【文献】
Microsoft Corporation,Discussion on DL and UL transmissions for licensed-assisted access using LTE,3GPP TSG-RAN WG1#80 R1-150631,2015年 2月13日
【文献】
Ericsson,Discussion on UL HARQ handling in LAA,3GPP TSG-RAN WG1#80 R1-150583,2015年 2月13日
【文献】
Intel Corporation,On the LAA uplink: scheduling, LBT, and HARQ,3GPP TSG-RAN WG1#80 R1-150507,2015年 2月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を用いたキャリアアグリゲーションを利用して無線基地局と通信するユーザ端末であって、
各CCから送信されるDL信号を受信する受信部と、
UL信号を送信する送信部と、
送信前にリスニングが適用されるセカンダリCCが設定され、前記セカンダリCCにおけるUL信号をスケジュールする下り制御情報を受信した場合、リスニング結果に関わらず、前記UL信号を送信すると想定してPH(Power Headroom)を計算する制御部と、を有することを特徴とするユーザ端末。
前記受信部が前記下り制御情報を受信した場合、前記制御部は、前記セカンダリCCにおいてPHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)の検出を行わないように制御することを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
前記制御部は、前記セカンダリCCにおいて送信したUL信号に対して、前記下り制御情報に含まれるHARQプロセス番号に基づいて再送制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のユーザ端末。
複数のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を用いたキャリアアグリゲーションを利用して無線基地局と通信するユーザ端末の無線通信方法であって、
各CCから送信されるDL信号を受信する工程と、
UL信号を送信する工程と、を有し、
送信前にリスニングが適用されるセカンダリCCが設定され、前記セカンダリCCにおけるUL信号をスケジュールする下り制御情報を受信した場合、前記ユーザ端末は、リスニング結果に関わらず、前記UL信号を送信すると想定してPH(Power Headroom)を計算することを特徴とする無線通信方法。
複数のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を用いたキャリアアグリゲーションを利用するユーザ端末と通信する無線基地局であって、
送信前にリスニングが適用されるセカンダリCCにおけるUL信号をスケジュールする下り制御情報を送信する送信部と、
前記下り制御情報が前記ユーザ端末によって受信された場合、前記ユーザ端末のリスニング結果に関わらず、前記UL信号を送信すると想定して計算されたPH(Power Headroom)の報告を受信する受信部と、を有することを特徴とする無線基地局。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、キャリアアグリゲーション(CA)の説明図である。
図1に示すように、既存システム(LTE Rel.12まで)のCAでは、LTE Rel.8のシステム帯域を一単位とするコンポーネントキャリア(CC)が最大5個(CC#1〜CC#5)束ねられる。すなわち、LTE Rel.12までのキャリアアグリゲーションでは、ユーザ端末(UE:User Equipment)あたりに設定可能なCC数は、最大5個(1個のプライマリセル、最大4個のセカンダリセル)に制限される。
【0018】
プライマリセル(PCell、PCC)とは、CA/DCを行う場合にRRC接続やハンドオーバを管理するセルであり、端末からのデータやフィードバック信号を受信するためにUL伝送も必要となるセルである。プライマリセルは、上下リンクともに常に設定される。セカンダリセル(SCell、SCC)とは、CA/DCを適用する際にプライマリセルに加えて設定する他のセルである。セカンダリセルは、下りリンクだけ設定することもできるし、上下リンクを同時に設定することもできる。
【0019】
一方、LTEのさらなる後継システム(例えば、LTE Rel.13以降)では、ユーザ端末当たりに設定可能なCCの数の制限を緩和し、6個以上のCC(セル)を設定する拡張キャリアアグリゲーション(CA enhancement)が検討されている。例えば、
図1に示すように、32個のCC(CC#1〜CC#32)を束ねる場合、最大640MHzの帯域を確保可能となる。このように、ユーザ端末あたりに設定可能なCC数を拡張することにより、より柔軟且つ高速な無線通信を実現することが期待されている。
【0020】
また、LTEのさらなる後継システム(例えば、LTE Rel.13以降)では、LTEシステムを、通信事業者(オペレータ)にライセンスされた周波数帯域(Licensed band)だけでなく、ライセンス不要の周波数帯域(Unlicensed band)で運用するシステムも検討されている。
【0021】
既存のLTE/LTE−Aでは、ライセンスバンドでの運用が前提となっているため、各オペレータに対して異なる周波数帯域が割当てられている。しかし、アンライセンスバンドは、ライセンスバンドと異なり特定の事業者のみの使用に限られない。アンライセンスバンドでLTEを運用する場合、異なるオペレータや非オペレータ間において、同期、協調及び/又は連携などがなされずに運用されることも想定される。この場合、アンライセンスバンドにおいて、複数のオペレータやシステムが同一周波数を共有して利用することとなるため、相互干渉が生じるおそれがある。
【0022】
このため、アンライセンスバンドにおいて運用されるWi−Fiシステムでは、LBT(Listen Before Talk)メカニズムに基づくキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA:Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)が採用されている。具体的には、各送信ポイント(TP:Transmission Point)、アクセスポイント(AP:Access Point)、Wi−Fi端末(STA:Station)等が、送信を行う前にリスニング(CCA:Clear Channel Assessment)を実行し、所定レベルを超える信号が存在しない場合にのみ送信を行う方法等が用いられている。所定レベルを超える信号が存在する場合には、ランダムに与えられる待ち時間(バックオフ時間)を設け、その後再びリスニングを行う(
図2参照)。
【0023】
そこで、アンライセンスバンドで運用するLTE/LTE−Aシステム(例えば、LAA)においても、リスニング結果に基づいた送信制御を行うことが検討されている。例えば、無線基地局及び/又はユーザ端末は、アンライセンスバンドセルにおいて信号を送信する前にリスニング(LBT)を行い、他システム(たとえば、Wi−Fi)や他オペレータが通信を行っているか確認する。リスニングの結果、他システムや別のLAAの送信ポイントからの受信信号強度が所定値以下である場合、無線基地局及び/又はユーザ端末は、チャネルがアイドル状態(LBT_idle)であるとみなし、信号の送信を行う。一方で、リスニングの結果、他システムや他のLAAの送信ポイントからの受信信号強度が所定値より大きい場合、チャネルがビジー状態(LBT_busy)であるとみなし、信号の送信を制限する。
【0024】
ここで、リスニングとは、無線基地局及び/又はユーザ端末が信号の送信を行う前に、他の送信ポイントから所定レベル(例えば、所定電力)を超える信号が送信されているか否かを検出/測定する動作を指す。また、無線基地局及び/又はユーザ端末が行うリスニングは、LBT(Listen Before Talk)、CCA(Clear Channel Assessment)等とも呼ばれることがある。LBT結果に基づく信号送信の制限としては、DFS(Dynamic Frequency Selection)により別キャリアに遷移する、送信電力制御(TPC)を行う、又は、信号送信を待機(停止)する方法が挙げられる。
【0025】
このように、アンライセンスバンドで運用するLTE/LTE−Aシステム(例えば、LAA)の通信においてLBTを適用することにより、他のシステムとの干渉等を低減することが可能となる。
【0026】
ところで、
図1に示すCC数の拡張は、ライセンスバンドとアンライセンスバンドとの間のキャリアアグリゲーション(LAA:License-Assisted Access)による広帯域化に効果的である。例えば、ライセンスバンドの5個のCC(=100MHz)とアンライセンスバンドの15個のCC(=300MHz)とを束ねる場合、400MHzの帯域を確保可能となる。
【0027】
一方で、ユーザ端末に設定可能なCC数を拡張する場合やアンライセンスCC(UCC)を用いてCAを適用する場合、拡張CCやアンライセンスCC(UCC)をどのように設定してユーザ端末動作を制御するかが問題となる(
図3参照)。
【0028】
例えば、
図4に示すようにアンライセンスCC(UCC:Unlicensed Component Carrier)を既存システムのセカンダリセル(SCC)と仮定してCAを適用することが考えられる。なお、
図4において、アンライセンスCC(UCC)は拡張CCとして設定することも考えられる。
【0029】
しかし、上述したようにアンライセンスキャリアでは送信時にLBTが前提となるため、アンライセンスCCでは送信/無送信(ON/OFF)状態が動的に変更される。このため、ユーザ端末はPCCやアクティブ状態のSCCのように定常的な信号送信を想定できないおそれがある。一方で、UCCでは、定常的な信号の送信はないがLBTの結果によってはすぐに信号の送受信が開始されるため、ユーザ端末は当該信号を送受信できるように制御する必要がある。このように、本発明者等は、ユーザ端末のUCCに対する必要な動作は既存の非アクティブ状態のSCCと異なる点に着目した。
【0030】
また、アンライセンスキャリアは、他システムと共存するため、ライセンスキャリアと比較して品質変動が大きく通信の信頼性が低下する可能性が高くなる。このため、LAAでは、ライセンスキャリアを利用してアンライセンスキャリアにおける通信をサポートすること(例えば、ライセンスキャリアを用いたLBT結果の通知等)が考えられる。この場合、アンライセンスCCと既存のSCCに対するユーザ端末動作が異なると考えられる。
【0031】
そこで本発明者等は、ユーザ端末に対して拡張CCやアンライセンスCCと、既存のPCCやSCC間で異なる動作/制御を適用することを着想した。また、ユーザ端末が、既存システム(Rel.10−12)のPCC及びSCCと、異なる動作/制御を適用するCC(例えば、UCC)とを区別できるように、新たにPCC及びSCCと異なるCCを設定してユーザ端末に設定/通知することを着想した。
【0032】
具体的に本発明者等は、拡張CC及び/又はUCCを既存のPCCやSCCとは区別して定義すると共に、既存のSCCと異なる制御/動作を適用することを着想した(
図5参照)。本明細書では、既存システム(Rel.10−Rel.12)におけるPCC及びSCCと異なる制御/動作を適用するCCを、TCC(Tertiary CC)、TCell、第3のCC又は第3のセルとも呼ぶ(以下、「TCC」と記す)。TCCは、ライセンスCC及び/又はアンライセンスCCで構成することができる。
【0033】
TCCが設定されたユーザ端末は、当該TCCに対してSCCと異なる制御/動作を適用することができる(
図5参照)。例えば、ユーザ端末は、TCCに対してPCCやSCCと異なるULの送信動作(例えば、不要なUL送信動作の抑制、UL HARQ動作、LBT結果を考慮したUL送信動作、LBTを考慮した報告動作等)を行う。
【0034】
これにより、ユーザ端末に多数のCCが設定される場合であっても、TCCについては簡易な制御や測定動作等を適用することによりユーザ端末の負荷の増大を抑制することが可能となる。また、アンライセンスCCをTCCとしてユーザ端末に設定する場合、TCCについてはLBTを考慮した(PCCやSCCと異なる)UL送信動作等を適用することで、LBT結果に起因する誤動作を抑制し通信を適切に行うことが可能となる。
【0035】
以下に、本実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、TCCとして1個以上のライセンスCC及び/又はアンライセンスCCを設定する場合を示すがこれに限られない。例えば、TCCをアンライセンスCCだけで構成することも可能である。また、本実施の形態では、ユーザ端末に対してPCC(PCell)とTCC(TCell)を設定してCA/DCを適用する(つまり、SCC(SCell)を設定しない)ことも可能である(
図6参照)。また、ユーザ端末に対して、SCC(SCell)として5個以上のCCを設定することも可能である。また、ライセンスバンドでは、UL LBT及び/又はDL LBTを適用することができる。
【0036】
(第1の態様)
第1の態様では、ユーザ端末が不要なUL送信動作を抑制する場合の一例について説明する。
【0037】
既存システム(Rel.10−12)のPCC及びSCCでは、ユーザ端末は無線基地局からULデータ(PUSCH)の割当てを指示する下り制御情報(ULグラント)を受信した場合に、ULデータの送信を行う。以下に、既存システムにおけるPUSCH送信動作の一例について
図7を参照して説明する。
【0038】
ユーザ端末(UE)は送信すべき上りデータ(ULデータ)が発生した場合(ST10)、無線基地局(eNB)に対してスケジューリング要求を行う(ST11)。ユーザ端末は、ST11において個別のULリソースを保持していない場合には、ランダムアクセス手順を起動する。無線基地局は、ユーザ端末からのスケジューリング要求に応じて、上りデータ送信のリソース割当てを指示するULグラントを送信する(ST12)。ユーザ端末は当該ULグラントに基づいて送信すべきULデータ量を示すバッファ状態報告(BSR:Buffer Status Report)を送信する(ST13)。BSRを受信した無線基地局は、所定ビット分の上りリソース割り当てを示すULグラントをユーザ端末に通知し(ST14)、ユーザ端末は、割り当てられたPUSCHを用いて制限bit数内でULデータを送信することができる(ST15)。
【0039】
このように、既存システム(Rel.10−12)では、ユーザ端末は、送信すべき上りデータが発生した場合に、当該上りデータの滞留量(バッファ量)を示すバッファ状態報告(BSR)を無線基地局に対して通知することが規定されている。
【0040】
しかし、ユーザ端末が送信するULデータ量を示すバッファ状態報告(BSR)が欠落し(ST13)、無線基地局がULデータ量の推定を誤る場合がある。あるいは、ユーザ端末がデータ破棄タイマの満了に伴って、ユーザ端末側でデータを破棄する場合もある。このような場合、ST14で無線基地局からULグラントを受信したユーザ端末が、ST15において送信すべきデータがない状況が発生する。
【0041】
既存システムでは、無線基地局からULグラントを受信した際に(ST14)、ユーザ端末において送信すべきデータがない場合、ユーザ端末はST15においてパディングビット(空ビット)を用いてUL送信(PUSCH送信)を行うことが規定されている。
【0042】
ユーザ端末がTCCに対してもPCC/SCCと同様にUL送信動作(パディングビット送信)を行う場合、ユーザ端末のバッテリー消費等の負荷が増大する。また、上述したBSRの欠落は、例えばユーザ端末がBSRをアンライセンスバンドで送信することを指示された場合などに発生する。ユーザ端末は、LBTの結果予干渉局が近くにあると判断した場合、BSRの送信を中止する。これにより無線基地局がBSRを把握できなくなるため、当該ユーザ端末に対し、大きめのULデータ量を想定してULリソースを割り当てる可能性がある。
【0043】
このように、SCC等と比較してチャネル品質の変動が大きいTCCを用いてBSRを報告する場合、ユーザ端末が送信するBSRが欠落する可能性も高くなり、パディングビット送信の機会が増えるおそれがある。また、TCCがアンライセンスバンドである場合、パディングビットの送信であっても周囲への干渉を引き起こすおそれがある。
【0044】
そこで、本実施の形態では、ユーザ端末は、TCCにおいてULグラントで上りデータ(PUSCH)の送信を指示された場合であっても、送信すべきULデータがない場合には、TCCでの送信(パディングビット送信)を行わないように制御することができる。つまり、ユーザ端末は、TCCについてPCC及びSCCと異なるUL送信動作を適用して、不要なUL送信動作を抑制する。TCCを用いてULデータを送信する場合のユーザ端末の動作方法の一例について
図8に示す。
【0045】
ユーザ端末(UE)は送信すべき上りデータ(ULデータ)が発生した場合(ST20)、無線基地局に対してスケジューリング要求を行う(ST21)。ユーザ端末は、ST21において個別のULリソースを保持していない場合には、ランダムアクセス手順を起動する。無線基地局は、ユーザ端末からのスケジューリング要求に応じて、上りデータ送信のリソース割当てを指示するULグラントを送信する(ST22)。ユーザ端末は当該ULグラントに基づいて送信すべきULデータ量を示すバッファ状態報告(BSR)を送信する(ST23)。BSRを受信した無線基地局は、所定ビット分のTCCの上りリソース割り当てを示すULグラントをユーザ端末に通知し(ST24)、ユーザ端末は、割り当てられたTCCのPUSCHを用いて制限bit数内でULデータを送信することができる(ST25)。
【0046】
ST24で無線基地局からULグラントを受信したユーザ端末が、ST25において送信すべきデータがない状況が発生した場合、ユーザ端末はST25においてTCCにおけるUL送信(パディングビット送信)を行わないように制御することができる。
【0047】
あるいは、ST24で無線基地局からULグラントを受信したユーザ端末が、ST25において送信すべきULデータ量が所定値以下である場合、当該ユーザ端末はST25においてTCCにおけるUL送信(パディングビットが多くを占めるUL送信)を行わないように制御するものとしてもよい。当該所定値は、あらかじめ定められた値であってもよいし、RRCシグナリング等上位レイヤでユーザ端末に対して設定される値であってもよい。ここで、ULデータ量に所定値を設けてTCCにおけるUL送信有無を制御する代わりに、ULリソース割り当て量とULデータ量の比に所定値を設けて、TCCにおけるUL送信有無を制御してもよい。例えば、ユーザ端末は、割り当てられたULリソース量に対し、実際に送信するULデータ量が1%未満の場合、TCCにおける当該UL送信を行わないように動作することができる。
【0048】
さらに、ユーザ端末は、TCCにおいてULグラントに基づくULデータの送信を行わない場合、当該ULグラントに対応する送信データがないことを無線基地局に通知してもよい(ST26)。この場合、ユーザ端末は、ULグラントに対応する送信データがないことを示す情報をPCC及び/又はSCCのUL(例えば、PUSCH)を用いて行うことができる。
【0049】
これにより、TCCにおけるユーザ端末の無駄なUL送信を抑制することができる。また、TCCがアンライセンスバンドである場合には、無駄なUL送信を抑制することで、周囲に及ぼす影響を低減することも可能となる。また、ULグラントに対応する送信データがないことを無線基地局へ通知することにより、無線基地局側でユーザ端末が送信すべきULデータがないことを適切に把握することが可能となる。
【0050】
(第2の態様)
第2の態様では、TCCにおけるユーザ端末のUL HARQ動作について説明する。
【0051】
既存システム(Rel.10−12)では、ユーザ端末は無線基地局から通知されるPHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)に基づいて同期型のUL HARQを適用する。既存システムにおける同期型のUL HARQの一例を
図9に示す。
【0052】
図9では、ユーザ端末がサブフレーム#0でULデータ(例えば、PUSHC)を送信する場合を示している。この場合、無線基地局は、ユーザ端末から送信されたULデータ(PUSCH)が適切に受信できたか否かを判断し、再送制御用のPHICH(ACK/NACK)を所定タイミング後にユーザ端末に送信する。無線基地局は、PHICHを送信するタイミングとして、例えば、FDDでは4サブフレーム後(ここでは、サブフレーム#4)とすることができる。
【0053】
ユーザ端末は、無線基地局から送信されたPHICHがACKである場合には新規ULデータを送信し、NACKである場合にはULデータの再送制御を行う。ユーザ端末は、ULデータの再送を行う場合、PHICHを受信してから所定タイミング後にULデータの再送を行う。ユーザ端末は、所定タイミングとして、FDDでは4サブフレーム後(ここでは、サブフレーム#8)とすることができる。
【0054】
このように、既存システム(Rel.10−12)において、ユーザ端末及び無線基地局は、ULデータの再送制御(UL HARQ)を所定タイミングで制御する(同期型HARQ)。また、TDDにおいても、ユーザ端末及び無線基地局は、ULデータの再送制御(UL HARQ)をあらかじめ決められたタイミングで制御することができる(同期型HARQ)。
【0055】
一方で、アンライセンスバンドでは、LBT結果によってはユーザ端末が所定のタイミングでUL再送を行うことができない場合が生じる。例えば、ユーザ端末がPHICH(NACK)に基づいてULデータを再送する際に、ULデータを再送する前に実施したLBT結果に基づいて送信が制限される場合(チャネルがビジー状態(LBT_busy))、ULデータを所定タイミングで再送することが出来なくなる。したがって、アンライセンスバンド(例えば、TCC)において、ユーザ端末は既存システムのPCC及びSCCのように同期型のHARQを適用することが困難となる。
【0056】
そこで、本実施の形態では、ユーザ端末は、TCCにおいて非同期型のHARQを適用する。かかる場合、ユーザ端末は、PHICH(同期型HARQ動作)のためのACK/NACKを読まずに(検出せずに)動作することができる(
図10参照)。例えば、ULグラントがTCCから送信される場合、又はPCC又はSCCで送信されるULグラント(CIF(Carrier Indicator Field))がTCCを指示する場合(ULクロスキャリアスケジューリング)、ユーザ端末はPHICHを読まない(検出しない)で動作することができる。
【0057】
図10では、TCCにおいてユーザ端末がサブフレーム#0でULデータ(例えば、PUSHC)を送信する場合を示している。この場合、無線基地局は、ユーザ端末から送信されたULデータ(PUSCH)が適切に受信できたか否かを判断し、再送制御が必要な場合にその旨を通知する。ユーザ端末への再送制御の通知方法としては、当該TCCのPDCCHを利用したULグラント、又は他のCC(PCC又はSCC)のPUCCHを利用したULグラント(クロスキャリアスケジューリング)を利用することができる。
【0058】
図10では、無線基地局は、再送制御用のULグラントを所定のタイミングでユーザ端末に送信する。所定のタイミングとしては、ULデータの再送を割り当てるサブフレームから4サブフレーム前(
図10におけるサブフレーム#6)としてもよいし、その他のタイミングとしてもよい。ユーザ端末は、無線基地局から送信されたPHICHでなく、ULグラントに基づいてULデータの再送を制御する。この場合、ユーザ端末は、ULグラントを受信した後にLBTを実施し、当該LBTの結果に応じてULデータの送信タイミングを制御することができる(非同期型のUL HARQ)。
【0059】
例えば、ユーザ端末は、ULグラントを受信してからTCCにおいてLBTを実施し、送信可能(LBT_idle)となる最も早いサブフレーム(
図10におけるサブフレーム#10)においてULデータの再送を行うことができる。
【0060】
このように、ユーザ端末は、TCCではULグラントとLBT結果に応じてULデータの再送を制御することができる(非同期型のUL HARQ)。なお、
図10では、TCCがFDDの場合を示したが、TCCがTDDの場合においても、非同期型のUL HARQを適用することができる。
【0061】
また、非同期型のHARQを適用する場合、ULグラントに非同期型HARQのためにHARQプロセス番号(HPN:HARQ Process Number)を付与してもよい。HARQプロセス番号は、1つのトランスポートブロック(TB:Transport Block)に対するHARQ処理(HARQプロセス)に対する番号を示す。例えば、
図10に示す場合、無線基地局は、ULデータ#0に対応するHARQプロセス番号をULグラントに含めてユーザ端末に送信することができる。
【0062】
ULグラントに設定するHPN用のビットフィールドは、例えば、3ビットとすることができる。3ビットとする場合、最大8個のHARQプロセス番号が指定され、それぞれのHARQ処理を並列に行うことができる。また、再送するULデータに関する情報(ここでは、HARQプロセス番号)をULグラントに含めることにより、ユーザ端末は再送すべきULデータを適切に把握することが可能となる。
【0063】
以下に、TCCが設定されたユーザ端末のUL HARQ動作方法について具体的に説明する。なお、以下の説明は、ユーザ端末に対してPCC及び/又はSCCからTCCへのULクロスキャリアスケジューリングを設定する場合を示すが、本実施の形態はこれに限られない。例えば、非衝突型のランダムアクセス時(CFRA:Contention Free Random Access)にPCC及び/又はSCCからTCCへPDCCHトリガーを行う場合にも同様に適用することができる。
【0064】
(方法1)
ユーザ端末は、PCC及び/又はSCCから(例えば、PUCCHを用いて)TCCのUL送信が指示される場合、TCCに対してスケジュールされたPUSCHに対応するPHICHは読まない(検出しない)ように動作することができる。一方で、ユーザ端末は、PCC及び/又はSCCにスケジュールされたPUSCHに対応するPHICHを既存システムと同様に検出して再送制御を制御することができる。
【0065】
この場合、無線基地局は、TCCにスケジュールするULグラントに対してHARQプロセス番号に関する情報(例えば3ビット)を付加することができる。一方で、PCC及び/又はSCCにスケジュールするULグラントにはHARQプロセス番号に関する情報は付加しない構成とすることができる。
【0066】
したがって、ユーザ端末は、PCC及び/又はSCCではPHICHを用いて同期型HARQを適用し、TCCでは非同期型HARQを適用する。これにより、PCC及び/又はSCCでは、ULグラントの情報量の増加を抑制し、PDCCHオーバーヘッドを削減することができる。
【0067】
(方法2)
ユーザ端末は、PCC及び/又はSCCからTCCのUL送信が指示される場合、TCCに対してスケジュールされたPUSCHに対応するPHICHは読まない(検出しない)ように動作することができる。同様に、ユーザ端末は、PCC及び/又はSCCにスケジュールされたPUSCHに対応するPHICHも読まない(検出しない)ように動作してもよい。
【0068】
この場合、無線基地局は、PCC、SCC及びTCCにスケジュールするULグラントに対してHARQプロセス番号に関する情報(例えば3ビット)を付加することができる。
【0069】
また、この場合、PCC、SCC及びTCCで送信するULグラントのサイズを同じ(同一ビット長)とすることができるため、サーチスペースを共有化することができる。つまり、ユーザ端末は、下り制御情報(例えば、ULグラント)に対するブラインド復号において、PCC、SCC及びTCCに対する下り制御情報を一度に検出することが可能となる。
【0070】
また、PCC及び/又はSCCのULグラントにHARQプロセス番号に関する情報を付加する場合、TCC以外のCC(PCC及び/又はSCC)に対するスケジューリング時においては、所定のビット値(例えば、固定値0)を設定してもよい。ユーザ端末は、PCC及び/又はSCCのULグラントに含まれるHARQプロセス番号(例えば、固定値)に基づいて、PHICHを用いる場合と同様に、所定後のタイミングで再送制御を行うことができる。
【0071】
(第3の態様)
第3の態様では、アンライセンスバンド(TCC)においてLBT結果を考慮したULの割当て方法について説明する。
【0072】
TCCがアンライセンスバンドの場合、無線基地局(eNB)がユーザ端末にUL送信(例えば、PUSCH)を割当てても、当該TCCのLBT結果が(LBT_busy)である場合、ユーザ端末のUL送信が制限される。
【0073】
そのため、本実施の形態では、無線基地局が一つのCCから複数のTCCへのリソース(例えば、PUSCHリソース、PUCCHリソース等)を同時に割当てる。つまり、ユーザ端末は、TCCにおけるUL送信を指示された場合、複数のTCCの中で送信可能なTCC(LBT_idle)を用いてUL送信を行うことができる。
【0074】
無線基地局は、あらかじめユーザ端末に対してCC間の関連付けをしておくことができる。例えば、
図11に示すように、PCC(CC#1)に対して複数のTCC#1、#2(CC#2、#3)を含むTCCグループ#1を関連付ける。あるいは、SCC(CC#4)に対して複数のTCC#3、#4(CC#5、#6)を含むTCCグループ#2を関連付ける。CC間の関連付け情報は、無線基地局からユーザ端末へ通知することができる。
【0075】
無線基地局は、PCC(CC#1)からTCCグループ#1に対するUL信号の割当て情報(例えば、ULグラント)をユーザ端末に送信する。この場合、ユーザ端末は、PCCに関連づけられたTCCグループ#1(複数のTCC#1、#2)においてLBTを実施する。そして、ユーザ端末は、複数のTCCの中で送信可能なTCC(LBT_idle)を用いてUL送信を行うことができる。
【0076】
あるいは、SCC(CC#4)からTCCグループ#2に対するUL信号の割当て情報(例えば、ULグラント)をユーザ端末に送信する。この場合、ユーザ端末は、SCCに関連づけられたTCCグループ#2(複数のTCC#3、#4)においてLBTを実施する。そして、ユーザ端末は、複数のTCCの中で送信可能なTCC(LBT_idle)を用いてUL送信を行うことができる。
【0077】
TCCグループの中で送信可能(LBT_idle)となるTCCが複数存在する場合、ユーザ端末は、所定条件に基づいて特定のTCCを選択してUL送信を行うことができる。例えば、ユーザ端末は、セルインデックス(CellIndex/SCellIndex)の小さいTCC(あるいはセルインデックスの大きいTCC)、又は、通信品質(例えば、受信品質、チャネル品質等)のよいTCCを選択してUL送信を行うことができる。あるいは、ユーザ端末は、送信可能(LBT_idle)となる複数のTCCを用いてUL送信を行ってもよい。この場合、送信ダイバーシチ効果を得ることができる。
【0078】
無線基地局は、複数のTCC(例えば、TCC#1、#2の両方)に対してユーザ端末からの上り信号(PUSCH)を想定して受信動作を行うことができる。これにより、無線基地局側で各TCCの上りLBTの結果を把握することができなくても、ユーザ端末からのULデータを適切に受信することが可能となる。
【0079】
(第4の態様)
第4の態様では、アンライセンスバンド(TCC)においてLBT結果を考慮したULの報告動作について説明する。
【0080】
既存システム(Rel.10−12)の上りCAでは、送信を行うCC(PCC及び/又はSCC)に対して、ユーザ端末は余剰送信電力を示すパワーヘッドルーム(PH:Power Headroom)を無線基地局に報告する。
図12にパワーヘッドルームの概念図を示す。なお、
図12では、PUSCHに対する送信電力について示す。
【0081】
図12Aに示すように、ユーザ端末の送信電力P
PUSCHが最大送信電力P
CMAXに達していない場合、ユーザ端末は、最大送信電力P
CMAXから送信電力P
PUSCHを差し引いた値を余剰送信電力PHの値として通知する。また、
図12Bに示すように、ユーザ端末の送信電力P
PUSCHが最大送信電力P
CMAXを超える場合、ユーザ端末は、実際の送信電力を最大送信電力P
CMAXの値として、余剰送信電力PHの値は下記式(1)に基づいて負の値を通知する。
PH
type1,c(i)=P
CMAX,c(i)−{10log
10(M
PUSCH,c(i))+P
O_PUSCH,c(j)+α
c(j)・PL
c+Δ
TF,c(i)+f
c(i)} (1)
【0082】
ユーザ端末は、無線基地局に対して、ユーザ端末の余剰送信電力を報告するためのPHR(Power Headroom Report)をフィードバックする。PHRは、ユーザ端末の送信電力P
PUSCHと最大送信電力P
CMAXとの差分情報であるPHと、2ビットの予約(Reserved)領域とを含んで構成される。なお、PHには、Type1とType2がサポートされており、Type 1 PHは、PUSCHのみが伝送されると仮定した場合のPHであり、Type 2 PHは、PUSCH及びPUCCHが伝送されると仮定した場合のPHとなっている。
【0083】
既存システムにおいて、ユーザ端末は、UL送信を行うCCについては実際の送信電力を考慮したリアルPHR(Real PHR)に関する情報を報告し、UL送信を行わないCCについては仮想PHR(Virtual PHR)に関する情報を報告する。仮想PH(VPH:Virtual PH)は、PUSCH帯域幅に依存しないPHに対応し、仮想PHを含むPHRを仮想PHRともいう。
【0084】
ユーザ端末は、リアルPHR及び仮想PHRに関する情報は、MAC CEに含めてUL送信を行うCCのPUSCHを用いて無線基地局に報告する。無線基地局は、リアルPHRに加えて、仮想PHRに関する情報を受信することにより、送信がないCCの上り送信電力制御も含めて総余剰送信電力を考慮することができる。
【0085】
TCCがアンライセンスバンドとなる場合、UL送信の割当てが指示されてもLBT結果によってはUL送信が制限される。そのため、既存システムと同様に制御する場合、ユーザ端末は、TCCにおいてUL送信の割当てがあっても、LBT結果により送信が制限されるTCCに対しては、仮想PHRを報告することとなる。この場合、無線基地局側では、当該TCCについて、ユーザ端末から仮想PHRが報告されるため、正確なUL送信電力を把握することが困難となる。
【0086】
また、ユーザ端末がUL送信の直前にLBTを実施する場合、LBT結果が判明するのはUL送信の直前となるおそれがある。そのため、ユーザ端末は、TCCにおいてUL送信を行うつもりでリアルPHRに関する情報を用いてMAC CEを作成しても、LBT結果がLBT_busyの場合には仮想PHRを作成する必要がある。また、かかる場合、ユーザ端末が送信する情報の変更(リアルPHR→仮想PHR)が間に合わなくなるおそれもある。
【0087】
そのため、本実施の形態では、ユーザ端末は、TCCにおけるUL送信のLBT結果に関わらず、所定のPHRに関する情報を送信するように制御することができる。これにより、TCCにおけるUL送信が制限される場合(LBT_busy)であっても、ユーザ端末は適切にPHRに関する情報を生成して送信することができる。ユーザ端末は、生成・送信するPHRに関する情報の種類(例えば、リアルPHR又は仮想PHR)に関する情報をあらかじめ無線基地局へ通知してもよい。あるいは、無線基地局があらかじめユーザ端末に送信させるPHRの種類を設定してもよい。
【0088】
例えば、ユーザ端末は、TCCにおけるUL送信が制限される場合(LBT_busy)であっても、TCCに対してリアルPHRを報告することができる。この場合、無線基地局からユーザ端末に対して当該TCCにおけるUL信号の割当ては行われているため、ユーザ端末はリアルPHRを計算して報告することは可能となる。
【0089】
なお、ユーザ端末は、TCCに対するリアルPHRの報告について、UL送信が可能となる他のCC(例えば、PCC及び/又はSCC)で行うことができる。また、ユーザ端末は、LBT結果に関わらず、UL信号の割当ての有無で報告するPHRの種類を決定してPHRを生成(MAC CEを生成)することができるため、ユーザ端末の負担を低減することが可能となる。
【0090】
あるいは、ユーザ端末は、TCCについては常に仮想PHRを報告する構成としてもよいし、ユーザ端末が報告するPHRの種類(リアルPHR/仮想PHR)を選択する構成としてもよい。
【0091】
(無線通信システムの構成)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の実施形態に係る無線通信方法が適用される。なお、上記の各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用してもよい。
【0092】
図13は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。なお、
図13に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム、SUPER 3G、LTE−Aシステムなどが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、複数のコンポーネントキャリア(PCC、SCC、TCC)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。なお、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4G、5G、FRA(Future Radio Access)などと呼ばれても良い。
【0093】
図13に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a−12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
【0094】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、少なくとも6個以上のCC(セル)を用いてCA又はDCを適用することができる。一例として、マクロセルC1をPCell(PCC)、スモールセルC2をSCell(SCC)及び/又はTCell(TCC)としてユーザ端末に設定することができる。また、TCCとしては、ライセンスバンド及び/又はアンライセンスバンドを設定することができる。
【0095】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
【0096】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0097】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでよい。
【0098】
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られない。
【0099】
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、所定のSIB(System Information Block)が伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)などが伝送される。
【0100】
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認信号(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどを伝送するために用いられてもよい。
【0101】
また、下りリンクの参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態測定用参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用に利用されるユーザ固有参照信号(DM−RS:Demodulation Reference Signal)などを含む。
【0102】
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認信号(HARQ-ACK)などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブル(RAプリアンブル)が伝送される。
【0103】
<無線基地局>
図14は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信部103は、送信部及び受信部で構成される。
【0104】
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0105】
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御等のRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理等の送信処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
【0106】
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
【0107】
例えば、送受信部103は、CAを行うCCに関する情報(例えば、TCCとなるセルの情報等)を送信することができる。送受信部103は、TCCにおけるUL送信を指示する下り制御情報(例えば、ULグラント)を送信することができる。例えば、送受信部103は、TCCに対するULグラントを、TCCの下り制御チャネル(PDCCH/EPDCCH)を利用して送信してもよいし、PCC及び/又はSCCの下り制御チャネルを用いて送信してもよい(クロスキャリアスケジューリング)。
【0108】
また、送受信部103は、TCCにおいて非同期型のUL HARQを適用する場合に、ULグラントに非同期HARQ用のHARQプロセス番号を含めてユーザ端末に送信することができる(
図10参照)。また、送受信部103は、複数のTCCを含むTCCグループに対して、UL送信用の無線リソースを含むULグラントを送信することができる(
図11参照)。この場合、送受信部103は、同一のTCCグループに含まれる各TCCにおいて、UL信号の受信処理を行うことができる。なお、送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
【0109】
一方、上り信号については、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅される。各送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0110】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0111】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0112】
図15は、本実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、
図15では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図15に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部(生成部)302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、を備えている。
【0113】
制御部(スケジューラ)301は、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、システム情報、同期信号、ページング情報、CRS、CSI−RS等のスケジューリングの制御も行う。
【0114】
制御部301は、アンライセンスCC(例えば、TCC)に対してはDL LBTの結果に基づいてDL信号の送信を制御する。制御部301は、アンライセンスバンド(TCC)でLBTを実施する場合、当該LBT結果をライセンスバンド(PCC及び/又はSCC)でユーザ端末に通知するように制御してもよい。
【0115】
制御部301は、TCCにおいて非同期型のHARQを適用することができる。この場合、制御部301は、ユーザ端末がPHICH(同期型HARQ動作)のためのACK/NACKを読まずに(検出せずに)動作すると仮定して送受信動作を制御することができる。また、制御部301は、非同期型のUL HARQを適用する場合、ULグラントに所定のULデータを示すHARQプロセス番号を付加するように制御することができる(
図10参照)。
【0116】
また、制御部301は、一つのCC(PCC及び/又はSCC)から複数のTCCへのリソースを同時に割当てるように制御することができる(
図11参照)。この場合、制御部301は、あらかじめユーザ端末に対してCC間の関連付けを設定し、CC間の関連付け情報をユーザ端末へ通知するように制御することができる。
【0117】
また、制御部301は、上り参照信号、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号、PRACHで送信されるランダムアクセスプリアンブル等のスケジューリングを制御する。なお、制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
【0118】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号を生成して、マッピング部303に出力する。例えば、送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI)等に基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。なお、送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
【0119】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。なお、マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
【0120】
受信信号処理部304は、ユーザ端末から送信されるUL信号(例えば、送達確認信号(HARQ−ACK)、PUSCHで送信されたデータ信号、PRACHで送信されたランダムアクセスプリアンブル等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。処理結果は、制御部301に出力される。
【0121】
また、受信信号処理部304は、受信した信号を用いて受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態などについて測定してもよい。あるいは、受信信号処理部304は、DL信号の送信を行う前にDL LBTを実施してもよい。なお、受信信号処理部304における測定結果は、制御部301に出力されてもよい。なお、測定動作を行う測定部を受信信号処理部304と別に設けてもよい。
【0122】
受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0123】
<ユーザ端末>
図16は、本実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信部203は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0124】
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
【0125】
送受信部203は、TCCにおけるUL送信を指示する下り制御情報(例えば、ULグラント)等のDL信号を受信する。この場合、送受信部203は、TCC用のULグラントを含む下り制御情報を、PCC、SCC及び/又はTCCの下り制御チャネル(PDCCH/EPDCCH)から受信することができる。
【0126】
また、送受信部203は、PCC又はSCCにおいてULグラントに対応するULデータがないと判断した場合にパディングビットを用いてULデータの送信を行い、TCCにおいてULグラントに対応するULデータがないと判断した場合にULデータの送信を行わないことができる。この場合、送受信部203は、TCCにおいてULグラントに対応するULデータがないことを示す情報をPCC及び/又はSCCのUL信号に含めて送信してもよい(
図8参照)。
【0127】
また、送受信部203は、ユーザ端末の能力情報(capability)を無線基地局へ通知することができる。例えば、送受信部203は、TCCを利用できる周波数に関する情報に加えて、同時に設定可能なTCCに関する情報(例えば、TCCの組み合わせ情報)を無線基地局に送信する。なお、送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
【0128】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
【0129】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0130】
図17は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、
図17においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図17に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、を備えている。
【0131】
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号(例えば、送達確認信号など)や上りデータ信号の生成を制御する。
【0132】
制御部401は、送信信号生成部402、マッピング部403及び受信信号処理部404の制御を行うことができる。また、制御部401は、送受信部203の制御を行うことも可能である。例えば、ユーザ端末がTCCを用いたCAを適用する場合(
図5、
図6参照)、制御部401は、TCCに対してPCC及び/又はSCCとは異なるUL信号の送信動作を適用することができる。
【0133】
例えば、制御部401は、PCC又はSCCにおいてULグラントに対応するULデータがないと判断した場合にパディングビットを用いてULデータの送信を行うように制御する。また、制御部401は、TCCにおいてULグラントに対応するULデータがないと判断した場合にULデータの送信を行わないように制御することができる(
図8参照)。
【0134】
また、制御部401は、TCCにおいて送信したUL信号に対して非同期型のHARQを適用することができる(
図10参照)。制御部401は、送受信部203がTCCにおけるUL信号の送信を指示するULグラントを受信した場合、TCCにおいてPHICHの検出を行わないように制御することができる。また、制御部401は、TCCにおいて送信したUL信号に対して、ULグラントに含まれるHARQプロセス番号に基づいて再送制御を行うことができる。
【0135】
また、制御部401は、送受信部203がTCCにおけるUL信号の送信を指示するULグラントを受信した場合、あらかじめ設定された複数TCCに対するリスニングを実施し、リスニング結果に基づいて所定のTCCでUL信号を送信することができる(
図11参照)。
【0136】
また、制御部401は、TCCのPHR(Power Headroom Report)として、リスニング結果に関わらず所定のPHR(例えば、リアルPHR)を無線基地局へ報告するように制御することができる。
【0137】
制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
【0138】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号を生成して、マッピング部403に出力する。例えば、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、送達確認信号(HARQ−ACK)やチャネル状態情報(CSI)等の上り制御信号を生成する。
【0139】
また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、TCCにおいてULグラントに対応するULデータがないと判断した場合にULデータ(パディングビット)の生成を行わないように動作することができる。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示(ULグラントに含まれるHARQプロセス番号等)に基づいて再送用の上りデータ信号を生成する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
【0140】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号(上り制御信号及び/又は上りデータ)を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
【0141】
受信信号処理部404は、DL信号(例えば、無線基地局からPDCCH/EPDCCHで送信される下り制御信号、PDSCHで送信される下りデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号等)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。
【0142】
受信信号処理部404は、制御部401からの指示に基づいてDL信号の受信動作を制御することができる。例えば、TCCにおいて非同期型のUL HARQを適用する場合、受信信号処理部404は、TCCにおけるUL信号の送信を指示するULグラントを受信した場合、TCCにおいてPHICHの検出を行わないように動作することができる。
【0143】
また、受信信号処理部404は、受信した信号を用いて受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態などについて測定してもよい。あるいは、受信信号処理部404は、UL信号の送信を行う前にUL LBTを実施してもよい。受信信号処理部404における測定結果は、制御部401に出力されてもよい。なお、測定動作を行う測定部を受信信号処理部404と別に設けてもよい。
【0144】
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0145】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0146】
例えば、無線基地局10やユーザ端末20の各機能の一部又は全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、プロセッサ(CPU)と、ネットワーク接続用の通信インターフェースと、メモリと、プログラムを保持したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含むコンピュータ装置によって実現されてもよい。
【0147】
ここで、プロセッサやメモリなどは情報を通信するためのバスで接続される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、CD−ROM、RAM、ハードディスクなどの記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
【0148】
無線基地局10及びユーザ端末20の機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを動作させてユーザ端末の全体を制御する。また、プロセッサは、記憶媒体からプログラム、ソフトウェアモジュールやデータをメモリに読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。ここで、当該プログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリに格納され、プロセッサで動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0149】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上述の各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0150】
本出願は、2015年2月19日出願の特願2015−030785に基づく。この内容は、全てここに含めておく。