(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被測温体と接触する接触体が異種金属からなる熱電対素線を接合して形成された測温部を有する熱電対と被測温体側に突出して被測温体に接触したときに弾性変形する接触板とを備え、該接触板が被測温体に接触する接触部と該接触部の長さ方向の端部のそれぞれから延設され被測温体に接触しない非接触部とを有し、前記熱電対の前記測温部が前記接触部の被測温体に接触しない面に固定され、前記接触板を支持する支持体が筒状の頭部と該頭部の一端部に配置された開口部と該頭部の筒面の互いに対向する位置のそれぞれに前記開口部に繋がる切込部とを有し、前記接触部が前記開口部から被測温体側に突出し、前記非接触部が前記切込部に配置されて、前記切込部に配置された前記非接触部の内側面のそれぞれが前記接触部の長さ方向に対向した構成である接触式温度計において、
前記支持体が変形抑制部を備え、該変形抑制部が前記切込部に配置された前記内側面のそれぞれに対向配置されて、前記支持体が前記接触体に対して前記接触板の前記接触部の長さ方向に動かされた場合には、前記変形抑制部が前記接触体の前記接触部の長さ方向に対して前記接触部を介して対向配置された前記非接触部のどちらか一方の前記内側面と接触して、前記接触体の前記接触部の長さ方向の変形を抑制する構成であることを特徴とする接触式温度計。
被測温体と接触する接触体が、異種金属からなる熱電対素線を接合して形成された測温部を有する熱電対と、被測温体側に突出して被測温体に接触したときに弾性変形する接触板と、該接触板の幅方向の両側に前記接触板との間に間隙を空けて配置された複数の側沿板と、一方の該側沿板から他方の該側沿板に渡って延設される押出部材とを備え、前記接触板が被測温体に接触する接触部と該接触部の長さ方向の端部のそれぞれに隣接する被測温体に接触しない非接触部とを有し、前記側沿板が前記接触部に沿う接触部側沿部とそれぞれの前記非接触部に沿う非接触部側沿部とを有し、前記熱電対の前記測温部が前記接触部の被測温体に接触しない面に固定され、前記押出部材が前記熱電対の前記測温部に対して前記接触板の前記接触部の反対側に配置され、前記押出部材の延設方向の両端部のそれぞれが各前記側沿板に接合されて、前記押出部材が前記接触板の前記接触部を両側の前記側沿板よりも被測温体側に押し出し、前記接触板を支持する支持体が筒状の頭部と該頭部の一端部に配置された開口部と該頭部の筒面の互いに対向する位置のそれぞれに前記開口部に繋がる切込部とを有し、前記接触部及び前記接触部側沿部が前記開口部から被測温体側に突出し、前記非接触部及び前記非接触部側沿部が前記切込部に配置されて、前記切込部に配置された二組の前記非接触部側沿部の内側面のそれぞれが前記接触部の長さ方向に対向した構成である接触式温度計において、
前記支持体が変形抑制部を備え、該変形抑制部が前記切込部に配置された前記内側面のそれぞれに対向配置されて、前記支持体が前記接触体に対して前記接触板の前記接触部の長さ方向に動かされた場合には、前記変形抑制部が前記接触体の前記接触部の長さ方向に対して前記接触部を介して対向配置された二組の前記非接触部側沿部のどちらか一組の前記内側面と接触して、前記接触体の前記接触部の長さ方向の変形を抑制する構成であることを特徴とする接触式温度計。
前記変形抑制部が、前記支持体が前記接触体に対して前記接触部の長さ方向に動かされた場合に前記接触体の前記接触部の長さ方向に対して前記接触部を介して対向配置された部分の前記接触部側と接触する位置に配置される請求項1又は2に記載の接触式温度計。
前記変形抑制部が複数組の突出片を有し、組となる該突出片のそれぞれが互いに前記頭部の内壁面から前記接触体の幅方向に対向して突出し、前記支持体が前記接触体に対して前記接触部の長さ方向に動かされた場合に複数組の前記突出片のうちの一組の前記突出片が前記切込部に配置された前記接触体の対向する内側面のうちの一方の内側面の幅方向の両端部と接触する構成である請求項1〜3のいずれか1項に記載の接触式温度計。
前記支持体が前記頭部内に配置され前記接触体を固定する固定部材を有し、前記変形抑制部が複数組の突出片を有し、組となる該突出片のそれぞれが前記固定部材から前記切込部に配置された前記接触体の対向する内側面に向って突出し、前記支持体が前記接触体に対して前記接触部の長さ方向に動かされた場合に複数組の前記突出片のうちの一組の前記突出片が前記切込部に配置された前記接触体の対向する内側面のうちの一方の内側面の幅方向の両端部と接触する構成である請求項1〜3のいずれか1項に記載の接触式温度計。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の接触式温度計の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、熱電対として+極にクロメル、−極にアルメルを用いたタイプKを例に説明するが、本発明は、+極にクロメル、−極にコンスタンタンを用いたタイプEや、+極に白金ロジウム合金(ロジウム含有量30%)、−極に白金ロジウム合金(ロジウム含有量6%)を用いたタイプBなどの様々な種類の熱電対に適用することができる。また、図面に関しては、構成が分かり易いように寸法を変化させており、各部材、各部品の板厚や幅や長さなどの比率も必ずしも実際に製造するものの比率とは一致させていない。加えて、図面において、接触板の被測温体に接触する部分の長さ方向をx方向、幅方向をy方向、厚さ方向をz方向とする。
【0020】
図1に示すように、第一実施形態の接触式温度計1Aは接触体10を備え、接触体10は接触板11と熱電対12と絶縁膜13とを有する。また、この接触体10は被測温体側に向いた面を含む外側面10aとその外側面10aの反対側の内側面10b、10cとを有し、内側面10cはx方向に互いに対向する面である。
【0021】
また、この接触式温度計1Aは図示しない支持体に変形抑制部14を備え、変形抑制部14は複数組の突出片15A、15Bを有する。
【0022】
接触板11はy方向から見て被測温体に接触する部分を含む一部分がコの字状のニッケル基の超合金の導電性の板材で形成され、被測温体側に突出している。この接触板11はx方向に延設された接触部16と、接触部16のx方向の両端部に配置された屈曲部F1と、接触部16に隣接し屈曲部F1から延設された非接触部17とを有する。接触部16は被測温体の温度を測定する際に被測温体に接触する部分であり、非接触部17は被測温体に接触しない部分である。
【0023】
接触板11のy方向の幅は、少なくとも熱電対12のy方向の幅よりも広くする。接触板11の幅を熱電対12の幅よりも広くすることで、熱電対12が被測温体に直接接触しないように保護して耐久性を向上する。
【0024】
この接触板11のz方向の厚さは0.1mm以上、0.5mm以下の厚さが望ましい。この厚さが0.5mmより大きいと、被測温体の温度を測定するときの応答速度が遅くなり、厚さが0.1mmより小さいと、接触板11の弾性力が低下し被測温体に押圧された際に破損し易くなる。
【0025】
また、接触体10が被測温体に押圧された際に、接触板11の接触部16が弾性変形して被測温体と接触したときの接触する部分のx方向の長さL1は、熱電対12の厚さの20倍以上とすることが好ましい。なお、この実施形態では熱電対12の厚さが0.1mmであるので、長さL1は2.0mm以上とする。
【0026】
熱電対12は薄い帯状に形成された熱電対であり、接触体10の内側面10b、10cに沿って配置される。この熱電対12は、異種金属からなる熱電対素線18A、18Bとその熱電対素線18A、18Bを接合して形成された測温部19とを有する。
【0027】
また、この熱電対12は測温部19が接触板11の接触部16の中央部に配置され、測温部19からx方向に導出している熱電対素線18A、18Bのそれぞれが接触体10の内側面10b、10cに沿って配置される。加えて、この熱電対12は測温部19の近傍と屈曲部F1の近傍とが接触板11にスポット溶接で固定される。
【0028】
詳しくは、測温部19から導出している熱電対素線18A、18Bのそれぞれがスポット溶接によって接触板11に固定されることにより接触板11の接触部16の中央部から接触部16のx方向の端部に渡って内側面10bに接触する。このように熱電対素線18A、18Bを内側面10bに接触させることで、接触部16の被測温体に接触する長さL1が熱電対12の厚さの20倍以上であることも合わせて、被測温体の温度を測定する際に被測温体から接触板11を介して熱が十分に伝わって熱電対12が十分に均熱される。
【0029】
絶縁膜13は熱電対12と接触板11との間に介設される。この絶縁膜13は電気絶縁性の芳香族ポリイミドで構成される。この絶縁膜13の厚さは0.01mm以上、0.05mm以下が好ましい。この厚さが0.05mmより大きいと、被測温体の温度を測定するときの応答速度が遅くなり、厚さが0.01mmより小さいと、損傷し易くなる。
【0030】
変形抑制部14は図示しない支持体に設けられ、被測温体の温度の測定中に予期せぬ事態が発生し、支持体が接触体10の接触部16の長さ方向であるx方向に動かされた場合に、接触板11の接触部16の長さ方向であるx方向に対して接触部16を介して対向配置された非接触部17のどちらか一方と接触する。この変形抑制部14は一組の突出片15Aと他組の突出片15Bとを有する。
【0031】
突出片15Aは、接触体10の互いに対向する内側面10cの一方と接触可能な位置に配置され、突出片15Bは他方と接触可能な位置に配置される。また、この突出片15A、15Bは接触板11の非接触部17のy方向の端部と接触可能な位置に配置される。加えて、この突出片15A、15Bは、非接触部17の接触部16側、つまり非接触部17の屈曲部F1の近傍と接触可能な位置に配置される。
【0032】
図2に示すように、この接触式温度計1Aは上記の接触体10と接触体10を支持する支持体20と図示しないグリップと接続線とを備える。支持体20は、被測温体側の端部に配置され接触体10が突出する頭部21とその反対側の端部に接合される導出管22とを有する。
【0033】
頭部21は熱可塑性樹脂の射出成形体で形成され、円筒状の円筒体23と円筒体23の円筒面から半径方向に板状に突出した二組の衝突部材24とを有する。
【0034】
円筒体23は、被測温体側の端部に開口した開口部25と開口部25に繋がる切込部26とを有する。切込部26は一組の衝突部材24の間と他組の衝突部材24の間、つまり円筒面の互いに対向する位置のそれぞれに配置される。この円筒体23の開口部25から接触板11の接触部16が被測温体側に突出するように配置され、切込部26に非接触部17の一部が配置され、切込部26に配置された接触体10の内側面10cが互いにx方向に対向している。
【0035】
組となる衝突部材24のそれぞれは、円筒体23の切込部26を介して対向し、その組
となる衝突部材24の間に接触板11の非接触部17の一部が接触可能に配置される。
【0036】
また、この頭部21は円筒体23の内壁面から円筒体23の中心部に向って突出する第一支持部27と円筒体23の内壁面に接合された第二支持部28とを有する。この第一支持部27と第二支持部28は、接触板11の非接触部17の一部を非固定の状態で支持する。
【0037】
加えて、この頭部21は前述した一組の突出片15Aと他組の突出片15Bを備える。この突出片15A、15Bは、頭部21の内壁面、詳しくは衝突部材24の対向面から接触板11の非接触部17の幅方向であるy方向に向って突出する。また、組となる突出片15Aのそれぞれは互いにy方向に対向する方向に突出し、組となる突出片15Bも同様に突出する。
【0038】
次に、この接触式温度計1Aの製造方法について説明する。まず、熱電対12を、熱電対素線18A、18Bの先端部分を接合して測温部19を形成して、作成する。次いで、
図3に示すパーツ21Aと対になるパーツとを、熱可塑性樹脂を金型に充填し射出成形する。
【0039】
次いで、接触板11をジグなどの機械工作機器で固定して、
図4に示すように接触板11を屈曲する。このとき接触板11の接触部16の両端部の屈曲部F1を山折り、非接触部17の接触部16側の屈曲部F2を山折り、非接触部17の端部側の屈曲部F3を谷折りにする。このようにして、接触板11に接触部16と非接触部17を形成すると共に、非接触部17に接触部16の両端より略L字状に折り曲げられた第一変形部17aと、この第一変形部17aの端部より中央方向に折り曲げられた第二変形部17bと、第二変形部17bの端部より被測温体の反対方向側に折り曲げられた第三変形部17cとを形成する。
【0040】
次いで、屈曲した接触板11の内側面10b、10cに絶縁膜13を形成し、その上に熱電対12を配置し、熱電対12と接触板11とをスポット溶接で接合する。このようにして、接触体10を作成する。
【0041】
次いで、接触体10をパーツ21Aに取り付ける。このとき、接触板11の接触部16を開口部25から被測温体側に突出するように配置し、非接触部17の第一変形部17aを衝突部材24の間の切込部26に配置し、第二変形部17bを第二支持部28に当接可能に配置し、第二変形部17bと第三変形部17cとの間の屈曲部F3を第一支持部27に当接可能に配置する。また、接触体10の対向する内側面10cを、突出片15A、15Bのそれぞれに接触可能に配置する。
【0042】
次いで、パーツ21Aと対になるパーツとを嵌め合わせて頭部21を作成する。次いで、頭部21に導出管22を接合する。そして導出管22の一端部から熱電対12を導出して接続線に接合して接触式温度計1Aの製造が完了する。
【0043】
次に、この接触式温度計1Aの動作について説明する。
図4に示すように、接触体10を被測温体に押圧していない状態では、接触体10は第一支持部27と第二支持部28により支持されている。このとき接触体10の接触部16は開口部25から被測温体側に突出している。
【0044】
図5の実線で示すように、接触体10を被測温体に対して垂直に押圧した状態では、接触体10は弾性変形する。このとき接触体10の接触板11の接触部16の大部分は平らな状態に弾性変形する。一方、非接触部17は屈曲部F2及び屈曲部F3が屈曲し、第二
変形部17bの屈曲部F2側が上方に移動した状態に変形する。
【0045】
また、
図5の点線で示すように、接触体10を、傾斜面を有した被測温体に対して押圧した状態では、接触体10は弾性変形する。このとき接触体10の接触板11の接触部16は被測温体の傾斜面に沿うように弾性変形する。合わせて、一方の非接触部17は屈曲部F2及び屈曲部F3が屈曲し、一方の第二変形部17bの屈曲部F2側が、他方の第二変形部17bよりも上方に移動した状態に変形する。
【0046】
このように、接触体10を支持体20に第一支持部27と第二支持部28により非固定で支持することにより、接触体10を被測温体に押圧した際に接触体10にストレスが掛からない構造となる。従って、接触体10の耐久性を向上すると共に、応答速度の高速化や測定温度の高精度化を図る。
【0047】
図6に示すように、接触体10を被測温体に押圧した状態で支持体20をy方向に動かした場合には、接触体10の各非接触部17の幅方向であるy方向の一方の端部が、組となる衝突部材24の一方側とそれぞれ接触する。これにより、接触体10を支持体20に対してy方向に動かそうとしても、接触体10の各非接触部17と衝突部材24とが接触していることにより、これ以上は変形しない。これにより、接触体10のy方向の変形を抑制する。
【0048】
図7に示すように、接触体10を被測温体に押圧した状態で支持体20をx方向に動かした場合には、接触体10の対向している内側面10cのうちの一方が、組となる突出片15Bと接触する。より詳しくは、接触板11の非接触部17の内側面の接触部16側で、且つ非接触部17の幅方向であるy方向の両端部と各突出片15Bが接触する。これにより、接触体10を支持体20に対してx方向に動かそうとしても、接触体10の対向している内側面10cと突出片15Bとが接触していることにより、これ以上は変形しない。これにより、接触体10のx方向の変形を抑制する。
【0049】
図8に示すように、被測温体の表面に支持体20の頭部21よりも小さい突起が存在し、接触体10を突起に押圧した状態では、まず、接触体10が
図5と同様に弾性変形する。次いで、突起により接触体10が押圧方向の反対側に変形しようする。このときに、各突出片15A、15Bが接触体10の内側面10bと接触することにより、接触体10が押圧方向の反対側にこれ以上変形しない。これにより、接触体10のz方向の変形を抑制する。
【0050】
図9に示すように、第二実施形態の接触式温度計1Bは接触体30を備え、その接触体30は第一実施形態と同様の接触板11と熱電対12と絶縁膜13とを有すると共に、複数の側沿板31と押出用板32と複数の接合片33とを有する。また、この接触体30は被測温体側に向いた面を含む外側面30aとその外側面30aの反対側の内側面30b、30cとを有し、内側面30cは互いに対向する。
【0051】
また、この接触式温度計1Bは図示しない支持体に変形抑制部34を備え、変形抑制部34は複数組の突出片35A、35Bを有する。
【0052】
側沿板31は、接触板11の幅方向であるy方向の両側に接触板11との間に間隙を空けて配置され、接触板11と同様にy方向から見て一部分がコの字状のニッケル基の超合金の導電性の板材で形成され、被測温体側に突出している。この側沿板31は、x方向に延設され接触部16に沿う接触部側沿部36と、接触部側沿部36のx方向の両端部に配置された屈曲部F1と、接触部側沿部36に隣接し屈曲部F1から延設され非接触部17に沿う非接触部側沿部37とを有する。
【0053】
押出用板32は接触板11と同様のニッケル基の超合金の導電性の板材で形成され、熱電対12の配設方向であるx方向に交差するy方向に、一方の側沿板31から他方の側沿板31に渡って延設される。また、この押出用板32は熱電対12に対して接触板11の反対側に重ねられる。加えて、この押出用板32は側沿板31に対して被測温体側に配置される。このとき、押出用板32の位置は熱電対12に対して測温部19が配置された位置、つまり接触板11の接触部16の中央部となる。そして、この押出用板32は熱電対12の測温部19と当接する部分が熱電対12と共に接触板11にスポット溶接により接合され、y方向の両端部が各側沿板31にスポット溶接により接合される。
【0054】
図10に示すように、この押出用板32は両端部が各側沿板31の被測温体側に配置されて接合されることで、熱電対12と絶縁膜13とを介して、接触板11の接触部16を両側の側沿板31の接触部側沿部36よりも被測温体側に押し出している。従って、接触板11は熱電対12の厚さd1と押出用板32の厚さd2と絶縁膜13の厚さd3分だけ側沿板31よりも被測温体側に押し出される。
【0055】
接触板11の幅B1は、少なくとも熱電対12の幅B2よりも広くし、且つ、接触体30の幅B3の半分以上よりも広くする。接触板11の幅B1を熱電対12の幅B2よりも広くすることで、熱電対12が被測温体に直接接触しないように保護して耐久性を向上する。また、接触板11の幅B1を接触体30の幅B3の半分以上の幅とすると、接触体30がy方向にずらされた場合でも、接触板11の変形を抑制して、接触体30の耐久性を向上する。
【0056】
また、接触板11と側沿板31との間の幅B4は0.2mm以上、0.3mm以下が望ましい。幅B4が0.2mmより小さいと、接触板11と側沿板31との間が狭く、被測温体と接触する接触板11から側沿板31に伝熱し、精度の高い測定が難しくなる。一方、幅B4が0.3mmよりも大きいと、接触板11、あるいは側沿板31がy方向に大きく変形可能になり、接触体30の耐久性が落ちる。
【0057】
従って、接触体30の耐久性と測定結果の精度を考慮すると、接触体30の幅B3を基準として、接触板11の幅B1はその半分以上の幅とし、側沿板31の幅B5はその五分の一から四分の一程度の幅に設定することが望ましい。
【0058】
図11に示すように、接合片33は接触板11と同様にニッケル基の超合金の導電性の板材で形成され、接触板11の非接触部17の幅方向であるy方向の端部から対向する側沿板31の非接触部側沿部37の幅方向であるy方向の端部に渡って延設される。また、この接合片33は接触板11の非接触部17の屈曲部F1側と側沿板31の非接触部側沿部37の屈曲部F1側とを繋ぐ位置に配置される。
【0059】
変形抑制部34は、図示しない支持体に設けられ、被測温体の温度の測定中に予期せぬ事態が発生し、支持体が接触体30の接触部16の長さ方向であるx方向に動かされた場合に、x方向に対して接触部16を介して対向配置された二組の側沿板31の非接触部側沿部37のどちらか一組と接触する。また、この変形抑制部34は一組の突出片35Aともう一組の突出片35Bとを有する。
【0060】
突出片35Aは接触体30の互いに対向する内側面30cのうちの一方と接触可能な位置に配置され、突出片35Bは他方と接触可能な位置に配置される。また、この突出片35Aは一方の内側面30cの幅方向であるy方向の両端部、つまり接触部16に対してx方向に配置された一組の側沿板31の非接触部側沿部37の内側面と接触可能な位置に配置され、突出片35Bは他組の側沿板31の非接触部側沿部37の内側面と接触可能な位置に配置される。加えて、この突出片35A、35Bは側沿板31の非接触部側沿部37の接触部側沿部36側、つまり非接触部側沿部37の屈曲部F1の近傍と接触可能な位置に配置される。
【0061】
この接触式温度計1Bは上記の接触体30を支持する支持体40と図示しないグリップと接続線とを備える。支持体40は、被測温体側の端部に配置され接触体30が突出する頭部41とその反対側の端部に接合される導出管42とを有する。
【0062】
頭部41は金属加工体で形成され、円筒状の円筒体43を有する。円筒体43は、被測温体側の端部に開口した開口部44と、円筒面の互いに対向する位置のそれぞれに開口部44に繋がる切込部45とを有する。この円筒体43の開口部44から接触板11の接触部16と側沿板31の接触部側沿部36とが被測温体側に突出するように配置され、切込部45に接触板11の非接触部17と側沿板31の非接触部側沿部37とが配置される。
【0063】
また、この頭部41は円筒体43の切込部45により形成された二つの半円筒形状の両端部に衝突部46を有する。更に、この頭部41は円筒体43の内部に抜け留部材(固定部材)47と、その抜け留部材47に固定された前述した突出片35A、35Bとを有する。
【0064】
抜け留部材47は、円筒状の金属加工体で形成され、一方の端部が円筒体43の内底面との間に接触体10の端部を挟持して、円筒体43の内底面に接合される。
【0065】
突出片35A、35Bは、抜け留部材47と同様に金属加工体で形成され、抜け留部材47の他方の端部に配置され、その端部から接触体30の内側面30cに向かってx方向に突出している。また、一組の突出片35Aと他組の突出片35Bとはそれぞれx方向の反対方向に突出する。
【0066】
次に、この接触式温度計1Bの製造方法について説明する。まず、第一実施形態と同様に熱電対12を作成する。次いで、金属を加工して円筒体43と突出片35A、35Bを有する抜け留部材47を作成する。
【0067】
次いで、
図12に示すように、幅B3、厚さd2のニッケル基の超合金などの金属の板材P1を加工し、板材P1の両幅端部側のそれぞれに、詳しくは板材P1のy方向の端部から幅B5の箇所に幅B6、長さL2の間隙G1をそれぞれ形成する。次いで、間隙G1のx方向の端部から板材P1のx方向の端部に向って間隔L3を空け、板材P1のx方向の端部に向って間隙G1と同じ幅の間隙G2を形成する。このようにして一枚の板材P1に二つの間隙G1と少なくとも四つの間隙G2を形成することで、接触板11と両側の側沿板31と接合片33とを形成する。
【0068】
このとき板材P1に形成された接合片33は、接触体30を被測温体に押圧したときに、接触板11と両側の側沿板31とが無理なく変形し、歪みを発生させないようにするために、押出用板32が接合される接触板11の中央部と接合片33との間の長さL4を長くすることが望ましい。一方で、接合片33は、接触板11と両側の側沿板31とを繋いで、y方向の力に対して、接触板11と両側の側沿板31がy方向に変形することを抑制して、接触体30の耐久性を向上するという役割を持つ。そのため、接触板11の中央部と接合片33との間の長さL4を長くし過ぎるとその抑制効果が低くなる。従って、この実施形態では、接合片33を接触板11の非接触部17の屈曲部F1側と側沿板31の非接触部側沿部37の屈曲部F1側とを繋ぐ位置に配置して、弾性変形する際に発生する力を抑制し、且つ幅方向への変形や移動を防止する効果を向上している。
【0069】
また、間隙G1と間隙G2との間の間隔L3を長くすると、接合片33のx方向の長さが伸びて強度を増すことができる。但し、この間隔L3を長くし過ぎると強度が高すぎて、この部分の変形を妨げる可能性がある。従って、この間隔L3の長さは1.0mm以上、3.0mm以下が好ましい。1.0mmよりも小さいと接合片33の強度が低くなり変形し易くなる。一方、3.0mmより大きいとその部分の弾性変形を阻害する。また、間隙G2の長さを長くすると、この部分の弾性力を低下させることができる。つまり、接触体30を組み立てた際に、接触板11の非接触部17及び側沿板31の非接触部側沿部37が、接触部16及び接触部側沿部36よりも変形し易くなる。従って、接触部16を被測温体に押し付ける力を減少させることができ、接触部16の浮き上がりを抑制する。
【0070】
加えて、このように接触板11と両側の側沿板31と接合片33とを一枚の板材P1から形成すると、接触体30の部品点数を減少し、接触体30を製造する際の加工工程を減少して。接触体30を安価に製造できる。
【0071】
次いで、板材P1をジグなどの機械工作機器で固定して、
図13に示すように屈曲する。なお、
図13では非接触部17は側沿板31に重なっている状態であるため、非接触部17を示す符号については側沿板31を示す符号に括弧書きで追加した。このとき、接触板11の接触部16及び側沿板31の接触部側沿部36の両端部の屈曲部F1を山折り、非接触部17及び非接触部側沿部37の屈曲部F2と屈曲部F3を山折りにする。このようにして接触板11に接触部16と非接触部17とを形成すると共に、非接触部17に接触部16の両端より略L字状に折り曲げられた第一変形部17aと、この第一変形部17aの端部より中央方向に折り曲げられた第二変形部17bとを形成する。同様に側沿板31に接触部側沿部36と非接触部側沿部37とを形成すると共に、非接触部側沿部37に接触部側沿部36の両端より略L字状に折り曲げられた第一変形部37aと、この第一変形部37aの端部より中央方向に折り曲げられた第二変形部37bとを形成する。
【0072】
次いで、接触体30の内側面30b、30cに絶縁膜13を形成し、その上に熱電対12を配置する。次いで、接触部16の中央部に押出用板32を重ね、押出用板32の延設方向の両端部を側沿板31の接触部側沿部36に対して被測温体側に配置する。このとき、押出用板32は接触板11の接触部16と側沿板31の接触部側沿部36に挟持される。次いで、押出用板32の両端部を各側沿板31にスポット溶接で接合する。次いで、押出用板32の熱電対12の測温部19と重なる部分を熱電対12と共に接触板11にスポット溶接で接合する。また、熱電対12を屈曲部F1の近傍で接触板11にスポット溶接で接合する。なお、押出用板32と熱電対12との間にも絶縁膜を介設するとよい。
【0073】
次いで、側沿板31の端部同士、つまり第二変形部37bの端部同士を接合して、接触体30を側面から見て矩形の輪状に形成する。このとき接触板11の端部同士は接合せず、その端部の間から熱電対12を導出する。このようにして、接触体30を作成する。
【0074】
次いで、
図13に示すように、接触体30の輪の中に抜け留部材47を挿入し、この接触体30と抜け留部材47を頭部41の円筒体43の開口部44から挿入する。このとき、接触板11の接触部16と側沿板31の接触部側沿部36を開口部44から被測温体側に突出するように、また非接触部17の第一変形部17aと非接触部側沿部37の第一変形部37aを切込部45から突出するように、且つ屈曲部F1の近傍のy方向の両端部を衝突部46のそれぞれに当接可能に、それぞれ配置する。また、接触体30の対向する内側面30cを、突出片35A、35Bのそれぞれに接触可能に配置する。
【0075】
次いで、接触板11及び側沿板31のそれぞれの端部を抜け留部材47と円筒体43の内底面との間で挟持して固定する。次いで、頭部41に導出管42を接合する。そして導出管42の一端部から熱電対12を導出して接続線に接合して接触式温度計1Bの製造が
完了する。
【0076】
次に、この接触式温度計1Bの動作について説明する。
図13に示すように、接触体30を被測温体に押圧していない状態では、接触体30は抜け留部材47により支持されている。このとき接触体30の一部は開口部44と切込部45から被測温体側に突出している。また、接触板11の接触部16が押出用板32により熱電対12と絶縁膜13とを介して間接的に押し出され、側沿板31の接触部側沿部36よりも被測温体側に位置している。加えて、接触板11の非接触部17と側沿板31の非接触部側沿部37は接合片33により非接触部17と非接触部側沿部37とのどちらが外側や内側に突出することなく一体化している。
【0077】
図14の実線で示すように、接触体30を被測温体に対して垂直に押圧した状態では、接触体30の接触板11の接触部16と側沿板31の接触部側沿部36のそれぞれは平らな状態に弾性変形する。一方、接触板11の非接触部17の第一変形部17aと側沿板31の非接触部側沿部37の第一変形部37aのそれぞれは一体的に外側に広がった状態に弾性変形する。このとき、接触板11の接触部16は、自身の弾性力に加えて、押出用板32により間接的に押し出され、その部分は、常に両側の側沿板31の接触部側沿部36よりも被測温体側に位置することになる。
【0078】
ここで、
図15の(a)に示す押出用板32の無い接触式温度計の接触体30Xと、
図15の(b)に示す押出用板32Yと接合片33Yとの間の長さが短い接触体30Yと、この実施形態の接触式温度計1Bの接触体30との違いについて説明する。なお、接触体30X、30Yはどちらも接触体30と同様に支持体40にその端部が固定されているものとする。押出用板32の無い接触体30Xを被測温体に押圧すると、
図15の(a)に示すように、接触板11Xが浮き上がって被測温体から離れてしまう。また、押出用板32Yと接合片33Yとの間の長さが短い接触体30Yを被測温体に押圧すると、
図15の(b)に示すように、接触板11Y及び側沿板31Yの変形量が大きく、且つ接合片33Yとの接合部の付近に大きな歪みが発生する。
【0079】
一方、上記の接触式温度計1Bは押出用板32で間接的に接触板11を押し出すことで、接触板11の接触部16を両側の側沿板31の接触部側沿部36よりも被測温体側に押し出して、接触部16の浮き上がりを回避する。また、接合片33を接触板11の非接触部17と側沿板31の非接触部側沿部37とを繋ぐ位置に配置して、押出用板32と接合片33との間を長くすることで、接触板11及び側沿板31の変形量を小さくし、且つ接合片33との接合部の付近の歪みの発生を回避する。
【0080】
図16に示すように、接触体30を被測温体に押圧した状態で支持体40をy方向に動かした場合には、接触体30の幅方向であるy方向の一方の端部が、つまり一方の側沿板31が、一方の半円筒形状の両端部に配置された一組の衝突部46と接触する。従って、接触体30の一方の側沿板31と衝突部46とが接触していることにより、これ以上は変形しない。これにより、接触体30のy方向の変形を抑制する。
【0081】
また、このとき衝突部46と接触した側沿板31が接触板11側に変形しようとするが、接触板11の非接触部17と側沿板31の非接触部側沿部37とを繋ぐ接合片33が接触板11と側沿板31との間の間隙を保持して、その変形を抑制する。このように、接触体30を被測温体に押圧した際に、予期せぬ事態によって接触体30を支持する支持体40が動かされた場合には、接合片33が接触板11と両側の側沿板31との間の間隙を保持して、接触板11と両側の側沿板31との幅方向であるy方向への変形や移動を防止する。
【0082】
図17に示すように、接触体30を被測温体に押圧した状態で支持体40をx方向に動かした場合には、接触体30の切込部45に配置され互いに対向している内側面30cのうちの一方が、組となる突出片35Bと接触する。より詳しくは、接触部16のx方向の端部側に配置された一組の側沿板31の非接触部側沿部37の内側面の屈曲部F1の近傍と各突出片35Bとが接触する。従って、接触体30の対向している内側面30cのうちの一方と突出片35Bとが接触していることにより、これ以上は変形しない。これにより、接触体30のx方向の変形を抑制する。
【0083】
図18に示すように、被測温体の表面に支持体40の頭部41よりも小さい突起が存在し、接触体30を突起に押圧した状態では、まず、接触体30が
図14と同様に弾性変形する。次いで、突起により接触体30が押圧方向の反対側に変形しようする。このときに、各突出片35A、35Bが接触体30の内側面30bと接触することにより、接触体30が押圧方向の反対側にこれ以上変形しない。これにより、接触体30のz方向の変形を抑制する。
【0084】
上記の接触式温度計1A、1Bによれば、被測温体の温度の測定中に予期せぬ事態が発生し、支持体20、40を動かした場合に、支持体20、40に設けた衝突部材24や衝突部46、あるいは変形抑制部14、34と接触体10、30が接触することで、接触体10、30の変形を抑制することができるので、耐久性を向上することができる。
【0085】
特に、第一実施形態の場合は、接触板11の接触部16の長さ方向であるx方向に動かした場合に、変形抑制部14が接触板11の非接触部17のどちらか一方と接触する。詳しくは、
図7に示すように、変形抑制部14が有する突出片15A、15Bの一方が切込部26に配置された接触体10の対向する内側面10cのうちの一方のy方向の両端部で、且つ屈曲部F1側と接触する。
【0086】
また、第二実施形態の場合は、支持体40を接触板11の接触部16の長さ方向であるx方向に動かした場合に、変形抑制部34が接触体30の接触板11の接触部16に対してx方向の両側に配置された二組の側沿板31の非接触部側沿部37のどちらか一組と接触する。詳しくは、
図17に示すように、変形抑制部34が有する二組の突出片35A、35Bの一方が切込部45に配置された接触体30の対向する内側面30cのうちの一方の幅方向であるy方向の両端部、つまり一組の側沿板31の非接触部側沿部37の屈曲部F1側と接触する。
【0087】
これにより、x方向に接触体10、30の弾性力よりも強い力が掛かっても、変形抑制部14、34の突出片15A、15B、35A、35Bが接触体10、30のx方向の変形を抑制するので、接触体10、30の変形や破損を回避することができる。
【0088】
また、支持体20、40が接触体10、30に対してx方向に動かされたときにのみに、突出片15A、15Bのどちらか一方、あるいは突出片35A、35Bのどちらか一方が接触体10、30の対向する内側面10c、30cのうちの一方と接触するので、被測温体の温度を測定する際の接触体10、30の弾性変形を阻害しないため、測定の精度の悪化を回避することができる。
【0089】
加えて、突出片15A、15Bが非接触部17の屈曲部F1側と接触する、あるいは突出片35A、35Bが側沿板31の非接触部側沿部37の屈曲部F1側と接触することで、接触体10、30の変形量を最小にして、接触体10、30の変形や破損を確実に回避することができる。
【0090】
更に、接触体10、30が突起物によって押圧方向の反対側に変形しようとしたときに
、突出片15A、15Bあるいは突出片35A、35Bが接触体10、30の内側面10b、30bと接触するので、接触体10、30が押圧方向の反対側に変形することを抑制することができる。
【0091】
その上、突出片15A、15B及び突出片35A、35Bは、熱電対12と接触しないので、突出片15A、15B及び突出片35A、35Bと熱電対12とが接触することで発生する熱電対12の損傷を回避することができる。
【0092】
なお、上記の実施形態では、接触体10及び30の一部をy方向から見てコの字状に形成した例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、接触体の一部をy方向から見て円弧状に形成すると共に支持体の頭部を球面状に形成することもできる。このように接触体を円弧状に形成した場合でも、接触体を被測温体に押圧したときに、接触する接触部と接触しない非接触部が形成される。
【0093】
また、上記の実施形態では、頭部21を熱可塑性樹脂で形成し、頭部41を金属加工体で形成した例を説明したが、頭部21を金属加工体で形成し、頭部41を熱可塑性樹脂で形成することもできる。
【0094】
また、上記の実施形態では、熱電対12が帯状の熱電対のため、接触体10、30の内側面10b、30bに沿う長さL1を熱電対12の厚さd1を基準に設定したが、断面が円形の線状の熱電対の場合にはその外径を基準とする。
【0095】
また、上記の第一実施形態の他の例としては、
図19に示すように、変形抑制部50が接触体10の対向する内側面10cの一方側から他方側に延設された変形抑制板51を有し、支持体20をx方向に動かした際に、その変形抑制板51の延設方向の両端部51a、51bのどちらか一方が内側面10cと接触する構成でもよい。また、
図20に示すように、変形抑制部60が衝突部材24の対向する面から接触体10の幅方向に突出する突出片61A、61Bを有し、支持体20をx方向に動かした際に、突出片61A、61Bのどちらか一方が接触体10の外側面10aと接触する構成でもよい。これらの構成は、第二実施形態にも適用できる。
【0096】
また、上記の第二実施形態の他の例としては、接触体70が熱電対12を覆う絶縁膜71を備え、絶縁膜71が電気絶縁性の芳香族ポリイミドと電気絶縁性のフッ素樹脂とが重ねて形成されたフィルム71A、71Bで構成される。また、この接触体70が側沿板31に対して被測温体の反対側に配置され、接触板11には接合されない押出用板72を備え、押出用板72が介設された絶縁膜71で覆われた熱電対12を介して、接触板11の接触部16を両側の側沿板31の接触部側沿部36よりも被測温体側に押し出す構成としてもよい。このように構成することで、熱電対12を押出用板72によって接触板11に非接地で固定することができる。つまり、熱電対12を接触板11に電気が導通しない状態で固定することにより、被測温体の温度を測定するときに接触板11を被測温体に押圧しても、熱電対12が被測温体と導通しないので、熱電対12に余分なノイズが入ることを回避して被測温体の温度を精度良く測定することができる。