特許第6408188号(P6408188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6408188
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
   A63F5/04 511D
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-145241(P2018-145241)
(22)【出願日】2018年8月1日
(62)【分割の表示】特願2017-161414(P2017-161414)の分割
【原出願日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年8月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505092131
【氏名又は名称】エピクロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】中島 一行
【審査官】 牧 隆志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−165950(JP,A)
【文献】 特開2013−223596(JP,A)
【文献】 特開2009−160340(JP,A)
【文献】 特開2016−106981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示部と、
複数種類の図柄が周面に施された仮想リールが停止状態から回転速度を増しながら回転し、当該回転速度が所定の回転速度に到達すると当該所定の回転速度を保って回転し、停止操作が行われる仮想リールを停止状態にする映像であって、当該所定の回転速度において前記仮想リールの1回転につき複数枚のフレームで構成された映像を前記表示部に表示する処理部と、
前記表示部の映像における前記仮想リールの回転始動及び停止指示を入力する指示入力部と、
複数の前記仮想リールのそれぞれについて、少なくとも1回転分の回転中の映像を表示する回転中ムービーデータと、少なくとも1回転分の停止中の映像を表示する停止中ムービーデータとを記憶するメモリと、
を有し、
前記処理部は、
前記複数の仮想リールの各々について、前記仮想リールの状態に応じて、次に描画を行うフレームを特定する指標値を計算する指標値計算処理と、停止中及び回転中の状態を判別する判別処理とを行う更新処理部と、
前記判別処理で判別された状態を基に、前記仮想リールについての前記回転中ムービーデータ及び前記停止中ムービーデータのなかから、一つのムービーデータを選択し、当該選択したムービーデータを構成するフレームのなかから前記指標値計算処理で計算された指標値に対応する前記フレームをデコードして描画する描画処理を行う描画処理部と
を有する遊技機。
【請求項2】
前記処理部の前記更新処理部は、
前記指示入力部から回転始動指示が入力されると、回転状態となり、前記複数の仮想リールの回転速度を算出し、算出した回転速度が予め決められた第1のしきい値を超えると、当該回転速度に対応した前記仮想リールについて前記回転中ムービーデータを選択し、前記第1のしきい値以下の場合には、前記停止中ムービーデータを選択する
請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記更新処理部は、
回転中の状態の前記仮想リールについて、
前記回転速度及び回転加速度を基に、回転角度量に相当する前記指標値を計算し、当該指標値を基に、次に前記描画処理の対象とする前記フレームを決定する
請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記更新処理部は、
前記仮想リールの回転速度を加速している状態において、
予め決められた回転加速度を基に回転速度を所定の最高速度になる迄順に更新し、
前記回転速度及び回転加速度を基に、回転角度量に相当する指標値を計算し、当該指標値を基に、次に前記描画処理の対象とする前記フレームを決定する
請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
前記更新処理部は、
前記指示入力部から停止指示が入力されると、停止処理後に、すべり状態に移行し、
前記すべり状態において、前記仮想リールの現在位置が前記仮想リールの停止処理で決められた停止位置になる迄は前記回転中ムービーデータを選択し、前記仮想リールの現在位置が前記停止位置になると、前記停止中ムービーデータを選択してバウンド開始状態に移行する
請求項1に記載の遊技機。
【請求項6】
前記バウンド開始状態に移行した後に、
前記仮想リールの回転速度が、回転停止を含む所定の範囲の外側にあるときに、回転速度を順に落とし、バウンド角度を回転速度に応じた大きさだけ小さくし、
前記バウンド角度に応じて前記ムービーデータから次に描画処理の対象とするフレームを決定する
請求項5に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ機(スロットマシン)等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチスロ機(スロットマシン)は、複数種類の図柄が施された複数個(通常3個)のリールを遊技者の操作に応じて回転・停止させ、リールが停止したときの図柄の組み合わせ(出目)に応じてメダルを払い出す処理を行う。また、パチスロ機は、こうした遊技の進行に合わせてランプの点滅やスピーカの音声出力、ディスプレイの画面表示などを制御して、遊技者の気分を高揚させる演出処理を行う。
【0003】
ところで、ディスプレイ画面には、3つの仮想リール(サブリール)が表示され、その仮想リールの停止操作によって、仮想リールを停止させ、様々な演出画像を表示する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−204796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の仮想リールの画像処理は、3つの仮想リールに対しての操作の組み合わせ結果を基に行う必要があり、単純に行うと膨大な処理量になり、応答性が悪くなるという問題がある。応答性が悪いと、目押し操作をより現実のリールに近い感覚で行うことができない。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、動きのある仮想リールや図柄を映像として高精度に表示部に表示できる遊技機を提供することである。
【0007】
また、本発明の目的は、表示部に映像として表示された仮想リールの特定の図柄を特定の位置に停止させる目押し操作を、より現実のリールに近い感覚で楽しむことができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る遊技機は、映像を表示する表示部と、複数種類の図柄が周面に施された仮想リールが停止状態から回転速度を増しながら回転し、当該回転速度が所定の回転速度に到達すると当該所定の回転速度を保って回転し、停止操作が行われる仮想リールを停止状態にする映像であって、当該所定の回転速度において前記仮想リールの1回転につき複数枚のフレームで構成された映像を前記表示部に表示する処理部と、前記表示部の映像における前記仮想リールの回転始動及び停止指示を入力する指示入力部と、複数の前記仮想リールのそれぞれについて、少なくとも1回転分の回転中の映像を表示する回転中ムービーデータと、少なくとも1回転分の停止中の映像を表示する停止中ムービーデータとを記憶するメモリと、を有し、前記処理部は、前記複数の仮想リールの各々について、前記仮想リールの状態に応じて、次に描画を行うフレームを特定する指標値を計算する指標値計算処理と([0084])、停止中及び回転中の状態を判別する判別処理とを行う(フラグ設定)更新処理部と、前記判別処理で判別された状態を基に、前記仮想リールについての前記回転中ムービーデータ及び前記停止中ムービーデータのなかから、一つのムービーデータを選択し、当該選択したムービーデータを構成するフレームのなかから前記指標値計算処理で計算された指標値に対応する前記フレームをデコードして描画する描画処理を行う描画処理部とを有する。
【0009】
好適には、前記処理部の前記更新処理部は、前記指示入力部から回転始動指示が入力されると、回転状態となり、前記複数の仮想リールの回転速度を算出し、算出した回転速度が予め決められた第1のしきい値(ブラー速度)を超えると、当該回転速度に対応した前記仮想リールについて前記回転中ムービーデータを選択し、前記第1のしきい値以下の場合には、前記停止中ムービーデータを選択する。
【0010】
好適には、前記更新処理部は、回転中の状態の前記仮想リールについて、前記回転速度及び回転加速度を基に、回転角度量に相当する指標値(最大フレーム*回転速度/速度スケール)を計算し、当該指標値を基に、次に前記描画処理の対象とする前記フレームを決定する。
【0011】
好適には、前記更新処理部は、前記仮想リールの回転速度を加速している状態において、予め決められた回転加速度を基に回転速度を所定の最高速度になる迄順に更新し、前記回転速度及び回転加速度を基に、回転角度量に相当する指標値(最大フレーム*回転速度/速度スケール)を計算し、当該指標値を基に、次に前記描画処理の対象とする前記フレームを決定する。
【0012】
好適には、前記更新処理部は、前記指示入力部から停止指示が入力されると、停止処理後に、すべり状態に移行し、前記すべり状態において、前記仮想リールの現在位置が前記仮想リールの停止処理で決められた停止位置になる迄は前記回転中ムービーデータを選択し、前記仮想リールの現在位置が前記停止位置になると、前記停止中ムービーデータを選択してバウンド開始状態に移行する。
【0013】
第2の観点の遊技機は、映像を表示する表示部と、複数種類の周期性のある動きのある図柄の映像であって複数枚のフレームで構成された映像を表示部に表示する処理部と、複数の前記図柄のそれぞれについて、少なくとも1周期の動作中の映像を表示する第1のムービーデータと、少なくとも1周期分の停止中の映像を表示する第2のムービーデータとを記憶するメモリと、を有し、前記処理部は、前記複数の図柄の各々について、停止中及び動作中の状態を判別し、当該判別した状態を基に、当該図柄についての前記第1のムービーデータ及び前記第2のムービーデータのなかから、一つのムービーデータを選択する更新処理部と、前記複数の図柄について前記更新処理部で選択したムービーデータを構成するフレームをデコードして描画する描画処理を行う描画処理部とを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、動きのある仮想リールや図柄を映像として高精度に表示部に表示できる遊技機を提供することができる。
また、本発明の目的は、表示部に映像として表示された仮想リールの特定の図柄を特定の位置に停止させる目押し操作を、より現実のリールに近い感覚で楽しむことができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るパチスロ機の正面側に配置されたディスプレイ、操作部等を説明するための図である。
図2】本発明の実施形態のパチスロ機の構成図である。
図3】サブメイン制御部の機能ブロック図である。
図4】サブサブ制御部の構成の一例を示す図である。
図5図4に示す処理部の仮想リール表示に関する全体処理を説明するためのフローチャートである。
図6図4に示す処理部が行う図3に示す更新処理を説明するためのフローチャートである。
図7図6に示すステップST26の加速処理を説明するためのフローチャートである。
図8図6に示すステップST28の停止処理を説明するためのフローチャートである。
図9図6に示すステップST30のすべり処理を説明するためのフローチャートである。
図10図6に示すステップST34のバウンド処理を説明するためのフローチャートである。
図11図5に示すステップST4の描画処理の第1実施例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る遊技機としてのパチスロ機を説明する。
図1は、本実施形態に係るパチスロ機の正面側に配置されたディスプレイ、操作部等を説明するための図である。
図1の例において、パチスロ機1の正面には、メインリール部30、液晶パネル等のディスプレイ35、メダル投入部11、1枚ベットボタン201、3枚ベットボタン203、スタートレバー205、左停止ボタン207L、中停止ボタン207M、右停止ボタン207Rが配置されている。
ディスプレイ35は、本発明における表示部の一例である。
【0017】
メインリール部30は、それぞれ複数種類の図柄が周面に施された3つのリール(メインリール)と、この3つのメインリールをそれぞれ回転駆動するリール回転部17(図2)を有する。各メインリールの周面には、例えば21個の図柄が並んで描かれている。パチスロ機の正面に設けられた透明な表示窓を介して、各リールの隣接する3つの図柄が表示される。全てのメインリールが停止しているとき、表示窓には3行3列に配列された9個の図柄が表示される。
メダル投入部11は、パチスロ機にメダルを投入して貯留するための機構と、メダルの投入を検知するセンサを備える。
【0018】
1枚ベットボタン201と3枚ベットボタン203は、1回の遊技で賭けるメダルの枚数を設定するための入力機器である。1枚ベットボタン201の押下によって1枚のメダルが1回の遊技に使用され、3枚ベットボタン203の押下によって3枚のメダルが1回の遊技に使用される。メダルの賭け数が1枚の場合、上述した3行3列の図柄において中段の横方向の1ラインにおける図柄の組み合わせ(出目)に応じて入賞の有無が判定される。メダルの賭け数が3枚の場合は、上述した3行3列の図柄において上,中,下段の横方向の3ラインと右斜め下方向および左斜め上方向の2ラインにおける図柄の組み合わせ(出目)に応じて入賞の有無が判定される。3行3列の図柄の配列において入賞の有無が判定されるラインを「入賞ライン」と呼ぶ。
なお、1回の遊技で賭けるメダルの枚数は上記の例に限らず、例えば1枚のみでもよいし、1,2,3枚のうちから遊技者が自由に選択できるようにしてもよい。また、入賞ラインの本数も任意であり、例えば中段1ラインだけでもよいし、上・中・下段と斜め方向の5ラインでもよい。
【0019】
スタートレバー205は、メインリール部30の回転開始の指示を入力するための入力機器である。メダル投入部11からメダルが投入され、1枚ベットボタン201又は3枚ベットボタン203によってメダルの枚数が設定された状態でスタートレバー205が叩かれると、メインリール部30においてメインリールの回転が始まる。
【0020】
左停止ボタン207L、中停止ボタン207M、右停止ボタン207Rは、メインリール部30の各メインリールの停止指示を入力するための入力機器であり、本発明における指示入力部に対応する。左停止ボタン207を押下すると左側のメインリールが停止し、中停止ボタン207Mを押下すると中央のメインリールが停止し、右停止ボタン207Rを押下すると右側のメインリールが停止する。
【0021】
ディスプレイ35は、演出用の映像を表示させるための表示装置であり、例えば液晶表示パネルやEL表示パネルなどを含んで構成される。後述するように、ディスプレイ35には、メインリールを模擬した演出用のリール(仮想リール)が回転・停止する映像や、キャラクタ等のアニメーション映像などが表示される。
【0022】
また、パチスロ機は、このディスプレイ35の画面において物体(遊技者の手指等)を検出するタッチセンサ33を有する。タッチセンサ33は、ディスプレイ35の映像表示面を覆った検出領域において物体を検出し、その検出した物体の位置を示すデータを生成する。
【0023】
図2は、本実施形態に係るパチスロ機1の構成の一例を示す図である。
本実施形態に係るパチスロ機1は、例えば図2に示すように、メイン制御部3と、サブメイン制御部5と、サブサブ制御部7を有する。
【0024】
[メイン制御部3]
メイン制御部3は、遊技の全体的な進行を統括的に制御する回路ブロックであり、例えばプログラムに応じて処理を実行するプロセッサとメモリを含んで構成される。メイン制御部3は、例えばメダルの賭け枚数の設定、スタートレバー205の操作に応じたメインリールの回転開始、メインリールの入賞ラインにおける図柄の組み合わせ(出目)を決めるくじの内部抽選、くじの内部抽選の結果に応じたリールの停止、入賞ラインにおける出目に応じた入賞結果の判定、メダルの払い出しなどの一連の動作を制御する。
【0025】
図2の例において、メイン制御部3には、メダル投入部11、メダル払出部13、くじ抽選部15、リール回転部17および操作ボタン群20(201,203,205,207L,207M,207R)が接続される。サブサブ制御部7には、ディスプレイ35およびスピーカ37が接続される。
【0026】
メイン制御部3は、メダル投入部11からのメダル投入の検知信号を監視し、遊技に使用するため貯留されたメダルの枚数を記録する。メダル投入部11において適当な枚数のメダルが投入され、ベットボタン(201,203)によってメダルの賭け枚数が設定された状態でスタートレバー205が叩かれると、メイン制御部3は、くじ抽選部15においてメインくじの抽選を実施して、抽選されたくじを取得するとともに、メインリール部30のリール回転部17を制御して3つのメインリールの回転を開始させる。
【0027】
くじ抽選部15は、メイン制御部3の制御に従って乱数を発生し、発生した乱数に基づいて抽選を行ってメインくじを決定する。メインくじは、複数の所定の遊技用役の中から抽選により選ばれた一の遊技用役を示す。遊技用役は、メダル等の遊技価値の付与に係る役であり、主として入賞ラインにおける図柄の組み合わせ(出目)を決める。メインくじが示す遊技用役には、例えば、1回の遊技ごとにメダルが払い出される小役や、複数回の遊技において反復的にメダルを払い出す出目が揃うボーナス役、遊技に際してメダルの投入が不要になるリプレイ役などがある。くじ抽選部15は、このような所定の複数の遊技用役からランダムに1つの遊技用役をメインくじとして選択する。
なお本実施形態において、くじ抽選部15が抽選結果として選択する遊技用役には、遊技価値を付与されない(メダルの払い出しが行われない)「はずれ役」も含まれる。
【0028】
メイン制御部3は、スタートレバー205の指示に応じてメインリールの回転を開始した後、3つのリール停止ボタン(207L,207M,207R)の何れかが押下されることによってリール回転の停止指示が入力されると、押下されたリール停止ボタンに対応する左,中又は右のメインリールを停止させる。
【0029】
メイン制御部3は、メインリールを停止させる場合、その停止対象のメインリールがくじ抽選部15で抽選されたメインくじが示す遊技用役に応じた図柄で停止するようにメインリールの停止位置(回転角度)を制御する。例えばメインくじが示す遊技用役がボーナス役の場合、メイン制御部3は、リール停止ボタンが押下されたときのリールの基準位置(例えばメインリールの表示窓における下段の位置)から所定の滑りコマ数の範囲内にボーナス役の図柄があれば、この図柄が入賞ライン上で止まるようにリール回転部17を制御(引き込み制御)する。また、メインくじが示す遊技用役がはずれ役の場合、メイン制御部3は、遊技価値を付与する(メダルの払い出しを行う)図柄の組み合わせ(出目)が成立しない位置(回転角度)でメインリールの回転が停止するようにリール回転部17を制御(蹴飛ばし制御)する。
【0030】
遊技者の操作に応じて3つのメインリールを停止させた場合、メイン制御部3は、入賞ライン上における図柄の組み合わせ(出目)に基づいて入賞結果を判定する。そして、メイン制御部3は、メダルの払い出しを生じる所定の出目が入賞ライン上に揃っている場合、その出目に応じた枚数のメダルを払い出すようにメダル払出部13を制御する。
【0031】
またメイン制御部3は、メインリールの回転の開始や停止、くじ抽選部15の抽選結果、メダルの投入や払い出しなど、遊技の進行に係るデータ(コマンド)をサブメイン制御部5へ逐次出力する。
【0032】
例えば、メダル投入部11においてメダルが投入された場合、メイン制御部3は、その投入されたメダルの枚数や、メダル投入部11において貯留されているメダルの枚数等を示すデータをサブメイン制御部5に出力する。
【0033】
ベットボタン(201,203)が押下された場合、メイン制御部3は、その押下を示すデータをサブメイン制御部5へ出力する。
【0034】
ベットボタン(201,203)によってメダルの賭け枚数が設定された状態でスタートレバー205が叩かれた場合、メイン制御部3は、スタートレバー205が叩かれたことを示すデータ(メインリールの回転開始操作を示すデータ)をサブメイン制御部5へ出力する。
【0035】
スタートレバー205が叩かれたことに応じてくじ抽選部15がメインくじの抽選を行った場合、メイン制御部3は、くじ抽選部15が抽選したメインくじを示すデータ(メインくじデータ)をサブメイン制御部5へ出力する。
【0036】
メインリール部30において何れかのメインリールが回転している状態でリール停止ボタン(207L,207M,207R)が押下された場合、メイン制御部3は、対応するリール停止ボタンが押下されたことを示すデータ(対応するメインリールの回転停止操作を示すデータ)をサブメイン制御部5へ出力する。また、メイン制御部3は、引き込み制御や蹴飛ばし制御により停止したメインリールが示す図柄(停止図柄)に関するデータをサブメイン制御部5へ出力する。
【0037】
3つのメインリールの停止図柄が確定した場合、メイン制御部3は、入賞ライン上の図柄の組み合わせ(出目)が示す入賞結果のデータをサブメイン制御部5へ出力する。また、入賞結果に応じてメダル払出部13からメダルの払い出しを行った場合、メイン制御部3は、払い出したメダルの枚数を示すデータをサブメイン制御部5へ出力する。
【0038】
[サブメイン制御部5]
次に、サブメイン制御部5について説明する。
サブメイン制御部5は、遊技の進行に係るデータ(コマンド)をメイン制御部3から入力し、入力したデータに応じて演出部(ディスプレイ35,スピーカ37等)における演出内容を決定する回路ブロックであり、例えばプログラムに応じて処理を実行するプロセッサとメモリを含んで構成される。
【0039】
サブメイン制御部5は、メイン制御部3から出力されるメインくじデータに応じて、複数の所定の演出パターンから一の演出パターンを選択する。そして、サブメイン制御部5は、遊技の進行に係るデータをメイン制御部3から入力する度に、この決定した演出パターンに基づいて演出内容(ディスプレイ35の映像やスピーカ37の音)を指定するデータを生成し、サブサブ制御部7に出力する。
【0040】
例えば、サブメイン制御部5は、メイン制御部3から入力した遊技進行に係るデータの中で演出の出力の契機(トリガー)となるデータと、このデータに応じて出力すべき演出の内容に関するデータとを対応付けたトリガーテーブルを記憶装置に複数格納している。
サブメイン制御部5は、メイン制御部3からメインくじデータを入力すると、このメインくじデータが示す遊技用役に応じて、記憶装置に記憶される複数のトリガーテーブルから一のトリガーテーブルを選択する。そして、サブメイン制御部5は、遊技の進行に係るデータをメイン制御部3から入力する度に、上記選択したトリガーテーブルを参照して演出内容を指定するデータを生成し、サブサブ制御部7に出力する。
【0041】
更に、サブメイン制御部5は、タッチセンサ33によってディスプレイ35の画面付近に物体(遊技者の手指等)が検出され、その位置を示すデータが生成された場合、生成されたデータに基づいて物体の位置を示す座標データを取得するとともに、画面付近に複数の物体が検出されたか否かや、物体の所定時間あたりの移動距離、物体の移動方向など、物体の状態に関する情報を取得する。サブメイン制御部5は、タッチセンサ33からの入力データに基づいて物体の位置や状態に関する情報が得られると、これらの情報の取得を契機(トリガー)として出力されるべき演出の内容をトリガーテーブルに基づいて決定し、決定した演出内容を指定するデータを生成してサブサブ制御部7に出力する。
【0042】
図3は、サブメイン制御部の機能ブロック図である。
【0043】
サブメイン制御部5は、遊技の進行に係るデータをメイン制御部3から入力した場合や、タッチセンサ33の検出出力に基づいて画面付近の物体の座標データ等を取得した場合、メインくじが示す遊技用役に応じて決定された演出パターン(トリガーテーブル)を参照して、これらのデータを契機(トリガー)として出力されるべき演出内容を指定するデータ(コマンド)を生成し、サブサブ制御部7に出力する。
例えば、サブメイン制御部5は、ディスプレイ35に表示させるアニメーション等の映像を指定するデータや、スピーカ37において再生させる音を指定するデータなどをサブサブ制御部7に出力する。また、サブメイン制御部5は、ディスプレイ35に映像として表示させる仮想リールの制御に関わるデータなどをサブサブ制御部7に出力する。更に、サブメイン制御部5は、演出の一部として、告知ランプ31の点滅制御を行う。
【0044】
サブサブ制御部7は、サブメイン制御部5から演出内容を指定するデータ(コマンド)を入力すると、入力したデータ(コマンド)に応じてディスプレイ35におけるアニメーション等の映像の表示や、スピーカ37における効果音の再生などを行う。また、サブサブ制御部7は、仮想リールの制御に関わるデータをサブメイン制御部5から入力すると、入力したデータに応じてディスプレイ35に表示する仮想リールの映像を制御する。サブサブ制御部7は、ディスプレイ35の仮想リールの回転を停止させた場合、停止した仮想リールの図柄の組み合わせ(出目)に関するデータ(停止結果データ)をサブメイン制御部5に出力する。
【0045】
サブメイン制御部5は、停止した仮想リールの出目に関する停止結果データをサブサブ制御部7から入力した場合、メインくじに応じて決定した演出内容を、この停止結果データに応じて変更する。すなわち、サブメイン制御部5は、停止した仮想リールの出目に応じて、記憶装置に記憶される複数のトリガーテーブルから新たなトリガーテーブルを選択する。
【0046】
サブメイン制御部5からサブサブ制御部7に出力されるコマンドとしては、例えば、基本共通表示コマンド(エラー、設定変更、停止ボタン要求、設定確認についてのコマンド)、タイミング指示コマンド(メイン制御部3側の操作に関するコマンド、例えばベット、メインリールの回転開始、左・中・右のメインリール停止に関するコマンド)、メダル関連コマンド(クレジット枚数、投入枚数、払い出し枚数に関するコマンド)、サウンド関連コマンド(サウンドの発音や停止を制御するコマンド)、仮想リール関連コマンド(仮想リールの回転開始指示データ、左仮想リールの回転停止指示データ、中仮想リールの回転停止指示データ、右仮想リールの回転停止指示データ、演出用役データ、停止パターンを選択するための乱数データ、リールの停止順序に関する停止順序データ)、機種別の演出コマンド(機種別に異なる演出を管理するコマンド)、特殊操作系コマンド(メニュー表示用の外部入力に関するコマンド、例えば、外部入力ボタン操作コマンド、タッチパネル操作コマンド)、システム系コマンド(仮想リールの停止出目を変更するコマンド、リールを大きくするコマンド等)がある。サブサブ制御部7は、これらのコマンドに応じて、ディスプレイ35における画面表示やスピーカ37における効果音の出力を制御する。
【0047】
他方、サブサブ制御部7からサブメイン制御部5に出力されるコマンドとしては、例えば、双方向通信に関わるコマンド(通信を行なう上でのシステムコマンド)、機種別の演出の状態コマンド(演出の結果、どのような状態かを発行するコマンド)、仮想リール結果コマンド(仮想リールにおいて揃った図柄の組み合わせに関する情報、例えば成立した図柄の組み合わせとその図柄組み合わせが成立した入賞ラインの情報を送るコマンド)がある。
【0048】
ここで、ディスプレイ35の仮想リールの制御に関してサブメイン制御部5からサブサブ制御部7へ出力するデータ(演出用役データおよび乱数データ,停止順序判定データ,仮想リール回転開始指示データ,仮想リール停止指示データ)について詳しく説明する。
【0049】
図3は、サブメイン制御部5の構成の一例を示す図である。
図3に示すサブメイン制御部5は、処理部50と、通信インターフェース部51,52と、演出情報記憶部55と、システム記憶部56を有する。
【0050】
通信インターフェース部51は、メイン制御部3からのデータを入力する回路である。
通信インターフェース部52は、サブサブ制御部7へのデータの出力並びにサブサブ制御部7からのデータの入力を行う回路である。
【0051】
演出情報記憶部55は、遊技の進行に応じた演出の内容(ディスプレイ35に表示する映像、スピーカ37から出力する音など)に関する情報を記憶しており、例えば上述したトリガーテーブルを記憶する。
【0052】
システム記憶部56は、処理部50において処理を実行するためのプログラムや、処理に用いられるデータを記憶する。
【0053】
処理部50は、サブメイン制御部5の全体的な処理を司る回路であり、システム記憶部56に格納されるプログラムの命令に従って、演出内容を決定する処理を行う。
例えば、処理部50は、くじ抽選部15において抽選されたメインくじを示すメインくじデータが通信インターフェース部51において入力されると、演出情報記憶部55に記憶される複数のトリガーテーブルから、メインくじデータに応じたトリガーテーブルを選択する。この場合、処理部50は、メインくじデータに応じた複数のトリガーテーブルの候補から抽選により一つのトリガーテーブルを選択してもよい。処理部70は、演出の出力の契機(トリガー)となるデータ(コマンド)をメイン制御部3から入力すると、選択したトリガーテーブルを参照して、この入力したデータに対応した演出内容を指定するデータ(演出指定データ)を随時生成し、通信インターフェース部52からサブサブ制御部7へ出力する。例えば処理部50は、トリガーテーブルにおいて設定されたタイミングにおいて、そのとき再生すべきディスプレイ35の映像やスピーカ37の音を指定するデータ(コマンド)を生成し、サブサブ制御部7に出力する。
【0054】
また、処理部50は、タッチセンサ33において生成されるデータに基づいて、ディスプレイ35の画面を覆う検出領域に物体が検出されているか否かを判定し、物体が検出されている場合はその位置を示す座標データを取得する。処理部50は、タッチセンサ33において生成されるデータを解析することにより、検出領域内の複数の箇所で物体が検出されているか否かや、物体の検出の開始と終了、物体の移動距離と移動方向、ダブルタップ・連打の有無など、検出領域における物体の状態に関連した種々の情報を取得する。
【0055】
[サブサブ制御部7]
次に、サブサブ制御部7について説明する。
サブサブ制御部7は、演出内容を指定するデータ(コマンド)をサブメイン制御部5から入力すると、この入力したデータ(コマンド)に応じて、ディスプレイ35に表示する映像やスピーカ37において出力する音を制御する。例えばサブサブ制御部7は、入力したデータ(コマンド)に対応する映像データ、音データを映像・音記憶部74(図9)から読み出し、これに対応する映像信号、オーディオ信号を生成してディスプレイ35やスピーカ37に供給する。
【0056】
また、サブサブ制御部7は、サブメイン制御部8から入力した仮想リールの制御用のデータ(演出用役データ,乱数データ,停止順序判定データ,仮想リール回転開始指示データ,仮想リール停止指示データ)に応じて、仮想リールが回転・停止する映像をディスプレイ35に表示させる。
すなわち、サブサブ制御部7は、スタートレバー205の操作を示す回転開始指示データをサブメイン制御部5から入力した場合、複数の仮想リールが一斉に回転を始める映像をディスプレイ35に表示する。
サブメイン制御部5から一の仮想リールの回転停止指示データを入力した場合、サブサブ制御部7は、その入力タイミングにおける前記一の仮想リールの回転角度と、サブメイン制御部5から入力した演出用役データ及び乱数データ並びに停止順序判定データとに応じて、前記一の仮想リールを停止させる回転角度を決定し、この決定した回転角度において前記一の仮想リールが停止する映像をディスプレイ35に表示する。
【0057】
更に、サブサブ制御部7は、仮想リール停止指示データに応じて全ての仮想リールを停止させると、停止した複数の仮想リールが示す図柄の組み合わせ(出目)に関するデータ(停止結果データ)をサブメイン制御部5に出力する。
例えば、サブサブ制御部7は、停止した複数の仮想リールが示す図柄の組み合わせ(出目)が、演出用役データ及び乱数データによって特定される停止パターンにおいて定められた入賞条件を満たしているか否かの入賞判定を行う。そして、サブサブ制御部7は、その入賞判定結果の情報と、当該入賞判定を行った入賞ラインの情報とを含んだ停止結果データをサブメイン制御部5に出力する。
なお、サブサブ制御部7が入賞判定を行わず、仮想リールの停止図柄の情報のみを停止結果データとしてサブメイン制御部5に出力する場合には、サブメイン制御部5が入賞判定を行うようにしてもよい。
【0058】
図4は、サブサブ制御部7の構成の一例を示す図である。
図4に示すサブサブ制御部7は、処理部70と、通信インターフェース部71と、映像信号出力部72と、オーディオ信号出力部73と、映像・音記憶部74と、フレームバッファ75と、システム記憶部76を有する。
サブサブ制御部7の処理部70は、本発明における処理部の一例である。
【0059】
通信インターフェース部71は、サブメイン制御部5との間でデータをやり取りするための回路であり、サブメイン制御部5からのデータの入力並びにサブメイン制御部5へのデータの出力を行う。
【0060】
映像信号出力部72は、処理部70から供給される映像データに応じて所定の信号フォーマットの映像信号を生成し、ディスプレイ35に入力する。
オーディオ信号出力部73は、処理部70から供給される音データに応じて振幅やパルス密度が調節されたオーディオ信号を生成し、スピーカ37に入力する。
【0061】
映像・音記憶部74は、ディスプレイ35の画面を構成するために使用される映像データと、スピーカ37において音を出力するために使用される音データを記憶する。映像・音記憶部74に記憶される映像データ及び音データには、それぞれ識別情報が対応付けられている。サブサブ制御部7は、演出内容を指定するサブメイン制御部5からのデータ(コマンド)に含まれたこの識別情報を参照することによって、映像・音記憶部74から映像データ・音データを読み出す。
【0062】
また、映像・音記憶部74は、ディスプレイ35に表示される仮想リールの周面に施された複数種類の図柄の画像データ記憶する。
【0063】
フレームバッファ75は、ディスプレイ35において表示する映像の情報を画面単位で記憶するメモリであり、1枚若しくは複数枚の画面を記憶する。
【0064】
システム記憶部76は、処理部70において処理を実行するためのプログラムや、処理に用いられるデータ、処理の過程で一時的に保持するデータを記憶する。例えばシステム記憶部76は、仮想リールの停止位置の制御(引き込み制御,蹴飛ばし制御)に使用する滑りコマ数などのデータを含んだテーブルを記憶する。
【0065】
処理部70は、サブサブ制御部7の全体的な処理を司る回路であり、システム記憶部76に格納されるプログラムの命令に従って、ディスプレイ35において表示する映像の処理やスピーカ37から出力する音の処理を行う。
【0066】
処理部70は、メインリールと同様に複数種類の図柄が周面に施された仮想リールの映像をディスプレイ35に表示する。例えば、処理部70は、奥行きのある3次元の仮想リールの映像をコンピュータグラフィックス処理によって構成し、サブメイン制御部5から入力される仮想リール制御用のデータ(仮想リール回転開始指示データ,仮想リール停止指示データ等)に応じて、この3次元の仮想リールが回転する映像や停止する映像をディスプレイ35に表示する。
【0067】
すなわち、処理部70は、サブメイン制御部5から仮想リール回転開始指示データを入力すると、仮想リールが停止状態から回り始めて徐々に回転速度を増していき、回転速度が所定の最大回転速度に到達するとその最大回転速度を保って(つまり一定の速度で)回転する映像をディスプレイ35に表示する。
【0068】
具体的には、処理部70は、所定のフレーム期間ごとに3次元の仮想リールを含んだ映像をフレームバッファ75上に構成するとともに、これと並行して、フレームバッファ75上に構成した映像を所定のフレーム期間ごとに1つのフレームとしてディスプレイ35に表示する。
【0069】
仮想リールの映像を構成するにあたり、まず処理部70は、仮想リールの回転角度をフレームごとに算出する。例えば、処理部70は、仮想リールが停止している場合、フレームが切り替わっても仮想リールの回転角度を一定に保ち、仮想リールが回転している場合は、フレームが切り替わる度に回転角度を変化させる。また、回転開始の直後において回転速度が加速している場合、処理部70は、フレームが切り替わる度に角度の変化量が大きくなるように回転角度を算出する。回転速度が所定の最大回転速度で一定になった場合、処理部70は、フレーム切り替わり時の角度の変化量が一定に保たれるように回転角度を算出する。なお後述するように、回転速度が所定の最大回転速度に到達した場合、処理部70は、仮想リールの目押しの目安となる所定の図柄の視認が容易になるように回転角度を補正する処理を行う。
【0070】
処理部70は、仮想リールの回転角度が得られると、映像・音記憶部74に格納される複数種類の図柄の画像データと上記回転角度とに基づいて、表面に複数種類の図柄がマッピングされた所定の3次元形状を有するリール体(左,中,右)のコンピュータグラフィックス画像を生成し、フレームバッファ75に書き込む。
【0071】
仮想リールが一定速度で回転する状態でサブメイン制御部5から左,中央,若しくは右の仮想リール停止指示データを入力すると、処理部70は、これに対応する左,中央,若しくは右の仮想リールの回転が停止する映像をディスプレイ35に表示する。
【0072】
仮想リールを停止する場合、処理部70は、仮想リール停止指示データが入力されたタイミングにおける仮想リールの回転角度(図柄の位置)と、演出用役データ及び乱数データによって特定される停止パターンとに基づいて、仮想リールが停止する回転角度(図柄の位置)を制御する。
すなわち、処理部70は、仮想リールの回転映像が表示されているときにサブメイン制御部5から仮想リール停止指示データを入力すると、その仮想リール停止指示データが入力されたタイミングにおける停止対象の仮想リールの回転角度(図柄の位置)と、サブメイン制御部5から入力した演出用役データ及び乱数データによって特定される停止パターンとに基づいて、当該停止対象の仮想リールを停止させる回転角度(図柄の位置)を決定し、その回転角度(図柄の位置)において当該停止対象の仮想リールが停止する映像をディスプレイ35に表示する。
【0073】
例えば処理部70は、サブメイン制御部5から入力した演出用役データと乱数データとに基づいて、システム記憶部76に予め格納される仮想リール停止位置制御用の複数のテーブルから特定のテーブルを選択する。このテーブルは、例えば、仮想リール停止指示データが入力されたタイミングにおける仮想リールの回転角度(図柄の位置)と、仮想リールの回転が停止する回転角度とを対応付けるデータを含む。テーブルに登録されるデータは、演出用役データ及び乱数データによって特定される停止パターンが許容した図柄を入賞ラインに停止させ(引き込み制御)、当該演出用役が禁止する図柄を入賞ラインに停止させない(蹴飛ばし制御)ように予め調整される。
サブメイン制御部5から仮想リール停止指示データを入力すると、処理部70は、演出用役データと乱数データとに基づいて選択した上記のテーブルを参照して、仮想リールの回転が停止する回転角度(図柄の位置)を決定し、この決定した回転角度において仮想リールの回転が停止する映像をディスプレイ35に表示する。
【0074】
処理部70は、サブリールを、ムービーデータを使って表示する。
処理部70は、3つのサブリールのそれぞれについての回転中ムービーデータと、3つのサブリールのそれぞれについての停止中ムービーデータとを切り換えて使用して回転と停止の映像を実現する。当該6つのムービーデータは、それぞれ先頭と終端がシームレスに繋がったループ可能なムービーデータである。
本実施形態において、回転中ムービーデータは、対応する仮想リールについて、少なくとも1回転分の回転中の映像を表示するための複数のフレームで構成されている。また、停止中ムービーデータは、対応する仮想リールについて、少なくとも1回転分の停止中の映像を表示するための複数のフレームで構成されている。
【0075】
図5は、図4に示す処理部70の仮想リール表示に関する全体処理を説明するためのフローチャートである。
ステップST1:
処理部70は、フレーム同期を検出すると、ステップST2に進む。
【0076】
ステップST2:
処理部70は、回転開始指示、停止指示が入力されると、状態STSをそれぞれ始動中及び停止処理開始に設定する。
また、処理部70は、逆回転設定指示が入力されると、回転方向を逆に設定する。
また、処理部70は、速度スケール設定指示が入力されると、速度スケール設定操作を受け付ける。
【0077】
ステップST3:
処理部70は、状態STSに応じた更新処理を行う。
図6は、処理部70が行う図5に示す更新処理を説明するためのフローチャートである。
【0078】
ステップST4:
処理部70は、ステップST3の更新処理で特定されたムービーフレームを構成するフレームをデコードして描画する描画処理を行う。
処理部70が行う図5に示す描画処理は後述する図11を用いて詳細に説明する。
【0079】
以下、図6を参照して、処理部70が行う図5に示す更新処理を詳細に説明する。
以下の更新処理は、3つの仮想リールのそれぞれについて行われる。
ステップST21:
処理部70は、状態STSがアイドル状態であるか否かを判定し、肯定判定の場合にステップST22に進み、否定判定の場合にステップST23に進む。
【0080】
ステップST22:
処理部70は、回転中状態(ブラー状態)を回転中オフ(ブラーオフ)に設定し、且つ、逆回転状態に設定する。
【0081】
ステップST23:
処理部70は、状態STSが「始動状態」であるか否かを判定し、肯定判定の場合にステップST24に進み、否定判定の場合にステップST25に進む。
【0082】
ステップST24:
処理部70は、仮想リールの停止位置を初期化し、回転速度を初期値(0)に設定する。
本実施形態において、停止位置とは、仮想リールを停止させる回転角度(図柄の位置)を示す。より、具体的には、停止位置は、各リールに20個又は21個ある、図柄の位置である。停止位置は、例えば、0〜19、又は0〜20の番号で表現される。
また、処理部70は、状態STSを「加速状態」に設定する。
【0083】
ステップST25:
処理部70は、状態STSが「加速状態」であるか否かを判定し、肯定判定の場合にステップST26に進み、否定判定の場合にステップST27に進む。
【0084】
ステップST26:
処理部70は、仮想リールの加速処理を行う。
処理部70は、回転速度を所定の回転加速度を加算して更新し、当該更新した回転速度を基に、次に描画するフレーム(フレーム番号等のフレームを特定する指標値)を決定し、ステップST35に進む。
図7は、図6に示すステップST26の加速処理を説明するためのフローチャートである。
【0085】
ステップST27:
処理部70は、状態STSが停止処理状態であるか否かを判定し、肯定判定の場合にステップST28に進み、否定判定の場合にステップST29に進む。
【0086】
ステップST28:
処理部70は、仮想リールの停止処理を行う。
処理部70は、第1〜3の停止操作に応じて、3つのリールの定位置を順に設定し、状態STSを「すべり中」に設定し、ステップST29に進む。
図8は、図6に示すステップST28の停止処理を説明するためのフローチャートである。
【0087】
ステップST29:
処理部70は、状態STSがすべり中状態であるか否かを判定し、肯定判定の場合にステップST30に進み、否定判定の場合にステップST31に進む。
【0088】
ステップST30:
処理部70は、仮想リールのすべり処理を行う。
処理部70は、第1〜3の停止操作に応じて、3つのリールの停止位置を順に設定してステップST29に進む。
図9は、図6に示すステップST30のすべり処理を説明するためのフローチャートである。
【0089】
ステップST31:
処理部70は、状態STSがバウンド開始状態であるか否かを判定し、肯定判定の場合にステップST32に進み、否定判定の場合にステップST33に進む。
【0090】
ステップST32:
処理部70は、バウンド変数を初期化し、状態STSを「バウンド中」に移行する。
【0091】
ステップST33:
処理部70は、状態STSがバウンド中状態であるか否かを判定し、肯定判定の場合にステップST34に進み、否定判定の場合にステップST35に進む。
【0092】
ステップST34:
処理部70は、仮想リールのバウンド処理を行う。
図10は、図6に示すステップST34のバウンド処理を説明するためのフローチャートである。
【0093】
ステップST35:
処理部70は、ムービーフレームを最大フレームに丸める処理を行う。
当該丸める処理は、具体的には「ムービーフレーム=(ムービーフレーム+最大フレーム)%最大フレーム(%は、剰余演算記号とする)」とする処理である。
【0094】
以下、図7を参照して、図6に示すステップST26の加速処理を説明する。
処理部70は、現時点の回転速度に所定の回転加速度を加算する(ST41)。
処理部70は、回転速度が所定の最大速度より大きいか否かを判定し(ST42)、肯定判定の場合に回転速度に所定の最大速度を設定する(ST43)。一方、処理部70は、否定判定の場合には、回転速度が所定のブラー速度(第1のしきい値)より大きいか否かを判定し(ST44)、肯定判定の場合には「ブラーオン状態」に設定する、すなわち手停止中ムービーデータを選択するように設定する。
【0095】
次に、処理部70は、「逆回転状態」であるか否かを判定し、肯定判定の場合はステップST47に進み、否定判定の場合はステップST48に進む。
処理部70は、肯定判定の場合に、「ムービーフレーム番号=ムービーフレーム番号+(最大フレーム番号*(回転速度/速度スケール)/360)」を計算する。
処理部70は、否定判定の場合に、「ムービーフレーム番号=ムービーフレーム番号−(最大フレーム番号*(回転速度/速度スケール)/360)」を計算する。ここで、(回転速度/速度スケール)は、本発明の指標値の一例である。
【0096】
以下、図8を参照して、図6に示すステップST28の停止処理を説明する。
処理部70は、リール停止操作が、3つのリールの第1停止操作であるか否かを判定し(ST51)、肯定判定の場合に、リール停止操作のタイミングに応じた第1の停止の停止位置を設定する(ST52)。否定判定の場合はステップST53に進む。
【0097】
次に、処理部70は、リール停止操作が、3つのリールの第2停止操作であるか否かを判定し(ST53)、肯定判定の場合に、リール停止操作のタイミングに応じた第2停止の停止位置を設定する(ST54)。否定判定の場合はステップST55に進む。
【0098】
次に、 処理部70は、リール停止操作が、3つのリールの第3停止操作であるか否かを判定し(ST55)、肯定判定の場合に、リール停止操作のタイミングに応じた第3停止の停止位置を設定する(ST56)。否定判定の場合はステップST57に進む。
【0099】
次に、処理部70は、「逆回転状態」であるか否かを判定し(ST57)、肯定判定の場合はステップST58に進み、否定判定の場合はステップST59に進む。
処理部70は、肯定判定の場合に、ST52,ST54,ST56で設定した停止位置に現在位置を設定する(ST58)。
一方、処理部70は、否定判定の場合に、停止位置に「(最大位置−停止位置)/最大位置」を設定する(ST59)。
次に、処理部70は、状態STSを「すべり中」に更新する(ST60)。
【0100】
以下、図9を参照しながら、図6に示すステップST30のすべり処理を説明するためのフローチャートである。
処理部70は、「逆回転状態」であるか否かを判定し(ST61)、肯定判定の場合はステップST63に進み、否定判定の場合はステップST62に進む。
処理部70は、否定判定の場合に、現在位置と停止位置とが一致するか否かを判定し、肯定判定の場合にはステップST65に進み、否定判定の場合にはステップST64に進む。
【0101】
処理部70は、ステップST64において、「フレーム加算値」に「最大フレーム番号*(回転速度/速度スケール)/360)」を設定する。
次に、処理部70は、ムービーフレーム番号に、「ムービーフレーム+フレーム加算値」を設定する。
【0102】
処理部70は、ステップST65において、ブラー状態をオフに設定する、すなわち停止中ムービーデータを選択するように設定を切り換える。
また、処理部70は、ムービーフレーム番号に、「停止位置*(最大フレーム番号/最大コマ数)」を設定する。ここで、最大コマ数とは「停止位置の最大値+1」である。
次に、処理部70は、状態STSを「バウンド開始状態」に設定する。
【0103】
処理部70は、ステップST66において、「フレーム加算値」に「−最大フレーム番号*(回転速度/速度スケール)/360)」を設定する。
次に、処理部70は、ムービーフレーム番号に、「ムービーフレーム+フレーム加算値」を設定する。
【0104】
処理部70は、ステップST67において、ブラー状態をオフに設定する、すなわち停止中ムービーデータを選択するように設定を切り換える。
また、処理部70は、ムービーフレーム番号に、「停止位置*(最大フレーム番号/最大コマ数)」を設定する。
次に、処理部70は、状態STSを「バウンド開始状態」に設定する。
【0105】
以下、図10を参照して、図6に示すステップST34のバウンド処理を説明する。
図10において、バウンド角度は、それを回転角度に加算することで、揺れを表現するために用いられる。バウンド処理は、停止後のムービーフレームに加算してリールの揺れを表現するためのバウンド角度及びバウンドフレームを計算する処理である。
【0106】
処理部70は、バウンド処理において、仮想リールの回転速度が、回転停止を含む所定の範囲の外側にあるときに、回転速度を順に落とし、バウンド角度を回転速度に応じた大きさだけ小さくし、バウンド角度に応じてムービーデータから次に描画処理の対象とするフレームを決定するための処理を行う。
【0107】
処理部70は、仮想リールの上記回転角度が所定の第1のしきい値(例えば、0.5)未満であるか否かを判別し(ST81)、肯定判定の場合にはバウンド角度が0未満であるか否かを判別し(ST82)、肯定判定の場合は回転角度からバウンド幅を減算した値を新たな回転角度として設定し(ST83)、ステップST88に進む。
一方、処理部70は、ステップST82で否定判定の場合にはステップST88に進む。
また、処理部70は、ステップST81で否定判定の場合はステップST84に進む。
【0108】
処理部70は、仮想リールの上記回転角度が上記第1のしきい値と逆符号の所定の第2のしきい値(例えば、−0.5)未満であるか否かを判別し(ST84)、肯定判定の場合にはバウンド角度が0を超えるか否かを判別し(ST86)、肯定判定の場合は回転角度からバウンド幅を減算した値を新たな回転角度として設定し(ST87)、ステップST88に進む。
一方、処理部70は、ステップST86で否定判定の場合にはステップST88に進む。
また、処理部70は、ステップST84で否定判定の場合は、回転速度に「0」を設定すると共に、状態STSを「アイドル中」に設定し、ステップST88に進む。
【0109】
処理部70は、ステップST88において、「バウンド角度−回転速度/速度スケール値」を新たなバウンド角度として設定する。
次に、処理部70は、逆回転状態であるか否かを判別し(ST89)、肯定判定の場合は「−最大フレーム*バウンド角度/360」を新たなバウンドフレームとして設定する(ST90)。一方、処理部70は、否定判定の場合は「最大フレーム*バウンド角度/360」を新たなバウンドフレームとして設定する(ST90)。
ここで、バウンドフレームとは「最大フレームを360度としたときに、バウンド角度に相当するフレーム数を計算した値」である。
【0110】
以下、図3に示すステップST4の描画処理を説明する。
描画処理の第1実施例:
図11は、図5に示すステップST4の描画処理の第1実施例を説明するためのフローチャートである。
図9に示す例では、ムービーフレームが全てIフレームで構成されている場合を示す。
処理部70は、ムービーフレームを取得する(ST101)。ここで、ムービーフレームとは、図4に示す更新処理で特定されたムービーフレームにバウンドフレームを加算したものである。
【0111】
処理部70は、状態STSがブラー状態であるか否かを判別し(ST102)、肯定判定の場合は、停止中ムービーデータにおける、ステップST101で取得したムービーフレームを1フレームだけデコードする(ST103)。
一方、処理部70は、否定判定の場合は、回転中ムービーデータ(ブラームービー)における、ステップST101で取得したムービーフレームを1フレームだけデコードする(ST104)。
【0112】
処理部70は、ステップST103あるいはST104でデコードしたムービーフレームを描画する(ST105)。
処理部70では、3つの仮想リールのそれぞれについて、上述したステップST101〜ST104の処理を行い、デコードした4つのフレームを1フレームに合成して表示するように描画処理を行う。
【0113】
図11に示す方法では、ムービーフレームが全てIフレームで構成されているので、全てのフレームにジャップできる。そのため、リールが1周回転する動作を例えば360フレームで作成し、フレームの値を角度と見立てて制御することができる。
【0114】
以上説明したように、パチスロ機1によれば、例えば、各仮想リールの表示処理において、一つの回転中ムービーデータを用いることで、回転開始時の加速、停止時の減速、リールのバウンドの表示処理を実現できる。
また、パチスロ機1によれば、任意の速度で仮想リールを回転させるように回転中ムービーデータを再生しても、停止時の図柄の位置を、定位置に止めることができる。また、高精度に画像を表示できるので、目押しをすることができる。
【0115】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の種々のバリエーションを含んでいる。
【0116】
例えば、上述した実施形態における具体的な数値(仮想リールの最大回転速度、ディスプレイ35のフレームレート、仮想リールの数、仮想リールに施された図柄の数など)は一例であり、本発明はこれらの数値によって限定されない。
【0117】
また、上述した実施形態における演出用ハードウェアの構成は一例であり、本発明はこれに限定されない。例えば、上述の実施形態では、サブサブ制御部7にスピーカ37が接続されているが、本発明の他の実施形態では、サブメイン制御部5にスピーカ37を接続してもよい。この場合、オーディオ信号処理回路をサブメイン制御部5に搭載し、オーディオ再生を制御するプログラム(ドライバ)をサブメイン制御部5において動作させてもよい。
【0118】
上述した実施形態では、サブメイン制御部5が演出用のデータ(トリガーテーブル)を持つ例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施形態では、トリガーテーブルをサブサブ制御部7が持つようにしてもよい。この場合、サブメイン制御部5は、演出の契機となる情報(ベットボタン検出、スタートレバー検出、第1〜第3リール停止検出などの情報)をメイン制御部3から入力すると、これをサブサブ制御部7に出力し、サブサブ制御部7がトリガーテーブルに応じた演出を発生させるようにしてよい。
【0119】
上述した実施形態では、本発明をパチスロ機に適用した例を挙げているが、本発明はこれに限定されない。すなわち本発明は、ディスプレイに映像として表示したリールの回転を遊技者の操作によって停止させる種々の遊技機に広く適用可能である。
すなわち、処理部70は、3つの仮想リールの代わりに、複数種類の周期性のある動きのある図柄の映像であって複数枚のフレームで構成された映像を表示する処理を行う。この場合には、複数の図柄のそれぞれについて、少なくとも1周期の動作中の映像を表示する第1のムービーデータと、少なくとも1周期分の停止中の映像を表示する第2のムービーデータとをメモリに記憶する。
処理部70は、上記複数の図柄の各々について、停止中及び動作中の状態を判別し、当該判別した状態を基に、当該図柄についての第1のムービーデータ及び第2のムービーデータのなかから、一つのムービーデータを選択する。そして、処理部70は、複数の図柄について選択したムービーデータを構成するフレームをデコードして描画する描画処理を行う。
【符号の説明】
【0120】
1…パチスロ機、3…メイン制御部、5…サブメイン制御部、7…サブサブ制御部、11…メダル投入部、13…メダル払出部、15…くじ抽選部、17…リール回転部、20…操作ボタン群、33…タッチセンサ、35…ディスプレイ、37…スピーカ、50,70…処理部、51,52,71…通信インターフェース部、55…演出情報記憶部、56,76…システム記憶部、72…映像信号出力部、73…オーディオ信号出力部、74…映像・音記憶部、75…フレームバッファ、201…1枚ベットボタン、203…3枚ベットボタン、205…スタートレバー、207L…左停止ボタン、207M…中停止ボタン、207R…右停止ボタン。
【要約】
【課題】、動きのある仮想リールや図柄を映像として高精度に表示部に表示できる遊技機を提供する。
【課題手段】 ブラー状態であるか否かを判別し、肯定判定の場合は、停止中ムービーデータにおける、Iフレームを順にデコードする。否定判定の場合は、回転中ムービーデータ(ブラームービー)におけるIフレームを順にデコードする。
【選択図】 図11
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