特許第6407994号(P6407994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

<>
  • 特許6407994-特定の血圧を追跡するための装置 図000002
  • 特許6407994-特定の血圧を追跡するための装置 図000003
  • 特許6407994-特定の血圧を追跡するための装置 図000004
  • 特許6407994-特定の血圧を追跡するための装置 図000005
  • 特許6407994-特定の血圧を追跡するための装置 図000006
  • 特許6407994-特定の血圧を追跡するための装置 図000007
  • 特許6407994-特定の血圧を追跡するための装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6407994
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】特定の血圧を追跡するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20181004BHJP
   A61B 5/0225 20060101ALI20181004BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20181004BHJP
   A61B 8/04 20060101ALI20181004BHJP
   A61H 31/00 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   A61B5/022 400L
   A61B5/0225 F
   A61B5/02 D
   A61B5/02 310B
   A61B8/04
   A61H31/00
   A61B5/022ZDM
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-527347(P2016-527347)
(86)(22)【出願日】2014年3月3日
(65)【公表番号】特表2016-536066(P2016-536066A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】IB2014059384
(87)【国際公開番号】WO2015068053
(87)【国際公開日】20150514
【審査請求日】2017年3月1日
(31)【優先権主張番号】13192108.2
(32)【優先日】2013年11月8日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】エレン パウル
(72)【発明者】
【氏名】ウォーリー ピエール ヘルマヌス
(72)【発明者】
【氏名】ピータース ワウテル ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】オーデルマン シモン コルネリア マリア アンナ
【審査官】 亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−119240(JP,A)
【文献】 特開2009−233284(JP,A)
【文献】 特表2008−534083(JP,A)
【文献】 特開2011−224080(JP,A)
【文献】 特開昭61−079441(JP,A)
【文献】 特公昭49−033874(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02 − 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体部位での血管の弁別的な血圧レベルの反復測定及び追跡を行うためのデバイスであって、
− 前記身体部位に外圧を加えるように圧力提供デバイスを制御するための圧力制御ユニットと、
− 前記弁別的な血圧レベルを示す身体的特徴の出現を検出するための検出器ユニットと、
を含み、
(i)前記身体的特徴が検出されるまで第1の方向に外圧を変化させるように前記圧力制御ユニットを制御し、
(ii)前記身体的特徴の検出に応答して、前記弁別的な血圧レベルの尺度を提供するために、前記圧力提供デバイスに接続された圧力センサを使用することにより、前記身体部位と前記圧力提供デバイスとの間での外圧を測定し、
(iii)前記身体的特徴の検出に応答して、前記身体的特徴がもはや検出されなくなるまで前記第1の方向とは逆方向に外圧を変化させるように前記圧力制御ユニットを制御し、
(iv)ある時間にわたって前記弁別的な血圧レベルを追跡する信号を生成するために、(i)、(ii)、及び(iii)を循環的に繰り返す、
デバイス。
【請求項2】
前記弁別的な血圧レベルは拡張期血圧であり、前記第1の方向に外圧を変化させることは、大気圧又はそれに近いレベルで外圧を加え、次いで外圧を上昇させることを含み、前記第1の方向とは逆方向に外圧を変化させることは、外圧を低下させることを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記弁別的な血圧レベルは収縮期血圧であり、前記第1の方向に外圧を変化させることは、収縮期よりも高いレベルで外圧を加え、次いで外圧を低下させることを含み、前記第1の方向とは逆方向に外圧を変化させることは、外圧を上昇させることを含む、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記身体的特徴は、血管からの特徴的な音の出現又は血管からの特徴的な音の消滅の一方を含み、前記検出器ユニットは、前記特徴的な音を検出する、請求項1乃至3の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記身体的特徴は、前記圧力センサによって測定される外圧の振動の特定の振動振幅であり、前記検出器ユニットは、前記特定の振動振幅を検出し、前記デバイスは、ある圧力範囲にわたって外圧を変化させるように前記圧力制御ユニットを制御し、前記圧力範囲内に存在する最大振動振幅を決定し、前記特定の振動振幅を前記最大振動振幅に設定するか、又は前記特定の振動振幅を前記最大振動振幅に対する比率として設定する、請求項1乃至4の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記身体的特徴は、血管からの特徴的な超音波反射であり、前記検出器ユニットは、前記特徴的な超音波反射を検出する、請求項1乃至5の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記身体的特徴は、特徴的なフォトプレチスモグラフィ波形の振幅であり、前記検出器ユニットは、前記特徴的なフォトプレチスモグラフィ波形の振幅を検出するか、又は
前記身体的特徴は、特徴的なフォトプレチスモグラフィ波形の形態学的特徴であり、前記検出器ユニットは、前記特徴的なフォトプレチスモグラフィ波形の形態学的特徴を検出する、
請求項1乃至6の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記検出器ユニットは、前記身体的特徴を含む信号の振幅、持続時間、又はスペクトル成分に応じて前記身体的特徴の妥当性を検出する、請求項1乃至7の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記検出器ユニットは、心停止傷病者に加えられる胸骨圧迫のタイミング及び/又は心電図のタイミングに関する情報を含む入力信号に応じて前記身体的特徴を検出する、請求項1乃至8の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載のデバイスを含む、心停止傷病者に胸骨圧迫を加えるためのCPRデバイス。
【請求項11】
測定された前記弁別的な血圧レベルを使用することにより、行われた胸骨圧迫の品質パラメータを決定し、前記品質パラメータに応じて胸骨圧迫を適合させる、請求項10に記載のCPRデバイス。
【請求項12】
前記測定された弁別的な血圧レベルに基づいて自発循環再開を検出する、請求項10又は11に記載のCPRデバイス。
【請求項13】
請求項1乃至9の何れか一項に記載のデバイスを含む、被験者の血圧を監視するための外来監視装置であって、前記圧力制御ユニットを含み被験者によって着用されるユニットを更に含む、外来監視装置。
【請求項14】
身体部位での血管の弁別的な血圧レベルを追跡するための方法であって、
(a)圧力提供デバイスによって前記身体部位に外圧を加えるステップと、
(b)前記弁別的な血圧レベルを示す身体的特徴が検出されるまで、前記身体部位に加えられる外圧を第1の方向に変化させるステップと、
(c)前記身体的特徴の検出に応答して、前記弁別的な血圧レベルの尺度を提供するために、前記身体部位と前記圧力提供デバイスとの間での外圧を測定するステップと、
(d)前記身体的特徴の検出に応答して、前記身体的特徴がもはや検出されなくなるまで、前記身体部位に加えられる外圧を前記第1の方向とは逆方向に変化させるステップと、
(e)ある時間にわたって前記弁別的な血圧レベルを追跡する信号を生成するために、ステップ(b)、(c)、及び(d)を循環的に繰り返すステップと、
を含む方法。
【請求項15】
プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに
(i)身体的特徴が検出されるまで圧力提供デバイスによって加えられる外圧を第1の方向に変化させるように圧力制御ユニットを制御させ、
(ii)前記身体的特徴の検出に応答して、弁別的な血圧レベルの尺度を提供するために、身体部位と前記圧力提供デバイスとの間での外圧を測定するように、前記圧力提供デバイスに接続された圧力センサを制御させ、
(iii)前記身体的特徴の検出に応答して、前記身体的特徴がもはや検出されなくなるまで前記第1の方向とは逆方向に外圧を変化させるように前記圧力制御ユニットを制御させ、
(iv)ある時間にわたって前記弁別的な血圧レベルを追跡する信号を生成するために、(i)、(ii)、及び(iii)を循環的に繰り返させる、
プログラムコード命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧の測定、特に、特定の血圧特徴量の非観血的な測定及び追跡に関する。
【背景技術】
【0002】
拡張期血圧、平均血圧、及び収縮期血圧等の血圧特徴量の高速の反復測定を行うことが可能な非観血的なデバイスはない。既知のデバイスは、特定の目的のために使用可能にするには複雑過ぎるか、高価過ぎるか、遅過ぎるか、又は不正確であるかのいずれかである。
【0003】
そのような血圧測定デバイスの1つの目的は、心停止傷病者に施される心肺蘇生術(CPR:cardio pulmonary resuscitation)と共に使用することであり、血圧測定の特定の特徴量がCPRの品質を評価するのに有用となり得る。高速の反復測定を行うことが、特定の時間枠内でCPR品質の評価を複数回行うことができるようにする。
【0004】
そのような血圧測定は、被験者の自己心拍を回復するのにCPRが効果的であったかどうかを評価するためにも使用され得る。生命を維持できる脈拍の存在の検出は、被験者の心臓が自発的に拍動しているかどうか、従ってCPRが成功したかどうかを判断するにあたっての重要な手段である。生命を維持できる血流を心臓が再び自発的に発生し始める時点は、自発循環再開(ROSC:return of spontaneous circulation)として知られている。ROSCの決定は、通常、CPRを休止し、触診を行うことによって行われる。しかし、このプロセスは時間がかかり、生じる中断は、CPRの成果に悪影響を及ぼし得る。高品質のCPRは、胸骨圧迫の中断を最小限にすることを必要とする。更に、触診は、専門の臨床医によって行われる場合でさえ信頼性が低いことが知られており、脈拍があるときでさえ、それが生命を維持できるものであるかどうか判断するのはしばしば非常に難しい。呼気終末CO、観血血圧、又は中心静脈血酸素飽和度の監視が、ROSCのより客観的な評価を可能にするが、いずれも、気道の確保又はカテーテルの配置を必要とするため、観血的である。経胸壁インピーダンス(TTI:transthoracic impedance)測定及び近赤外分光法(NIRS:near-infrared spectroscopy)は非観血的であるが、TTIは、胸骨圧迫によって強く影響を及ぼされ、NIRSは、ROSCにゆっくりしか応答しない。従って、非観血的であり、高速であり、且つ客観的なROSC決定法があることが望ましい。
【0005】
更に、特定の血圧特徴量(例えば、拡張期レベル、平均レベル、及び収縮期レベル)の傾向が、血流力学的不安定性の指標として使用され得る。血流力学的安定性の監視は、(例えば、ICU患者、及び手術又は蘇生術を受ける患者のための)臨床及び救急治療で特に重要である。血流力学的安定性を保証するため、又は悪化を検出するために、少なくとも1つの脈圧特徴量の(半)連続時系列が必要である。現在、血流力学的安定性は、観血的な血圧カテーテルを使用して、又は絶対圧を測定することができないデバイスを使用して測定されなければならない。
【0006】
従って、拡張期血圧、平均血圧、及び収縮期血圧等の血圧特徴量を(半)連続的に測定することが可能な非観血的な血圧測定デバイスが必要である。好ましくは、そのようなデバイスは、血圧特徴量の高速且つ正確な追跡及び測定を実施することも可能である。
【0007】
米国特許出願公開第2010/0094140号は、外部からの圧力振動を加えることによって、血管内又は他のコンパートメント圧を測定するための方法を開示する。圧迫された構造の圧力−体積応答が得られ、コンパートメント圧は、圧迫された構造が最高の伸展性を有するような外部からの圧力として推定される。外部からの振動を脈拍数よりも高い周波数で送達することによって、圧力の読取りがはるかに高速で成され得る。内因性の血管振動に依存しないため、圧力は、不整脈時、心臓バイパス術中、蘇生術中に、静脈コンパートメント内又は他の非拍動性の圧迫可能な身体コンパートメント内で測定され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
血圧測定用のデバイスにおける改良を実現すると有利である。一般に、本発明は、好ましくは、上述した欠点の1つ若しくは複数を単独で又は任意の組合せで緩和、軽減、又は除去することを試みる。特に、従来技術の上述の問題又は他の問題を解決する方法を提供することが、本発明の目的と見られ得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの問題の1つ又は複数により良く対処するために、本発明の第1の態様では、身体部位での血管の弁別的な血圧レベルの反復測定及び追跡を行うための血圧測定デバイスであって、
− 身体部位に外圧を加えるように圧力提供デバイスを制御するための圧力制御ユニットと、
− 弁別的な血圧レベルを示す身体的特徴の出現を検出するための検出器ユニットと
を備え、
(i)身体的特徴が検出されるまで第1の方向に外圧を変化させるように圧力制御ユニットを制御し、
(ii)身体的特徴の検出に応答して、弁別的な血圧レベルの尺度を提供するために、圧力提供デバイスに接続された圧力センサを使用することにより、身体部位と圧力提供デバイスとの間での外圧を測定し、
(iii)身体的特徴の検出に応答して、身体的特徴がもはや検出されなくなるまで第1の方向とは逆方向に外圧を変化させるように圧力制御ユニットを制御し、
(iv)ある時間にわたって弁別的な血圧レベルを追跡する信号を生成するために、(i)、(ii)、及び(iii)を循環的に繰り返す
ように構成されたデバイスが提示される。
【0010】
血圧測定デバイスの一部でもそうでなくてもよい圧力センサは、例えばホースを介して圧力提供デバイスに流体接続され得、それにより、圧力提供デバイス、例えば膨張可能なカフによって提供される圧力がホース内にも生じている。圧力センサは、更に圧力制御ユニットに流体接続され得る。
【0011】
有利には、外圧の周期的変化が、血圧特徴量の高速且つ正確な追跡及び測定を可能にし得る。
【0012】
一実施形態では、弁別的な血圧レベルは、拡張期血圧であり、第1の方向に外圧を変化させることは、大気圧又はそれに近いレベルで外圧を加え、次いで外圧を上昇させることを含み、第1の方向とは逆方向に外圧を変化させることは、外圧を低下させることを含む。
【0013】
一実施形態では、弁別的な血圧レベルは、収縮期血圧であり、第1の方向に外圧を変化させることは、収縮期よりも高いレベルで外圧を加え、次いで外圧を低下させることを含み、第1の方向とは逆方向に外圧を変化させることは、外圧を上昇させることを含む。
【0014】
一実施形態では、身体的特徴は、血管からの特徴的な音の出現又は血管からの特徴的な音の消滅の一方を含み、検出器ユニットは、特徴的な音を検出するように構成される。
【0015】
一実施形態では、弁別的な血圧レベルは、拡張期血圧レベル、収縮期血圧レベル、及び平均血圧レベルの1つである。
【0016】
一実施形態では、身体的特徴は、圧力センサによって測定される外圧の振動の特定の振動振幅であり、検出器ユニットは、特定の振動振幅を検出するように構成される。
【0017】
一実施形態では、身体的特徴は、血管からの特徴的な超音波反射であり、及び検出器ユニットは、特徴的な超音波反射を検出するように構成される。
【0018】
一実施形態では、身体的特徴は、フォトプレチスモグラフィ(PPG:photoplethysmograph)波形の特徴的な振幅であり、検出器ユニットは、特徴的なPPG波形振幅を検出するように構成される。
【0019】
一実施形態では、身体的特徴は、フォトプレチスモグラフィ(PPG)波形の特徴的な形態学的特徴であり、検出器ユニットは、PPG波形の特徴的な形態学的特徴を検出するように構成される。
【0020】
一実施形態では、検出器ユニットは、身体的特徴を含む信号の振幅、持続時間、又はスペクトル成分に応じて身体的特徴の妥当性を検出するように構成される。有利には、この妥当性の検出は、身体的特徴、例えば特徴的な音のアーチファクトをフィルタ除去するために使用され得る。
【0021】
一実施形態では、デバイスは、ある圧力範囲にわたって外圧を変化させるように圧力制御ユニットを制御するように構成され、デバイスは、その圧力範囲内に存在する最大振動振幅を決定するように構成され、デバイスは、特定の振動振幅を最大振動振幅に設定するか、又は特定の振動振幅を最大振動振幅401に対する比率として設定するように構成される。
【0022】
一実施形態では、デバイスは、要求に応じて、外圧の第1及び/又は第2の圧力変化での変化率を変更するように構成される。
【0023】
一実施形態では、検出器ユニットは、心停止傷病者に加えられる胸骨圧迫のタイミングに関する情報を含む入力信号に応じて身体的特徴を検出するように構成される。
【0024】
一実施形態では、検出器ユニットは、心電図(ECG:electrocardiogram)のタイミングに関する情報を含む入力信号に応じて身体的特徴を検出するように構成される。
【0025】
一実施形態では、デバイスは、自発循環再開(ROSC)を決定するように適合され、且つ処理ユニットを更に備え、処理ユニットが、
− 検出器ユニットからデータを受信し、
− 受信されたデータを使用して、弁別的な血圧レベルに関する値の少なくとも半連続の時系列を発生し、及び
− 発生された時系列を少なくとも1つの所定の基準と比較することによってROSCを決定する
ように構成される。
【0026】
一実施形態では、少なくとも1つの所定の基準は、弁別的な血圧レベルに関する所定の閾値を含む。
【0027】
一実施形態では、少なくとも1つの所定の基準は、追加として、時系列での連続的な値がこの閾値を超えなければならない所定の最小時間を含む。
【0028】
一実施形態では、デバイスは、ROSCの陽性判定に応答してアラームを発生するように構成される。
【0029】
本発明の第2の態様は、心停止傷病者に胸骨圧迫を加えるように構成されたCPRデバイスであって、第1の態様によるデバイスを備えるCPRデバイスに関する。
【0030】
一実施形態では、CPRデバイスは、胸骨圧迫深さ波形又は胸骨圧迫のタイミングを決定するように構成された圧迫深さモニタを備える。
【0031】
一実施形態では、CPRデバイスは、測定された弁別的な血圧レベルを使用することにより、行われた胸骨圧迫の品質パラメータを決定するように構成される。
【0032】
一実施形態では、CPRデバイスは、品質パラメータに応じて胸骨圧迫を適合させるように構成される。
【0033】
一実施形態では、CPRデバイスは、測定された弁別的な血圧レベルに基づいて自発循環再開(ROSC)を検出するように構成される。
【0034】
一実施形態では、CPRデバイスは、ROSCの検出に応答して胸骨圧迫を適合させるように構成される。
【0035】
一実施形態では、CPRデバイスは、ROSCの検出に応答してアラームを発生するように構成される。
【0036】
本発明の第3の態様は、身体部位での血管の弁別的な血圧レベルを追跡するための方法であって、
(a)身体部位に外圧を加えるステップと、
(b)弁別的な血圧レベルを示す身体的特徴が検出されるまで、身体部位に加えられる外圧を第1の方向に変化させるステップと、
(c)身体的特徴の検出に応答して、弁別的な血圧レベルの尺度を提供するために、身体部位と圧力提供デバイスとの間での外圧を測定するステップと、
(d)身体的特徴の検出に応答して、身体的特徴がもはや検出されなくなるまで、身体部位に加えられる外圧を第1の方向とは逆方向に変化させるステップと、
(e)ある時間にわたって弁別的な血圧レベルを追跡する信号を生成するために、ステップ(b)、(c)、及び(d)を循環的に繰り返すステップと
を含む方法に関する。
【0037】
第3の態様の方法は、弁別的な血圧の尺度を提供するために、圧力提供デバイスに接続された圧力センサを使用することにより、身体部位と圧力提供デバイスとの間での外圧を測定するステップによって補完され得る。
【0038】
本発明の第4の態様は、プログラムコード命令を備えるコンピュータプログラム製品であって、プログラムコード命令が、プロセッサによって実行されるときに第3の態様の方法をプロセッサが実施できるようにする、コンピュータプログラム製品に関する。
【0039】
本発明の別の態様は、第4の態様によるコンピュータプログラム製品を備えるコンピュータ可読媒体に関する。コンピュータ可読媒体は、CD、メモリ、電子回路、又はデータを記憶することが可能な他の物理的媒体でよい。従って、一般に、コンピュータ可読媒体は、非一時的な媒体でよい。
【0040】
一般に、本発明の様々な態様は、本発明の範囲内で可能な任意の方法で組み合わされて結合され得る。本発明のこれら及び他の態様、特徴、並びに/又は利点は、本明細書で後述する実施形態から明らかであり、それらを参照して説明する。
【0041】
要約すると、本発明は、特定の血圧特徴量、例えば患者の拡張期血圧を追跡するように構成されたデバイスに関する。このデバイスは、例えば膨張可能なカフを使用することにより、身体部位に圧力を加える。カフでの繰返しの交互の圧力変化を行うことによって、血圧特徴量に関する信号の特定の特徴量が追跡され得、場合によっては測定され得る。
【0042】
添付図面を参照して、単に例示として本発明の実施形態を述べる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】血圧測定デバイス100を示す。
図2】特徴的な音204を使用することによる拡張期血圧の追跡を示す。
図3】特徴的な音204を使用することによる収縮期血圧の追跡を示す。
図4】圧力センサによって測定される振動の最大振動振幅401を使用することによる平均血圧の追跡を示す。
図5】ブタモデルに関する動脈血圧トレース及び頸動脈流トレースの第1の例を示す。
図6】ブタモデルに関する動脈血圧トレース及び頸動脈流トレースの第2の例を示す。
図7】圧迫パッド501を使用することにより、心停止傷病者に胸骨圧迫を加えるように構成されたCPRデバイス500を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、ヒト又は更には哺乳類の身体部位での血管の血圧特徴量の反復測定及び追跡を行うように構成された血圧測定デバイス100を示す。血圧特徴量は、拡張期血圧、平均血圧、収縮期血圧、及び他の血圧特徴量を含む。身体部位は、典型的には、人が直立姿勢でいるときの心臓の高さでの上腕であるが、足首又は他の適切な身体部位でもよい。弁別的な血圧レベルは、典型的には、拡張期血圧レベル、平均血圧レベル、及び任意選択的にまた収縮期血圧レベルである。
【0045】
デバイス100は、身体部位に外圧を加えるように圧力提供デバイス110を制御するための圧力制御ユニット101を備える。圧力提供デバイス110は、典型的には、膨張可能なカフであり、圧力制御ユニット101は、ホース接続を介してカフを膨張又は収縮させることができる制御可能なエアポンプでよい。しかし、圧力制御ユニット101は、カフ110に接続されたエアポンプに制御信号(例えば電気制御信号)を供給するように構成されてもよい。
【0046】
デバイス100は、身体部位と圧力提供デバイス110との間の圧力、例えばカフを膨張させるために使用されるホース接続内の圧力を測定するように構成された圧力センサ102を更に備えていてよい。測定される圧力は、外部から加えられる圧力と、圧力提供デバイスに対して身体部位によって及ぼされる圧力との合計からなる。圧力センサは、外部から加えられる圧力と、身体部位によって及ぼされる圧力との尺度を得るためにカフ内の圧力を測定するように構成された空気圧センサでよい。例えば、空気圧センサは、圧力制御ユニット101と圧力提供デバイス110との間に提供されたホース接続と接続され得る。圧力センサ102は、デバイス100の一部でよく、又はデバイス100は、圧力センサ102と接続可能でよい。例えば、圧力センサ102は、デバイス100の一部ではなく、圧力制御ユニット101によって制御可能であるエアポンプの一部でもよい。
【0047】
従って、加えられる外圧は、圧力提供デバイス110によって身体部位に加えられ、身体部位と圧力提供デバイス110との間での外圧が、圧力センサ102によって測定される。測定された外圧は、血圧を決定するために使用される。
【0048】
デバイス100は、弁別的な血圧レベル、例えば拡張期血圧、平均血圧、又は収縮期血圧を示す身体的特徴の出現を検出するための検出器ユニット103を備える。例えば、身体的特徴は、身体部位での血管から生じる特徴的な音、例えばコロトコフ音の出現(消滅)でよい。これらの音は収縮期と拡張期との間で生じるため、音の出現(消滅)は、加えられる外圧が収縮期血圧(レベル1のコロトコフ音)又は拡張期血圧(レベル4又は5のコロトコフ音)に等しいときに生じる。この例の詳細を以下に述べる。この例によれば、検出器ユニット103は、そのような特徴的な音を検出するように構成される。例えば、検出器ユニット103は、マイクロフォン104からの信号中の特定の音の存在を検出することが可能なオーディオ処理機能を備えていてよい。従って、検出器ユニット103は、マイクロフォン104と接続可能であってよく、又はマイクロフォン104を備えていてもよい。マイクロフォンは、動脈の上の身体部位に配置されるように設計される。例えば、マイクロフォンは、カフ110と一体化されてよく、又はカフ110と共に使用されるように設計されてもよい。
【0049】
別の例では、身体的特徴は、圧力センサ102によって測定される圧力の振動の特定の振動振幅である。この例の詳細を以下に述べる。この例によれば、検出器ユニット103は、圧力センサ102によって提供される圧力測定信号を介してそのような振動振幅を検出するように構成される。例えば、検出器ユニット103は、振動信号の振幅を検出するように構成された信号処理機能を備えていてよい。この場合、検出器104は使用されなくてもよい。
【0050】
別の例では、身体的特徴は、血管からの特徴的な超音波反射である。この例によれば、検出器ユニット103は、例えば超音波プローブ、即ち超音波を送出し、送出された超音波の反射又はエコーを受け取るデバイスからの信号を検出するように構成された信号処理機能によって、そのような特徴的な超音波反射を検出するように構成される。従って、検出器ユニット103は、超音波プローブと接続可能でよく、又は超音波プローブ104を備えていてもよい。超音波プローブは、動脈の上の身体部位に配置されるように設計される。例えば、超音波プローブは、カフ110と一体化されてよく、又はカフ110と共に使用されるように設計されてもよい。
【0051】
別の例では、身体的特徴は、フォトプレチスモグラフィ(PPG)波形の特徴的な振幅である。代替として、身体的特徴は、PPG波形の特徴的な形態学的特徴でよい。この例によれば、検出器ユニット103は、例えばPPGセンサ(即ち、皮膚を照明し、照明された領域内の血液体積変化による吸光率の変化を測定するデバイス)からの信号を検出するように構成された信号処理機能によって、そのような特徴的なPPG振幅及び/又は形態学的特徴を検出するように構成される。従って、検出器ユニット103は、PPGセンサと接続可能でよい。PPGセンサは、カフ110の遠位に(例えば指に)配置されるように設計される。
【0052】
デバイス100は、弁別的な血圧レベルの身体的特徴の予想されるタイミングに関する情報を含む外部入力信号105を受信するように更に構成され得る。入力信号105は、入力信号105の信号特徴量に対して特定の時間遅延で身体的特徴の出現を検出するために、デバイス100によって、例えば検出器ユニット103によって使用され得る。この入力信号105を使用することは、身体的特徴の検出のロバスト性を高めることができる。特に、身体的特徴が存在しないとき、入力信号105及び時間遅延は、この特徴が存在しないことに関する決定的な情報を提供し得る。この入力信号105がないと、身体的特徴が生じるはずの時点が分からないため、特徴が存在しないことの検出は簡単ではない。
【0053】
例えば、外部入力信号105は、患者の心電図(ECG)からのRピークを含むことができる。マイクロフォン104での音の発生は、各Rピークから特定の時間遅延で予想される。Rピークに続いて、予想される時間遅延前後の特定の時間枠内で身体的特徴が見られないとき、又はRピークに別のRピークが続くとき、身体的特徴がないことが明らかである。
【0054】
CPR中の使用に関する別の例では、心停止患者ではRピークが存在しないため、外部入力信号105は、胸骨圧迫深さのタイミング情報(例えば圧迫の開始)を含むことができる。
【0055】
弁別的な血圧レベルの追跡を可能にするために、デバイス100は、少なくとも身体的特徴の出現が検出されるまで、加えられる外圧を第1の圧力変化で上昇させ、また、少なくとも身体的特徴がもはや存在しなくなるまで外圧を第2の圧力変化で低下させるように圧力制御ユニット101を制御するように構成される。身体的特徴がもはや検出されない特定の時点の後、加えられる外圧は、少なくとも身体的特徴が再び検出されるまで第1の圧力変化で再び上昇される。
【0056】
このように交互の第1及び第2の圧力変化で外圧を繰り返し変化させることにより、弁別的な血圧レベルが少なくとも半連続的に追跡される。
【0057】
加えられる外圧の変化は、身体的特徴が出現若しくは消滅した時点で、又はその時点から短い遅延の後に誘発されるため、加えられる外圧の小さい変化のみが追跡目的に必要とされ、それにより、弁別的な血圧レベルの連続する検出間の時間間隔はほとんどない。従って、加えられる外圧は、拡張期血圧と収縮期血圧の間等、弁別的な血圧極値間でサイクルする必要はない。
【0058】
加えられる外圧の繰返しの変化において(ここで、加えられる外圧は、少なくとも身体的特徴の出現が検出されるまで第1の圧力変化で上昇される)、弁別的な血圧は、拡張期圧レベル等、低い血圧レベルでよい。
【0059】
代替として又は追加として、デバイス100は、同様に、少なくとも身体的特徴の出現が検出されるまで外圧を第1の圧力変化で低下させ、また、少なくとも身体的特徴が存在しなくなるまで外圧を第2の圧力変化で上昇させるように圧力制御ユニット101を制御するように構成され得る。この繰返しの外圧変化は、収縮期圧レベル等、高い圧力レベルを検出するのに適合され得る。
【0060】
一般に、第1の圧力変化は、身体的特徴の開始を検出するための変化と見られ得、第2の圧力変化は、検出器ユニット103によって監視される信号から身体的特徴を除くための変化と見られ得る。
【0061】
血圧を決定するために、デバイスは、圧力提供デバイス110に接続された圧力センサ102を使用することにより、身体部位と圧力提供デバイス110との間での外圧を測定するように構成される。この測定は、弁別的な血圧を決定するために、身体的特徴の出現の検出に応答して行われる。
【0062】
例えば、デバイスは、弁別的な血圧の尺度を提供するために、身体的特徴の出現が検出された時点で圧力センサから圧力を読み取るように構成され得る。
【0063】
即ち、身体的特徴が存在するとき(例えばコロトコフ音の出現)、弁別的な血圧レベル、例えば拡張期血圧は、圧力センサ102によって測定される外圧に等しい又はほぼ等しいと仮定され得る。従って、身体的特徴の出現の検出に応答して、弁別的な血圧レベルは、測定された外圧に設定され得る。このようにして、身体的特徴は、弁別的な血圧レベルを示す。
【0064】
特定の血圧レベルの追跡を例示するために、図2に一例が示されており、この例では、測定される圧力が拡張期血圧と等しいときを示すための身体的特徴として、動脈から測定される音が使用される。
【0065】
図2は、0〜140mmHgの圧力スケールでの観血血圧201(基準圧として示される)と、0〜50mmHgの圧力スケールでの、加えられた外圧202(例えばカフ圧)及び圧力センサ102によって測定された血圧振動203と、マイクロフォン104を使用して動脈から測定された音レベル204と、心停止傷病者に施される胸骨圧迫からの胸骨圧迫深さ測定値205(測定値205は、入力105を介してデバイス100に提供され得る)とを示す。
【0066】
図2において、胸骨圧迫205により振動203が生じている。
【0067】
カフ圧(この例では、外圧を加えるために従来の膨張可能なカフが使用される)は、最初に0mmHgから上昇される。時点t1で、特徴的な音(レベル4のコロトコフ音)が、検出器ユニット103及びマイクロフォン104によって検出される。時点t1で、カフ圧202は40mmHgであり、従って、拡張期血圧(弁別的な血圧)は40mmHgである。時点t1後、カフ圧が低下される。ここでは、カフ圧が低下される前に、時点t1後に任意選択的な遅延が示されている。一般に、遅延は実質的にゼロでよく、又は大きな遅延が使用されてもよい。圧力低下中の時点t2で、カフ圧202が(基準281によって示される)拡張期圧よりも依然として高いため、更なるコロトコフ音が検出される。カフ圧は、特徴的な音がもはや存在しない時点t3まで更に低下される。入力105での圧迫の開始から特定の時間遅延で特徴的な音が生じていないため、特徴的な音がもはや存在しないことが検出され得る。時点t3の後、カフ圧は時点t4まで再び上昇され、時点t4で、より高いカフ圧(ここでは50mmHg)で特徴的な音が再び検出される。交互の圧力変化が繰り返され、それにより拡張期血圧が追跡される(時点t6で、50mmHgでの新たな拡張期血圧が検出される)。
【0068】
所定の期間は、第1及び第2の圧力変化に関連付けられ得る。例えば、最小の期間は、(例えば時点t1での)身体的特徴の出現の検出から、加えられる外圧が(例えば次の心拍又は圧迫での身体的特徴の存在を検証するために)上昇/低下から低下/上昇に再び変えられるまでと設定され得る。更に、最小の期間は、第2の圧力変化の開始から後続の第1の圧力変化の開始までと設定されてもよく、又は第2の圧力変化で身体的特徴がもはや存在しなくなった時点から後続の第1の圧力変化の開始までと設定されてもよい。
【0069】
血圧追跡デバイス100は、要求に応じて、加えられる外圧の第1及び/又は第2の圧力変化での変化率を変更するように構成され得る。要求は、デバイスのユーザからのユーザインターフェース入力に応答して発生されるデバイス100への入力信号の形態でよく、又は、要求は、デバイス100の適応機能によって発生される入力信号の形態でよい。例えば、ユーザインターフェースは、(精度の低下という犠牲を払って)より高速の追跡を行うために、圧力提供デバイス110の膨張及び/又は収縮速度をユーザが変更することを可能にするように構成され得る。適応機能は、例えば、測定される血圧の変化に応じた胸骨圧迫のタイミングに関する情報又は他の情報、例えばデバイス100の追跡性能に関する情報を含む入力信号105に応答して、加えられる外圧の変化率を制御する機能でよい。
【0070】
図2は、時点t5で、特徴的な音として類別されるべきではない異常音が検出されることを示す。そのような偽陽性エラーを回避するために、検出器ユニット103は、以下の特性の1つ又は複数に応じて、特徴的な音の妥当性を検出するように構成され得る:音の振幅(ゼロレベル又は他の特定の振幅)、音の持続時間、及び音のスペクトル成分(検出器ユニット又はデバイスは、音の振幅、音の持続時間、又は音のスペクトル成分を決定するように構成される)。例えば、検出器ユニット103のフィルタは、特定の振幅閾値を上回る音の振幅、又は特定の閾値を上回る及び下回る音の振幅の陽性検出のみを行うように構成され得る。同様に、検出器ユニット103は、特徴的な音の持続時間が特定の最小時間にわたって継続する場合、又は音のスペクトル成分が特定のスペクトル範囲内にある場合にのみ、音測定結果を特徴的な音として分類するように構成され得る。これらのフィルタリング方法の任意のものが組み合わされ得る。
【0071】
図2は、胸骨圧迫深さタイミング205が、音シーケンスと胸骨圧迫信号205との同期に応じて妥当な音特性を類別するために使用され得る様子を示す。これは、例えば、圧迫信号205がゼロを超えて上昇する(振幅が所与の閾値よりも大きくなる)特定の時間枠内で音が始まる場合に、音測定結果を妥当な特徴的な音として分類することによって行われる。その目的で、検出器ユニット103、又はデバイス100の他のユニットは、音の振幅、音の持続期間、又は音のスペクトル成分を決定するように構成され得る。
【0072】
従って、検出器ユニット103は、心停止傷病者に加えられる胸骨圧迫からの胸骨圧迫深さタイミングに関する情報を含む入力信号105、205に応じて、特徴的な音の出現を検出するように構成され得る。患者が自己心拍を有し、CPRが行われる必要がないとき、圧迫深さタイミング情報を使用せずに、ECG信号でのRピークが入力信号105として使用され得る。
【0073】
図3は、0〜140mmHgの圧力スケールでの観血血圧201(基準圧として示される)と、100〜150mmHgの圧力スケールでの、加えられた外圧202(例えばカフ圧)と、マイクロフォン104を使用して動脈から測定された音レベル204と、心停止傷病者に施された胸骨圧迫からの胸骨圧迫深さ測定値205(測定値205は、入力105を介してデバイス100に提供され得る)とを示す。
【0074】
図3は、収縮期血圧等、高い血圧の追跡に関する一例を示す。
【0075】
外圧は、最初に、収縮期圧を上回るレベルから低下される。時点t1で、特徴的な音(レベル1のコロトコフ音)が検出器ユニット103によって検出される。時点t1で、測定されたカフ圧202は120mmHgであり、従って、収縮期血圧381は120mmHgである。図示されるように、時点t1後、場合によっては幾らかの遅延後に、外圧は、特徴的な音がもはや存在しなくなるまで(場合によっては図示されるように更なる遅延を加えた時点まで)再び上昇される。次いで、外圧は時点t2まで低下され、時点t2で、より高い圧力(ここでは130mmHg)で特徴的な音が再び検出される。このようにして、交互の圧力変化が繰り返され、それにより収縮期血圧が追跡される(時点t3で、130mmHgでの新たな収縮期血圧が検出される)。
【0076】
拡張期圧等の低い血圧も、交互の第1及び第2の圧力変化によって追跡され得、ここでは、加えられる外圧が第1の圧力変化中に低下されることに留意されたい。同様に、収縮期圧等の高い血圧も、交互の第1及び第2の圧力変化によって追跡され得、ここでは、外圧が第1の圧力変化中に上昇される。いずれの場合にも、身体的特徴は、コロトコフ音の出現ではなく、コロトコフ音の消滅である。
【0077】
図4は、0〜150mmHgの圧力スケールでの観血血圧491(基準圧として示される)と、0〜100mmHgの圧力スケールでの加えられた外圧410(例えばカフ圧)と、圧力センサ102によって測定された測定外圧400の圧力振動と、患者からのECG492(測定値492は、入力105を介してデバイス100に提供され得る)とを示す。
【0078】
図4は、圧力センサによって測定される加えられる外圧の振動の最大振動振幅401を使用することにより、弁別的な血圧レベル(例えば平均血圧)を追跡するための一例を示す。
【0079】
最大振動振幅を決定するために、加えられる外圧410は、最初に、低いレベル(例えば0mmHg)から上昇される。加えられる外圧の上昇中、振動は、時点t1で始まり、時点t3における(この例では80mmHgの)平均動脈圧412での最大振幅401まで振幅を増加する。加えられる外圧の更なる上昇が、振動振幅の減少をもたらす。時点t4で、より小さな次の振動によって最大値が検出されると、加えられる圧力が低下され、振動振幅の更なる減少が検出され得る。この減少後、この膨張/収縮シーケンスが繰り返され、平均動脈圧を追跡するために使用され得る(時点t5とt7で、100mmHgの新たなより高い平均血圧が検出される)。
【0080】
最大振動振幅を追跡するのではなく、絶対振幅、又は最大振幅に対する比率が追跡されてもよい。例えば、最大振幅401の検出後、最大振動振幅に属する圧力を上回る又は下回る圧力レベルにおける特定の振幅比率が追跡され得る。これらの特定の比率は、特定の血圧特徴量に属することができる(例えば、最大振幅に対する比率0.8は、図4において時点t2で示される平均動脈圧を下回る圧力での拡張期レベル411に類似していることがあり、比率0.6は、平均動脈圧を上回る圧力レベルでの収縮期レベルに類似していることがある)。最大振動振幅に対する比率の検出を可能にするには、まず、最大振動振幅が決定されるべきである。
【0081】
従って、1つ又は複数の特定の振動振幅比率を決定するために、デバイス100又はデバイス100の他のユニットは、最大振動振幅401を設定するように構成され、その後、測定された振動の振幅比率(例えば、振幅比率402)が決定され得、加えられる外圧の交互の上昇と低下を提供するように圧力提供デバイス110を制御する。
【0082】
更に、最大振動振幅401を決定するために、デバイス100は、加えられる外圧をある圧力範囲にわたって変化させるように圧力制御ユニット101を制御するように構成され得る。更に、デバイスは、例えばピーク検出法を使用することにより、圧力範囲内に存在する最大振動振幅401を決定するように構成され得る。
【0083】
特定の振動振幅402を使用することによる弁別的な血圧レベル411の追跡を可能にするために、図2及び図3に関連して述べた手順と同様に、デバイス100は、特定の振動振幅401、402の1つ又は複数の付近で第1及び第2の圧力変化413、414を加えるように圧力制御ユニット101を制御するように構成される。
【0084】
例えば、加えられる外圧は、少なくとも特定の振動振幅401、402の出現が検出されるまで第1の圧力変化413で上昇(代替として低下)され得、その後、加えられる外圧は、少なくとも特定の振動振幅402がもはや存在しなくなるまで、第2の圧力変化414で低下(代替として上昇)される。
【0085】
図4は、時点t6で、異常圧力振動が検出されることを示す。そのような偽陽性エラーを回避するために、検出器ユニット103は、以下の特性の1つ又は複数に応じて、特徴的な圧力振動の妥当性を検出するように構成され得る:振動の振幅、振動の持続時間、及び振動のスペクトル成分(検出器ユニット又はデバイスは、振動の振幅、振動の持続時間、又は振動のスペクトル成分を決定するように構成される)。例えば、検出器ユニット103のフィルタは、特定の振幅閾値よりも小さい振動振幅の陽性検出のみを行うように構成され得る。同様に、検出器ユニット103は、振動のスペクトル成分が特定のスペクトル範囲内にある場合にのみ、振動を妥当な振動として分類するように構成され得る。これらのフィルタリング方法の任意のものが組み合わされ得る。
【0086】
図4は、ECG492が、圧力振動とECGとの同期に応じて妥当な振動特性を類別するために使用され得ることを示す。これは、例えば、ECG492でのピークが検出される特定の時間枠内で振動が始まる(振幅が所与の閾値よりも大きくなる)場合に、振動測定結果を妥当な特徴的な振動として分類することによる。その目的で、検出器ユニット103、又はデバイス100の他のユニットは、振動の振幅、振動の持続期間、又は振動のスペクトル成分を決定するように構成され得る。
【0087】
心肺蘇生術(CPR)を心停止傷病者に施すとき、CPRの品質が、患者を最適に蘇生するのに重要である。CPRの品質は、測定される血圧値、例えば測定される拡張期圧値に基づいて決定され得る。
【0088】
また、CPRを施すとき、自発循環再開(ROSC)が生じたときを決定する必要もある。本発明者らは、高速且つ高い信頼性でROSCを検出するために、拡張期血圧又は平均血圧の特定のレベルが使用され得ることを見出した。図5及び図6を参照して以下に説明するように、拡張期血圧と頸動脈血流の測定値の間、及び平均血圧と頸動脈血流の測定値の間に強い相関があることがブタモデルで実証されている。
【0089】
図5は、ブタモデルに関する、CPRからしばらくしてROSCが現れる動脈血圧トレースの一例を示す。上段のトレースは、ある時間にわたる大動脈血圧を示し、ドットは拡張期の値を示す。下段のトレースは、圧迫/心拍にわたって平均化された、同じ期間にわたる頸動脈血流を示す。トレースの開始時、この被験体が心停止状態であり、CPRが行われ、それにより、65/25(65:収縮期レベル、25:拡張期レベル)の動脈圧が生じる。t=1907で、圧迫が休止され、除細動ショックが加えられる。ショック直後に圧迫が再開される。拡張期圧レベルがショック前と同様であることによって分かるように、除細動ショックは、ショック直後には自発的な心臓力学的活動を引き起こさない。しかし、ショックは、幾らかの効果を有し、血圧信号のパターンをより不規則にした。t=1970で、除細動ショックの結果として、動脈血圧(収縮期血圧と拡張期血圧との両方)が上昇し始める。この期間中の拡張期の上昇は、約3倍(25mmHg〜75mmHg)であり、これは、生命を維持できる自己心拍を示す。拡張期の上昇は、約30秒生じている。
【0090】
ROSC/生命を維持できる圧力に関する閾値(任意の値であるが、60mmHgがしばしば使用される)に応じて、この期間中、拡張期値がROSCに関する指標となる。ROSCが既に実現されたが、圧迫は、引き続き2032秒まで行われた(現実の臨床での蘇生状況では、ROSCが認識されずに、はるかに長く圧迫が続けられることがある)。測定された拡張期圧が頸動脈流に非常に類似していることが明瞭に分かり、これは、血流の尺度として、従ってROSCを決定するための方法において拡張期血圧を使用することを正当化する。
【0091】
図6は、容態が悪化する動物における動脈血圧トレースの一例を示す。図5と同様に、上段のトレースは、ある時間にわたる血圧を示し、ドットは拡張期の値を示し、下段のトレースは、心拍にわたって平均化された、同じ期間にわたる頸動脈血流を示す。トレースの開始時、血圧は正常である(125/100)。時間と共に、収縮期の値と拡張期の値との両方が低下し、命に関わるものとなる。ここでも、測定される拡張期圧が頸動脈流に非常に類似していることが明瞭に分かり、これは、血流力学的(不)安定性の尺度として拡張期血圧を使用することを正当化する。
【0092】
従って、デバイス100は、例えば手術中、又は集中治療室で、被験者の血流力学的安定性を評価するために使用され得る。また、デバイス100は、被験者がROSCに至っているかどうか判断するためにCPR中に使用され得る。拡張期圧(マイクロフォンを用いてコロトコフ音の出現/消滅を検出することによって、カフでの圧力振動の特定の比率を検出することによって、超音波プローブによって測定される超音波特性の変化を検出することによって、又はPPG波形の振幅及び/又は形態学的特徴を検出することによって測定される)、又は平均血圧(カフでの圧力振動を検出することによって測定される)の測定値が、これらの目的に使用され得る。
【0093】
CPR中のROSCを決定するように適合された一実施形態(図示せず)では、デバイス100は、処理ユニットを更に備える。処理ユニットは、検出器ユニット103からデータを受信し、受信されたデータに基づいて、血圧特徴量に関する値の少なくとも半連続的な時系列を発生するように構成される。処理ユニットは、ROSCに関する所定の基準が時系列によって満たされるかどうか判断するように更に構成される。例えば、所定の基準は、血圧特徴量の所定の閾値(例えば、60mmHg)、及びこの閾値を超えていなければならない所定の最小時間(例えば、15秒)を含むことがある。幾つかのそのような実施形態では、デバイス100は、ROSCが決定されたときにアラームを発出するように構成される。
【0094】
CPRは、救助者によって患者に手動で施され得、又は、例えば電動式の圧迫パッドを使用することにより、心停止傷病者に胸骨圧迫を加えるように構成されたCPRデバイスによって自動的に施され得る。
【0095】
図7は、圧迫パッド501を使用することにより、心停止傷病者に胸骨圧迫を加えるように構成されたCPRデバイス500を示す。CPRデバイス500は、血圧追跡及び測定デバイス100を備える。加えられる胸骨圧迫の品質は、血圧の反復測定から決定され得るため、CPRデバイス500と血圧測定デバイス100とのこの組合せが有利であり得る。
【0096】
CPRデバイス500は、胸骨圧迫深さ波形又は胸骨圧迫のタイミングを決定するように構成された圧迫深さモニタ502を備えていてよい。モニタ502は、圧迫パッド501の変位を測定するように構成され得る。決定された胸骨圧迫深さ波形又は圧迫のタイミングは、例えば入力105を介してデバイス100に供給され得る。
【0097】
CPRデバイス500は、測定された血圧レベルを使用することにより、行われた胸骨圧迫の品質パラメータを決定するように構成され得る。更に、CPRデバイスは、品質パラメータに応じて胸骨圧迫を適合させるように構成され得る。代替として又は追加として、CPRデバイス500は、測定された血圧レベルを使用することにより、ROSCを決定するように構成され得る。更に、CPRデバイスは、ROSCの決定に応答して、胸骨圧迫を適合させるか、又は胸骨圧迫を止めるように構成され得る。CPRデバイスは、ROSCの決定に応答してアラームを発出するように構成され得る。
【0098】
本発明の実施形態によるデバイス及び方法はまた、外来血圧監視に有利に使用され得、その際、血圧は、被験者が日常生活を送っているときに、所与の期間(例えば24時間)にわたって定期的に測定される。外来血圧監視を行うために適合された一実施形態(図示せず)では、デバイス100の圧力制御ユニット101は、被験者によって着用されるように構成されたベルトに取り付けられる小さいポータブルユニットとして提供される。デバイス100は、外来血圧監視の期間全体にわたって、上述の方法で血圧特徴量(例えば拡張期血圧レベル)を連続的又は半連続的に測定するように構成される。対照的に、従来の外来血圧監視システムは、拡張期及び収縮期血圧レベルの測定を定期的に(例えば30分毎に)行うように構成される。従って、デバイス100は、被験者の血圧が監視期間にわたって変化する様子のはるかに詳細な状況の把握を可能にする。
【0099】
本発明の一実施形態による、身体部位での血管の弁別的な血圧レベルを追跡するための方法は、以下のステップを含む。
ステップ1:身体部位に外圧を加えるための圧力提供デバイス110を制御するステップ。
ステップ2:例えば圧力センサ102を使用することにより、身体部位と圧力提供デバイスとの間での加えられる外圧を測定するステップ。
ステップ3:弁別的な血圧レベルを示す身体的特徴の出現を検出するステップ。
ステップ4:少なくとも身体的特徴の出現が検出されるまで、加えられる外圧を第1の圧力変化で上昇(代替として低下)させるように圧力制御ユニットを制御するステップ。
ステップ5:少なくとも身体的特徴がもはや存在しなくなるまで、加えられる外圧を第2の圧力変化で低下(代替として上昇)させるように圧力制御ユニットを制御するステップ。
【0100】
任意選択的なステップ6は、身体的特徴の出現が検出されたときに弁別的な血圧を決定することを含む。このステップは、追跡中には必要とされないが、血圧の測定が必要とされるときに誘発され得る。圧力センサによって測定される外圧は、圧力センサ102によって提供される圧力値を読み取ることによって評価され得る。
【0101】
本発明の一実施形態による、身体部位での血管の弁別的な血圧レベルの反復測定及び追跡を行うためのデバイスは、
− 身体部位に外圧を加えるように圧力提供デバイスを制御するための圧力制御ユニットと、
− 弁別的な血圧レベルを示す身体的特徴の出現を検出するための検出器ユニットと
を備え、
デバイスは、少なくとも身体的特徴の出現が検出されるまで、外圧を第1の圧力変化で上昇(代替として低下)させ、また、少なくとも身体的特徴がもはや存在しなくなるまで外圧を第2の圧力変化で低下(代替として上昇)させるように圧力制御ユニットを制御するように構成され、
身体的特徴の出現の検出に応答して、デバイスは、弁別的な血圧の尺度を提供するために、圧力提供デバイスに接続された圧力センサを使用することにより、身体部位と圧力提供デバイスとの間での外圧を測定するように構成される。
【0102】
血圧測定デバイスの一部であることもそうでないこともある圧力センサは、例えばホースを介して圧力提供デバイスに流体接続され得、それにより、圧力提供デバイス、例えば膨張可能なカフによって提供される圧力がホース内にも生じている。圧力センサは、更に圧力制御ユニットに流体接続され得る。
【0103】
有利には、外圧の周期的変化が、血圧特徴量の高速且つ正確な追跡及び測定を可能にし得る。
【0104】
一実施形態では、身体的特徴は、血管からの特徴的な音であり、検出器ユニットは、特徴的な音を検出するように構成される。
【0105】
一実施形態では、身体的特徴は、圧力センサによって測定される外圧の振動の特定の振動振幅であり、検出器ユニットは、特定の振動振幅を検出するように構成される。
【0106】
一実施形態では、身体的特徴は、血管からの特徴的な超音波反射であり、検出器ユニットは、特徴的な超音波反射を検出するように構成される。
【0107】
一実施形態では、検出器ユニットは、身体的特徴を含む信号の振幅、持続時間、又はスペクトル成分に応じて身体的特徴の妥当性を検出するように構成される。有利には、この妥当性の検出は、身体的特徴、例えば特徴的な音のアーチファクトをフィルタ除去するために使用され得る。
【0108】
一実施形態では、デバイスは、ある圧力範囲にわたって外圧を変化させるように圧力制御ユニットを制御するように構成され、デバイスは、その圧力範囲内に存在する最大振動振幅を決定するように構成され、デバイスは、特定の振動振幅を最大振動振幅に設定し、且つ最大振動振幅401と比較した任意の振動振幅の比率を決定するように構成される。
【0109】
一実施形態では、デバイスは、要求に応じて、外圧の第1及び/又は第2の圧力変化での変化率を変更するように構成される。
【0110】
一実施形態では、検出器ユニットは、心停止傷病者に加えられる胸骨圧迫のタイミングに関する情報を含む入力信号に応じて、身体的特徴の出現を検出するように構成される。
【0111】
一実施形態では、検出器ユニットは、心電図(ECG)のタイミングに関する情報を含む入力信号に応じて、身体的特徴の出現を検出するように構成される。
【0112】
心停止傷病者に胸骨圧迫を加えるように構成された本発明の一実施形態によるCPRデバイスは、身体部位での血管の弁別的な血圧レベルの反復測定及び追跡を行うためのデバイスを備える。
【0113】
一実施形態では、CPRデバイスは、胸骨圧迫深さ波形又は胸骨圧迫のタイミングを決定するように構成された圧迫深さモニタを備える。
【0114】
一実施形態では、CPRデバイスは、測定された血圧レベルを使用することにより、行われた胸骨圧迫の品質パラメータを決定するように構成される。
【0115】
一実施形態では、CPRデバイスは、品質パラメータに応じて胸骨圧迫を適合させるように構成される。
【0116】
本発明を図面及び前述の説明で詳細に図示して説明してきたが、そのような図示及び説明は例示又は例説と見なすべきであり、限定と見なすべきではない。本発明は、開示される実施形態に限定されない。開示される実施形態に対する他の変形形態は、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から当業者によって理解され、特許請求される本発明を実践する際に実施され得る。特許請求の範囲において、用語「備える」は、他の要素又はステップを除外せず、「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を除外しない。単一の処理装置又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載される幾つかの要素の機能を実現することができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されていることだけでは、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを示さない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアの一部と共に供給されるか、又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体等、適切な媒体に記憶及び/又は分散され得るが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介する形態等、他の形態でも分散され得る。特許請求の範囲内の任意の参照符号は、範囲を限定するものと見なされるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7