(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ブレード本体の前記長手方向中心面の両側の前記内側歯は、前記歯の前記外面から前記歯の前記内面に延在しながら前記長手方向中心面から離れる方に延在する軸上に位置するすくい面を有する少なくとも1つの内側歯と、前記歯の前記外面から前記歯の前記内面に延在しながら前記長手方向中心面に向かって延在する軸上に位置するすくい面を有する少なくとも1つの内側歯とが、隣同士になるように、配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のブレード。
前記ブレード本体の前記長手方向中心面の両側の前記内側歯は、各々が、前記歯の前記外面から前記歯の前記内面に延在しながら前記長手方向中心面から離れる方に延在する軸上に位置するすくい面を有する、複数の内側歯が配置されるように、配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のブレード。
前記長手方向中心面の両側の前記内側歯は、各々が、前記歯の前記外面から前記歯の前記内面に延在しながら前記長手方向中心面に向かって延在する軸上に位置するすくい面を有する、複数の内側歯が配置されるように、配置されていることを特徴とする、請求項1、2または3に記載のブレード。
前記ブレード本体の前記長手方向中心面の各側において、少なくとも1つの前記歯に溝が形成されており、前記溝は、前記歯の前記内面または前記外面から内方に延在しているとともに、前記歯から近位側に延在していることを特徴とする、請求項1、2、3、4または5に記載のブレード。
前記ブレード本体の前記長手方向中心面の各側において、前記歯の前記内面から内方に延在している溝が形成された少なくとも1つの前記歯と、前記歯の前記外面から内方に延在している溝が形成された少なくとも1つの前記歯とが配置されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、または5に記載のブレード。
少なくとも1つの前記歯に溝が形成されており、前記溝は、前記溝が形成されている前記歯の全幅より小さい距離を延在していることを特徴とする、請求項6または7に記載のブレード。
少なくとも1つの前記歯に溝が形成されており、前記溝は、前記溝が形成されている前記歯の全幅にわたって延在していることを特徴とする、請求項6または7に記載のブレード。
前記連結特徴部は、前記ブレード本体と別体で前記ブレード本体に取り付けられるタブからなっており、前記タブには、前記ブレードを前記寛骨臼カップ取外し器に離脱可能に保持するために前記寛骨臼カップ取外し器の相補的連結特徴部と協働する幾何学的特徴部が形成されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載のブレード。
前記連結特徴部は、前記ブレード本体に前記ブレード本体から傾斜して一体に形成された足であり、前記足には、前記ブレードを前記寛骨臼カップ取外し器に離脱可能に保持するために前記寛骨臼カップ取外し器の相補的連結特徴部と協働するための幾何学的特徴部が形成されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載のブレード。
前記ブレード本体の前記側面は、互いに平行であり、前記外側歯は、前記ブレード本体の前記側面の外方に位置していないことを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載のブレード。
前記ブレードの前記側面は、縁を形成するように形作られており、前記縁は、前記側縁が押圧された組織を切除するようになっていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13に記載のブレード。
前記ブレード本体の前記長手方向中心面の両側において、前記歯は、各歯が前記ブレード本体の前記長手方向中心面のより近くに位置する隣接歯の近位側に位置するように配置されていることを特徴とする、請求項15に記載のブレード。
前記ブレード本体は、前記ブレード本体の前記長軸が前記ブレード本体の前記近位端から前記歯に向かって湾曲するように形成されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16に記載のブレード。
前記シャフトに移動可能に取り付けられているハンドルをさらに備えており、前記ハンドルは、前記ハンドルの作動によって前記ヒンジ及び前記ブレードの旋回が生じるように、前記手動で作動されるロッドに取り付けられ、前記ハンドルは、前記ハンドルの作動によって、前記ヒンジ及び前記ブレードが前記寛骨臼カップの周りで回転可能なように、前記割出アセンブリの一部となっていることを特徴とする、請求項21に記載の寛骨臼カップ取外し器。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明のブレード44を有する外科用工具、すなわち、寛骨臼カップ取外し器30ならびに寛骨臼カップ34に対する工具の関係を示している。カップ34は、多くの場合、典型的には金属から形成された凹んだ半球構造の形態にある。カップ34の外面は、股間節の骨内に埋設されている。場合によっては、カップ34は、実際にはセメント内に埋設されていることがある。カップの内面は、ソケットを画定している。このソケットは、大腿骨ステムのボールを受け入れるように形作られている。図示されていないが、多くの場合凹んだ半球構造の形態にあるライナーが、カップ34の内面に対して着座していることがある。ライナーが存在する場合、該ライナーは、大腿骨ボールを受け入れるソケット空間を画定することになる。
【0018】
寛骨臼取外し器30は、ヘッド38を備えている。ヘッド38は、カップ34内に着座されるカップ取外し器30の一部である。シャフト40が、ヘッド38から近位側に延在している。(「近位側」は、カップ34からカップ取外し器30を用いる外科医に向う側を意味すると理解されたい。「遠位側」は、外科医からカップ34に向う側を意味する。)ブレード44は、ヘッドから近位側後方にいくらか離れてシャフト40に旋回可能に取り付けられている。ブレード44は、円弧状輪郭を有しており、ヘッド38を囲んで遠位側前方に湾曲するように、位置決めされている。さらに具体的には、ブレード44は、ヘッド38がカップ34内に着座したとき、遠位側前方に枢動するブレードがカップの外面の周りに前進するように、形作られている。
【0019】
ヒンジ42が、ブレード44をシャフト40に旋回可能に接続している。ヒンジ42は、ブレードをヘッド38の遠位端に対して前後進させるように、ブレードを旋回軸を中心として旋回させるようになっている。この旋回軸は、シャフト40に対して静止位置にあることを理解されたい。ハンドル46が、シャフト40の周りに摺動可能に配置されている。ハンドル46は、(
図1に部分的にしか示されていない)ロッド45によって、ヒンジ42に接続され、該ヒンジを旋回させるようになっている。ヒンジ42、ロッド45、およびハンドル46は、連携して、ブレード旋回アセンブリを構成している。
【0020】
カップ取外し器30は、ドライバー56と称される電動工具によって作動されるようになっている。ドライバー56は、仮想線の円筒として描かれているモータ58を備えている。連結アセンブリ60が、工具30、すなわち、シャフト40およびハンドル46をドライバー56に離脱可能に接続している。リング62によって示されている伝達アセンブリが、モータ58と一体のシャフトの回転運動を振動運動に変換するようになっている(モータシャフトは、図示されていない)。この運動は、連結アセンブリによって、振動運動としてカップ取外し器シャフト40に伝達されることになる。シャフト40の振動の結果として、ブレード44の同様の振動が生じる。連結アセンブリ50およびドライバー伝達機構62は、連携して割出アセンブリを形成している。この割出アセンブリによって、外科医は、ハンドル46を回転させることによって、カップ取外し器シャフト40を長手方向に貫通する軸を中心とするシャフト40の回転方位を設定することが可能になる。シャフト40の割出しによって、カップ34に対するブレード44の回転方位の同様の設定が得られることになる。連結アセンブリ60およびドライバー伝達機構62の構造は、本発明の一部をなすものではない。
【0021】
図2および
図3に最もよく示されているヒンジ42は、略矩形状の基部72を備えている。基部72は、互いに向かって内方にテーパが付された(図示されていない)上側面を備えている。2つの平行脚74が基部72の一端から外方に突出している。ヒンジ42は、脚74がシャフトの対向する平行平面の上にスリップ嵌合することができるように、形作られている。各脚74は、(図番が付されていない)丸形状の自由端を有するように、形成されている。
【0022】
ヒンジ42は、矩形状長孔76が基部72を貫通するように、形成されている。長孔76の長軸は、脚74の長軸と平行である。長孔76は、ブレード44と一体の(以下に述べる)タブ140を受け入れるように、寸法決めされている。開口78が、ヒンジ基部72の上部を貫通している。開口78は、長孔76まで延在している。同軸開口80(1つの開口80が示されている)が、脚74が基部72から延出するヒンジ42の両側を貫通している。各開口80は、基部72を部分的に横切っている。脚74が隣接して延出する基部72の面には、2つの溝82(1つの溝82が示されている)が形成されている。各溝82は、開口80の半径と等しい曲率半径を有しており、開口80を貫通する共通軸を中心として湾曲している。各脚74には、貫通孔84が形成されている。脚貫通孔84は、互いに同軸である。
【0023】
ブレード44をヒンジ42に取外し可能に保持する(
図3に示されている)アセンブリは、スリーブ状のブッシュ88を備えている。ブッシュ88は、ヒンジ開口78に圧入されている。ロックピン90が、ブッシュ内で上下に運動するように、ブッシュ88内に配置されている。ロックピン90は、ブレード44と一体の孔142(
図5)内に着座するように設計された先端92を有している。先端92の上方において、ロックピン90は、リップ94を有している。リップ94は、先端92の本体から半径方向外方および周方向に突出している。リング状のリテーナ96が、ヒンジ42から離間したブッシュ88の端内に圧入されている。これらの構成要素は、先端92と反対側のロックピン90の端がリテーナ96の上方に突出するように、さらに寸法決めされている。
【0024】
螺旋バネ102が、ロックピン90の本体の周りに配置されている。バネ102は、リテーナ96の静止内面と、ロックピン90と一体のリップ94との間に延在している。バネ102は、ピン先端92をヒンジ長孔76内に保持するように付勢する力をロックピン99に加えることになる。先端92と反対側のピン90の端、すなわち、リテーナ96の上方に延在する区域は、ボタン103に取り付けられている。他の力が付与されない限り、バネ102は、ボタン103をブッシュ88の上方に保持している。この連結アセンブリは、ボタン103を引っ張ることによって、実行状態から装着状態に移行するようになっている。この場合、手動力が、先端92をヒンジ長孔76内に保持するようにピン90に加えられたバネ102の力を上回ることになる。
【0025】
カップ取外し器30の組立時に、ヒンジ42は、各脚貫通孔84がシャフト40の(部番が付されていない)開口の個別の1つに隣接するように、位置決めされる。本発明のいくつかの態様では、これらの開口は、前端構成要素、すなわち、ヘッド38をシャフト40に保持するためにこれらのヘッドとシャフトとの間に位置するカプラー39に配置されている。ピン105が、ヒンジ孔84およびカップラー39の貫通孔を貫通し、ヒンジ42をカップラー39に枢動可能に保持するようになっている。ピン106が開口80および溝82内に着座されるようになっている。ピン106は、ブレードタブ140が長孔76に挿入される程度を制限するものである。
【0026】
ロッド45が、ハンドル46をヒンジ42に接続している。ロッド45は、部番が付されていないアクチュエータを備えているとよい。アクチュエータは、ヒンジ42に実際に接続されるロッドの構成要素である。ロッド45および付随するアクチュエータは、ハンドル46の線状移動時に、ヒンジ42を脚開口84を貫通する軸を中心としてシャフト40の上下方向に旋回させるように、構成されている。ヒンジを旋回させる構成要素の正確な構造は、本発明の一部をなすものではない。
【0027】
以下、
図4〜
図7を参照して、ブレード44について説明する。ブレード44は、細長の本体132を備えている。本体132は、近位端134を有しており、該近位端から2つの平行側面136が延在している。矩形開口138が、近位縁134の前方に位置するように、本体の近位部分に形成されている。ブレードタブ140が、本体開口138内に溶接されるかまたはそれ以外の方法によって固定されている。タブ140は、本体132の内面からシャフト40に向かって内方に延在している。タブ140は、閉鎖端孔142を有するように形作られている。閉鎖端孔142の開口が
図5に示されている。孔142は、タブ140の近位側を向く面から内方に延在している。
【0028】
ブレード本体132,すなわち、タブ140の遠位側に位置するブレードの少なくとも一部は、長軸(近位−遠位軸)および横軸(側−側軸)の両方が湾曲するように、形成されている。さらに具体的には、ブレード本体は、該本体の内面に沿って、これらの軸に沿った共通の曲率半径を有するように、形成されている。この曲率半径は、典型的には、取外し器30によって取り外される寛骨臼カップ34によって画定される球の曲率半径よりもわずかに4mm大きくなっている。本発明の多くの態様では、ブレード本体32の内面のこれらの軸に沿った共通の湾曲半径は、寛骨臼カップ34の曲率半径よりも2mm未満大きくなっている。ブレード本体132は、遠位端の中央部が本体の両側よりもさらに遠位側に延在するように、さらに形成されている。中央部分の近位側において、ブレード本体の両面は、隣接する本体の側面136に対して近位側にテーパが付されている。
【0029】
歯150が、本体132の遠位端から遠位側前方に延在している。歯150がブレード本体の延長部なので、歯150(ならびに以下に述べる他の歯)は、ブレード本体の長手方向曲率半径および横方向曲率半径上に位置している。各歯150は、すくい面152およびクリアランス面156を有している。すくい面152は、歯が切除される材料に対して移動するときに切除される材料の方を向く歯面である。クリアランス面156は、歯が切除される材料に対して移動するときに切除される材料と反対側を向く面である。すくい面152およびクリアランス面156は、歯150の刃先である縁154において交わっている。歯150a〜150fおよび歯150i〜150nのクリアランス面156は、隣接する歯のすくい面が現れる線に沿ってブレード本体から現れる。外側歯、すなわち歯150a,150nのすくい面は、ブレード本体の側面136によって画定されたブレード本体面の延長部である。従って、本発明のブレードの歯150は、ブレード側面136から横方向外方に突出していない。ブレード44は、本体長軸の両側に最も近い2つの歯、すなわち、歯150g,150hが、これらの歯のクリアランス面156がブレード本体132の長軸と直交する共通線から現れるように、形作られている。
【0030】
外側の2つの歯、すなわち、歯150a,150nのすくい面152は、平行面内にある。内側の歯、すなわち、歯150b〜150mのすくい面は、非平行面内にある。これらの歯150b〜150mのすくい面152の各々は、2つの軸によって画定された面内にある。これらの面の各々の第1の軸は、ブレード本体132の長軸と平行の軸である。これらの面の各々の第2の軸は、第1の軸と交差し、かつブレード本体の長軸および横軸の共通半径によって画定された球の中心と交差している。従って、ブレード44が寛骨臼カップ取外し器30に取り付けられたとき、この中心は、カップ取外し器ヘッド38でもある。それ故、この中心は、(ブレード44が作用する)寛骨臼カップ34の中心でもある。これは、
図7に示されている。この図において、歯150a〜150mの刃先154の延長部を表す点線が共通点160において交わることが示されている。これらの点線は、歯150b,150c,150f,150h、150lのすくい面の平面を画定する第2の軸の延長部でもある。図面の複雑さを最小限に抑えるために、残りの歯の延長線は、示されていない。
【0031】
本発明のカップ取外し器30は、最初、ブレード44をヒンジ42に装着することによって、使用の準備が整えられる。これは、ボタン103を上に引っ張ることによって、達成される。ボタンに加えられたこの手動力が、ピン先端92をヒンジ長孔76内に保持するバネ102の力を上回ることになる。いったんピン先端92がヒンジ長孔76から離れる方に後退したなら、ブレードタブ140をヒンジ長孔76内に着座させることによって、ブレード42がヒンジに取り付けられる。いったんブレードタブ孔142がピン90と真っ直ぐに並んだなら、ボタン902が解放される。ロックピン90に加えられるバネ102の力がピン先端92をブレードタブ孔142内に保持する。このようにして、ブレードがヒンジ42に取外し可能に連結されることになる。
【0032】
次いで、カップ取外し器30が、ドライバー56に連結される。具体的には、カップ取外し器30は、取外し器ヘッド38が(取り外すことを意図する)寛骨臼カップ34の中心空洞内に着座するように、位置決めされる。もしライナーが設けられているなら、該ライナーは、典型的には、カップ34内へのヘッド38の着座の前に取り除かれることになる。
【0033】
ドライバー56の作動の結果、ブレード44の前後振動が生じる。歯の方位に起因して、すくい面は、歯が作用する骨の表面に対して0°のすくい角を有している。その結果、各刃先154の全体が、ブレードが作用するカップに隣接する未切除骨に作用することになる。従って、歯の掃引中、径方向に位置していないすくい面を有するブレードと比較して、本発明のブレードのすくい面は、すくい面が回転する相手の骨またはセメントに対してより十分に押圧されることになる。骨をこのように押圧するすくい面の利点は、その結果として、比較的大きい塊の骨を寛骨臼カップ34の周りの領域から切り取ることができる点にある。
【0034】
図8〜
図11は、本発明の第2のブレード180を示している。ブレード180は、ブレード本体180と実質的に同一の本体182を有している。本体182は、互いに反対側を向く平行側面184を有しており、その縁が
図9に示されている。タブ140が、ブレード本体182から突出している。
【0035】
歯190が、ブレード本体182の遠位端から延在している。各歯190は、すくい面192およびクリアランス面196を有している。(各面の2つに部番が付されている)。各歯のすくい面およびクリアランス面は、歯の刃先194で交わっている(2つの刃先に部番が付されている)。各すくい面192は、以下の平面、すなわち、該平面の第1の軸がブレード本体182の長手方向中心面と平行になっている、平面内に着座している。最外歯、すなわち、歯190a,190jのすくい面192は、歯が延出するブレード本体182の側面184と共面である。内側歯、すなわち、歯190b〜190iは、これらの歯のすくい面の平面を画定する第1の軸が、すくい面152の第1の軸と同様、ブレード本体182の長手方向中心面と平行の線であるように形成されている。
【0036】
歯190b〜190iは、互いに隣接する歯のすくい面192が以下の平面、すなわち、該平面の第2の軸が共通点において交わらない平面上に位置するように、さらに形成されている。代わって、歯190b〜190iのすくい面192は、以下の平面、すなわち、該平面の第2の軸が(ブレード180を有する工具30が用いられる)寛骨臼カップ34の中心から外方に放射状に延在する線に対して傾斜する平面上に位置している。さらに具体的には、歯190bのすくい面192は、線198bによって表される軸上に位置していることが分かるだろう。線198bは、球の中心を貫通する平面、すなわち、線202によって表される平面に向かって近位側に延在している。また、線202は、ブレード本体192に沿った長手方向(近位−遠位)中心面を表している。
【0037】
この中心面は、ブレード本体182を横切る横軸と直交していることを理解されたい。これは、歯190bの長手方向中心面と直交する断面において、ブレード刃先194から近位側後方に進むにつれて、歯190bの外面の幅が、歯190bの下側内面の幅よりも長くなることを意味している。換言すれば、歯198bのすくい面192は、以下の軸、すなわち、歯の互いに反対側を向く外面および内面から延在し、ブレード本体182の長手方向中心面の方に向かう軸上に位置することになる。
【0038】
歯190c、すなわち、ブレード本体の長手方向中心面のより近くに位置する(歯190bに隣接する)歯は、線198cによって表わされる軸上に位置するすくい面192を有している。線198cは、(カップ34の球の中心を貫通する)平面202から離れる方に向かって近位側に延在している。従って、歯の長手方向中心面と直交する断面において、歯190cの刃先から遠位側に進むにつれて、歯190cの内面の幅は、歯190cの外面の幅よりも長くなっている。歯196cのすくい面192の第2の軸を代替的に記述すれば、この軸は、歯の互いに反対側を向く内面および外面から延在し、ブレード本体182の長手方向中心面から離れる方に向う軸である。
【0039】
歯190dは、ブレード本体182の長手方向中心面のより近くに位置する(歯190cに隣接する)歯である。歯190dは、歯190bのすくい面と同様、以下の軸、すなわち、近位側に進むにつれて、球の中心と交わる面に向かう軸上に位置するすくい面を有している。これは、歯190dのすくい面192の第2の軸が、線198dによって表されるように、歯190dの外面および内面から延在し、ブレード本体の長手方向中心面に向かって傾斜していることを意味している。歯190eは、
図11のブレードの右側において、ブレード本体182の長手方向中心面に最も近い歯である。歯190eは、歯190cの勾配、すなわち、第2の軸、具体的には、歯190cと同一方位にある勾配、すなわち、第2の軸を有するすくい面を有している。
【0040】
図11に示されているように、ブレード本体182の長手方向中心面の左側の歯190f〜190iは、長手方向中心面に対して対称的に反対側に位置する歯のすくい面の勾配、すなわち、第2の軸と逆の勾配、すなわち、第2の軸を有するすくい面を有している。従って、歯190eと対称的な歯190fは、線198fによって表される軸上に位置するすくい面を有している。線198fは、線202によって表されるブレード本体の長手方向中心線に向かって内方に延在している。ここでも、これらの基準線の各々は、すくい面によって形成された歯の内面および外面から延在する軸の方向にあることを理解されたい。歯190dと対称的な歯190gは、線198gによって表されるすくい面を有している。線198gは、ブレード本体の長手方向中心面に対して外方に延在している。歯190hは、歯190cと対称的な歯である。従って、歯190cが外方に延在する軸上に位置するすくい面を有する場合、歯190hは、線198hによって表される内方に延在する軸上に位置するすくい面を有することになる。歯190b,190iは、ブレード本体182の長手方向中心面を中心として、互いに対称的である。歯190bがブレード本体の長手方向中心面に向かって内方に傾斜するすくい面を有する場合、歯190iは、ブレード本体の長手方向中心面から外方に延在する線198iによって表される軸上に位置するすくい面を有することになる。
【0041】
図11Aは、この傾斜のさらなる理解をもたらすものである。
図11Aにおいて、歯190b,190cの傾斜を画定する軸は、実線198b,198cによって表されている。一点鎖線199b,199cは、ブレード180の仮想中心、すなわち、点197から延在する径方向線である。この中心は、ブレードが用いられるカップの中心である。共通面において、径方向線199bは、軸線198bと交差している。この交差の角度が傾斜角である。本発明の多くの態様において、勾配と呼ばれることもあるこの傾斜角は、30°未満、多くの場合、20°未満の角度である。本発明の図示されている態様では、互いに隣接するすくい面192の傾斜角は、等しくなっている。
【0042】
ブレード180は、ブレード44を取り付けたのと同じ方法を用いて、工具30に取り付けられる。次いで、前述の方法を用いて、工具30の使用の準備が整えられる。ドライバー56の作動の結果、ブレード180の振動が生じる。ブレードが骨に対して移動すると、刃先が骨を剪断することになる。
図11に示されるブレード180が右側に移動したとき、歯190a〜190eの刃先が骨を剪断する。歯190b,190dのすくい角の角度に起因して、これらのすくい面に隣接する破片は、ブレード180の内面に向かって移動する。これによって、これらの歯の刃先に対する破片の堆積が最小化されることになる。同時に、歯190c〜190eと一体のすくい面192の方位に起因して、これらのすくい面に隣接する破片は、ブレードの外面に向かって押し出される。
図11に示されるブレード180が左側に移動したとき、歯190f〜190jの刃先192が骨を剪断する。歯190f,190hと一体のすくい面192の方位に起因して、これらの歯に隣接する破片は、ブレード180の内面に向かって押し出される。
【0043】
歯190g,190iと一体のすくい面192の方位に起因して、これらの歯に隣接する破片は、ブレード180の外面に向かって押し出される。ブレードの内面および外面に向かって破片をこのように押し出すことによって、刃先に対する破片の堆積が最小限に抑えられることになる。破片の堆積を最小限に抑える結果として、これらの破片の存在による骨(またはセメント)を除去するプロセスの効率の低下を同じように軽減させることができる。
【0044】
以下、
図12〜
図15を参照して、本発明のカップ取外し器30の一部として用いられる第3のブレード210について説明する。ブレード210は、本体212を備えている。本体212は、前述のブレード本体132と同一の基本形状を有している。本体212は、互いに反対側を向く側面213を有しており、これらの側面の少なくとも縁が
図12に示されている。タブ140が、本体212の内面から外方に突出している。
【0045】
歯214、個別的には、歯214a〜214jは、本体212の遠位端から遠位側前方に突出している。各歯214は、すくい面216(
図12において2つのすくい面に部番が付されている)およびクリアランス面220(
図14において3つのクリアランス面に部番が付されている)を有している。歯214のすくい面216およびクリアランス面220は、それぞれ、歯の刃先218(
図14において2つの刃先に部番が付されている)から近位側後方に延在している。本発明の図示されている態様では、最外歯、すなわち、歯214a〜214jのすくい面は、各々、側面213と共面であり、該側面213から遠位側前方に延在している。歯214b〜214iは、ブレード44の歯150b〜150mのすくい面152と同様のすくい面216を有している。歯214b〜214iのすくい面214の各1つは、ブレード本体の長軸と平行の第1の軸上および取外し器30が用いられるカップ34によって画定された球の中心から半径方向に延在する第2の軸上に位置している。
【0046】
ブレード210は、通路または分岐と称されることもある溝が歯のいくつかのクリアランス面から近位側に延在するように、さらに形成されている。さらに具体的には、ブレード本体212の外面が3つの溝230,232,234を画定するように形作られていることが分かるだろう。溝230は、歯214bと一体のクリアランス面220の外縁から近位側に延在している。溝232は、歯214dのクリアランス面220の外縁から近位側に延在している。溝234は、歯214hのクリアランス面220の外縁から近位側に延在している。
【0047】
ブレード210は、歯のいくつかのクリアランス面から近位側に延在する3つの溝を本体の内面に有するように、さらに形成されている。
【0048】
溝236は、歯214cのクリアラス面220の内縁から近位側に延在している。溝238は、歯214gのクリアランス面220の内縁から近位側に延在している。溝240は、歯214iのクリアランス面220の内縁から近位側に延在している。
【0049】
ブレード210は、溝230〜240の各々の深さが該溝が形成された面に沿って近位側に延在するにつれて減少するように、形成されている。また、ブレード210は、溝230〜240の幅が、該溝が延出するクリアランス面の幅よりも短くなるように、さらに形成されている。各溝は、溝が形成された歯の刃先218から内方に離間するように、位置決めされている。従って、溝の存在によって、関連する刃先の長さは、短縮されないことになる。ブレード本体212の内面および外面に対して溝が介在することをさらに理解されたい。換言すれば、内面(または外面)に形成された2つの隣接する溝間において、溝が外面(または内面)に形成されることになる。
【0050】
ブレード210が取り付けられたカップ取外し器30は、前述したブレード44,180と同様に、使用の準備が整えられる。ブレード210を有するカップ取外し30が作動されると、刃先218が寛骨臼カップ34に対する骨を剪断する。その結果、骨が除去されることになる。溝230〜240は、この骨除去プロセスによって形成された破片を歯214の刃先218から外に流出させる導管として機能する。破片に対して該破片を刃先から流出させる導管が設けられているので、破片は、刃先に隣接して堆積しないことになる。これによって、歯の刃先218に隣接して破片が堆積することによって骨除去プロセスの効率を低下させる程度が抑制されることになる。
【0051】
本発明の好ましい態様では、溝230〜240が形成される方法に起因して、溝の深さは、実質的に同一である。
【0052】
図16〜
図19は、本発明のカップ取外し器30に組込み可能な第4のブレード250を示している。ブレード250の特徴の多くは、ブレード210の特徴と同じである。従って、これらの特徴については、繰返して述べない。ブレード210が歯214、すくい面216、刃先218、およびクリアランス面220を有しているのに対して、ブレード250は、歯254、すくい面256、刃先258、およびクリアランス面260を有している。
【0053】
ブレード250は、ブレード本体212に形成された溝270〜280を有している。溝270〜274は、ブレード250の外面に形成されている。さらに具体的には、溝270は、歯254bに跨って延在している。溝272は、歯254dに跨って延在している。溝274は、歯254hに跨って延在している。溝276〜280は、ブレード250の内面に形成されている。さらに具体的には、溝276は、歯254cに跨って存在している。溝278は、歯254gに跨って存在している。溝280は、歯254iに跨って存在している。
【0054】
溝270〜280は、以下の点において、すなわち、溝270〜280が形成される歯254のクリアランス面の幅の全体にわたって延在している点において、溝230〜240と異なっている。
【0055】
溝270〜280の基部を画定する凹面は、各々、2つの軸を中心としている。これらの軸は、溝270を画定するブレードの面を示す
図18Aに示されている。1つの軸である長軸は、ブレードの長軸と平行である。
図18Aにおいて紙面と直交するこの軸は、点286によって表わされている。
図18Aに示されている第2の軸である横軸は、ブレードの仮想中心、すなわち、点287から延在する径方向線と直交する線である。この横軸、すなわち、線289は、溝の基部の長軸と交差する半径方向線288と交差している。一般的に、これらの溝は、溝の長さに沿ったどの点においても、ブレード本体の全厚みの50%を越える深さを有しないように、形成されている。前述したように、各溝を横切る横軸は、直線である。従って、
図18Aに示されているように、溝の下のブレードの部分の厚みは、溝の長軸の下方において最も薄くなっている。
【0056】
図18Aは、ブレード250の遠位端の平面図である。3つのクリアランス面260が示されており、これらのクリアランス面260から溝270,278,280が近位側後方に延在している。溝278が延出するクリアランス面と相補的なすくい面との交差によって画定される刃先は、実線セグメント291として示されている。実線セグメント291と共線関係にある破線セグメント292は、溝280が形成された歯のすくい面と溝270が延出する隣接クリアランス面との交差を表している。
図18Aにおいて、溝270のクリアランス面によって形成された刃先の右側に、溝278が形成された歯の(図示されていない)すくい面が形成されている。破線セグメントは、コーナを表しており、該コーナから、溝270が形成されたクリアランス面が次の歯のすくい面の前方に延在している。破線293と共線関係にある実線287は、次の歯のすくい面と相補的なクリアランス面280とによって形成された刃先を表している。この特定のクリアランス面は、溝278が延出するクリアランス面である。
【0057】
図18Aでは、外側溝270は、該溝の基部から外方に傾斜する側壁を有するものとして示されている。内側溝278,280は、該溝の基部から内方に傾斜する側壁によって画定されるものとして示されている。これは、例示にすぎない。実際には、溝を形成するために砥石車をブレードに押し付ける結果として、通常、溝には平行側壁が形成されることになる。
【0058】
カップ取外し器30は、カップ取外し器30の使用の準備を整えるための前述の方法と同じ一般的な方法によって、ブレード250と共に用いるための使用の準備が整えられる。
【0059】
ブレード250を備えるカップ取外し器259が作動されると、ブレード歯254の刃先258が、寛骨臼カップ34を股間節に保持している骨を剪断することになる。溝270〜280は、この剪断プロセスによって形成された骨破片を歯刃先258から流出させる比較的大きい溝として機能する。これによって、ブレード刃先に隣接する骨片除去効率の低下をさらに抑止することができる。
【0060】
溝270〜280は、該溝に関連するクリアランス面の全幅を横切って延在している。従って、クリアランス面260の高さが低下する。これによって、クリアランス面260によって画定される刃先258の長さも短くなる。しかし、前述したように、本発明の多くの態様では、ブレード250は、溝の存在がクリアランス面の高さを低下させず、溝が存在しない歯と比較して関連する刃先の長さが50%を超えるように、形成されている。この特徴によって、隣接する歯の交互の側面に溝が配置されていても、ブレードの骨と対向するブレード区域が刃先を有することが確実になる。
【0061】
図20および
図21は、本発明の第5のブレード290を示している。ブレード290は、単一片ブレード本体292を備えている。ブレード本体292は、略矩形プレートの形態にある足294を有している。足294は、ヘッドを貫通する開口296を有するように、形成されている。開口296は、修正されたキー孔開口である。この開口は、円形の中心部および中心部から半径方向に突出する延長部を有している(開口部分には部番が付されていない)。延長部の幅は、中心部分の直径よりも狭くなっている。開口296は、延長部開口が足294の縁内に開いているという点において修正されたキー孔開口である。
【0062】
ブレード足294は、ブレード290が取り付けられるカップ取外し器のヒンジ内に形成された相補的長孔内に嵌合するように、寸法決めされている。
図20にのみ示されているピン297が、ブレードを長孔に保持するようになっている。ピン297は、シャフト298、カラー302、およびヘッド304を有している。シャフト298は、ブレード開口296の延長部の幅よりも小さい直径を有している。カラー302は、シャフト298の直径およびブレード開口296の延長部の幅よりも大きい直径を有している。ヘッド304は、カラー302の直径よりも大きい直径を有している。バネまたは他の付勢部材が、カラー302がブレード開口296の中心部内に着座するように、ピンを常時ヒンジに保持している。ブレード開口296内へのピンカラー302のこの着座が、ブレード290を寛骨臼カップ取外し器の残りに離脱可能に保持することになる。ブレードは、その長軸に沿ってピンを移動させ、ピンシャフトをブレード開口296の中心部分と真っ直ぐに並べることによって、取り外されるようになっている。具体的には、この後、ブレードをヒンジから外に摺動させることによって、ブレードを取り外すことができる。このプロセス中、ブレード開口296の延長部を形成するブレード足294の区域は、ピンシャフト298の両側に沿って摺動することになる。
【0063】
幹部312が、足294から遠位側前方に延在している。幹部312は、その長軸および横軸の両方に沿って湾曲したブレード本体の一部である。本発明の図示されている態様では、ブレード290は、ヘッド294と幹部312との間のコーナの周りに延在する補強ウエブ310を有するように、形成されている。
【0064】
ブレード幹部312は、幹部の長さに沿って変化する幅を有している。具体的には、実質的に幹部の殆どに沿って、幹部の幅は、一定である。本発明の図示されている態様では、幹部のこの部分は、足294を横切る幅と等しい幅を有している。ブレード本体の遠位端に隣接する箇所において、ブレード本体の側面は、ブレードに沿った長軸から外方に拡張または傾斜している。ブレード本体は、ヘッド318を有しており、その幅は、ヘッドが延出する幹部312の幅よりも大きい。本発明の図示されている態様では、面314は、本体幹部312の平行側面である。面316は、外側に拡がった側面である。本発明の図示されている態様では、ブレードは、各面316が凹状であるように、形成されている。面320は、ブレードの最遠位側面である。側面320は、互いに平行である。
【0065】
ブレード290は、歯324a〜324pを有するように形成されている。各歯は、刃先を形成するように交差するすくい面およびクリアランス面を有している。平行側面320は、最外歯324a,324pのすくい面を形成している。概して、歯324a〜324pは、ブレード210の歯214a〜214jと同様である。ブレードの少なくとも1つの表面上に、ブレード本体に沿ってクリアランス面から近位側に延在する溝326を有する少なくとも1つの歯が形成されている。本発明の図示されている態様では、ブレード290は、溝326が歯324c,324e,324g,324j,324l,324nの外向き面から内方に延在するように、形成されている。図示されていないが、ブレード290は、溝が歯の少なくともいくつかの内向き面から内方に延在するように、さらに形成されているとよい。
【0066】
ブレード290は、本発明の前述した態様よりもさらに多くの歯を備えている。これは、ブレードの掃引ごとに、ブレードが作用するカップ34に隣接する空間からさらなる骨/セメントを切り取ることができることを意味している。ブレード290は、ブレードの近位部、すなわち、足294の幅を前述の幅よりも大きくすることなく、これらの追加的な歯を有することができる。従って、ブレード290は、該ブレードを収容するように特別に寸法決めされた寛骨臼カップ取外し器と共に用いる必要もなく、切除効率を高めることができる。
【0067】
図22および
図23は、本発明の第6のブレード340を示している。ブレード340は、ブレード本体342を備えている。ブレード本体342は、ブレード290の足294と本質的に等しい足344を備えている。
【0068】
ブレード本体342は、足344の遠位側前方に延在する幹部346を備えている。幹部346は、互いに反対側を向く外面348および内面354を有するように、形成されている。足344の略2〜20mm前方において、幹部は、外向き面348の幅が、内向き面354の幅よりも略1〜10mm小さくなるように、形成されている。互いに反対側を向くテーパ側面350が、各外面の端から内向き面の隣接端に延在している。各側面350および隣接する内向き面354が交わり、側縁352を画定している。互いに反対側を向く側縁352(
図22および
図23において1つの側縁のみが示されている)は、ブレード本体の幹部に沿って円弧状に延在している。
【0069】
ブレード340は、溝360,362,364を備える歯358を有するものとして示されている。歯358は、歯214と同様である。溝360,362,364は、溝230,232,234と同様である。
【0070】
ブレード340は、前述したブレードと同じように用いられる。ブレード340の利点は、ブレードが振動したとき、ブレードの近くに位置する側縁352が軟組織を切除することにある。この組織は、取り外されるカップの周りに形成される可能性のある繊維組織を含んでいる。
【0071】
図24は、本発明の追加的ブレード370の遠位端を示している。ブレード370は、ブレード本体372を有している。ブレード370に、歯374a〜374pが形成されている。各歯は、すくい面376およびクリアランス面382を有している(各面の2つに部番が付されている)。各歯のすくい面376およびクリアランス面382は、歯の刃先380において交わっている。本発明のこの態様では、歯374b〜374dおよび歯374m〜374oは、正のすくい角を有している。従って、これらの歯のすくい面は、ブレード370の長軸から外方に延在しているように見える。歯374a,374e〜374l,374pは、0°、すなわち、中立のすくい角を有している。
【0072】
本発明のこの態様では、歯374b〜374dおよび歯374m〜374oは、横方向から離れる方に向けられていても、これらの歯が作用する骨またはセメントを掘り起こさない。代わって、骨/セメントは、前述したように、さらに効率的な剪断作用によって除去されることになる。
【0073】
ブレード370の歯374a〜374pは、いずれも、本発明の前述した他の態様の歯と同じように、歯のクリアランス面382が関連する歯のすくい面の遠位側前方に突出しないように、さらに形成されていることをさらに理解されたい。
【0074】
前述の説明は、本発明の特別の態様に向けられている。本発明の代替的態様は、記載されている特徴と異なる特徴を有していてもよい。例えば、図示されている本発明のブレードが有する歯の数は、例示的であり、制限するものではないことを理解されたい。
【0075】
さらに、ブレードの特徴は、取り換えられてもよい。具体的には、本発明のいくつかの態様において、ブレードは、以下の歯、すなわち、傾斜したすくい面を有し、かつ溝230〜240または溝270〜280と同様の溝を有するようにさらに形成された歯を有していてもよい。本発明のいくつかの態様において、歯に形成された溝は、異なる幅を有していてもよい。具体的には、1つまたは複数の歯に近位側に延在するにつれて幅が狭くなる溝を設けることが望ましいことがある。これは、もし溝を有する歯のいくつかにブレードの全幅に延在する刃先を設けることが望ましい場合に有益である。同じブレードのさらに他の歯には、より長い幅溝が形成されていてもよい。従って、これらの歯は、比較的短くて溝の存在によって一部が切り取られた刃先を有することになる。しかし、これらの歯と一体の断面積の大きい溝は、該溝が形成されたブレードの遠位端から比較的多量の破片を受け入れ、離れる方に導くことができる。
【0076】
同様に、本発明のいくつかのブレードは、全ての歯ではなく、いくつかの歯がブレード180の歯の勾配、すなわち、傾斜を有するように設計されていてもよい。本発明のこの実施形態のいくつかの好ましい態様では、全ての歯よりも少ない数の歯が1つの傾斜または勾配を備えており、1つの傾斜を備えるこれらの歯は、外面から内面に延在しながら、基準球の中心、すなわち、ブレード本体の長手方向中心面と交差する面から離れる方に延在するすくい面を有するように形成されている。これらのすくい面は、例えば、
図11のブレードのすくい面198c,198 e,198g,198iである。これらのすくい面を有する歯を設けることによって、カップ取外しプロセスにおいて、カップおよびブレードからの破片の押出しが容易になる。
【0077】
本発明のさらに他の実施形態では、複数の歯が、1つの傾斜を備えており、1つの傾斜を備える複数の歯は、内面から外面に延在しながら、基準球の中心、すなわち、ブレード本体の長手方向中心面と交差する平面に向かって延在するすくい面を有するように形成されている。これらのすくい面は、例えば、
図11のブレードのすくい面198b,198d,198f,198hである。
【0078】
同様に、本発明のいくつかの態様では、複数の互いに隣接する歯が歯190bの傾斜を有していてもよい。本発明のいくつかの態様では、複数の互いに隣接する歯が歯190cの傾斜を有していてもよい。本発明のいくつかの態様では、歯190bの傾斜または歯190cの傾斜を有する歯が、どのような傾斜または勾配も有していない(すなわち、互いに反対側の外面と内面との間に延在する軸が本体の長手方向中心面と平行になっている)歯に隣接していてもよい。従って、本発明の全ての態様において、歯の外面から歯の内面に延在しながら長手方向中心面に向かって延在するすくい面に沿った軸を有する歯が、反対方向を向く軸を有する歯に必ずしも隣接している必要がない。
【0079】
さらに、ブレード本体の円弧長さが図示されているものと異なっていてもよいことを理解されたい。本発明の多くのカップ取外し器30は、複数のブレードを単一の手順に用いることが想定されている。最初に浅い切込みまたは切口を寛骨臼カップ34の周りに形成するために、10°から45°の間の円弧を画定する第1のブレードが用いられるとよい。いったんこの切込みが形成されたなら、少なくとも45°以上、典型的には、90°以下の円弧を画定するブレードが、カップ取外し器に装着されるとよい。このブレードを用いて、最終的な切込みを形成することになる。多くの場合、この切込みは、カップ34の遠位端チップの周りまで延在していない。この切込みによって、カップとその下の骨との間に小さい幹部分が残される。この幹部分は、容易に折れ、これによって、カップが装着された股間節からカップを取り外すことができる。いくつかの手順では、本発明の寛骨臼カップによって形成された切込みによって、カップをその下の骨から完全に分離させることができる。
【0080】
本発明の記載されている態様では、ブレード歯は、中心から外方に延在する線上において、ブレードの中心から近位側後方に延在することが想定されている。本発明の代替的態様では、歯または歯の少なくとも一部は、円弧上に配置されていてもよい。この円弧の中心は、典型的には、ブレードを通る長軸の延長部と交差する点である。
【0081】
また、本発明の記載されている態様では、各ブレードの外側歯のすくい面は、概して、ブレード本体の側面の延長部と平行である。これは、例示であって、制限するものではない。本発明の代替的構成では、これらのすくい面は、側面と連続しない面上にあってもよい。例えば、ブレード44の一態様として、歯150a,150nは、隣接する歯150b,150mのすくい面と方位が同様のすくい面を有するように、設けられてもよい。
【0082】
本発明の前述の態様では、歯は、0°のすくい角を有している。これは、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の代替的態様では、歯は、正のすくい角、場合によっては、負のすくい角を有していてもよい。例えば、ブレード44の代替的態様は、前述した面と異なる面上にあるすくい面を備える歯を有していてもよい。本発明のこれらの態様では、もし歯が正のすくい角を有しているなら、各すくい面は、以下の平面、すなわち、その1つの軸がブレードが作用する寛骨臼カップの仮想中心から延在する平面上に配置さされるとよい。平面を画定する第2の軸は、ブレードを通る長軸の延長部に収斂する線に沿って位置する。歯が正のすくい角を有するように構成された本発明の態様では、平面を画定するこれらの線とブレード長軸の延長線とが交わる点は、ブレードの遠位端の前方に位置することになる。
【0083】
同様に、溝、分岐、または通路を有する本発明の図示されている態様のいくつかは、ブレードの各側に3つの溝を有するものとして示されている。これは、単に例示を目的とするものである。ブレードが溝を備える本発明の他の態様は、ブレードの各側に3つ未満または4つ以上の溝を有していてもよい。同様に、溝を有するブレードの互いに反対側を向く内面および外面の各々は、必ずしも同数の溝を有する必要がない。また、本発明の全ての態様において、各溝の深さは、必ずしも、溝がブレードの遠位端から近位側に延在するにつれて、溝の長さに沿って一様に減少する必要がない。本発明のいくつかの態様では、溝の1つまたは複数の深さは、溝の長さに沿って実質的に一定であってもよい。
【0084】
ブレードに溝が形成される本発明の態様では、各溝は、必ずしも、溝が形成されるブレードの長軸と平行の長軸を中心として配置される必要がない。本発明のいくつかの態様では、3つ以上の溝が長軸に向かって内方に傾斜していてもよい。これらの溝は、ブレードの遠位端から離間した箇所においてブレードに形成された凹みにおいて交わるようになっていてもよい。この凹みは、切除プロセスの結果として形成された破片を保持するための貯留域として機能する。同様に、溝の1つまたは複数が、近位側に延在するにつれて、ブレード長軸から外方に延在するようになっていてもよい。これらの溝は、ブレードの側面にまで延在していてもよい。従って、これらの溝は、破片をブレードから流出させる導管として機能することになる。本発明のブレードは、種々の方向に延在する溝を有していてもよい。例えば、内側に位置する溝は、凹みに延在していてもよい。ブレードの側面に隣接して位置する溝は、側面に延在していてもよい。
【0085】
同様に、ブレードをカップ取外し器20の残りに対して離脱可能に保持するブレード特徴部は、記載されているものと異なっていてもよい。
【0086】
詳細に記載されている本発明のブレードは、ブレードの長軸に隣接して配置された歯が、歯の最遠位側にあるように、構成されている。これは、単なる例示であり、制限するものではないことを理解されたい。本発明のいくつかの態様では、
図25Aに示されているように、複数の歯392は、ブレードの幅を横切る波パターンに配置されていてもよい。本発明のさらに他の態様では、複数の歯は、最近位歯がブレードの長軸に隣接して実際に位置するように、配置されていてもよい。
図25Bのブレード410に関して示されているように、長軸の両側において、各歯412は、長軸のより近くに位置する隣接歯の前方に配置されている。従って、ブレードの最外歯、すなわち、長軸から最も遠くに位置する歯は、本質的にブレードの2つの最遠位歯である。
【0087】
さらに、
図25Cに示されているように、複数の歯は、ブレード420の長軸と直交して延在する線上に配置されていてもよい。ここでは、各歯422の両面は、刃先を画定する互いに向き合ったすくい面として機能する。
図25Cでは、歯422の全てが正のすくい角を有するものとして示されている。これは、本発明を制限するものではない。本発明によれば、歯が中立または負の角度を有するブレードが設けられていてもよい。
【0088】
また、寛骨臼カップ取外し器の実際の構造は、例示にすぎず、制限するものではないことを理解されたい。本発明のいくつかの電動寛骨臼カップ取外し器は、ブレードを振動させるドライバーの周りに該ブレードを割出し、回転させるアセンブリを有していなくてもよい。本発明のさらに他の寛骨臼カップ取外し器は、手動によって操作されるようになっていてもよい。これらのカップ取外し器は、ブレードがカップ取外し器の残りに固定して取り付けられるように設計されていてもよい。その結果、取外し器が作用するカップに対してブレードを作用させるために、取外し器が傾けられる。この傾斜が、ブレードをカップの上を通って傾かせることになる。
【0089】
同様に、本発明のいくつかの態様では、ブレード本体の長軸および横軸の両方が湾曲しているが、これらの湾曲が共通半径を共有しないように、ブレードが形作られていると、理解されたい。この理由は、いくつかの寛骨臼カップ自体が必ずしも完全に球形ではないからである。従って、異なる半径を有するブレードによって、これらのカップの取外しを容易にすることができる。
【0090】
本発明のさらに他の実施形態では、すくい面およびクリアランス面は、完全な平面でなくてもよく、代わって、凹状または凸状湾曲を有していてもよい。すくい面は、依然として2つの軸によって実質的に画定されることになる。これらの面の各々の第1の軸は、ブレード本体の長軸と平行である。これらの面の各々の第2の軸は、第1の軸と交差すると共に、ブレード44が作用する寛骨臼カップ34によって画定される球の中心と交差する。
【0091】
さらに、本発明が、寛骨臼カップ34を取り外すためのカップ取外し器およびブレードとして記載されているが、本発明のこれらの構成要塩は、ここに主に記載された有用性を上回る有用性を有している。従って、本発明のブレードは、寛骨臼カップ取外し器以外の外科用器具と共に用いられてもよい。
【0092】
ブレード本体のヘッドがブレード本体の近位部、すなわち、幹部よりも広い本発明の態様では、移行面は、必ずしも、
図25Bに示されるように凹状である必要がない。これらの面は、凸状であってもよいし、線状テーパを有していてもよいし、または直線および曲線の組合せであってもよい。
【0093】
従って、添付の請求項の目的は、このような変更形態および修正形態の全てを本発明の真の精神および範囲内に包含されるものとして含むことである。