(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記車両要求は、所望の乗車時刻を示すデータ、少なくとも1つの車両の好み、少なくとも1つの運転者の好み及び乗車人数を示すデータのうちの1つ以上を更に含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のサーバ(10)。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によると、サーバを有する車両要求管理システムであって、
前記サーバは、
第1の装置及び車両に関連付けられた第2の装置と通信するように構成され、第1の装置から第1の場所を含む車両要求を受信するように更に構成され且つ第1の装置又は第2の装置から第2の場所を受信するように更に構成された通信手段と、
地図が範囲に含む地理的領域内の通行可能な経路の区分を表す複数の通行可能な区分を有するデジタル地図データを備えるデータ格納手段と、
デジタル地図データを使用して、第2の装置に関連付けられた車両により移動される受信した第1の場所と受信した第2の場所との間の経路を計算するように構成された処理手段とを備え、
前記通信手段は第2の装置の位置に関する位置データをある期間にわたり(経時的に)受信するように更に構成される車両要求管理システムが提供される。
【0007】
更に、本発明の別の態様によると、第1の装置と車両に関連付けられた第2の装置との間でサーバにおいて車両要求を管理する方法であって、
サーバにおいて第1の装置から第1の場所を含む車両要求を受信することと、
サーバにおいて第1の装置又は第2の装置から第2の場所を受信することと、
地図が範囲に含む地理的領域内の通行可能な経路の区分を表す複数の通行可能な区分を有するサーバに格納されたデジタル地図データを使用して、第2の装置に関連付けられた車両により移動される受信した第1の場所と受信した第2の場所との間の経路を計算することと、
サーバにおいて第2の装置の位置に関する位置データをある期間にわたり(経時的に)受信することと、
を備える方法が提供される。
【0008】
第1の態様及びこの更なる態様が相互に矛盾しない限り、この更なる態様における本発明は本発明の第1の態様に関して説明される特徴のいずれか又は全てを含み、あるいは、第1の態様における本発明はこの更なる態様における本発明に関して説明される特徴のいずれか又は全てを含む。従って、本明細書において特に記載されない場合、本発明のシステムは説明される方法のステップのいずれかを実行する手段を備えてもよい。
【0009】
コンピュータにより実現される方法のステップのいずれかを実行する手段は、例えばそのようにプログラムされることによりそれを実行するように構成された1つ以上のプロセッサの集合を備えてもよい。所定のステップは、他の何らかのステップと同一又は異なる集合のプロセッサを使用して実行されてもよい。何らかの所定のステップは、プロセッサの集合の組み合わせを使用して実行されてもよい。
【0010】
本発明は、ユーザによるタクシー、あるいはセダン又はリムジン等の他の同様の交通形態に対する要求等の車両要求を管理するシステムに関する。システムは、ユーザにより携帯され且つ車両要求を作成するために使用される1つ以上の第1の装置及び提出された車両要求を満たすために利用可能な車両内に搭載される1つ以上の第2の装置と通信する通信手段を備えるサーバ等の中央制御器を備える。通信手段は、少なくとも第1の場所を含む車両要求を第1の装置から受信するように構成される。第1の場所は、通常、ユーザが車両に乗車したい乗車場所を定義する。通信手段は、第1の装置又は第2の装置から第2の場所を受信するように更に構成される。第2の場所は、通常、ユーザが車両で移動したい降車場所を定義する。本発明のサーバは、デジタル地図データを格納したデータ格納手段を更に備える。デジタル地図データは、地図が範囲に含む地理的領域内の通行可能な経路の区分を表す複数の通行可能な区分を有するため、経路計画及びナビゲーションの目的で使用される。例えば本発明において、デジタル地図データは、受信した第1の場所と第2の場所との間を移動するために第2の装置に関連付けられた車両により移動される第1の場所と第2の場所との間の経路を計算するために使用される。明らかなように、従来の車両要求管理システムは通常はサーバにおいてデジタル地図データを利用せず、サーバは受信した車両要求に応答して車両を派遣する手段として動作するにすぎず、デジタル地図データを使用する経路計算は通常は第2の装置上でのみ行われる。使用中、サーバは更に、複数の第2の装置及び好ましくはそれらの各々の位置、並びにそれらに関連付けられた車両の位置に関する位置データをある期間にわたり受信する。
【0011】
以下に更に詳細に説明するように、サーバにおいて、ある時点における第2の装置の現在地に関する知識を用いて第2の装置により移動される経路を計算することは、多くの利点を有する。
【0012】
例えばサーバは、好ましくは第1の装置上で表示するために、計算された経路を示すデータ及び受信した位置データを第1の装置へ送信するように構成される。従って、ユーザはタクシーで移動中に車両が移動するべき経路を監視できるため、車両の運転者が最適な経路を移動していると安心できる。ユーザは、この知識を更に使用して、例えば運転者が正当な理由なく最適な経路に関する命令を無視するか又は最適な経路から外れる場合に別の人物に警告を送出するか又は運転者の評価を低下させることができる。
【0013】
サーバは、第2の装置が移動するべき2つの場所の間の経路に対する第2の装置の位置を更に監視して、第2の装置及び車両が経路から外れるかを判定する。実施形態において、判定は、運転者が計算された経路から外れ、その進路変更が移動時間及び/又は移動距離に影響を及ぼす場合に運転者の評価を自動的に低下させるために使用される。
【0014】
他の実施形態において、サーバは、第2の装置の現在地及び第2の装置が走行するべき経路の知識を使用して、第2の装置及び第2の装置を搭載した車両が例えば乗車場所及び/又は降車場所である目的地に到着したか及び/又は目的地から出発したかを自動的に判定する。この情報は、例えば車両要求を作成した装置である第1の装置に適切な状態更新を提供し、あるいは、運転者が装置上で手動入力を行う必要なく全ての装置が運転者に継続的な案内命令を提供するために第2の装置へ送信される。
【0015】
上述のように、本発明は車両要求管理システムに関する。換言すると、1人又は通常は複数の異なるユーザが特定の場所及びいくつかの例では更に特定の時刻にユーザを迎えに来るように車両に対する要求を作成できるシステムに関する。システムは、要求に車両を割り当て、要求が実行される間の車両の位置を監視するために使用される。本発明の車両要求システムは、大きい町及び都市等におけるタクシー要求の管理に特に適用可能であるが、システムはどんな種類の車両要求にも適宜使用可能であることが理解されるだろう。
【0016】
車両要求管理システムは、少なくとも第1の装置及び車両に関連付けられた第2の装置と通信するように構成された通信手段を備えるサーバを備える。しかし、好適な実施形態において、通信手段は、複数の異なる第1の装置及び複数の異なる第2の装置と通信するように構成される。従って、本発明は、サーバを備える車両要求管理システムと、少なくとも1つの第1の装置及び/又は第2の装置とを含むように適宜適用されることが理解されるだろう。本明細書における単一の第1の装置又は第2の装置に対する参照は、複数のそのような第1の装置又は第2の装置に対する参照に置換可能であることが更に理解されるだろう。
【0017】
動作中、サーバは通信手段を使用して、ユーザが移動を開始するために車両と待ち合わせる場所(「乗車場所」)等の第1の場所及びユーザが移動したい場所(「降車場所」)等の第2の場所を受信する。第1の場所は第1の装置から受信され、すなわち車両要求の一部として受信される。一方、第2の場所は、例えば初期の車両要求の一部として又は後の時点で第1の装置から受信されるか、あるいは例えばユーザが車両の運転者に目的地を提供した後に車両内の第2の装置から受信される。
【0018】
第1の装置は、何らかの適切な所望の形態である。例えば第1の装置は、パーソナルコンピュータ又は他の演算リソース等の場所を固定された装置であってもよい。第1の装置は、ホテル、バー、レストラン又は駅等の建物内又は屋外の待ち合わせ場所に配置されるように構成され且つ通常は単一の乗車場所のみに関連付けられる装置を更に含んでもよい。しかし、好適な実施形態において、第1の装置は、移動電話、PDA又はタブレットコンピュータ等の移動装置を含む。
【0019】
明らかなように、サーバは、上述の第1の装置の種類のうちのいずれか1つ以上と通信しているように構成されてもよい。
【0020】
第1の装置は装置の現在地を判定できるのが好ましく、従って、場所判定手段を備えるのが好ましい。場所判定手段はどんな種類であってもよい。例えば第1の装置は、WiFiアクセスポイント又はセルラ通信ネットワークにアクセスして情報を受信し、この情報を使用して自身の場所を判定する手段を備える。しかし、好適な実施形態において、第1の装置は、特定の時点における受信機の位置を示す衛星信号を受信するGPS受信機等のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)受信機を備え、更新された位置情報を定期的に受信するのが好ましい。
【0021】
第2の装置は、ユーザにより提出された車両要求を受け付けることができる車両に関連付けられ、従って、車両に搭載されるか又は車両で運搬可能な形態であるのが好ましい。第2の装置は例えばハンドヘルド型のポータブル装置であり、これは例えば車両内に取外し可能に搭載されてもよい。他の実施形態において、第2の装置は車両搭載型のシステムであり、すなわち、車両内に永久的に搭載される。好適な実施形態において、第2の装置を搭載した車両は、タクシー又は他の同様のエンジンで動く車両等の自動車である。他の実施形態において、車両は自転車又は人力車等の人力で動く乗り物である。
【0022】
以下に更に詳細に説明するように、第2の装置は、装置及び装置が関連付けられる車両の現在地に関する位置データをサーバへ送信するように構成される。従って、第2の装置は装置の位置を判定でき、そのため、場所判定手段を備える。この場合も、場所判定手段はどんな種類であってもよい。例えば第2の移動装置はWiFiアクセスポイント又はセルラ通信ネットワークにアクセスして情報を受信し、この情報を使用して自身の場所を判定する手段を備える。しかし、好適な実施形態において、第2の装置は、特定の時点における受信機の位置を示す衛星信号を受信するGPS受信機等のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)受信機を備え、更新された位置情報を定期的に受信するのが好ましい。
【0023】
第2の装置は、装置を搭載した車両の相対変位を判定することにより例えば何らかの時点における車両の速度及び走行方向を判定できるようにする手段を更に含むのが好ましい。手段は装置内の1つ以上の電子ジャイロスコープ又は加速度計を含み、あるいは、装置が例えば車両CANバスを使用して車両自体の中のそのようなセンサにアクセスしてもよい。
【0024】
従って、好適な実施形態において、本発明において利用される第2の装置は、車両内に取外し可能に搭載されるポータブルナビゲーション装置(PND)又は車両搭載型のナビゲーションシステムでありGNSS信号受信/処理機能性を含むのが好ましいナビゲーション装置を含む。しかし、第2の装置は、適切なソフトウェアプログラムを実行する移動電話、PDA又はタブレットコンピュータ等を更に含むことが理解されるだろう。
【0025】
本発明において、サーバは、第1の装置から例えば乗車場所である少なくとも第1の場所を受信するように構成される。第1の場所は、何らかの適切な方法で生成される。例えば場所は、ユーザにより第1の装置のユーザインタフェース上で直接入力される。これは、例えばユーザが現在地と異なる場所で車両に乗車したい場合である。しかし、好適な一実施形態において、第1の場所は、装置の場所判定手段を使用して第1の装置において生成される。明らかなように、これは通常はユーザが現在地で車両に乗車したい場合である。
【0026】
サーバは、第1の装置(車両要求を提出した)又は第2の装置のいずれかから例えば降車場所である第2の場所を受信するように更に構成される。従って計算される経路は乗車場所と降車場所との間であるのが好ましい。第2の場所は第2の装置の現在の地理的位置であってもよく、従って、計算される経路は車両の現在地と乗車場所との間である。この場合も、第2の場所は何らかの適切な方法で生成される。例えば場所は、ユーザにより第1の装置のユーザインタフェース上で入力されるか、あるいは車両の運転者により第2の装置のユーザインタフェース上で入力される。明らかなように、第1の場所及び第2の場所の双方がユーザから車両要求と共に提出される場合、サーバは第1の場所及び第2の場所を同時に受信する。しかし、他の実施形態において、第1の場所及び第2の場所は異なる時点で受信され、例えば第2の場所は、通常はユーザが要求された車両に乗車して運転者に所望の目的地を告げた時等の第1の場所の後に受信される。
【0027】
このように明らかなように、第1の装置及び第2の装置は、サーバ等のシステムの他の構成要素との間で情報を送受信する通信手段を備える。情報は、位置データ、表示データ、経路データ等を含む。通信手段は、要望に応じてどんな種類でもよい。例えば装置は1つ以上の物理コネクタインタフェースを備え、それによりデータ信号は装置との間で送受信される。しかし、好適な実施形態において、通信手段は、セルラ通信、並びに例えばWiFi、GSM及びGPRS等である他の信号/データネットワークを介する通信を可能にする1つ以上の無線送信機/受信機を含む。
【0028】
第1の装置により提出され且つその後にサーバにより受信される車両要求は、第1の場所、すなわち乗車場所を示すデータのみを含む。しかし、好適な実施形態において、車両要求は追加データを含む。例えば車両要求は、所望の乗車時刻を示すデータ、車両の好み(例えば、サイズ、車種、身障者対応等)、乗車人数を示すデータ、好ましい運転者及び/又は車両、並びに所望の運転者評価のうちの1つ以上を含む。
【0029】
サーバは、受信した車両要求の内容を解析し、車両要求の基準を満たす車両、すなわち第2の装置を選択するのが好ましい。換言すると、第1の装置から車両要求を受信すると、サーバは、複数の利用可能な第2の装置から、受信した車両要求を満たす第2の装置を選択するように構成される。サーバは、何らかの適切な所望の方法でこの選択を行うように構成される。例えばサーバは、第2の装置を有し且つ受信した車両要求を満たす可能性のある各車両の位置及び状態の更新を例えば定期的に継続して受信する。例えばいくつかの車両は、例えば車両が前の移動を完了しているため又は車両の運転者が休憩中であるため、受信した車両要求を満たせない場合がある。従って、サーバは、車両の現在地に加えて、受信した車両要求を特定の時点で受け付けられる車両を認識する。更に、すぐに乗車したいと示すユーザからの車両要求と異なり、車両要求が未来の所定の時刻に関する場合、サーバは、車両が既に引き受けている移動に基づいて、その未来の時刻における車両の位置及び利用可能性を認識する。
【0030】
本発明において、第1の場所及び第2の場所がサーバにおいて受信されると、格納されたデジタル地図データを使用して、経路が2つの場所の間で計算される。当技術において既知であるように、デジタル地図データは、例えば車両が走行できる道路である地理的領域内の通行可能な経路の区分を表す複数の通行可能な区分を含む。デジタル地図データは、異なる時刻に区分を走行する車両の平均速度を表す通行可能な各区分に対する速度データを更に含んでもよく、これは目的地への推定到着時刻(ETA)を判定するために使用される。デジタル地図データは、過去及び/又は現在の交通データを更に含むか又はそれにアクセスでき、これは計算された経路を適宜修正するため又はETAを変更するために使用される。
【0031】
第1の場所と第2の場所との間で計算される経路は、最短距離又は最短時間等の最小コスト経路である。コストは要望に応じて選択され、例えば有料道路の使用の有無等の運転者及び/又はユーザの好みに基づく。コストは、車両が拠点とする区域又は地域に基づいて更に選択されてもよい。例えば、ある領域におけるタクシーは移動時間に従って課金するが、他の領域においてタクシーは移動距離に従って課金する。
【0032】
サーバにおいて計算された経路は、第2の装置を搭載した車両により移動される経路である。いくつかの実施形態において、計算された経路はサーバの通信手段から第2の装置に転送され、すなわち、第2の装置において経路計算は不要である。あるいは、他の実施形態において、経路は第2の装置において別個に計算される。従って、そのような実施形態において、サーバ及び第2の装置は同一のデジタル地図データにアクセスし、それにより同一の経路がサーバ及び第2の装置の双方において計算されることが理解されるだろう。
【0033】
上述のように、サーバは、第2の装置の位置に関する位置データをある期間にわたり(経時的に)受信するように構成される。位置データは、第2の装置の位置を表す何らかの適切な形態でサーバへ送信される。例えば位置データは、一対の経度座標及び緯度座標を含み、あるいは、例えば道路交差点であるデジタル地図内の特徴に対する位置参照を含む。明らかなように、位置データは、位置データが第2の装置において生成された時刻を表す例えばタイムスタンプである時間データに関連付けられるのが好ましい。位置データは、例えば少なくとも5分毎、好ましくは少なくとも毎分、あるいはいくつかの例においてはより頻繁に定期的に第2の装置からサーバへ送信されるのが好ましい。従って、サーバは、受信した位置データから特定の時点における第2の装置の現在地を高精度に判定できる。
【0034】
本発明の好適な一実施形態において、サーバは、計算された経路を示すデータ(「経路データ」とも呼ぶ)及び受信した位置データ(第2の装置から)を第1の装置、すなわち車両要求を作成したユーザの装置へ送信するように更に構成される。送信されたデータは第1の装置上に表示されるのが好ましいが、他の実施形態において、データは第1の装置において更に処理され且つ/又は異なる目的に使用される。
【0035】
サーバは、第1の装置へ位置データ及び経路データを何らかの適切な形態で送信する。例えば経路データは、経路を形成し且つ車両により走行される通行可能な区分のリストを含む。それに加えて又はその代わりに、位置データ及び経路データは、第1の装置に格納されたデジタル地図上に重ね合わせることができる形態で送信されてもよい。そのような実施形態において、第1の装置のデジタル地図は通常は、サーバ(及び第2の装置)において見られ且つ経路を計算するために使用されたデジタル地図と同一である。そのような実施形態において、第1の装置におけるデジタル地図は、例えば区分の地理的形状、区分の接続性等のサーバのデジタル地図のデータの一部分のみを含んでもよい。あるいは、他の実施形態において、例えばすぐに表示するためにデータが第1の装置へ送信(又はストリーミング)されるように、位置データ及び経路データはサーバのデジタル地図上に重ね合わされる。
【0036】
明らかなように、好適な実施形態において、第1の装置のユーザは、少なくともユーザが位置する地理的領域のデジタル地図上に重ね合わされた第2の装置(及び第2の装置が配置される車両)の現在地及び第2の装置が走行する必要のある経路を閲覧できる。例えば出発地の(例えば、乗車)場所から目的地の(例えば、降車)場所までの走行される計算された経路全体がユーザに対して表示される。あるいは、例えば車両の現在地から目的地の場所までの走行される残りの経路のみがユーザに対して表示される。更に他の実施形態において、例えば現在移動されている経路の部分である計算された経路の一部分のみがユーザに対して表示される。
【0037】
従って、第1の装置のユーザは、装置上に表示されているデータを監視することにより、運転者が計算された経路から外れているかを確認できる。従って、運転者が最適な経路から外れることで例えば時間及び/又は距離に関して長い経路を走行することになる場合、それに応じてユーザは運転者に申し出たり、自身の装置を使用して運転者に関して苦情を言ったり又は場合によっては自身の装置に格納された連絡先等の第三者に警告を送出できたりする。この点に関して、第1の装置へ送信された位置データ及び経路データは、それに加えて又は実際はその代わりに別の装置へ送信され、例えば他の装置上に表示されてもよいことが理解されるだろう。この他の装置は、車両に搭載され且つ車両で走行中にユーザが閲覧できる装置であってもよく、あるいは、上述の第三者が所有するリモート装置であってもよい。そのような実施形態において、位置データ及び経路データは第1の装置から他の装置へ送信されてもよく、あるいは第1の装置から要求を受信した際にサーバから他の装置へ直接送信されてもよい。
【0038】
運転者が計算された経路を走行しているかをユーザが第1の装置から自身で判定してもよいが、本発明の好適な実施形態において、サーバは、計算された経路、すなわち車両が走行する必要のある経路と車両の位置とを比較するように更に構成されてもよい。比較は、所定の時間間隔で、例えば新しい位置データが第2の装置から受信される度に行われる。あるいは、他の実施形態において、比較は、車両が例えば運転者がナビゲーション命令を提供される地点である道路網内の判断点又は分岐点に到着する度に行われる。
【0039】
比較の結果は、運転者が計算された経路から外れたかを自動的に判定するために使用される。例えば経路から所定の距離を超えて離れている場合、所定の移動時間を超えている場合、あるいは計算された経路に関連する複数(例えば、2つ又は3つ以上)のナビゲーション命令を無視して当該経路から所定の距離を超えて離れている場合等の車両が計算された経路から所定量を超えて外れたと判定される場合、車両はもはや最適な経路を走行していると言えない。
【0040】
明らかなように、比較ステップ及び判定ステップは、サーバにおいて適切な処理手段を使用して行われる。従って、好適な実施形態において、サーバの処理手段は、受信した位置データと計算された経路とを比較し且つ前記比較から前記第2の装置が計算された経路を走行しているかを判定するように構成される。車両に搭載された装置を追跡し且つ装置及び車両の動きと計算された経路とを比較することにより、車両要求管理システムは、車両が例えば乗車場所への移動又は降車場所への移動である割り当てられた移動を実行しているかを迅速に判定できる。例えば車両が乗車場所に対する割り当てられた経路から外れたと判定される場合、車両要求を満たすために新しい車両がサーバにより選択される。
【0041】
また、車両が計算された経路から外れたと判定された結果、車両の運転者に関連する評価が低下される。そのような低下は、進路変更の検出時に即座に行われる。あるいは、他の実施形態において、車両が例えば降車場所に到着して割り当てられた移動を完了した時に、計算された経路の推定された到着時刻及び/又は距離と車両(計算された経路から外れた)が走行した経路の実際の到着時刻及び/又は距離とが比較される。実際の移動時間及び/又は距離が推定された時間及び/又は距離を下回る場合、進路変更は有効であったと推論され、運転者の評価は低下されない(計算された経路から外れたにも関わらず)。反対に、実際の時間及び/又は距離が推定された時間及び/又は距離より長い場合、あるいは推定された時間及び/又は距離より例えば1%、5%等である所定量を超えて長い場合。
【0042】
本発明の一実施形態において、サーバは、経路データ及び受信した位置データの一方又は双方を使用して、第1の場所及び第2の場所の少なくとも一方に対する到着及び/又は出発を判定するように構成される。当業者には明らかなように、そのような判定は、例えば車両が乗車場所に対して到着及び/又は出発したことを示す警告を第1の装置へ送信するために、並びに運転者からの入力を用いずに第2の装置における経路計算及び案内を自動的に開始するために使用される。
【0043】
第1の場所及び第2の場所の一方又は双方に対して、サーバは各場所を含む地理的領域を定義するのが好ましい。地理的領域は、何らかの適切な所望の方法で定義される。例えば領域は、場所を中心として50〜500mであり好ましくは約250mである距離等の所定の半径を有する円である。領域はどんな場所に対しても同一の方法で定義されてもよく、あるいは、地理的領域は場所に依存して定義されてもよい。
【0044】
サーバにおいて計算された経路データは、第1の場所及び/又は第2の場所への第2の装置の推定到着時刻に関する指示を適宜提供する。更に、第2の装置から受信した位置データは、第2の装置を搭載した車両の移動速度に関する指示をサーバに提供する。明らかなように、サーバは、第2の装置から受信した位置データ及び関連する時刻データを処理することにより車両の速度を判定する。あるいは、他の実施形態において、第2の装置は位置データと共に速度データをサーバへ送信する。
【0045】
好適な一実施形態において、車両が減速し、場所に対する推定到着時刻を含む事前に定義された時間範囲内の時刻に場所に関連付けられた定義された地理的範囲内で少なくとも所定の期間停車したと位置データ及び経路データが示す場合、サーバは車両が場所に到着したと判定する。所定の時間範囲は推定到着時刻を中心とする2〜10分の期間であり、所定の期間は1〜5分である。車両が場所に到着したと検出されると、この判定を示すデータは第1の装置及び第2の装置の一方又は双方に送出される。そのようなデータは、例えば要求された車両が乗車場所に到着したという警告を第1の装置上に生成するために使用される。
【0046】
更なる実施形態において、車両が検出された「到着」状態から移動してある場所に関連付けられた地理的領域から出たことを第2の装置から受信した位置データが示す場合、サーバは車両がその場所から出発したと判定する。車両が場所から出発したと検出されると、この判定を示すデータは同様に第1の装置及び第2の装置の一方又は双方に送出される。第1の装置が複数の車両要求を同時に作成するために使用される固定場所装置である場合、そのようなデータは、例えば車両に関する要求が装置上に表示されるのを停止するために使用される。
【0047】
明らかなように、本発明は、上述の車両要求管理システムと共に動作するように構成された第1の装置及び/又は第2の装置に適用される。更に、第2の装置を搭載した車両が計算された経路から外れるかに関する判定等の特定のステップはサーバ上でのみ行われると上述されたが、ステップは代わりに第1の装置及び第2の装置の一方又は双方において、あるいは第1の装置、第2の装置及びサーバの何らかの組み合わせにおいて適宜行われてもよいことが理解されるだろう。
【0048】
本発明の説明される全ての態様及び実施形態は、本明細書中で説明される好適な特徴及びオプションの特徴のいずれか1つ以上又は全てを適宜含むことができ且つ実際に含むのが好ましいことが当業者には更に理解されるだろう。
【0049】
本発明に係る方法は、ソフトウェアを少なくとも部分的に使用して実現されてもよい。従って、更なる態様から見た場合、本発明は、サーバ等の適切なデータ処理手段において実行される場合に本明細書中で説明される方法のいずれか又は全てを実行するように適合されるコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムに適用されることがわかるだろう。
【0050】
本発明は、そのようなソフトウェア等を含むコンピュータソフトウェア記憶媒体に更に適用される。そのようなソフトウェア記憶媒体は、物理(又は持続性)記憶媒体であってもよく、あるいは回線を介する電子信号、光信号又は衛星等に対する無線信号等の信号であってもよい。
【0051】
上記の実施形態の利点は以下に記載され、上記の各実施形態の更なる詳細及び特徴は添付の従属請求項及び以下の詳細な説明中で定義される。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明は、少なくとも好適な実施形態において、車両要求管理システムに関し、特に、ユーザと個々のタクシーとの間でタクシーに対する要求を管理するシステムに関する。
図1を参照して、本発明に係るシステムのアーキテクチャを説明する。
【0054】
図1に示すように、システムは、3つの主要な構成要素、すなわち、サーバ10と、複数の車両要求装置12と、経路計画/ナビゲーション機能性を有する装置200を各々が装備する複数の車両14とを備える。
【0055】
車両要求装置12は、多くの異なる形態をとる。例えば車両要求装置は、
図2及び
図3に示すような固定場所装置20の形態をとる。名称が示すように、固定場所装置は単一の場所のみに関連付けられ、当該場所に車両を要求するためにのみ使用される。車両要求装置は、移動電話等の移動装置22の形態を更にとる。そのような移動装置は、以下に更に詳細に説明するように、自身の場所を判定でき、自身の現在地又は要望に応じて他の何らかの場所に車両を要求するために使用可能である。車両要求装置は、自身の場所を判定する手段を有さないが特定の場所への配車を要求するために依然として使用可能であるデスクトップ又はポータブルパーソナルコンピュータ等の演算リソース24であってもよい。
【0056】
各車両要求装置12は、タクシー等の車両に対する要求をサーバ10に送出するためにユーザにより使用される。要求は、通常は乗車場所又はそのような場所を導出するために使用されるデータを含み、乗車時刻、降車場所、所望の車両の種類又はサイズ(例えば、自動車、ミニバン、リムジン等)、乗車人数、並びにチャイルドシートの必要性、身障者対応の必要性又は特定の運転者の希望等の何らかの追加の好みのうちの少なくとも1つを更に含んでもよい。車両要求は、移動通信ネットワーク、インターネット等の何らかの適切な通信手段を使用してサーバ10へ送信される。
【0057】
車両要求がサーバ10において受信されると、サーバは要求において提示された基準を満たす適切な車両14を選択する。従って、サーバ10はユーザの要求に基づいて適切な車両を派遣する配車システムとして機能する。
【0058】
車両14はそれぞれ、場所判定手段とサーバ10と通信するための通信手段とを備える装置200を装備する。車両内の装置はどんな適切な形態であってもよいが、例示的な実施形態においてナビゲーション装置である。ナビゲーション装置は、車両に取外し可能に搭載されるポータブルナビゲーション装置(PND)であってもよく、あるいは車両に内蔵されるナビゲーション装置であってもよい。車両14のうちの1つに配置可能なナビゲーション装置200の例示的な表現を
図4に示す。
【0059】
各車両装置は、自身及び車両の現在地をサーバ10へ定期的に送信する。従って、サーバ10は、何らかの時点におけるシステム内の全車両の現在地を少なくとも適切な精度で認識する。サーバは、例えば車両が既に要求を完了中であるか及び車両の運転者が他の何らかの理由で対応できないか等の車両の現在の利用可能性を更に認識する。この点において、各運転者は自身の車両が要求を受信できる時間範囲を入力できる。あるいは、運転者は要望に応じて単に装置を起動又は停止する。運転者は、自身が走行する又は走行しない予定である特定の場所又は範囲を更に入力してもよい。
【0060】
サーバ10は、特定の要求に応答して車両14を選択し、入札システム、評価使用システム及び自動配車システムのうちの1つ以上に従って要求装置12と車両内の装置200とを一時的に関連付ける。しかし、車両と受信した要求とをマッチングするためにサーバ10においてどんな選択方法又は選択方法の組み合わせが要望に応じて使用されてもよいことが理解されるだろう。
【0061】
入札システムにおいて、車両要求を満たすことができる各運転者は、仕事に入札する機会を提供される。入札システムは、仕事が開始価格で複数の運転者に提示され、1人の運転者が受け入れるまで価格が徐々に減少するフラワー式入札システムである。あるいは、入札システムは、各運転者が入札を続け、最高入札者が仕事を落札する競売入札システムである。
【0062】
評価利用システムにおいて、各運転者は例えば以前の顧客のレビューに基づいて特定の評価を与えられ、顧客の要求は満たされる必要のある所望の運転者評価を含む。仕事は、それに従って、要求された評価以上の評価を有する運転者のみに提供される。
【0063】
それに対して、自動配車システムにおいて、サーバ10は、例えば要求された場所への予想到着時刻に基づいて車両による待機時間を最小限にすることである1つ以上の基準に基づいて、特定の車両14に車両要求を割り当てる。基準は、例えば距離及び/又は時間に関して最も近い車両を含む。これにより、仕事を効率的な方法で割り当てることができ、例えば車両の総走行距離、燃料消費、整備コスト、燃料関連税等を軽減する。明らかなように、運転者はサーバ10により最適であると選択された場合であっても、例えば自身のナビゲーション装置上での適切なユーザ入力により仕事を断ってもよい。
【0064】
仕事が車両に与えられ且つ車両の運転者により受け付けられると、また、いくつかの状況においては要求を作成したユーザにより更に受け付けられると、要求装置と車両内のナビゲーション装置とが関連付けられる。この関連付けにより、例えば移動が完了して支払いが行われる時等の関連付けが解除される時まで、2つの装置間でデータを交換できるようになる。
【0065】
車両が仕事を獲得すると、仕事の詳細が車両のナビゲーション装置200に送出される。その詳細は乗車場所を含み、要求を作成したユーザの詳細を更に含んでもよい。ナビゲーション装置は、自動的に又は運転者による入力時に車両の現在地から乗車場所への経路を計算し、運転者に対して場所への案内を開始する。あるいは、車両が現在仕事を終えているところである場合、乗車場所は必要になるまでメモリに一時格納されるか、あるいは現在の仕事の降車場所を中間地点として使用して乗車場所への経路が計算される。経路計算の後、乗車場所への推定到着時刻(ETA)が生成され、要求装置12に供給される。例えば車両が計算された経路を移動するのに従ってETAが変化した場合、更新されたETAは必要に応じて要求装置12に送出される。
【0066】
サーバ10及び車両14のナビゲーション装置200はそれぞれ、経路計算に使用される同一のデジタル地図データを有するか又はそれにアクセスする。地図データは、過去及び/又は現在の道路交通情報、天候情報、タクシー車線の存在、あるいは最適な経路及び/又は推定到着時刻に影響を及ぼす他の情報を含むか又は補足される。従って、サーバ10は車両のナビゲーション装置200において計算される経路を認識し、例えば車両が走行する必要のある経路から外れているかを判定できる。サーバ10がそのような進路変更を識別する場合、サーバ10は乗客又は別の第三者に警告するか、あるいはそれに応じて運転者の評価を低下させる。元の車両が依然として乗車場所から遠ざかっている場合、サーバ10は別の車両に要求を渡してもよい。この進路変更には、例えば閉鎖道路、事故、道路工事等のサーバが利用できるデジタル地図データに含まれない正当な理由が存在する場合があるため、好適な実施形態において、サーバ10における進路変更判定アルゴリズムは、車両が目的地に到着した実際の時刻と推定到着時刻とを比較し、実際の時刻が推定時刻より所定量を超えて遅い場合のみ運転者の評価を低下させる。
【0067】
乗車場所でユーザを乗車させると、車両14のナビゲーション装置200は所望の降車場所に運転者を案内する。降車場所は、元の車両要求においてユーザにより提供されているか、あるいは乗車時に乗客により運転者に提供される。降車場所に到着すると、乗客は移動に対して支払う。支払いは現金を使用して、あるいはクレジットカード又はデビットカードを使用して行われるが、乗客がサーバ10上にアカウントを有し、それに移動が割り当てられることにより電子決済が行われるのが好ましい。
【0068】
車両要求装置12がとる1つの形態は固定場所装置20である。固定場所装置の一例を
図2及び
図3に示す。
【0069】
固定場所装置20は、ホテル、バー、レストラン、ショッピングモール又は鉄道駅等の建物内又は屋外の待ち合わせ場所に配置され且つ単一の乗車場所に関連付けられるように構成される。乗車場所は、装置の実際の場所であってもよく、あるいはホテル又はバーの道路側の入口、又はタクシーが安全に停車できる道路上の最も近い地点等の装置の近傍の場所であってもよい。
【0070】
固定場所装置20は、装置に関連付けられた乗車場所に対する複数の車両要求を発行させ且つそれらの要求のうちの2つ以上を同時に保留中にするように構成される。
図2に示すように、装置20は、ユーザが車両要求を作成できる第1のボタン126を有する。一実施形態において、ボタンは要求がトリガされるまでに1秒等の所定の期間押下される必要がある。装置20は、以前に作成した車両要求をキャンセルできる第2のボタン128を更に有する。装置20のケーシング122内にはサーバ10と通信する手段が存在する。これは、通常はGSM又はGPRS等の移動通信モジュールである。それに加えて又はその代わりに、装置20は、例えば移動通信の有効範囲が制限される領域に対するWiFiモジュールを含んでもよい。そのようなモジュールは、ケーシング122内のプリント回路基板(PCB)136上に配置されるのが好ましい(
図3に示すように)。装置20はインターネットへの物理接続を更に有してもよいが、そのような構成は装置20が配置される場所を限定する。
【0071】
装置20は外部電源138への接続を有するが、装置20はそれに加えて又はその代わりにバッテリ又は他の内部電源を有してもよいことが理解されるだろう。
【0072】
装置20はLED又は他の同様の発光素子130、並びに/あるいはスピーカ等の出力手段を更に備え、好適な実施形態において、これは車両が乗車場所から所定の距離内に存在するか又は乗車場所に到着した時を示すために使用される。
【0073】
ボタン126が押下される場合、装置20に関連付けられた参照番号を含む車両要求がサーバ10へ送信される。サーバ10は、それぞれがシステム内の各固定場所装置に対応する参照番号及び各参照番号に関連付けられた乗車場所のリストを有する。これにより、送信される車両要求に含まれる必要のあるデータ量が制限され、また、装置20に関連付けられる乗車場所を容易に変更できる。
【0074】
装置20は関連するディスプレイ124を有し、これは保留中の各要求の現在の状態を示すメッセージを表示するために使用される。
図2に示すように、ディスプレイ124は装置20のケーシング22内に配置される。しかし、他の実施形態において、ディスプレイ124は装置とは別に、例えば近くの壁に配置されてもよい。例えばメッセージは最初に、要求が発行されたことを示す。その後、メッセージは、車両が要求を受け付けたこと及び乗車場所に向かっていることを示すように変更される。このメッセージは、車両、運転者及び/又は乗車場所へのETAの詳細を更に含んでもよい。その後、メッセージは車両が乗車場所に到着したことを示すように変化する。
【0075】
メッセージは、要求に関連付けられた車両が乗車場所から出発したという指示がサーバ10から受信される場合にディスプレイから除去される。この判定は、例えば車両が乗車場所を含む領域内に所定の期間停車した後に領域外に移動したと判定することにより、サーバ10において自動的に行われる(以下に更に詳細に説明するように)。あるいは、車両の運転者が乗車場所から出発することをナビゲーション装置200上で指示し、この指示がサーバ10を介して装置20へ送信される。
【0076】
装置20は、テーブル、バーエリア又は壁等の平坦な表面142に固定されるように構成される。従って、装置20は、ねじ140が装置を表面142に固定するために配置される開口134を有する。装置20の底部135は、単一の場所に装置を固定し且つバー又はレストラン等の環境において多く見られるような濡れた表面上で装置20が移動するのを阻止することを補助するゴム脚132等の支持特徴を更に有する。このため、通常、装置のケーシング122は耐水性である。
【0077】
車両要求装置12がとる別の形態は、移動電話、タブレットコンピュータ、ポータブルデジタルアシスタント(PDA)等の移動装置22である。
【0078】
移動装置22は、入力装置及び表示画面に接続されたプロセッサを含む筐体内に配置される。入力装置は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される他の何らかの既知の入力装置を含み、表示画面は、LCDディスプレイ等の何らかの種類の表示画面を含む。特に好適な構成において、入力装置及び表示画面はタッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、それによりユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために表示画面の一部分に触れるだけでよい。
【0079】
移動装置22は、装置22の現在地を判定できる場所判定手段を有する。好適な一実施形態において、場所判定手段は、場所データを含む衛星放送信号を受信及び処理して装置の現在地を判定するGPS受信機等のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)受信機である。
【0080】
ユーザが車両要求を作成し且つサーバ10に当該車両要求を送出できるソフトウェアアプリケーションが移動装置22のプロセッサ上で実行する。車両要求は、GSM又はGPRSモジュール等の無線通信モジュールを使用してサーバ10に送出される。車両要求は、移動装置22の現在地(GNSS受信機から取得される)又はユーザにより入力装置上で入力された場所である乗車場所を含む。車両要求は、同様にユーザにより入力装置上で選択された降車場所を更に含んでもよく、乗車時刻を更に含んでもよい。乗車時刻は、タクシーがすぐに必要であるという指示であってもよく、あるいはユーザにより入力装置上で入力される特定の未来の時刻であってもよい。
【0081】
上述のように、移動装置22からの車両要求がサーバ10において受信されると、要求内の基準を満たす車両14が選択される。その後、サーバ10において2つの装置が一時的に関連付けられる。すなわち、それにより、要求された移動が完了するまで、2つの装置はシステム上で結び付けられる。サーバ10は、移動装置22へ選択された車両14の詳細を送信する。この詳細は、車種、色、登録番号等の車両に関する情報、写真、名前、電話番号等の運転者に関する情報、並びに車両の現在地及び/又は車両が乗車場所に移動する際の経路及び/又は乗車場所への推定到着時刻に関する情報を含む。サーバ10は、車両が乗車場所に移動する過程をユーザが確認できるように、移動装置22に選択された車両14の位置を継続的に送出してもよい。
【0082】
ユーザは、サーバ10へ送信される要求内に自身が要求する移動に対して希望する運転者又は運転者の集合を含んでもよい。あるいは、ユーザは、1人以上の好ましい運転者とサーバ10上に格納されたプロフィールとを関連付けてもよい。サーバ10は、要求を完了する車両を選択する際に好ましい運転者を考慮する。
【0083】
乗車場所への車両14の到着は移動装置22へ送信され、適切な警報がユーザに提供される。警報は、装置の表示画面上の視覚警報、可聴警報、触覚警報又はそれらの何らかの組み合わせである。乗車場所への車両の到着は、例えば以下に詳細に説明するようにサーバ10により自動的に判定される。あるいは、車両の到着は、運転者が自身のナビゲーション装置200上で指示を提供する時に判定される。そのような警告の提供に加えて、乗車場所における車両14の現在地に関する指示が移動装置22上で提供されてもよい。指示は、例えば移動装置22の現在地からサーバ10から受信された車両14の現在地を指す方向指示ポインタ又は矢印である。このポインタは、コンパス、ジャイロスコープ又は加速度計のうちの1つ以上等の移動装置22内の何らかの適切な手段を使用して生成される。そのようなポインタ又は矢印を使用することにより、ユーザは、車両が例えば路上で多くの他のタクシーの隣りに駐車されているためユーザが識別するのが困難である場合であっても、車両14を識別できる。
【0084】
ユーザが選択された車両14を見つけて乗車すると、降車場所が元の車両要求から既知である場合、車両の運転者は降車場所に向けた移動を即座に開始する。あるいは、ユーザは単純に運転者に乗車場所を直接告げ、運転者はナビゲーション装置200に目的地を入力する。他の実施形態において、サーバ10において2つの装置が一時的に関連付けられているため、ユーザは移動装置22上で所望の降車場所を入力し、車両のナビゲーション装置200へ当該目的地を送信する。最終的な降車場所が提供される前に運転者が移動を開始できるように、ユーザは運転者に凡その目的地を提供した後に上記の動作を行ってもよい。明らかなように、この機能性により更に、ユーザは要望に応じて降車する目的地を途中で変更できる。
【0085】
乗車場所から降車場所への移動中、ユーザは、車両が移動している経路の表現、並びにナビゲーション装置及び車両の現在地を移動装置22のディスプレイ上で見ることができる。経路情報及び車両の位置はサーバ10から受信される。従って、ユーザは運転者がナビゲーション装置により判定された最適な経路に沿って移動しているかを見ることができる。運転者が当該経路から外れる場合、ユーザはこれを見ることができ、必要に応じて、進路変更の理由を運転者に尋ねることができる。移動装置上で実行するソフトウェアアプリケーションは、ユーザが移動中の車両において不快に感じた場合にサーバ10又は別の第三者に警告を送出できる手段を更に含んでもよい。この警告は、例えば所定の数を超えるナビゲーション命令が運転者により無視されるか又は車両が計算された経路から事前に定義された距離を離れているか等を判定することで運転者が計画された経路から所定量を超えて外れたかを判定することにより、サーバ10において自動的に生成されてもよい。ユーザは、自動的に生成された警告が送出される前にそれを移動装置22上で確認するように求められてもよい。
【0086】
移動に対する支払いは、例えばユーザが一定の金額を関連付けられたアカウントをサーバ10上に設定することにより、自動的に行われてもよい。移動料金は、ユーザのアカウントから単純に引き落とされる。これは、自動的に行われるか、あるいは運転者及び/又はユーザが各々の装置上で支払い金額を確認すると行われる。
【0087】
移動の最後に、ユーザは移動装置22を更に使用して、移動及び/又は運転者の評価を提供できる。この評価はサーバ10へ送信され、サーバ10において保持される関連する運転者の詳細に関連付けられる。運転者の評価は、上述のように、車両要求を完了する車両を選択する際にユーザ及び/又はサーバ10により使用される。運転者に関連付けられる評価は、運転者が計算された最適な経路を走行しなかった結果、時間及び/又は距離に関してユーザの移動が必要以上に長くなったとサーバ10が判定する場合に自動的に低下されてもよい。
【0088】
図4は、車両14のうちの1つに配置されるナビゲーション装置200を例示的に示す図である。ナビゲーション装置200をブロック形式で示す。尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。以下の段落において、ナビゲーション装置200は車両に取外し可能に搭載されるポータブルナビゲーション装置(PND)であると説明される。しかし、ナビゲーション装置200は他の実施形態において車両に内蔵されてもよいことが理解されるだろう。
【0089】
ナビゲーション装置200は、通常、地図が範囲に含む地理的範囲内の通行可能な経路の区分を表す複数の通行可能な区分を有するデジタル地図データを備える。デジタル地図データは、ナビゲーション装置を搭載した車両が走行できる場所の間の経路を計算し且つ計算された経路に従って運転者を案内するために適切なナビゲーション命令を運転者に提供するためにナビゲーション装置200により使用される。
【0090】
ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に配置される。筐体は、入力装置204及び表示画面206に接続されたプロセッサ202を含む。入力装置204は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される他の何らかの既知の入力装置を含み、表示画面206は、例えばLCDディスプレイ等の何らかの種類の表示画面を含む。特に好適な構成において、入力装置204及び表示画面206はタッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、それによりユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために表示画面206の一部分に触れるだけでよい。
【0091】
ナビゲーション装置200は、例えば可聴出力装置(例えば、スピーカ)である出力装置208を含んでもよい。出力装置208がナビゲーション装置200のユーザに対する可聴情報を生成できるため、同様に、入力装置204は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアも含むことができると理解されるべきである。
【0092】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ202は、接続210を介して入力装置204に動作可能に接続され且つ入力装置204から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ202は、情報を出力するために、出力接続212を介して表示画面206及び出力装置208の少なくとも一方に動作可能に接続される。更に、プロセッサ202は、接続216を介してメモリリソース214に動作可能に結合され、接続220を介して入出力(I/O)ポート218との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート218は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置222に接続可能である。メモリリソース214は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ及び例えばフラッシュメモリ等のデジタルメモリである不揮発性メモリを含む。外部I/O装置222は、例えばイヤホン等の外部リスニングデバイスを含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置222への接続は、例えばイヤホン又はヘッドホンへの接続のため及び/又は移動電話への接続のためにハンズフリー動作及び/又は音声起動動作を行うカーステレオユニット等の他の何らかの外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、移動電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の何らかのネットワークとの間のデータ接続を確立するため、並びに/あるいはインターネット又は例えば他の何らかのネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0093】
図4は、接続226を介するプロセッサ202とアンテナ/受信機224との間の動作可能な接続を更に示す。この場合、アンテナ/受信機224は、例えばGPSアンテナ/受信機である。図中符号224で示されるアンテナ及び受信機は図示のために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるだろう。
【0094】
更に、
図4に示す電子構成要素は従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者により明らかなように、
図4に示す構成要素の異なる構成は本出願の範囲に含まれると考えられる。例えば
図4に示す構成要素は、有線接続及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、本出願のナビゲーション装置200の範囲は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200を含む。
【0095】
更に、
図4のポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば自転車、オートバイ、自動車又は船舶等の乗り物に既知の方法で接続されるか又は「ドッキング」される。その場合、そのようなナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションとして使用するためにドッキング場所から取外し可能である。
【0096】
次に
図5を参照すると、ナビゲーション装置200は、デジタル接続(例えば、既知のBluetooth技術を介するデジタル接続等)を確立する移動装置(不図示)(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を用いる何らかの装置等)を介して、サーバ302との「モバイル」ネットワーク接続又は電気通信ネットワーク接続を確立する。その後、そのネットワークサービスプロバイダを介して、移動装置は、サーバ302とのネットワーク接続(例えば、インターネットを介する)を確立する。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体で及び/又は車両に搭載されて走行するため移動装置であってもよく、多くの場合は移動装置である)とサーバ302との間に確立される。
【0097】
例えばインターネット(ワールドワイドウェブ等)を使用した移動装置(サービスプロバイダを介する)とサーバ302等の別の装置との間のネットワーク接続の確立は、既知の方法で行われる。これは、例えばTCP/IP階層プロトコルの使用を含む。移動装置は、CDMA、GSM、WAN等の1つ又は複数の通信規格も利用できる。
【0098】
そのため、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術を介するデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続の場合、サーバ302とナビゲーション装置200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば移動電話又は他の移動装置及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続は通信会社により提供される移動装置用高速データ接続であり、GPRSはインターネットへの接続方法である)を介して行われる。
【0099】
更に、ナビゲーション装置200は、移動装置とのデータ接続を完了し、例えば既存のBluetooth技術を介して既知の方法でインターネット及びサーバ302とのデータ接続を最終的に完了する。この場合、データプロトコルは、例えばGSM規格に対するデータプロトコル規格であるGSRM等のどんな数の規格も利用できる。
【0100】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自体の内部にそれ自体の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含むか、あるいはオプションとしてナビゲーション装置200の内部アンテナを使用する)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、上述のような内部構成要素を含み且つ/あるいは例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナを備える挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール、すなわちSIMカード)を含む。そのため、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、何らかの移動装置と同様の方法で、例えばインターネットを介してナビゲーション装置200とサーバ302との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0101】
GPRS電話設定の場合、多様な移動電話の機種、製造業者等と共に正しく動作するために、Bluetooth対応のナビゲーション装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納される。この情報のために格納されたデータは更新可能である。
【0102】
図5において、ナビゲーション装置200は、多くの異なる構成のいずれかにより実現可能な汎用通信チャネル318を介してサーバ302と通信しているものとして示される。通信チャネル318を介する接続がサーバ302とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ302及びナビゲーション装置200は通信できる(尚、そのような接続は、移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等である)。
【0103】
サーバ302は、不図示の他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。プロセッサ304は、通信チャネル318を介してナビゲーション装置200との間で情報を送信及び送出するために、送信機308及び受信機310に動作可能に更に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び/又は他の伝搬信号を含む。送信機308及び受信機310は、ナビゲーションシステム200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計される。尚、送信機308及び受信機310の機能は信号送受信機に組み合わされてもよい。
【0104】
サーバ302は、大容量記憶装置312に更に接続される(又は大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合される。大容量記憶装置312は、大量のナビゲーションデータ及び地図情報を含む。また、大容量記憶装置312はサーバ302とは別個の装置であってもよく、あるいはサーバ302に組み込まれてもよい。
【0105】
ナビゲーション装置200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、
図4に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等を含み、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を更に含む。尚、これらの装置はサーバ302以外の装置と通信するために更に使用可能である。更に、送信機320及び受信機322はナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0106】
サーバメモリ306に格納されたソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーション装置200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーション装置200へのナビゲーションデータの送信を含む。サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々のアルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーション装置200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0107】
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーション装置200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ302及びナビゲーション装置200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。
【0108】
通信チャネル318は特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル318は単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば通信チャネル318は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成可能である。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、変換器、無線周波数(RF)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル318は、例えばルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含む。
【0109】
1つの例示的な構成において、通信チャネル318は電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に対応できる。更に、通信チャネル318は衛星通信に対応できる。
【0110】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は要求される信号を含むが、それらに限定されない。例えば信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(GSM)等のセルラ通信技術において使用されるように構成される。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信可能である。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
【0111】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に配置されるネットワークサーバを含む。他の実施形態において、サーバ302はデスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含み、通信チャネル318はパーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されたケーブルである。あるいは、パーソナルコンピュータがナビゲーション装置200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立する。あるいは、インターネットを介してサーバ302にナビゲーション装置200を接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置がインターネットへの無線接続を確立する。
【0112】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を受信してもよい。情報は、自動的に又はユーザがサーバ302にナビゲーション装置200を接続する際に定期的に更新され且つ/あるいは例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーション装置200との間により継続して又は頻繁に接続が確立される際により動的に更新される。多くの動的計算のため、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求を処理するために使用される。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ202も同様に、多くの場合はサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0113】
好適な実施形態において、ナビゲーション装置200は、同一の装置が多くの異なるユーザにより使用されるように、多くのユーザプロフィールを格納するように構成される。これは、ナビゲーション装置200が多くの異なる運転者間で共有されることの多いタクシー又は他の同様の車両内で使用される場合に有益である。特定のユーザが例えば「運転者A」アイコン400に触れるか又は「新規ユーザ」アイコン402を使用して自身の詳細を入力することにより装置にログインする場合(
図6に示すように)、この選択の指示はサーバ10に送出され、それによりサーバは運転者と車両とを関連付ける。それにより、車両がユーザから提出された車両要求を完了するために選択される場合、正確な運転者の詳細及び/又は評価がユーザに供給される。
【0114】
車両要求がサーバ10において受信される場合、1つ以上の適切な車両14が選択され、要求は各車両内のナビゲーション装置200へ送信される。ナビゲーション装置200上に示される画面の例を
図7に示す。本例において、車両要求404は、Amsterdam市の中心部の場所において車両を至急求めるユーザに関係する。
【0115】
図7の画面の左下隅には、「休止」406と示される選択されたアイコンが存在する。運転者は、現時点で要求を受け付けられないことを示すためにいつでも当該アイコンに触れることができる。明らかなように、アイコン406が触れられる場合、車両が現在利用可能でないことをシステムに通知するために指示がナビゲーション装置200からサーバ10へ送信される。
【0116】
運転者が車両要求メッセージ404に触れる場合、ナビゲーション装置は、要求に関連する乗車場所が中心になるように表示地図を移動する。運転者が乗車場所をすぐに識別できるように、乗車場所は例えば円410により及び/あるいは地図表示の他の部分の色を薄くするか又は白黒表示にすることにより画面上で強調表示される。同様に運転者が乗車場所を識別するのを補助するために、車両408の現在地が画面上に更に示される。運転者が車両要求を受付けたい場合、アイコン414に触れる。あるいは、運転者が車両要求を辞退したい場合、アイコン412に触れる。
【0117】
車両要求404を受付ける場合、運転者は
図9に示すように要求を獲得するか、あるいは
図10に示すように要求を獲得しない。
【0118】
運転者が要求を獲得する場合、車両要求の全詳細がサーバ10によりナビゲーション装置200に送出される。例えば問題の車両要求の場合、
図11に示すように、要求はJonathan Miller Johnsonにより又は彼の代わりに提出された。要求の詳細は少なくとも乗車場所(A)424を含み、これは本例ではAmsterdamの中心部のDamrakである。運転者は、要求の日付425及び乗車場所への推定到着時刻423を更に見る。乗車場所へのETAは、車両の現在地から乗車場所への経路を計画するナビゲーション装置200により判定され、好適な実施形態において、過去、現在及び/又は推定される未来の交通状況が考慮される。
図11に示すように、要求は、例えば「黄色い公衆電話ボックスの前に立っています」というユーザが現在位置する場所を示すユーザからのメッセージと運転者がユーザに連絡できるアイコン422とを更に含んでもよい。
【0119】
図11に示す移動詳細画面は運転者が移動中にいつでもアクセスでき、それに含まれる情報は移動の現在の状態を反映するように更新される。例えばユーザが場所Aにおいて乗車し且つ運転者に目的地の場所を提供した場合、画面は当該場所の詳細及び関連するETAを更に含む。移動詳細画面は、以前に受け付けた移動をキャンセルするために運転者により更に使用される。これは、「移動をキャンセルする」アイコン426を選択することにより行われ、適切なメッセージがサーバ10に送出される。メッセージは、交通、車両事故又は車両故障等のキャンセル理由を含んでもよい。そのようなキャンセルを受信すると、乗車場所への別の車両の派遣及びそれに伴うユーザへの通知等の適切な動作がサーバ10において行われ、あるいは、現在の車両が故障した場合は別の車両が現在の車両の場所に派遣される。正当な理由なく移動がキャンセルされた場合、運転者の評価は特定の量を自動的に低下される。
【0120】
移動が運転者により受け付けられ且つ/又は獲得されると、ナビゲーション装置200は乗車場所への経路を自動的に計算し、運転者に案内を提供する。これを例えば
図12に示す。乗車場所への車両の到着は、同様に
図12に示すように、運転者が「乗車場所に到着した」アイコン428を選択することにより示される。しかし、乗車場所への車両の到着はサーバ10において自動的に判定されてもよく、それを示すメッセージがナビゲーション装置200に送出されることが更に考えられる。サーバ10が特定の場所に対する車両の到着及び/又は出発を自動的に検出する方法を以下に更に詳細に説明する。
【0121】
車両が乗車場所(A)に到着する場合、ナビゲーション装置200は
図13に示す画面を表示する。ユーザはこの時点で車両に乗車し、降車場所がまだ提供されていない場合、すなわち元の車両要求において提供されなかった場合、運転者は降車場所をユーザに尋ねる。これは、運転者によりナビゲーション装置200に入力されてもよく、あるいはユーザにより例えば移動装置22である要求装置上で提供されてもよい。降車場所が提供されると、運転者は「降車場所に移動する」アイコン430を選択し(
図13に示すように)、ナビゲーション装置200は乗車場所(A)から降車場所(B)への経路を計算して運転者にナビゲーション案内を提供する。
【0122】
図13に示すように、車両が乗車場所に到着した時に運転者及びユーザが互いの位置をすぐに特定できない場合、運転者は「顧客に連絡する」アイコン432を使用してユーザに連絡しようとすることができる。依然としてユーザの位置を特定できない場合、運転者は「不在」アイコン434を選択し、それにより、適切なメッセージがサーバ10に送出される。そのようなイベントの後、サーバ10は、ユーザのアカウントに関連付けられるユーザの評価を低下させる。これにより、ユーザがシステムを乱用すること及び無効な車両要求を継続的に作成することを阻止する。
【0123】
運転者が降車場所に案内される際、
図14に示すような画面がナビゲーション装置200上に表示される。乗車場所への到着と同様に、降車場所への車両の到着は運転者が
図14に示すように「降車場所に到着した」アイコン436を選択することにより示される。しかし、この場合も、降車場所への車両の到着はサーバ10において自動的に判定されてもよく、それを示すメッセージがナビゲーション装置200に送出されることが考えられる。
【0124】
車両が降車場所(B)に到着する場合、ナビゲーション装置200は
図15に示す画面を表示する。この画面から、運転者は移動時間及び距離を含む完了された移動の概要438を見ることができる。運転者は、「移動終了」アイコン439を選択することにより移動を終了し、それにより、移動に対する支払いを確認するためにメッセージがサーバ10によりユーザの移動装置22に送出される。運転者は、「フィードバックの提供」アイコン440を選択することにより移動及び/又はユーザに関する情報を提供することもできる。例えば運転者は、ユーザからの更なる車両要求の受信を希望しないことを示すことができる。
【0125】
図16を参照して、サーバ10が乗車又は降車場所への車両の到着を自動的に判定する方法を以下に説明する。
【0126】
サーバ10は、乗車又は降車場所を含む地理的領域を定義する(500)。通常、この領域は場所を中心とする半径250mの円である。場所に移動中の車両に関する位置データが解析され、車両が減速して定義された領域内で所定の期間停車したか及び計算された経路に関連する推定到着時間を含む期間内のある時点で停車したかが判定される(504)。計算された経路のETAを到着検出アルゴリズムにおいて利用することにより、実際は車両が例えば隣接する道路の交通信号で停車した場合に車両が場所に到着したと誤判定する可能性が実質的に低減される。
【0127】
上記の説明において、ユーザは説明した車両要求装置12のうちの1つを使用して車両に対する要求を作成し且つ車両が要求した乗車場所に到着した時に乗車すると仮定する。本例において、車両要求の送信の結果、サーバ10において車両要求装置12と車両14とが一時的に関連付けられる。この一時的な関連付けは、電子決済、降車場所の途中変更、運転者及び/又は乗客の評価、並びに乗客による車両が移動する必要のある経路の閲覧等の本発明に関連する多くの利点を提供するために使用される。しかし、ユーザが近くを通行する車両を呼び止めた場合、ユーザ及び車両の双方が本発明の車両要求管理システムの一部である場合であっても、そのような一時的な関連付けが行われないことが理解されるだろう。
【0128】
この問題は、
図17に示す方法を使用することにより克服される。
【0129】
ユーザが通行中のタクシーを呼び止める場合、ユーザは移動装置22を使用して、車両14に乗車したか又はこれから乗車するという指示をサーバ10に送出する(600)。この指示は、例えば移動装置22上の適切なソフトウェアアプリケーションを単に開くことにより生成される。移動装置22からサーバ10に送出される移動装置22の位置及び動きを示す位置データを使用して、サーバ10は移動装置22を含む事前に定義された地理的領域内に存在する車両を識別する。この領域は、例えば移動装置22の現在地を中心とする約30mの半径を有する円である(604)。そのような車両が識別されると、サーバ10において、移動装置22から受信した位置データと識別された車両の位置データとが比較され、車両のいずれかが同一の移動パスに沿って移動装置22と同時に移動しているが判定される。そのような同時移動は、同様の速度、加速及び方向変化等により示される。単一の車両のみが移動装置22と同時に移動していると識別される場合、ユーザが現在移動している車両はこれであると推論され、サーバ10は移動装置22と車両内のナビゲーション装置200とを関連付ける。あるいは、複数の候補車両が識別される場合、例えば車両及び/又は運転者の詳細である適切な識別情報を有する車両のリストがサーバ10により移動装置22に送出される(608)。ユーザは移動装置22上でリストから適切な車両を選択でき、この選択はサーバ10へ送信される(610)。サーバ10は、移動装置22と選択された車両内のナビゲーション装置200とを関連付ける(612)。
【0130】
以上、本発明の種々の態様及び実施形態を説明したが、本発明の範囲は本明細書に記載される特定の構成に限定され、全ての構成、並びにそれらに対する変更及び変形を含むことが理解されるだろう。例えば、前述の説明中で説明した実施形態はGPSを参照するが、装置は、GPSの代わりに又は実際はGPSに追加して、どんな種類の位置検出技術を利用してもよい。例えば装置は、欧州のGalileoシステム等の他のグローバルナビゲーション衛星システムを利用してもよい。同様に、装置は衛星利用システムに限定されず、地上ビーコン、あるいは装置が自身の地理的場所を判定できるようにする他の種類のシステムを使用しても容易に機能できる。
【0131】
好適な実施形態はある特定の機能性をソフトウェアにより実現するが、その機能性はハードウェアのみで(例えば、1つ以上のSIC(特定用途向け集積回路)により)同様に実現可能であり、あるいは実際はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現可能であることが当業者には更に理解されるだろう。
【0132】
最後に、添付の特許請求の範囲は本明細書中で説明した特徴の特定の組み合わせを記載するが、本発明の範囲は、以下に特許請求される特定の組み合わせに限定されるのではなく、特定の組み合わせが添付の特許請求の範囲に特に記載されているか否かに関わらず、本明細書中で開示された特徴又は実施形態のどんな組み合わせも含む。