(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部によって中継された呼を着信し、前記付加番号に応じたサービス提供装置に対して前記付加番号の一部又は全部を通知する通知部をさらに備える請求項1又は2に記載の認証システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第一実施形態]
図1は、認証システム100の第一実施形態のシステム構成を表す図である。
認証システム100は、第一通信装置200及び第二通信装置300を備える。第一通信装置は、電話網を介して端末装置500から呼を受け、第二通信装置300に中継する。第二通信装置300は不図示の通知部を備える。通知部は、第一通信装置200によって中継された呼を着信し、サービス電話番号に含まれる付加番号を取得する。通知部は、取得された付加番号の一部又は全部を、IPネットワークを介してサービス提供装置400に通知する。なお、電話網は、固定電話が接続される電話網(公衆交換電話網)に限られず、携帯電話機等の移動体が接続される電話網(移動体通信網)、VoIP(Voice over IP)網、次世代電話網(NGN網:Next Generation Network網)等の通信網であってもよい。
認証システム100は、電話網を介して接続される端末装置500を認証する。認証システム100は、IPネットワークを介して接続されるサービス提供装置400に対し、認証結果に応じて情報を提供する。
【0012】
サービス提供装置400は、認証システム100から受信する情報に応じて、端末装置500のユーザに対してサービスを提供する。サービス提供装置400によって提供されるサービスはどのようなサービスであってもよい。例えば、提供されるサービスは、予め設置されている充電器の利用を端末装置500のユーザに対して許可するサービスであってもよい。例えば、提供されるサービスは、端末装置500のユーザ宅に予め設置されている家電機器の遠隔操作を実現するサービスであってもよい。
【0013】
端末装置500は、電話網に接続する電話機である。端末装置500は、無線通信によって電話網に接続しても良いし、有線通信によって電話網に接続してもよい。端末装置500のユーザは、サービス提供装置400によって提供されるサービスの種別を特定するために必要となる番号を含む電話番号(以下、「サービス電話番号」という。)を端末装置500に入力する。そして、端末装置500は、ユーザによって入力されたサービス電話番号に発信する。
【0014】
図2は、サービス電話番号の具体例を示す図である。サービス電話番号は、例えば00XY特番の電話番号として構成されてもよい。サービス電話番号は、事業者識別番号及び付加番号を含む。事業者識別番号は、着信先の装置が接続されている電話網を運営する事業者を表す番号である。付加番号は、事業者識別番号に続く番号であり、サービス提供装置400によって提供されるサービスの種別を特定するために必要となる番号である。付加番号は、区分番号及び指示コードを含む。区分番号は、サービス提供装置400を特定する番号である。指示コードは、サービス提供装置400によって提供されるサービスの内容を特定する番号である。なお、事業者識別番号、区分番号及び指示コードの桁数は、それぞれ任意の数字に設定されてもよい。
【0015】
図3は、第一実施形態における第一通信装置200の機能構成を表す概略ブロック図である。
第一通信装置200は、電話交換機を用いて構成されても良いし、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成されてもよい。第一通信装置200は、通信部201、制御部202、ダイヤルタイプ記憶部203、ダイヤルタイプ判定部204、認証情報記憶部205、認証部206、着信先記憶部207及び着信先判定部208を備える。
【0016】
通信部201は、電話網を介して他の装置と通信する。
制御部202は、第一通信装置200の各機能を制御する。
ダイヤルタイプ記憶部203は、ハードディスク記憶部装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。ダイヤルタイプ記憶部203は、ダイヤルタイプテーブルを記憶する。
図4は、ダイヤルタイプテーブルの具体例を示す図である。ダイヤルタイプテーブルは、複数のダイヤルタイプレコード91を有する。ダイヤルタイプレコード91は、区分番号、ダイヤルタイプ、認証処理及び認証情報テーブルIDの各値を有する。区分番号は、端末装置500の発信先のサービス電話番号に含まれる区分番号を表す。ダイヤルタイプは、端末装置500の発信先のサービス電話番号によって特定されるサービス(以下、「提供サービス」という。)の識別情報を表す。認証処理は、提供サービスが認証処理を必要とするか否かを表す。認証情報テーブルIDは、提供サービスに関して認証情報記憶部205に登録されている認証情報テーブルの識別情報を表す。
【0017】
ダイヤルタイプ判定部204は、ダイヤルタイプ記憶部203に記憶されるダイヤルタイプテーブルを参照することによって、端末装置500に提供されるサービスのダイヤルタイプを判定する。また、ダイヤルタイプ判定部204は、端末装置500に提供されるサービスが、発信者番号に関する認証を必要とするか否か判定する。また、ダイヤルタイプ判定部204は、端末装置500に提供されるサービスに係る認証情報テーブルIDを判定する。ダイヤルタイプ判定部204は、判定結果を制御部202に通知する。
【0018】
認証情報記憶部205は、ハードディスク記憶部装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。認証情報記憶部205は、提供サービス毎に認証情報テーブルを記憶する。
図5は、認証情報テーブルの具体例を示す図である。認証情報テーブルは、複数の認証情報レコード92を有する。認証情報レコード92は、発信者番号及びユーザIDの各値を有する。発信者番号は、端末装置500の電話番号を表す。ユーザIDは、端末装置500のユーザに予め割り当てられているユーザIDを示す。
【0019】
認証部206は、認証情報記憶部205に記憶される複数の認証情報テーブルのうち、ダイヤルタイプ判定部204によって判定された認証情報テーブルIDの認証情報テーブルを参照することによって、端末装置500を認証する。認証部206は、端末装置500の発信者番号に基づいて認証処理を行う。
【0020】
例えば、認証部206は以下のような手順で認証処理を行う。まず、認証部206は、サービス電話番号に対して発信を行った端末装置500の電話番号(発信者番号)を取得する。次に、認証部206は、取得された発信者番号が、認証情報テーブルに登録されているか否か判定する。認証情報テーブルに発信者番号が登録されている場合、認証部206は、発信元の端末装置500を正当な端末装置であると判定する。一方、認証情報テーブルに発信者番号が登録されていない場合、認証部206は、発信元の端末装置500を正当な端末装置ではないと判定する。
【0021】
着信先記憶部207は、ハードディスク記憶部装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。着信先記憶部207は、着信先テーブルを記憶する。
図6は、着信先テーブルの具体例を示す図である。着信先テーブルは、複数の着信先レコード93を有する。着信先レコード93は、区分番号及び着信先番号の各値を有する。区分番号は、端末装置500の発信先のサービス電話番号に含まれる区分番号を表す。着信先番号は、端末装置500との間で呼を接続する装置の電話番号を示す。着信先レコード93には、各区分番号に応じたサービスを提供するサービス提供装置700に割り当てられた電話番号が着信先番号として登録される。
【0022】
着信先判定部208は、着信先記憶部207に記憶される着信先テーブルを参照することによって、端末装置500との間で呼を接続する装置(以下、「着信先装置」という。)の電話番号を判定する。例えば、着信先判定部208は以下のような手順で着信先の電話番号を判定する。まず、着信先判定部208は、サービス電話番号から区分番号を取得する。次に、着信先判定部208は、取得された区分番号を含む着信先レコード93を着信先テーブルから検索する。そして、着信先判定部208は、検索された着信先レコード93の着信先番号を、着信先の電話番号として取得する。
【0023】
図7は、認証システム100の第一実施形態を含むシステムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。まず、端末装置500に対し、ユーザが発信番号を入力する(ステップS101)。入力される発信番号は、ユーザが所望するサービスに関するサービス電話番号である。端末装置500は、入力された発信番号に対して発信する(ステップS102)。発信された呼は、事業者識別番号に基づいて電話網を経由して第一通信装置200に到達する。
【0024】
第一通信装置200の制御部202は、呼を受けると、発信番号から付加番号を取得する(ステップS103)。次に、制御部202は、取得された付加番号に基づいて、ダイヤルタイプの判定をダイヤルタイプ判定部204に指示する。ダイヤルタイプ判定部204は、付加番号に基づいてダイヤルタイプを判定する(ステップS104)。ダイヤルタイプ判定部204は、判定結果に基づいて、認証処理の要否を制御部202に通知する。
【0025】
制御部202は、認証処理が必要であると通知された場合、発信者番号の認証処理を認証部206に指示する。認証部206は、認証情報テーブルID及び発信者番号に基づいて認証処理を行う(ステップS105)。そして、認証部206は、認証結果を制御部202に通知する。
【0026】
制御部202は、発信元の端末装置500が正当な端末装置である場合、着信先の電話番号の判定を着信先判定部208に指示する。一方、発信元の端末装置500が正当な端末装置ではない場合、制御部202は、端末装置500からの呼を廃棄する。着信先判定部208は、制御部202によって取得された付加番号に基づいて、着信先の電話番号を判定する(ステップS106)。着信先判定部208は、判定結果を制御部202に通知する。
【0027】
制御部202は、着信先判定部208によって判定された着信先の電話番号に対して呼を中継する。第一実施形態では、呼の中継先は第二通信装置300である。第二通信装置300は、呼を受けると着信応答する(ステップS107)。第一通信装置200の制御部202は、第二通信装置300から着信応答を受けると、第二通信装置300に対してサービス情報を送信する(ステップS108)。サービス情報は、付加番号と発信者番号とを含む。
【0028】
第二通信装置300は、サービス情報を受信すると(ステップS109)、受信されたサービス情報に基づいてサービス提供装置400のアドレスを判定する。第二通信装置300は、判定されたアドレスに基づいて、サービス提供装置400に対してサービス情報を送信する(ステップS110)。
【0029】
サービス提供装置400は、第二通信装置300からサービス情報を受信すると(ステップS111)、受信されたサービス情報に基づいてサービス内容を判定する。そして、サービス提供装置400は、判定結果に応じてサービスを実行する(ステップS112)。
【0030】
このように構成された認証システム100では、認証システム100によって発信者番号に基づいて認証が行われる。そのため、サービス提供装置400によってサービスを提供する事業者(以下、「サービス事業者」という。)は、認証処理を行うための設備を独自に設ける必要が無い。したがって、サービス事業者は、より低いコストで認証処理を行うことが可能となる。なお、本実施形態の認証システム100は、サービス事業者が独自に認証処理を行うための設備を設けることを排除するものではない。
【0031】
また、認証システム100は、電話網に接続された装置によって発信者番号の認証処理が行われる。すなわち、サービス事業者が特に意識することなく発信者番号の認証処理を実現することが可能となる。そのため、発信者番号に基づいた認証処理をより汎用的に実施することが可能となる。
また、認証システム100では、ユーザは電話機を用いて電話をかけるという動作によって認証を受けることが可能となる。電話をかけるという動作は、既に老若男女に浸透している動作である。そのため、ITリテラシーが低いユーザ(例えばお年寄りなど)にとっても容易に認証を受けることが可能となる。すなわち、電話をかけるという動作よりも難しい動作(例えば、メールの送信、WEBブラウザの操作など)をすることなく、認証を受けることが可能となる。
【0032】
また、ユーザに提示される電話番号(サービス電話番号)と、実際にサービス提供装置400に割り当てられている電話番号(着信先番号)とが異なる。そのため、サービス提供装置400の電話番号を秘匿することが可能となる。
また、ユーザがサービスの提供を受けるために入力する必要のある番号は、最初の発信時に全てサービス電話番号として電話網を介して送信される。そのため、ユーザは、呼が接続されてから音声案内などにしたがって番号を入力するという作業を省略することもできる。言い換えると、ユーザは発信のタイミングで全ての番号を入力してしまうことが可能である。したがって、ユーザはより簡易な操作でサービスを受けることが可能となる。
【0033】
<変形例>
認証システム100は、端末装置500から呼を受けた際に発信者番号が非通知である場合、発信者番号を通知することを促す音声を端末装置500に送信してもよい。
認証システム100において用いられるサービス電話番号の付加番号には、必ずしもサービスを特定するための番号が含まれていなくともよい。この場合、第二通信装置300が備える自動音声機能によって、ユーザが音声案内にしたがって番号を入力する。第二通信装置300は、入力された番号(付加番号)をサービス提供装置400に通知する。
【0034】
[第二実施形態]
図8は、認証システム100の第二実施形態のシステム構成を表す図である。認証システム100の第二実施形態は、第二通信装置300を含まない点で第一実施形態と異なる。以下、認証システム100の第二実施形態について説明する。
【0035】
第二実施形態における認証システム100に接続されるサービス提供装置400aは、第一実施形態における第二通信装置300の機能を備える。そのため、サービス提供装置400aは、IPネットワークではなく、電話網に接続される。
【0036】
図9は、認証システム100の第二実施形態を含むシステムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
図9におけるステップS201〜S206までの処理の流れは、
図7におけるステップS101〜S106までの処理の流れと同じであるため説明を省く。
【0037】
制御部202は、着信先判定部208によって判定された着信先の電話番号に対して呼を中継する。第二実施形態では、呼の中継先はサービス提供装置400aである。サービス提供装置400aは、呼を受けると着信応答する(ステップS207)。第一通信装置200の制御部202は、サービス提供装置400aから着信応答を受けると、サービス提供装置400aに対してサービス情報を送信する(ステップS208)。サービス情報は、付加番号と発信者番号とを含む。
【0038】
サービス提供装置400aは、サービス情報を受信すると(ステップS209)、受信されたサービス情報に基づいてサービス内容を判定する。そして、サービス提供装置400aは、判定結果に応じてサービスを実行する(ステップS210)。
【0039】
このように構成された第二実施形態では、サービス事業者が第二通信装置300に相当する機能を独自に設置する必要がある。しかしながら、第一実施形態と同様に、サービス事業者は、認証処理を行うための設備を独自に設ける必要が無い。したがって、サービス事業者は、より低いコストで認証処理を行うことが可能となる。
【0040】
[第一適用例]
次に、認証システム100の適用例について説明する。
図10は、認証システム100の第一適用例を示す図である。第一適用例では、認証システム100は充電器提供システムに適用されている。なお、第一適用例において用いられる認証システム100は、第二実施形態の認証システム100である。ただし、第一実施形態の認証システム100が用いられてもよい。
【0041】
充電器提供システムのサービス提供装置400は、認証システム100及び電話網を介して、端末装置500のユーザに対し充電器600を用いた充電のサービス(以下、「充電サービス」という。)を提供する。また、サービス提供装置400は、IPネットワークを介して、端末装置500aのユーザに対し同様の充電サービスを提供する。サービス提供装置400は、IPネットワークを介して通信する端末装置500aに対しては、発信者番号とは異なる情報に基づいて認証処理を行う。例えば、サービス提供装置400は、IPネットワークを介してユーザID及びパスワードを受信し、ユーザID及びパスワードに基づいて認証処理を行ってもよい。
【0042】
充電器600は、所定の種類の装置に対して充電を行う装置である。所定の種類の装置は、例えば電気自動車、携帯電話機、充電バッテリーなどの装置である。充電器600は、IPネットワークを介してサービス提供装置400に接続されている。充電器600は、サービス提供装置400による制御に応じて、充電を行う。
【0043】
図11は、第一適用例における処理の流れを示すシーケンスチャートである。
まず、ユーザは、利用を希望する充電器600の装置IDを取得する。ユーザは、充電器600の装置IDを含むサービス電話番号を決定する。装置IDは、例えば区分番号又は指示コードとして電話番号に含まれる。ユーザは、決定したサービス電話番号を端末装置500に入力する(ステップS301)。端末装置500は、入力された発信番号に対して発信する(ステップS302)。発信された呼は、事業者識別番号に基づいて電話網を経由して第一通信装置200に到達する。
【0044】
第一通信装置200の制御部202は、呼を受けると、発信番号から付加番号を取得する(ステップS303)。次に、制御部202は、取得された付加番号に基づいて、ダイヤルタイプの判定をダイヤルタイプ判定部204に指示する。ダイヤルタイプ判定部204は、付加番号に基づいてダイヤルタイプを判定する(ステップS304)。ダイヤルタイプ判定部204は、判定結果に基づいて、認証処理の要否を制御部202に通知する。
【0045】
制御部202は、認証処理が必要であると通知された場合、発信者番号の認証処理を認証部206に指示する。認証部206は、発信者番号に基づいて認証処理を行う(ステップS305)。そして、認証部206は、認証結果を制御部202に通知する。
【0046】
制御部202は、発信元の端末装置500が正当な端末装置である場合、着信先の電話番号の判定を着信先判定部208に指示する。一方、発信元の端末装置500が正当な端末装置ではない場合、制御部202は、端末装置500からの呼を廃棄する。着信先判定部208は、制御部202によって取得された付加番号に基づいて、着信先の電話番号を判定する(ステップS306)。着信先判定部208は、判定結果を制御部202に通知する。
【0047】
制御部202は、着信先判定部208によって判定された着信先の電話番号に対して呼を中継する。サービス提供装置400は、呼を受けると着信応答する(ステップS307)。第一通信装置200の制御部202は、サービス提供装置400から着信応答を受けると、サービス提供装置400に対してサービス情報を送信する(ステップS308)。
【0048】
サービス提供装置400は、サービス情報を受信すると(ステップS309)、受信されたサービス情報に含まれる装置IDに基づいて、端末装置500のユーザが利用を要求している充電器600を判定する(ステップS310)。サービス提供装置400は、判定された充電器600に対し、充電開始指示を送信する(ステップS311)。
【0049】
充電器600は、サービス提供装置400から充電開始指示を受信すると、充電を開始する(ステップS312)。この場合、例えば充電器600は、充電を行うことが可能になったことをユーザに通知し、利用方法などをユーザに指示してもよい。サービス提供装置400は、サービス提供の履歴を残すために、サービス情報を記録する(ステップS313)。例えば、サービス提供装置400は、サービス情報に含まれる装置ID、発信者番号、充電が開始された日時を記録してもよい。
【0050】
このように構成された第一適用例では、ユーザは端末装置によって所定の電話番号に発信することによって、充電器を利用することが可能となる。また、充電器による充電を提供するサービス事業者は、発信者番号に基づく認証装置を独自に備えることなく、認証を実現させることが可能となる。
【0051】
[第二適用例]
次に、認証システム100の第二適用例について説明する。
図12は、認証システム100の第二適用例を示す図である。第二適用例では、認証システム100は家電遠隔操作システムに適用されている。なお、第二適用例において用いられる認証システム100は、第二実施形態の認証システム100である。ただし、第一実施形態の認証システム100が用いられてもよい。
【0052】
家電遠隔操作システムのサービス提供装置400は、端末装置500のユーザに対して、宅内装置701を介して遠隔地から自身の住宅700に備えられた家電機器を操作することを可能とするサービス(以下、「家電操作サービス」という。)を提供する。また、サービス提供装置400は、IPネットワークを介して、端末装置500aのユーザに対し同様の家電操作サービスを提供する。サービス提供装置400は、IPネットワークを介して通信する端末装置500aに対しては、発信者番号とは異なる情報に基づいて認証処理を行う。例えば、サービス提供装置400は、IPネットワークを介してユーザID及びパスワードを受信し、ユーザID及びパスワードに基づいて認証処理を行ってもよい。
【0053】
宅内装置701は、IPネットワークを介して受信した信号に応じて、住宅700内に設置された家電機器702〜704に対し制御信号を送信する。家電機器702〜704は、制御信号を受信すると、受信された制御信号に応じて動作する。宅内装置701は、例えばゲートウェイ装置を用いて構成されてもよい。
【0054】
なお、制御信号の具体例には以下のような信号がある。空調機702の電源を入れる信号。空調機702の電源を切る信号。空調機702の運転種別(冷房、暖房、送風、除湿など)を変更する信号。空調機702の温度設定を変更する信号。冷蔵庫703内の映像を端末装置500宛に送信させる信号。テレビ受像機704の電源を入れる信号。テレビ受像機704の電源を切る信号。
【0055】
図13は、第二適用例における処理の流れを示すシーケンスチャートである。
まず、ユーザは、操作対象となる家電機器を操作するために予め付与されている区分番号を取得する。区分番号は、例えば、家電機器の製造者を表す識別番号であってもよい。区分番号は、例えば家電機器の取扱説明書やホームページ等に表示されていてもよい。また、ユーザは、操作対象となる家電機器の装置の種別を示す番号(以下、「装置番号」という。)と、家電機器に対する操作内容を表す番号(以下、「操作番号」という。)とを決定する。ユーザは、決定された各番号を含むサービス電話番号を決定する。決定された各番号は、付加番号として電話番号に含まれる。ユーザは、決定したサービス電話番号を端末装置500に入力する(ステップS401)。端末装置500は、入力された発信番号に対して発信する(ステップS402)。発信された呼は、事業者識別番号に基づいて電話網を経由して第一通信装置200に到達する。
【0056】
第一通信装置200の制御部202は、呼を受けると、発信番号から付加番号を取得する(ステップS403)。次に、制御部202は、取得された付加番号に基づいて、ダイヤルタイプの判定をダイヤルタイプ判定部204に指示する。ダイヤルタイプ判定部204は、付加番号に基づいてダイヤルタイプを判定する(ステップS404)。ダイヤルタイプ判定部204は、判定結果に基づいて、認証処理の要否を制御部202に通知する。
【0057】
制御部202は、認証処理が必要であると通知された場合、発信者番号の認証処理を認証部206に指示する。認証部206は、発信者番号に基づいて認証処理を行う(ステップS405)。そして、認証部206は、認証結果を制御部202に通知する。
【0058】
制御部202は、発信元の端末装置500が正当な端末装置である場合、着信先の電話番号の判定を着信先判定部208に指示する。一方、発信元の端末装置500が正当な端末装置ではない場合、制御部202は、端末装置500からの呼を廃棄する。着信先判定部208は、制御部202によって取得された付加番号に基づいて、着信先の電話番号を判定する(ステップS406)。着信先判定部208は、判定結果を制御部202に通知する。
【0059】
制御部202は、着信先判定部208によって判定された着信先の電話番号に対して呼を中継する。サービス提供装置400は、呼を受けると着信応答する(ステップS407)。第一通信装置200の制御部202は、サービス提供装置400から着信応答を受けると、サービス提供装置400に対してサービス情報を送信する(ステップS408)。
【0060】
サービス提供装置400は、サービス情報を受信すると(ステップS409)、宅内装置テーブルを参照する。宅内装置テーブルは、サービス提供装置400が備える記憶装置に予め記憶されている。宅内装置テーブルには、各ユーザのユーザID又は発信者番号と、宅内装置701のアドレスと、が対応付けて登録されている。サービス提供装置400は、受信されたサービス情報に含まれる発信者番号に基づいて、端末装置500のユーザの住宅700に設置されている宅内装置701のアドレスを判定する(ステップS410)。サービス提供装置400は、判定された宅内装置701に対し、サービス情報に含まれる装置番号及び操作番号(操作情報)を送信する(ステップS411)。
【0061】
宅内装置701は、サービス提供装置400から装置番号及び操作番号を受信すると、装置番号に基づいて操作対象となる家電機器を特定する。また、宅内装置701は、受信された操作番号に基づいて操作の内容を特定する。そして、宅内装置701は、装置番号及び操作番号に応じた操作信号を生成し、操作対象となる家電機器に対して操作信号を送信する(ステップS412)。その後、操作対象となった家電機器は、操作信号に応じて動作する。
【0062】
このように構成された第二適用例では、ユーザは端末装置によって所定の電話番号に発信することによって、住宅700内の家電機器を遠隔操作することが可能となる。また、家電機器の遠隔操作を提供するサービス事業者は、発信者番号に基づく認証装置を独自に備えることなく、認証を実現させることが可能となる。
【0063】
[第三適用例]
次に、認証システム100の第三適用例について説明する。
図14は、認証システム100の第三適用例を示す図である。第三適用例では、認証システム100は入退制御システムに適用されている。なお、第三適用例において用いられる認証システム100は、第一実施形態の認証システム100である。ただし、第二実施形態の認証システム100が用いられてもよい。
【0064】
入退制御システムのサービス提供装置400bは、認証システム100、電話網及びIPネットワークを介して、端末装置500のユーザに対し入退制御装置800を用いたサービスを提供する。このようなサービスは、ユーザが所定の領域に入ることと出ることとを制限することによって実現されるサービスである。このようなサービスの具体例として、駐車場提供サービスがある。駐車場提供サービスは、ユーザの車が駐車場に入ることと、出ることとを制限することによって、ユーザに対し駐車スペースを提供するサービスである。
【0065】
入退制御装置800は、サービス提供装置400bによる制御に応じて、ユーザが所定の領域に入ることや出ることを制限する。入退制御システムにおいて提供されるサービスが駐車場提供サービスである場合、入退制御装置800は、駐車場の入口と出口とに設けられるゲート装置である。
【0066】
図15は、サービス提供装置400bの機能構成を表す概略ブロック図である。
サービス提供装置400bは、通信可能な情報処理装置を用いて構成される。サービス提供装置400bは、通信部401、制御部402、利用情報記憶部403、利用情報管理部404及び利用料金判定部405を備える。
【0067】
通信部401は、IPネットワークを介して他の装置と通信する。
制御部402は、サービス提供装置400bの各機能を制御する。
利用情報記憶部403は、ハードディスク記憶装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。利用情報記憶部403は、利用情報テーブルを記憶する。
図16は、利用情報テーブルの具体例を示す図である。利用情報テーブルは、複数の利用情報レコード94を有する。利用情報レコード94は、発信者番号、入場日時及び退場日時の各値を有する。発信者番号は、端末装置500の電話番号を表す。入場日時は、ユーザに対して入場の制限が解除された日時を表す。退場日時は、ユーザに対して退場の制限が解除された日時を表す。
【0068】
利用情報管理部404は、認証システム100から送信される付加番号及び発信者番号に基づいて、利用情報記憶部403の利用情報テーブルを更新する。付加番号が入場を示す場合、利用情報管理部404は、新たに利用情報レコード94を生成し、発信者番号及び入場日時の値を登録する。付加番号が退場を示す場合、利用情報管理部404は、受信された発信者番号を有する利用情報レコード94を検索する。そして、利用情報管理部404は、検索された利用情報レコード94に退場日時の値を登録する。
【0069】
利用料金判定部405は、認証システム100から送信される付加番号が退場を示す場合、利用情報テーブルに基づいて利用料金を判定する。例えば、利用料金判定部405は、受信された発信者番号を有する利用情報レコード94を検索する。利用料金判定部405は、検索された利用情報レコード94の入場日時及び退場日時に基づいて利用時間を算出する。そして、利用料金判定部405は、利用時間に応じた利用料金を判定する。なお、利用料金判定部405は、受信された発信者番号を有する利用情報レコード94が検索されない場合、入退制御装置800にエラー出力を指示してもよい。
【0070】
図17は、第三適用例における入場処理の流れを示すシーケンスチャートである。入場処理は、ユーザが所定の領域に入る際に行われる処理である。
入場処理が行われるまでは、入退制御装置800は、入場を制限する状態に制御される。この制御は、例えばサービス提供装置400bによって行われる。
【0071】
入場を希望するユーザは、入場を制限している入退制御装置800の装置IDを取得する。例えば、入場を制限する入退制御装置800と退場を制限する入退制御装置800とが異なる装置として構成されている場合、各入退制御装置800に一意の装置IDが付与される。例えば、入場を制限する入退制御装置800と退場を制限する入退制御装置800とが一台の装置として構成されている場合、入場を制限する部分と退場を制限する部分とに異なる装置IDが付与される。装置IDは、例えば入退制御装置800の表面に表示されていてもよい。そのため、サービス提供装置400bは装置IDを参照することによって入場が要求されているのか退場が要求されているのか判定することが可能である。
【0072】
ユーザは、取得した装置IDを含むサービス電話番号を決定する。装置IDは、例えば区分番号又は指示コードとして電話番号に含まれる。ユーザは、決定したサービス電話番号を端末装置500に入力する(ステップS501)。端末装置500は、入力された発信番号に対して発信する(ステップS502)。発信された呼は、事業者識別番号に基づいて電話網を経由して認証システム100の第一通信装置200に到達する。
【0073】
第一通信装置200の制御部202は、呼を受けると、発信番号から付加番号を取得する(ステップS503)。次に、制御部202は、取得された付加番号に基づいて、ダイヤルタイプの判定をダイヤルタイプ判定部204に指示する。ダイヤルタイプ判定部204は、付加番号に基づいてダイヤルタイプを判定する(ステップS504)。ダイヤルタイプ判定部204は、判定結果に基づいて、認証処理の要否を制御部202に通知する。第三適用例の場合、ダイヤルタイプ判定部204は、認証処理が不要であると通知する。
【0074】
制御部202は、認証処理が不要であると通知された場合、発信者番号の認証処理を認証部206に指示しない。そのため、認証部206は発信者番号に基づいた認証処理を行わない。
【0075】
制御部202は、着信先の電話番号の判定を着信先判定部208に指示する。着信先判定部208は、制御部202によって取得された付加番号に基づいて、着信先の電話番号を判定する(ステップS505)。着信先判定部208は、判定結果を制御部202に通知する。
【0076】
制御部202は、着信先判定部208によって判定された着信先の電話番号に対して呼を中継する。サービス提供装置400bは、呼を受けると着信応答する(ステップS506)。第一通信装置200の制御部202は、サービス提供装置400bから着信応答を受けると、サービス提供装置400bに対してサービス情報を送信する(ステップS507)。
【0077】
サービス提供装置400bは、サービス情報を受信すると(ステップS508)、呼を切断する(ステップS509)。次に、サービス提供装置400bは、受信されたサービス情報に含まれる装置IDに基づいて、制御が求められている入退制御装置800が入場を制限しているのか退場を制限しているのか判定する。サービス提供装置400bは、判定結果に応じて利用情報を更新する(ステップS510)。そして、サービス提供装置400bは、判定された入退制御装置800に対し、入場の制限を解除することを表す指示(入場制限解除指示)を送信する(ステップS511)。
【0078】
入退制御装置800は、サービス提供装置400bから入退制限解除指示を受信すると、ユーザの入場の制限を解除する(ステップS512)。例えば、入退制御装置800が駐車場のゲート装置である場合、入退制御装置800はユーザの車両が入口を通過できるようにゲートを開放する。
【0079】
図18及び
図19は、第三適用例における退場処理の流れを示すシーケンスチャートである。退場処理は、ユーザが所定の領域から出る際に行われる処理である。
退場処理が行われるまでは、入退制御装置800は、退場を制限する状態に制御される。この制御は、例えばサービス提供装置400bによって行われる。
【0080】
退場を希望するユーザは、退場を制限している入退制御装置800の装置IDを取得する。ユーザは、取得した装置IDを含むサービス電話番号を決定する。装置IDは、例えば区分番号又は指示コードとして電話番号に含まれる。ユーザは、決定したサービス電話番号を端末装置500に入力する(ステップS601)。端末装置500は、入力された発信番号に対して発信する(ステップS602)。発信された呼は、事業者識別番号に基づいて電話網を経由して認証システム100の第一通信装置200に到達する。
【0081】
第一通信装置200の制御部202は、呼を受けると、発信番号から付加番号を取得する(ステップS603)。次に、制御部202は、取得された付加番号に基づいて、ダイヤルタイプの判定をダイヤルタイプ判定部204に指示する。ダイヤルタイプ判定部204は、付加番号に基づいてダイヤルタイプを判定する(ステップS604)。ダイヤルタイプ判定部204は、判定結果に基づいて、認証処理の要否を制御部202に通知する。第三適用例の場合、ダイヤルタイプ判定部204は、認証処理が不要であると通知する。
【0082】
制御部202は、認証処理が不要であると通知された場合、発信者番号の認証処理を認証部206に指示しない。そのため、認証部206は発信者番号に基づいた認証処理を行わない。
【0083】
制御部202は、着信先の電話番号の判定を着信先判定部208に指示する。着信先判定部208は、制御部202によって取得された付加番号に基づいて、着信先の電話番号を判定する(ステップS605)。着信先判定部208は、判定結果を制御部202に通知する。
【0084】
制御部202は、着信先判定部208によって判定された着信先の電話番号に対して呼を中継する。サービス提供装置400bは、呼を受けると着信応答する(ステップS606)。第一通信装置200の制御部202は、サービス提供装置400bから着信応答を受けると、サービス提供装置400bに対してサービス情報を送信する(ステップS607)。
【0085】
サービス提供装置400bは、サービス情報を受信すると(ステップS608)、呼を切断する(ステップS609)。次に、サービス提供装置400bは、受信されたサービス情報に含まれる装置IDに基づいて、制御が求められている入退制御装置800が入場を制限しているのか退場を制限しているのか判定する。サービス提供装置400bは、判定結果に応じて利用情報を更新する。
【0086】
制御が求められている入退制御装置800が退場を制御しているという判定結果に応じて、制御部402は、利用料金判定部405に対し利用料金の判定を指示する。利用料金判定部405は、この指示に応じて利用料金を判定する(ステップS610)。利用料金判定部405は、判定された利用料金を制御部402に通知する。制御部402は、入退制御装置800に対し、利用料金を表示することを指示する(ステップS611)。この指示に応じて、入退制御装置800は利用料金を表示することによってユーザに利用料金を通知する(ステップS612)。
【0087】
ユーザは、入退制御装置800に表示された利用料金を確認し、利用料金に応じた金銭を入退制御装置800に投入する。入退制御装置800は、ユーザによる支払いが完了すると、支払いが完了したことをサービス提供装置400bに通知する(ステップS613)。
【0088】
サービス提供装置400bは、支払い完了の通知を受けると、退場の制限を解除することを入退制御装置800に指示する(ステップS614)。そして、サービス提供装置400bは、利用情報を更新する(ステップS615)。入退制御装置800は、退場の制限を解除する指示を受けると、指示に応じて退場の制限を解除する(ステップS616)。例えば、入退制御装置800が駐車場のゲート装置である場合、入退制御装置800はユーザの車両が出口を通過できるようにゲートを開放する。
【0089】
このように構成された第三適用例では、ユーザは端末装置によって所定の電話番号に発信することによって、施設への入場や退場を行う事が可能となる。
本システムが駐車場に適用された場合は、ユーザは端末装置によって所定の電話番号に発信することによって駐車場を利用することが可能となる。また、ユーザは端末装置によって所定の電話番号に電話することによって、駐車場を退場することが可能となる。そのため、ユーザは駐車券を管理する必要が無くなり、駐車券を紛失するおそれがなくなる。また、駐車場の事業者にとっても、駐車券の発行コストや管理コストを低減させることが可能となる。
【0090】
また、第三適用例では、発信者番号に基づく認証処理が行われない。そのため、事前の登録などを行うことなく誰でも入退制御装置800に係るサービス(例えば駐車場の利用)を受けることが可能となる。
【0091】
<変形例>
サービス提供装置400bは、予め会員登録しているユーザの発信者番号を会員情報として記憶してもよい。この場合、利用料金判定部405は、会員登録されているユーザに対して利用料金の割引を行ってもよい。
【0092】
入場と退場とにおいて同一の装置IDが用いられてもよい。この場合、サービス提供装置400bの利用情報管理部404は以下のようにして入場処理と退場処理とのどちらが要求されているのか判定する。サービス提供装置400bは、受信された発信者番号を有し且つ入場日時及び退場日時を有していない利用情報レコード94を検索する。このような利用情報レコード94が検索されない場合、利用情報管理部404は、入場制限の解除が要求されていると判定する。また、サービス提供装置400bは、受信された発信者番号及び入場日時を有し且つ退場日時を有していない利用情報レコード94を検索する。このような利用情報レコード94が検索された場合、利用情報管理部404は、退場制限の解除が要求されていると判定する。
【0093】
商品の購入に応じて利用料金が割引されてもよい。例えば、ユーザが会計時に端末装置500の電話番号(発信者番号)を販売員に伝えると、その電話番号が割引き対象者の電話番号としてサービス提供装置400bの利用情報テーブルに登録されてもよい。この場合、利用料金判定部405は、割引き対象者の利用料金を判定する際に、割引き処理を行う。
【0094】
[第三実施形態]
図20は、第三適用例として説明した入退制御システムの変形例のシステム構成図である。本実施形態の入退制御システムは、認証システム100を備えない。本実施形態の入退制御システムでは、サービス電話番号として、00XY特番の電話番号ではなく、0AB〜Jや0AB0特番の電話番号が用いられる。そのため、発信者番号に基づく認証処理は行われない。
【0095】
図21は、第三実施形態における入場処理の流れを示すシーケンスチャートである。入場処理は、ユーザが所定の領域に入る際に行われる処理である。
入場処理が行われるまでは、入退制御装置800は、入場を制限する状態に制御される。この制御は、例えばサービス提供装置400bによって行われる。
【0096】
入場を希望するユーザは、入場を制限している入退制御装置800に割り当てられている電話番号を取得する。ユーザは、取得した電話番号を端末装置500に入力する(ステップS701)。端末装置500は、入力された発信番号に対して発信する(ステップS702)。発信された呼は、電話網を経由して、電話番号が割り当てられているサービス提供装置400bに到達する。
【0097】
サービス提供装置400bは、呼を受けると着信応答する(ステップS703)。サービス提供装置400bは、呼の接続に応じて発信者番号を取得する(ステップS704)。その後、サービス提供装置400bは呼を切断する(ステップS705)。次に、サービス提供装置400bは、着信先の電話番号に基づいて、制御が求められている入退制御装置800が入場を制限しているのか退場を制限しているのか判定する。サービス提供装置400bは、判定結果に応じて利用情報を更新する(ステップS706)。そして、サービス提供装置400bは、判定された入退制御装置800に対し、入場の制限を解除することを表す指示(入場制限解除指示)を送信する(ステップS707)。
入退制御装置800は、サービス提供装置400bから入退制限解除指示を受信すると、ユーザの入場の制限を解除する(ステップS708)。
【0098】
図22は、第三実施形態における退場処理の流れを示すシーケンスチャートである。退場処理は、ユーザが所定の領域から出る際に行われる処理である。
退場処理が行われるまでは、入退制御装置800は、退場を制限する状態に制御される。この制御は、例えばサービス提供装置400bによって行われる。
【0099】
退場を希望するユーザは、退場を制限している入退制御装置800に割り当てられている電話番号を取得する。ユーザは、取得した電話番号を端末装置500に入力する(ステップS801)。端末装置500は、入力された発信番号に対して発信する(ステップS802)。発信された呼は、電話網を経由して、電話番号が割り当てられているサービス提供装置400bに到達する。
【0100】
サービス提供装置400bは、呼を受けると着信応答する(ステップS803)。サービス提供装置400bは、この接続に応じて発信者番号を取得する(ステップS804)。その後、サービス提供装置400bは呼を切断する(ステップS805)。次に、サービス提供装置400bは、着信先の電話番号に基づいて、制御が求められている入退制御装置800が入場を制限しているのか退場を制限しているのか判定する。サービス提供装置400bは、判定結果に応じて利用情報を更新する。
【0101】
制御が求められている入退制御装置800が退場を制御しているという判定結果に応じて、制御部402は、利用料金判定部405に対し利用料金の判定を指示する。利用料金判定部405は、この指示に応じて利用料金を判定する(ステップS806)。利用料金判定部405は、判定された利用料金を制御部402に通知する。制御部402は、入退制御装置800に対し、利用料金を表示することを指示する(ステップS807)。この指示に応じて、入退制御装置800は利用料金を表示することによってユーザに利用料金を通知する(ステップS808)。
【0102】
ユーザは、入退制御装置800に表示された利用料金を確認し、利用料金に応じた金銭を入退制御装置800に投入する。入退制御装置800は、ユーザによる支払いが完了すると、支払いが完了したことをサービス提供装置400bに通知する(ステップS809)。
【0103】
サービス提供装置400bは、支払い完了の通知を受けると、退場の制限を解除することを入退制御装置800に指示する(ステップS810)。そして、サービス提供装置400bは、利用情報を更新する(ステップS811)。入退制御装置800は、退場の制限を解除する指示を受けると、指示に応じて退場の制限を解除する(ステップS812)。
このように構成された第三実施形態においても、第三適用例と同様の効果を得ることが可能となる。
<変形例>
第三適用例においては、サービス電話番号に代えて、他の識別子が用いられてもよい。たとえば、サービス提供装置400bに割り当てられたサービス電話番号に代えて、サービス提供装置400bに割り当てられたメールアドレスや、サービス提供装置400bに割り当てられたアカウントID(例えば、SNS(Social Networking Service)のID、所定のサービスへのログインIDなど)が用いられてもよい。ただし、上述のようにメールアドレスやIDが用いられてもよいが、電話番号が用いられることが効果的である。
【0104】
上述した実施形態における認証システムの機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。