(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6408086
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
B66B 31/00 20060101AFI20181004BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
B66B31/00 B
H04R3/00 310
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-140697(P2017-140697)
(22)【出願日】2017年7月20日
【審査請求日】2017年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】鹿田 憲吾
(72)【発明者】
【氏名】曽我 宗則
【審査官】
八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−137745(JP,A)
【文献】
特開平10−335960(JP,A)
【文献】
実開昭55−087021(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 25/00−31/02
H04R 3/00− 3/14
H03G 1/00− 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客コンベアの情報に関する音声信号を出力する音声合成装置と、
前記音声合成装置からの前記音声信号の音量を調整する音量調整装置と、
前記音量調整装置からの前記音声信号を出力するスピーカと、
前記乗客コンベアの周囲の音を収集するマイクと、
差動増幅器と、
制御部と、
音声と同じ周波数領域を透過する第1バンドパスフィルタと第2バンドパスフィルタと、
前記第1バンドパスフィルタで処理した音信号を所定の利得で増幅し、前記差動増幅器に出力する増幅器とを有する、放送装置を備える乗客コンベアであって、
前記差動増幅器の正極入力端子には、前記第1バンドパスフィルタと前記増幅器により処理された前記マイクが収集した音信号が入力され、
前記差動増幅器の負極入力端子には、前記第2バンドパスフィルタにより処理された前記音量調整装置からの前記音声信号が入力され、
前記差動増幅器は、前記正極入力端子に入力された前記音信号から、前記負極入力端子に入力された前記音声信号を打ち消し、前記乗客コンベアの周囲の騒音のみを抽出した騒音信号を出力し、
前記制御部は、前記差動増幅器からの前記騒音信号が大きくなるほど、前記スピーカから出力される前記音声信号の音量を大きくするように前記音量調整装置を制御し、
前記利得は、前記スピーカからの前記音声信号が出力されていない状況の前記音信号が、予め定めた最低音信号値より小さい場合に、前記スピーカから前記音声信号を出力し、前記差動増幅器からの前記騒音信号が0になるように調整されている、乗客コンベア。
【請求項2】
前記音量調整装置は、前記音声信号の音量を標準音量段階から最大音量段階まで順番に前記音量が大きくなるように音量段階を調整でき、
前記制御部は、前記差動増幅器からの前記騒音信号が大きくなるほど、前記音量段階が大きくなるように算出して、前記音量調整装置に出力する、請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記差動増幅器からの前記騒音信号が標準騒音信号値より小さい場合に、前記制御部は、前記音量が前記標準音量段階になるように前記音量調整装置を制御する、請求項2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記差動増幅器からの前記騒音信号が最大騒音信号値を超えた場合に、前記制御部は、前記音量が前記標準音量段階の所定倍の最大音量段階になるように前記音量調整装置を制御する、請求項2又は3に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記第1バンドパスフィルタ及び前記第2バンドパスフィルタが、周波数が300〜8000Hzの信号を透過するものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記スピーカと前記マイクは、上階の乗降口付近と下階の乗降口付近にそれぞれ設けられ、
上階側の前記スピーカから出力される前記音声信号の音量は、上階側のマイクが収集した前記騒音信号に基づき制御され、
下階側の前記スピーカから出力される前記音声信号の音量は、下階側のマイクが収集した前記騒音信号に基づき制御される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の乗客コンベア。
【請求項7】
前記乗客コンベアは、エスカレータ、又は、動く歩道である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗客コンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアは、乗客に対して注意喚起を行う目的や、運転方向又は行き先を案内する目的で、乗客コンベアの情報に関する放送を行う放送装置が取り付けられている。この放送装置から音声により放送されるアナウンスの音量は、乗客コンベアの設置環境や利用状況に合わせて設定されており、保守員などが適切な音量に設定し放送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−246131号公報
【特許文献2】特開2013−112499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、時間帯や日々の利用状況が異なるショッピングセンターや展示会場などでは、周囲の騒音レベルが小さい状況下において大きな音量で放送をすると騒音問題になり、逆に、騒音レベルが大きい状況下において小さな音量で放送をすると乗客は放送が聞き取りにくくなるという問題が生じることがあった。
【0005】
そこで本発明の実施形態は、上記問題点に鑑み、周囲の騒音レベルに応じて、乗客が聞き取りやすい最適な音量で放送をすることができる、乗客コンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、乗客コンベアの情報に関する音声信号を出力する音声合成装置と、前記音声合成装置からの前記音声信号の音量を調整する音量調整装置と、前記音量調整装置からの前記音声信号を出力するスピーカと、前記乗客コンベアの周囲の音を収集するマイクと、差動増幅器と、制御部と、音声と同じ周波数領域を透過する第1バンドパスフィルタと第2バンドパスフィルタと、前記第1バンドパスフィルタで処理し
た音信号を所定の利得で増幅し、前記差動増幅器に出力する増幅器とを有する、放送装置を備える乗客コンベアであって、前記差動増幅器の正極入力端子には、前記第1バンドパスフィルタと前記増幅器により処理された前記マイクが収集した音信号が入力され、前記差動増幅器の負極入力端子には、前記第2バンドパスフィルタにより処理された前記音量調整装置からの前記音声信号が入力され、前記差動増幅器は、前記正極入力端子に入力された前記音信号から、前記負極入力端子に入力された前記音声信号を打ち消し、前記乗客コンベアの周囲の騒音のみを抽出した騒音信号を出力し、前記制御部は、前記差動増幅器からの前記騒音信号が大きくなるほど、前記スピーカから出力される前記音声信号の音量を大きくするように前記音量調整装置を制御し、前記利得は、前記スピーカからの前記音声信号が出力されていない状況の前記音信号が、予め定めた最低音信号値より小さい場合に、前記スピーカから前記音声信号を出力し、前記差動増幅器からの前記騒音信号が0になるように調整されている、乗客コンベアである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態を示すエスカレータの側面から見た説明図。
【
図2】本発明の一実施形態の放送装置を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態のエスカレータ10を
図1,2に基づいて説明する。
【0009】
(1)エスカレータ10
エスカレータ10の構造について、
図1に基づいて説明する。
図1はエスカレータ10を側面から見た説明図である。
【0010】
エスカレータ10の枠組みであるトラス12が、建屋1の上階と下階に跨がって支持アングル2,3を用いて支持されている。
【0011】
トラス12の上端部にある上階側の機械室14内部には、踏段30を走行させる駆動装置18、左右一対の主駆動スプロケット24,24、左右一対の手摺り駆動スプロケット100,100が設けられている。この駆動装置18は、モータ20と、減速機と、この減速機の出力軸に取り付けられた出力スプロケットと、この出力スプロケットにより駆動する駆動チェーン22と、モータ20の回転を停止させ、かつ、停止状態を保持するディスクブレーキとを有している。この駆動チェーン22により左右一対の主駆動スプロケット24,24が回転する。左右一対の主駆動スプロケット24,24と左右一対の手摺り駆動スプロケット100,100とは、不図示の連結ベルトにより連結されて同期して回転する。また、上階側の機械室14内部には、モータ20やディスクブレーキなどを制御する制御部50が設けられている。
【0012】
トラス12の下端部にある下階側の機械室16内には、左右一対の従動スプロケット26,26が設けられている。上階側の左右一対の主駆動スプロケット24,24と下階側の左右一対の従動スプロケット26,26との間には、左右一対の無端の踏段チェーン28,28が掛け渡されている。左右一対の踏段チェーン28,28には、複数の踏段30が等間隔で取り付けられている。モータ20が回転すると踏段30の前輪301は、トラス12に固定された不図示の案内レールを走行し、後輪302はトラス12に固定された案内レール25を走行する。
【0013】
トラス12の左右両側には、左右一対の欄干36,36が立設されている。この欄干36の上部に手摺りレール39が設けられ、この手摺りレール39に沿って無端状の手摺りベルト38が移動する。欄干36の上階側の正面下部には上階側の正面スカートガード40が設けられ、下階側の正面下部には下階側の正面スカートガード42が設けられ、正面スカートガード40,42から手摺りベルト38の出入口であるインレット部46,48がそれぞれ突出している。
【0014】
欄干36の側面下部には、スカートガード44が設けられ、左右一対のスカートガード44,44の間を踏段30が走行する。上下階のスカートガード44の内側面には、操作盤52,56、スピーカ54,58、マイク80,82がそれぞれ設けられている。
【0015】
手摺りベルト38は、上階側のインレット部46から正面スカートガード40内に侵入し、案内ローラ群64を介して手摺り駆動スプロケット100に掛け渡され、その後、案内ローラ群66を介してスカートガード44内を移動し、下階側のインレット部48から正面スカートガード42外に表れる。そして、手摺りベルト38は、手摺り駆動スプロケット100が主駆動スプロケット24と共に回転することにより踏段30と同期して移動する。また、回転する手摺り駆動スプロケット100に走行する手摺りベルト38を押圧するための押圧部材70を有する。
【0016】
上階側の左右一対のスカートガード44,44の乗降口であって、機械室14の天井面には、上階側の乗降板32が水平に設けられている。下階側の左右一対のスカートガード44,44の乗降口であって、機械室16の天井面には、下階側の乗降板34が水平に設けられている。上階側の乗降板32の先端には櫛歯状のコム60が設けられ、このコム60に踏段30が侵入する。また、下階側の乗降板34の先端にも櫛歯状のコム62が設けられている。
【0017】
(2)放送装置90
エスカレータ10には、乗客に対して注意喚起を行う目的や、運転方向又は行き先を案内する目的で、エスカレータ10に関する情報を放送する放送装置90が設けられている。放送装置90について、
図2のブロック図に基づいて説明する。
【0018】
放送装置90は、音声合成装置91と、音量調整装置92と、スピーカ54,58と、マイク80,82と、バンドパスフィルタ95,96と、増幅器93と、差動増幅器94と、アナログ−デジタル変換回路(以下、AD変換回路という)97と、制御部50とを有する。
【0019】
音声合成装置91は、予めメモリに記録しておいたデータから乗客コンベア10の情報に関する音声信号を、音声合成により生成し出力するものである。
【0020】
音量調整装置92は、音声合成装置91から出力される音声信号の音量を調整した後、スピーカ54,58に出力する。また、バンドパスフィルタ96を介して、差動増幅器94にも出力する。音量調整装置92は、制御部50により、制御されている。
【0021】
スピーカ54,58は、音量調整装置92により音量が調整された音声信号を出力するものである。
【0022】
マイク80,82は、エスカレータ10の周囲の音を収集し、収集した音信号をバンドパスフィルタ95と増幅器93を介して、差動増幅器94へと出力するものである。
【0023】
バンドパスフィルタ95,96は、周波数が300〜8000Hzの信号を透過するものである。
【0024】
増幅器93は、マイク80,82が収集した音信号であって、バンドパスフィルタ95で処理した音信号を所定の利得で増幅し、差動増幅器94に出力するものである。
【0025】
差動増幅器94は、正極入力端子と負極入力端子とを有し、それぞれに入力された信号の差を、AD変換回路97を介して、制御部50へと出力する。
【0026】
(3)放送の動作状態
放送の動作状態について説明する。音量調整装置92は、スピーカ54,58から出力される音声信号の音量が、エスカレータ10の周囲の騒音レベルに応じて乗客が聞き取りやすい音量となるように、制御部50により次のように制御されている。
【0027】
まず、マイク80,82により収集された、エスカレータ10の周囲の音信号は、バンドパスフィルタ95に出力される。バンドパスフィルタ95により処理された音信号は、増幅器93に出力され、所定の利得で増幅された後、差動増幅器94の正極入力端子に入力される。
【0028】
次に、音声合成装置91は、音声合成により生成された、エスカレータ10の情報に関する音声信号を、音量調整装置92へと出力する。
【0029】
次いで、音量調整装置92に入力された音声信号は、音量が調整された後、スピーカ54,58に出力される。また、バンドパスフィルタ96を介して、差動増幅器94の負極入力端子に入力される。
【0030】
そして、差動増幅器94は、正極入力端子に入力された音信号から、負極入力端子に入力された音声信号を打ち消すことで、マイク80,82が収集した音信号に含まれる、スピーカ54、58が出力した音声信号を取り除き、エスカレータ10の周囲の騒音信号のみを抽出し、AD変換回路97に出力する。
【0031】
AD変換回路97に入力された信号は、アナログ信号からデジタル信号へと変換され、制御部50へと出力される。
【0032】
すなわち、差動増幅器94が、マイク80,82が収集した音信号の音量から抽出したエスカレータ10の周囲の騒音信号が大きくなるほど、制御部50は、スピーカ54,58から出力される音声信号の音量を大きくするように、音量調整装置92を制御する。
【0033】
増幅器93の利得は、適宜調整することができるが、スピーカ54,58から音声信号を出力していない状況において、エスカレータ10の周囲の騒音レベルが予め定めた最低音信号値よりも小さい状況、例えば、騒音レベルが図書館の騒音に相当する40デシベル以下である状況下において、スピーカ54,58から音声信号の出力を行い、差動増幅器94から出力される騒音信号が0になるように調整されたものであることが好ましい。このような調整を行うことにより、マイク80,82が収集した音信号に含まれる、スピーカ54,58が出力した音声信号を正確に取り除くことができる。
【0034】
スピーカ54,58から出力される音声信号の音量は、音量調整装置92により、標準音量段階から最大音量段階まで順番に音量が大きくなるように音量段階を調整することができる。具体的には、まず、差動増幅器94から出力される騒音信号が、予め定めた標準騒音信号値以下である場合に騒音レベルが最小であるとし、スピーカ54,58から出力される音声信号の音量を、エスカレータ10のそれぞれの設置環境に応じて乗客が聞き取りやすい最適な音量に設定し、これを標準音量段階とする。そして、制御部50は、差動増幅器94からの騒音信号が大きくなるほど、音量段階が大きくなるように算出し、騒音信号が予め定めた最大騒音信号値を超えた場合に騒音レベルが最大であるとし、スピーカ54,58から出力される音声信号の音量を、例えば、標準音量段階の2倍である最大音量段階に調整するように音量調整装置92を制御することができる。
【0035】
放送装置90は、
図1に示すように、上階側及び下階側にスピーカ54,58とマイク80,82とがそれぞれ設けられているが、上階側のスピーカ54から出力される音声信号の音量は、上階側のマイク80が収集した騒音レベルに応じて制御され、下階側のスピーカ58から出力される音声信号の音量は、下階側のマイク82が収集した騒音レベルに応じて制御されるものとすることができる。
【0036】
(4)効果
本実施形態によれば、エスカレータ10の周囲の騒音の大きさに応じて、乗客が聞き取りやすいようにスピーカ54,58から出力される音声信号の音量を調整することができる。
【0037】
特に、スピーカ54,58から出力される音声信号の周波数300〜8000Hzと同じ周波数領域の騒音が大きいと、放送が聞こえにくくなるため、上記周波数領域の騒音が大きくなるほど、スピーカ54,58から出力される音声信号の音量を大きくすることにより、最適な音量とすることができる。
【0038】
(5)変更例
上記実施形態においては、音声と同じ周波数領域の騒音レベルに基づいて、スピーカ54,58から出力される音声信号の音量を調整するものについて説明したが、これに限定されず、エスカレータ10が設置される環境において、考慮するべき種類の騒音、例えば、駅に設置される場合であれば電車の音などの騒音レベルに基づいて、音量を調整するものであってもよい。
【0039】
上記実施形態においては、マイク80,82とスピーカ54,58を上階側と下階側にそれぞれ設けたものについて説明したが、これに限定されず、上階側のみに設けてもよく、下階側のみに設けてもよく、乗り口側のみに設けてもよく、降り口側のみに設けてもよい。
【0040】
上記実施形態において、乗客がいない際に行われる待機運転時では、エスカレータ10の周囲の騒音レベルが大きくても音量を調整しないものとしてもよく、騒音レベルが最小であれば、放送をしないものとしてもよい。
【0041】
上記実施形態においては、マイク80,82を上下階のスカートガード44の内側面に設けたものについて説明したが、乗降板32,34とスカートガード44との隙間や、乗降口に設置され、光電管センサーにより利用者を検出しエスカレータ10の始動と停止を自動で行うことを可能とするポールや、表示板により案内を行うポールに設けてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、エスカレータ10に適用して説明したが、これに代えて動く歩道に適用してもよい。
【0043】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
10・・・エスカレータ、1・・・建屋、12・・・トラス、14,16・・・機械室、18・・・駆動装置、20・・・モータ、22・・・駆動チェーン、24・・・主駆動スプロケット、30・・・踏段、32,34・・・乗降板、36・・・欄干、38・・・手摺りベルト、40,42・・・正面スカートガード、44・・・スカートガード、46,48・・・インレット部、50・・・制御部、54,58・・・スピーカ、80,82・・・マイク、90・・・放送装置、91・・・音声合成装置、92・・・音量調整装置、93・・・増幅器、94・・・差動増幅器、95,96・・・バンドパスフィルタ、97・・・アナログ−デジタル変換回路、100・・・手摺り駆動スプロケット
【要約】
【課題】周囲の騒音レベルに応じて、乗客が聞き取りやすい最適な音量で放送をすることができる、乗客コンベアを提供する。
【解決手段】本発明の実施形態は、音声信号を出力する音声合成装置91と、音声合成装置91からの音声信号の音量を調整する音量調整装置92と、音量調整装置92からの音声信号を出力するスピーカ54,58と、乗客コンベア10の周囲の音を収集するマイク80,82と、差動増幅器94と、制御部50とを有する、放送装置90を備える乗客コンベア10であって、差動増幅器94は、正極入力端子に入力されたマイク80,82が収集した音信号から、負極入力端子に入力された音量調整装置92からの音声信号を打ち消し、乗客コンベア10の周囲の騒音のみを抽出した騒音信号を出力し、制御部50は、差動増幅器94からの騒音信号が大きくなるほど、スピーカ54,58から出力される音声信号の音量を大きくする、乗客コンベア10である。
【選択図】
図2