含み、前記第1の電流制御ユニットは、前記整流器ユニットの第1の出力ノードに接続され、前記第2の電流制御ユニットの各々は、前記整流器ユニットの2つの分離デバイスに接続される、請求項1に記載のドライバデバイス。
【請求項6】
前記分離デバイスは、前記第2の電流制御ユニットと、前記整流器ユニットの第2の出力ノードとの間に接続され、前記ブリーディング電流をブロックするために逆方向に調節される、請求項5に記載のドライバデバイス。
【請求項7】
前記2つの分離デバイスの各々は、前記第2の出力ノードと、前記入力端子のうちの1つの入力端子との間に直列に接続される、請求項6に記載のドライバデバイス。
【請求項8】
第2の電流制御ユニットを含む第3の電流経路が、前記第1の電流制御ユニットと前記整流器ユニットの第2の出力ノードとの間に接続される、請求項5に記載のドライバデバイス。
【請求項9】
前記第1の電流制御ユニットは、前記接続ユニットにおける前記ブリーディング電流を有効にするために及び/又は制御するために提供され、前記第2の電流制御ユニットは、対応する電流経路における前記ブリーディング電流を有効にするための制御可能なスイッチである、請求項1に記載のドライバデバイス。
【請求項10】
前記第1の電流制御ユニット及び前記第2の電流制御ユニットは、前記第2の電流制御ユニットのうちの1つが作動され、前記入力電圧の極性が変化する場合に、前記ブリーディング電流を有効にするために、前記第1の電流制御ユニットが作動させられるように互いに接続される、請求項1に記載のドライバデバイス。
【請求項11】
前記第2の電流制御ユニットの各々は、2つの制御可能なスイッチを含み、前記2つの制御可能なスイッチのうちの第1の制御可能なスイッチは、前記ブリーディング電流を導通させ、前記2つの制御可能なスイッチのうちの第2の制御可能なスイッチによって制御される、請求項1に記載のドライバデバイス。
【請求項12】
前記制御ユニットは、前記入力電圧の第1の半周期の間に、前記第2の電流制御ユニットのうちの1つを作動させ、前記入力電圧の次の半周期の間に、対応する電流制御ユニットの動作を停止させる、請求項3に記載のドライバデバイス。
【請求項13】
前記制御ユニットは、位相角検出デバイスによって検出される前記入力電圧の位相角に基づいて、前記第2の電流制御ユニットを制御する、請求項3に記載のドライバデバイス。
【請求項14】
負荷、特に1つ以上のLEDを含むLEDユニットを駆動する駆動方法であって、
入力端子において、外部電源から入力電圧を受け取るステップと、
接続ユニットによって、前記入力端子を互いに接続して、前記入力端子のうちの第1の入力端子から前記入力端子のうちの第2の入力端子への電流方向におけるブリーディング電流用の第1の電流経路と、前記第2の入力端子から前記第1の入力端子への電流方向における前記ブリーディング電流用の第2の電流経路とを提供するステップと、
第1の電流制御ユニットによって、前記接続ユニットにおける前記ブリーディング電流を制御するステップと、
第2の電流制御ユニットによって、前記第1の電流経路及び前記第2の電流経路の各々における前記ブリーディング電流を制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
1つ以上の光ユニット、特に1つ以上のLEDを含むLEDユニットを含む光アセンブリと、
前記光アセンブリを駆動する、請求項1乃至13の何れか一項に記載されるドライバデバイスと、
を含む、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷、特に1つ以上のLEDを含むLEDユニットを駆動するドライバデバイス及び対応する駆動方法に関する。更に、本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レトロフィットランプといったオフラインアプリケーション用のLEDドライバの分野では、幾つかある関連特徴の中で特に、高効率、高電力密度、長寿命、高力率及び低価格に対処する解決策が求められている。実質的にすべての既存の解決策は、どれか1つの要件を含む一方で、提案されるドライバ回路が、現在、及び、好適には、将来の電力主電源規制の順守を維持したまま、主電源エネルギーの形式を、LEDが求める形式に適切に調整することが必要不可欠である。また、ドライバ回路は、ドライバがLEDユニットを含むレトロフィットドライバデバイスとして広く使用できるように、例えば調光器等である既存の及びレガシー電力調節手段と適合可能であることも求められている。
【0003】
ドライバ回路は、あらゆる種類の調光器と適合すべきであり、特に、ドライバは、少ない電力損失で主電源電力を調整するために使用されることが好適である位相カット調光器に適合すべきである。フィラメントランプに提供される主電源エネルギーを調整するように、当初はデザインされていたこれらの調光器は、位相カットタイミングを調節するために、タイミング回路動作電流のためのフィラメントの低負荷インピーダンス経路を使用する。この経路を連続的に提供することに代えて、主電源電圧周期の特定の部分について、当該経路を接続すること及び切断することは、調光器の安定動作をもたらす。この低インピーダンス経路の提供は、主電源電圧のゼロ交差に関して調節されなければならない。この低インピーダンス経路のタイムリーな提供を実現するためには、通常、ランプのドライバ回路によって、それが高インピーダンス状態にある間に、ゼロ交差が検出される。このようなゼロ交差検出は、複雑で、高い技術的努力が伴い、また、多数のLEDユニットが1つの調光器回路に接続される場合、この技術的努力は、各個別のLEDユニットのインピーダンスを増加させる必要があるため、増大する。
【0004】
国際特許公開公報WO2009/121956A1は、LEDアセンブリと、LEDユニットを調光器回路に接続する整流器ユニットとを含む照明装置について開示する。LEDユニットは、LEDユニットに並列に接続され、ブリーディング電流を提供するブリーダを含む。ブリーダユニットは、LEDに接続される制御ユニットによって制御され、整流されたAC電圧の特定の時点において、ブリーディング電流を提供する。この制御ユニットは、複雑で、また、照明装置全体の力率が、ブリーディング電流によって減少される。
【0005】
米国特許出願公開第2012/0056553号は、LEDユニットを調光器デバイスに接続するドライバデバイスについて開示する。このドライバデバイスでは、主電源電圧周期の様々な部分において、整流された入力電圧を異なるように調節するために、異なる抵抗値を含む2つの並列ブリーディング経路が提供される。2つのブリーディング経路は共に、主電源電圧に接続されるので、高電圧コンポーネントが必要であり、また、主電源電圧の位相が決定されなければならないので、このブリーディング回路は、技術的に複雑で、必要となる大型のコンポーネントの量が、これらのコンポーネントの統合ができないほどに増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、少ない技術的努力及び小型化と共に、様々な調光器デバイス、特に位相カット調光器との適合性を提供する、負荷、特に1つ以上のLEDを含むLEDユニットを駆動するドライバデバイス及び対応する駆動方法を提供することを目的とする。更に、本発明は、対応する照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様によれば、負荷、特に1つ以上のLEDを含むLEDユニットを駆動するドライバデバイスが提供される。当該ドライバデバイスは、
外部電源から、負荷に給電するための入力電圧を受け取る入力端子と、
入力端子を互いに接続し、ブリーディング電流用の電流経路を提供する接続ユニットとを含み、接続ユニットは、入力端子を第1の電流方向に接続する第1の電流経路と、入力端子を、第1の電流方向とは反対の第2の電流方向に接続する第2の電流経路とを含み、接続ユニットは、接続ユニットにおけるブリーディング電流を制御する第1の電流制御ユニットを含み、第1及び第2の電流経路各々は、対応する電流経路におけるブリーディング電流を制御する第2の電流制御ユニットを含む。
【0008】
本発明の別の態様によれば、負荷、特に1つ以上のLEDを含むLEDユニットを駆動する駆動方法が提供される。当該方法は、
入力端子において、外部電源から入力電圧を受け取るステップと、
接続ユニットによって、入力端子を互いに接続して、入力端子のうちの第1の入力端子から入力端子のうちの第2の入力端子への電流方向におけるブリーディング電流用の第1の電流経路と、第2の入力端子から第1の入力端子への電流方向におけるブリーディング電流用の第2の電流経路とを提供するステップと、
第1の電流制御ユニットによって、接続ユニットにおけるブリーディング電流を制御するステップと、
第2の電流制御ユニットによって、各電流経路におけるブリーディング電流を制御するステップとを含む。
【0009】
本発明の更に別の態様によれば、1つ以上の光ユニット、特に1つ以上のLEDを含むLEDユニットを含む光アセンブリと、光アセンブリを駆動する、本発明によって提供されるドライバデバイスとを含む照明装置が提供される。
【0010】
本発明の好適な実施形態は、従属請求項に規定される。当然ながら、請求項にかかる方法は、請求項にかかるデバイスと同様及び同一で、従属請求項に規定される好適な実施形態を有する。
【0011】
本発明は、高インピーダンス経路と低インピーダンス経路とを有し、高インピーダンス経路から低インピーダンス経路への切り替えは、電源、特に主電源電圧の周期と同期されるドライバデバイスを提供するという考えに基づいている。低インピーダンス経路は、主電源電圧のゼロ交差の後に提供される。ゼロ交差は、能動的に検出されないが、2つの異なる低インピーダンス経路が、異なる電流方向に対して提供され、また、第2の電流制御ユニットによって作動させられる。したがって、様々な電流経路がゼロ交差の前に作動させられ、ブリーディング電流は、入力電圧の極性変化の後に有効にされる対応する電流経路の方向特性によるものである。したがって、ゼロ交差検出を含むブリーディング電流を、少ない技術的努力で提供することができる。更に、第1の電流制御ユニットは、ブリーディング電流をブロックし、第2の電流制御ユニットを高入力電圧から保護するために提供され、したがって、第2の電流制御ユニットの技術的努力が少なくて済み、第2の制御ユニットのサイズも減少される。したがって、ドライバデバイス全体の技術的努力を少なくでき、また、第2の電流制御ユニットを、集積回路に組み込むこともできる。
【0012】
好適な実施形態では、接続ユニットは、複数の分離デバイスを含み、1つの分離デバイスが、対応する電流経路に提供される電流方向とは反対の電流方向における対応する電流経路におけるブリーディング電流をブロックするために、各電流経路に関連付けられる。これは、少ない技術的努力で、指向性電流経路を提供し、また、必要なゼロ交差検出を提供する単純な解決策である。
【0013】
更に好適な実施形態では、対応する電流経路において検出される電圧電位に基づいて、第2の制御ユニットを制御する制御ユニットが提供される。これは、少ない技術的努力で、ブリーディング経路を入力電圧の極性に同期させる解決策である。
【0014】
更に好適な実施形態では、第1の電流制御ユニットは、各電流経路に直列に接続され、電流経路は、互いに並列に接続される。したがって、第1の電流制御ユニットは、接続ユニット全体を有効及び無効にでき、また、第2の制御ユニットを高電圧から保護でき、したがって、第2の電流制御ユニットは、少ない技術的努力で提供され、また、集積回路に組み込まれてもよい。
【0015】
更に好適な実施形態によれば、ドライバデバイスは、入力電圧を整流し、負荷を駆動するための整流された電圧を負荷に提供する整流器ユニットを含み、第1の電流制御ユニットは、整流器ユニットの第1の出力ノードに接続され、第2の電流制御ユニット各々は、整流器ユニットの2つの分離デバイスに接続される。これは、整流器ユニットの分離デバイスが指向性電流経路にも使用できるように、接続ユニットが整流器ユニットに組み込まれることにより、少ない技術的努力で、指向性電流経路を提供することを可能にする。
【0016】
更に好適な実施形態では、分離デバイスは、第2の電流制御ユニットと、整流器ユニットの第2の出力ノードとの間に接続され、ブリーディング電流をブロックするために逆方向に調節される。これは、少ない技術的努力で、ブリーディング電流を入力端子に導電することを可能にする。
【0017】
更に好適な実施形態では、2つの分離デバイス各々は、第2の出力ノードと、入力端子のうちの1つの入力端子との間に直列に接続される。これは、少ない技術的努力で、指向性電流経路を提供し、接続ユニットを整流器ユニットに組み込むように、整流器ユニットの一部を利用することを可能にする。
【0018】
更に好適な実施形態では、更なる第2の電流制御ユニットを含む第3の電流経路が、第1の電流制御ユニットと整流器ユニットの第2の出力ノードとの間に接続される。これは、2つの指向性電流経路とは異なるインピーダンスを有する追加の極性に依存しない電流経路を提供することを可能にする。
【0019】
更に好適な実施形態では、第1の制御ユニットは、接続ユニットにおけるブリーディング電流を有効にする、制御する及び/又は制限するために提供され、第2の制御ユニットは、対応する電流経路におけるブリーディング電流を有効にするための制御可能なスイッチである。これは、高いスイッチング時間と少ない技術的努力とで、ブリーディング電流を迅速に有効にする解決策である。
【0020】
更に好適な実施形態によれば、第1の電流制御ユニット及び第2の電流制御ユニットは、第2の電流制御ユニットのうちの1つが作動され、入力電圧の極性が変化する場合に、ブリーディング電流を有効にするために、第1の電流制御ユニットが作動させられるように互いに接続される。これは、第2の電流制御ユニットを高入力電圧から保護し、したがって、第2の電流制御ユニットが、低電圧に対し適応されることを可能にする。これは、ブリーディング電流は、ブリーディング経路が完全に通るように接続される場合にのみ、有効にされることによる。
【0021】
更に好適な実施形態では、第2の制御ユニット各々は、2つの制御可能なスイッチを含み、2つの制御可能なスイッチのうちの第1の制御可能なスイッチは、ブリーディング電流を導通させるように適応され、2つの制御可能なスイッチのうちの第2の制御可能なスイッチによって制御される。これは、第2の電流制御ユニットの漏れ電流を減少させる一方で、第2の制御可能なスイッチが第1の制御可能なスイッチを制御することによって、対応する制御可能なスイッチアセンブリの同一のスイッチング挙動を有することを可能にする。
【0022】
更に好適な実施形態では、制御ユニットは、入力電圧の第1の半周期の間に、第2の電流制御ユニットのうちの1つを作動させ、入力電圧の次の半周期の間に、対応する電流制御ユニットの動作を停止させる。1つの電流方向においてのみ、ブリーディング電流を提供する指向性電流経路によって、入力電圧のゼロ交差は、容易に検出される。これは、入力電圧の極性が変化するとブリーディング電流が開始することによる。したがって、第2の制御ユニットの正確なスイッチングは必要ではないため、少ない技術的努力で、制御ユニットが提供される。
【0023】
更に好適な実施形態では、制御ユニットは、位相角検出デバイスによって検出される入力電圧の位相角に基づいて、電流制御ユニットを制御する。これは、入力電圧の位相カットが検出された場合に、接続デバイスを無効にし、調光器デバイスが、ブリーディング電流のタイミングが最適化されるように、入力電圧を主電源電圧に提供することを可能にする。
【0024】
更なる好適な実施形態では、第1の電流制御ユニットは、高電圧バイポーラトランジスタであり、第2の電流制御ユニットは、低電圧バイポーラトランジスタである。第1のバイポーラトランジスタのベースは、補助電圧源によってバイアスがかけられる。これは、バイアスがかけられたトランジスタのコレクタ‐エミッタ経路が、第2のバイポーラトランジスタのコレクタ電圧に対応するエミッタ電圧を制御することによって作動させられるので、第1のバイポーラトランジスタを第2のバイポーラトランジスタによって制御することを可能にする。したがって、第1の電流制御ユニットは、第2の制御ユニットを外部電圧源の高電圧から保護するために、第2の電流制御ユニットによって容易に制御される。
【0025】
上記されたように、本発明は、少ない技術的努力で、入力電圧の極性に依存する低インピーダンス電流経路を提供する。低インピーダンス電流経路は、入力電圧のゼロ交差の後に有効にされる。これにより、レトロフィットLEDランプ用の位相カット調光器に適合するドライバデバイスが提供される。入力電圧の極性に依存して、第2の電流制御ユニットによって、対応する電流経路を作動させることによって、各経路は、分離要素(具体的にはダイオード)が、依然として対応する経路をブロックし、入力電圧のゼロ交差及び対応する極性変化の後に、経路を作動させる間に、準備される。追加の第1の電流制御ユニットが接続ユニット内に提供されるので、指向性電流経路における第2の電流制御ユニットは、高入力電圧から保護される。したがって、第2の電流制御ユニットは、少ない技術的努力で提供され、また、特に、ドライバデバイスの全体のサイズを縮小するために、集積回路に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態を参照することにより明らかとなろう。
【0027】
【
図1】
図1は、LEDユニットを、ゼロ交差検出を含む位相カット調光器に接続する既知のドライバデバイスの略ブロック図を示す。
【
図2】
図2は、極性依存ブリーダの一実施形態の略ブロック図を示す。
【
図3】
図3は、ドライバデバイスの整流電圧及びブリーディング電流と、極性依存ブリーディング経路を制御する制御信号との略タイミング図を示す。
【
図4】
図4は、極性依存ブリーダの更なる実施形態の詳細なブロック図を示す。
【
図5】
図5は、漏れ電流が減少された極性依存ブリーダの更なる実施形態の略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、LEDユニット12を駆動し、当該LEDユニット12を、調光器デバイス14を介して、主電源といった外部電源16に接続する既知のドライバデバイス10の一実施形態を示す。外部電源16は、交流電圧V10(例えば主電源電圧)を、調光器デバイス14に提供する。調光器デバイス14は、調光器デバイス14がその出力部を主電源電圧V10に接続する時点を決定するためのコンデンサ18及び調節可能な抵抗器22を含む位相カット調光器である。抵抗器22は、調光器デバイス14によって提供される位相角を設定するように調節される。コンデンサ18と抵抗器20とから形成されるRC回路は、DIACといった第1のスイッチングデバイス24に接続され、第1のスイッチングデバイス24は、TRIACといった第2のスイッチングデバイス26に接続される。第2のスイッチングデバイス26は、外部電源16に接続され、電圧V10を、調光器デバイス14の出力部に接続する。コンデンサ18の両端間の電圧が、スイッチ24のブレイクオーバー値に達すると、第1のスイッチングデバイス24は、電流パルスを第2のスイッチングデバイス26に導通する。第2のスイッチングデバイス26は、外部電源16を、調光器デバイスの出力部と接続し、電圧V10を、ドライバデバイス10に提供する。したがって、調光器デバイス14は、電圧V10の位相をカットし、その出力端子28において、位相カットされた電圧を提供する。位相カットされた電圧は、ドライバデバイス10の入力電圧V12となる。
【0029】
ドライバデバイス10は、入力電圧V12を単位極性電圧V14に整流する整流器ユニット30を含む。ドライバデバイス10は更に、入力電圧V12のゼロ交差を検出するために、ドライバデバイス10の入力端子34に接続される電圧測定ユニット32を含む。ドライバデバイス10は更に、制御可能なスイッチ38と抵抗器40とを含むブリーダ(bleeder)デバイス36を含む。ブリーダデバイス36は、制御可能なスイッチ38を切り替えることによって整流器ユニット30のための電流経路を提供する。ブリーダデバイス36は、制御信号を介して、制御可能なスイッチ38を制御する電圧測定ユニット32によって検出されるゼロ交差及び位相カット検出によって作動させられる。したがって、ブリーダデバイス36は、電圧測定ユニット32によって、特定の期間の間、作動又は作動停止状態にされる。
【0030】
したがって、ドライバデバイス10は、入力電圧V12のゼロ交差を検出し、制御可能なスイッチ38によって、ブリーダデバイス36が作動されて、調光器デバイス14にブリーディング電流及び連続電流経路が提供される。
【0031】
一般に、ドライバデバイス10は、調光器デバイス14へのドライバデバイス10を通る部分的に時間連続的な電流経路を提供することによって、調光器デバイス14に適合するが、電圧V12のゼロ交差は、電圧測定ユニット32によって測定されなければならず、これは、高インピーダンス状態において達成可能なインピーダンスを制限する。特に、複数のドライバデバイスが調光器デバイス14に接続される場合、各ドライバデバイスにおける電圧測定ユニット32各々が、調光器デバイスに負荷をかけ、したがって、望ましくないやり方で全インピーダンスを減少させる。これを補償するために、各電圧測定ユニット32は、非常に大きい入力インピーダンスが提供されなければならない。したがって、この既知のドライバデバイス10は、レトロフィットLEDランプを製造するには技術的に複雑かつ高価である。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態の略ブロック図を示す。同一の要素は、同一の参照符号によって示され、ここでは、
図1に示される図との相違点のみが詳細に説明される。
【0033】
ドライバデバイス50は、位相カット電圧を入力電圧V12として受け取るために、調光器デバイス14の出力端子28に接続される。調光器デバイス14の入力端子は、主電源16に接続され、ノード29が、主電源16のニュートラル端子又はグラウンド電位に接続される。ドライバデバイス50は、LEDドライバ52とLED54とを含むLEDユニット12に接続される。
【0034】
ドライバデバイス50は、負荷12を駆動するための負荷電流I1を負荷12に提供する。ドライバデバイス50は、調光器デバイス14の出力端子28、29に接続され、入力電圧V12を整流し、負荷12を駆動するための整流された単極性電圧V14と単極性負荷電流I1とを提供する整流器ユニット56を含む。整流器ユニット56は、入力電圧V12を整流し、整流された電圧V14を負荷12に提供するための複数のダイオード58、60、62、64を含む。ドライバデバイス50は更に、以下に説明されるように、ブリーディング経路を有効にするために、整流器ユニット56に接続される接続ユニット66、即ち、極性依存ブリーダ66を含む。極性依存ブリーダ66は、入力端子28とノード29との間の電流経路を有効にし、また、極性に基づいて、ブリーディング電流I2を有効及び無効にすることによって、インピーダンスが、調光器デバイス14に対して高く又は低く出現する。整流器ユニット56は、当該整流器ユニット56をLEDドライバ52に接続するための第1の出力端子68及び第2の出力端子70を含む。
【0035】
極性依存ブリーダ66は、入力端子28及びノード29を互いに接続し、LEDドライバ52のホールド状態の後のゼロ交差検出のためのブリーディング電流I2を有効とするための低インピーダンス経路を提供するために、整流器ユニット56に接続されている。極性依存ブリーダ66は、第1の出力端子68に接続される第1の電流制御ユニット72と、それぞれ、抵抗器78を介して、第1の電流制御ユニット72に接続される2つの極性依存ブリーディング経路74、76とを含む。極性依存ブリーディング経路74、76各々は、1つの第2の電流制御ユニット80、82を含む。第2の電流制御ユニット80、82は、対応する極性依存ブリーディング経路74、76を作動させ、ブリーディング電流I2を有効にするために、制御可能なスイッチ80、82として形成されることが好適である。2つの極性依存ブリーディング経路74、76の第2の電流制御ユニット80、82各々は、ダイオード84、86に接続され、これらのダイオード84、86は、第2の出力端子70に接続される。第2の電流制御ユニット80、82各々は、整流器ユニット56のダイオード62、64の片方を介して、入力端子28、29に接続される。ダイオード84、86各々は、ブリーディング電流I2が第2の出力端子70への方向においてブロックされるように、逆方向に調節される。ダイオード62、64は、ブリーディング電流I2が、極性依存ブリーダ66から、入力端子28、29各々に提供されるように、順方向に向けられる。
【0036】
第2の電流制御ユニット80、82各々は、ダイオード64とダイオード84との間、又は、ダイオード62とダイオード86との間で測定された電圧電位に基づいて、制御信号88、90によって制御される。第1の電流制御ユニット72は、制御信号によって制御される制御可能なスイッチ又は制御可能な抵抗器であることが好適である。第1の電流制御ユニット72は、極性依存ブリーディング経路74、76を、対応する入力端子28、29に対して、したがって、入力電圧V12に対して接続及び切断する。第1の電流制御ユニット72は、高電圧(例えば主電源電圧)向けにデザインされ、第2の電流制御ユニット80、82及びダイオード84、86を、入力電圧V12から保護するために提供される。したがって、第2の電流制御ユニット80、82及びダイオード84、86は、低電圧向けにデザインできる。
【0037】
極性依存ブリーディング経路74に関連付けられるダイオード64、84と、極性依存ブリーディング経路76に関連付けられるダイオード62、86とは、入力電圧V12の1つの極性に対してのみ、ブリーディング電流I2を有効にする。したがって、ブリーディング電流I2は、対応する制御可能なスイッチ80、82が閉じられ、入力電圧V12が対応する極性を有する場合にのみ、有効にされる。
【0038】
ドライバデバイス50の動作中、第2の電流制御ユニット80、82のうちの片方が、対応して関連付けられているダイオード64、84及び62、86が、ブリーディング電流I2をブロックするように、交流入力電圧V12の第1の半波の間に作動させられる。入力電圧V12のゼロ交差を示す極性移行のすぐ後に、対応するダイオード64、62が、導通し始め、対応する電流経路74、76を予め有効にし、第1の電流制御ユニット72が作動させられる。したがって、このように提供される極性依存ブリーダ66の低インピーダンス経路は、ブリーディング電流I2を有効にし、入力端子28とノード29との間に、負荷電流又はインピーダンスを印加する。入力電圧V12のカッティング位相が検出された後、対応する第2の電流制御ユニット80、82及び第1の電流制御ユニット72の動作は停止される。負荷に給電するための負荷電流I1が負荷12に提供される。したがって、ブリーディング電流I2は、調光器デバイス14が適切に動作するためには必要である調光器タイミング回路のための低インピーダンス経路を提供するために、入力電圧V12のゼロ交差の後に有効にされる。
【0039】
第1の電流制御ユニット72は、ゼロ交差が検出された後にのみ、作動させられるので、第2の電流制御ユニット80、82及び関連付けられるダイオード84、86は保護され、低電圧デバイスとしてデザインできる。
【0040】
図3は、入力電圧V12の3つの半波に対する整流電圧V14、ブリーディング電流I2、制御信号88、90及びゼロ交差検出のタイミング図を示す。
【0041】
図3aは、入力電圧V12の整流された電圧として、整流電圧V14を示す。整流電圧V14は、上記された調光器デバイス14によって提供される前縁94を含む。前縁94において、整流電圧V14は、急速に増加する。整流電圧V14は、入力電圧V12又は主電源電圧V10のゼロ交差又は極性移行に対応するt
1、t
2及びt
3において、ゼロである。
【0042】
図3c及び
図3dは、対応する第2の電流制御ユニット80、82の作動時間に対応する制御信号88、90を示す。極性依存ブリーダ66の機能について、一例として、制御可能なスイッチ82を駆動する制御信号90に基づいて説明する。制御可能なスイッチ82は、ゼロ交差t
1に先立つt
onにおいて閉じられ、ここでは、ダイオード62、86が入力電圧V12のこの極性方向ではブリーディング電流I2をブロックするので、ブリーディング電流I2は、ゼロのままである。t
1において、入力電圧V12がゼロとなる又は入力電圧V12の極性が移行した後、ダイオード62は導通し、第1の電流制御ユニット72は、極性依存ブリーダ66を作動させる。t
1におけるゼロ交差の後、ブリーディング電流I2は、前縁94に達するまでゆっくりと増加する。前縁94に達すると、ブリーディング電流I2は、急速に立ち上がる整流電圧V14によって、急速に増加する。t
offにおいて、制御可能なスイッチ82は開かれ、第1の電流制御ユニット72は、ブリーディング電流I2が迅速にゼロに減少されるように、極性依存ブリーダ66を切断する。
【0043】
したがって、各極性依存ブリーディング経路74、76は、t
1におけるゼロ交差に先立つt
onにおいて作動させられる一方で、ダイオード62、86は、ブリーディング電流I2をブロックする。ブリーディング電流I2は、t
1における入力電圧V12のゼロ交差の後に、有効にされ、上昇する。t
offにおいて、制御可能なスイッチ82は開かれ、第1の電流制御ユニット72は、それに応じて、低電圧の制御可能なスイッチ82を、入力電圧V12から保護するために、極性依存ブリーダ66を切断する。したがって、極性依存ブリーダ66は、ゼロ交差を自動的に検出し、要望通りに、ブリーディング電流I2を自動的に有効にできる。
【0044】
図4は、ドライバデバイス50の更なる実施形態の略ブロック図を示す。同一の要素は、同一の参照符号によって示され、ここでは、相違点のみが詳細に説明される。
【0045】
第1の電流制御ユニット72は、バイポーラトランジスタとして形成される。コレクタは、整流器ユニット56の第1の出力端子68に接続され、エミッタは、抵抗器78を介して、2つの極性依存ブリーディング経路74、76に接続される。バイポーラトランジスタ72のベースは、補助電圧源96に接続される。補助電圧源96は、ベースに一定なバイアス電圧を提供するために、一定な補助電圧V16を提供する。補助電圧源96は更に、基準電位として第2の出力端子70に接続される。
【0046】
2つの第2の電流制御ユニット80、82各々は、バイポーラトランジスタとして形成され、各エミッタは、抵抗器78を介して、第1のバイポーラトランジスタ72に接続され、各コレクタは、ダイオード64とダイオード84との間で、又は、ダイオード62とダイオード86との間で、整流器ユニット56に接続される。第2のバイポーラトランジスタ80、82各々は、制御ユニット98、100に接続される。制御ユニット98、100は、第2のバイポーラトランジスタ80、82を切り替え、対応する極性依存ブリーディング経路74、76を作動させるために、対応する制御信号88、90を提供する。制御ユニット98、100は、整流器ユニット56における電圧電位に基づいて、より具体的には、対応するダイオード62、64における電圧電位に基づいて、第2のバイポーラトランジスタ80、82を制御するために、対応する第2のバイポーラトランジスタ80、82のベース及びコレクタにそれぞれ接続される。
【0047】
抵抗器78を第2の出力端子70に直接的に接続するために、第3のブリーディング経路が、極性依存ブリーディング経路74、76と並列に提供されてもよい。
【0048】
ドライバデバイス50の動作中、LEDドライバ52は、切断フェーズに入り、高インピーダンス経路を形成する。しかし、入力電圧V12の次のゼロ交差の後は、調光器デバイス14の正常機能を確実とするために、ドライバデバイス50によって低インピーダンス経路が提供されなければならない。ダイオード60、62及び86が導通している又は順バイアスがかけられている場合の入力電圧V12の半周期の間、バイポーラトランジスタ80は、t
onにおいてオンに切り替えられる一方で、バイポーラトランジスタ82は、依然として、オフに切り替えられている。このフェーズの間、ダイオード64、84は、ブロックしている又は逆バイアスがかけられているので、ブリーディング電流I2は、ゼロである。バイポーラトランジスタ80のコレクタにおける電圧と、バイポーラトランジスタ80のエミッタ電圧とは、補助電圧V16とほぼ等しく、したがって、バイポーラトランジスタ72のベース‐エミッタ電圧は、ほぼゼロであり、バイポーラトランジスタ72は、ブロックしているか又は導通していない。したがって、高電圧デバイスであるバイポーラトランジスタ72は、低電圧バイポーラトランジスタ80、82及び対応するダイオードを、入力電圧V12から保護する。t
1におけるゼロ交差のすぐ後で、ダイオード64は、導通し始めるか、又は、順バイアスがかけられる。バイポーラトランジスタ80のエミッタ電圧は下がり、したがって、バイポーラトランジスタ72のエミッタ電圧も下がる。バイポーラトランジスタ72は、補助電圧V16によってバイアスがかけられるので、バイポーラトランジスタ72は、導通し始め、ブリーディング電流I2を有効にする。したがって、極性依存ブリーダ66は、低インピーダンス経路を提供し、主電源電圧V10のゼロ交差のすぐ後に、ブリーディング電流I2を有効にする。第1の電流制御ユニットは、高電圧デバイスであり、低電圧の第2の電流制御ユニット80、82のうちの一方が導通している場合にのみ、導通するので、第1の電流制御ユニット72は、第2の電流制御ユニット80、82を、高電圧から保護できる。つまり、第1のバイポーラトランジスタ72は、エミッタを介して、第2のバイポーラトランジスタ80、82によって制御される。バイポーラトランジスタ80は、負荷12に給電するための負荷電流I1を提供するために、ブリーディング電流I2が前縁94の後に増加した後、t
offにおいて、オフに切り替えられる。
【0049】
バイポーラトランジスタ82は、バイポーラトランジスタ80がオフに切り替えられた後に、オンに切り替えられ、入力電圧V12の次のゼロ交差のすぐ後に、ブリーディング電流I2を提供する。
【0050】
したがって、バイポーラトランジスタ72として形成される第1の電流制御ユニット72は、バイポーラトランジスタ72のベースが通常5乃至12ボルトである補助電圧V16によってバイアスがかけられることにより、エミッタを介して、第2の制御ユニット80、82又はダイオード64、62によって制御される。
【0051】
第2の制御ユニット80、82は、高電圧から保護され、低電圧デバイスとしてデザインできるので、第2の制御ユニット80、82は、費用及び空間を節約するために、集積回路に組み込まれてもよい。
【0052】
図5は、漏れ電流が減少されたドライバデバイス50の更なる実施形態を示す。同一の要素は、同一の参照符号によって示され、ここでは、相違点のみが詳細に説明される。
【0053】
バイポーラトランジスタ80、82として形成される第2の制御ユニット80、82は、ブロックフェーズの間に、漏れ電流を有する。この電流によって、位相カット調光器14のタイマが影響を受ける場合がある。漏れ電流は、コレクタ電流とベース電流との比である対応するバイポーラトランジスタの電流利得に強く依存する。これは、これらのバイポーラトランジスタは、導通フェーズの間、バイポーラトランジスタ72のベース及びコレクタ電流を導通しなければならないことによる。バイポーラトランジスタ80、82の漏れ電流を減少させるには、制御トランジスタ102、104が、バイポーラトランジスタ80、82にそれぞれ関連付けられ、漏れ電流としてのエミッタ‐ベース電流を減少させる。バイポーラトランジスタ80、82のうちの一方が作動され、ダイオード62、64が、対応するゼロ交差の前で、依然としてブロックしていて、ダイオード62、64がゼロ交差の後、導通するフェーズの間、対応する制御トランジスタのコレクタは、対応して接続されるバイポーラトランジスタ80、82のベースを駆動する。したがって、第2のバイポーラトランジスタ80、82の漏れ電流、即ち、ベース‐エミッタ電流は、少ない技術的努力で減少できる。また、制御トランジスタ102、104も、バイポーラトランジスタ80、82と共に、ICに組み込まれてもよい。制御トランジスタ102、104は、低電圧バイポーラ接合トランジスタであることが好適である。
【0054】
図5に示される極性依存ブリーダ66は更に、バイポーラトランジスタ108として形成される第3のブリーディング経路106と、更なるブリーディング経路を提供するために、第1の電流制御ユニット72を第2の出力端子70に接続する制御ユニット110とを含む。第3のブリーディング経路106も、集積回路に組み込まれてもよい。
【0055】
第3のブリーディング経路106は、任意選択であり、本発明のどの実施形態においても提供されてよい。
【0056】
当然ながら、制御ユニット98、100、110は、様々な制御出力端子及び様々な入力端子を有する単一の制御ユニットとして提供されてもよく、また、バイポーラトランジスタ80、82、102、104を有する集積回路に組み込まれてもよい。
【0057】
ドライバデバイス50は、光アセンブリに使用されることが好適であるが、(レガシー)前縁調光器デバイス14に接続されるあらゆる低電力電子デバイスにも使用されてよい。
【0058】
本発明は、図面及び上記説明において詳細に例示かつ説明されたが、このような例示及び説明は、例示と解釈されるべきであって、限定と解釈されるべきではない。本発明は、開示されている実施形態に限定されない。開示されている実施形態に対する他の変形態様は、図面、開示内容及び添付の請求項を検討することにより、請求項に係る発明を実施する当業者には理解されかつ実施可能である。
【0059】
請求項において、「含む」との用語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、また、「a」又は「an」との不定冠詞も、複数形を排除するものではない。単一の要素又は他のユニットが、請求項に記載される幾つかのアイテムの機能を実現してもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されることだけで、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。
【0060】
請求項における任意の参照符号は、範囲を限定しているものと解釈されるべきではない。