【文献】
MediaTek Inc.,Discussion on PRACH and RACH procedure in coverage enhancement mode[online],3GPP TSG-RAN WG1#75 R1-135424,2013年11月 2日,[検索日:2017.08.28],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_75/Docs/R1-135424.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変調のプロセスの後、前記シンボル置換のプロセスの前に、繰り返しのプロセスをさらに含み、前記繰り返しのプロセスにおいて、前記変調のプロセスの後に得られるn個のシンボルを繰り返してn*N個のシンボルにし、NがRi以下である、
請求項5に記載の方法。
前記リソース要素マッピングのプロセスにおいて、前記変調のプロセスの後に得られるシンボルを、異なる繰り返しレベルにおいて1つのサブフレームの中の異なるリソース要素にマッピングする、
請求項1から8の何れか1項に記載の方法。
前記処理ユニットが、前記変調のプロセスの後、前記シンボル置換のプロセスの前に、繰り返しのプロセスをさらに備えており、前記繰り返しのプロセスにおいて、前記変調のプロセスの後に得られるn個のシンボルを繰り返してn*N個のシンボルにし、NがRi以下である、
請求項13に記載の装置。
前記リソース要素マッピングのプロセスにおいて、前記変調のプロセスの後に得られるシンボルを、異なる繰り返しレベルにおいて1つのサブフレームの中の異なるリソース要素にマッピングする、請求項10から15の何れか1項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明においては、添付の図面を参照し、これらの図面は本明細書の一部を形成している。図面においては、特に明記しない限り、基本的に、類似する記号は類似する要素を表している。なお、本開示の態様は、さまざまな異なる構造・構成に配置する、置き換える、組み合わせる、設計することができ、そのような態様すべては明示的に意図されたものであり本開示の一部を形成することが、容易に理解されるであろう。
【0013】
MTCモードにおけるMTCユーザ機器または通常のユーザ機器は、MTC−(E)PDCCHの繰り返しを受信してそれらを組み合わせて、DCIの内容を取得する必要がある。MTC−(E)PDCCHによってスケジューリングされるPDSCH(物理ダウンリンク共有チャネル)は、MTC−(E)PDCCHの繰り返しを送信するサブフレームより後のサブフレームにおいて送信される。スケジューリングされたPDSCHが送信されるタイミングを容易に求めることができるように、通常ではMTC−(E)PDCCHとPDSCHの間のタイミング関係が事前に定義されている。PDSCHの開始サブフレームは、(E)PDCCHの最後によって決まる。(E)PDCCHとPDSCHの間のタイミング関係は、ユーザ機器によって認識されており、
図1はその一例を示している。
【0014】
図1は、(E)PDCCHとPDSCHとの間のタイミング関係の一例を示している概略図である。
図1に示したように、四角い枠それぞれは1つのサブフレームを表している。具体的には、時間軸に沿って、斜線が引かれた四角形は、(E)PDCCHを送信するサブフレームを表しており、点で埋められた四角形は、PDSCHを送信するサブフレームを表している。これらの四角形の間の空白の四角形は、(E)PDCCHとスケジューリングされたPDSCHとの間の複数のサブフレームによる間隔を表している。すなわち、(E)PDCCHのすべての繰り返しの送信が終了した後に、PDSCHの送信が開始される。(E)PDCCHの最後の繰り返しとPDSCHの最初の繰り返しとの間のサブフレームの数は、PDSCHの先頭を正しく受信して復号できるように、通常ではユーザ機器によって認識されている。
【0015】
しかしながら、場合によっては、eNB(eNodeB)が送信する(E)PDCCHの繰り返しよりも少ない繰り返しを使用して、ユーザ機器がその(E)PDCCHを正しく復号することがある。その場合、ユーザ機器は、(E)PDCCHの整数回の繰り返しの最後を正確に認識することができず、これに起因して、ユーザ機器は、スケジューリングされたPDSCHの繰り返しの開始サブフレームを誤って認識することがあり、そのPDSCHを正しく復号することができない。
【0016】
図2は、(E)PDCCHおよびスケジューリングされたPDSCHをeNBが送信し、ユーザ機器が受信する状況の一例を示している概略図である。
図1と同様に、
図2では、四角い枠それぞれが1つのサブフレームを表している。具体的には、時間軸に沿って、斜線が引かれた四角形は、(E)PDCCHを送信するサブフレームを表しており、点で埋められた四角形は、PDSCHを送信するサブフレームを表している。これらの四角形の間の空白の四角形は、(E)PDCCHとスケジューリングされたPDSCHとの間の間隔を表している。さらに、上段は、eNBによって送信されるサブフレームに対応し、下段は、ユーザ機器によって受信されるサブフレームに対応する。
【0017】
図2において、例えば、eNBは、上段に示したように、1つの(E)PDCCHの100回の繰り返しを100個のサブフレームにおいて送信しようとしており、ユーザ機器は、下段に示したように、75回のみの繰り返しを受信した時点でその(E)PDCCHを正しく復号することができる。この場合、ユーザ機器は、(E)PDCCHの75回の繰り返しを受信した後、(E)PDCCHとスケジューリングされたPDSCHとの間の既知の間隔が終了したときに、対応するPDSCHの受信を開始する。しかしながら、この時点ではPDSCHが実際にeNBから送信されていない。したがって、(E)PDCCHの繰り返しレベル(または繰り返し回数またはサブフレーム数)の誤った認識が発生し、したがって、ユーザ機器は、スケジューリングされたPDSCHを正しく検出することができない。
【0018】
MTC−(E)PDCCHの繰り返しレベルがこのように不明確であることは、解決するべき問題である。単純な解決策は、MTC−(E)PDCCHの繰り返しレベルをユーザ機器に直接通知することであり、したがってユーザ機器は、スケジューリングされたPDSCHが送信されるサブフレームを確認することができる。しかしながら、この単純な解決策では、追加のシグナリングが必要であり、さらにこのシグナリングは、PDSCHが受信される前に受信される必要がある。この場合、PDSCHを正しく復号するための前提条件は、このシグナリングを正しく受信することである。このような二段階のPDSCH送信方式は、(E)PDCCHの送信の堅牢性に影響を与えうる。したがって、追加のシグナリングなどを使用せずに繰り返しレベルをユーザ機器に暗黙的に示すことのできる方法が望ましい。
【0019】
MTC−(E)PDCCHの場合、送信する必要のあるデータ(情報ビットまたはトラフィックデータビット)は、物理リンクで送信する前に通常では少なくとも5つのプロセスによって処理する必要がある。
図3は、送信する必要のあるデータを処理するための5つのプロセスを示している概略ブロック図である。
図3では、送信する必要のあるデータの例として、MTC−(E)PDCCHのDCIを考えるが、これは説明を目的としているにすぎず、本開示はこれに限定されない。
【0020】
図3に示したように、5つのプロセスには、CRC(巡回冗長検査)の付加301、チャネル符号化302、レートマッチング303、変調304、およびリソース要素(RE)マッピング305を含めることができる。具体的には、最初に、CRC(巡回冗長検査)付加のプロセス301において、DCIのビットに対してCRC付加を実行し、すなわちDCIのビットにCRCパリティビットを付加する。次いで、チャネル符号化のプロセス302において、CRCパリティビットが付加されたDCIのビットに対して、特定の送信チャネルに基づくチャネル符号化を実行する。次いで、レートマッチングのプロセス303において、チャネル符号化の後に得られる情報ビットに対して、送信チャネルの特定の条件に合致させるため適切な符号化率を使用することによってレートマッチングを実行する。次いで、変調のプロセス304において、レートマッチングの後に得られる情報ビットをシンボルに変調する。最後に、リソース要素マッピングのプロセス305において、変調の後に得られたシンボルを、サブフレームの中のリソース要素にマッピングする。各プロセス301〜305の一般的な処理の詳細については、当業者に周知であり、したがって簡潔さのためこれ以上説明しない。
【0021】
送信する必要のあるデータは、上記の5つのプロセスによって最終的にサブフレームにマッピングされて送信される。上述したように、MTC−(E)PDCCHの場合のカバレッジを改善するためには、繰り返しが要求される。すなわち、5つのプロセス301〜305の後、(E)PDCCHの繰り返しを多数のサブフレームにおいて送信する必要がある。例えば、プロセス305の後、繰り返し処理を行ったシンボルを多数の(例えば50個の)集中的なサブフレームにマッピングする。
【0022】
本開示によると、追加のシグナリングなどを使用せずに繰り返しレベルを暗黙的に示すため、上記の5つのプロセス以外の1つまたは複数の別のプロセスをさらに追加することができる。このとき、上記の5つのプロセスおよび追加のプロセスのうちの少なくとも1つは、異なる繰り返しレベルにおいて処理が異なる。以下では、この方法の詳細について、各実施形態において説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図4は、本開示の第1の実施形態による、データを送信する方法40の流れ図である。
図4に示したように、本方法40は、2つのステップS401およびS402を含む。ステップS401においては、データを、CRC付加、チャネル符号化、レートマッチング、変調、およびリソース要素マッピング、という少なくとも5つのプロセスにおいて処理し、信号を生成する。次いで、ステップS402において、この信号を、繰り返しレベルiで多数のサブフレームにおいて送信する。繰り返しレベルiは、少なくとも2つの異なる繰り返しレベルを含む繰り返しレベルセットから選択され、繰り返しレベルiにおいて、データがRi個のサブフレームにおいて送信され、異なる繰り返しレベルにおいてRiの値が異なる。データを、上記の5つのプロセスによって、または上記の5つのプロセスおよび少なくとも1つの追加のプロセスによって処理し、異なる繰り返しレベルに従って送信される異なる信号を生成する。
【0024】
具体的には、ステップS401における、CRC付加、チャネル符号化、レートマッチング、変調、およびリソース要素マッピング、という5つのプロセスは、
図3に示した5つのプロセスと同様である。しかしながら、データを処理する従来の方法においては、プロセス301〜305は、異なる繰り返しレベルにおいて一般的に同じであり、これにより上述したように繰り返しレベルが誤って認識されることがある。本方法40においては、異なる繰り返しレベルにおいて、5つのプロセスのうちの少なくとも1つの処理が異なる、または、1つまたは複数の追加のプロセスが加えられ、異なる繰り返しレベルにおいて、5つのプロセスおよび追加のプロセスのうちの少なくとも1つの処理が異なる。これにより、追加のシグナリングなどを使用せずに繰り返しレベルを暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0025】
本方法40においては、データは、例えば
図3に示したようにMTC−(E)PDCCHのDCIとすることができ、ただし本開示はこれに限定されない。データは、DCIなどの制御情報ビット、またはトラフィックデータビットを含む。本方法40は、(E)PDCCHのみならず、PDSCH、PUSCH(物理アップリンク共有チャネル)などにも使用することができる。
【0026】
本方法40においては、iは、繰り返しレベル番号を表し、1以上の整数とすることができ、Riは、データを送信するサブフレームの数を表し、1以上の整数とすることができる。例えば、2つの繰り返しレベル(すなわち繰り返しレベル1および繰り返しレベル2)を使用することができ、繰り返しレベル1においては、データはR1(例えば50)個のサブフレームにおいて送信され、繰り返しレベル2においては、データはR2(例えば100)個のサブフレームにおいて送信される。
【0027】
本方法40では、データを、5つのプロセスによって、または5つのプロセスおよび少なくとも1つの追加のプロセスによって処理し、異なる繰り返しレベルに従って送信される異なる信号を生成し、これにより、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0028】
以降の実施形態においては、5つのプロセスおよび追加のプロセスのそれぞれの具体的な処理について詳しく説明する。なお、以降の実施形態においても、説明のみを目的として一例としてMTC−(E)PDCCHのDCIを考えるが、本開示はこれに限定されないことに留意されたい。本開示のすべての実施形態は、PDSCH、PUSCHなどにも使用することができる。
【0029】
(第2の実施形態)
この第2の実施形態においては、
図4に示した本方法40は、CRC付加のプロセスの後、チャネル符号化のプロセスの前に、ビット置換のプロセスをさらに含むことができる。ビット置換のプロセスにおいては、異なる繰り返しレベルにおいてビット置換パターンが異なる。
【0030】
図5は、本開示の第2の実施形態による、データを処理するためのプロセスを示している概略ブロック図である。
図3と比較したとき、
図5では、5つのプロセス301〜305は変更されていないが、CRC付加のプロセス301とチャネル符号化のプロセス302との間に、ビット置換のプロセス310が新たに追加されている。すなわち、プロセス301の後に得られる、DCIのビットおよびCRCパリティビットに対して、ビット置換のプロセスが追加的に実行される。このプロセス310において、異なる繰り返しレベルにおいて異なるビット置換パターンを使用することによって、受信機側では繰り返しレベルを区別することができる。
図6は、プロセス310の一般的な例を示している。
【0031】
図6は、本開示の第2の実施形態による、ビット置換のプロセス310の一例を示している概略図である。
図6において、斜線が引かれた四角形は情報ビット(DCIのビット)を表しており、点で埋められた四角形はCRCパリティビットを表している。
図6(a)は、DCIのビットに対してCRC付加のプロセス301が実行され、しかしながらビット置換のプロセス310がまだ実行されていない状態を示している。プロセス301においては、一般的に、情報ビットに基づいてCRCパリティビットが計算され、
図6(a)に示したように情報ビットの最後に付加される。
図3に示した、データを処理する従来の方法においては、CRCパリティビットの位置は、一般的には
図6(a)に示したとおりであり、異なる繰り返しレベルにおいて変更されないままであり、これに起因して、上述したように繰り返しレベルが誤って認識されることがある。
【0032】
この第2の実施形態においては、
図6(a)に示した、プロセス301の後に得られる情報ビットおよびCRCパリティビットに対して、ビット置換のプロセス310がさらに実行され、このプロセス310においては、
図6(a)に示した情報ビットおよびCRCパリティビットに対して、異なる繰り返しレベルにおいて異なるビット置換パターンを使用することによるビット置換が実行される。
図6(b)は、例えば3つの繰り返しレベル(すなわち繰り返しレベル1、繰り返しレベル2、繰り返しレベル3)が使用されるときの、ビット置換310の後の例示的な状態をさらに示している。
図6(b)に示したように、ビット置換310の後、CRCパリティビット全体の位置が、異なる繰り返しレベルにおいて異なる。次いで、ビット置換のプロセス310の後に得られるビット列に対して、プロセス302〜305がさらに実行され、最終的にサブフレームにマッピングされて送信される。
【0033】
なお、ビット置換310は、
図6(b)に示したような、CRCパリティビット全体のみの位置を調整する処理に限定されないことに留意されたい。そうではなく、情報ビットおよびCRCパリティビットのうちの任意のビットの位置を調整して、異なる繰り返しレベルにおいて異なるビット置換パターンを形成することができる。
【0034】
この第2の実施形態においては、ビット置換のプロセス310を追加することによって、復号処理の複雑度に何ら影響を与えることなく単純かつ容易な実施方法を通じて、異なる繰り返しレベルにおいて異なるビット置換パターンを使用することにより繰り返しレベルを区別することができ、これにより、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0035】
(第3の実施形態)
この第3の実施形態によると、
図4に示した本方法40において、レートマッチングのプロセスで、異なる繰り返しレベルにおいて符号化率が異なる。
【0036】
図7は、本開示の第3の実施形態による、データを処理するためのプロセスを示している概略ブロック図である。
図3と比較したとき、
図7では、4つのプロセス301,302,304,305は変更されていないが、レートマッチングのプロセス303が、レートマッチングのプロセス303’に置き換わっている。
図3に関連して上述したように、レートマッチングのプロセス303においては、一般的には異なる繰り返しレベルにおいて同じ符号化率が使用される。しかしながら、レートマッチングのプロセス303’においては、異なる繰り返しレベルにおいて符号化率が異なる。
【0037】
例えば、
図7に示したように、チャネル符号化のプロセス302の後にビット列b
1,b
2,...,b
mが得られ、レートマッチングのプロセス303’の後にビット列b
1,b
2,...,b
nが得られるものと想定する。すなわち、レートマッチングのプロセス303’の前後のビット数は、それぞれm個およびn個である。具体的には、一例として、2つの繰り返しレベル(すなわち繰り返しレベル1および繰り返しレベル2)が使用され、繰り返しレベル1においてはデータがR1個のサブフレームにおいて送信され、繰り返しレベル2においてはデータがR2個のサブフレームにおいて送信される場合を考える(R1>R2と想定する)。この場合、異なる繰り返しレベルを区別するため、レートマッチングのプロセス303’において、繰り返しレベル1においては符号化率C1を使用し、繰り返しレベル2においては符号化率C2を使用する(C1<C2)。したがって、繰り返しレベル1においては、レートマッチング303’の後のビット数はn1であり、繰り返しレベル2においては、レートマッチング303’の後のビット数はn2である(n1>n2)。次いで、繰り返しレベル1においては、n1個のビットをプロセス304およびプロセス305においてさらに処理し、最終的にM1個のサブフレームの中のリソース要素にマッピングし、それに対して、繰り返しレベル2においては、n2個のビットをプロセス304およびプロセス305においてさらに処理し、最終的にM2個のサブフレームの中のリソース要素にマッピングする(M1>M2)。
【0038】
さらに、M1≦R1かつM2≦R2である。具体的には、一例として繰り返しレベル1を考えると、プロセス305の後に得られるM1個のサブフレーム全体を多数回繰り返して、最終的にR1個のサブフレームを形成することができる。これに代えて、受信機側においてデータを正しく復号するのに、M1個のサブフレームをk1回繰り返せば十分であるときには(k1*M1≦R1)、M1個のサブフレームの一部分のみを繰り返して、k1*M1個のサブフレームの後に続く(R1−k1*M1)個のサブフレームにすることができる。繰り返しレベル2の場合も同様であり、簡潔さのためこれ以上説明しない。
【0039】
したがって、この第3の実施形態においては、レートマッチングのプロセス303’で、異なる繰り返しレベルにおいて異なる符号化率を使用することによって、レートマッチング303’の前の同じビット列が、異なる繰り返しレベルにおいて最終的に異なる数のサブフレームにマッピングされる。これにより、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0040】
(第4の実施形態)
この第4の実施形態においては、
図4に示した本方法40は、レートマッチングのプロセスの後、変調のプロセスの前に、繰り返しおよびビット置換の2つのプロセスをさらに含むことができる。繰り返しのプロセスにおいては、レートマッチングのプロセスの後に得られるm個のビットを繰り返してm*M個のビットとし(M≦Ri)、ビット置換のプロセスにおいては、異なる繰り返しレベルにおいてビット置換パターンが異なる。
【0041】
図8は、本開示のこの第4の実施形態による、データを処理するためのプロセスを示している概略ブロック図である。
図3と比較したとき、
図8では、5つのプロセス301〜305は変更されていないが、レートマッチングのプロセス303と変調のプロセス304との間に、繰り返し311およびビット置換312の2つのプロセスが新たに追加されている。具体的には、
図8に示したように、レートマッチングのプロセス303の後にビット列b
1,b
2,...,b
mが得られ、繰り返しのプロセス311において、これらm個のビットb
1,b
2,...,b
mを繰り返してm*M個のビットb
1,b
2,...,b
m*Mとするものと想定する。次いで、ビット置換のプロセス312において、これらm*M個のビットに対してビット置換の処理をさらに実行し、このビット置換のプロセス312は、第2の実施形態におけるビット置換のプロセス310に類似する。すなわち、ビット置換のプロセス312においては、異なる繰り返しレベルにおいて異なるビット置換パターンを使用する。次いで、ビット置換の後のこれらのm*M個のビットに対して、プロセス304およびプロセス305をさらに実行し、最終的にM個のサブフレームにマッピングする。
図9は、プロセス311およびプロセス312の一般的な例を示している。
【0042】
図9は、本開示の第4の実施形態による、繰り返しのプロセス311およびビット置換のプロセス312の一例を示している概略図である。
【0043】
説明の便宜上、M=3と想定する。この場合、繰り返しのプロセス311の後、ビット置換のプロセス312の前には、四角形の最初の列に示したように、3m個のビットb
1,b
2,...,b
3mが得られ、各四角形の中の数値はビットインデックスを表す。次いで、ビット置換のプロセス312において、これら3m個のビットに対して、異なる繰り返しレベルにおいて異なるビット置換パターンを使用することによってビット置換の処理を実行する。
図9における四角形の2番目の列および3番目の列は、例えば2つの繰り返しレベル(すなわち繰り返しレベル1および繰り返しレベル2)が使用されるときの、ビット置換312の後の例示的な状態を示している。
図9に示したように、ビット置換312の後、ビットインデックスの配置順序が、四角形の最初の列に示した配置順序から変わっており、さらに、四角形の2番目の列に示した繰り返しレベル1におけるビットインデックスの配置順序は、四角形の3番目の列に示した繰り返しレベル2におけるビットインデックスの配置順序と異なる。最後に、繰り返しレベル1および繰り返しレベル2の両方において、異なるビット置換パターンによるそれぞれの3m個のビットを、
図9に示したように3つのサブフレームにマッピングする。
【0044】
なお、第2の実施形態におけるビット置換のプロセス310と同様に、繰り返しのプロセス311の後に得られるビット列の任意のビットの位置を調整して、異なる繰り返しレベルにおいて異なるビット置換パターンを形成できることに留意されたい。
【0045】
さらに、第3の実施形態と同様に、M≦Riである。具体的には、プロセス305の後に得られるM個のサブフレーム全体を多数回繰り返して最終的にRi個のサブフレームを形成することができる。これに代えて、受信機側においてデータを正しく復号するのに、M個のサブフレームをk回繰り返せば十分であるときには(k*M≦Ri)、M個のサブフレームの一部分のみを繰り返して、k*M個のサブフレームの後に続く(Ri−k*M)個のサブフレームにすることができる。
【0046】
これに代えて、本開示によると、繰り返しのプロセス311において、Mの値を、異なる繰り返しレベルにおいて異なる値とすることができる。
【0047】
図9は、繰り返し311において、繰り返しレベル1および繰り返しレベル2の両方においてm個のビットを繰り返してm*M個のビットにする場合を示しているのみであるが、本開示はこれに限定されない。そうではなく、Mの値を、異なる繰り返しレベルにおいて異なる値とすることができる。例えば、繰り返しレベル1においてはm個のビットを繰り返してm*M1個のビットにすることができ、繰り返しレベル2においてはm個のビットを繰り返してm*M2個のビットにすることができる(M1≠M2)。したがって、繰り返しレベル1においては、m*M1個のビットが最終的にM1個のサブフレームにマッピングされ、繰り返しレベル2においては、m*M2個のビットが最終的にM2個のサブフレームにマッピングされる。
図10は、異なる繰り返しレベルにおいてMの値が異なるときの、プロセス311およびプロセス312の一例を示している。
【0048】
図10は、本開示の第4の実施形態による、繰り返しのプロセス311およびビット置換のプロセス312の別の例を示している概略図である。
図10においては、例えばM1=3、M2=4と想定する。すなわち、繰り返しのプロセス311で、繰り返しレベル1においてはm個のビットを繰り返して3m個のビットにし、繰り返しレベル2においてはm個のビットを繰り返して4m個のビットにする。次いで、ビット置換のプロセス312において、繰り返しレベル1における3m個のビットと、繰り返しレベル2における4m個のビットに対して、それぞれ異なるビット置換パターンを使用してビット置換を実行する。最後に、
図10に示したように、繰り返しレベル1においては、3つの部分P1〜P3によって示したビット置換の後の3m個のビットを、3つのサブフレームにマッピングし、繰り返しレベル2においては、4つの部分Q1〜Q4によって示したビット置換の後の4m個のビットを、4つのサブフレームにマッピングする。異なる繰り返しレベルにおいてMの値が異なる場合のビット置換の処理は、
図9に示したように異なる繰り返しレベルにおいてMの値が変更されない場合のビット置換の処理と同様であるため、
図10にはビット置換の詳細を示していない。
【0049】
この第4の実施形態においては、繰り返しのプロセス311およびビット置換のプロセス312を追加することによって、レートマッチングの後に得られるビットを繰り返し、繰り返されたビットを、異なる繰り返しレベルにおいて異なるビット置換パターンを使用して置換することにより、繰り返しレベルを区別することができ、これにより、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0050】
(第5の実施形態)
この第5の実施形態においては、
図4に示した本方法40は、変調のプロセスの後、リソース要素マッピングのプロセスの前に、シンボル置換のプロセスをさらに含むことができる。シンボル置換のプロセスにおいては、異なる繰り返しレベルにおいてシンボル置換パターンが異なり、シンボル置換のプロセスの後のシンボルを1つのサブフレームにマッピングする。
【0051】
図11は、本開示の第5の実施形態による、データを処理するためのプロセスを示している概略ブロック図である。
図3と比較したとき、
図11では、5つのプロセス301〜305は変更されていないが、変調のプロセス304とリソース要素マッピングのプロセス305との間に、シンボル置換のプロセス313が新たに追加されている。具体的には、
図11に示したように、プロセス304の後に得られるn個のシンボルs
1,s
2,...s
nを、シンボル置換のプロセス313において置換して、n個のシンボルs’
1,s’
2,...s’
nにする。次いで、
図11に示したようにリソース要素マッピングのプロセス305において、n個のシンボルs’
1,s’
2,...s’
nを1つのサブフレームの中のリソース要素にマッピングする。さらに、シンボル置換のプロセス313においては、1つのサブフレームに対応するこれらn個のシンボルs
1,s
2,...s
nに対して、異なる繰り返しレベルにおいて異なるシンボル置換パターンを使用してシンボル置換を実行し、したがって受信機側において繰り返しレベルを区別することができる。
【0052】
処理する対象は異なるが、シンボル置換の原理とビット置換の原理は同じである。したがって簡潔さのため、ここではシンボル置換313の具体的な例を示さない。
【0053】
この第5の実施形態においては、シンボル置換のプロセス313を追加することによって、復号処理の複雑度に何ら影響を与えることなく単純かつ容易な実施方法を通じて、異なる繰り返しレベルにおいて異なるシンボル置換パターンを使用することにより繰り返しレベルを区別することができ、これにより繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0054】
(第6の実施形態)
この第6の実施形態においては、
図4に示した本方法40は、変調のプロセスの後、シンボル置換のプロセスの前に、繰り返しのプロセスをさらに含むことができる。繰り返しのプロセスにおいては、変調のプロセスの後に得られるn個のシンボルを繰り返してn*N個のシンボルにし(N≦Ri)、これらn*N個のシンボルをN個のサブフレームにマッピングする。
【0055】
図12は、本開示の第6の実施形態による、データを処理するためのプロセスを示している概略ブロック図である。
図11と比較したとき、
図12では、5つのプロセス301〜305およびシンボル置換のプロセス313は変更されていないが、変調のプロセス304とシンボル置換のプロセス313との間に、繰り返しのプロセス314が新たに追加されている。具体的には、
図12に示したように、変調のプロセス304の後に得られるn個のシンボルs
1,s
2,...s
nを繰り返してn*N個のシンボルs
1,s
2,...s
n*Nにする。次いで、シンボル置換のプロセス313において、これらn*N個のシンボルs
1,s
2,...s
n*Nに対して、異なる繰り返しレベルにおいて異なるシンボル置換パターンを使用することによってシンボル置換を実行する。最後に、シンボル置換の後のn*N個のシンボルを、
図12に示したようにリソース要素マッピングのプロセス305によってN個のサブフレームにマッピングする。
【0056】
図11では、最終的に1つのサブフレームにマッピングされるn個のシンボルに対してシンボル置換を実行する。
図12では、最終的にN個のサブフレームにマッピングされるn*N個のシンボルに対してシンボル置換を実行する。このように、シンボル置換は、最終的に1つのサブフレームにマッピングされるシンボル内で行う、または、最終的に2つ以上のサブフレームにマッピングされるシンボル内で行うことができる。
【0057】
さらには、第4の実施形態と同様に、
図12の場合、N≦Riである。具体的には、プロセス305の後に得られるN個のサブフレーム全体を多数回繰り返して、最終的にRi個のサブフレームを形成することができる。これに代えて、受信機側においてデータを正しく復号するのにN個のサブフレームをk回繰り返せば十分であるときには(k*N≦Ri)、N個のサブフレームの一部分のみを繰り返して、k*N個のサブフレームの後に続く(Ri−k*N)個のサブフレームにすることができる。
【0058】
これに代えて、本開示によると、繰り返しのプロセス314において、Nの値を、異なる繰り返しレベルにおいて異なる値とすることができる。
【0059】
処理する対象は異なるが、繰り返し314の原理と繰り返し311の原理は同じである。したがって、繰り返しのプロセス314においては、繰り返し311と同様に、Nの値を、異なる繰り返しレベルにおいて異なる値とすることができる。例えば、繰り返しレベル1においては、n個のシンボルを繰り返してn*N1個のシンボルにすることができ、繰り返しレベル2においては、n個のシンボルを繰り返してn*N2個のシンボルにすることができる(N1≠N2)。したがって、繰り返しレベル1においては、n*N1個のシンボルが最終的にN1個のサブフレームにマッピングされ、繰り返しレベル2においては、n*N2個のシンボルが最終的にN2個のサブフレームにマッピングされる。繰り返し314の原理は繰り返し311の原理と同様であるため、簡潔さのため、ここでは繰り返し314の具体的な例を示さない。
【0060】
この第6の実施形態においては、繰り返しのプロセス314およびシンボル置換のプロセス313を追加することによって、変調の後に得られるシンボルを繰り返して、繰り返されたシンボルを、異なる繰り返しレベルにおいて異なるシンボル置換パターンを使用して置換することにより、繰り返しレベルを区別することができ、これにより、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0061】
(第7の実施形態)
この第7の実施形態においては、
図4に示した本方法40は、変調のプロセスの後、リソース要素マッピングのプロセスの前に、繰り返しのプロセスをさらに含むことができる。繰り返しのプロセスにおいては、変調のプロセスの後に得られるn個のシンボルを繰り返してn*N個のシンボルにし(N≦Riであり、Nの値は異なる繰り返しレベルにおいて異なる)、リソース要素マッピングのプロセスにおいて、これらn*N個のシンボルを、最初に時間領域の昇順に、次に周波数領域の昇順に、N個のサブフレームにマッピングする。
【0062】
図13は、本開示の第7の実施形態による、データを処理するためのプロセスを示している概略ブロック図である。
図12と比較したとき、
図13では、4つのプロセス301〜304および繰り返しのプロセス314は変更されていないが、シンボル置換のプロセス313が削除されており、リソース要素マッピングのプロセス305がリソース要素マッピングのプロセス305’に置き換わっている。具体的には、第6の実施形態において説明したように、繰り返しのプロセス314においては、変調のプロセス304の後に得られるn個のシンボルを繰り返してn*N個のシンボルにし、Nの値は異なる繰り返しレベルにおいて異なる。例えば、繰り返しレベル1においては、n個のシンボルを繰り返してn*N1個のシンボルにし、繰り返しレベル2においては、n個のシンボルを繰り返してn*N2個のシンボルにすることができる(N1≠N2)。次いで、
図13に示したように、繰り返し314の後に得られるこれらn*N個のシンボルを置換せずに、リソース要素マッピングのプロセス305’によって、N個のサブフレームの中のリソース要素に直接マッピングする。
【0063】
リソース要素マッピングのプロセス305’においては、
図3に示したリソース要素マッピングのプロセス305とは異なり、n*N個のシンボルを、最初に時間領域の昇順に、次に周波数領域の昇順に、N個のサブフレームにマッピングする。
図14は、リソース要素マッピングのプロセス305’の一例を示している。
【0064】
図14は、本開示の第7の実施形態による、リソース要素マッピングのプロセス305’の一例を示している概略図である。説明の便宜上、
図14は、例えばN=2の場合を示している。すなわち、繰り返しのプロセス314の後の繰り返されたシンボルを、リソース要素マッピングのプロセス305’において、2つのサブフレームの中のリソース要素にマッピングする。
図14には、2つの隣り合うサブフレーム(すなわちサブフレーム#wおよびサブフレーム#w+1)を例示的に示してある。横軸は時間軸を表し、縦軸は周波数軸を表す。点で埋められた四角形は、繰り返されたシンボルがマッピングされているリソース要素を表しており、各数値はシンボルのインデックスを表している。
図14から理解できるように、繰り返されたシンボルのマッピング順序は、繰り返されたシンボルを、最初に時間軸に沿って、次に周波数領域に沿って(すなわち最初に時間領域の昇順に、次に周波数領域の昇順に)、全体として2つのサブフレームの中のリソース要素に連続的にマッピングする。したがって、受信機側によって2つのサブフレームのうちの一方のみしか復号されないときには、データを正しく完全に復号することができない。受信機側において2つのサブフレームの両方が復号される場合にのみ、データを正しく完全に復号することができる。2つの繰り返しレベルの場合、繰り返しレベル1においては、N1個のサブフレームを一緒に復号する必要があり、繰り返しレベル2においては、N2個のサブフレームを一緒に復号する必要がある。これにより、受信機側において繰り返しレベルを区別することができる。
【0065】
さらに、
図13の場合、第4の実施形態および第6の実施形態と同様に、N≦Riである。具体的には、プロセス305’の後に得られるN個のサブフレーム全体を多数回繰り返して、最終的にRi個のサブフレームを形成することができる。これに代えて、受信機側においてデータを正しく復号するのに、N個のサブフレームをk回繰り返せば十分であるときには(k*N≦Ri)、N個のサブフレームの一部分のみを繰り返して、k*N個のサブフレームの後に続く(Ri−k*N)個のサブフレームにすることができる。
【0066】
この第7の実施形態においては、繰り返しのプロセス314を追加し、繰り返されたシンボルを、リソース要素マッピングのプロセス305’において、最初に時間領域の昇順に、次に周波数領域の昇順に、サブフレームにマッピングすることによって、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0067】
(第8の実施形態)
この第8の実施形態によると、
図4に示した本方法40において、変調のプロセスの後に得られるシンボルを、リソース要素マッピングのプロセスで、異なる繰り返しレベルにおいて1つのサブフレームの中の異なるリソース要素にマッピングする。
【0068】
図15は、本開示の第8の実施形態による、データを処理するためのプロセスを示している概略ブロック図である。
図3と比較したとき、
図15では、4つのプロセス301〜304は変更されていないが、リソース要素マッピングのプロセス305が、リソース要素マッピングのプロセス305’’に置き換わっている。
図3に関連して上述したように、リソース要素マッピングのプロセス305においては、異なる繰り返しレベルにおいて、一般的にリソース要素マッピングの同じ方法が採用され、すなわち、通常ではシンボルを1つのサブフレームの中の同じリソース要素にマッピングする。しかしながら、リソース要素マッピングのプロセス305’’においては、変調のプロセスの後に得られるシンボルを、異なる繰り返しレベルにおいて1つのサブフレームの中の異なるリソース要素にマッピングする。
【0069】
具体的には、各サブフレームにおいて、(E)PDCCHの1つの繰り返しを送信する。例えば、1つのサブフレームの中にL個の(E)CCE((拡張)制御チャネル要素)サブセットが存在するものと想定する(Lは1以上の整数)。L個のサブセットそれぞれにおいて、(E)PDCCHの1つの繰り返しを送信することができる。一例として2つの繰り返しレベルの場合を考えると、繰り返しレベル1においては、(E)PDCCHを1つのサブフレームの中の(E)CCEサブセット#l1にマッピングし、繰り返しレベル2においては、(E)PDCCHを1つのサブフレームの中の(E)CCEサブセット#l2にマッピングする(#l1および#l2は、L個の(E)CCEサブセットのうちの2つの異なる(E)CCEサブセットのサブセットインデックスを表す)。
【0070】
したがって、この第8の実施形態においては、変調のプロセスの後に得られるシンボルを、リソース要素マッピングのプロセス305’’で、異なる繰り返しレベルにおいて1つのサブフレームの中の異なるリソース要素にマッピングすることによって、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0071】
(第9の実施形態)
この第9の実施形態によると、
図4に示した本方法40において、CRC付加のプロセスで、異なる繰り返しレベルにおいてCRCビット付加の処理が異なる。
【0072】
図16は、本開示の第9の実施形態による、データを処理するためのプロセスを示している概略ブロック図である。
図3と比較したとき、
図16では、4つのプロセス302〜305は変更されていないが、CRC付加のプロセス301が、CRC付加のプロセス301’に置き換わっている。
図3に関連して上述したように、CRC付加のプロセス301では、異なる繰り返しレベルにおいて、CRCビット付加の処理は通常では同じであり、すなわち、CRCパリティビットのビット列および位置は同じである。しかしながら、CRC付加のプロセス301’では、異なる繰り返しレベルにおいてCRCビット付加の処理が異なる。
図17は、CRC付加のプロセス301’の一例を示している。
【0073】
図17は、本開示の第9の実施形態による、CRC付加のプロセス301’の一例を示している概略図である。
図17において、斜線が引かれた四角形は情報ビット(DCIのビット)を表しており、点で埋められた四角形はCRCパリティビットを表している。比較を容易にするため、
図17(a)は、CRC付加のプロセス301の場合を示している。
図17(a)に示したように、プロセス301では、一般的に、異なる繰り返しレベルが使用されているかにかかわらず、CRCパリティビットが情報ビットに基づいて計算されて情報ビットの最後に付加され、このため上述したように繰り返しレベルが誤って認識されることがある。
図17(b)は、例えば3つの繰り返しレベル(すなわち繰り返しレベル1、繰り返しレベル2、繰り返しレベル3)が使用されるときの、CRC付加301’の例示的な場合をさらに示している。
図17(b)に示したように、繰り返しレベルを区別できるように、異なる繰り返しレベルにおいてCRCパリティビット全体の位置が異なる。
【0074】
図6および
図17から理解できるように、
図17(b)に示したCRC付加のプロセス301’の結果は、
図6(b)に示したCRC付加のプロセス301およびビット置換のプロセス310の結果と同じである。すなわち、CRC付加のプロセス301’において、異なる繰り返しレベルに応じてCRCパリティビット全体の位置を調整することによって、または、CRC付加のプロセス301においてCRCパリティビットを通常どおりにDCIのビットの最後に付加した後、DCIのビットおよびCRCパリティビットを、異なる繰り返しレベルにおいて異なるビット置換パターンを使用して置換することによって、繰り返しレベルが区別されるという同じ効果を達成することができる。
【0075】
図17(b)は、CRC付加のプロセス301’においてCRCビットを付加する1つの方法を示しているにすぎず、本開示はこの方法に限定されない。CRCパリティビットの位置以外に、CRCパリティビットのビット列を、異なる繰り返しレベルにおいて異なるようにすることができる。例えば、繰り返しレベル1においては、CRCパリティビットを11011011とし、繰り返しレベル2においては、CRCパリティビットを11000100とすることができる。
【0076】
したがって、この第9の実施形態においては、CRC付加のプロセスで、CRCビットを付加する処理が異なる繰り返しレベルにおいて異なるため、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0077】
(第10の実施形態)
上記に代えて、本開示によると、
図4に示した本方法40において、チャネル符号化のプロセスで、チャネル符号化の処理を異なる繰り返しレベルにおいて異なるようにすることができる。図には示していないが、
図3におけるチャネル符号化のプロセス302を、チャネル符号化のプロセス302’に置き換えることもでき、チャネル符号化のプロセス302’においては、チャネル符号化の処理が異なる繰り返しレベルにおいて異なり、これにより、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0078】
上記に代えて、本開示によると、
図4に示した本方法40において、変調のプロセスで、異なる繰り返しレベルにおいて異なる変調方式を使用することができる。図には示していないが、
図3における変調のプロセス304を、変調のプロセス304’に置き換えることもでき、変調のプロセス304’においては、異なる繰り返しレベルにおいて異なる変調方式を使用し、これにより、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0079】
さらには、ここまでの実施形態では、CRC付加、チャネル符号化、レートマッチング、変調、およびリソース要素マッピングという5つのプロセス、ならびに少なくとも1つの追加のプロセス、のうちの1つのプロセスにおいて、異なる繰り返しレベルにおいてデータの処理を異なるようにすることにより、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避できることを示した。しかしながら、本開示はこれに限定されず、ここまでの実施形態の任意の組合せ(すなわち上記のプロセスの上記の処理の任意の組合せ)によって、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すこともでき、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0080】
(第11の実施形態)
図18は、本開示の第11の実施形態による、データを送信する装置1800を示しているブロック図である。
図18に示したように、データを送信する装置1800は、データを、CRC付加、チャネル符号化、レートマッチング、変調、およびリソース要素マッピング、という少なくとも5つのプロセスにおいて処理して信号を生成するように構成されている処理ユニット1801と、信号を、繰り返しレベルiで多数のサブフレームにおいて送信するように構成されている送信ユニット1803と、を含む。繰り返しレベルiは、少なくとも2つの異なる繰り返しレベルを含む繰り返しレベルセットから選択され、繰り返しレベルiにおいて、データがRi個のサブフレームにおいて送信され、異なる繰り返しレベルにおいてRiの値が異なる。データは、5つのプロセスによって、または5つのプロセスおよび少なくとも1つの追加のプロセスによって処理され、異なる繰り返しレベルにおいて送信される異なる信号が生成される。
【0081】
この第11の実施形態による、データを送信する装置1800は、装置1800の中でさまざまなデータを処理し各ユニットの動作を制御するための関連するプログラムを実行するCPU(中央処理装置)1810と、CPU1810によってさまざまなプロセスおよび制御を実行するために必要なさまざまなプログラムを格納するROM(読み出し専用メモリ)1830と、CPU1810によるプロセスおよび制御の手順において一時的に作成される中間データを格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)1850と、さまざまなプログラムやデータなどを格納する記憶装置1870、のうちの1つまたは複数をさらに含むことができる。上記の処理ユニット1801、送信ユニット1803、CPU1810、ROM1830、RAM1850、記憶装置1870などは、データ/命令バス1890を介して相互に接続し、互いの間で信号を伝送することができる。
【0082】
上述した各ユニットは、本開示の範囲を限定するものではない。本開示の一実施形態によると、上記の処理ユニット1801もしくは送信ユニット1803またはその両方の機能を、上記のCPU1810、ROM1830、RAM1850、および/または記憶装置1870などと組み合わせて、機能ソフトウェアによって実施することもできる。
【0083】
この第11の実施形態によると、装置1800において、処理ユニット1801は、CRC付加のプロセスの後、チャネル符号化のプロセスの前に、ビット置換のプロセスをさらに含むことができる。ビット置換のプロセスにおいては、異なる繰り返しレベルにおいてビット置換パターンが異なる。
【0084】
この第11の実施形態によると、装置1800において、レートマッチングのプロセスで、異なる繰り返しレベルにおいて符号化率が異なるようにすることができる。
【0085】
この第11の実施形態によると、装置1800において、処理ユニット1801は、レートマッチングのプロセスの後、変調のプロセスの前に、繰り返しおよびビット置換の2つのプロセスをさらに含むことができる。繰り返しのプロセスにおいては、レートマッチングのプロセスの後に得られるm個のビットを繰り返してm*M個のビットにする(M≦Ri)。ビット置換のプロセスにおいては、異なる繰り返しレベルにおいてビット置換パターンが異なる。
【0086】
この第11の実施形態によると、装置1800において、処理ユニット1801は、変調のプロセスの後、リソース要素マッピングのプロセスの前に、シンボル置換のプロセスをさらに含むことができる。シンボル置換のプロセスにおいては、異なる繰り返しレベルにおいてシンボル置換パターンが異なる。
【0087】
この第11の実施形態によると、装置1800において、処理ユニット1801は、変調のプロセスの後、シンボル置換のプロセスの前に、繰り返しのプロセスをさらに含むことができる。繰り返しのプロセスにおいては、変調のプロセスの後に得られるn個のシンボルを繰り返してn*N個のシンボルにする(N≦Ri)。
【0088】
この第11の実施形態によると、装置1800において、処理ユニット1801は、変調のプロセスの後、リソース要素マッピングのプロセスの前に、繰り返しのプロセスをさらに含むことができる。繰り返しのプロセスにおいては、変調のプロセスの後に得られるn個のシンボルを繰り返してn*N個のシンボルにし(N≦Ri)、異なる繰り返しレベルにおいてNの値が異なる。さらに、リソース要素マッピングのプロセスにおいて、n*N個のシンボルを、最初に時間領域の昇順に、次に周波数領域の昇順に、N個のサブフレームにマッピングする。
【0089】
この第11の実施形態によると、装置1800において、リソース要素マッピングのプロセスで、変調のプロセスの後に得られるシンボルを、異なる繰り返しレベルにおいて1つのサブフレームの中の異なるリソース要素にマッピングすることができる。
【0090】
さらに、データを送信する装置1800において、データは、DCIなどの制御情報ビット、またはトラフィックデータビットを含む。データを送信する装置1800は、(E)PDCCH、PDSCH、PUSCHなどに使用することができる。したがって、装置1800は、ユーザ機器側およびeNB側の両方に実施することができる。さらに、データを送信する装置1800は、上記の第1〜第10の実施形態のいずれかにおいて説明した本方法40、またはそれらの任意の組合せを実施することができる。
【0091】
データを送信する装置1800では、データは、5つのプロセスによって、または5つのプロセスおよび少なくとも1つの追加のプロセスによって処理され、異なる繰り返しレベルに従って送信される異なる信号が生成され、これにより、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0092】
(第12の実施形態)
図19は、本開示の第12の実施形態による、データを受信する方法190の流れ図である。
図19に示したように、本方法190は、ステップS1901を含む。ステップS1901においては、繰り返しレベルiで多数のサブフレームにおいて送信される信号を受信し、受信された信号に基づいて繰り返しレベルiを取得する。データは、CRC付加、チャネル符号化、レートマッチング、変調、およびリソース要素マッピング、という少なくとも5つのプロセスにおいて処理されて信号が生成される。繰り返しレベルiは、少なくとも2つの異なる繰り返しレベルを含む繰り返しレベルセットから選択され、繰り返しレベルiにおいて、データがRi個のサブフレームにおいて送信され、異なる繰り返しレベルにおいてRiの値が異なる。データは、5つのプロセスによって、または5つのプロセスおよび少なくとも1つの追加のプロセスによって処理され、異なる繰り返しレベルに従って送信される異なる信号が生成される。
【0093】
さらに、この第12の実施形態による方法190は、上記の第1〜第10の実施形態のいずれかにおいて説明した本方法40によって、またはそれらの任意の組合せによって送信されるデータを受信する目的に使用することができる。
【0094】
データを受信する方法190では、データが、5つのプロセスによって、または5つのプロセスおよび少なくとも1つの追加のプロセスによって処理され、異なる繰り返しレベルに従って送信される異なる信号が生成され、これにより、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0095】
(第13の実施形態)
図20は、本開示の第13の実施形態による、データを受信する装置2000を示しているブロック図である。
図20に示したように、本装置2000は、繰り返しレベルiで多数のサブフレームにおいて送信される信号を受信し、受信された信号に基づいて繰り返しレベルiを取得するように構成されている受信ユニット2001、を含む。データは、CRC付加、チャネル符号化、レートマッチング、変調、およびリソース要素マッピング、という少なくとも5つのプロセスにおいて処理されて信号が生成される。繰り返しレベルiは、少なくとも2つの異なる繰り返しレベルを含む繰り返しレベルセットから選択され、繰り返しレベルiにおいて、データがRi個のサブフレームにおいて送信され、異なる繰り返しレベルにおいてRiの値が異なる。データは、5つのプロセスによって、または5つのプロセスおよび少なくとも1つの追加のプロセスによって処理され、異なる繰り返しレベルに従って送信される異なる信号が生成される。
【0096】
この第13の実施形態による、データを受信する装置2000は、装置2000の中でさまざまなデータを処理し各ユニットの動作を制御するための関連するプログラムを実行するCPU(中央処理装置)2010と、CPU 2010によってさまざまなプロセスおよび制御を実行するために必要なさまざまなプログラムを格納するROM(読み出し専用メモリ)2013と、CPU 2010によるプロセスおよび制御の手順において一時的に作成される中間データを格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)2015と、さまざまなプログラムやデータなどを格納する記憶装置2017、のうちの1つまたは複数をさらに含むことができる。上記の受信ユニット2001、CPU 2010、ROM 2013、RAM 2015、記憶装置2017などは、データ/命令バス2020を介して相互に接続し、互いの間で信号を伝送することができる。
【0097】
上述した各ユニットは、本開示の範囲を限定するものではない。本開示の一実施形態によると、上記の受信ユニット2001の機能を、上記のCPU 2010、ROM 2013、RAM 2015、および/または記憶装置2017などと組み合わせて、機能ソフトウェアによって実施することもできる。
【0098】
さらに、データを受信する装置2000において、データは、DCIなどの制御情報ビット、またはトラフィックデータビットを含む。データを受信する装置2000は、(E)PDCCH、PDSCH、PUSCHなどに使用することができる。したがって、装置2000は、ユーザ機器側およびeNB側の両方に実施することができる。さらに、データを受信する装置2000は、上記の第12の実施形態において説明した方法190を実施することができる。すなわち、データを受信する装置2000は、上記の第1〜第10の実施形態のいずれかにおいて説明した本方法40によって、またはそれらの任意の組合せによって送信されるデータを受信する目的に使用することができる。
【0099】
データを受信する本装置2000では、データは、5つのプロセスによって、または5つのプロセスおよび少なくとも1つの追加のプロセスによって処理され、異なる繰り返しレベルに従って送信される異なる信号が生成され、これにより、繰り返しレベルを追加のシグナリングなどを使用せずに暗黙的に示すことができ、したがって繰り返しレベルが誤って認識されることを回避することができる。
【0100】
ここまでの詳細な説明においては、本装置またはプロセスのさまざまな実施形態について、ブロック図や流れ図、例を使用することによって記載してきた。このようなブロック図、流れ図、例に、1つまたは複数の機能や動作が含まれる場合、そのようなブロック図、流れ図、または例の中の各機能や各動作は、幅広いハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの実質的に任意の組合せによって、個別に実施する、またはまとめて実施できることが、当業者には理解されるであろう。一実施形態においては、本明細書に記載されている主題のいくつかの部分を、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または他の集積形態によって実施することができる。しかしながら、本明細書に開示されている実施形態のいくつかの態様は、その全体または一部分を、1台または複数台のコンピュータ上で実行される1つまたは複数のコンピュータプログラムとして(例えば、1つまたは複数のコンピュータシステム上で実行される1つまたは複数のプログラムとして)、または、1つまたは複数のプロセッサ上で実行される1つまたは複数のプログラムとして(例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で実行される1つまたは複数のプログラムとして)、またはファームウェアとして、またはこれらの実質的に任意の組合せとして、それぞれ同等に集積回路に実施することができることが当業者には認識されるであろう。さらには、本開示の観点において、回路を設計すること、もしくは、ソフトウェアやファームウェアのコードを書くこと、またはその両方は、当業者の技能の範囲内であることが、当業者には認識されるであろう。さらには、本明細書に記載されている主題のメカニズムを、さまざまな形態のプログラム製品として配布・配信することができ、本明細書に記載されている主題の実例としての実施形態は、そのような配布・配信を実際に行うために使用される信号伝達媒体のタイプには関係なく適用されることが、当業者には理解されるであろう。信号伝達媒体の例としては、記録可能型媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなど)と、伝送型媒体(例えば、デジタル通信媒体やアナログ通信媒体(例:光ファイバケーブル、導波路、有線通信リンク、無線通信リンクなど))が挙げられ、ただしこれらに限定されない。
【0101】
本明細書における実質的にすべての複数形の用語および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈や用途に応じて、複数形を単数形に、または単数形を複数形として解釈することができるであろう。本明細書においては、説明を明確にする目的で、さまざまな単数形/複数形の置き換えを明示的に記載している。
【0102】
本明細書では、さまざまな態様および実施形態を開示してきたが、当業者には別の態様および実施形態が明らかであろう。本明細書に開示されているさまざまな態様および実施形態は、説明を目的としており、本開示を制限することを意図するものではなく、本開示の実際の範囲および概念は、特許請求の範囲に示される。