【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の態様は、好ましくは、さらに、少なくとも部分的に上述の欠点の1つ又は複数を除去する代替の照明装置を提供する。そのような照明装置は、特に、人間の概日リズムのサポートのために使用され、特に、メラノプシン感受性波長範囲内で調整可能であり、特に、大きい色温度範囲にわたって調整可能であり、又は可変の相関色温度範囲のかなりの部分にわたって十分に高いCRI値を有する。代替として又は追加として、照明装置は、特に、所望の場合に覚醒を最大にするために使用され、例えば、所定の状態で覚醒を最大にし、及び/又は他の所定の状態で人間の概日リズムを乱さないように構成される。
【0007】
一般に知られている錐状体及び桿状体の隣りに、人間の目は、メラトニン分泌に影響を与えるメラノプシン含有光受容体を有する。メラノプシン含有光受容体は特定波長範囲に感受性がある。明所視受容体及びメラノピック受容体の相対スペクトル感度が
図1に提供される。メラノピック波長範囲のスペクトルパワーがないか又は低い場合、メラトニンホルモン生成は睡眠を促すことができる。メラノピック範囲のスペクトルパワーが十分に高い場合、メラトニン生成は抑制され、その結果、我々はさらに覚醒状態になる。メラトニン生成を抑制する効果は、メラノプシン効果係数(MEF)で表すことができる。この係数は、照明装置によって放出される光のスペクトルパワー分布(SPD(λ))にメラノピック感度関数(m(λ))を乗算し、SPD(λ)と明所視感度(V(λ))との積で除算され、m(λ)及びV(λ)の面積によって正規化されることによって計算される。式1を参照されたい(及びさらに
図1を参照されたい)。
MEF=([ΣV(λ)]/[Σm(λ)])・[Σ(SPD(λ)・m(λ))]/[Σ(SPD(λ)・V(λ))] (式(1))
これは簡単化されて、
MEF=1.22・[Σ(SPD(λ)・m(λ))]/[Σ(SPD(λ)・V(λ))] (式(2))
になる。同様に、
【数1】
である。それゆえに、上述で示した総和は、380〜780nmの可視域にわたっている。
【0008】
現在の高性能LEDベース照明装置は、2200Kから5700Kの範囲(すなわち、3500Kの相関色温度範囲)にわたって約3倍のメラノプシン効果変化を示すようである。メラノプシン効果(MEF)が低い色温度で低く、特に、高い色温度で高いことが概日リズムをサポートするのに有利であることがわかっている。MEF値は、さらに、特定の活動のために最適化される。例えば、寝つく前の夕方には低いMEF値であり、目覚めの間の朝には高いMEF値である。さらに、高いMEF値の適用は、(一時的に)覚醒を高めるのに有用である。
【0009】
本明細書では、人間の概日リズムをサポートするための選択肢をもつ3チャネル照明装置を提案する。特に青色LED及び緑色蛍光体(「発光材料」)を選ぶことによって、3チャネル照明装置で放出される光によって誘導される生物活動の範囲が最適化される。LEDの強度の調節によって、メラノプシン効果係数のより大きい範囲が、同じCCT範囲で(昼光から薄暗いハロゲンまで)得られる。このようにして、(より良く)概日リズムをサポートし及び/又は覚醒のレベルに影響を及ぼす照明装置が製作される。提案される照明装置は、同じ明所視光レベルで、すなわち(実質的に)明所視光束を調節することなくメラノプシン効果の約4倍の範囲を含む光を生成することができる。加えて、照明装置のスペクトルパワーは、MEF値を(さらに)減少させるように低いCCT値において調節することができる。とりわけ、照明装置によって誘導される生物活動は、光の量とスペクトル内容(例えば、メラノピック束)の積である。特定の実施形態では、照明装置は、赤色チャネルと組み合わされた2つの緑色/青色チャネル(全部で3チャネル)を含む。緑色/青色チャネルの各々に対して青色LED/緑色蛍光体組合せを選ぶことによって、高いCCT設定で最適なメラノプシン活性化及び低いCCT設定で非常に低いメラノプシン活性化レベルをもつ照明装置が製作される。スマートドライバ(制御ユニット)を使用することによって、照明装置は、BBL調光特性を含む昼/夜リズムに自動的に従う。照明装置の光のスペクトル分布とこの光の光レベルの両方が調節される。
【0010】
したがって、本発明は、特に、第1の態様において、強度を独立に制御することができる3つの(異なるタイプの)光源を提供し、第1の光源は、青色光と、緑色光及び黄色光のうちの1つ又は複数とを供給するように構成され、第2の光源は、第1の光源の青色光と緑色光と以外の青色光を供給するように構成され、第3の光源は、赤色光を供給するように構成される。光源の強度を制御することによって、例えば少なくとも2000〜4000Kの間などの少なくとも2000Kの相関色温度範囲、さらにより特に、例えば少なくとも2000〜5000Kの間などの少なくとも3000Kの範囲にわたる相関色温度範囲が、少なくとも80のCRIに対して、特にBBL(黒体軌跡)から約15SDCM(等色標準偏差)内で、より特にBBLから約10SDCM内で、さらにより特にBBLから約5SDCM内で達成され、特に少なくとも約3.5、例えば、さらに少なくとも約4などのメラノプシン効果(MEF)範囲を有する。特に、これは、第1の光源の青色光の主波長が第2の光源の青色光の主波長よりも短い状態で、490nm未満の主波長を有する光源の青色光により達成される。したがって、比較的簡単なやり方で、バイオリズムをサポートするように意図された照明装置が提供される。それゆえに、照明装置は、本明細書では「バイオ色相ランプ」又は「バイオ色相照明装置」としても示される。特に、照明装置は、少なくとも0.915/1000K、例えば少なくとも0.920/1000Kなどの温度単位当たりのメラノプシン効果範囲を提供するように構成される。例えば、3800Kの(2400〜6200Kのような)温度にわたる3.5のMEF範囲は、0.921/1000Kの温度単位当たりのメラノプシン効果範囲を提供する。
【0011】
特に、本発明は、可変相関色温度をもつ白色光を供給するように構成された照明装置を提供し、照明装置は、(a)第1の光源光を供給するように構成された第1の光源であり、第1の光源光は、特に420〜460nmの範囲の、例えば、430〜450nmのような、440〜450nmのような、430〜460nmの範囲などの400〜460nmの範囲から選択された第1の光源主波長を有する青色光を含み、第1の光源は、第1の発光材料を第1の光源光で照射するように構成され、第1の発光材料は、第1の光源光の一部を第1の発光材料光に変換するように構成され、第1の発光材料光は、緑色光及び黄色光のうちの1つ又は複数を含み、第1の発光材料光は、第1の発光材料主波長を有する、第1の光源と、(b)第2の光源光を供給するように構成された第2の光源であって、第2の光源光は、460〜490nmなどの450〜490nmの範囲から選択された第2の光源主波長を有する青色光を含み、第2の光源は、第2の発光材料を第2の光源光で照射するように構成され、第2の発光材料は、第2の光源光の一部を第2の発光材料光に変換するように構成され、第2の発光材料光は、緑色光及び黄色光のうちの1つ又は複数を含み、第2の発光材料光は、第2の発光材料主波長を有する、第2の光源と、(c)赤色光源光を供給するように構成された第3の光源と、(d)可変相関色温度を有する白色光を供給するために、第1の光源、第2の光源、及び第3の光源を独立に制御するように構成された制御ユニットであって、白色光が、(a)第1の光源光、第1の発光材料光、及びオプションとして赤色光源光、並びに(b)第2の光源光、第2の発光材料光、及び(オプションとして)赤色光源光のうちの1つ又は複数を含む、制御ユニットとを含み、第2の光源主波長>第1の光源主波長であり、特に、第1の発光材料主波長>第2の発光材料主波長である。
【0012】
特に、そのような照明装置は、特にバイオリズムをサポートするために、少なくとも約2000Kの相関色温度範囲にわたって可変な白色光を供給するのに使用される。さらに、そのような照明装置は、第1の相関色温度での第1のメラノプシン効果と、第2の相関色温度での第2のメラノプシン効果とを有するように見え、第2の相関色温度は第1の相関色温度よりも大きく、第1のメラノプシン効果に対する第2のメラノプシン効果の比は3.5以上である。したがって、高い相関色温度では、人間のメラトニン生成が抑制され、低い相関色温度では、メラノプシン含有光受容体は、例えば、あまり活性化されず、その結果、人間のメラトニン生成はあまり抑制されないか、又はそれどころかまったく抑制されない。他方、特定の実施形態では、早朝、色温度は比較的低くなる(しかし上昇する)ように選ばれ、一方、MEF値は目覚めやすくするために比較的高い(及び上昇する)。したがって、就寝時間直前及び早朝の色温度は、実質的に同じであるが、MEF値は異なる。
【0013】
したがって、照明装置は、一実施形態では、少なくとも2つの異なるタイプの白色光、すなわち、高い相関色温度を有する第1の白色光及び低い相関色温度を有する第2の白色光を供給するように特に構成され、メラノピック感度曲線とのスペクトル重なりは、特に、第2の白色光よりも第1の白色光で小さい。
【0014】
本明細書における白色光という用語は、当業者には知られている。白色光は、約2000Kと8000Kとの間にある、特に約2700Kと6500Kとの範囲における、例えば、2000〜5700Kの範囲等における、及び特にBBL(黒体軌跡)から約15SDCM(等色標準偏差)内に、特にBBLからの約10SDCM内に、さらにより特にBBLからの約5SDCM内に、相関色温度(CCT)を有する光に特に関連する。本明細書において、上述で示したように、照明装置は、例えば少なくとも約2000〜4000Kの間などの少なくとも2000Kにわたる、さらにより特に、少なくとも、例えば少なくとも約2000〜5000Kの間などの少なくとも3000Kの範囲にわたる、又は少なくとも約2000〜5700Kの相関色温度範囲にわたりさらに可変である可変相関色温度を特に有する。
【0015】
光源は、特に、固体光源である。したがって、特定の実施形態では、光源は、固体LED光源(LED又はレーザダイオードなど)を含む。「光源」という用語は、2〜20個の(固体)LED光源などの複数の光源にも関する。したがって、LEDという用語は、複数のLEDも指す。
【0016】
第1の光源と第2の光源の両方は、特に、少なくとも約20nmなどの約15〜30nmの範囲の主波長の差を伴って青色光を供給するように構成される(以下もさらに参照)。第3の光源は、赤色光を供給するように構成される。
【0017】
したがって、実施形態では、赤色光源が青色光の変換に基づく場合でさえ、赤色光源の(すぐ)下流において、青色光は実質的に知覚されない。蛍光体変換赤色LEDでは、青色光漏れの量は、低くすべきであり(さもなければ、2000Kもの低いCCTを生じさせることができない)、たとえあったとしても、特に400〜460nm波長範囲(MEF値への寄与の低い)であるべきである。
【0018】
したがって、一実施形態では第3の光源は、第3の固体光源光を供給するように構成された第3の固体光源を含み、第3の固体光源光は青色光を含み、第3の固体光源は、第3の発光材料を第3の固体光源光で照射するように構成され、第3の発光材料は、第3の固体光源光の(少なくとも)一部を第3の発光材料光に変換するように構成され、第3の発光材料光は赤色光を含む。第3の発光材料は、原則として、二価ユウロピウムベース窒化物蛍光体及び/又は量子ドットベース蛍光体のような無機蛍光体、有機蛍光体、又は2つ以上の異なる蛍光体の組合せなどの第3の固体光源で励起可能な任意の赤色発光材料である。したがって、第3の光源は、オプションとして、さらに、青色光よりも長い(又は短い)波長の光源光を供給する。しかしながら、特に、第3の光源によって発生された実質的にすべての可視光は、それらの実施形態では第3の発光材料光に吸収され(そして少なくとも部分的に変換され)、ここで、第3の光源は、第3の発光材料に放射的に結合される。したがって、特に、赤色光源のスペクトルの可視部分での全パワー(W)の少なくとも90%は赤色であり、さらにより特に、可視部分における全パワーの少なくとも95%は赤色である。
【0019】
「放射的に結合する」という用語は、特に、光源によって放出された放射の少なくとも一部が発光材料によって受け取られる(そして少なくとも部分的に発光に変換される)ように光源と発光材料とが互いに関連付けられることを意味する。したがって、第1の光源は、特に、第1の発光材料と放射的に結合され、第2の光源は、特に、第2の発光材料と放射的に結合される。同様に、赤色発光材料が第3の(固体)光源に対して適用される場合、第3の(固体)光源は、特に、第3の発光材料に放射的に結合される。
【0020】
特に注目する発光材料は、無機発光材料であり、さらに特に、硫化物、窒化物、及び酸窒化物のクラスから(独立に)選択される。ここで、以下、最初に、いくつかの可能な赤色の発光材料が、特に、第3の光源に適用するために/第3の光源とともに適用するために論じられる。
【0021】
関連する発光材料のクラスには、アルカリ土類カルコゲニド系のクラスであるMD:Euクラス(本明細書では(Sr、Ba、Ca)(Se、S):Euクラスとしても示される)が含まれる。Mは、特に、アルカリ土類元素(Mg、Ca、Sr、Ba)の群から選択され、Dは、特に、S及びSeの群から選択される。このクラス内の材料は、立方晶系岩塩結晶構造を有する。このクラス内のメンバの例は、SrS:Eu、CaS:Eu、CaSe:Euなどである。
【0022】
関連する発光材料のさらなるクラスには、ニトリドシリケート系のクラスであるM
2Z
5N
8:Euクラス(本明細書ではSr
2Si
5N
8:Euクラスとしても示される)が含まれる。Mは、特に、アルカリ土類元素(Mg、Ca、Sr、Ba)の群から選択され、特に、少なくともSrであり、Zは、特に、Si、Ge、Ti、Hf、Zr、Snの群から選択され、特に、少なくともSiである。このクラス内の材料は、斜方晶系結晶構造を有する。このクラス内のメンバの一例は、SrCaSi
5N
8:Euである。
【0023】
さらなる別の実施形態では、発光材料は、M
2SiF
6:Mn(四価マンガン)のクラスの発光材料を含み、ここで、Mは、特に、Rb及びKからなる群から選択される。したがって、さらなる実施形態では、発光材料は、四価マンガンでドープされたM’
xM
2−2xAX
6を含む。関連するアルカリ性カチオン(M)は、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、及びルビジウム(Rb)である。オプションとして、さらに、リチウム及び/又はセシウムが適用される。好ましい実施形態では、Mは少なくともカリウムを含む。さらなる別の実施形態では、Mは少なくともルビジウムを含む。「ここで、Mは少なくともカリウムを含む」という句は、例えば、1モルM’
xM
2−2xAX
6中のすべてのMカチオンの中で、一部がK
+を含み、オプションとして残りの一部が1つ又は複数の他の一価(アルカリ性)カチオンを含むことを示す(以下も参照)。別の好ましい実施形態では、Mは少なくともカリウム及びルビジウムを含む。オプションとして、M’
xM
2−2xAX
6発光材料は六方晶相を有する。さらなる別の実施形態では、M’
xM
2−2xAX
6発光材料は立方晶相を有する。関連するアルカリ土類カチオン(M’)は、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、及びバリウム(Ba)であり、特に、Sr及びBaのうちの1つ又は複数である。一実施形態では、異なるアルカリ性カチオンの組合せが適用される。さらなる別の実施形態では、異なるアルカリ土類カチオンの組合せが適用される。さらなる別の実施形態では、1つ又は複数のアルカリ性カチオンと1つ又は複数のアルカリ土類カチオンとの組合せが適用される。例えば、KRb
0.5Sr
0.25AX
6が適用される。上述で示したように、xは、0〜1の範囲にあり、特に、x<1である。一実施形態では、x=0である。
【0024】
関連する発光材料の別のクラスは、ニトリドアルミネート系のクラスであるMGD
3N
4:Euクラス(本明細書ではSrLiAl
3N
4:Euクラスとしても示される)を含む。Mは、特にアルカリ土類元素(Mg、Ca、Sr、Ba)の群から選択され、特に、少なくともSrである。Dは、特に、B、Al、Ga、Scの群から選択され、特に、少なくともAlである。Gは、特に、アルカリ元素(Li、Na、Kなどのような)の群から選択され、特に、少なくともLiである。このクラス内の材料は、三斜晶系カリウムリチウム鉛酸塩型結晶構造又は正方晶系ナトリウムリチウムシリケート型結晶構造を有する。このクラス内のメンバの一例は、SrLiAl
3N
4:Euである。
【0025】
赤色発光材料がM
2Si
5N
8:Euのクラス及びMLiAl
3N
4:Euのクラスからなる群から選択される場合、特に良好な光学的結果が得られ、ここで、Mは、Ca、Mg、Sr、及びBaからなる群から独立に選択され、特に、Ca及びSrのうちの少なくとも1つ又は複数であり、その上さらに特に少なくともSrである。
【0026】
本明細書における「クラス」という用語は、特に、同じ結晶学的構造を有する材料の群を指す。さらに、「クラス」という用語は、カチオン及び/又はアニオンの部分的置換をさらに含む。例えば、上記のクラスのうちのいくつかでは、Al−Oは、Si−Nで(又はその逆に)部分的に置換される。したがって、なおさらなる実施形態では、赤色の発光材料は、(Ba、Sr、Ca)
2Si
5−xAl
xN
8−xO
x:Eu及び(Ca、Sr)LiAl
3N
4:Euからなる群から選択され、ここで、xは、0〜4の範囲にあり、特に、1以下であり、例えば、0などである。(Ba、Sr、Ca)
2Si
5−xAl
xN
8−xO
x:Eu及び同様の系は、とりわけ、WO2006072918/米国特許出願公開第20130240943号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。(Sr、Ca)LiAl
3N
4:Eu及び同様の系は、とりわけ、WO2013175336A1に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。なおより具体的な実施形態では、赤色発光材料は、(Sr、Ca)
2Si
5N
8:Eu及びSrLiAl
3N
4:Euのうちの1つ又は複数を含む。
【0027】
特定の実施形態では、第3の発光材料はMAlSiN
3:Eu(II)(すなわち、二価ユウロピウムドープアルカリ土類アルミニウムケイ素窒化物)を含み、ここで、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)からなる群から選択された1つ又は複数の元素を含み、特に、Mは、カルシウム及びストロンチウムのうちの少なくとも1つ又は複数を含み、特に、少なくともストロンチウムである。「Eu(II)」という用語は、二価ユウロピウムを示す。「:Eu」という用語及び同様の用語は、無機材料が、Eu、又は当技術分野で知られているような他の元素(イオン)でドープされていることを示す。
【0028】
さらなる別の実施形態では、第3の光源は、赤色の第3の固体光源光を供給するように構成された第3の固体光源(赤色発光LED、又は赤色発光OLEDなど)を含む。当然、さらに、異なるタイプの赤色光源の組合せが適用される。
【0029】
第1の光源及び第2の光源は、各々、独立に、さらに特に、LED又はレーザダイオードなどの固体光源の群から選択される。さらに、第1の光源及び第2の光源に関して、「光源」という用語は、2〜20個の(固体)LED光源などの複数の光源に関連することが当然当てはまる。第1の光源及び第2の光源は、特に、それぞれの光源光で異なる発光材料に応えるように構成され、第1の発光材料は第1の光源によって応えられ、第2の発光材料は第2の光源によって応えられる。したがって、異なる発光材料(オプションとして第3の発光材料をさらに含む)は、主として、それぞれの光源で照射される。特に、各発光材料は、全照射パワーの50%超、特に、照射パワーの80%超を得るために、それぞれの光源からの放射を受け取る。したがって、それぞれの光源は、それぞれの発光材料と放射的に結合される(上述も参照)。
【0030】
それゆえに、特定の実施形態では、照明装置は、第1の光源及び第1の発光材料を含む第1のLEDパッケージ、及び/又は第2の光源及び第2の発光材料を含む第2のLEDパッケージを含む。代替として又は追加として、照明装置は、したがって、第3の固体光源及び第3の発光材料を含む第3のLEDパッケージをさらに含む。したがって、前者の実施形態では、パッケージの下流で、(a)青色光並びに緑色光及び黄色光のうちの1つ又は複数、及び/又は(b)青色光及び緑色光が知覚され、一方、後者の実施形態では、パッケージの(すぐ)下流で、実質的に、赤色光のみが知覚される。「上流で」及び「下流で」という用語は、光発生手段(ここで、特に第1の光源)からの光の伝搬に関するアイテム又はフィーチャの構成に関連し、光発生手段からの光のビーム内の第1の位置を基準にして、光発生手段により近い光のビームの第2の位置は「上流で」であり、光発生手段からさらに離れている光のビーム内の第3の位置は「下流で」である。
【0031】
第1の光源及び第2の光源の両方の青色光が、実質的に490nm未満である、例えば475nm以下などであるとき、特に良好な結果が得られた。この波長は、メラノピック曲線の最大値(約490nm)の近くである。したがって、特定の実施形態では、第2の光源主波長≦490nmであり、さらに特に、第2の光源主波長≦475nmである。上記のように、第1の光源主波長は第2の光源主波長よりも短く、したがって、この実施形態の第1の光源主波長は当然のことながら、第1の光源主波長<490nmである。これらの波長を選ぶことによって、これにより、照明装置は、2つの主要なオプション、すなわち、メラノピック曲線最大値に比較的近い、すなわち、覚醒/目覚めを促進する青色光をもつ高い相関色温度を有する第1のオプションと、メラノピック曲線最大値からより遠い、すなわち、目のメラノプシン含有光受容体にほとんど応ぜず、それゆえに、メラトニン生成を相対的にほとんど抑制しない(第1のオプションを基準にして)青色光をもつ第2の相関色温度を有する第2のオプションとの間で選択することができるようになる。
【0032】
より特定の実施形態では、第1の光源光は430〜450nmの範囲から選択された主波長を有し、第2の光源光は450〜475nmの範囲から選択された主波長を有する。さらに、特に、主波長の差(第1の光源光と第2の光源光との)は、少なくとも10nmの範囲にあり、特に15〜30nmの範囲にある。そのような実施形態では、特に、高いメラノプシン効果比変化が得られる。
【0033】
発光材料に関して、特に第1の光源及び第2の光源について(しかし、第3の光源についても、上述も参照)、原理上は、無機蛍光体又は有機蛍光体或いは無機蛍光体及び有機蛍光体の組合せである任意の好適な発光材料が選ばれる(上述も記参照)。
【0034】
しかしながら、特定の実施形態では、第1の発光材料及び第2の発光材料は、セリウムドープガーネット発光材料の群から選択される。代替として又は追加として、第1の発光材料及び第2の発光材料のうちの1つ又は複数は、量子ドット発光材料の群から選択される。したがって、発光材料は、さらに、(各々独立に)発光酸化物材料からなる群から選択される。
【0035】
第1の発光材料が緑色−黄色で発光するように構成され、第2の発光材料が緑色で発光するように構成される場合、特に良好な結果が得られた。したがって、特定の実施形態では、第1の発光材料の第1の発光材料光は550〜590nmの範囲から選択された主波長を有し、第2の発光材料の第2の発光材料光は520〜550nmの範囲から選択された主波長を有する。これらのタイプの適用では、ガーネットタイプの発光材料が特に好適である(上述も参照)。
【0036】
したがって、さらなる実施形態では、第1の発光材料及び第2の発光材料はA
3B
5O
12:Ce
3+を含み、ここで、Aは、Y、Gd、Tb、及びLuからなる群から選択され、Bは、Al、Ga、及びScからなる群から選択される。第1の発光材料及び/又は第2の発光材料は、(したがって)、ガーネット材料を含む。特に、第1の発光材料及び/又は第2の発光材料は発光セラミックを含む。ガーネット材料、特にセラミックガーネット材料は、本明細書では、「発光材料」としても示される。発光材料はA
3B
5O
12:Ce
3+(ガーネット材料)を含み、ここで、Aは、特に、Sc、Y、Tb、Gd、及びLuからなる群から選択され、Bは、特に、Al、Sc、及びGaからなる群から選択される。より特に、Aは、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、及びルテチウム(Lu)のうちの1つ又は複数を含み、Bはアルミニウム(Al)を含む。そのようなガーネットは、セリウム(Ce)で、及びオプションとしてプラセオジム(Pr)などの他の発光種でドープされる。特定の実施形態では、Bは、約40%以上のAlと、60%以下のGaとからなる。特に、Bはアルミニウム(Al)を含むが、しかしながら、Bは、ガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)、及び/又はインジウム(In)をさらに部分的に含み、特に、約20%までのAl、より特に、約10%までのAlが置換され(すなわち、Aイオンは、90モル%以上のAlと、10モル%以下のGa、Sc、及びInのうちの1つ又は複数とから本質的に構成され)、Bは、特に、約10%までのガリウムを含む。別の変形では、B及びOは、少なくとも部分的に、Si及びNで置換される。上述で示したように、元素Aは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、及びルテチウム(Lu)からなる群から選択される。特に、第1の発光材料に対して、Aに関連するYのモル百分率は第2の発光材料に対するものよりも大きく、第2の発光材料に対して、Aに関連するLuのモル百分率は第1の発光材料に対するものよりも大きい。したがって、例えば、第1の発光材料と第2の発光材料の両方は、Y及びLu(すなわち、A元素)を含むが、前者は後者よりも多くのYを含み、後者は前者よりも多くのLuを含む。このようにして、前者の発光材料は、後者の発光材料よりも長い波長の主波長を有する。LuAGの代わりに又はLuAGに加えて、さらに、GaYAG(すなわち、Y
3Ga
5O
12:Ce
3+)を適用してもよい。したがって、そのような発光材料の混合物が適用されてもよいが、さらに、(YLu
2Ga
4AlO
12:Ce
3+)などの混晶が適用されてもよい。
【0037】
本明細書で説明する発光材料は、特に、その化学式を用いて示される。たとえ元素が示されているとしても、不純物及び/又は他の相の存在は排除されない。発光材料(「蛍光体」)は、ハロゲン不純物及び金属不純物のうちの1つ又は複数のような不純物をさらに含む。発光材料は、本明細書で定義されたような1つ又は複数の発光材料は別として、(既に示された(残存する))フラックス材料、残存する出発原料、及び1つ又は複数の(それぞれ)発光材料の合成の間にさらに形成される1つ又は複数の相のうちの1つ又は複数のような他の相をさらに含む。同様に、発光材料は、(既に示された(残存する))フラックス材料、残存する出発原料、及び1つ又は複数の(それぞれ)発光材料の合成の間にさらに形成される1つ又は複数の相のうちの1つ又は複数のような他の相をさらに含む。一般に、そのような他の相の重量百分率は、約10wt.%未満(発光材料の全重量に対して)である。これは当技術分野で知られている。
【0038】
上述で示したように、発光材料は不純物をさらに含む。これは当技術分野で知られている。したがって、実施形態では、MAlSiN
3:Eu(II)などのような化学式は、例えば、合計約500ppmまでの、特に、約200ppmまでの、さらに特に、約100ppmまでの不純物の存在を排除しない。したがって、たとえ化学式が不純物の存在を示していなくても、(それにもかかわらず)存在する不純物は、例えば、Li、Na、K、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Cu、Zn、V、C、N、O、F、Al、Si、P、S、Cl、Ga、Ge、Se、Br、Lu、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、Pb、及びBiからなる群から選択される。ここに、不純物が列記されている。例えば、化学式がLi又はEuの使用可能性を示している場合、これらは、(少量で有効である場合でさえ)不純物と見なされない。したがって、例えば、MAlSiN
3:Eu(II)では、Euは不純物ではないが、MAlSiN
3:Eu(II)は、例えば150ppmのHf、Na、又はMgを(1つの不純物/複数の不純物として)含む。
【0039】
さらに、発光材料は、散乱粒子及びハロゲン塩のうちの1つ又は複数を含む。
【0040】
さらに、照明装置は制御ユニットを含む。この制御ユニットは、特に、可変相関色温度を有する白色光を供給するために、第1の光源、第2の光源、及び第3の光源を独立に制御するように構成される。したがって、これらのそれぞれの光源の強度は、例えば上述で示した範囲内で、例えば連続的に調節することによって、相関色温度(及びMEF)を変えるように調整される。このようにして、(a)第1の光源光、第1の発光材料光、及び特にさらに赤色光源光、並びに(b)第2の光源光、第2の発光材料光、及び特にさらに赤色光源光のうちの1つ又は複数を含む白色光が供給される。第1の極端な手段では、白色光は、赤色光と、第1の光源光及び第1の発光材料光のみとを含み、低い相関色温度白色光(低いMEFをもつ)である。別の極端な手段では、白色光は、赤色光と、第2の光源光及び第2の発光材料光のみとを含み、高い相関色温度白色光(高いMEFをもつ)である。したがって、照明装置は、少なくとも2000Kの相関色温度範囲にわたって可変な白色光を供給するために、及び相関色温度に応じてスペクトルの青色範囲に可変スペクトルパワー分布を提供するために使用される。
【0041】
特に、制御ユニットは、第1の光源、第2の光源、及び第3の光源を制御するように構成される。特に、それにより、制御ユニットは、第1の光源光、第2の光源光、及び第3の光源光の強度を制御するように構成される。制御ユニットは、特に、光源を独立に制御することができるが、特に、2つ以上の光源が一緒に白色光(照明装置の)を供給する。さらに、特に、制御ユニットは、時間信号及び周囲光センサのうちの1つ又は複数に応じて、第1の光源、第2の光源、及び第3の光源を制御するように構成される。このようにして、照明装置は、例えば、相関色温度を自動的に調節する。しかしながら、なおさらなる実施形態では、制御ユニットは、ユーザ入力値に応じて光源を制御するようにも構成される。例えば、時差ぼけのための準備をするか、又は時差ぼけから回復する(円滑に)ために相関色温度又は相関色温度計画を調節することが例えば望まれることがある。なおさらなる実施形態では、照明装置は、青緑色光を含む第4の光源光を供給するように構成された第4の光源をさらに含む。
【0042】
なおさらなる実施形態では、制御ユニットは、白色光のメラノプシン効果係数(MEF)を制御するようにさらに構成される。このようにして、白色光は、所望のMEF、例えば、日中の高い係数及び就寝時間に近づいたときの減少した係数に調整される。制御ユニットは、さらに、特に、白色光の相関色温度(及び/又は日時刻)に応じてメラノプシン効果係数(MEF)を制御するようにも構成される。
【0043】
照明装置はユーザインタフェースをさらに含む。ユーザインタフェースは、例えば、相関色温度、色温度計画、白色光の強度、MEFに関連する入力値などのうちの1つ又は複数を(制御ユニットを介して)制御するために使用される。MEFに関連する入力値は、例えば「就寝時間」(それによりMEFを減少させる)、「目覚め」(MEFを増加させる)、「覚醒を上げる」(MEFを増加させる)、「リラックス」(MEFを減少させる)等々のような入力値を含む。ユーザインタフェースは、照明装置を制御するためにのみ実質的に好適な古典的遠隔制御装置などの遠隔制御装置に実質的に含まれる。しかしながら、ユーザインタフェースは、ユーザインタフェースとしてアプリを含むモバイルフォン又は他のポータブルデバイスなどのスマートデバイスにも含まれる。ユーザインタフェースは、有線で又はワイヤレスで、特にワイヤレスで、制御ユニットと通信する。したがって、ユーザインタフェース及び制御ユニットは、特に、機能的に接続される。
【0044】
照明装置は、照明システムの一部であり、照明装置は、1つ又は複数の他の照明装置を含む1つ又は複数の他のデバイスに機能的に接続される。したがって、本発明は、さらに、1つ又は複数の、特に複数の、照明装置を含む照明システムを提供する。例えば、MEF値は、日時刻に応じて制御ユニットによって選ばれ、例えば、眠る前の低いMEFと、目を覚ますための又は昼食の直後の高いMEFとを有する。代替として又は追加として、MEF値は、人間の活動(又は不活動)に依存して選択される。さらに、MEF値は、場所に応じて選択され、例えば、制御室又は制御室の一部では相対的により高いMEF、例えばリラックス区域ではより低いMEFである。さらに、オプションとして又は追加として、MEFはセンサに応じて選択され、センサは、人間の活動及び/又は人間の覚醒を感知するように構成される。例えば、覚醒が必要とされる場所で及び/又は時間に、人間が寝入り始めると、MEF値が増加される(自動車を運転しているか、又はバス、列車、トラックなど他の車両を運転しているとき、制御室にいるとき等々)。
【0045】
このようにして、照明装置の光を用いて、人は、自分自身の感じ方を変更することができる。色相は気分に影響を及ぼし及び/又は雰囲気を整えるので、色相によって、人は、光と、人への光の影響とをより良好に制御する。
【0046】
「紫色光」又は「紫色発光」という用語は、特に、約380〜440nmの範囲の波長を有する光に関する。「青色光」又は「青色発光」という用語は、特に、約440〜495nmの範囲の波長を有する(いくつかの紫色及び青緑色の色相を含む)を有する光に関する。本発明では、青色光は、特に、400〜495nmの範囲の波長を有する光に関する。「緑色光」又は「緑色発光」という用語は、特に、約495〜570nmの範囲の波長を有する光に関する。「黄色光」又は「黄色発光」という用語は、特に、約570〜590nmの範囲の波長を有する光に関する。「オレンジ色光」又は「オレンジ色発光」という用語は、特に、約590〜620nmの範囲の波長を有する光に関する。「赤色光」又は「赤色発光」という用語は、特に、約620〜780nmの範囲の波長を有する光に関する。「ピンク色光」又は「ピンク色発光」という用語は、青色及び赤色成分を有する光を参照する。「可視の」、「可視光」、又は「可視発光」という用語は、約380〜780nmの範囲の波長を有する光を指す。
【0047】
照明装置は、例えば、オフィス照明システム、家庭用応用システム、店舗照明システム、家庭照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバ応用システム、投影システム、自己点灯ディスプレイシステム、ピクセルディスプレイシステム、セグメントディスプレイシステム、警告サインシステム、医療照明応用システム、インジケータサインシステム、装飾照明システム、ポータブルシステム、自動車用途、温室照明システム、園芸照明の一部であるか又はそれらに適用される。
【0048】
次に、本発明の実施形態が、対応する参照記号が対応する部分を示す添付の概略図を参照して単なる例として説明される。